アクティブマトリクス型液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)などの画素が行列状に配置された表示装置においては、その信号処理系として、ゲートアレイのMOSプロセスで構成されるデジタル信号処理回路(DSD;Digital Signal Driver,IC;Integrated Circuit)を用いるのが一般的となっている。このデジタル信号処理回路で所定の信号処理がなされたデジタルデータは、S/H(Sample / Hold)ドライバなどにより、アナログ信号に変換された後、液晶表示装置に供給されることになる。
このような液晶表示装置においては、近年、高画素規格の主流が、XGA(1024×768)の規格から、SXGA+(1400×1050)の規格になってきているなどの高画素化が進んでいるとともに、フリッカ対策などのため、フレームレートの主流が、60Hzから120Hz、さらに、240Hzなどに移行するなど高フレームレート化が進んでいることにより、信号処理を行うためのデジタル信号処理回路の高速化が求められている。
例えば、XGAの場合のマスタークロック(駆動周波数)は、65MHzであり、SXGA+の場合のマスタークロックは、108MHzである。しかしながら、デジタル信号処理ICは、マスタークロックが高すぎると動作できなくなったり、高周波クロックに起因する不要輻射によってノイズが増えてしまうなど、デジタル信号処理回路の動作速度に限界があり、SXGA+の場合のマスタークロックでの動作が困難である。このため、液晶表示装置においては、1つのデジタル信号処理IC内で並列処理を行うか、あるいは、複数のデジタル信号処理ICを用いて並列処理を行うことにより、個々のデジタル信号処理回路のマスタークロックを低くして、その高速化に対応している。
また、液晶表示装置の書き込み速度は、入力される映像信号を1dot(画素)ずつ順に書き込んでいけるほど速くないため、一般に水平方向において複数画素ずつ並列に書き込む方式が採用されており、S/Hドライバも、液晶表示装置の画面解像度などによっては複数用いられることがある。
以上のように、高画素化および高フレームレート化に対応するため、液晶表示装置においては、複数のデジタル信号処理回路、および複数のS/Hドライバが用いられて接続されるが、この場合、デジタル信号処理回路、S/Hドライバ、および液晶表示装置間の配線が必然的に決まってしまう。
図1は、従来の液晶表示システムの構成例を示す図である。図1の例においては、デジタル信号処理回路としてのDSDICを2個用いた場合の例を示しており、RGT=Hは、左右反転表示ではない通常表示であることを表している。
図1の液晶表示システムは、スキャンコンバータ11、DSDIC12−1および12−2、S/Hドライバ13−1および13−2、並びに、液晶表示装置14で構成されている。なお、図1の例においては、DSDIC12−1がマスタとして機能し、DSDIC12−2がスレーブとして機能するので、以下、それぞれ、単に、マスタIC12−1およびスレーブIC12−2とも称する。
スキャンコンバータ11は、図示せぬ前段から入力されるアナログの映像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換、画素数変換、ライン数変換、周波数変換などを行い、変換後のデジタルの映像信号を交互にマスタIC12−1およびスレーブIC12−2に入力する。すなわち、映像信号のODDデータ(1,3,5,7,9,11番目のデータ)はマスタIC12−1に入力され、映像信号のEVENデータ(2,4,6,8,10,12番目のデータ)はスレーブIC12−2に入力される。
マスタIC12−1は、入力されたODDデータに対して所定の信号処理を行い、信号処理後の信号SIG1(1,3,5,7,9,11番目のデータ)を、S/Hドライバ13−1に出力する。また、マスタIC12−1は、クロックCLKOUT1をS/Hドライバ13−1に供給するとともに、駆動のためのタイミングパルスを発生し、発生したタイミングパルスを、S/Hドライバ13−1、S/Hドライバ13−2、および液晶表示装置14に供給している。
スレーブIC12−2は、入力されたEVENデータに対して所定の信号処理を行い、信号処理後の信号SIG2(2,4,6,8,10,12番目のデータ)を、S/Hドライバ13−2に出力する。また、スレーブIC12−2は、クロックCLKOUT2をS/Hドライバ13−2に供給している。
S/Hドライバ13−1は、マスタIC12−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、点線に示されるように、信号SIG1(液晶表示装置14の6画素分の1,3,5,7,9,11番目のデータ)を、液晶表示装置14の水平表示位置が、図中上から1,3,5,7,9,11番の画素に同時に入力する。
S/Hドライバ13−2は、スレーブIC12−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、実線に示されるように、信号SIG2(液晶表示装置14の6画素分の2,4,6,8,10,12番目のデータ)を、液晶表示装置14の水平表示位置が、図中上から2,4,6,8,10,12番の画素に同時に入力する。
液晶表示装置14は、画素が行列状に配置されて構成されており、例えば、12画素並列に書き込む12画素同時書き込み方式の液晶パネルである。図1の例においては、図中上から順に、水平方向における並び順1番目の画素から12個の画素が示されている。なお、各画素に示される数字は、各画素に書き込まれる信号のデータ番号を表している。
液晶表示装置14は、マスタIC12−1からのタイミングパルスに基づいて、S/Hドライバ13−1からの信号SIG1と、S/Hドライバ13−2からの信号SIG2を、それぞれ6画素分ずつ、水平方向において並列に書き込む。このとき、液晶表示装置14の上から1,3,5,7,9,11番目の画素には、それぞれ、S/Hドライバ13−1からの信号SIG1の1,3,5,7,9,11番目のデータが一度に書き込まれるとともに、液晶表示装置14の上から2,4,6,8,10,12番の画素には、それぞれ、S/Hドライバ13−2からの信号SIG2の2,4,6,8,10,12番のデータが一度に書き込まれる。
