JP5108697B2 - 光走査装置 - Google Patents

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本発明は、光走査装置に係り、更に詳しくは、被走査面を走査する光走査装置に関する。
カールソンプロセスを用いて画像を形成する画像形成装置としては、例えば、回転する感光ドラムの表面を走査して、感光ドラムの表面に潜像を形成し、この潜像を可視化して得られたトナー像を、記録媒体としての用紙上に定着させることにより、画像を形成する画像形成装置が知られている。近年、この種の画像形成装置は、オンデマンドプリンティングシステムとして簡易印刷によく用いられるようになり、画像の高密度化及び画像出力の高速化への要求が一層高まっている。
そこで、最近では、複数本のレーザ光を射出するマルチビームレーザダイオードや、複数の発光領域がモノリシックに2次元配置された、例えば面発光型レーザアレイ(VCSEL: vertical cavity surface emitting laser)などの光源を備え、これらの光源から射出される複数本のレーザ光で、被走査面上の複数の走査ラインを同時に走査することが可能な画像形成装置が提案されている。
この種の画像形成装置に用いられる光走査装置では、複数本のレーザ光を射出する光源を、走査光学系の光軸回りに回動することで、ビームピッチの調整が行われ、このビームピッチの調整方法に関しては、種々の技術が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
特許第3668053号公報 特開2002−182141号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、光源ユニットを回転させることでビームピッチを調整しても、固定の為のねじ締めの際に、光源ユニットに狙いではない移動(回転)が発生してしまい、光源ユニットの姿勢がずれてしまう問題がある。この光源ユニットの姿勢のずれは、発光点の副走査方向の距離のずれの要因となり、結果的に、光走査装置の走査精度を低下させる原因となっていた。
具体的には、2つの部品A、Bを位置調整し、ねじ締め固定する際には、一般的に2つの部品のうちの片方の部品Aを固定し、その固定した部分と地面などでつながっている調整装置に付いたチャックで、もう一つの部品Bを持ち、回転位置を調整する。位置を調整し終わると、ねじを締め、その後部品Bのチャックを解除し、AとBの締結が完了する。この時、ねじ締め構造物の一部(部品B)を、構造物以外のチャックで保持していたので、構造体自身のねじ締めの力とチャックからの力で干渉が生じ、チャック開放時に変動が生じる。これがねじ締めの変動の原因となっている。また、ねじ締めの際、ねじのトルクにより2つの部品が相対的に動くこともねじ締め変動の原因の一つになっている。
また、ねじを緩めた状態(2つの部品が相対的に動ける状態)で調整する場合、ねじ締めを開始するときには2部品が相対的に動ける状態にあり、ねじを締めるにつれて、2部品が微細的に固定される状態に移行するため、必ず2部品間の相対位置の変動が生じる。この変動を減らす為には、ねじを出来るだけ締めた状態(仮締め)にしておいて2部品が相対的に動ける状態と、固定される状態との差を減らして2部品の位置を調整する必要がある。ただしねじを締めれば締めるほど2部品を動かすときの摩擦力が大きくなり、外部的に動かすのは困難になってしまう。
このような状況を解決するのに、従来は、調整を行った後、ねじを締めては特性を確認し、特性が条件を満たさない場合には再度ねじを緩めて調整を行い、再度ねじを締めては特性を確認するといった作業を行ってきた。これでは調整時の時間が非常に長くなり、量産性を向上させることは困難である。
また、特許文献2に記載の技術では、線材で光源ユニットを押さえることでねじ止め構造を無くし、ねじ締めの際の光源ユニットの姿勢変動自体を無くしている。しかしながら、光源ユニットを回転させる為には光源ユニットと構造体との間にわずかな隙間を作る必要があり、調整完了後に振動等によりその隙間分ピッチがずれるという問題があった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、ビームピッチの調整を精度よく行うことで、被走査面を精度よく走査することを可能とする光走査装置を提供することにある。
