以下、実施の形態に即してこの発明を説明する。
図1は、画像形成装置の1例としてカラープリンタの概略構成を示している。
カラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のトナー画像を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010により、4つの感光体ドラム2030a、2030b、2030c、2030dに、それぞれ所定の色のトナー画像を形成し、これらトナー画像を中間転写ベルト2040を介して転写紙上に転写し、定着してカラー画像を形成するようになっている。
4つの感光体ドラムの各々の周囲には、クリーニングユニット2031a、2031b、2031c、2031d、帯電装置2032a、2032b、2032c、2032d、現像ローラ2033a、2033b、2033c、2033d、トナーカートリッジ2034a、2034b、2034c、2034dが配設され、感光体ドラム2030a、2030b、2030c、2030dの下方には、中間転写ベルト2040が、その上側周面を上記各感光体ドラムの下側の周面に接して反時計回りに回転できるように設けられている。
図1において、符号2042は転写ローラ2042、符号2050は定着ローラ、符号2054は給紙コロ、符号2056はレジストローラ対を示す。
また符合2058は排紙ローラ、符号2060は給紙トレイ、符号2070は排紙トレイ、符号2080は通信制御装置、符号2245は反射型光学センサアレイを示す。
上記各部は、プリンタ制御装置2090により統括的に制御される。
図1において、3次元直交座標:XYZを図のように定める。即ち、Y軸方向は、図面に直交する方向であり、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向である。X軸方向は4つの感光体ドラムの配列方向(図の左右方向)に沿った方向であり、Z方向は図1における上下方向である。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
各感光体ドラム2033a〜2033dはいずれも、その表面に「光導電性の感光層」が形成されており、図示されない回転機構により、図1における面内で矢印方向(時計回り)に回転する。
感光体ドラム2030aの周面にそって、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、クリーニングユニット2031aが回転方向へこの順序に配置されている。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは1組として使用され、黒色画像を形成する画像形成ステーション(以下「Kステーション」ともいう。)を構成する。
同様に、感光体ドラム2030bと、その周囲に配設された、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、シアン色画像を形成する画像形成ステーション(以下「Cステーション」ともいう)を構成する。
同じく、感光体ドラム2030cと、その周囲に配設された、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、マゼンタ色画像を形成する画像形成ステーション(以下「Mステーション」ともいう)を構成する。
同じく、感光体ドラム2030dと、その周囲に配設された、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、イエロー色画像を形成する画像形成ステーション(以下「Yステーション」ともいう)を構成する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(黒画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づき、各色画像情報毎に変調された光束を、対応する「帯電された感光体ドラムの表面」にそれぞれ照射して光走査を行なう。
光走査により各感光体ドラムの表面の「光が照射された部分」の電荷が消失し、各色画像情報に対応した静電潜像が、各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。
形成された各静電潜像は、各感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方へ移動する。光走査装置2010の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034a〜2034dには、それぞれブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーが収納されている。
トナーカートリッジ2034aに収納されたブラックトナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bに収納されたシアントナーは現像ローラ2033bに供給される。
トナーカートリッジ2034cに収納されたマゼンタトナーは現像ローラ2033cに供給され、トナーカートリッジ2034dに収納されたイエロートナーは現像ローラ2033dに供給される。
これら各現像ローラの周面には、ローラの回転に伴い、対応するトナーカートリッジからのトナーが薄く均一に塗布される。
各現像ローラ表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における「光が照射された部分」に移行して付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させ、トナー画像として顕像化する。
現像により得られたトナー画像は、感光体ドラムの回転に伴い、転写ベルト2040の方へ移動する。
説明は省くが、現像ローラによって前記潜像にトナーが付着後の感光体ドラム上におけるトナー濃度および/またはトナー位置を検出する方法も存在する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像を形成する。
以下の説明において「転写ベルト2040上に転写されたトナー画像が移動する方向」を「副方向」と呼び、該副方向に直交する方向(Y軸方向)を「主方向」と呼ぶ。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。
給紙トレイ2060の近傍には配設された給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から記録紙を1枚づつ、レジストローラ対2056に向けて給送する。
レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を中間転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。
中間転写ベルト2040上のカラー画像は、転写ローラ2042により記録紙上に転写される。カラー画像を転写された記録紙は、定着ローラ2050により熱と圧力の作用によりカラー画像を定着され、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070側へ送られ、排紙トレイ2070上に排出されて順次スタックされる。
各クリーニングユニット2031a〜2031dは、対応する感光体ドラム2030a〜2030d表面の残留トナーを除去する。残留トナーが除去された各感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