以上のように、液晶表示装置14の水平表示位置が初期状態である(HP:Horizontal Point=Default)場合、S/Hドライバ13−1および13−2からの1乃至12番目のデータが、液晶表示装置14の画素に、図中上から順に書き込まれる。すなわち、図1の例の場合、S/Hドライバ13−1からは、液晶表示装置14の奇数番号の画素に書き込まれるデータが入力され、S/Hドライバ13−2からは、液晶表示装置14の偶数番号の画素に書き込まれるデータが入力されるように、S/Hドライバ13−1および13−2と液晶表示装置14の配線が決まっている。
このように、デジタル信号処理回路およびS/Hドライバを複数用いて、液晶表示装置に接続する場合には、デジタル信号処理回路、S/Hドライバ、および液晶表示装置間の配線が必然的に決まってしまうため、水平表示位置を初期状態から1ポジション動かすと、右側の矢印に示されるように、必然的に複数画素(図1の場合、2画素)動いてしまう。
すなわち、液晶表示装置14の水平表示位置を1ポジション動かした(HP=Default+1)場合、S/Hドライバ13−1および13−2からの3乃至14番のデータが、液晶表示装置14の画素に、図中上から順に書き込まれる。したがって、1画素(dot)単位で水平表示位置を動かす場合には、図2に示されるように、スキャンコンバータ11から、マスタIC12−1およびスレーブIC12−2に入力するデータを入れ替えを行い、スレーブIC12−2に入力されるデータを1データずらす必要がある。
図2は、図1の液晶表示システムにおいて、マスタIC12−1およびスレーブIC12−2に入力するデータを入れ替えた場合の例を示している。すなわち、図2の例の場合、スキャンコンバータ11からの映像信号のEVENデータ(2,4,6,8,10,12番目のデータ)はマスタIC12−1に入力されており、映像信号のODDデータ(3,5,7,9,11,13番目のデータ)はスレーブIC12−2に入力されている。
したがって、S/Hドライバ13−1は、点線に示されるように、マスタIC12−1からの信号SIG1(2,4,6,8,10,12番目のデータ)を、液晶表示装置14の、上から1,3,5,7,9,11番の画素に同時に入力する。
S/Hドライバ13−2は、実線に示されるように、スレーブIC12−2からの信号SIG2(3,5,7,9,11,13番目のデータ)を、液晶表示装置14の、上から2,4,6,8,10,12番の画素に同時に入力する。
これにより、図2の液晶表示装置14の水平表示位置が初期状態である(HP:Horizontal Point=Default)場合、S/Hドライバ13−1および13−2からの2乃至13番目のデータが、液晶表示装置14の画素に、図中上から順に書き込まれる。このように、スキャンコンバータ11から、マスタIC12−1およびスレーブIC12−2に入力するデータの入れ替えおよびデータずらしを行えば、水平表示位置を、図1の映像表示装置14の水平表示位置から1dotずらすことができた。
また、図1の液晶表示システムにおいては、左右反転表示を行う場合にも、図3に示されるように、スキャンコンバータ11から、マスタIC12−1およびスレーブIC12−2に入力するデータを入れ替えなければならない。
図3は、図1の液晶表示システムにおいて、左右反転表示(RGT=L)が設定されるとともに、マスタIC12−1およびスレーブIC12−2に入力するデータを入れ替えた場合の例を示している。すなわち、図3の例の場合、スキャンコンバータ11からの映像信号のEVENデータ(2,4,6,8,10,12番目のデータ)はマスタIC12−1に入力されており、映像信号のODDデータ(1,3,5,7,9,11番目のデータ)はスレーブIC12−2に入力されている。
したがって、S/Hドライバ13−1は、点線に示されるように、マスタIC12−1からの信号SIG1(2,4,6,8,10,12番目のデータ)を逆から順に、液晶表示装置14の、図中上から1,3,5,7,9,11番の画素に同時に入力する。
S/Hドライバ13−2は、実線に示されるように、スレーブIC12−2からの信号SIG2(1,3,5,7,9,11番目のデータ)を逆から順に、液晶表示装置14の、図中上から2,4,6,8,10,12番の画素に同時に入力する。
これにより、図3の液晶表示装置14の水平表示位置が初期状態である(HP:Horizontal Point=Default)場合、S/Hドライバ13−1および13−2からの12乃至1番目のデータが、液晶表示装置14の画素に、図中上から順に書き込まれる。このように、スキャンコンバータ11から、マスタIC12−1およびスレーブIC12−2に入力するデータの入れ替えを行えば、図1の映像表示装置14の水平表示位置に対して、左右反転表示を行うことができた。
ここで、例えば、特許文献1に記載の発明では、デジタル信号処理回路1つで、複数入力、複数同時処理を行い、入力または出力にてポートの入れ替えを行うことで、1dot単位での水平表示位置の移動を実現している。
図4は、ポートの入れ替えを行う場合の液晶表示システムの構成例を示している。図4に示される液晶表示システムは、DSDIC12−1および12−2が、DSDIC21に入れ替わった点が図1の液晶表示システムと異なるが、スキャンコンバータ11、S/Hドライバ13−1および13−2、並びに液晶表示装置14を備える点は共通している。
すなわち、スキャンコンバータ11は、映像信号のODDデータ(1,3,5,7,9,11番目のデータ)と、映像信号のEVENデータ(2,4,6,8,10,12番目のデータ)を、それぞれDSDIC21の2つの入力ポートに入力する。
DSDIC21は、ポート入れ替え部31、信号処理部32、およびポート入れ替え部33により構成されている。ポート入れ替え部31またはポート入れ替え部33は、各入力ポートから入力されたODDデータおよびEVENデータを、S/Hドライバ13−1への出力ポートまたはS/Hドライバ13−2への出力ポートから出力されるようにポートを入れ替える。
