JP5091361B1 - 床用エキスパンションジョイントの床カバー材支持装置、床カバー材の取り付け方法及び床用エキスパンションジョイント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床カバー材5を支持する支持装置6を、躯体2の凹面部21a内にリング形の係合部61dの開口面を間隙長さ方向に向けて固定される躯体側係合部材61と、リング形の係合部62bを床カバー材5の端部51から突出させて固定される床カバー材側係合部材62と、並設された両係合部61d、62bの開口面に軸部63aを挿通して連結するボルトナット63、64とにより構成し、床カバー材5の端部51を回転自在に支持して躯体2に連結する。
【選択図】図2
Description
躯体側係合部材は、その係合部の開口面を間隙長さ方向に向けて前記凹面部上に取り付けられており、これに床カバー材の端部に取り付けられた床カバー材側係合部材を並設し、両係合部をボルトナットで締結した状態でボルトの軸部は間隙長さ方向と平行な配置となり、この軸部を支点として床カバー材が回転自在に支持されるので、他側の躯体が上下何れかの方向に相対変位した場合に、これに追従して床カバー材が前記ボルトの軸部を支点として回転し、相対変位する躯体と床カバー材の端部との接合状態を確実に維持することができる。
ボルトの軸部にスペーサ管を被せ、このスペーサ管の周面に両係合部材の係合部を係合することで、床カバー材がボルトの軸部周りに回転する際の接触抵抗が少なくなり、両係合部材の係合部がスペーサ管の周面を滑動して床カバー材をスムーズに回転させることができる。また、スペーサ管の両端でボルトナットを締結することで取り付け操作性が良好となり、スペーサ管の周面上で両係合部材が適宜な間隔を開けて係合されていれば、仮に地震の際に床カバー材が間隙長さ方向の荷重を受けても、前記係合位置に適宜な配置間隔があることにより、荷重が直ちに床カバー材の端部から凹面部の支持装置へと伝わることはなく、前記荷重を受けることによる支持装置の破損を防止することができる。
前記構成の支持装置において、躯体側係合部材は、前記凹面部に固定される台座の上面に支持板を上方に突出させて取り付け、この支持板に係合部であるリング体をその外周面を前記台座上面に接合させて取り付けた構成に設けることができる。
台座の上面にリング体の外周面を接合させて躯体側係合部材が構成してあれば、床カバー材の荷重がリング体から直接台座に伝わって凹面部で受けることとなり、部材の接続部分に荷重による応力が集中して部材を破損に至らしめるようなことはない。
また、床カバー材側係合部材は、床カバー材の端部下面に固定される支持板に、係合部であるリング体を取り付けた構成に設けることができる。さらに、前記リング体をアイボルト又はアイナットを用いて構成することができる。
間隙に面する一側の躯体端部に設けられた凹面部上に前記躯体側係合部材を構成する台座を固定する工程と、
床カバー材の端部下面に床カバー材側係合部材を構成する支持板を固定する工程と、
前記床カバー材の端部に固定された支持板にリング体を取り付けるとともに、このリング体に、前記躯体側係合部材を構成する支持板に取り付けられたリング体をボルトナット及びスペーサ管を用いて連結する工程と、
前記連結された両リング体が端部に取り付けられた前記床カバー材を両躯体間に架け渡す工程と、
前記一側の躯体端部に設けられた凹面部上で、前記床カバー材の端部に取り付けられた躯体側係合部材のリング体の支持板を台座の上面に締着固定することにより前記リング体を台座上に取り付ける工程と、を有することを特徴とする。
本発明の床用エキスパンションジョイントは、前記構成の支持装置により、間隙を挟む躯体と躯体の間に架け渡された床カバー材が支持された構成を有することを特徴とする。
図1は本発明の一実施形態の床用エキスパンションジョイントの縦断面を示しており、図示されるように、この床用エキスパンションジョイント1は、例えば免震構造の躯体2と非免震構造の躯体3の間の間隙4に、両躯体2、3に跨るように床カバー材5が取り付けられて両躯体2、3の床面21、31を床カバー材5で接合するとともに、床カバー材5の一側の端部51を支持装置6で回転自在に支持して躯体2に連結し、躯体3が躯体2に対して上下何れの方向に相対変位してもこれに追従して床カバー材5が前記端部51側を支点に回転することで、躯体3の床面31と床カバー材5の他側の端部52との接合が確実に維持されるように構成してある。
躯体側係合部材61は、溝形鋼からなる台座61aの上面にアングル材からなる支持板61bを上方に突出させてボルトナット61cにより固定し、台座61aの上方でリング体であるアイボルト61dを、その開口面を台座61aの上面に対して垂直に交差させ、且つその外周面を台座61aの上面に接合させて、つまり台座61a上にアイボルト61dの外周面が載るように配置し、前記支持板61bに形成された通孔にアイボルト61dの軸部を通しナット締めにより固定して、台座61a上にアイボルト61dを一体に取り付けて形成してある。
床カバー材側合部材62は、アングル材からなる支持板62aの外面に、前記アイボルト61dと同寸のリング体であるアイボルト62bをその開口面を当該支持板62aの側面に対して垂直縦向きに交差させて配置し、前記支持板62aに形成された通孔にアイボルト62bの軸部を通しナット締めにより固定して、支持板62aにアイボルト62bを一体に取り付けて形成してある。
また、床カバー材側係合部材62は、支持板62aの他側面を床カバー材5の端部51の下面に溶接固着して固定され、この固定された支持板62aに、アイボルト62bが前記のように配置されて取り付けられる。このとき、図2に示されるように、アイボルト62bを支持板62aに取り付けた状態で、アイボルト62bの半周面が床カバー材5の端部51よりも外方に突出するように、支持板62aの固定位置が調整される。
