JP5102780B2 - マグネシア(MgO)を製造するための改良された方法 - Google Patents

マグネシア(MgO)を製造するための改良された方法 Download PDF

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Description

本発明は、マグネシア(MgO)を製造するための改良された方法に関する。本発明は、特に、Mg(OH)2から高純度のMgOを、Mg(OH)2またはMgOの洗浄を必要とせずに製造するための改良された方法に関する。
マグネシアは、種々の産業分野に適用できる重要な化合物である。酸化マグネシウムは、価格が中程度である酸化物のなかでも融点が最も高いことから、耐火レンガやその他の資材の重要な原材料である。酸化マグネシウムは、ZrO2以外では、2000℃以上での長期間の加熱に耐性を有する唯一の材料である。
ウルマン百科事典第6版(電子版)によると、“耐火性材料に関する、冶金炉および冶金反応炉内での作業の高温度化や出湯の短縮化に応じて増加してきた要求は、純粋で高密度なマグネシアの焼成物によってのみ充足され得るものである”とある。ここで、“混入物”がMgOと融合して低融点の共晶体(例えば、混入物がCMSである場合は1485℃でありC2Fである場合は1200℃である)を形成するものである場合には、混入が少量であっても不利益が多くなる。高温での機械的特性(例えば、強度や容積の安定性)が低下するからである。このため、良質の焼成物は、高融点ケイ酸塩相(C2Sのようなもの)の含有量が少なく、B23の含有量が少なく、ペリクレース同士が高度に直接的に接触した状態(ケイ酸塩相の中間体を介さずに接触した状態)にある。
マグネシアのレンガは、高い蓄熱容量および高い熱伝導性を有する。こうしたレンガは、オフピーク蓄熱型ヒーターで使用されている。加熱素子によって発生した熱は、マグネシアのレンガに移動してレンガの温度を上昇させる。レンガの熱伝導性はペリクレースの含有量が多く気孔率が少ないほど増加する。レンガの比熱は、SiO2やAl23を含有しても少ししか低下しないが、CaO、Cr23およびFe23を含有すると顕著に低下する。レンガは、遊離CaOを含有しないこと(水和反応が生じる危険性があるため)、または態が異なる結晶相を有しないことが望ましい。
MgOを加圧水和させることでMg(OH)2を形成できる。MgOは下記の式1に示す反応によって無水MgCl2に変換することもでき、当該無水MgCl2は下記の式2のように電気分解してMgとCl2に変換することができる(Electrolytic Production of Magnesium、Kh. L. Strelets著、Keter Publishing House JerusalemLtd.、1977年、第28頁)。
〔化1〕
MgO+Cl2+CO → MgCl2+CO2+70.8cal/モル (式1)
〔化2〕
MgCl2 → Mg+Cl2 (式2)
これに代えて、Siを用いてMgOを熱還元することによって、Mgを得ることもできる。
ウルマン百科事典によると、マグネサイト(MgCO3)を分解することによってマグネシアを製造できるとある。この方法の最大の欠点は、マグネサイト鉱石の不純物レベルが高いことにある。MgOの含有量が多く、CaO:SiO2質量比が2〜3であり、Fe23やAl23の含有量が少ない状態にあるマグネシア産物、とりわけ耐火性物品に適用するもの、を得るためには、最高品質のマグネサイトが必要になる。マグネシアの焼成物の特性は、低融点の鉱物が混入すると悪化する。
ナグプール市・インド鉱山局が出版した“Magnesite-A market survey”という題名の出版物と、ナグプール市・インド鉱山局が出版したインド鉱物年鑑・第2巻・第698〜699頁の“Magnesite”とによると、マグネシアは土壌中のマグネサイトがか焼されることで形成される、とある。当該プロセスの欠点は、マグネサイト鉱石に含まれる、シリカ、酸化鉄、アルミナおよび石灰といった、シリケート、カルボネートおよび酸化物の量が、まちまちであることにある。このため、か焼の前段階で、破砕、サイズ分離、重液分離、泡沫浮遊選鉱といった種々の選鉱方法によって、採掘鉱石における石灰やシリカの含有量を減らすようにする。ここで、鉄分の含有量は磁気分離によって減少させ得るが、これは鉄分が炭酸鉄ではなく離散性の強磁性鉱物の状態にある場合に効果的であるものに過ぎない。したがって、この方法で高純度のマグネシアを製造することは難しく、得られるマグネシアの純度は、ほとんどが95%未満になる。
ガス懸濁液キルン炉内で低マグネサイト鉱石から軽焼苛性マグネシアを製造する方法であるSulmag II法(W.S. Ainscow著、"Aufbereitung von Magnesit zu hochwertiger Sintermagnesia"、TIZ 110 (1986年)、no. 6、第363〜368頁。Sulmag II the Sinter Magnesite Process、Sulzer Brothers Ltd.、Winterthur、Switzerland)について言及する。この方法では、NH4Cl溶液を再利用した選択的抽出によって溶存塩化マグネシウムを取得し(式3、4)、不溶性の不純物を濾過によって全て取り除く。そして、針状のネスケホン石(MgCO3・3H2O)を反応炉内で析出させ、これを濾過する。ネスケホン石を加熱することで、高比表面積を有する苛性マグネシアが得られる。
〔化3〕
MgCO3 → MgO+CO2 (式3)
〔化4〕
2NH4Cl+MgO+H2O+混入物 → 2NH4OH+MgCl2+尾鉱 (式4)
〔化5〕
MgCl2+(NH4)2CO3+3H2O → MgCO3・3H2O↓+2NH4Cl (式5)
この方法は、Mg(OH)2を経由するMgOの製造には適用されてこなかった。ネスケホン石からMgOを直接的に製造すると嵩密度が非常に低い産物が得られるが、Mg(OH)2を経由してMgOを製造すると、耐火物用途に適した所望の特性を有するマグネシアが得られることになる。
か焼によるMg(OH)2からのMgOの製造について言及する。カークオスマー工業化学百科事典・第4版・第15巻・第690頁によると、“マグネシウム塩溶液から水酸化マグネシウムを析出させ、これを回収するには、強塩基を添加する。一般に使用される強塩基としては、石灰(CaO)またはドライム(dolime)(CaO−MgO)に由来する水酸化カルシウムが挙げられる”とある。CaOの含有量の少ない産物を得ようとする場合は、水酸化ナトリウムを沈殿剤として使用する。
〔化6〕
Mg(OH)2 → MgO+H2O (式6)