信号処理部32は、ポート入れ替え部31から入力された2系統のデータに対して、並列で信号処理を行い、信号処理後の信号をポート入れ替え部33に出力する。また、信号処理部32は、クロックCLKOUT1およびクロックCLKOUT2をS/Hドライバ13−1および13−2にそれぞれ供給するとともに、駆動のためのタイミングパルスを発生し、発生したタイミングパルスを、S/Hドライバ13−1、S/Hドライバ13−2、および液晶表示装置14に供給している。
したがって、DSDIC21からは、1,3,5,7,9,11番目のデータおよび2,4,6,8,10,12番目のデータのうちの一方で構成される信号SIG1が、S/Hドライバ13−1に出力され、2,4,6,8,10,12番目のデータおよび1,3,5,7,9,11番目のデータのうちの他方で構成される信号SIG2が、S/Hドライバ13−2に出力される。
例えば、信号SIG1が1,3,5,7,9,11番目のデータで構成され、信号SIG2が2,4,6,8,10,12番目のデータで構成される場合、S/Hドライバ13−1は、点線に示されるように、DSDIC21からの信号SIG1(1,3,5,7,9,11番目のデータ)を、液晶表示装置14の、図中上から1,3,5,7,9,11番の画素に同時に入力する。S/Hドライバ13−2は、実線に示されるように、DSDIC21からの信号SIG2(2,4,6,8,10,12番目のデータ)を、液晶表示装置14の、図中上から2,4,6,8,10,12番の画素に同時に入力する。
これにより、図3の液晶表示装置14の水平表示位置が初期状態である(HP:Horizontal Point=Default)場合、S/Hドライバ13−1および13−2からの1乃至12番のデータが、液晶表示装置14の図中上から順に書き込まれる。
なお、図示されないが、ポート入れ替え部31またはポート入れ替え部33によるポートの入れ替えにより、S/Hドライバ13−1は、DSDIC21からの信号SIG1(2,4,6,8,10,12番目のデータ)を、液晶表示装置14の、図中上から1,3,5,7,9,11番の画素に同時に入力することもでき、S/Hドライバ13−2は、DSDIC21からの信号SIG2(1,3,5,7,9,11番目のデータ)を、液晶表示装置14の、図中上から2,4,6,8,10,12番の画素に同時に入力することもできる。
以上のように、図4の液晶表示システムにおいては、要求に応じて、水平表示位置の1dotずらしを行うことができた。
しかしながら、図4の例の液晶表示システムは、デジタル信号処理回路を1つ用いた場合のシステムであり、図4の例の液晶表示システムでは、デジタル信号処理回路自体を複数用いる場合には、対応することができなかった。
また、従来の液晶表示システムにおいて、デジタル信号処理回路を複数用いる場合には、映像信号がデジタル信号処理回路に入力される前の段階でデータを入れ替えなければ、1dot単位での水平表示位置の移動ができないだけでなく、さらに、特許文献2に示される輝点補正機能、特許文献3に示される色ムラ補正機能、シャープネス機能、および縦スジ補正機能など、1dot単位の精度が要求される補正機能についても、精度が複数dot(デジタル信号処理回路を2個用いる場合には、2dot)単位となってしまうため、それらの機能の精度が得られなかったり、機能自体を使用できない場合があった。
特開2002−111249号公報
特開2003−316330号公報
特開2000−122023号公報
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の信号処理回路は、映像信号を処理して、画素の集合体からなる表示部に出力する信号処理回路(例えば、図5の液晶表示システム)において、入力される映像信号の偶数番目のデータおよび奇数番目のデータのうちの一方を選択する選択手段(例えば、図5のデータパススイッチ131−1および131−2)と、前記選択手段により選択された映像信号の1フィールド分のデータをフィールドメモリ(例えば、図5のフィールドメモリ133−1および133−2)に書き込みつつ、前記フィールドメモリから前記1フィールド分のデータを倍速で2回読み出すことで、前記映像信号の周波数を、2倍の周波数の映像信号に倍速化する倍速化手段(例えば、図5のメモリ制御部132−1および132−2)と、前記倍速化手段により倍速化され、ラインメモリに一旦蓄積された映像信号を読み出す読み出し手段(例えば、図5の読み出し開始位置制御部138−1および138−2)と、前記読み出し手段により読み出された映像信号に対して、所定の補正処理を行う補正処理手段(例えば、図5の信号補正処理回路134−1および134−2)とをそれぞれ備え、並列に動作する複数のデジタル信号処理手段(例えば、図5のデジタルシグナルドライバIC112−1および112−2)と、前記映像信号の偶数番目のデータおよび奇数番目のデータを、前記複数のデジタル信号処理手段に並行に出力する出力手段と、前記複数のデジタル信号処理手段の前記選択手段による前記映像信号の偶数番目のデータまたは奇数番目のデータの選択の制御、および前記読み出し手段による前記ラインメモリからの映像信号の読み出し位置の制御を行う制御手段(例えば、図5のマイクロコンピュータ115)と、前記複数のデジタル信号処理手段からの映像信号を、前記表示部の偶数画素および奇数画素に同時に入力させる入力制御手段とを備える。
本発明の一側面の信号処理方法は、出力手段、並列に動作する複数のデジタル信号処理手段、制御手段、および入力制御手段を備え、映像信号を処理して、画素の集合体からなる表示部に出力する信号処理回路の信号処理方法において、前記出力手段が、入力される映像信号の偶数番目のデータおよび奇数番目のデータを、前記複数のデジタル信号処理手段に並行に出力し、前記制御手段が、前記複数のデジタル信号処理手段における前記映像信号の偶数番目のデータおよび奇数番目のデータのうちの一方の選択の制御、およびラインメモリに一旦蓄積される映像信号の読み出し位置の制御を行い(例えば、図17のステップS11)、前記複数のデジタル信号処理手段が、前記選択の制御に基づいて、前記映像信号の偶数番目のデータおよび奇数番目のデータのうちの一方を選択し(例えば、図17のステップS13)、選択された映像信号の1フィールド分のデータを前記フィールドメモリに書き込みつつ、前記フィールドメモリから前記1フィールド分のデータを倍速で2回読み出すことで、前記映像信号の周波数を、2倍の周波数の映像信号に倍速化し(例えば、図17のステップS14)、倍速化され、前記ラインメモリに一旦蓄積された映像信号を、前記読み出し位置の制御に基づいて読み出し(例えば、図17のステップS15)、読み出された映像信号に対して所定の補正処理を行い(例えば、図17のステップS16)、前記入力制御手段が、前記複数のデジタル信号処理手段からの映像信号を、前記表示部の偶数画素および奇数画素に同時に入力させるステップを含む。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図5は、本発明を適用した液晶表示システムの構成例を示すブロック図である。