本発明は第1の観点からすると、レーザ光を用いて被走査面を走査する光走査装置であって、複数の第1の切り欠き部が形成されたステム部を有し、相互に平行な複数本のレーザ光を所定方向へ射出する光源と;前記光源からのレーザ光を偏向する偏向器を含む走査光学系と;前記光源が、レーザ光の射出方向に平行な軸回りに回動可能に嵌合する開口部と、該開口部のに設けられ、前記光源が前記開口部に嵌合したときに、前記複数の第1の切り欠き部に個別に重なる複数の第2の切り欠き部を有し、前記走査光学系が収容される光学ハウジングと;前記光学ハウジングに取り付けられることで、前記光源を前記光学ハウジングに対して圧接させる保持部材と;を備え、前記保持部材は、前記複数の第1の切り欠き部、及び前記複数の第2の切り欠き部を露出させる露出部が形成されており、前記複数の第1の切り欠き部は、前記ステム部の内側から外側にかけて広くなる形状を有している光走査装置である。
これによれば、ビームピッチが精度よく調整されたレーザ光により被走査面を精度よく走査することが可能となる。
本発明では、光学ハウジングと光源のステム部に切り欠きを作り、ねじを本固定の数割の力(本締めの際に支持部材と光源とがねじの力で回転しない程度の力)で締め、切り欠き部にマイナスドライバー等を入れてねじると、そのとき生じる力により光源を光軸に平行な軸回りに回転させることができる。この際、ドライバーの力は2つの部品(例えば調整する箇所が光源と光学ハウジング(光学系の構造体)のみにかかり、例えば光学ハウジングが固定されていれば光源が相対的に動くことになる。このことにより光源を回転調整することができ、発光点の任意の方向の距離を調整することができる。この結果、投射される光の任意の方向の距離(ビームピッチ)を調整することができ、書き込み系であれば良質の書き込み画質を得ることができる構造となっている。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1は、本実施形態にかかる画像形成装置500の概略構成を示す図である。
画像形成装置500は、例えば、黒、イエロー、マゼンダ、シアンのトナー像を普通紙(用紙)上に重ね合わせて転写することにより、多色画像を印刷するタンデム方式のカラープリンタである。この画像形成装置500は、図1に示されるように、光走査装置100、4本の感光ドラム30A、30B、30C、30D、転写ベルト40、給紙トレイ60、給紙コロ54、第1レジストローラ56、第2レジストローラ52、定着ローラ50、排紙ローラ58、上記各部を統括的に制御する不図示の制御装置、及び上記構成部品を収容するハウジング501などを備えている。
ハウジング501には、上面に印刷が終了した用紙が排出される排紙トレイ501aが形成され、その排紙トレイ501aの下方に光走査装置100が配置されている。
光走査装置100は、感光ドラム30Aに対しては、上位装置(パソコン等)から供給された画像情報に基づいて変調された黒色画像成分のレーザ光を走査し、感光ドラム30Bに対してはシアン画像成分のレーザ光を走査し、感光ドラム30Cに対してはマゼンダ画像成分のレーザ光を走査し、感光ドラム30Dに対してはイエロー画像成分のレーザ光を走査する。なお、光走査装置100の構成については後述する。
4本の感光ドラム30A、30B、30C、30Dは、その表面に、レーザ光が照射されると、その部分が導電性となる性質をもつ感光層が形成された円柱状の部材であり、光走査装置100の下方にX軸方向に沿って等間隔に配置されている。
感光ドラム30Aは、ハウジング501内部の−X側端部にY軸方向を長手方向として配置され、不図示の回転機構により図1における時計回り(図1の矢印に示される方向)に回転されるようになっている。そして、その周囲には、図1における12時(上側)の位置に帯電チャージャ32Aが配置され、2時の位置にトナーカートリッジ33Aが配置され、10時の位置にクリーニングケース31Aが配置されている。
帯電チャージャ32Aは、長手方向をY軸方向として、感光ドラム30Aの表面に対し所定のクリアランスを介して配置され、感光ドラム30Aの表面を所定の電圧で帯電させる。
トナーカートリッジ33Aは、黒色画像成分のトナーが充填されたカートリッジ本体と、感光ドラム30Aとは逆極性の電圧によって帯電された現像ローラなどを備え、カートリッジ本体に充填されたトナーを現像ローラを介して感光ドラム30Aの表面に供給する。
クリーニングケース31Aは、Y軸方向を長手方向とする長方形状のクリーニングブレードを備え、該クリーニングブレードの一端が感光ドラム30Aの表面に接するように配置されている。感光ドラム30Aの表面に吸着されたトナーは、感光ドラム30Aの回転に伴いクリーニングブレードにより剥離され、クリーニングケース31Aの内部に回収される。