反射型光学センサアレイ2245は、転写ベルト2040の「−X側」に配置されている。反射型光学センサアレイ2245については後述する。
次に、光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、1例として図2〜図5に示されるように、4つの光源2200a、2200b、2200c、2200d、4つのカップリングレンズ2201a、2201b、2201c、2201d、4つの開口板2202a、2202b、2202c、2202d、4つのシリンドリカルレンズ2204a、2204b、2204c、2204d、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ2105a、2105b、2105c、2105d、8つの折返しミラー2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d、4つのトロイダルレンズ2107a、2107b、2107c、2107d、4つの光検知センサ2205a、2205b、2205c、2205d、4つの光検知用ミラー2207a、2207b、2207c、2207dを備え、さらに、図示されない走査制御装置などを備えている。
これらは、光学ハウジング2300(図5参照)の所定位置に組み付けられている。
光走査における主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と称する。
また、図2〜図4に示すように、カップリングレンズ2201a及びカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」、光源2200a及び光源2200bにおける主走査対応方向を「m1方向」とする。
同様に、カップリングレンズ2201c及びカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」、光源2200c及び光源2200dにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。
光源2200a及び光源2200bにおける副走査対応方向、光源2200c及び光源2200dにおける副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの「−Z側」に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの「−Z側」に配置されている。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202a〜2202dは、それぞれ開口部を有する。
カップリングレンズ2201aを介した光束は開口板2202aの開口部を通過して整形され、カップリングレンズ2201b〜220dを介した光束はそれぞれ、開口板220b〜2202dの開口を通過して整形される。
シリンドリカルレンズ2204a〜2204dは、対応する開口板2202a〜2202dの各開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー2104は回転軸方向に2段に重ねられた2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。
図示されていないが、上記1段目の4面鏡と2段目の4面鏡とは、位相が互いに45度ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側で偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側で偏向される。
各fθレンズ2105a〜2105dはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の「−X側」に、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の「+X側」にそれぞれ配置されている。
図5に示すように、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。
同様に、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
図5に示すように、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030a上に光スポットとして照射され、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動して感光体ドラム2030aを光走査する。
このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
同様に、シリンドリカルレンズ2204bからの光束は、ポリゴンミラー2104で偏向され、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに光スポットとして照射され、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bを光走査する。
このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
シリンドリカルレンズ2204cからの光束は、ポリゴンミラー2104で偏向され、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに光スポットとして照射され、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cを光走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
シリンドリカルレンズ2204dからの光束は、ポリゴンミラー2104で偏向され、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、折返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに光スポットとして照射され、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dを光走査する。
このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
各感光体ドラムにおいて、画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」あるいは「画像形成領域」と呼ばれる。
各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
シリンドリカルレンズとそれに対応するトロイダルレンズとにより「ポリゴンミラーの偏向反射面における偏向点と、これに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系」が構成されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれる。この実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とによりKステーションの走査光学系が構成されている。