図5の例において、液晶表示システムは、スキャンコンバータ111、デジタルシグナルドライバ(DSD;Digital Signal Driver)IC(Integrated Circuit)112−1および112−2、S/H(Sample / Hold)ドライバ113−1および113−2、LCD(Liquid Crystal Display)パネル114、並びにマイクロコンピュータ115により構成されており、LCDパネル114に表示させるための映像信号の信号処理を行う。
以下、デジタルシグナルドライバIC112−1および112−2、並びに、S/Hドライバ113−1および113−2を個々に区別する必要のない場合、それぞれ、まとめて、デジタルシグナルドライバIC112、並びに、S/Hドライバ113とも称する。
なお、図5の例においては、並列処理可能な2つのデジタルシグナルドライバIC112−1および112−2を用いた場合、すなわち、4つの信号をパラレルで処理する場合の例が示されているが、デジタルシグナルドライバIC112は、2個に限定されない。
また、デジタルシグナルドライバIC112−1および112−2のうち、デジタルシグナルドライバIC112−1がマスタとして機能し、デジタルシグナルドライバIC112−2がスレーブとして機能するので、以下、それらを個々に区別する必要のある場合、それぞれ、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2とも称する。
スキャンコンバータ111には、図示せぬ外部(例えば、パーソナルコンピュータ)などからアナログの映像信号がシリアル入力される。スキャンコンバータ111は、図示せぬA/D(Analog/Digital)変換回路を内蔵しており、アナログの映像信号に対して、A/D変換、画素数変換、ライン数変換、周波数変換などを行い、変換された映像信号を、パラレルで、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2の両方に出力する。
すなわち、映像信号の奇数番目のデータ(ODDデータ)および映像信号の偶数番目のデータ(EVENデータ)の両方(2系統のデータ)が、それぞれ、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2の両方に入力される。この映像信号の奇数番目、偶数番目とは、時間的に最も早いデータを1番目とした順番を表している。時間的に早いデータとは、表示順が早いデータ、すなわち、通常表示であれば、LCDパネル114の水平方向のより左側の画素に書き込まれるデータであることを表している。
スキャンコンバータ111は、また、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2に、マスタークロックCLKと、映像信号の水平同期信号 HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCを供給している。
マスタIC112−1は、マイクロコンピュータ115の制御のもと、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータの一方を選択し、選択した映像信号に対して、倍速変換処理およびLCDパネル114用の映像信号処理を行い、処理が行われた映像信号を、信号SIG1および信号SIG2として、S/Hドライバ113−1に出力する。また、マスタIC112−1は、供給されたマスタークロックCLKに対応して、クロックCLKOUT1をS/Hドライバ113−1に供給するとともに、マイクロコンピュータ115の制御のもと、マスタークロックCLK、映像信号の水平同期信号 HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCに基づいて、各種のタイミングパルスを発生し、LCDパネル114、スレーブIC112−2、並びに、S/Hドライバ113−1および113−2に供給する。
具体的には、マスタIC112−1は、データパススイッチ131−1、メモリ制御部132−1、フィールドメモリ133−1、信号補正処理回路134−1、データパススイッチ135−1、タイミングジェネレータ(TG)136−1、レジスタ137−1、および読み出し開始位置制御部138−1により構成される。
データパススイッチ131−1は、レジスタ137−1の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPを参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータの一方を選択し、タイミングジェネレータ136−1からのタイミングパルスに基づき、選択したデータを、メモリ制御部132−1に出力する。
メモリ制御部132−1は、フィールドメモリ133−1とともに、主に表示画面のフリッカの防止策として、1フレーム分の画像信号をフィールドメモリ133−1に蓄え、時間軸を圧縮して読み出すことにより、駆動周波数をあげることを目的とした倍速駆動回路を構成する。また、このとき、シリアル/パラレル変換が行われることで、内部の処理速度を上げることなく動作が可能となる。
すなわち、メモリ制御部132−1は、タイミングジェネレータ136−1からのタイミングパルスに基づき、フィールドメモリ133−1に、1垂直期間内で1フィールド分のデータの書き込みを行いつつ、フィールドメモリ133−1から、1垂直期間内で1フィールド分のデータを2回読み出すことにより、倍速化された倍速化データを得る処理を行う。倍速化データは、読み出し開始位置制御部138−1に出力される。
