JP5102405B1 - 壁面カバー材支持装置及び壁面用エキスパンションジョイント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】躯体3と躯体4の間隙2に伸縮リンク機構11を取り付けてなる壁面カバー材の支持装置8において、間隙2の高さ方向に沿って延びた軸部10bを有する支持枠10,10を伸縮リンク機構11の両側に取り付け、この支持枠10,10を躯体3,4の端部に取り付けられた受材9,9で間隙2の高さ方向に沿って回転及びスライド自在に支持する。支持枠10の軸部10bが設けられた端面の上下両部には、軸部10bが突設されていない切欠き部10c,10cを設ける。
【選択図】図6
Description
しかし、図示した装置では、伸縮リンク機構100の左右両端部がヒンジ板103,103を介して左右の躯体104,104に固定してあるため、地震発生時などにより生じる建物の層間変位、つまり建物の上下の階の間に生じる水平方向の相対的な変位に追随して変位させ、層間変位により装置に作用する荷重を吸収することができない。
層間変位に追随する構成として、伸縮リンク機構100の端部と左右の躯体104,104との接続部や伸縮リンク機構100と壁面カバー材105a,105b,105bとの接続部に任意の方向に延びたルーズホール(長孔)を組み合わせて設け、ルーズホールの範囲内で変位余裕を確保することが考えられるが、製品である壁面カバー材支持装置の大型化に伴いルーズホールの寸法が大きくなると部材の強度低下を招くことになり、大型の装置には適用できない。
前記伸縮リンク機構の両側に取り付けられていて前記間隙の高さ方向に沿って延びた軸部が端面に突設されてなる支持枠と、
前記間隙に面した左右の躯体の端部に取り付けられていて前記間隙の高さ方向に沿って延びた係合凹溝を有する受材を備え、
前記支持枠は、
その軸部を前記受材の係合凹溝に係合させて受材に回転自在に支持され、且つ前記係合凹溝内の上下両部に設けられたストッパーに前記軸部が当接する範囲内で係合凹溝に沿って上下にスライド可能に受材に連結されているとともに、
前記支持枠の軸部が設けられた端面の上下両部に軸部が突設されていない切欠き部が設けられた構成を有することを特徴とする。
受材の係合凹溝に回転自在に軸支される支持枠の軸部は、その上部と下部の端部部分が適宜な長さで切り欠かれており、支持枠の端面の上下両部に軸部が切除された切欠き部を設けてあるので、層間変位によって左右の躯体が水平方向に傾斜した場合に、支持枠の軸部が受材の係合凹溝内でスライドして、つまり受材と支持枠の連結全体が傾斜方向にスライドして支持枠が受材とともに傾斜する。傾斜に伴い支持枠の軸部が受材の係合凹溝内でスライドし、受材に対する支持枠の連結位置が上下方向に変化するため、層間変位により受材と支持枠の連結部分が衝突するなどして破損するようなことはなく、左右の支持枠間に取り付けられた伸縮リンク機構を間隙上に保持することができる。
一側の伸縮体の可動材の端部に間隙高さ方向に沿った長孔が形成された連結板が取り付けられ、他側の伸縮体の可動材の端部に間隙幅方向に沿った長孔が形成され、
当該他側の可動材の長孔に間隙奥行き方向に沿って通したボルトの軸部が前記連結板の長孔に挿通されているとともに、この長孔から突出したボルトの軸部にコイル状の圧縮バネが装着されて軸部端部がナット締めされていることにより、
前記両伸縮体の可動材の端部同士を間隙奥行き方向へ変位可能に連結して左右の支持枠間に架設された構成を有することが好ましい。
また、連結板に形成された間隙高さ方向の長孔、又はこれに接続する可動体の端部に形成された間隙幅方向の長孔に沿って、可動材の端部同士の連結部が変位し得るように設けてあるので、層間変位によって左右の躯体が水平方向に傾斜した際に、受材に連結された支持枠の傾斜に伴い前記長孔に沿って伸縮体の連結部がスライド変位することで、間隙上で伸縮リンク機構を層間変位に追従して変形させ、その前面に取り付けた壁面カバー材で間隙を確実に閉鎖することができる。