“Industrial and Engineering Chemistry”の第41(12)巻の第2814-2817頁(1949年)に掲載された、Robert L. EvansとHillary W. St. Clairによる“Carbonation of Aqueous Suspensions containing Magnesium Oxides or Hydroxides”という題名の論文には、改良型パティソン法(水酸化マグネシウムを炭酸化して重炭酸マグネシウムを得る方法)が記述されている。この方法では、まず、水酸化マグネシウムの懸濁液を炭酸化することによって、重炭酸マグネシウムの準安定溶液を形成する。次に、不溶性の不純物を取り除いた後、当該溶液を加熱またはエアレーションして脱炭酸化することによって、炭酸マグネシウムを三水和物、五水和物または塩基性炭酸塩の状態で析出させる。そして、溶液を濾過して析出物を回収し、当該析出物を熱分解することによって酸化マグネシウムに変換している。この方法の主な欠点は、温度および二酸化炭素の分圧に非常に影響されることにある。重炭酸マグネシウムの準安定溶液は、温度が常温を上回るほど安定性が顕著に低下する。そして、この方法で得られるMgOは、嵩密度が低すぎて耐火物用途に不適である。
1949年10月25日に地質学会のアパートで開催された化学工業グループの会合にてH. W. ThorpとW. C. Gilpinが読んだ論文“Chemical Engineering Problems in the Sea Water Magnesia Process”によると、海水からの水酸化マグネシウムの回収が困難である理由は、水酸化マグネシウムを、迅速に沈殿し容易に脱水できる沈殿物が生じる状態で析出させることが難しいことにある。析出物の洗浄に使用する水分量は別として、1トンのマグネシアを分離するためには300トンの水が必要になる。混入物の量を確実に最小にするには石灰を使用する必要がある;すなわち、水酸化マグネシウムを除去する前に少量の石灰を用いて海水を処理することによって、重炭酸イオンを炭酸カルシウムの状態で析出させる必要がある。
海水や塩水(brine)からのMgOの製造についてウルマン百科事典に記述があり、1トンのMgOを製造するには、海水は470m3、現実的には600m3、必要になるとある。この方法は、水酸化マグネシウム(水への溶解度0.0009質量%)を、水酸化カルシウム(溶解度0.185質量%)の添加によって析出させることに基づくものである。
〔化7〕
Mg2++2Cl-+Ca(OH)2 → Mg(OH)2↓+Ca2++2Cl-
この方法の主な欠点は、Mg(OH)2を洗浄するために、そして乳状石灰を産生させるために、新鮮な水(1トンのMgOあたり40m3を超えるもの)の供給が必要になることにある。そして、利用可能な高純度の石灰石またはドロマイトの鉱床が身近になければならない。さらに、これらをか焼および消和して沈殿剤であるCa(OH)2を産生させることによって、不溶性の炭酸塩、硫酸塩等を形成する成分の含有量を最小限に抑える必要がある。二酸化炭素を除去する際にも、新鮮な水が必要になる。こうした特殊な処理をしなければ、海水から得た苛性および焼成マグネシアには、通常、約0.2%のB23と、石灰石に由来する少量のCaO、SiO2、Al23およびFe23または海水中の不要物とが含まれることになる。5〜12%の過剰な石灰を析出(過剰石灰漬)に用いることで、マグネシアのB23含有量は、通常、0.05%程度にまで低下する。なお、石灰を過剰に使用すると、pHが12に増加し、ボロンの吸収が最小限に抑えられる。
1977年7月6日刊行の“Chemistry and Industry”の第567〜572頁に掲載されたW. C. GilpinとN. Heasmanによる論文“Recovery of Magnesium Compounds from Sea Water”には、海水からマグネシアを回収する方法と、この方法における問題点と、が概説されている。この方法の欠点は、上述したものと同様である。
熱加水分解法についても言及する。まず、MgCl2に富む塩水を浄化して臭化物およびボロン痕を取り除いた後、スチールパイプを介して反応炉のスプレーノズルに送り込む。そして、外部から断熱された状態にある約600℃の円筒状の反応炉内に噴霧する。噴霧された塩水の飛沫から水が蒸発することで有孔の塩化物の外殻が形成されることになり、当該外殻が蒸気と反応することでMgOおよびHClが形成される。得られた粗製産物を水洗し撹拌槽中で水和させた後、濃縮槽中で濃縮した。得られたスラリーはそのままでは濾過が困難であるため、二段階式真空ドラムフィルターにて洗浄および脱水した。か焼産物は、通常、99.5質量%以上のMgO、1質量%未満のCaO、0.05質量%以下のSiO2、0.05質量%以下のFe23、0.005質量%以下のAl23、および0.01%以下のB23を含有しており;比表面積が2〜50m2/gであり、嵩密度のばらつきが0.8〜0.2g/cm3の範囲にある。この方法の主な欠点は、スプレーによるか焼産物を洗浄して未反応のMgCl2および可溶性の塩を除去した後、再びか焼する必要があることである。スプレーによるか焼方法は、エネルギーを大量に消費するものであるし、ノズルが詰まることによって問題が生じ得る。Grillらが1981年3月10日にした“Process for the Recovery of Magnesium Oxide of high Purity”という題名の米国特許第4,255,399号では、事前に精製しておいた塩化マグネシウムの塩水を熱分解することによって酸化マグネシウムを得ている。この方法では、高濃度の塩化マグネシウムを、熱反応炉内で分解し、高温ガスを用いて酸化マグネシウムおよび塩酸に変換している。この方法における問題点も、上述したものと同様である。
2004年8月17日付けのVohraらがした米国特許第6,776,972号には、石灰石と反応させてCaCl2を調製するために、スプレー熱分解で生じたHClガスを使用すること、KClを産生し得るカーナライトの複塩を簡便に産生させる目的で、当該CaCl2を、海水/地下水の苦汁(bittern)を脱硫酸化する(desulphating)ために使用できること、が記述されている。しかし、当該方法においても、スプレーによるか焼にともなう問題がある。
C.A. Jacobsonによって編纂された“化学反応百科事典”の第427頁・第IV-1757反応と、Herman F. Markらによって編集された“工業化学百科事典”第3版・第14巻の第624頁とによると、閉鎖系において、無水MgCl2とNH3ガスとを反応させることで、MgCl2・6NH3、MgCl2・2NH3およびMgCl2・NH3を含む、アンモニア付加化合物が得られるとある。なお、特殊な条件下においてのみマグネシウム複合体が形成されることは明らかである。
“Journal of Crystal Growth”第41巻・第228〜234頁(1977年)に掲載されたV.A. Phillipsらの論文“Effect of pH on the Growth of Mg(OH)2Crystals in an Aqueous Environment at 60℃”によると、60℃でありpH8.7〜12.5の範囲にある塩化マグネシウムおよび水酸化アンモニウムから、水酸化マグネシウムが析出したとある。そして、粒子の形状、平均粒径、直径と厚さの比率、表面積が、pHによって変化することが示されている。なお、水酸化物からMgOを製造するプロセスについては言及されていない。
