JP5409421B2 - 油性離型剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、油性離型剤組成物に関し、更に詳しくは、焼付きを防止し、離型性が優れる油性離型剤組成物に関する。
ダイカスト鋳造は、ダイカスト金型に、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛等の溶融合金を高温で圧入し、鋳物を生産する鋳造方式である。
ダイカスト鋳造においては、一般に、鋳物をダイカスト金型から外し易くするために、ダイカスト金型の内面に離型剤が付与される。
ところで、かかる離型剤としては、シリコーン油や潤滑剤を、界面活性剤を用いて水中に分散させた水性離型剤が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
水性離型剤は、作業性が優れているものの、離型性が不十分であり、又、ライデンフロスト現象が生じて鋳物の品質が低下する欠点がある。
これに対し、ライデンフロスト現象が生じない油性離型剤が注目されている。
例えば、所定の溶剤、鉱油及び/又は合成油、シリコーン油、添加剤を含む油性ダイカスト用離型剤が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2001−259787号公報 特開2002−282997号公報 特開2004−91566号公報 特許第4095102号公報
しかしながら、特許文献4記載の油性ダイカスト用離型剤は、ダイカスト鋳造に用いると、離型剤の焼付きが生じ、鋳物が褐色に汚染する場合がある。
また、離型性が水性離型剤よりも優れるものの十分とはいえず、鋳物の鋳肌が粗くなる場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、焼付き及び汚染を防止し、離型性が優れる油性離型剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、所定の動粘度を有する高粘度油と溶剤の配合割合、及び、潤滑剤と溶剤との配合割合を所定の範囲とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)40℃における動粘度が40〜180mm/Sであり、100℃における動粘度が6.5〜17mm/Sである高粘度油と、有機モリブデン化合物からなる潤滑剤と、パラフィンからなる溶剤と、を備え、高粘度油の配合割合が12〜20質量%であり、潤滑剤の配合割合が0.2〜0.8質量%であり、有機モリブデン化合物中のモリブデン含有量が4.5質量%以下、硫黄含有量が5質量%以下である油性離型剤組成物に存する。
本発明は、(2)有機亜鉛化合物からなる潤滑補助剤を更に備える上記(1)記載の油性離型剤組成物に存する。
本発明は、(3)40℃における動粘度が30mm/S以下であり、100℃における動粘度が6mm/S以下である低粘度油を更に備える上記(1)又は(2)に記載の油性離型剤組成物に存する。
本発明は、()パラフィンがイソパラフィンである上記(1)〜()のいずれか一つに記載の油性離型剤組成物に存する。
本発明は、()潤滑性を向上させるためのシリコーン油を更に備える上記(1)〜()のいずれか一つに記載の油性離型剤組成物に存する。
本発明は、()ダイカスト鋳造に用いられ、ダイカスト金型に付与される上記(1)〜()のいずれか一つに記載の油性離型剤組成物に存する。
本発明の油性離型剤組成物は、高粘度油と潤滑剤と溶剤とを備えているので、例えば、ダイカスト金型に付着させた場合、ライデンフロスト現象の発生を抑制できる。
また、上記油性離型剤組成物においては、高粘度油と溶剤の配合割合、及び、潤滑剤と溶剤との配合割合を所定の範囲とすることにより、鋳物への焼付きを防止でき、ダイカスト金型と鋳物との離型性も向上させることができる。これにより、鋳物の鋳肌が粗くなることを抑制できる。なお、本発明において「離型性」とは、鋳物のダイカスト金型からの離れ易さの度合いを意味する。
本発明の油性離型剤組成物においては、有機亜鉛化合物からなる潤滑補助剤を更に備える場合、潤滑剤に基づく潤滑性がより向上する。これにより、鋳物及びダイカスト金型の離型性が更に優れるものとなる。
本発明の油性離型剤組成物においては、低粘度油を更に備えると、ダイカスト金型への離型剤の付着性が向上し、特に、ダイカスト金型の温度が350℃より高い状態でダイカスト鋳造する場合、鋳物への焼付きを確実に抑制することができる。
本発明の油性離型剤組成物においては、有機モリブデン化合物のモリブデン含有量が4.5質量%以下であり、硫黄含有量が5質量%以下であると、二硫化モリブデンによる黒色皮膜の発生を極力少なくすることができ、悪臭の発生も抑制できる。
本発明の油性離型剤組成物においては、パラフィンがイソパラフィンであると、ダイカスト鋳造時における煙の発生が少なくなる。また、悪臭もしないので、作業環境に優れる。
本発明の油性離型剤組成物においては、潤滑性を向上させるためのシリコーン油を更に備えると、ダイカスト金型への潤滑性が向上し、特に、ダイカスト金型の温度が350℃より低い状態でダイカスト鋳造する場合、離型性をより向上させることができる。