また、本発明の壁面用エキスパンションジョイントは、前記構成の支持装置により、左右の躯体の間隙を覆う壁面カバー材が支持された構成を有することを特徴とする。壁面カバー材は、間隙を閉鎖する幅を有する複数枚のカバー材により構成され、それぞれ互いに端部を重ねた状態で、伸縮リンク機構の伸縮動作に伴ってスライドし得るように伸縮リンク機構の前面に取り付けられる。
図1は本発明の一実施形態の壁面用エキスパンションジョイントの前面側(フロア側)と背面側(間隙側)の要部外観図、図2はエキスパンションジョイントを躯体間に取り付けた間隙部分の横断面図、図3はエキスパンションジョイントを構成する支持装置を間隙に取り付けた状態の構成図を各々示しており、図示されるように、このエキスパンションジョイント1は、建物の間隙2を挟む左右の躯体3,4間に天井カバー材5と床カバー材6を架設して区画されたフロア空間の壁面間隙2に取り付けられ(図3参照)、左右の躯体3,4の壁面を分断する間隙2内に壁面カバー材7を支持する支持装置8を取り付け、この支持装置8の前面に取り付けた壁面カバー材7を躯体3,4の壁面に接合して、間隙2が壁面カバー材7で閉鎖されるように構成してある。
L字形に屈曲した他側の側面10dは、後述する伸縮リンク機構11のホルダー材11bの取り付け部となっている。なお、軸部10bの長さ(図5中の符号L1)は、前記受材9の係合凹溝9b内の上下のストッパー9c,9cの配置間隔(図4中の符号L2)よりも短くなるように(L1<L2)設けてある。
そして、伸縮リンク機構11は、図10に示されるように、一側の伸縮体11aの可動材11cの端部に間隙2の高さ方向に沿った長孔11d1、11d1が形成された連結板11dを取り付ける一方、予め他側の伸縮体11aの可動材11cの端部には間隙2の幅方向に沿った長孔11c2,11c2を形成しておき、連結板11dの長孔11d1,11d1と可動材11cの長孔11c2,11c2を重ねた状態で、可動材11cの前面側から長孔11c2,11c2に、間隙2の奥行き方向に沿ってボルト11e,11eの軸部を挿通し、連結板11dの長孔11d1,11d1から突出したボルト11e,11eの軸部にコイル状の圧縮バネ11f,11fを装着した上で、軸部の端部をナット11g,11gで締め付けて、可動材11c,11cの端部同士を間隙2の奥行き方向へ変位可能に連結して、左右の支持枠10,10間に架設してある。図10中、符番11hはワッシャーである。
傾斜に伴い支持枠10の軸部10bが受材9の係合凹溝9b内でスライドし、受材9に対する支持枠10の連結位置が上下方向に変化するが、支持枠10の端面の上下両部に軸部10bが切除された切欠き部10c,10cを設けてあるので、傾斜によって支持枠10の軸部10bが受材9に衝突するなどして、受材9と支持枠10の連結部分が破損するようなことはなく、地震の震動が止んで層間変位していた建物が元の位置に復元したときには、左右の躯体3,4の復元に伴い支持枠10の軸部10bが受材9の係合凹溝9b内でスライドし、支持枠10は受材9との当初の連結位置に保持される。
さらに、連結板11dに形成された間隙高さ方向の長孔11d1、又は可動材11cの端部に形成された間隙幅方向の長孔11c2に沿って、可動材11c,11c同士の連結部が変位し得るように設けてあるので、層間変位によって左右の躯体3,4が水平方向に傾斜した際に、受材9,9に連結された支持枠10,10の傾斜に伴い前記長孔11d1,11c2に沿って前記連結部がスライド変位することで、層間変位に追従して伸縮リンク機構11を変形させることができ、層間変位に伴い作用する荷重により伸縮リンク機構11に応力が集中して破損を来すようなことはなく、伸縮リンク機構11の前面に取り付けた壁面カバー材7で間隙2を確実に閉鎖することが可能である。