同様に、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とによりMステーションの走査光学系がそれぞれ構成され、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とによりYステーションの走査光学系が構成されている。
図5に示すように、光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射し、光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
同様に、光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射し、光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
これら各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
「走査制御装置」は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する。
以上、画像形成装置について概説した。
以下、反射型光学センサアレイ2245について説明する。
反射型光学センサアレイ2245は、1例として図6に示されるように、4つの反射型光学センサアレイ2245a、2245b、2245c、2245dを有している。
反射型光学センサアレイ2245aは、中間転写ベルト2040の「+Y側」端部近傍に対向する位置に配置され、反射型光学センサアレイ2245dは、中間転写ベルト2040の「−Y側」端部近傍に対向する位置に配置されている。
反射型光学センサアレイ2245bは検出センサ2245aの「−Y側」に、反射型光学センサアレイ2245cは、反射型光学センサ2245dの「+Y側」にそれぞれ配置されている。
これら4個の反射型光学センサアレイ2245a〜2245dは、Y軸方向に関して、各反射型光学センサアレイの間隔が略等間隔となるように配置されている。
各反射型光学センサアレイ2245a〜2245dと中間転写ベルト2040との距離は、画像形成装置における制約により数mm〜約10mm程度が一般的である。
即ち、中間転写ベルト2040上には未定着のトナーが付着しており、中間転写ベルト2040が数100mm/sという周速で移動するところとから、上記距離が小さすぎると、転写ベルトやトナーと反射型光学センサアレイが接触する懸念があり、また、中間転写ベルト近傍を舞っているトナーが、発光部や受光部、あるいは照明用や受光用の集光レンズに付着してしまう懸念もある。
このため、中間転写ベルトの走行スピードや「画像形成装置内部の気流設計」により、反射型光学センサアレイと中間転写ベルトとの間に数mm以上の距離を取ることが必要となる。
逆に、上記距離が大きすぎると、反射型光学センサアレイの「レイアウト性」の劣化や「感度」の低下といった懸念が生じる。
1例として、図7に示すように、Y軸方向に関して、反射型光学センサアレイ2245a〜2245dの中心位置をそれぞれ、Y1〜Y4とし、反射型光学センサアレイ2245a〜2245dに対向するトナーパタンをそれぞれTP1〜TP4とする。
TP1はイエローのトナーパタン、TP2はマゼンタのトナーパタン、TP3はシアンのトナーパタン、TP4はブラックのトナーパタンである。
反射型光学センサアレイ2245(2245a〜2245d)を用いたトナー濃度検出処理が行われる際には、プリンタ制御装置2090から走査制御装置にトナーパタンTP1〜TP4の形成が指示される。
走査制御装置は、感光体ドラム2030dにおける位置Y1にイエローのトナーパタンTP1が形成されるようにYステーションを制御し、感光体ドラム2030cにおける位置Y2にマゼンタのトナーパタンTP2が形成されるようにMステーションを制御し、感光体ドラム2030bにおける位置Y3にシアンのトナーパタンTP3が形成されるようにCステーションを制御し、感光体ドラム2030aにおける位置Y4にブラックのトナーパタンTP4が形成されるようにKステーションを制御する。
Yステーションによって形成されたイエローのトナーパタンTP1は中間転写ベルト2040における位置Y1に、Mステーションによって形成されたマゼンタのトナーパタンTP2は中間転写ベルト2040における位置Y2に、Cステーションによって形成されたシアンのトナーパタンTP3は中間転写ベルト2040における位置Y3に、Kステーションによって形成されたブラックのトナーパタンTP4は中間転写ベルト2040における位置Y4に、それぞれ転写される。
以下では、トナーパタンを区別する必要がない場合、トナーパタンを総称して「トナーパタンTP」ともいう。
トナーパタンTPは、1例として図8に示されたように、5つの四角形状のパタンp1〜p5(以下では単に「矩形パタン」という)を有している。
各矩形パタンは、転写ベルト2040の進行方向に沿って一列に並び、それぞれトナー濃度の階調が異なっている。なお、各矩形パタンのY軸方向の長さをLp、転写ベルト2040の進行方向の長さをWpとする。
トナー濃度の階調は、光源から射出される光束のパワーの調整や、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティの調整、あるいは現像バイアスの調整、さらにはこれらの複合的な調整によって変えることができる。
以下、図9〜図21を参照して「反射型光学センサアレイの参考例」に即し、各部を説明する。これらは参考例ではあるが、便宜上「反射型光学センサアレイ」と呼ぶ。
反射型光学センサアレイ2245aは、1例として図9〜図11に示すように、19個の発光部(E1〜E19)、19個の照射用集光レンズ(LE1〜LE19)、19個の受光部(D1〜D19)、及び図示されない処理装置を有している。
発光部E1〜E19を構成するの「半導体発光素子」であり、受光部D1〜D19を構成するのはフォトダイオード(あるいはフォトトランジスタ)である。
図9は、反射型光学センサアレイ2245aの発光部・受光部をX方向から見た様子を示し、図10は反射型光学センサアレイ2245aを主方向(Z方向)から見た様子、図11は、発光部E1〜E19から射出された検出用光S1〜S19が中間転写ベルト2040を照射している様子をそれぞれ示している。
図9に示すように、19個の発光部E1〜E19は、Y方向に沿って等間隔:Leで配置されている。
この例では各発光部にLEDを用いている。間隔:Leは1例としてLe=0.4mmとしている。また、図10に示すように、照明用集光レンズLE1〜LE19はそれぞれ、発光部E1〜E19に1:1で個別に対応している。
各照明用集光レンズは、対応する発光部の「+X側」に配置され、該発光部から射出された光束を中間転写ベルト2040の表面に向けて導光する。以下の説明の便宜上、発光部E1〜E19から射出され、照明用集光レンズLE1〜LE19で集光された光束は、図10、図11に示すように「各発光部に対応する照明用集光レンズのみ」を通過し、検出用光S1〜S19として中間転写ベルト2040を照射するものとする。
各照明用集光レンズの光軸は、対応する発光部の発光面における発光軸と平行である。
中間転写ベルト2040の表面は滑らかで、その表面に照射された光の殆どを正反射させる。受光部D1〜D19は、発光部E1〜E19からの検出用光が「トナーパタン以外のベルト表面」に照射されたとき、受光部D1〜D19が、発光部E1〜E19から放射された検出用光の「ベルト表面による正反射光のみ」を受光するようになっている。
各検出用光が中間転写ベルト2040表面に形成する光スポットの大きさは、1例として示せば直径:0.2mmである。従来の反射型光学センサにおける検出用光による光スポットの大きさは、通常、直径で2〜3mm程度であった。