感光ドラム30B,30C,30Dは、感光ドラム30Aと同等の構成を有し、感光ドラム30Aの+X側に所定間隔隔てて順番に配置されている。そして、その周囲には、前述の感光ドラム30Aと同様の位置関係で、帯電チャージャ32B,32C,32D、トナーカートリッジ33B,33C,33D及びクリーニングケース31B,31C,31Dがそれぞれ配置されている。
帯電チャージャ32B〜32Dは、前述した帯電チャージャ32Aと同様に構成され、感光ドラム30B〜30Dの表面を所定の電圧で帯電させる。
トナーカートリッジ33B〜33Dは、それぞれシアン、マゼンダ、イエロー画像成分のトナーが充填されたカートリッジ本体と、感光ドラム30B〜30Dとは逆極性の電圧によって帯電された現像ローラなどを備え、カートリッジ本体に充填されたトナーを現像ローラを介して感光ドラム30B〜30Dの表面にそれぞれ供給する。
クリーニングケース31B〜31Dは、クリーニングケース31Aと同様に構成され、同様に機能する。
以下、感光ドラム30A、帯電チャージャ32A、トナーカートリッジ33A及びクリーニングケース31Aを合わせて第1ステーションと呼び、感光ドラム30B、帯電チャージャ32B、トナーカートリッジ33B及びクリーニングケース31Bを合わせて第2ステーションと呼び、感光ドラム30C、帯電チャージャ32C、トナーカートリッジ33C及びクリーニングケース31Cを合わせて第3ステーションと呼び、感光ドラム30D、帯電チャージャ32D、トナーカートリッジ33D及びクリーニングケース31Dを合わせて第4ステーションと呼ぶものとする。
転写ベルト40は、無端環状の部材で、感光ドラム30A,30Dの下方にそれぞれ配置された従動ローラ40a,40cと、これらの従動ローラ40a,40cより少し低い位置に配置された駆動ローラ40bに、上端面が感光ドラム30A、30B、30C、30Dそれぞれの下端面に接するように巻回されている。そして、駆動ローラ40bが図1における反時計回りに回転することにより、反時計回り(図1の矢印に示される方向)に回転される。また、転写ベルト40の+X側端部近傍には、上述した帯電チャージャ32A、32B、32C、32Dとは逆極性の電圧が印加された転写チャージャ48が配置されている。
給紙トレイ60は、転写ベルト40の下方に配置されている。この給紙トレイ60は略直方体状のトレイであり、内部に印刷対象としての複数枚の用紙61が積み重ねられて収納されている。そして、給紙トレイ60の上面の+X側端部近傍には矩形状の給紙口か形成されている。
給紙コロ54は、給紙トレイ60から用紙61を一枚ずつ取り出し、一対の回転ローラから構成される第1レジストローラ56を介して、転写ベルト40と転写チャージャ48によって形成される隙間に導出する。
定着ローラ50は、一対の回転ローラから構成され、用紙61を過熱するとともに加圧し、第2レジストローラ52を介して、排紙ローラ58へ導出する。
排紙ローラ58は、一対の回転ローラから構成され、導出された用紙61を排紙トレイ501aに順次スタックする。
次に、光走査装置100の構成について説明する。図2は光走査装置100の光学ハウジングを示す斜視図であり、図3は光走査装置100の光学ハウジングを展開して示す図である。図2及び図3に示されるように、光走査装置100は、光源70A,70B及び光源70C,70Dが取り付けられるコアハウジング120、コアハウジング120から射出されたレーザ光を各感光ドラム30A〜30Dへ導く光学系などが収容されるサブハウジング110を有している。
図4は、コアハウジング120を、該コアハウジング120に収容された光学素子などとともに示す平面図である。図4に示されるように、コアハウジング120は、ポリゴンミラー104、1組の第1走査レンズ105A,105Bを収容する平面視長方形状の第1部分と、1組の光学ユニット102A,102Bを収容する第2部分を含む例えばアルミダイキャスト製の容体である。また、この容体の+Y側の壁面は、XZ面に対して約30度傾斜した外壁120a及び外壁120bを含んで構成されている。そして、外壁120aには、光源70A及び光源70Bが取り付けられ、外壁120bには、光源70C及び光源70Dが取り付けられている。
ここで、説明の便宜上、壁面120bの法線方向をy軸方向とする座標系を定義し、以下適宜この座標系を用いた説明を行う。
図5は、外壁120aの側面図である。図5に示されるように、前記外壁120aには光源70A,70Bが取り付けられる嵌合部121が、副走査方向(z軸方向)に隣接して形成されている。この嵌合部121は、円形の段付き開口部121aと、この段付き開口部121aの+x側及び−x側に形成されたT字状の切り欠き部121bとから構成されている。