Li, Keminと Zhang, LiとWujiyan Gongyeによる“Preparation of magnesium hydroxide flame retardant by ammonia method”(第33(2)巻・第14-16頁(中国語文献)2001年、Wujiyan Gongye Bianjib; CA 135:115882; CA Section: 78 (Inorganic Chemicals and Reactions))では、K2SO4を再利用して苦汁をNH4OHと反応させ、水熱処理によってMg(OH)2を取得し、これを表面処理し、洗浄し、乾燥させ、破砕することによって、難燃剤が調製されている。難燃剤中のMg(OH)2の含有量は97%である。なお、未洗浄の粗製Mg(OH)2からMgOを製造するプロセスについては言及されていない。
Krupp, Ralf(ドイツ国)による“Recovery of magnesium hydroxide, gypsum and other products from natural and technical brines, in particular from final lyes of potash works”(Ger. Offen. DE 10154004 A1 15 May 2003, 9pp. (ドイツ語文献); CA 138:371080)では、MgSO4およびMgCl2を含有する塩水からMg(OH)2および石膏(gypsum)を回収し、NH3またはNH4OHを用いてMgイオンを析出させている。そして、CaOを添加することによってガス状のNH3を回収し、析出ステップで再利用している。この方法では、Fe、Mn、AlおよびCaといった不純物が混入しない状態でMg(OH)2を生産することが可能になるとある。ただし、明確には記述されていないものの、純粋なMg(OH)2を調製するために、固形物の状態で洗浄することによって、付着しているNH4ClやMgCl2等を除去していることは間違いない。なお、未洗浄の粗製Mg(OH)2からMgOを製造するプロセスについては言及されていない。
Wang, FuwenとZhang, JunとLiu, JianhuaとDong, Yijun(Shandong Haihua Group Corp., Ltd.、中華人民共和国)による“One-step process for manufacture of magnesium hydroxide”(Faming Zhuanli Shenqing Gongkai Shuomingshu CN 1332117 A 23 Jan 2002, 7pp. (中国語文献)、中華人民共和国発行)について言及する。この文献では、MgCl2および水酸化アンモニウムを含有する苦汁[モル比:MgCl2/アンモニア=1/(1.3〜2.0)]を45〜90℃で5〜30分間反応させ、濾過し、洗浄し、乾燥させ、粉砕することによって、水酸化マグネシウムの固形物を得ることが記述されている。なお、未洗浄の粗製Mg(OH)2からMgOを製造することについては言及されていない。
1979年に出版されたthe Proceedings of the Fifth International Symposium on Salt - Northern Ohio Geological Societyの第269〜279頁に掲載のJ.A. Fernandez-Lozanoによる“Utilization of Seawater Brines for the Production of High Purity Magnesium Oxide and Magnesium Hydroxide”という題名の論文では、MgCl2に富む海水の塩水とアンモニアとの反応によってMg(OH)2を入手でき、当該水酸化物を洗浄することによって高純度化することができ、その結果、高純度のMgOが得られることが著者によって述べられている。なお、粗製Mg(OH)2から高純度のMgOを直接的に取得できる可能性については言及されていない。そして、アンモニアを再利用して当該方法を安価に実施することについても一切言及されていない。
発明の目的
本発明の主な目的は、MgOを製造するための改良された方法を提供することにある。この方法は、水酸化マグネシウムの中間体を経由して塩化マグネシウムからMgOを製造するものであって、水酸化マグネシウムまたはマグネシアの洗浄を必要とせずに高純度のMgOを得るものである。
本発明の別の目的は、従来技術で実施されていた長時間を要する水酸化マグネシウムの洗浄を、不要化することにある。
本発明の別の目的は、塩化マグネシウムとの反応にアンモニア水を使用することにある。
本発明の別の目的は、やや過剰なアンモニアを使用することによって、塩化マグネシウムとアンモニアとの間で平衡制御反応を進行させ、種々の環境条件下においても85%以上のMg(OH)2を形成させることにある。
本発明の別の目的は、水酸化マグネシウム析出物を、迅速に濾過し乾燥させた後、得られた粗製固形物を直接的にか焼することによって、回収することにある。
本発明の別の目的は、塩化アンモニウムの昇華性を利用してか焼中に塩化アンモニウムを除去することによって、高純度のマグネシアを直接的に得ることにある。
本発明の別の目的は、付着しているMgCl2をMgOおよび気体HClへと同時に変換させることにある。
本発明の別の目的は、塩化アンモニウムおよび気体HClを、水酸化マグネシウムの形成反応で得られる塩化アンモニウム/アンモニアの濾液に吸収させ塩化アンモニウムの濃度を増加させることによって、回収することにある。
本発明の別の目的は、石灰を使用してアンモニアを再産生させることにある。
本発明の別の目的は、水酸化マグネシウムを調製し、濾過し、乾燥し、か焼する操作を連続的に実施し、所望の高純度のMgOと副産物であるCaCl2に富む液体とを産生させると同時に、アンモニアを再産生させることにある。
本発明の別の目的は、従来技術に述べられているような未加工の苦汁の脱硫酸化に、副産物である液体CaCl2を清澄した状態でまたは清澄しない状態で使用することによって、カーナライトの複塩の結晶化を促進させること、また、最終苦汁における硫酸塩不純物量を最小限に抑えることにある。
本発明の別の目的は、440〜480gL -1 のMgCl2を含有し、他の不純物をほぼ含有しない最終苦汁を、純度98%以上のMgOを直接的に得るための原材料として使用することにある。
本発明の別の目的は、耐火物用途に有用である、純度99%以上でありB23不純物量が非常に少ないMgOを、か焼によって直接的に、大量に産生させることにある。
本発明のまた別の目的は、本発明のMgOを使用して、乳状マグネシア、金属マグネシウム、Mg(OH)2難燃剤等の高純度のマグネシウム産物を得ることにある。
発明の要旨
本発明の目的は、MgCl2と石灰との反応で得られる中間体であるMg(OH)2を経由してナトリウム苦汁(salt bitterns)から間接的に、より具体的には、MgCl2を水溶媒中でNH3と反応させた後、得られたスラリーを簡便に濾過することによって高純度のMgOを製造するための改良された方法を提供することにある。本発明では、任意の石灰、好ましくは最も安価な石灰、を用いて残留NH4Cl含有濾液を処理しNH3を産生させると共に、石灰そのものをCaCl2に変換して苦汁の脱硫酸化に使用することによってカーナライトを回収し、これによって本発明で必要とされる所望の品質を備えたMgCl2を回収する。そして、Mg(OH)2に付着している不純物が揮発したり所望の産物、すなわちMgO、に変化したりする性質を利用し、粗製Mg(OH)2を乾燥させ、か焼することによって、純粋なMgOを直接的に製造する。