各照明用集光レンズには、主方向(図中のY軸方向)及び副方向(図中のZ軸方向)に関して集光機能を有する球面レンズや、主方向(図中のY軸方向)と副方向(図中のZ軸方向)のパワーが異なるアナモフィックレンズなどを用いることができる。
1例として示せば、各照明用集光レンズの大きさは直径:0.4mmである。すなわち、発光部E1〜E19の配列ピッチと照明用集光レンズLE1〜LE19の配列ピッチを等しくしている。
検出用光の光スポットの大きさは上記に限定されるものではないが、発光部の配列ピッチより小さくすることが好ましい。照明用集光レンズの形状は円形(直径:0.4mm)に限定されるものではなく、配列ピッチを0.4mmとした矩形としてもよい。
配列方向(Y方向)に垂直な方向(Z方向)に大きくすることにより「円形のときよりも光スポットの光量を向上させる」ことができる。
以下、具体的な例を説明する。
「具体例1」
「照明用集光レンズによって中間転写ベルト2040上に導光される光学レイアウト」について、発光部Ei(i=1〜19)、受光部Di(i=1〜19)、照射用レンズLEi(i=1〜19)と中間転写ベルト2040のみを取り出した光路図(XZ断面図)を図12に示す。
図中「L0」は発光部Eiから照明用集光レンズLEiまでの距離、「L1」は照明用集光レンズLEiの厚さ、「L2」は照明用集光レンズLEiから中間転写ベルト2040までの距離であり、この例においてL0=1mm、L1=0.5mm、L2=5mmである。
発光部EiはLEDであり、放射される光の波長は中心波長:850nm、半値幅:30nmである。発光部Eiのサイズは「一辺40μmの略正方形形状」とした。
受光部Diはフォトダイオード(PD)であり、受光感度の波長特性は「約850nmにピークを持つ」ように形成され、受光感度のピークを発光部Eiの発光中心波長と一致させて受光効率を高めている。
受光部Diは「一辺360μmの略正方形形状」とした。
配列方向の受光部Diの配列方向(図面に直交する方向:Y軸方向)のサイズは、隣接するPD間に「加工上のマージンや配線パタン用のスペース」等が必要であるため、配列ピッチより大きいサイズとすることはできない。一般的なスペースとして、配列ピッチの10%を確保し360μmとした。
照明用集光レンズLEiは「上記中心波長での屈折率:1.5のガラス材」を材料としてなり、図示の如く発光部側は凸面でその曲率半径:R=0.53mm、中間転写ベルト側は平面である。
照明用集光レンズLEiは、配列方向:0.4mm、配列直交方向:0.44mmですべて同一形状であり、全レンズが上記ガラス材で一体的に形成されている。
照明用集光レンズLEiの光軸は発光部Eiの発光面に直交し、−Z方向、即ち、受光部Diであるフォトダイオード(PD)側に、シフト量(Δ):0.045mmでシフトされている。
この光学的レイアウトでは、発光部Eiから射出された光は、照明用集光レンズLEiにより略平行光化されて中間転写ベルト2040へ導光される。
19個の発光部Eiと受光部Diは、図示されない基板上に半導体プロセスにより一体的に形成され「一体型発光受光素子」をなす。
発光部Eiと受光部DiのZ方向の中心間距離は500μmである。
従来の反射型光学センサで用いられている発光素子や受光素子は互いに別体で、「樹脂レンズで封止された砲弾型素子」や、表面実装型素子(SMD:Surface Mount Device)であり、これらの素子は、仮令「発光素子内にある発光部や受光素子内にある受光部が小さくとも樹脂レンズで封止され」ており、素子の大きさとしてはmmオーダーである。
別体である発光素子と受光素子を配置させて1mm以下に近接させることは不可能である。
これに対し、この発明の反射型光学素子アレイでは、樹脂レンズ(封止材)を持たない発光部・受光部を同一基板に一体的に形成することにより、上記の如く、発光部と受光部のZ方向の間隔を1mm以下に近接させることが可能である。
図12において、LEDである発光部Eiからの光は、図示されない基板表面に対して垂直方向(発光軸に平行な方向)へ所謂「ランバート分布」で発散的に放射される。発光部中央から発光部の法線(発光軸)の方向へ放射される光線(以下「中心光線」という)を太実線で、XZ断面内における周辺光線を細実線で示す。
発光部Eiの中央から発光軸に沿って射出した中心光線は、照明用集光レンズLEiの第1面(発光部側面)で「−Z側」へ屈折され、中間転写ベルト2040へ導光される。
中間転写ベルト2040で正反射された中心光線は、図に示された基準状態では、受光部Diの中央(受光軸と受光面の交点)に入射する。即ち、基準状態では、中心光線の発光部と受光部とはZ方向に500μm離れている。
この基準状態において、発光部Eiから射出した中心光線が、中間転写ベルト2040に入射する入射角(中間転写ベルト表面で入射位置に立てた法線と中心光線が成す角)を入射角:Θaとする。
具体例1においては、Θa=2.44度である。
「具体例2」
図13に示す具体例2では、発光部Eiから射出した光束は照明用集光レンズLEiにより収束光束に変換されて中間転写ベルト2040に導光される。このようにするには、例えば、照明用集光レンズLEiの屈折力を大きくすればよい。
この具体例2において用いられる照明用集光レンズLEiは発光部Ei側に凸の凸平レンズで、発光部側の凸面の曲率半径:R=0.50mmであり、図示の如く、光軸は発光部Eiの発光軸と平行で−Z方向へシフトされている。
シフト量(Δ)は0.042mmである。
凸面の曲率半径:Rを、具体例1におけるR=0.53mmから0.5mmに小さくしたことにより、照明用集光レンズLEiの屈折力が強くなり、レンズ透過後の光束が収束光束となっている。
曲率半径:Rを上記の如くしたこと伴い、具体例1と同じ光学的レイアウトでは、中心光線の光路が受光部Diの中央からずれるので,照明用集光レンズLEiの−Z方向のシフト量:Δを具体例1の値よりも小さい値:0.042に変更して、中心光線が基準状態で受光部Diの中央に到達するようにした。
他の光学レイアウト条件はすべて具体例1と同じである。
入射角:Θa=2.41度である。シフト量:Δを小さくしたことにより、照明用集光レンズによる中心光線の屈折角が具体例1の場合よりも小さくなったため、具体例1の場合よりも入射角:Θaが小さくなっている。
上記の具体例1、2から明らかなように、発光部LEiから射出した光束を中間転写ベルト2040へ導光する際の光束の発散・収束の度合いや入射角:Θaを調整でき、小さい入射角:Θaを実現できる。
「具体例3」
図14に示す具体例3は、具体例1の光学的レイアウトを基に、照明用集光レンズLEiから転写ベルト2040までの距離:L2を変えたものである。
照明用集光レンズLEiは具体例1と同一のもので、距離:L0も具体例1と同じであり、発光部Eiから放射された光束は、照明用集光レンズLEiにより略平行光束に変換される。
具体例3では、距離:L2=3mmとした。
距離」L2を具体例1、2の場合よりも短くしたことに伴い、中心光線が中間転写ベルト2040上で正反射する位置(入射位置)が変わるため、受光部Diに入射する中心光線の位置は、具体例1の場合よりもZ軸側(発光部側)へ、受光部の中央からずれることになる。
具体例3では、この点を考慮して、照明用集光レンズLEiの−Z方向のシフト量:Δを、具体例1における0.045mmから0.067mmへ変更することにより、証明用集光レンズLEiによる中心光線の屈折角を小さくすることにより、中間転写ベルト表面で反射された中心光線が「受光部Diの中央」に到達するようにした。