図6は、光源70Aの斜視図である。前記光源70A,70Bそれぞれは、2本の平行なレーザ光を射出するマルチビームレーザダイオードである。これらの光源70A,70Bそれぞれは、前記段付き開口部121aの内径より小径の円筒状の本体部70a、段付き開口部121aの大径部とほぼ同径の円形板状のステム部70b、及びステム部70bから−y方向に延びる4本のリード端子70cの3部分からなり、ステム部70bの+x側端部及び−x側端部にはV字状の切り欠き部70dが形成されている。
図7に示されるように、これらの光源70A,70Bは、ステム部70bが、外壁120aに形成された嵌合部121の段付き開口部121aに−y側から嵌め込まれることで、コアハウジング120の外壁120aに取り付けられる。また、この状態のときには、光源70A,70Bのステム部70bが、段付き開口部121aの段部に当接した状態となっている。
図8に示されるように、嵌合部121に光源70A,70Bが取り付けられると、光源70A,70Bのステム部70bに形成された切り欠き部70dと、嵌合部121に設けられた切り欠き部121bが重なった状態となる。本実施形態では、光源70A,70Bの切り欠き部70dと、嵌合部121の切り欠き部121bとの間に、例えばマイナスドライバ90の先端部を挿入し、このマイナスドライバ90をy軸に平行な軸回りに回動することで、嵌合部121に嵌合された光源70A,70Bのy軸に平行な軸回りの角度を調整することができる。これにより、光源70A,70Bから射出されるレーザ光のピッチを調整することができる。以下、簡単に光源70A,70Bにおけるレーザ光のピッチ調整について光源70Aを取り上げて説明する。
図9(A)及び図9(B)は、光源70Aを+y側から見た図である。図9(A)に示されるように、光源70Aには、レーザ光を射出する2つの発光領域70eが、光源70Aの中心を通る直線上に、前記中心からの距離が等しくなるように形成されている。本実施形態におけるピッチ調整は、光源70Aをy軸に平行な軸(以下、単に回転軸ともいう)回りに回動することで、レーザ光の副走査方向の距離を調整することにより行う。この調整は、例えば図10(A)に示される状態から光源70Aを角度α回転させると、2つの発光領域70eの副走査方向に関する距離がd1からd2に変化することを利用する。
本実施形態では、コアハウジング120の外壁120aに光源70A,70Bが取り付けられた後に、更に、外壁120aに保持部材72が取り付けられる。この保持部材72は、図10に示されるように、長手方向をx軸方向とする長方形板状の部材であり、中央に開口部72aが形成されるとともに、両端部に丸孔72cがそれぞれ形成されている。さらに−y側の面には、開口部72aの周囲に、扇形状の4つの係止爪72bが形成されている。
この保持部材72は、図10(B)に示されるように、開口部72aに光源70A,70Bのステム部70bが嵌合した状態で、丸孔72cに挿入されたネジ73が外壁120aに螺合されることで、外壁120aに取り付けられている。また、この状態のときには、保持部材72の係止爪72bが、光源70A,70Bのステム部70bに係止し、両光源70A,70Bのステム部70bは外壁120と係止爪72bとによって挟持された状態となっている。これにより、光源70A,70Bはコアハウジング120に対して安定的にその姿勢が規定された状態となる。
上述のようにコアハウジング120に取り付けられた光源70A,70Bから射出されるレーザ光の経路は、図4に示されるように、y軸に対して所定角度(本実施形態では30度)を成すように規定され、それぞれのレーザ光はこの経路を経由してポリゴンミラー104に入射する。
前記光源70C,70Dも、上述の光源70A,70Bと同様に、コアハウジング120の外壁120bに取り付けられている。これにより、光源70C,70Dから射出されるレーザ光の経路それぞれは、図4に示されるように、Y軸に対して所定角度(本実施形態では−30度)を成すように規定され、それぞれのレーザ光はこの経路を経由してポリゴンミラー104に入射する。
前記光学ユニット102A,102Bそれぞれは、光源70A、70Bからのレーザ光の経路上、或いは光源70C、70Dからのレーザ光の経路上に配置されている。これらの光学ユニット102A,102Bは、入射するレーザ光の発散角を所望の発散角に整形するカップリングレンズ、レーザ光の断面形状を所望の形状に整形するアパーチャ、レーザ光をポリゴンミラー104の偏向面に集光するシリンドリカルレンズなど、複数の光学素子を含んで構成されている。そして、光源70A〜70Bから射出されたレーザ光それぞれは、光学ユニット102A,102Bによって整形された状態で、ポリゴンミラー104に入射し、ポリゴンミラー104によって、Y軸方向に偏向走査される。