すなわち、本発明は、MgOを製造するための改良された方法であって、
(i) 塩化カルシウムを用いて塩水(brine)または苦汁(bittern)を脱硫酸化する(desulphating)ステップ(i)と、
(ii) 石膏(gypsum)を分離した後の清澄済みの塩水/苦汁を蒸発させることによって、塩化ナトリウム(common salt)およびカーナライト(KCl・MgCl2・6H2O)を分離するステップ(ii)と、
(iii) ステップ(ii)によって得た、MgCl2に富むと共に他の塩を含有しない最終苦汁(end bittern)を回収するステップ(iii)と、
(iv) ステップ(iii)の最終苦汁をさらに蒸発させることによって、結晶質のMgCl2・6H2Oを得るステップ(iv)と、
(v) ステップ(iv)で得たMgCl2・6H2Oを、そのまま、または再結晶化させてから、固体または液体の状態で、少量のMg(OH)2を用いてシーディング(seeding)し、そしてアンモニア(NH3)で処理するステップ(v)と、
(vi) ステップ(v)で得たスラリーを濾過することによって、粗製Mg(OH)2およびNH4Cl/残留NH4OH濾液を得るステップ(vi)と、
(vii) 粗製Mg(OH)2を乾燥させた後、か焼することによって、当該Mg(OH)2をMgOに変換し、付着しているMgCl2をMgOおよびHClガスへと、NH4Clを昇華気体へと、変換するステップ(vii)と、
(viii) ステップ(vii)でか焼炉から産生した高温の昇華気体であるNH4Clを、ステップ(vi)で得られたNH4Cl/残留NH4OH濾液に吸収させることによって、当該濾液中のNH4Cl成分をさらに増加させると共に当該濾液を昇温させるステップ(viii)と、
(ix) ステップ(viii)で得た高温状態にある濾液を、石灰を用いて処理することによって、CaCl2溶液および気体アンモニアを得るステップ(ix)と、
(x) ステップ(ix)で得た気体アンモニアをステップ(v)で使用し、さらに副産物であるCaCl2溶液をステップ(i)で使用することによって、ステップのループを形成させるステップ(x)と、を含む、方法を提供する。
本発明の実施形態の一例は、ステップ(i)で使用する苦汁を、大海の塩水(ocean brine)、海の塩水(sea brine)、地下の塩水(sub-soil brine)または湖の塩水(lake brine)から得るものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(i)で使用する、硫酸塩を含有した状態にある苦汁を、29〜32oBe’の密度範囲に脱硫酸化するものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(ii)で得たカーナライト(KCl・MgCl2・6H2O)が、太陽蒸発または強制蒸発によって32〜36oBe’の範囲に結晶化させたものであり、ステップ(iii)で得た最終苦汁が、35.5〜36.0oBe’の密度を有し、450〜460gL -1 のMgCl2と、5〜10gL -1 のNaClと、5〜10gL -1 のKClと、5〜15gL -1 のCaと、0〜5gL -1 の硫酸塩と、6〜7gL -1 のBr-と、0.03%のB23とを含有した状態にある。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(iii)で得た最終苦汁を、好ましくは、臭素を回
収すると共に不純物Br-を減少させ脱臭素化済みの最終苦汁における不純物Br-量を0.5gL -1 未満にするために、脱臭素化するものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(iii)で得た最終苦汁を、初期状態のままで、好ましくは脱臭素化した状態でありステップ(iv)における結晶化処理を経ない状態で、MgOの回収に使用するものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(iii)で得た最終苦汁を、脱臭素化した状態または脱臭素化していない状態で使用し、ステップ(iv)の手順に従って、当該最終苦汁を、体積が20〜25%にまで減少するように蒸発させることによって、不純物B23を0.020〜0.015%含有し他の塩を含有しない状態にあるMgCl2・6H2Oを、60〜80%の収率で晶出させるものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(v)における反応を開始させるために使用するアンモニアが、アンモニアを20〜25%(w/w)含有するアンモニア水溶液である状態にある。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(v)で使用するNH3のMgCl2に対するモル比が、0.5:1〜2.0:1の範囲、好ましくは1.1:1〜2.0:1の範囲にあり、濾液中の残留MgCl2のレベルが1.5%未満、好ましくは0.5%未満であるものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(vi)の濾過操作を、ヌッチェフィルターもしくはローターリーディスクフィルターを用いて、またはフィルタープレスによって、簡便に実施するものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(vi)の濾過操作を、遠心機中で実施するものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(vii)の乾燥操作およびか焼操作を、そのまま、または最小限の水および添加物を用いて粗製Mg(OH)2を洗浄した後に実施して、付着している不純物およびその他のものをか焼時に除去するものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(vii)の乾燥操作を、公知のオーブンまたはソーラーオーブン内において70〜150℃で実施することによって、容易に粉末状に破砕する柔らかな白色の塊を産生させるものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(vii)のか焼操作を、マッフル炉において約900℃で2〜3時間かけて実施すること、好ましくは、付着しているNH4Cl、HCl(付着しているMgCl2・6H2Oから生じたもの)、H2OおよびNH3(付着しているNH4OHから生じたもの)を600℃以下の範囲で温度を徐々に変化させて除去することによって、高純度のMgOを産生させるものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(vii)で得たMgOの純度が、ステップ(iii)で得た最終苦汁をそのままの状態で使用して当該MgOを形成した場合は98.0〜98.9%になり、ステップ(iv)で得た結晶化済みまたは再結晶化済みのMgCl2・6H2Oから当該MgOを形成した場合は99.1〜99.7%になるものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(iii)の最終苦汁から得たMgOのB23不純物レベルが、0.10〜0.12%であるものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(iv)の結晶化済みMgCl2・6H2Oから得たMgOのB23不純物レベルが、0.060〜0.080%の範囲にあるものである。