他の光学レイアウト条件はすべて具体例1と同じである。
具体例3における入射角:Θa=3.64度である。
具体例1、3から明らかなように、距離:L2、即ち「反射型光学センサアレイと中間転写ベルトの距離:L2」を調整することにより、小さな入射角:Θaを実現できる。
「実施例4」
図15に示す具体例4は、具体例1の光学的レイアウトを基とし、照明用集光レンズLEiの厚さ:L1、照明用集光レンズLEiから転写ベルト2040までの距離:L2を、上記具体例3よりもさらに小さくした場合である。
即ち、具体例4においては、照明用集光レンズLEiの厚さ:L1=0.2mm、L2=2.3mmとした。
照明用集光レンズLEiの発光部側の凸面の曲率半径:Rは具体例1におけると同じくR=0.53mmであり、レンズ材質は具体例1におけると同じで、照明用集光レンズは平凸レンズである。
従って、照明用集光レンズの屈折力は具体例1のものと変わらず、発光部Eiから放射された光束は、照明用集光レンズLEiにより略平行光束化される。
距離:L1とL2の変更に伴い、照明用集光レンズLEiの−Z方向のシフト量:Δ=0.089mmと変更し、基準状態において中間転写ベルト2040で反射された中心光線が、受光部Diの中央に到達するようにした。
他の光学的レイアウト条件はすべて具体例1と同じである。
具体例4では、発光部Eiから転写ベルト2040までの距離:L0+L1+L2、即ち「反射型光学センサアレイを設置するスペース」を、具体例1の6.5mmから3.5mmへ略半減することができている。
具体例4において入射角:Θa=4.86度である。
上に説明した照明用集光レンズLEiから転写ベルト2040までの距離:L2の範囲としては、2mm〜10mm程度が良く、より好適には4mm〜7mmが良い。
具体例3、4においては距離:L2を小さくする例を示したが、L2を大きくすれば、入射角:Θaを小さくできることは謂うまでもない。
しかし、前述したように、反射型光学センサアレイの照明用集光レンズの中間転写ベルト側から中間転写ベルト2040との距離:L2は、画像形成装置における制約から数mm以下とするのは現実的でないから、反射型光学センサアレイの仕様としては、上記具体例4の光学的レイアウトを満足すれば十分である。
この発明における反射型光学センサ・反射型光学センサアレイでは、上記入射角:Θaが10度、より好ましくは5度より小さい。
ここで、入射角:Θaを小さくすることの意義を説明する。
上に説明した具体例でも述べたように、発光部・受光部・照明用集光レンズ・中間転写ベルト表面の位置関係は、「基準状態」において発光部からの中心光線が受光部の中心へ入射するように設定されている。即ち、受光部と中間転写ベルト表面(担持媒体表面)との距離が「基準状態」で一定不変であるとしている。
担持媒体が上記例のように中間転写ベルトである場合、中間転写ベルトの走行に伴い、ベルトの「ばたつき」や、駆動ローラの偏心等により、ベルト表面は、ベルト表面に直交する方向へ変動する。
また、担持媒体が感光体ドラムである場合にも、回転軸の偏心やドラム径の加工精度等により、感光体ドラムの回転に伴い、感光面は、感光面の直交する方向へ変動する。
上の説明との関連で言えば、これは受光部表面と中間転写ベルトとの間の距離(上の説明で「L0+L1+L2」の大きさ)が変動することを意味する。
従って、反射型光学センサや反射型光学センサアレイで、必要とする検出精度を維持するには、上記距離の変動に対する余裕を持つ必要がある。
ここで、担持媒体表面と受光部表面との距離を「L」とし、担持媒体表面の変動量を±δとする。
担持媒体表面での正反射を考えているから、反射角は入射角:Θaに等しい。
そうすると、基準状態において入射角:Θaで担持媒体表面に入射した中心光線の入射位置と、反射された中心光線が受光部表面に入射する位置との「Z軸方向の距離:Za」は、
Za=L・tanΘa
となる。
この状態において距離:Lが±δだけ変動すると、中心光線の受光部への入射位置のズレ量:ΔZaは,
ΔZa=±2δ・tanΘa
となる。
一般的な画像形成装置において「δ」は0.5mm程度以下であることが知られている。
Θa=10度に対するtanΘaの値は、tan10°=0.176であるので、δ=±0.5mmに対しては、±88μmとなる。
上に説明したように、受光部Diとして「一辺360μmの略正方形形状」のものを用い、基準状態において中心光線が受光部の中心部に入射するものとすれば、受光部はZ方向において中心に対し±180μmの受光領域を有することになる。
この条件では、上記「δ」の変動量:±0.5mmに対し、受光部に入射する中心光線のズレの範囲は、中心に対する上記受光領域:±180μmの範囲であるから、受光部Diは正反射光を有効に受光してトナーパタンに対する検出が可能である。
入射角:Θaが5度より小さければ、上記δに対し、±1mm程度が許容され、検出精度の余裕が十分に大きくなる。
なお、発光部および受光部と担持媒体表面との距離を長くすることなく、入射角:Θaを小さくするためには、発光部と受光部とを近接させる必要があり、これらを機械的に近接させ得る限界が、入射角:Θaの実質的な下限となる。
発光部・受光部の近接限界を定める要因としては、例えば、両者が近接しすぎると発光部から直接受光部に入る照射光の影響を無視できなくなることや、加工上必要なマージンや配線のためのスペースを確保する必要があること等がある。
上に説明した具体例4の場合を例として、直上の説明をより詳しく説明する。
図16は、図15に示した具体例4の光学的レイアウトにおける中心光線のみを示している。前述の如く、入射角:Θa=4.86度である。
図16(a)は基準状態の場合であり、中心光線のZ座標を発光部Ei上でZ=0mmとすると、受光部Di上での入射位置はZ=−0.504mmとなり、受光部の実質的な中央に位置している(前述のように発光部中心と受光部中心の中心間距離は500μmである。)。
図16(b)は、担持媒体である中間転写ベルト2040が、X方向に−1mm変位したとき様子を示す。このとき、中心光線の入射位置は受光部Di上でZ=−0.334mmとなる。受光部Diのサイズが360μmであるから、Z方向の受光部端は(−0.5mm+0.18mm=)−0.32mmとなり、中心光線は受光部内の端部近傍に入射する。
図16(c)は、中間転写ベルト2040が、X方向に+1mm変動したときの様子を示す。このとき、中心光線の入射位置は、受光部Di上でZ=−0.675mmとなる。
Z方向の他方の受光部端は(−0.5mm−0.18mm=)−0.68mmとなり、中心光線は受光部内の端部近傍に入射する。
このように、入射角:Θaが5度以下であれば、前述した一般的な画像形成装置において担持媒体表面が±1mm程度位置変動しても、担持媒体表面により反射された中心光線は、受光部Diの受光領域内に入射する。
中心光線が受光部領域の端部に入射する場合、受光部に入る光束(転写ベルトから正反射された光)は略1/2となるため、上記位置変動がないときに対して「少なくとも50%の検知効率」を確保できる。
もちろん、担持媒体の位置変動が0.5mm程度以下であれば、受光部内に入る光束は3/4以上となるため検知効率の低下は十分に抑えられる。
図17は、前述の具体例1(図12)において「照明用集光レンズLEiがないとき」の光路を示している。
前述の如く、LEDである発光部Eiから射出する光束は、基板に対して垂直方向に所謂ランバート分布で発散する。
図17では、照明用集光レンズLEiがないため、発光部中央からは光軸に沿って射出する光線(前述の中心光線)は、中間転写ベルト2040で正反射され、発光部中央に戻るため、受光部Diに到達できない。