前記ポリゴンミラー104は、コアハウジング120のほぼ中央に、Z軸に平行な軸回りに回転可能に配置されている。このポリゴンミラー104は、側面にレーザ光の偏向面が形成された1組の正4角柱状の部材からなり、それぞれの部材は相互に45度位相がずれた状態で上下方向に隣接して配置されている。そして、不図示の回転機構により、Z軸に平行な軸回りに回転されている。
これにより、光源70Aから射出され、ポリゴンミラー104の上段の偏向面に入射したレーザ光と、光源70Bから射出され、ポリゴンミラー104の下段の偏向面に入射したレーザ光は、位相が相互にずれた状態で+Y方向にそれぞれ偏向走査される。また、光源70Cから射出され、ポリゴンミラー104の上段の偏向面に入射したレーザ光と、光源70Dから射出され、ポリゴンミラー104の下段の偏向面に入射したレーザ光は、位相が相互にずれた状態で−Y方向にそれぞれ偏向走査される。
前記第1走査レンズ105A,105Bは、ポリゴンミラー104の−X側及び+X側に配置されている。第1走査レンズ105A,105Bそれぞれは、レーザ光の入射角に比例した像高をもち、ポリゴンミラー104により、一定の角速度で偏向されるレーザ光の像面をY軸に対して等速移動させる。この第1走査レンズ105A,105Bを通過したレーザ光は、コアハウジング120の側壁に形成された開口部からXY平面に平行な方向へ射出される。
前記サブハウジング110は、一例として図3に示されるように、板金加工等によって形成された長手方向をX軸方向とする一対の側板111,112と、これらの側板111,112を連結する5つの連結部材113を含んで構成されている。
前記側板111,112それぞれは、例えば金属板を板金加工することにより形成され、複数の開口部が設けられている。また、図3に示されるように、側板112の中央部には矩形上の切り欠き部が形成され、該切り欠き部には側板112の一部が水平に折り曲げられることに形成された折り曲げ部112aが形成さている。
前記連結部材113は断面U字状の部材であり、両端部がそれぞれ側板111,112にそれぞれ固定されている。これにより、側板111,112は相互に平行になった状態で連結される。
上述のように構成されたサブハウジング110には、それぞれ同等の構成を有する4つの第2走査レンズ307A〜307D、及び複数の折り返しミラーMが保持される。そして、コアハウジング120とサブハウジング110は、図2及び図3を参酌するとわかるように、コアハウジング120の下面が折り曲げ部112aに支持され、更にコアハウジング120の−Y側の側面が側板111にボルト等で固定されることで一体化される。
図11は、ポリゴンミラー104以降の走査光学系を示す図である。本実施形態では、コアハウジング120とサブハウジング110が一体化されることで、図11に示される走査光学系が形成される。この走査光学系では、光源70Aから射出されポリゴンミラー104により偏向走査されたレーザ光LBは、第1走査レンズ105A、第2走査レンズ307B、反射ミラーMを介して感光ドラム30Bの表面に集光される。また、光源70Bから射出されポリゴンミラー104により偏向走査されたレーザ光LBは、第1走査レンズ105A、第2走査レンズ307A、反射ミラーMを介して感光ドラム30Aの表面に集光される。また、光源70Cから射出されポリゴンミラー104により偏向走査されたレーザ光LBは、第1走査レンズ105B、第2走査レンズ307C、反射ミラーMを介して感光ドラム30Cの表面に集光される。また、光源70Dから射出されポリゴンミラー104により偏向走査されたレーザ光LBは、第1走査レンズ105B、第2走査レンズ307D、反射ミラーMを介して感光ドラム30Dの表面に集光される
次に、上述のように構成された光走査装置100を備える画像形成装置500の動作について説明する。
画像形成装置500では、上位装置などから画像情報が供給されると、光源70A〜70Dそれぞれからレーザ光が射出される。そして、光源70A〜70Dそれぞれから射出されたレーザ光は、光学ユニット102A,102Bを介してポリゴンミラー104の偏向面に入射し、偏向走査される。そして、走査光学系によりそれぞれ感光ドラム30A〜30Dの表面に集光される。
感光ドラム30A〜30Dそれぞれの表面の感光層は、帯電チャージャ32A〜32Dにより所定の電圧で帯電されることにより、電荷が一定の電荷密度で分布している。そして、上述したように、感光ドラム30A〜30Dがそれぞれ走査されると、レーザ光が集光したところの感光層が導電性を有するようになり、その部分では電位がほぼ零となる。したがって、図1の矢印の方向にそれぞれ回転している感光ドラム30A〜30Dが、画像情報に基づいて変調されたレーザ光によって走査されるとことにより、それぞれの感光ドラム30A〜30Dの表面には、電荷の分布により規定される静電潜像が形成される。