図1の(a)〜(c)は、実施例における離型性試験の概要を説明するための図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る油性離型剤組成物は、高粘度油と、低粘度油と、有機モリブデン化合物からなる潤滑剤と、有機亜鉛化合物からなる潤滑補助剤と、潤滑性を向上させるためのシリコーン油と、パラフィンからなる溶剤と、を備える。
本実施形態に係る油性離型剤組成物によれば、高粘度油と、低粘度油と、潤滑剤とシリコーン油と、溶剤とからなる構成とすることにより、ダイカスト金型に付着させた場合、ライデンフロスト現象の発生を抑制できる。
また、ダイカスト鋳造の温度に関わらず、鋳物への焼付きが防止され、離型性も向上することになる。
ここで、本発明において、高粘度油とは、40℃における動粘度が40〜180mm/Sであり、100℃における動粘度が6.5〜17mm/Sである鉱油及び/又は合成油を意味し、低粘度油とは、40℃における動粘度が30mm/S以下であり、100℃における動粘度が6mm/S以下である鉱油及び/又は合成油を意味する。
高粘度油は、潤滑油としての機能を発揮する。
高粘度油である鉱油は、石油等の鉱物質の油から分留等して得られ、上述した動粘度を備えるものであれば特に限定されない。例えば、スピンドル油、マシン油、モーター油、シリンダー油等が挙げられる。
高粘度油である合成油は、化学合成して得られ、上述した動粘度を備えるものであれば特に限定されない。例えば、合成エステル等が挙げられる。
なお、鉱油と合成油は、それぞれを単独で用いても、混合して用いてもよい。
高粘度油は、40℃における動粘度が40〜180mm/Sである。
40℃における動粘度が40mm/S未満であると、ダイカスト金型への付着が不十分となり、40℃における動粘度が180mm/Sを超えると、特にダイカスト鋳造を低温で行った場合、粘度が高すぎて、ダイカスト金型に均一に付着できないことになる。
また、100℃における動粘度が6.5〜17mm/Sである。
100℃における動粘度が6.5mm/S未満であると、特にダイカスト鋳造を高温で行った場合、ダイカスト金型への付着が不十分となり、100℃における動粘度が17mm/Sを超えると、粘度が高すぎて、ダイカスト金型に均一に付着できないことになる。
低粘度油は、潤滑油としての機能を発揮する。
低粘度油である鉱油は、石油等の鉱物質の油から分留等して得られ、上述した動粘度を備えるものであれば特に限定されない。例えば、スピンドル油、マシン油、モーター油、シリンダー油等が挙げられる。
低粘度油である合成油は、化学合成して得られ、上述した動粘度を備えるものであれば特に限定されない。例えば、合成エステル等が挙げられる。
なお、鉱油と合成油は、それぞれを単独で用いても、混合して用いてもよい。
また、高粘度油と低粘度油とは、粘度がそれぞれ上記範囲内であれば、同じ材料であっても異なる材料であってもよい。
低粘度油は、40℃における動粘度が30mm/S以下である。
40℃における動粘度が30mm/Sを超えると、特にダイカスト鋳造を高温で行った場合、ダイカスト金型への付着性向上の効果が認められない。
また、100℃における動粘度が6mm/S以下である。
100℃における動粘度が6mm/Sを超えると、特にダイカスト鋳造を高温で行った場合、ダイカスト金型への付着性向上の効果が認められない。
上記油性離型剤組成物においては、ダイカスト金型の温度が350℃より高い状態でダイカスト鋳造する場合、低粘度油を更に備えることにより、ダイカスト金型への油性離型剤組成物の付着性が向上し、鋳物への焼付きを抑制することができる。すなわち、ダイカスト金型の温度が350℃より高い状態でダイカスト鋳造する場合、低粘度油を加えることが好ましい。
上記油性離型剤組成物において、高粘度油の配合割合は12〜20質量%であり、14〜17質量%であることが好ましい。
高粘度油の配合割合が12質量%未満であると、付着性が不十分であり、焼付きが生じ易くなる。また、配合割合が20質量%を超えると、油性離型剤組成物自体の粘度が高くなり過ぎ、ダイカスト金型に吹付け難くなる。
高粘度油と低粘度油との配合割合は、高粘度油1質量部に対して、低粘度油が0〜1.5質量部であることが好ましい。
高粘度油1質量部に対する低粘度油の配合割合が1.5質量部を超えると、配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、ダイカスト鋳造時に多くの煙が発生する傾向にある。なお、低粘度油の配合割合が0質量部というのは、油性離型剤組成物が低粘度油を含んでいない場合を意味する。
有機モリブデン化合物からなる潤滑剤は、温度に関わらず、潤滑性を向上させるという機能を発揮する。すなわち、上述した高粘度油は、温度によって潤滑性が影響され易いが、有機モリブデン化合物からなる潤滑剤は温度に影響され難い。
