以下、本発明の一実施形態を図1〜図22に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電チャージャ(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
感光体ドラム2030a、帯電チャージャ2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電チャージャ2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電チャージャ2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電チャージャ2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各帯電チャージャは、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(以下、便宜上「トナー画像」という)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電チャージャに対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2〜図4では図示省略、図5参照)の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
ここでは、光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
以下では、便宜上、カップリングレンズ2201a及びカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」、光源2200a及び光源2200bにおける主走査対応方向を「m1方向」とする。さらに、カップリングレンズ2201c及びカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」、光源2200c及び光源2200dにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。なお、光源2200a及び光源2200bにおける副走査対応方向、光源2200c及び光源2200dにおける副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
2つのカップリングレンズ(2201a、2201b)と2つの開口板(2202a、2202b)と2つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b)とからなる光学系は、偏向器前光学系102Aとしてユニット化されている。
同様に、2つのカップリングレンズ(2201c、2201d)と2つの開口板(2202c、2202d)と2つのシリンドリカルレンズ(2204c、2204d)とからなる光学系は、偏向器前光学系102Bとしてユニット化されている。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
また、シリンドリカルレンズとそれに対応するトロイダルレンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が形成されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する
光源2200aは、一例として図6に示されるように、円筒状の本体a1、円板状のステムa2、及び該ステムa2から−w1方向に延びる4本のリード端子a3を有している。また、ステムa2にはV字状の切り欠きa4が対向する2ヶ所に形成されている。
そして、光源2200aは、一例として図7に示されるように、2つの発光部(L1、L2)を有している。すなわち、光源2200aは、マルチビーム・レーザダイオードである。これら2つの発光部(L1、L2)は、w1方向に直交する平面内で、光源2200aの中心を通る直線上にあり、該中心からの距離が互いに等しくなる位置に配置されている。
他の光源(光源2200b、光源2200c、光源2200d)もマルチビーム・レーザダイオードであり、光源2200aと同様な構成を有している。
光学ハウジング2300は、一例として図8に示されるように、コアハウジング120とサブハウジング110を有している。
コアハウジング120は、図9に示されるように、ポリゴンミラー2104及び4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)が収容される平面視長方形状の第1部分と、偏向器前光学系102A及び偏向器前光学系102Bが収容される第2部分とを含む容体である。この容体は、一例としてアルミダイキャスト製である。
また、この容体の+Y側の壁面は、XZ面に対して約30度傾斜した外壁120a及び外壁120bを含んでいる。そして、外壁120aには、光源2200a及び光源2200bが取り付けられ、外壁120bには、光源2200c及び光源2200dが取り付けられている。
外壁120aには、一例として図10に示されるように、光源2200aが取り付けられる嵌合部121Aと光源2200bが取り付けられる嵌合部121Bとが、Z軸方向に隣接して形成されている。各嵌合部は、円形の段付き開口部である。ここでは、嵌合部121Bが、嵌合部121Aの+Z側に形成されている。
また、嵌合部121Bの−m1側で、かつ+Z側にねじ穴122aが形成され、嵌合部121Aの−m1側で、かつ−Z側にねじ穴122bが形成されている。
さらに、2つの嵌合部(121A、121B)から等距離で、かつ各嵌合部の+m1側の位置にねじ穴122cが形成されている。
外壁120bには、一例として図11に示されるように、光源2200cが取り付けられる嵌合部121Cと光源2200dが取り付けられる嵌合部121Dとが、Z軸方向に隣接して形成されている。各嵌合部は、円形の段付き開口部である。ここでは、嵌合部121Cが、嵌合部121Dの+Z側に形成されている。