本発明の実施形態の別例は、再結晶化済みMgCl2・6H2Oから得たMgOのB23不純物レベルが、0.010〜0.015%の範囲にあるものである。
本発明の実施形態の別例は、MgO中のB23レベルが、Mg(OH)2前駆体または当該MgOを適切に処理することによって、さらに低下できる状態にある。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(vi)においてMg(OH)2を調製する際に生じる副産物であるNH4Cl/残留NH4OH濾液が、石灰を用いた処理の際に生じるMg(OH)2を最小限に抑えるために、Mgを0.5〜2.0%、好ましくは0.5〜1.0%含有する状態にある。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(ix)で用いる石灰を、固体もしくは固体懸濁液の状態にある消石灰または生石灰とするものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(ix)で産生した気体アンモニアを、空気または蒸気でストリッピング処理してから、吸収反応が最適になる望ましい比率にMgCl2に対するNH3のモル比が維持されるペースで反応チャンバーに供給し、MgCl2溶液に吸収させるものである。
本発明の実施形態の別例は、ステップ(ix)で得た溶液が、20〜30%のCaCl2を含有しており、ステップ(i)における脱硫酸化反応にそのまま使用できる状態にある、または当該溶液を濾過することによって清澄してから、および/もしくは酸を添加してMg(OH)2を再び溶解させることによって当該溶液を清澄してから、ステップ(i)を実施するものである。
本発明の進歩性は、中間体である水酸化マグネシウムを経由して塩化マグネシウムからマグネシアを製造することであって、当該水酸化マグネシウムやマグネシアそのものを洗浄することなしに、非常に高純度のマグネシアを製造することにある。
本発明の重要な特徴:
(1)石灰または苛性ソーダで処理する従来の方法によってMg(OH)2からMgOを製造することは、濾過性に劣ることから、そして新鮮な水を大量に使用して繰り返し洗浄する必要があることから、不利であること、さらには、安価であるからといって石灰を用いると、石灰中のシリカやCaCO3等の不溶性物質がMg(OH)2に混入し、結果的に、当該Mg(OH)2をか焼して得られるMgOにも当該不溶性物質が混入し得ること、を認識したこと。
(2)所望の産物はMgOであり、Mg(OH)2を精製する労力を費やすこと等なしに、純粋なMgOを得るスキームを見出し得ること、を推察したこと。
(3)そして、1度のか焼操作でMg(OH)2をMgOに変換すると共に不望な不純物を消失させることによって産物が“自己浄化”するスキームを見出すことが望ましいこと、を概念化したこと。
(4)MgCl2以外の不純物をほぼ含有しない状態にありMgCl2に富む最終苦汁と、NH3と、の反応によるMg(OH)2の形成は、図1のサーモグラムから明らかなように、か焼によって、産物に付着しているNH3が除去され、付着しているNH4Clが昇華すると共に、付着しているMgCl2がMgOに変換され、同時にHClガスが除去されることから、上記(3)で提示されるスキームに十分に適合するものであること、を認識したこと。
(5)NH4Clは水によく溶解するので、高温の昇華気体であるNH4Clが上記(4)で得られるNH4Cl含有濾液に吸収されて、当該溶液中のNH4Cl濃度が増加すると共に当該溶液の温度が上昇し得ること、を認識したこと。さらに、上記(4)で取り除かれたHCl、NH3および水分が同一の濾液に吸収され得ること、を認識したこと。
(6)ソルベー法におけるアンモニアを回収するステップを利用し、任意の安価な石灰を用いた反応によって含水NH4ClからNH3を遊離できること、そして遊離したNH3を含水MgCl2に直接的に吸収させて回収し、再度、Mg(OH)2を形成させ得ること、を認識したこと。
(7)上記で得られるNH4Cl濃縮液が石灰を用いた反応を通じてCaCl2溶液に変換されること、そして当該CaCl2溶液を濾過して不溶性物質を除去することによって、または他の方法で清澄することによって、使用に適した、澄んだCaCl2濃縮液を産生させ得ること、を認識したこと。
(8)海水の苦汁(sea bittern)の脱硫酸化にCaCl2溶液を使用できること、そして石膏を分離して得た苦汁を蒸発させることによって、先行技術で報告があるように、MgCl2に富むと共に他の不純物を含有しない最終苦汁を残しつつ、カーナライト(そのほとんどを回収可能)を結晶化できること、を認識したこと。
(9)本発明の方法では、洗浄用の水がまったく不要であり、所望する次の全反応が進行することになる:
〔化8〕
MgCl2(水溶液)+CaO → MgO+CaCl2
なお、当該反応は、間接的には次のように進行する:
〔化9〕
MgCl2(水溶液)+2NH3 → 粗製Mg(OH)2↓+2NH4Cl(水溶液)
〔化10〕
粗製Mg(OH)2 [Mg(OH)2/NH4Cl/MgCl2/NH3] → MgO+NH4Cl↑+NH3↑+HCl↑+H2O↑
〔化11〕
2NH4Cl(水溶液)+CaO → CaCl2(水溶液)+2NH3
本発明による実質的な成果は、(a)方法が簡便化すること、(b)洗浄のための新鮮な水がまったく不要になること、(c)Mg(OH)2を産生させるための塩基性消耗物として安価なCaOを使用できること、(d)洗浄操作をまったく経ずに純度98%以上のMgOを製造できること、(e)副産物であるCaCl2を苦汁の脱硫酸化に使用することによって、(カーナライトを経由して)塩化カリウムが得られること、そして、ほぼ純粋な状態にありMg(OH)2の調製にそのまま使用できる、またはさらに蒸発させることでMgCl2・6H2Oが得られる、MgCl2を含有する最終苦汁が得られること、である。
次の実施例は本発明の一例を示すものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
参考例
200gのMgCl2・6H2O(0.985モル)を、75.53gのNaOH(1.890モル)と反応させた。これを濾過して得た残留物を、水で洗浄した。ウェットケーキ(wet cake)の質量は270.65gであった。このうちの235.34gを110℃で乾燥させ、77.98gの乾燥残留物を得た。当該乾燥残留物の60gをか焼し、純度が99%を超える22.55gのMgOを得た。強熱減量は62.42%(強熱減量の理論値は30.88%)であった。当該参考例により、多大な労力を費やしたり長時間の洗浄をしたりしなければ得られなかった高純度のMgOでさえも、得られることがわかった。