読み出し開始位置制御部138−1は、メモリ制御部132−1からのデータを一旦蓄積し、蓄積したデータを読み出す際に、レジスタ137−1の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPに基づいて、蓄積したデータの読み出し順および読み出し開始位置を制御している。なお、倍速化データのうち、読み出す順が時間的に早い方、換言すると、表示順が早い方のデータをデータ1-1と称し、遅い方のデータをデータ1-2と称する。
信号補正処理回路134−1は、タイミングジェネレータ136−1からのタイミングパルスに基づき、レジスタ137−1の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPを参照して、読み出し開始位置制御部138−1からのデータ1-1および1-2に対して、並列に、ガンマ補正、輝点補正、シャープネス機能、縦スジ補正、および色ムラ補正などの信号補正処理を行う。
例えば、色ムラ補正時などには、信号補正処理回路134−1は、1ポート分の画素の先頭のデータを基準に、線形補間演算を行い、補正が必要な4パラレルの各データ(LCDパネル114の4画素分の各データ)分の線形補間の値を求め、そのうち、対象となるデータに対応する線形補間の値を選んで、対象となるデータの補正を行っている。
データパススイッチ135−1は、レジスタ137−1の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPを参照して、信号補正処理回路134−1により信号補正処理されたデータ1-1およびデータ1-2のどちらか一方を、信号SIG1として、S/Hドライバ113−1に出力し、どちらか他方を、信号SIG2として、S/Hドライバ113−1に出力する。
タイミングジェネレータ136−1は、スキャンコンバータ111から供給されるマスタークロックCLK、垂直同期信号VSYNC、および水平同期信号HSYNCに基づいて、各種のタイミングパルスを生成し、マスタIC112−1の各部(すなわち、データパススイッチ131−1、メモリ制御部132−1、信号補正処理回路134−1、データパススイッチ135−1、および読み出し開始位置制御部138−1)、スレーブIC112−2、並びに、LCDパネル114のタイミング制御を行う。
例えば、タイミングジェネレータ136−1は、左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスを、スレーブIC112−2のタイミングジェネレータ136−2および信号補正処理回路134−2に供給し、駆動タイミングパルスを、LCDパネル114に供給する。
レジスタ137−1には、マイクロコンピュータ115により設定される各種の値が記憶されている。例えば、レジスタ137−1には、LCDパネル114の左右のスキャン方向を設定する左右反転設定RGT、DSDIC112−1および112−2のどちらかをマスタのDSDICに設定するマスタスレーブ設定、および、LCDパネル114の水平方向の表示位置を設定する水平表示位置設定HPなどの値が記憶されている。
スレーブIC112−2は、マスタIC112−1と同様に、マイクロコンピュータ115の制御のもと、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータの他方(すなわち、マスタIC112−1が選択しない方)を選択し、選択した映像信号に対して、倍速変換処理およびLCDパネル114用の映像信号処理を行い、処理が行われた映像信号を、信号SIG3および信号SIG4として、S/Hドライバ113−2に出力する。また、スレーブIC112−2は、供給されたマスタークロックCLKに対応して、クロックCLKOUT2をS/Hドライバ113−2に供給する。
具体的には、スレーブIC112−2は、データパススイッチ131−2、メモリ制御部132−2、フィールドメモリ133−2、信号補正処理回路134−2、データパススイッチ135−2、タイミングジェネレータ(TG)136−2、レジスタ137−2、および読み出し開始位置制御部138−2により構成される。
データパススイッチ131−2は、データパススイッチ131−1と基本的に同様に構成され、レジスタ137−2の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPを参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータの他方を選択し、タイミングジェネレータ136−2からのタイミングパルスに基づき、選択したデータを、メモリ制御部132−2に出力する。
メモリ制御部132−2は、メモリ制御部132−1と基本的に同様に構成され、フィールドメモリ133−2とともに、倍速駆動回路を構成する。すなわち、メモリ制御部132−2は、タイミングジェネレータ136−2からのタイミングパルスに基づき、フィールドメモリ133−2に、1垂直期間内で1フィールド分のデータの書き込みを行いつつ、フィールドメモリ133−2から、1垂直期間内で1フィールド分のデータを2回読み出すことにより、倍速化されたデータを得る処理を行う。倍速化データは、読み出し開始位置制御部138−2に出力される。
読み出し開始位置制御部138−2は、読み出し開始位置制御部138−1と基本的に同様に構成され、メモリ制御部132−2からのデータを一旦蓄積し、蓄積したデータを読み出す際に、レジスタ137−2の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPに基づいて、蓄積したデータの読み出し順および読み出し開始位置を制御している。なお、倍速化データのうち、読み出す順が時間的に早い方、換言すると、表示順が早い方のデータをデータ2-1と称し、遅い方のデータをデータ2-2と称する。
信号補正処理回路134−2は、タイミングジェネレータ136−2からのタイミングパルスおよびタイミングジェネレータ136−1からの左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスに基づき、レジスタ137−2の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPを参照して、読み出し開始位置制御部138−2からのデータ2-1および2-2に対して、並列に、ガンマ補正、輝点補正、シャープネス機能、縦スジ補正、および色ムラ補正などの信号補正処理を行う。