また、床カバー材側係合部材62は、床カバー材5を両躯体2、3に架け渡した際に前記躯体側係合部材61のアイボルト61dにアイボルト62bが並設するように、前記各躯体側係合部材61の取り付け位置に位置対応させて、床カバー材5の端部51に複数個が取り付けられる。
先ず、両躯体2、3の端部の下地を形成した後、図7(A)に示されるように、躯体2の凹面部21a上に躯体側係合部材61を構成する台座61aを固定する。このとき、台座61a上には支持板61bを連結するためのボルト61cを突出させておく。
凹面部21a上に複数の台座61aを固定するにあたり、各台座61aに取り付けられるアイボルト61dの向きを揃えるため、台座61a上にアイボルト61dが取り付けられている状態で各台座61aを固定するようにしてもよい。この場合、台座61aを固定した後、各台座61aの上面からアイボルト61dが取り付けられた支持板61bを取り外しておく。
また、床カバー材5の端部51には、床カバー材側係合部材62を構成する支持板62aを溶接固着する。
アイボルト61dとアイボルト62bの連結は、前記のように両アイボルト61d、62bの開口面に、ワッシャ66とスペーサ管65を嵌め込んだボルト63の軸部63aを挿通し、軸部63aの端部にワッシャ66を介してナット64を螺合してスペーサ管65の両端でボルトナット63、64を締結することにより行われる。
そして、図7(B)に示されるように、躯体2の凹面部21a上で、アイボルト61dとともに床カバー材5の端部51に取り付けられた支持板61bを、前記台座61aの上面に接合し、且つ支持板61bに形成された通孔に前記ボルト61cを通しナットにより締着固定して、前記連結状態のアイボルト61dを台座61a上に固定する。
そして、モルタル硬化後、同図(D)に示されるように、前記曲げアングル材7の上面に、への字見切り材8をビス留めして凹面部21aの上部隙間を閉鎖することで床用エキスパンションジョイント1の施工が完了する。
支持装置6の躯体側係合部材61と床カバー材側係合部材62は、係合部を構成するリング体であるアイボルト61d、62bの代わりにアイナットを用いてもよく、係合部の開口面が他の形状のもの、例えばC字形や鈎形などの係合部材を用いてもよい。アイナットやアイボルトなどの標準品である係合部材単体で前記両係合部材61、62を構成し、これを直に躯体3の凹面部21aや床カバー材5に取り付けてもよい。
これら変形例と前記実施の形態の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。
Claims (7)
- 躯体と躯体の間隙に床カバー材を取り付けて両躯体の床面を接合する床用エキスパンションジョイントの床カバー材支持装置において、
リング形の係合部を備えていて前記一側の躯体上の間隙に面する端部に設けられた凹面部内に前記係合部の開口面を間隙長さ方向に向けて固定される躯体側係合部材と、
リング形の係合部を備えていて前記床カバー材の端部から前記係合部を突出させて床カバー材に固定される床カバー材側係合部材と、
前記凹面部上で前記躯体側係合部材の係合部とこれに並設させた前記床カバー材側係合部材の係合部とを両係合部の開口面に軸部を挿通して連結するボルトナットと、
を備えた構成を有することを特徴とする床カバー材支持装置。 - 躯体側係合部材の係合部と床カバー材側係合部材の係合部を、両係合部の開口面に適宜な長さのスペーサ管を被せたボルトの軸部を挿通し、スペーサ管の両端でボルトナットを締結することにより、当該スペーサ管の周面に沿って変位可能に連結した構成を有することを特徴とする請求項1に記載の床カバー材支持装置。
- 躯体側係合部材は、前記凹面部に固定される台座の上面に支持板を上方に突出させて取り付け、この支持板に係合部であるリング体をその外周面を前記台座上面に接合させて取り付けた構成を有する請求項1又は2に記載の床カバー材支持装置。
- 床カバー材側係合部材は、床カバー材の端部下面に固定される支持板に、係合部であるリング体を取り付けた構成を有する請求項1〜3の何れかに記載の床カバー材支持装置。
- リング体がアイボルト又はアイナットにより構成された請求項3又は4に記載の床カバー材支持装置。
- 床用エキスパンションジョイントの床カバー材を、請求項4又は5に記載の支持装置を用いて躯体と躯体の間隙に取り付ける方法において、
間隙に面する一側の躯体端部に設けられた凹面部上に前記躯体側係合部材を構成する台座を固定する工程と、
床カバー材の端部下面に床カバー材側係合部材を構成する支持板を固定する工程と、
前記床カバー材の端部に固定された支持板にリング体を取り付けるとともに、このリング体に、前記躯体側係合部材を構成する支持板に取り付けられたリング体をボルトナット及びスペーサ管を用いて連結する工程と、
前記連結された両リング体が端部に取り付けられた前記床カバー材を両躯体間に架け渡す工程と、
前記一側の躯体端部に設けられた凹面部上で、前記床カバー材の端部に取り付けられた躯体側係合部材のリング体の支持板を台座の上面に締着固定することにより前記リング体を台座上に取り付ける工程と、
を有することを特徴とする床カバー材の取り付け方法。 - 請求項1〜5の何れかに記載の床カバー材支持装置により、間隙を挟む躯体と躯体の間に架け渡された床カバー材が支持された構成を有することを特徴とする床用エキスパンションジョイント。
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