また、嵌合部121Cの−m2側で、かつ+Z側にねじ穴122dが形成され、嵌合部121Dの−m2側で、かつ−Z側にねじ穴122eが形成されている。
さらに、2つの嵌合部(121C、121D)から等距離で、かつ各嵌合部の+m2側の位置にねじ穴122fが形成されている。
図12には、嵌合部121Aに光源2200aが取り付けられ、嵌合部121Bに光源2200bが取り付けられた状態が示されている。
図13には、嵌合部121Cに光源2200cが取り付けられ、嵌合部121Dに光源2200dが取り付けられた状態が示されている。
なお、各嵌合部はいずれも光源と滑合程度のはめあい公差で形成されている。このときは、各光源のステムが、嵌合部の段部に当接した状態となっている。
光源2200a及び光源2200bは、固定部材125を介して外壁120aに固定されている。この固定部材125は、一例として図14に示されるように、V字が時計回りに90度回転した形状の弾性を有する板部材である。すなわち、主走査対応方向を上下方向としたときに、V字形状となる板部材である。
なお、以下では、便宜上、固定部材125において、主走査対応方向に対して−Z側に傾斜している長方形状の部分を第1部分、主走査対応方向に対して+Z側に傾斜している長方形状の部分を第2部分、V字の底部に対応し5角形状の部分を第3部分という。
第1部分には、+m1側端部近傍に円形の開口部125aが形成され、−m1側端部近傍に丸孔126aが形成されている。
第2部分には、+m1側端部近傍に円形の開口部125bが形成され、−m1側端部近傍に丸孔126bが形成されている。
各開口部の直径は、光源におけるステムの直径(外径)よりも小さい。
第3部分には、ほぼ中央に丸孔126cが形成されている。
また、第1部分及び第2部分は、いずれも第3部分に対して−w1側に傾斜している。すなわち、第1部分及び第2部分は、いずれも光学ハウジング2300から離れる方向に傾斜している。
固定部材125は、図15及び図16に示されるように、丸孔126a、丸孔126b及び丸孔126cに挿入されたねじ130が外壁120aに螺合されることで、外壁120aに取り付けられている。このとき、光源2200aは、開口部125aの周辺部分によってステムが外壁120aに押しつけられている。また、光源2200bは、開口部125bの周辺部分によってステムが外壁120aに押しつけられている。これにより、光源2200a及び光源2200bはコアハウジング120に対して安定的にその姿勢が規定された状態となる。
ここで、光源2200a及び光源2200bの角度を調整する方法について説明する。ここでの調整は、調整工程において作業者によって行われる。
(1)固定部材125の丸穴126aに挿入されているねじ130をゆるめる。これによって、開口部125aの周辺部分によって光源2200aを外壁120aに押しつけている力が低下する。
(2)光源2200aにソケット131を装着する。
ソケット131は、一例として図17に示されるように、樹脂製の円柱形状の部材であり、その中に光源の4本のリード端子がそれぞれ挿入される4つの貫通孔を有している。各貫通孔の内面は金属で被覆されており、ソケット131の一方の面からは、各貫通孔の内面にそれぞれ接続されている4本の配線部材がでている。また、ソケット131の他方の面の中央には、光源のステムに当接される突起部が設けられている。ソケット131は、図18に示されるように、−w1側から光源2200aに装着される。
(3)配線部材を介して光源2200aに電力を供給し、光源2200aの2つの発光部を点灯させる。
(4)2つの発光部からの各光束のZ軸方向に関する間隔(ビームピッチ)を、CCDカメラやポジションセンサなどの計測機器を用いて計測し、所望の間隔(ビームピッチ)となるように、w1方向に垂直な面内でソケット131を回動させる。このとき、光源2200aは、その中心を通り、w1方向に平行な軸回りに回動する。
例えば、光源2200aを、図19(A)に示される状態から角度α回転させると、図19(B)に示されるように、2つの発光部(L1、L2)のZ軸方向に関する距離を、d1からd2に変化させることができる。これにより、光源2200aから射出される2つの光束のビームピッチが短くなる。
(5)固定部材125の丸孔126aにねじ130を挿入し、外壁120aのねじ穴122bに螺合させる。これによって、光源2200aが外壁120aに固定される。
(6)光源2200aからソケット131を外す。
(7)固定部材125の丸穴126bに挿入されているねじ130をゆるめる。これによって、開口部125bの周辺部分によって光源2200bを外壁120aに押しつけている力が低下する。
(8)光源2200bにソケット131を装着する。
(9)配線部材を介して光源2200bに電力を供給し、光源2200bの2つの発光部を点灯させる。
(10)2つの発光部からの各光束のZ軸方向に関する間隔(ビームピッチ)を、CCDカメラやポジションセンサなどの計測機器を用いて計測し、所望の間隔(ビームピッチ)となるように、w1方向に垂直な面内でソケット131を回動させる。このとき、光源2200bは、その中心を通り、w1方向に平行な軸回りに回動する。
(11)固定部材125の丸孔126bにねじ130を挿入し、外壁120aのねじ穴122aに螺合させる。これによって、光源2200bが外壁120aに固定される。
(12)光源2200bからソケット131を外す。
これによって、光源2200a及び光源2200bの角度調整が完了し、光源2200a及び光源2200bは、角度調整された状態でコアハウジング120に固定される。
光源2200c及び光源2200dは、図20及び図21に示されるように、光源2200a及び光源2200bと同様に、前記固定部材125を介して外壁120bに固定されている。
そして、光源2200c及び光源2200dは、光源2200a及び光源2200bと同様に、ソケット131を用いて、個別に角度調整を行うことができる。
図8に戻り、サブハウジング110は、Y軸方向に対向している一対の側板(111、112)と、これらの側板を連結する5つの連結部材113を有している。各側板は、それらの長手方向がX軸方向と一致するように配置されている。