感光ドラム30A〜30Dそれぞれの表面に静電潜像が形成されると、図1に示されるトナーカートリッジ33A〜33Dの現像ローラにより、感光ドラム30A〜30Dそれぞれの表面にトナーが供給される。このときトナーカートリッジ33A〜33Dそれぞれの現像ローラは感光ドラム30A〜30Dと逆極性の電圧により帯電されているため、現像ローラに付着したトナーは感光ドラム30A〜30Dと同極性に帯電されている。したがって、感光ドラム30A〜30Dの表面のうち電荷が分布している部分にはトナーが付着せず、走査された部分にのみトナーが付着することにより、感光ドラム30A〜30Dの表面に静電潜像が可視化されたトナー像が形成される。
上述のように画像情報に基づいて第1ステーション、第2ステーション、第3ステーション、及び第4ステーションで形成されたそれぞれのトナー像は、転写ベルト40の表面に重ねあわされた状態で転写される。そして、転写ベルト40の表面に転写されたトナー像は、転写チャージャ48によって給紙トレイ60から取り出された用紙61の表面に転写され、定着ローラ50により定着される。このように画像が形成された用紙61は、排紙ローラ58により排紙され、順次排紙トレイ501aにスタックされる。
以上説明したように、本実施形態では、コアハウジング120に光源70A〜70Dが取り付けられると、光源70A〜70Dのステム部70bに形成された切り欠き部70dと、コアハウジング120に嵌合部121に形成された切り欠き部121bとが重なった位置関係となる。これにより、例えば切り欠き部70dと切り欠き部121bとの間にマイナスドライバ90の先端部を挿入し、このマイナスドライバ90を回動することで、嵌合部121に嵌合された光源70A〜70Dの角度を調整することができる。したがって、ビームピッチが精度よく調整されたレーザ光により感光ドラム30A〜30Dを走査することが可能となる。
また、本実施形態では、コアハウジング120に取り付けられた光源70A〜70Dの角度調整を行ってから、保持部材72をコアハウジング120に取り付けたが、本実施形態では、保持部材72がコアハウジング120に取り付けられた状態のときには、光源70A〜70Dのステム部70bに形成された切り欠き部70dと、コアハウジング120の嵌合部121に形成された切り欠き部121bとが、保持部材72の開口部72aを介して露出した状態となっている。これにより、保持部材72をコアハウジング120に取り付けた後でも、マイナスドライバ90を保持部材72の開口部72aを介して、切り欠き部70dと切り欠き部121bとの間にマイナスドライバ90の先端部を挿入し、このマイナスドライバ90を回動することで、嵌合部121に嵌合された光源70A〜70Dの角度を調整することができる。この場合には、適宜、ネジ73を弛めることとしてもよい。
また、本実施形態では、コアハウジング120の嵌合部121に設けられた切り欠き部121bは、外壁120a,120bを貫通した状態となっているが、これに限らず、マイナスドライバ90の先端部を係止することができれば、必ずしも外壁120a,120bを貫通している必要はない。
また、本実施形態では、コアハウジング120の嵌合部121、光源70A〜70Dのステム部70bには、それぞれ2カ所の切り欠き部121b,70dが設けられているが、切り欠き部は2カ所に限らず、1カ所或いは3つ以上の複数箇所に設けられていてもよい。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について、図12〜図14を用いて説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一又は同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともに、その説明を省略又は簡略する。
図12には、本実施形態にかかるコアハウジング120と、該コアハウジング120に取り付けられた光源70A,70Bが示されている。図12を参酌するとわかるように、本実施形態にかかるコアハウジング120には、光源70A〜70Dのステム部70bが挿入される円形で段付きの嵌合部121と、この嵌合部121を挟むように形成されたT字状の切り欠き部122が形成されている。また、光源70Aのステム部70bには、V字状の切り欠き部70dに代えて、矩形上の切り欠き部70dが形成されている。