有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオカーバメイト、モリブデンジチオフォスフェート、モリブデン−アミン錯体(モリブデン酸ジアルキルアミン塩等)等が挙げられる。これらの中でも、有機モリブデン化合物は、潤滑性、耐腐食性の観点から、モリブデンジチオカーバメイトであることが好ましい。
また、モリブデンジチオカーバメイトは、モリブデン含有量が4.5質量%以下であり、硫黄含有量が5質量%以下であることが好ましい。
モリブデン含有量が4.5質量%を超えると、モリブデン含有量が上記範囲内にある場合と比較して、ダイカスト金型の表面に二硫化モリブデンの黒色皮膜を形成する恐れがあり、硫黄含有量が5質量%を超えると、硫黄含有量が上記範囲内にある場合と比較して、悪臭がする恐れがある。
油性離型剤組成物において、潤滑剤の配合割合は0.2〜0.8質量%であり、0.3〜0.6質量%であることがより好ましい。
潤滑剤の配合割合が0.2質量%未満であると、十分な離型性を得ることができない。また、配合割合が0.8質量%を超えると、ダイカスト金型において、有機モリブデン化合物が不溶性の二硫化モリブデンに変化し、ダイカスト金型の表面に黒色皮膜を形成するおそれがある。
有機亜鉛化合物からなる潤滑補助剤は、有機モリブデン化合物の潤滑性を向上させる。このため、潤滑剤及び潤滑補助剤を含む油性離型剤組成物は、鋳物及びダイカスト金型間の潤滑性が更に向上し、離型性が極めて向上する。
潤滑補助剤としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
潤滑剤と潤滑助剤との配合割合は、潤滑剤1質量部に対して、潤滑助剤が0.001〜0.01質量部であることが好ましい。
潤滑剤1質量部に対する潤滑助剤の配合割合が0.001質量部未満であると、配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、有機モリブデン化合物の潤滑性の十分な向上が認められない。また、配合割合が0.01質量部を超えると、有機モリブデン化合物の潤滑性が向上しなくなる。
本実施形態に係る油性離型剤組成物においては、シリコーン油を備えることが好ましい。この場合、ダイカスト金型への潤滑性が向上し、特に、ダイカスト金型の温度が350℃より低い状態でダイカスト鋳造する場合、離型性をより向上させることができる。
かかるシリコーン油としては、ジメチルシリコーン油、メチルフェニールシリコーン油、メチル水素シリコーン油等のストレートシリコーン油、アミノ変性シリコーン油等の変性シリコーン油等が挙げられる。
シリコーン油の配合割合は、0〜5質量%であることが好ましい。
溶剤100質量部に対するシリコーン油の配合割合が5質量%を超えると、配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、潤滑性の向上が認められない。なお、シリコーン油の配合割合が0質量%というのは、油性離型剤組成物がシリコーン油を含んでいない場合を意味する。
パラフィンからなる溶剤は、高粘度油と、潤滑剤と、を溶解し、噴霧容易な液体とする機能を発揮する。
パラフィンとしては、例えば、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。これらの中でもパラフィンは、イソパラフィンであることが好ましい。この場合、ダイカスト鋳造時における煙の発生が少なくなる。また、悪臭もしないので、作業環境に優れる。
イソパラフィンは、合成ガスから直接合成されたものであることが好ましい。なお、ノルマルパラフィンは、一般に石油成分の中から分離して得られる。
本実施形態に係る油性離型剤組成物には、添加剤が含まれていてもよい。
かかる添加剤としては、皮膜形成剤、油性剤、清浄分散剤、酸化防止剤、極圧剤、摩耗防止剤、防錆剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤等が挙げられる。
これらの中でも、ダイカスト金型への付着性を向上させるため、油性剤が添加されていることが好ましい。
上記皮膜形成剤としては、カルナバワックス、蜜蝋、木蝋、モンタンワックス、マイクロワックス、パラフィンワックス等のワックスや、菜種油、ヒマシ油、大豆油、パーム油、ヤシ油、牛脂、豚脂等の油脂が挙げられる。
上記油性剤としては、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸や、ソルビタンモノオレート、グリセリンステアリン酸エステル、グリセリンオレイン酸エステル等の脂肪酸エステルが挙げられる。
上記極圧潤滑剤としては、リン酸エステル等が挙げられる。
本実施形態に係る油性離型剤組成物は、ダイカスト鋳造において、ダイカスト金型に付与して用いられる。
かかる付与方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー方式、シャワー方式、インクジェット方式等が挙げられる。
油性離型剤組成物のダイカスト金型への塗布量は、従来と比べて少量であり、3〜10ml/mであれば、十分な離型性を発揮することができる。