各側板は、例えば金属板を板金加工することにより製作されている。そして、各側板には、複数の開口部が形成されている。また、側板112の中央部には矩形状の切り欠き部が形成され、該切り欠き部には側板112の一部が水平に折り曲げられた折り曲げ部112aが形成されている。
連結部材113は、断面形状がU字状の長尺部材であり、Y軸方向の両端部がそれぞれ側板に固定されている。これにより、側板111と側板112は平行状態で連結される。
サブハウジング110には、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、8つの折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)などが保持される。
そして、コアハウジング120の下面が折り曲げ部112aに支持され、更にコアハウジング120の−Y側の側面が側板111にボルト等で固定される。これにより、コアハウジング120とサブハウジング110は、一体化される(図22参照)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光走査装置2010では、各偏向器前光学系とポリゴンミラー2104と各走査光学系とによって光学系が構成されている。
また、上述した光源2200a及び光源2200bの角度を調整する方法において、本発明の調整方法が実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、それぞれ複数の発光部を有する4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)と、4つの光源からの各光束をそれぞれ対応する感光体ドラムの表面に集光するとともに、該感光体ドラムの表面の光スポットを主走査方向に移動させる光学系と、該光学系が収容されるとともに、4つの光源が取り付けられる光学ハウジング2300と、それぞれ2つの光源を保持し光学ハウジング2300に固定する2つの固定部材125とを備えている。
従来、光源を保持する固定部材は、1つの光源を保持し、2つのねじで光学ハウジングに固定されていた。そして、光源の角度調整を行う際には、2つのねじを同時にゆるめて光源を回動させ、角度調整したのち、2つのねじを締めていた。この場合には、角度調整後のねじ締めのときに、光源に狙いではない(不要な)移動あるいは回転が発生するおそれがあった。
しかしながら、本実施形態では、光源の角度調整を行う際には、1つのねじのみをゆるめて光源を回動させ、角度調整したのち、1つのねじのみを締めている。そこで、ねじ締めのときに発生する光源の狙いではない(不要な)移動あるいは回転を、従来よりも小さくすることができる。
また、本実施形態では、2つの光源が副走査対応方向に近接して配置されているため、装置の小型化を図ることができる。
ところで、従来のように、光源をホルダに固定し、該ホルダを回動して光源の角度調整を行う場合(例えば前記特許文献1〜4参照)には、回動時のホルダ同士の干渉を防ぐため、2つの光源を副走査対応方向に近接して配置することは困難であった。
また、本実施形態では、1つの固定部材が2つの光源を保持しているため、部品点数の低減を図ることができる。
また、本実施形態では、固定部材125が3つのねじで光学ハウジング2300に取り付けられるため、製造時の工数低減を図ることができる。
そこで、大型化及び高コスト化を招くことなく、ビームピッチを精度良く調整することが可能である。そして、その結果、高い精度の光走査を行うことができる。
また、固定部材125が、V字を時計回りに90度回転した形状の板部材であり、副走査対応方向に関して2つの光源の中間位置にねじ止め用の丸穴がある。この場合には、2つの光源が副走査対応方向に近接して配置されていても、各光源の角度調整を個別に行うことが可能である。
また、固定部材125が、丸孔126cと丸孔126bの間に開口部125aを有し、丸孔126cと丸孔126aの間に開口部125bを有している。そして、固定部材125は弾性を有し、第1部分及び第2部分が、いずれも第3部分に対して−w1側に傾斜している。そこで、丸孔126bに挿入されているねじ130のみをゆるめるだけで光源2200aの角度調整を行うことが可能である。また、丸孔126aに挿入されているねじ130のみをゆるめるだけで光源2200bの角度調整を行うことが可能である。これにより、作業性を向上させることができる。
また、各光源は、主走査対応方向の一側に位置するねじ130と他側に位置するねじ130とによって光学ハウジング2300に固定されているため、角度調整後に、光学ハウジング2300に外力が作用しても、光源の狙いではない(不要な)移動あるいは回転を抑制することができる。
また、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、大型化及び高コスト化を招くことなく、高品質の画像を形成することができる。
また、上記実施形態では、各光源が2つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、各光源が複数の発光部を有していれば良い。
また、上記実施形態では、光学ハウジングが、コアハウジング120とサブハウジング110とを有する場合について説明したが、これに限らず、コアハウジングとサブハウジングとが一体的に構成された光学ハウジングであっても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置として、複数の感光体ドラムを備えたカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限らず、例えば1つの感光体ドラムを複数の光束で走査し、単色の画像を形成するプリンタにも適用することができる。
また、上記実施形態では、光走査装置2010がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。