図13は、保持部材72の平面図である。本実施形態にかかる保持部材72は、第1の実施形態にかかる保持部材72と異なり、+x側端部及び−x側端部に矩形状の切り欠き部72dが形成され、開口部72aには、光源70A〜70Dのステム部70bに形成された矩形状の切り欠き部70dに係止する爪部72eが形成されている。この保持部材72は、図14に示されるように、爪部72eが光源70A〜70Dのステム部70bに形成された切り欠き部70dに係止し、かつ開口部72aに光源70A〜70Dのステム部70bが嵌め込まれた状態で、ネジ73によりコアハウジング120に取り付けられている。
本第2の実施形態では、保持部材72が、光源70A〜70Dに係合した状態でコアハウジング120に取り付けられることで、保持部材72に形成された切り欠き部72dが、コアハウジング120に形成された切り欠き部122と重なった状態となる。したがって、両切り欠き部72d,122との間に、マイナスドライバ90の先端部を挿入し、このマイナスドライバ90を回動することで、保持部材72を介して、光源70A〜70Dの角度を調整することができる。したがって、ビームピッチが精度よく調整されたレーザ光により感光ドラム30A〜30Dを走査することが可能となる。
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態について、図15及び図16を用いて説明する。本実施形態にかかる画像形成装置では、図15を参酌するとわかるように、光源70A〜70Dが、例えば、光源70A〜70Dから射出するレーザ光を整形する光学素子とともに、ベース75によって支持された構造となっている。
前記ベース部材75は、y軸方向に貫通する円形の段付き貫通孔75aを有している(図16参照)。このベース部材75には、光源70A〜70Bが、ステム部70bが段付き貫通孔75aに嵌め込まれることで取り付けられ、さらに、形状は異なるが、第2の実施形態における保持部材72と同等の機能を有する保持部材72がネジ73によって取り付けられている。
本第3の実施形態では、保持部材72がベース部材75に取り付けられると、保持部材72に形成された切り欠き部72dと、ベース部材75に形成されたT字状の切り欠き部75bが、xz面において重なった状態となる。したがって、両切り欠き部72d,75bとの間に、マイナスドライバ90の先端部を挿入し、このマイナスドライバ90を回動することで、ベース部材75を介して、光源70A〜70Dの角度を調整することができる。したがって、ビームピッチが精度よく調整されたレーザ光により感光ドラム30A〜30Dを走査することが可能となる。
なお、本第3の実施形態において、光源70A〜70Dとベース部材75との関係が、第1の実施形態における、光源70A〜70Dとコアハウジング120との関係と同等となるようにすることで、光源70A〜70Dを直接ベース部材75に対して回動させることとしてもよい。
また、本第3の実施形態において、図16に示されるように、ベース部材75の両端部に切り欠き部75bを形成し、ベース部材75とコアハウジング120との関係を、第2の実施形態における保持部材72とコアハウジング120との関係と同等になるようにしてもよい。これにより、図16に示されるように、ベース部材75の切り欠き部75bと、コアハウジング120の切り欠き部122との間に、マイナスドライバ90の先端部を挿入し、このマイナスドライバ90を回動することで、ベース部材75を介して、光源70A〜70Dの角度を調整することができる。
また、本第3の実施形態では、ベース部材75に単一の光源が取り付けられている場合について説明したが、例えば図17に示されるように、ベース部材75は、複数の光源70と、これに対応する光学素子76などが取り付けられる構造であってもよい。
なお、上記各実施形態では、2つの発光領域を有する光源を用いた説明を行ったがこれに限らず、光源は、3つ以上の発光領域を有していてもよい。
また、上記各実施形態では、保持部材72に形成された開口部72aの内周部と、光源70A〜70Dのリード端子70cとは近接した位置関係となる。このため、保持部材72とリード端子70cの接触による光源70A〜70Dの損傷を回避するため、保持部材72は、絶縁材料を素材とすることが好ましい。
また、上記各実施形態では、コアハウジング120に対して、光源70A〜70D、保持部材72、ベース部材75が取り付けられる場合について説明したが、これに限らず、光源70A〜70D等は、コアハウジング120以外の支持部材に取り付けられていてもよい。
また、上記各実施形態では、光走査装置100は、コアハウジング120とサブハウジング110とを備えているが、これに限らず、コアハウジングとサブハウジングとが一体的に構成されたハウジングを備えていてもよい。