図17に示されている光線は、発光部から放射される光線のうち、中間転写ベルト2040で正反射されて受光部Diに入射するとき「斜め光線」である。
この「斜め光線」が中間転写ベルト2040の表面に入射する入射角を「Θb」とすると、図17において、Θb=arctan(0.25/6.5)=2.20°であり、具体例1における入射角:Θa(=2.44°)に対し、Θb<Θaである。
上の説明から明らかなように、担持媒体に入射する光線の入射角は、小さいほど好ましく、この点からすると、照明用集光レンズLEiを用いない図17の場合の方が良いことになる。しかしながら、検知効率を向上させるためには照明用集光レンズが必要である。
図18に、受光部Diに到達できる周辺光線を示す。
図18と図12とを比較すれば明らかなように、照明用集光レンズの有無により、発光部Eiから射出される光が受光部Diに到達できる光量、即ち検知効率が大きく異なる。図12のように、照明用集光レンズLEiを備えることは検知効率を向上させる上で必要である。
照明用集光レンズLEiを用いると、入射角:Θaは入射角:Θbよりも若干大きくなるが、入射角が大きくなっても「それ以上に検知効率」を向上させることができる。さらに、入射角:Θbよりも大きい入射角:Θaであっても、十分に小さな入射角(=5°)を実現できる。なお、中心光線の強度が上記「斜め光線」の強度より大きいことは前記ランバート分布から明らかである。
図19は、具体例2(図13)において照明用集光レンズLEiがないときの斜め光線の光路を示している。
図17と同様、照明用集光レンズがないとき、発光部Eiから射出された「斜め光線」が中間転写ベルト2040で正反射され受光部Diで受光されたときの中間転写ベルト2040への入射角:Θbは、Θb=arctan(0.25/6.5)=2.20°であり、この場合も、Θb<Θa(=2.41°)である。
図20は、具体例3(図14)から照明用集光レンズLEiを除いたときの、斜め光線の光路を示している。
上記と同様、図20においても、入射角:Θb=arctan(0.25/4.5)=3.18°であって、Θb<Θa(=3.64°)である。
図21は、具体例4(図15)から照明用集光レンズLEiを除いたときの、斜め光線の光路を示している。
この場合も上記と同様、Θb=arctan(0.25/3.5)=4.09°であって、Θb<Θa(=4.86°)である。
このように、前記具体例1〜4の何れも「Θb<Θa」を満足している。
「具体例5」
図22に示す具体例5は、先述の具体例1(図12)に、受光用集光レンズを更に備えた場合であり、この発明の反射型光学センサアレイの具体的な実施の1形態である。
受光用集光レンズLDiは、照明用集光レンズLEiと同様、それぞれ受光部Diに個別に対応して備えられている。複数の照明用集光レンズLEi、受光用集光レンズLDiは図面に直交するY軸方向へアレイ配列し、アレイ化されたものが相互に一体化されている。
受光用集光レンズLDiは、X方向については照明用集光レンズLEiと同一位置に配置され、転写ベルト2040から照明用集光レンズLDiまでのX方向の距離は5mm,受光用集光レンズLDiの厚さは0.5mm、受光用集光レンズLDiから受光部DiまでのX方向の距離は1mmである。
受光用集光レンズレンズLDiは照明用集光レンズLEiと同じガラス材からなり、発光部側は凸面でその曲率半径:R=0.53mm、中間転写ベルト2040側は平面である。
受光用集光レンズLDiのレンズサイズは、配列方向(Y方向)に0.4mmm、Z方向に0.44mmである。受光用集光レンズLDiは「すべて同一形状」であり、上記の如く一体的に形成されている。
受光用集光レンズLDiは受光部Diの中心における法線(受光軸)に対し、+Z方向にシフトされ、シフト量:ΔD=0.015mmである。
他の光学的レイアウトは図12と同一である。
この光学的レイアウトにおいて、発光部Eiから射出された光は照明用集光レンズLEiにより略平行光化されて中間転写ベルト2040に照射され、ベルト表面で正反射された光は、略平行光のままで受光用集光レンズLDiにカップリングされ、受光部Diに集光される。
受光用集光レンズLDiを設けることにより、正反射光束を有効に受光部へ到達させることができ検知効率が向上する。
図23に、中間転写ベルト2040がX方向に±1mm位動したときの状態を示す。
図23の(a)は、中間転写ベルト2040がX方向に−1mm移動したとき、(b)はX方向に+1mm変動したときの状態を示す。
中間転写ベルト2040に照射される光束が略平行光束であるため、受光用集光レンズLDiにカップリングされた光束は受光部Diに有効に集光する。従って、転写ベルトの位置変動が発生したときでの検知効率の低下を抑えることができる。
上記の如く、照明用集光レンズLEiと受光用集光レンズLDiはそれぞれをアレイ化し、一体的に形成可能である。
一体的に形成するメリットとして、個別のレンズではその各々を位置合わせしなければならないが、例えば19個の照明用レンズLEiと19個の受光用レンズLDiを一体化して1ユニットにできれば、1回の位置合わせを行えばよく、発光部、受光部と照明用集光レンズ及び受光用集光レンズの位置合わせ精度を大きく向上でき、延いてはこれらレンズの位置ずれによって生じる光量ロス(検知効率の低下)を抑えることができる。
以下に、反射型光学センサアレイ2245を用いる「トナー濃度検出処理」について説明するが、その前に「トナー位置検出処理」について説明する。
トナー位置検出(トナーパタンの位置検出)は、図24に示すように、通常は「トナー濃度検出に先立って」おこなわれる。
図24は、反射型光学センサアレイ2245を、X方向(中間転写ベルト表面に直交する方向)からみた図である。
トナー位置検出に用いられる位置検出用パタンPP1は、図25に示すように、主方向(図中のY方向)に平行なライン状パタンLPY1、LPM1、LPC1、LPB1と、主方向に対して斜めに傾斜したライン状パタンLPY2、LPM2、LPC2、LPB2とにより構成されている。
ライン状パタンLPY1とLPY2はペアをなし、イエロートナーで形成される。同様に、ライン状パタンLPM1とLPM2はペアをなし、マゼンタトナーで形成され、ライン状パタンLPC1とLPC2はペアをなし、シアントナーで形成され、ライン状パタンLPB1とLPB2はペアをなし、黒トナーで形成される。
これら各色トナーによる「ライン状パタンのペア」は、副方向(図中のZ方向)に一定の間隔をなすように形成される。即ち、これらのペアが副方向に一定間隔で配列形成されれば、イエロー〜黒の各トナーのパタンは「副方向に適正な位置関係」をなす。
図25において、符号E8〜E12は、発光部のアレイの一部を示している。
副方向の位置関係が適正であるか否かを検出するには、図26(1)に示すように、位置検出パタンPP1が反射型光学センサアレイ(発光部E8〜E18を示す。)に近づくタイミングを計って、適当なタイミングで、例えば、発光部E10を連続点灯させる。
位置検出パタンPP1の移動に従い、発光部E10からの検出用光は、担持媒体表面に対し相対的に副方向(Z方向)に変位し、検出用光のスポットは、ライン状パタンLPY1〜LPB1を順次に照射する。
そして検出光がライン状パタンを照射するとき、受光部D1〜D19の出力を時間的に追跡することにより、検出光が4本のライン状パタンを照射する時間の間隔を検出することができる。