実施例
250gのMgCl2・6H2O(1.232モル)を、23.8%(w/w)のアンモニ
ア溶液190.8g(2.671モル)と反応させ、得られたスラリーを15分間撹拌してから濾過した。濾過は非常に容易であった。残留物を280ミリリットル(ml)の純水で洗浄して152gのウェットケーキを得た。これを110℃で乾燥させると質量は43.40gになった。このうちの31.83gを900℃でか焼し、純度が99.31%を超える21.13gのMgOを得た(MgCl2に対する収率は58.46%である)。強熱減量は33.71%(強熱減量の理論値は30.88%)であり、このことから乾燥状態にあるか焼前の物質が実質的に純粋なMg(OH)2であったことがわかる。当該実施例は、産物の混合物中にアンモニア複合体が存在しないこと、そして全ての不純物が付着性を有していることを実証するものである。こうした不純物は、MgCl2、NH3およびNH4Cl、そして雑多な不純物であると考えられ、存在するとすれば、固体のMgCl2・6H2Oの内部に存在し得るものである。さらに、当該実施例からは、主要な付着性不純物がか焼によってMgOに変換されるまたは揮発することになり、Mg(OH)2が十分に洗浄されていなくても、さらには全く洗浄されていなくても、高純度のMgOが得られることもわかる。
実施例
使用可能なMgCl2を46.8g含有する100gのMgCl2・6H2O(AR grade
)(0.493モル)と、比重が0.91である73.44ml(0.937モル)の液体アンモニア(NH3= 23.84% w/w; sp. Gr. 0.91)とを、撹拌しながら混合した。こう
して得た混合物を2時間静置した。これによって得られたスラリーは、真空濾過法によって容易に濾過できるものであった。当該濾過によって、秤量値が51.5gであるウェットケーキと、比重が1.12でありCa含有量が不検出レベル(ND%)でありMg含有量が2.68%でありCl含有量が20.38%である92mlの濾液と、が得られた。ウェットケーキを50mlの水で洗浄した。洗浄濾過液におけるCa含有量は不検出レベルでありMg含有量は0.83%でありCl含有量は5.44%であった。当該ケーキを、乾燥質量が43.43gになるまで110℃で乾燥させた後、900℃でか焼することによって、純度99.35%でありCaO含有量が不検出レベルでありCl含有量が0.37%でありB23含有量が0.012%である13.78gのMgO(0.344モル、収率70%)を得た。当該実施例および図2の粉末X線回折から、AR gradeのMgCl2・6H2Oを用いた場合のようにMgCl2が不純物塩を含有しない状態にあっても、参考例に匹敵する純度のMgOが得られることがわかる。そして、当該実施例の結果から、Mg(OH)2を洗浄しなくても高品質のMgOが得られるという実施例における主張が妥当であることもわかる。
実施例
比重が1.324でありCa含有量が0.504%(w/v)でありMg含有量が11.50%でありSO4含有量が不検出レベルでありNa含有量が0.41%でありK含有量が0.4%でありB23含有量が0.032%である200mlの最終苦汁(0.958モルのMgCl2)と、比重が0.91でありNH3換算したアンモニア含有量が23.84%(1.736モルのNH3)である123.8gの液体アンモニアと、を撹拌しながら混合した。こうして得た混合物を7時間静置した。これによって得たスラリーを真空濾過法によって濾過した。当該濾過によって、秤量値が109.52gであるウェットケーキと、比重が1.12でありCa含有量が0.40%でありMg含有量が2.75%でありCl含有量が20.74%である242mlの濾液と、が得られた。ウェットケーキを乾燥させ、さらに900℃でか焼することによって、純度98.5%でありCaO含有量が0.99%でありCl含有量が0.7%でありB23含有量が0.106%である23gのMgO(0.575モル、NH3に対する収率66.24%)を得た。当該実施例の結果から、ここで使用した上記の品質を有する最終苦汁についても、Mg(OH)2を洗浄しなくても高品質のMgOが得られるという実施例における主張が当てはまることがわかる。ただ、当該例におけるMgOの純度は、参考例における従来の方法に基づきNaOHで析出させ洗浄したMg(OH)2によって得られる純度を若干下回っていた。上記の品質を有する苦汁は、以降の実施例に示すように、本発明の方法で産生されるCaCl2を用い、未加工の苦汁を脱硫酸化して得ることができる。
実施例
実施例の苦汁1リットルを、強制蒸発によって部分的に蒸発させ、体積を800mlに減少させた。得られた塊を、室温に冷却した後、濾過することによって、Ca含有量が0.22%でありMg含有量が11.17%でありB23含有量が0.0147%である619.7gの塩化マグネシウム結晶と、比重が1.338でありB23含有量が0.0657%である370mlの濾液とを得た。当該塩化マグネシウム500g(2.327モル)と、Mg(OH)2シード5g(0.08モル)と、NH3含有量が23.84%(w/w)(5.104モル)である400mlのアンモニア溶液とを混合した。混合物を2時間静置した。スラリーを真空濾過法によって濾過し、283.56gのウェットケーキと、塩化アンモニウムを含有し比重が1.08でありCa含有量が0.12%でありMg含有量が1.54%である512.00mlの濾液とを得た。ケーキを乾燥させ、さらに900℃でか焼することによって、MgO含有量が99.09%でありCaO含有量が0.38%でありCl含有量が0.23%である80.5gのMgO(2.012モル、収率86.48%)を得た。当該実施例は、Mg(OH)2やMgOを洗浄することなしに、B23含有量がたった0.0737%であり純度が99%を超えるMgOが産生し得るMgCl2・6H2Oを、実施例におけるMgCl2に富む最終苦汁を用いて形成できることを示唆するものである。そして、当該実施例から、MgCl2・6H2Oの再結晶化によって、MgOの純度がさらに改善することがわかる。
実施例
実施例における9.543gのMgOを、簡単に水洗し、再度か焼することによって、Cl不純物が存在せず、B23不純物量が0.0121%から0.0061%に引き下げられ、MgOの純度が99.3%から99.7%に改善された、9.371gの精製済みMgOを産生させた。当該実施例は、格別の純度を有するMgOを必要とする用途があれば、こうしたMgOをも形成できる可能性を提示するものである。
実施例