信号補正処理回路134−2も、色ムラ補正時などには、1ポート分の画素の先頭のデータを基準に、線形補間演算を行い、補正が必要な4パラレルの各データ(LCDパネル114の4画素分の各データ)分の線形補間の値を求め、そのうち、対象となるデータに対応する線形補間の値を選んで、対象となるデータの補正を行っている。
データパススイッチ135−2は、レジスタ137−2の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPを参照して、信号補正処理回路134−2により信号補正処理されたデータ2-1およびデータ2-2のどちらか一方を、信号SIG3として、S/Hドライバ113−2に出力し、どちらか他方を、信号SIG4として、S/Hドライバ113−2に出力する。
タイミングジェネレータ136−2は、スキャンコンバータ111から供給されるマスタークロックCLK、垂直同期信号VSYNC、および水平同期信号HSYNCなどに基づいて、各種のタイミングパルスを生成し、スレーブIC112−2の各部(すなわち、データパススイッチ131−2、メモリ制御部132−2、信号補正処理回路134−2、データパススイッチ135−2、および読み出し開始位置制御部138−2)のタイミング制御を行う。
なお、タイミングジェネレータ136−2は、マスタIC112−1のタイミングジェネレータ136−1からの左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスにも基づいて、スレーブIC112−2の各部に、左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスを生成する。
レジスタ137−2には、レジスタ137−1と同様に、マイクロコンピュータ115により設定される各種の値が記憶されている。例えば、左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および、水平表示位置設定HPなどの値が記憶されている。
なお、以下、データパススイッチ131−1および131−2、メモリ制御部132−1および132−2、フィールドメモリ133−1および133−2、信号補正処理回路134−1および134−2、データパススイッチ135−1および135−2、タイミングジェネレータ136−1および136−2、レジスタ137−1および137−2、並びに、読み出し開始位置制御部138−1および138−2をそれぞれ個々に区別する必要がない場合、単に、それぞれ、データパススイッチ131、メモリ制御部132、フィールドメモリ133、信号補正処理回路134、データパススイッチ135、タイミングジェネレータ136、レジスタ137、並びに読み出し開始位置制御部138とも称する。
S/Hドライバ113−1は、マスタIC112−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、マスタIC112−1から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG1および信号SIG2を、アナログの映像信号に変換し、信号SIG1が変換されたアナログの映像信号と信号SIG2が変換されたアナログの映像信号を、複数画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。例えば、LCDパネル114が12画素並列に書き込む12画素同時書き込み方式の液晶パネルの場合には、S/Hドライバ113−1およびスレーブIC112−2が6画素分ずつ書き込むことになるため、S/Hドライバ113−1からの信号SIG1および信号SIG2が3画素分ずつLCDパネル114に入力される。
S/Hドライバ113−2は、スレーブIC112−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、スレーブIC112−2から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG3および信号SIG4を、アナログの映像信号に変換し、信号SIG3が変換されたアナログの映像信号と信号SIG4が変換されたアナログの映像信号を、複数画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。
LCDパネル114は、電気光学素子である液晶セルを含む画素が行列状に2次元配置されてなる画素アレイ部が形成された透明絶縁基板、例えば、第1のガラス基板と第2のガラス基板とが所定の間隙を持って対向配置され、間隙内に液晶材料が封止されて構成されている。LCDパネル114は、例えば、12画素並列に書き込む12画素同時書き込み方式の液晶パネルであり、マスタIC112−1のタイミングジェネレータ136−1からの駆動タイミングパルスに基づいて、S/Hドライバ113−1および113−2から、それぞれ6画素ずつの映像信号を、12画素同時に、LCDパネル114の各画素に書き込むことにより、映像信号に対応する映像を表示する。
なお、24画素並列に書き込む24画素同時書き込み方式の液晶パネルの場合には、それぞれ12画素ずつ、24画素の映像信号が入力される。したがって、この場合には、S/Hドライバ113−1および113−2からの映像信号が、24画素同時に、各画素に書き込まれる。
マイクロコンピュータ115は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等を含んで構成され、図示せぬ操作部からのユーザの指示や各種のプログラムなどを実行することにより、液晶表示システムの各部の処理を制御する。例えば、マイクロコンピュータ115は、操作部からのユーザの指示に基づいて、液晶表示システムの各種設定を行い、各種設定に応じた値を、マスタIC112−1に内蔵されるレジスタ137−1およびスレーブIC112−2に内蔵されるレジスタ137−2に書き込むことにより、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2の処理を制御する。