塗布量が3ml/m未満であると、塗布量が上記範囲内にある場合と比較して、十分な離型性が得られない場合があり、塗布量が10ml/mを超えても、塗布量が上記範囲内にある場合と比較して、離型性の向上が認められない。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態に係る油性離型剤組成物は、ダイカスト鋳造用離型剤として用いられているが、切削油、圧延油、ピストン用プランジャ油、プレス加工油、合成樹脂成型用離型剤等として用いることも可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
40℃における動粘度が170mm/Sであり、100℃における動粘度が16mm/Sである高粘度油(鉱油)を15質量部と、モリブデンジチオフォスフェート(潤滑剤)を0.4質量部と、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(潤滑補助剤)を0.003質量部と、シリコーン油を3質量部と、ソルビタンモノオレート(油性剤)を0.1質量部と、にイソパラフィン(溶剤)を加えて、100質部とすることにより、油性離型剤組成物を得た。なお、モリブデンジチオフォスフェートのモリブデン含有量は4.5質量%以下であり、硫黄含有量は5質量%以下であった。
(実施例2)
高粘度油の配合割合を12質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。
(実施例3)
高粘度油の配合割合を14質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。
(実施例4)
高粘度油の配合割合を17質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。
(実施例5)
高粘度油の配合割合を20質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。
(実施例6)
モリブデンジチオフォスフェートの代わりにモリブデンジチオカーバメイト0.2質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。なお、モリブデンジチオカーバメイトのモリブデン含有量は4.5質量%以下であり、硫黄含有量は5質量%以下であった。
(実施例7)
モリブデンジチオフォスフェートの代わりにモリブデンジチオカーバメイト0.3質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。なお、モリブデンジチオカーバメイトのモリブデン含有量は4.5質量%以下であり、硫黄含有量は5質量%以下であった。
(実施例8)
モリブデンジチオフォスフェートの代わりにモリブデンジチオカーバメイト0.6質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。なお、モリブデンジチオカーバメイトのモリブデン含有量は4.5質量%以下であり、硫黄含有量は5質量%以下であった。
(実施例9)
モリブデンジチオフォスフェートの代わりにモリブデンジチオカーバメイト0.8質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。なお、モリブデンジチオカーバメイトのモリブデン含有量は4.5質量%以下であり、硫黄含有量は5質量%以下であった。
(実施例10)
40℃における動粘度が170mm/Sであり、100℃における動粘度が16mm/Sである高粘度油を15質量部と、40℃における動粘度が10mm/Sであり、100℃における動粘度が2.6mm/Sである低粘度油を20質量部と、モリブデンジチオフォスフェート(潤滑剤)を0.4質量部と、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(潤滑補助剤)を0.003質量部と、シリコーン油を3質量部と、ソルビタンモノオレート(油性剤)を0.1質量部と、にイソパラフィン(溶剤)を加えて、100質部とすることにより、油性離型剤組成物を得た。なお、モリブデンジチオフォスフェートのモリブデン含有量は4.5質量%以下であり、硫黄含有量は5質量%以下であった。
(比較例1)
高粘度油の配合割合を10質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。
(比較例2)
モリブデンジチオフォスフェートを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。
(比較例3)
モリブデンジチオフォスフェートの配合割合を1.0質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、油性離型剤組成物を得た。
(評価方法)
実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた油性離型剤組成物に対して、離型性試験を施した。
図1の(a)〜(c)は、離型性試験の概要を説明するための図である。