この時間間隔が等間隔であれば、各色のトナーパタン相互の副方向の位置関係は適正であり、等間隔でなければ相互の位置関係にずれがあり、そのずれ量を知ることもでき、このずれを補正するように光走査開始のタイミングを制御できる。
「トナーパタン相互の主方向のずれ」は以下のようにして検出できる。この場合の検出をイエロートナーパタンの場合につき、図26(2)、(3)に即して説明する。
図26(2)は、イエロートナー画像が主方向(図中におけるY方向)に適正な位置にある場合を示し、このとき発光部E10からの検出光のスポットライン状パタンLPY1を照射してからライン状パタンLPY2を照射するまでの時間をTとする。
図26(3)は、イエロートナー画像が「主方向に於いてΔSだけずれた場合」を示している。ライン状パタンLPY2はLPY1に対して傾いているので、このとき発光部E10からの検出光のスポットがライン状パタンLPY1を照射してからライン状パタンLPY2を照射するまでの時間はT+ΔTとなり、適正な位置にあるときの時間:Tとの差:ΔTにより主方向におけるずれ量を知ることができる。
即ち、ライン状パタンLPY2が主方向になす角を「θ」とし、支持部材である転写ベルト2040の副方向への移動速度をVとすれば、
ΔS・tanθ=V・ΔT
であるから、主方向のずれ量:ΔSは、
ΔS=V・ΔT・cotθ
として知ることができる。
この他に、複数の発光部を「高速で順次点灯」させて検出を行なうこともできる。
例えば、図26において、発光部E9〜E11を、E9〜E10〜E11、E9〜E10〜E11のように繰り返して順次点灯させる。
そして、この繰り返し順次発光において、発光部E9が点灯したときの受光部D1〜D19の出力を時間的に追跡し、発光部E10が点灯したときの受光部D1〜D19の出力を時間的に追跡し、発光部E11が点灯したときの受光部D1〜D19の出力を時間的に追跡することにより「発光部位置が若干ずれた場合の3つの出力信号」が得られる。
これら3つの出力信号を平均することにより、計測精度の向上や、位置ずれの影響も知ることができる。
次に、反射型光学センサアレイ2245を用いる「トナー濃度検出処理」について説明する。反射型光学センサアレイとしては、図22で実施の形態を説明した反射型光学センサアレイを用いる。
図1に示すプリンタ制御装置2090が、各反射型光学センサアレイ2245a〜2245dの発光部E1〜E19を順次に点灯して転写ベルト2040を照明する。
各反射型光学センサアレイの信号処理装置は、各受光部の出力信号に基づき、各受光部の受光量を個別に求め、求められた受光量を図示されないメモリに格納する。
プリンタ制御装置2090は、走査制御装置に対し、各色毎に、検出用光S9とS10(発光部E9、E10から放射される光)に照射されるトナーパタンの大きさ:Lp及び位置を指定してトナーパタンの形成を指示する。
ここでは、Lp=1.0mmとしている。トナーパタンがこの大きさとなれば、少なくとも1つ以上の検出用光で照射されることとなる。
プリンタ制御装置2090は、各反射型光学センサの発光部E1〜E19を順次に点灯させる。
この時、発光部E7〜E12に着目すると、図27(a)〜(c)に1例を示すように、発光部E7〜E12から放射された検出用光S7〜S12は、転写ベルトによって正反射し、対応する受光部D7〜D12に導光される。
図27(a)は、反射型光学センサを副方向から見た様子、図27(b)は、各発光部E1〜E19から射出される検出用光S1〜S19が転写ベルトに入射する様子を、図27(c)は、転写ベルトによって正反射した検出用光S1〜S19が、各受光部D1〜D19で受光される様子を示している。
この時、受光部D7〜D12における受光量は図27(d)に示すようになっているものとする。
矩形状のトナーパタンが反射型光学センサアレイの正面側に位置すると、図27(e)〜(g)に説明図的に例示する場合、トナーパタンTP1が「発光部E9およびE10からの検出用光S9およびS10のスポットで照射される位置」にある場合であれば、発光部E9とE10以外の発光部から放射された検出用光は、中間転写ベルトの表面で正反射し、図27(f)に示すように、それぞれ対応する受光部で受光される。
これに対し、発光部E9およびE10から放射された検出用光S9およびS10は、図27(e)に示すように、トナーパタンTP1を照射し、図27(f)に示されるように、検出用光S9およびS10はトナーパタンTP1の表面で、正反射及び拡散反射する。
以下では、便宜上、正反射した光を「正反射光」、拡散反射した光を「拡散反射光」ともいう。
図27(e)は、各発光部E1〜E19から射出される検出用光S1〜S19が中間転写ベルト2040の表面やトナーパタンTP1に入射する様子を、図27(f)は、中間転写ベルト2040表面によって正反射した検出用光、トナーパタンTP1によって正反射・拡散反射された検出用光を各受光部D1〜D19で受光する様子を示している。
また、図27(g)は、この時の受光部D7〜D12における受光量の1例を示している。LED7〜LED12とあるのは、発光部E7〜E12である。
図27(g)に示すように、発光部E9のみが点灯した場合、拡散反射の影響で、図27(d)に示した場合に比して、受光部D9が受光する正反射成分が減少する一方で、拡散反射光は受光部D9以外の受光部にも受光される。発光部E10のみが点灯した場合、拡散反射の影響で、図27(d)に示した場合に比して、受光部D10が受光する正反射成分が減少する一方で、拡散反射光は受光部D10以外の受光部にも受光される。
そこで、受光部D1〜D19の出力を見ると、発光部E9が発光した状態では、受光部D9の受光量は低いものとなり、他の受光部での出力は0以外の値になる。
発光部E10が発光した状態では、受光部D10の受光量は低いものとなり、他の受光部での出力は0以外の値になる。
この結果から、トナーパタンTP1は、発光部E9と発光部E10によって照射される位置にあることが分かる。このとき、発光部E9が発光した状態での受光部D9の出力の方が、発光部E10が発光した状態での受光部D10の出力よりも小さければ、トナーパタンは「発光部E9に寄った側」にあることがわかる。
このようにして、「位置検出パタン」を用いた位置検出よりも精度は劣るが、トナーパタンTP1の主方向の位置を「発光部の配列ピッチ」の精度で検出することもできる。
トナーパタンTP1の主方向の位置が「予めある程度の範囲にある」ことが判れば、発光部E1〜E19の全ての発光部を点灯させる必要は無く、主方向においてトナーパタンTP1の周辺に存在する発光部だけを点灯させればよい。
たとえば、最初の1回の順次点灯のみE1〜E19の全ての発光部を点灯させ、2回目からはトナーパタンTP1の存在の範囲が最初の順次点灯の結果、ある程度わかるのでその近傍部分のみの発光部を点灯させて位置検出を行なうことができる。
別の方法として、予備動作によりトナーパタンの位置を知るための「予備検出用トナーパタン」を用いる方法もある。
一般的に、トナーパタンの反射における「正反射光」はトナー濃度の増加に比例的に減少し、「拡散反射光」はトナー濃度の増加に比例的に増大する。
トナーパタンTP1として、図24に示すように「トナー濃度の異なる複数のトナーパタン」の配列を考え、図28に示すように、トナーパタンTP1が「発光部E9およびE10からの検出用光のスポットで照射される位置」にある場合を考えてみる。
反射型光学センサアレイは、図22に示したものを想定する。
点灯させる発光部はE10のみとし、受光部D7〜D12の受光量に着目する。
複数のトナーパタンTP1を、トナー濃度の低いパタンから順にp1、p2、p3、p4、p5とする。