図6は、RGT=HにおけるS/Hドライバ113とLCDパネル114の配線の例を示している。RGT=Hとは、左右反転表示ではない通常表示であることを表している。なお、図6のLCDパネル114のスキャン方向は、図中下向きに示されている。また、LCDパネル114上には、LCDパネル114を構成する画素のうち、図中上から順に、水平方向における並び順1番目の画素から、12個の画素が示されている。
図6の例において、S/Hドライバ113−1は、点線に示されるように、図中上からの(すなわち、水平方向における)並び順が奇数番目(1,3,5,7,9,11番目)の画素に、データを入力するように配線されており、S/Hドライバ113−2は、実線に示されるように、図中上からの並び順が奇数番目(2,4,6,8,10,12番目)の画素に、データを入力するように配線されている。
また、LCDパネル114の各画素に示される数字は、左列から順に、RGT=Hにおける水平表示位置設定HPがDefaultの場合、Default+1の場合(Defaultから1dotずらした場合)、およびDefault+2の場合(Defaultから2dotずらした場合)の各画素に書き込まれる信号の有効映像期間のデータ番号を表しており、画素に付されたハッチは、その画素に、有効映像期間外のデータが書き込まれていることを表している。
まず、水平表示位置設定HPがDefaultの場合を説明する。水平表示位置設定HPがDefaultの場合、マスタIC112−1は、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択し、選択したODDデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行う。なお、このとき、マスタIC112−1からは、左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスがスレーブIC112−2に供給されている。
マスタIC112−1は、処理が行われた映像信号である信号SIG1(例えば、1,5,9番目のデータ)および信号SIG2(3,7,11番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−1に出力するとともに、クロックCLKOUT1をS/Hドライバ113−1に供給する。なお、これらのデータ番号は、有効映像期間における時間的に早い順番を表している。
そして、S/Hドライバ113−1は、マスタIC112−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、マスタIC112−1から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG1および信号SIG2を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−1からは、LCDパネル114の図中上から奇数番目の画素に、上から順に、1,3,5,7,9,11番目のデータが入力される。
一方、スレーブIC112−2は、レジスタ137−2の左右反転設定RGT(H)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default)、並びに、マスタIC112−1から供給される左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスを参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択し、選択したEVENデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行い、処理が行われた映像信号である信号SIG3(例えば、2,6,10番目のデータ)および信号SIG4(4,8,12番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−2に出力するとともに、クロックCLKOUT2をS/Hドライバ113−2に供給する。
そして、S/Hドライバ113−2は、スレーブIC112−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、スレーブIC112−2から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG3および信号SIG4を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−2からは、LCDパネル114の図中上から偶数番目の画素に、上から順に、2,4,6,8,10,12番目のデータが入力される。
これにより、RGT=Hにおける水平表示位置設定HPがDefaultの場合、LCDパネル114の図中上から1番目乃至12番目の画素には、上から順に、有効映像期間における1乃至12番目のデータが同時に書き込まれる。
次に、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合を説明する。水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、マスタIC112−1は、レジスタ137−1の左右反転設定RGT(H)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default+1)を参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択し、選択したEVENデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行う。
マスタIC112−1は、処理が行われた映像信号である信号SIG1(例えば、有効映像期間外のデータと4,8番目のデータ)および信号SIG2(2,6,10番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−1に出力するとともに、クロックCLKOUT1をS/Hドライバ113−1に供給する。