まず、縦150mm、横150mm、高さ15mmの鉄板1を準備し、所定の温度に加熱した後、実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた油性離型剤組成物をスプレーにて付与し、油性離型剤組成物による離型層2を形成した。
その後、図1の(a)に示すように、離型層2上に、直径9.5mm、高さ20mmのリング3を載置し、その中に加熱溶解した溶解アルミニウム100gを流し込んだ。なお、リング3は、ワイヤー4を介して図示しないモーターに接続されている。
そして、冷却して、図2の(b)に示すように、溶解アルミニウム(ADC−12(JIS))を固化アルミニウム5とし、図2の(c)に示すように、固化アルミニウム5の上に9kgの錘6を載置して、ワイヤー4を引っ張った。
1.焼付き
油性離型剤組成物の吹き付け時の温度を300℃、350℃、400℃とし、実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた油性離型剤組成物を用いた場合において、焼付きの評価をした。焼付きの評価は、引っ張った後の固化アルミニウム5の離型層2との接触面に、焼付きがないものを「A」、やや焼付きが認められるもの「B」、焼付きが認められるものを「C」とした。
2.鋳肌
油性離型剤組成物の吹き付け時の温度を300℃、350℃、400℃とし、実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた油性離型剤組成物を用いた場合において、鋳肌の評価をした。鋳肌の評価は、引っ張った後の固化アルミニウム5の離型層2との接触面(鋳肌)が滑らかなものを「A」、やや滑らかなものを「B」、粗いものを「C」とした。
3.汚染
油性離型剤組成物の吹き付け時の温度を300℃、350℃、400℃とし、実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた油性離型剤組成物を用いた場合において、汚染の評価をした。汚染の評価は、引っ張った後の固化アルミニウム5の離型層2との接触面に汚染が認められないものを「A」、やや汚染が認められるものを「B」、汚染しているものを「C」とした。
4.離型抵抗
油性離型剤組成物の吹き付け時の温度を300℃、350℃、400℃とし、実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた油性離型剤組成物を用いた場合において、ワイヤー4で固化アルミニウム5及び錘6引っ張ったときの力の量(kgf/cm)を測定した。なお、離型抵抗の値が小さいほど、離型性が優れることを意味する。
得られたそれぞれの結果及び総合評価を表1に示す。表中「−」は、離型性が悪く、測定不能だったことを意味する。なお、総合評価は特に優れた効果を示す油性離型剤組成物を「○」、優れた効果を示す油性離型剤組成物を「△」、効果が劣る油性離型剤組成物を「×」とした。
〔表1〕
Figure 0005409421
表1の結果から、実施例1〜10の油性離型剤組成物は、比較例1〜3のものと比較して、焼付き、鋳肌、汚染、離型抵抗の全ての面において、優れるものであった。
特に、実施例1の油性離型剤組成物は、300℃における焼付き、鋳肌、汚染、離型抵抗に優れるものであり、実施例10の油性離型剤組成物は、400℃における焼付き、鋳肌、汚染、離型抵抗に優れるものであった。
以上より、本発明の油性離型剤組成物によれば、焼付きを防止でき、離型性を極めて向上させることができることがわかった。
本発明の油性離型剤組成物は、ダイカスト鋳造に用いられ、ダイカスト金型に付与することにより、鋳物の焼付きを防止し、離型性が優れるものとなる。
1・・・鉄板
2・・・離型層
3・・・リング
4・・・ワイヤー
5・・・固化アルミニウム
6・・・錘

Claims (6)

  1. 40℃における動粘度が40〜180mm/Sであり、100℃における動粘度が6.5〜17mm/Sである高粘度油と、
    有機モリブデン化合物からなる潤滑剤と、
    パラフィンからなる溶剤と、
    を備え、
    前記高粘度油の配合割合が12〜20質量%であり、
    前記潤滑剤の配合割合が0.2〜0.8質量%であり、
    前記有機モリブデン化合物中のモリブデン含有量が4.5質量%以下、硫黄含有量が5質量%以下である油性離型剤組成物。
  2. 有機亜鉛化合物からなる潤滑補助剤を更に備える請求項1記載の油性離型剤組成物。
  3. 40℃における動粘度が30mm/S以下であり、100℃における動粘度が6mm/S以下である低粘度油を更に備える請求項1又は2に記載の油性離型剤組成物。
  4. 前記パラフィンがイソパラフィンである請求項1〜のいずれか一項に記載の油性離型剤組成物。
  5. 潤滑性を向上させるためのシリコーン油を更に備える請求項1〜のいずれか一項に記載の油性離型剤組成物。
  6. ダイカスト鋳造に用いられ、
    ダイカスト金型に付与される請求項1〜のいずれか一項に記載の油性離型剤組成物。
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