また、上記各実施形態にかかる画像形成装置500では、光源70A〜70Dからのレーザ光のピッチが光源単位で調整された光走査装置100によって、各感光ドラム30A〜30Dに静電潜像が形成され、この潜像に基づいて用紙61上に画像が形成される。したがって、用紙61上に高精細な画像を形成することが可能となる。
また、上記実施形態では、複数の感光体30A〜30Bを備えた多色画像を形成する画像形成装置500について説明したが、これに限らず、本発明は、例えば1つの感光体を複数のレーザ光で走査することにより、単色の画像を形成する画像形成装置などにも適用することができる。
また、上記実施形態では、本発明の光走査装置100がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。
本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す図である。 光学ハウジングの斜視図である。 光学ハウジングの展開斜視図である。 コアハウジングの平面図である。 コアハウジングの外壁に形成された嵌合部を示す図である。 光源の斜視図である。 コアハウジングに対する光源の取り付け方法を説明するための図である。 光源の回動方法を説明するための図である。 図9(A)及び図9(B)は、レーザ光のピッチを調整する方法を説明するための図である。 図10(A)及び図10(B)は、保持部材の取り付け方法を説明するための図である。 走査光学系のレイアウト図である。 本発明の第2の実施形態にかかるコアハウジングの外壁に形成された嵌合部を示す図である。 第2の実施形態にかかる保持部材の平面図である。 第2の実施形態にかかる光源の回動方法を説明するための図である。 第3の実施形態にかかるベース部材を、光源、保持部材とともに示す斜視図である。 第3の実施形態にかかるベース部材の変形例を説明するための図(その1)である。 第3の実施形態にかかるベース部材の変形例を説明するための図(その2)である。
符号の説明
30A〜30B…感光ドラム、31A〜31D…クリーニングケース、32A〜32D…帯電チャージャ、33A〜33D…トナーカートリッジ、40…転写ベルト、40a,40c…従動ローラ、40b…駆動ローラ、48…転写チャージャ、50…定着ローラ、52…第2レジストローラ、54…給紙コロ、56…第1レジストローラ、58…排紙ローラ、60…給紙トレイ、61…用紙、70A〜70D…光源、70a…本体部、70b…ステム部、70c…リード端子、70d…切り欠き部、70e……発光領域、72…保持部材、72a…開口部、72b…係止爪、72c…丸孔、72d…切り欠き部、72e…爪部、73…ネジ、75…ベース部材、75a…段付き貫通孔、75b…切り欠き部、90…マイナスドライバ、100…光走査装置、104…ポリゴンミラー、105A,105B…第1走査レンズ、110…サブハウジング、111,112…側板、113…連結部材、120…コアハウジング、120a,120b…外壁、121…嵌合部、121a…段付き開口部、121b…切り欠き部、307A〜307D…第2走査レンズ、500…画像形成装置、501…ハウジング、501a…排紙トレイ、M…折り返しミラー。

Claims (3)

  1. レーザ光を用いて被走査面を走査する光走査装置であって、
    複数の第1の切り欠き部が形成されたステム部を有し、相互に平行な複数本のレーザ光を所定方向へ射出する光源と;
    前記光源からのレーザ光を偏向する偏向器を含む走査光学系と;
    前記光源が、レーザ光の射出方向に平行な軸回りに回動可能に嵌合する開口部と、該開口部のに設けられ、前記光源が前記開口部に嵌合したときに、前記複数の第1の切り欠き部に個別に重なる複数の第2の切り欠き部を有し、前記走査光学系が収容される光学ハウジングと;
    前記光学ハウジングに取り付けられることで、前記光源を前記光学ハウジングに対して圧接させる保持部材と;を備え
    前記保持部材は、前記複数の第1の切り欠き部、及び前記複数の第2の切り欠き部を露出させる露出部が形成されており、
    前記複数の第1の切り欠き部は、前記ステム部の内側から外側にかけて広くなる形状を有している光走査装置。
  2. 前記光学ハウジングは、前記光源と前記走査光学系との間のレーザ光の光路上に配置され、該レーザ光を整形する光学系を更に支持する請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記保持部材は、前記光学ハウジングにネジで取り付けられる請求項1又は2に記載の光走査装置。
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