比重が1.08であり塩化アンモニウムを含有する実施例で得た100mlの濾液と、32gの消石灰(Ca(OH)2 = 89.90%)とを、水槽上で混合した。これらを加熱することによって、石灰と塩化アンモニウムとの反応によって生じたアンモニアを除去した。アンモニアは、実施例の最終苦汁200mlに吸収させた。アンモニアおよび塩化カルシウムの生成元でもある石灰から得た混合物を濾過し、CaCl2含有量が24.51%でありMg含有量が0.12%である99mlの液体塩化カルシウムを得た。アンモニアを吸収させて調製した水酸化マグネシウムを含有するスラリーを、濾過し、110℃で乾燥させることによって、12.00gの固形物を得た。当該固形物は、900℃でか焼することによって、純度が98.9%である4.66gのMgOを産生する(生じたCaCl2、つまりは生じたNH3、に対する産生率は54%である)。当該実施例は、アンモニアをMg(OH)2を形成するために再利用すること、そして当該アンモニアの産生に付随して得られる塩化カルシウムが苦汁の脱硫酸化に有用であること、を示唆するものである。
本発明による効果
本発明による主な効果は、水性溶媒中でのMgCl2とアンモニアとの反応によって得られるMg(OH)2であって、濾過が非常に容易であり、さらなる精製を必要とせず、高純度のMgOを直接的に産生し得るMg(OH)2が得られることにあり、これによって、精製済みのMg(OH)2からMgOを製造する従来の方法において長時間を要していた操作を、大幅に削減することができる。
本発明による別の効果は、苦汁からMgOを製造する際、他の海洋性化合物を回収する場合と同様に、多くの地域において貴重な生活必需品である新鮮な水を節約できることにある。
本発明によるさらに別の効果は、本発明によって得たMgOの品質が、多くの場合、従来技術に記載したような従来の方法に従ってMg(OH)2から得たMgOの品質を上回ることにある。
本発明によるさらに別の効果は、MgCl2の熱加水分解や炭酸マグネシウムの分解を伴ってするような、MgOを製造するための他の方法に比べて、好ましい意味で対極にあることにある。熱加水分解を伴ってする方法では、困難な洗浄ステップを伴った2つのか焼ステップを実施することになるし、操作が複雑でもある。炭酸マグネシウムの分解を伴ってする方法では、得られるMgOが、過剰に不純な状態になる、または耐火性用途に不適であるほどに嵩密度の低い状態になる。
本発明によるさらに別の効果は、MgCl2と石灰とを用いてする従来の方法と比べて、容易に実施できること、そして、実質的な反応が同一である、すなわちMgCl2と石灰とを消耗品としMgOとCaCl2とを産物とするものであることから、原料費を増加させることなく産物の品質を向上できることにある。
本発明によるまた別の効果は、非常に安価である石灰のみならず、中間生成物であるNH4Clと石灰との反応による副産物として産生するCaCl2も海水の苦汁の脱硫酸化に有用であり、本発明の方法によるMgOの製造に必要な所望の品質のMgCl2を産生できること、さらにはカーナライトを形成することによってKClをも産生できることにある。
図1は、(a)Mg(OH)2、(b)MgCl2・6H2Oおよび(c)NH4Clのサーモグラフについて示す図である。 図2は、本発明の方法によってMg(OH)2またはMgOを洗浄せずに得た純度99.35%のMgO(実施例)に関する粉末X線回折の結果について示す図である。

Claims (23)

  1. MgOを製造するための改良された方法であって、
    (i)塩化カルシウムを用いて塩水(brine)または苦汁(bittern)を脱硫酸化する(desulphating)ステップ(i)と、
    (ii)石膏(gypsum)を分離した後の清澄済みの塩水/苦汁を蒸発させることによって、塩化ナトリウム(common salt)およびカーナライト(KCl・MgCl2・6H2O)を分離するステップ(ii)と、
    (iii) 前記ステップ(ii)によって得た、MgCl2に富むと共に他の塩を含有しない最終苦汁(end bittern)を回収するステップ(iii)と、
    (iv) 前記ステップ(iii)の前記最終苦汁をさらに蒸発させることによって、結晶質のMgCl2・6H2Oを得るステップ(iv)と、
    (v) 前記ステップ(iv)で得た前記MgCl2・6H2Oを、そのまま、または再結晶化させてから、固体または液体の状態で、少量のMg(OH)2を用いてシーディング(seeding)し、そしてアンモニア(NH3)で処理するステップ(v)と、
    (vi) 前記ステップ(v)で得たスラリーを濾過することによって、粗製Mg(OH)2およびNH4Cl/残留NH4OH濾液を得るステップ(vi)と、
    (vii) 前記粗製Mg(OH)2を乾燥させた後、か焼することによって、当該Mg(OH)2をMgOに変換し、付着しているMgCl2をMgOおよびHClガスへと、付着しているNH4Clを昇華気体へと、変換するステップ(vii)と、
    (viii) 前記ステップ(vii)でか焼炉から産生した高温の昇華気体である前記NH4Clを、前記ステップ(vi)で得た前記NH4Cl/残留NH4OH濾液に吸収させることによって、当該濾液中のNH4Cl成分をさらに増加させると共に当該濾液を昇温させるステップ(viii)と、
    (ix) 前記ステップ(viii)で得た高温状態にある前記濾液を、石灰を用いて処理することによって、CaCl2溶液および気体アンモニアを得るステップ(ix)と、
    (x) 前記ステップ(ix)で得た前記気体アンモニアを前記ステップ(v)で使用し、さらに副産物である前記CaCl2溶液を前記ステップ(i)で使用することによって、ステップのループを形成するステップ(x)と、
    を含む、方法。
  2. 前記ステップ(i)で使用する前記苦汁が、大海の塩水(ocean brine)、海の塩水(sea brine)、地下の塩水(sub-soil brine)または湖の塩水(lake brine)から得たものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステップ(i)で使用する、硫酸塩を含有した状態にある前記苦汁を、29〜32oBe’の密度範囲に脱硫酸化する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ステップ(ii)で得た前記カーナライト(KCl・MgCl2・6H2O)が、太陽蒸発または強制蒸発によって32〜36oBe’の範囲に結晶化させたものであり、前記ステップ(iii)で得た前記最終苦汁が、35.5〜36.0oBe’の密度を有し、450〜460gL -1 のMgCl2と、5〜10gL -1 のNaClと、5〜10gL -1 のKClと、5〜15gL -1 のCaと、0〜5gL -1 の硫酸塩と、6〜7gL -1 のBr-と、0.03%のB23とを含有した状態にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ステップ(iii)で得た前記最終苦汁を、臭素を回収すると共に不純物Br-を減少させ脱臭素化済みの最終苦汁における不純物Br-量を0.5gL -1 未満にするために、脱臭素化する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ステップ(iv)〜(x)に替えて、
    (xi) 前記ステップ(iii)で回収した最終苦汁(end bittern)をアンモニア(NH 3 )で処理するステップ(xi)と、