図28(a)は、各発光部E1〜E19から射出される検出用光S1〜S19が転写ベルトおよび/またはトナーパタンTP1に入射する様子を、図28(b)は、中間転写ベルト2040によって正反射した検出用光、トナーパタンTP1によって正反射・拡散反射された検出用光が各受光部D1〜D19で受光される様子を示している。
発光部E10が点灯した際、受光部D7〜D12における検出受光量を1例として図28(c)に示す。
検出用光で照射されるトナーパタンのトナー濃度が高くなるに従い「各受光部の検出受光量が低くなっている」ことがわかる。この検出受光量の大小関係により、トナー濃度の多寡を判別できる。この検出受光量は図示されないメモリに格納される。
図1に示すプリンタ制御装置2090は、反射型光学センサアレイ2245aの処理装置からの検出受光量に基づき、イエロートナーの濃度の適・否を判断し、反射型光学センサアレイ2245bの処理装置からの検出受光量に基づき、マゼンタトナーの濃度の適・否を、反射型光学センサアレイ2245cの処理装置からの検出受光量に基づき、シアントナーの濃度の適・否を、反射型光学センサアレイ2245dの処理装置からの検出受光量に基づいて、ブラックトナーの濃度の適・否をそれぞれ判断する。
プリンタ制御装置2090は各トナー濃度の適・否に応じ、適切となるように対応するステーションの現像処理系を制御する。
以上の説明から明らかなように、この実施形態に係る画像形成装置2000(図1)では、反射型光学センサアレイ2245を構成する4個の反射型光学センサアレイ2245a〜2245dはそれぞれ、19個の発光部(E1〜E19)、19個の照明用集光レンズ(LE1〜LE19)、19個の受光部(D1〜D19)を有する。
以上説明した実施形態に係る画像形成装置2000は、4つの感光体ドラム2030a、2030b、2030c、2030dと、各感光体ドラムに対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、静電潜像を形成する光走査装置2010と、静電潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像ローラ2033a、2033b、2033c、2033dと、トナー画像を中間転写ベルト2040から転写紙に転写する転写ローラ2042と、中間転写ベルト2040に転写されたトナーパタンの濃度を検出するための反射型光学センサアレイ2245と、全体を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
そして、反射型光学センサ2245は、各色に対応する4つの反射型光学センサアレイ2245a、2245b、2245c、2245dを有している。
反射型光学センサアレイは、Y軸方向に沿って一列に配置され、中間転写ベルト2040に向けて検出用の光束を射出する19個の発光部E1〜E19、各発光部から射出された光束を集光する19個の照明用集光レンズLE1〜LE19、中間転写ベルト2040又はトナーパタンで反射された光束を集光的に各受光部導光する19個の照明用集光レンズLE1〜LE19、中間転写ベルト2040又はトナーパタンで反射された光束を受光する19個の受光部D1〜D19、及び処理装置を有している。
各反射型光学センサアレイの処理装置は、検出受光量に基づいて、トナー濃度が適切であるか否かを判断し、トナー濃度が適切でないと判断すると、適切となるように対応するステーションの現像処理系を制御している。
また、上記の実施形態において1例として図29に示すように、トナーパタンTP1〜TP4を中間転写ベルト2040の進行方向に沿って一列に配置しても良い。この場合には、反射型光学センサ2245は、1つの反射型光学センサアレイを有していれば良い。
上記の実施形態において、各検出センサの処理装置での処理の少なくとも一部を、プリンタ制御装置2090が行っても良い。
上記の実施形態では、トナー濃度検出処理を行うのに「発光部E9、E10からの光束に照射される位置」にトナーパタンTP1が存在する場合を説明したが、これに限定されるものではない。
反射型光学センサアレイの発光部・受光部の数も、実施形態に示した19個に限られるものでないことは勿論であるし、発光部と受光部とが同数であることもこれに限られるものではない。
発光部・受光部の配列方向は「Y軸方向の1列配列」に限らず、Y軸方向に対して傾斜した方向に沿って配置されても良く、Y軸方向に沿って複数列に千鳥配置されていても良い。要するにY軸方向に関して等間隔に配置されていれば良い。
上記の実施形態では、中間転写ベルト2040上のトナーパタンを検出する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成装置の形態によっては、感光体上のトナーパタンを検出しても良い。
画像形成装置として、複数の感光体ドラムを備えたカラープリンタ2000の場合を説明したが、これに限らず、例えば1つの感光体ドラムを備え、単色の画像を形成するプリンタにもこの発明を適用できる。
また、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機として実施することもできる。
上には、複数の発光部・受光部・照明用集光レンズ」もしくは「複数の発光部・受光部・照明用集光レンズ・受光用集光レンズ」をアレイ配列した反射型光学センサアレイの例を説明した。
上記実施の形態において説明した反射型光学センサアレイのうち「1個の発光部(LED)・1個の受光部(フォトダイオードもしくはフォトトランジスタ)・1個の照明用集光レンズを組み合わせた部分」、もしくは「1個の発光部(LED)・1個の受光部(フォトダイオードもしくはフォトトランジスタ)・1個の照明用集光レンズ・1個の受光用集光レンズを組み合わせた部分を独立させれば、これらは「1単位の反射型光学センサ」をなす。
上に説明した実施の形態において、発光部Ei・受光部Di・照明用集光レンズLEi、あるいは発光部Ei・受光部Di・照明用集光レンズLEi・受光用集光レンズLDiの部分について説明した内容は、上記反射型光学センサに対する説明としてそのまま通用する。
従来から知られた「単一の反射型光学センサ」を用い、センサとトナーパタンの位置ずれを考慮して、トナーパタンにおける主方向の長さを15mm〜25mmに設定したものを用いる場合に、上記反射型光学センサは、そのまま適用できることは明らかである。
このような場合、従来から知られたセンサのサイズに対し、1単位の反射型光学センサは十分に大きさを小型化できる。また、このような大きいサイズのトナーパタンを用いる場合、反射型光学センサを2単位トナーパタンのサイズよりも小さい間隔で配列一体化し、各反射型光学センサの発光部の点滅を独立して行なうようにしておき、2つの発光部を同時に点滅させるようしにて、トナー濃度検出やトナーパタンの位置検出を行なう場合には、トナーパタンの主方向のズレに対する許容度を大きくでき、それに応じて必要なトナーパタンサイズを縮小できる。
また、反射型光学センサを3単位以上配列した反射型光学センサアレイでは、上記の十進形態におけると同様のトナー濃度検出・トナーパタン位置検出を行なうことができる。
上述の実施の形態で説明した反射型光学センサアレイを用いる場合、トナーパタンの大きさ(面積)を「従来の100分の1以下」にすることができる。
トナーパターンを形成するトナーは「形成すべき画像の構成には寄与しない不寄与トナー」であるが、上記の如くトナーパタンの大きさを従来よりも大幅に小さくできるので、不寄与トナーの消費量を有効に減少でき、トナーカートリッジの交換周期を長くすることができる。