図示した形態では、支持枠10に軸部10b、受材9に係合凹溝9bをそれぞれ設けたが、支持枠に係合凹溝、受材に軸部を設けて、両部材が回転及びスライド自在に連結するように構成してもよい。変形例と前記実施の形態の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。
Claims (4)
- 躯体(3)と躯体(4)の間隙(2)に両躯体(3,4)の変位に応じて間隙幅方向へ伸縮動作する伸縮リンク機構(11)を取り付け、この伸縮リンク機構(11)に取り付けた壁面カバー材(7)で両躯体(3,4)の壁面を接合する壁用エキスパンションジョイント(1)の壁面カバー材支持装置(8)において、
前記伸縮リンク機構(11)の両側に取り付けられていて前記間隙(2)の高さ方向に沿って延びた軸部(10b)が端面に突設されてなる支持枠(10,10)と、
前記間隙(2)に面した左右の躯体(3,4)の端部に取り付けられていて前記間隙(2)の高さ方向に沿って延びた係合凹溝(9b)を有する受材(9,9)を備え、
前記支持枠(10,10)は、
その軸部(10b)を前記受材(9)の係合凹溝(9b)に係合させて受材(9)に回転自在に支持され、且つ前記係合凹溝(9b)内の上下両部に設けられたストッパー(9c,9c)に前記軸部(10b)が当接する範囲内で係合凹溝(9b)に沿って上下にスライド可能に受材(9)に連結されているとともに、
前記支持枠(10)の軸部(10b)が設けられた端面の上下両部に軸部(10b)が突設されていない切欠き部(10c,10c)が設けられた構成を有することを特徴とする壁面カバー材支持装置。 - 伸縮リンク機構(11)は、
適宜な長さの筒枠材であって後面部にその長手方向に沿って延びた蟻溝状の係合溝(11b1)を有するホルダー材(11b)と、前記係合溝(11b1)に係合する突起(11c1)を備えていて前記ホルダー材(11b)の後面部上で前記係合溝(11b1)に沿ってスライド自在に支持される可動材(11c)からなる伸縮体(11a,11a)を、前記左右の受材(9,9)に連結された左右の支持枠(10,10)に、前記可動材(11c)が間隙幅方向に沿ってスライドするようにホルダー材(11b)を水平に向けてそれぞれ固定されているとともに、
一側の伸縮体(11a)の可動材(11c)の端部に間隙高さ方向に沿った長孔(11d1)が形成された連結板(11d)が取り付けられ、他側の伸縮体(11a)の可動材(11c)の端部に間隙幅方向に沿った長孔(11c2)が形成され、
当該他側の可動材(11c)の長孔(11c2)に間隙奥行き方向に沿って通したボルト(11e)の軸部が前記連結板(11d)の長孔(11d1)に挿通されているとともに、この長孔(11d1)から突出したボルト(11e)の軸部にコイル状の圧縮バネ(11f)が装着されて軸部端部がナット締め(11g)されていることにより、
前記両伸縮体(11a,11a)の可動材(11c,11c)の端部同士を間隙奥行き方向へ変位可能に連結して左右の支持枠(10,10)間に架設された構成を有することを特徴とする請求項1に記載の壁面カバー材支持装置。 - 支持枠(10)に軸部(10b)、受材(9)に係合凹溝(9b)をそれぞれ設ける代わりに、支持枠(10)に係合凹溝、受材(9)に軸部を設けた構成を有する請求項1又は2に記載の壁面カバー材支持装置。
- 請求項1〜3の何れかに記載の壁面カバー材支持装置により、左右の躯体(3,4)の間隙(2)を覆う壁面カバー材(7)が支持された構成を有することを特徴とする壁面用エキスパンションジョイント。
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