    (xii) 前記ステップ(xi)で得たスラリーを濾過することによって、粗製Mg(OH) 2 およびNH 4 Cl/残留NH 4 OH濾液を得るステップ(xii)と、
    (xiii) 前記粗製Mg(OH) 2 を乾燥させた後、か焼することによって、当該Mg(OH) 2 をMgOに変換し、付着しているMgCl 2 をMgOおよびHClガスへと、付着しているNH 4 Clを昇華気体へと、変換するステップ(xiii)と、
    (xiv) 前記ステップ(xiii)でか焼炉から産生した高温の昇華気体である前記NH 4 Clを、前記ステップ(xii)で得た前記NH 4 Cl/残留NH 4 OH濾液に吸収させることによって、当該濾液中のNH 4 Cl成分をさらに増加させると共に当該濾液を昇温させるステップ(xiv)と、
    (xv) 前記ステップ(xiv)で得た高温状態にある前記濾液を、石灰を用いて処理することによって、CaCl 2 溶液および気体アンモニアを得るステップ(xv)と、
    (xvi) 前記ステップ(xv)で得た前記気体アンモニアを前記ステップ(xi)で使用し、さらに副産物である前記CaCl 2 溶液を前記ステップ(i)で使用することによって、ステップのループを形成するステップ(xvi)と、
    を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ステップ(iii)で得た前記最終苦汁を、脱臭素化した状態または脱臭素化していない状態で使用し、前記ステップ(iv)の手順に従って、当該最終苦汁を、体積が20〜25%にまで減少するように蒸発させることによって、不純物B23を0.020〜0.015%含有し他の塩を含有しない状態にあるMgCl2・6H2Oを、60〜80%の収率で晶出させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ステップ(v)又は(xi)における反応を開始させるために使用する前記アンモニアが、アンモニアを20〜25%(w/w)含有するアンモニア水溶液である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記ステップ(v)又は(xi)で使用する前記NH3の前記MgCl2に対するモル比が、0.5:1〜2.0:1の範囲にあり、前記濾液中の前記残留MgCl2のレベルが1.5%未満である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ステップ(vi)又は(xii)の濾過操作を、ヌッチェフィルターもしくはローターリーディスクフィルターを用いて、またはフィルタープレスによって実施する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ステップ(vi)又は(xii)の濾過操作を、遠心機中で実施する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ステップ(vii)又は(xiii)の乾燥操作およびか焼操作を、そのまま、または最小限の水および添加物を用いて粗製Mg(OH)2を洗浄した後に実施して、少なくとも付着している不純物をか焼時に除去する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記ステップ(vii)又は(xiii)の乾燥操作を、オーブンまたはソーラーオーブン内において70〜150℃で実施することによって、容易に粉末状に破砕する柔らかな白色の塊を産生させる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記ステップ(vii)のか焼操作を、マッフル炉において900℃で2〜3時間かけて実施すること、付着しているNH4Cl、付着しているMgCl 2 ・6H 2 Oから生じたHCl、付着しているNH 4 OHから生じた2OおよびNH 3 、600℃以下の範囲で温度を徐々に変化させることによって、高純度のMgOを産生させる、請求項1〜5及び請求項7〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記ステップ(vii)で得た前記MgOの純度が、前記ステップ(iii)で得た前記最終苦汁をそのままの状態で使用して当該MgOを形成した場合は98.0〜98.9%になり、前記ステップ(iv)で得た結晶化済みまたは再結晶化済みのMgCl2・6H2Oから当該MgOを形成した場合は99.1〜99.7%になる、請求項1〜5及び請求項7〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ステップ(iii)の前記最終苦汁から得た前記MgOのB23不純物レベルが、0.10〜0.12%である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記ステップ(iv)の結晶化済みMgCl2・6H2Oから得た前記MgOのB23不純物レベルが、0.060〜0.080%の範囲にある、請求項1〜5及び請求項7〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 再結晶化済みMgCl2・6H2Oから得た前記MgOのB23不純物レベルが、0.010〜0.015%の範囲にある、請求項1〜5及び請求項7〜17に記載の方法。
  19. MgO中のB23レベルが、Mg(OH)2前駆体または当該MgOを水洗いし再度か焼することによって、さらに低下できる状態にある、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記ステップ(vi)又は(xii)において前記Mg(OH)2を調製する際に生じる副産物である前記NH4Cl/残留NH4OH濾液が、石灰を用いた処理の際に生じるMg(OH)2を最小限に抑えるために、Mgを0.5〜2.0%含有する状態にある、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記ステップ(ix)又は(xv)で用いる前記石灰が、固体もしくは固体懸濁液の状態にある消石灰または生石灰である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記ステップ(ix)又は(xv)で産生した前記気体アンモニアを、空気または蒸気でストリッピング処理してから、反応チャンバーに供給し、MgCl2溶液に吸収させる、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記ステップ(ix)又は(xv)で得た前記溶液が、20〜30%のCaCl2を含有しており、前記ステップ(i)における脱硫酸化反応にそのまま使用できる状態にある、または当該溶液を濾過することによって清澄してから、および/もしくは当該溶液に酸を添加してMg(OH)2を再溶解させることによって清澄してから前記ステップ(i)を実施する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
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