そして、S/Hドライバ113−1は、マスタIC112−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、マスタIC112−1から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG1および信号SIG2を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−1からは、LCDパネル114の図中上から奇数番目の画素に、上から順に、有効映像期間外のデータと2,4,6,8,10番目のデータが入力される。
一方、スレーブIC112−2は、レジスタ137−2の左右反転設定RGT(H)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default+1)、並びに、マスタIC112−1から供給される左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスを参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択し、選択したODDデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行い、処理が行われた映像信号である信号SIG3(例えば、1,5,9番目のデータ)および信号SIG4(3,7,11番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−2に出力するとともに、クロックCLKOUT2をS/Hドライバ113−2に供給する。
そして、S/Hドライバ113−2は、スレーブIC112−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、スレーブIC112−2から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG3および信号SIG4を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−2からは、LCDパネル114の図中上から偶数番目の画素に、上から順に、1,3,5,7,9,11番目のデータが入力される。
これにより、RGT=Hにおける水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、LCDパネル114の、図中上から2番目乃至12番目の画素(上から1番目の画素を除く)には、上から順に、有効映像期間における1乃至11番目のデータが同時に書き込まれる。すなわち、LCDパネル114には、水平表示位置がDefaultの場合から1dot分ずれた画像が表示される。
さらに、水平表示位置設定HPがDefault+2の場合を説明する。水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、マスタIC112−1は、レジスタ137−1の左右反転設定RGT(H)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default+2)を参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択し、選択したODDデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行う。
マスタIC112−1は、処理が行われた映像信号である信号SIG1(例えば、有効映像期間外のデータと3,7番目のデータ)および信号SIG2(1,5,9番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−1に出力するとともに、クロックCLKOUT1をS/Hドライバ113−1に供給する。
そして、S/Hドライバ113−1は、マスタIC112−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、マスタIC112−1から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG1および信号SIG2を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−1からは、LCDパネル114の図中上から奇数番目の画素に、上から順に、有効映像期間外のデータと1,3,5,7,9番目のデータが入力される。
一方、スレーブIC112−2は、レジスタ137−2の左右反転設定RGT(H)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default+2)、並びに、マスタIC112−1から供給される左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスを参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択し、選択したEVENデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行い、処理が行われた映像信号である信号SIG3(例えば、有効映像期間外のデータと4,8番目のデータ)および信号SIG4(2,6,10番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−2に出力するとともに、クロックCLKOUT2をS/Hドライバ113−2に供給する。
そして、S/Hドライバ113−2は、スレーブIC112−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、スレーブIC112−2から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG3および信号SIG4を、アナログの映像信号に変換し、3画素ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−2からは、LCDパネル114の図中上から偶数番目の画素に、上から順に、有効映像期間外のデータと2,4,6,8,10番目のデータが入力される。
これにより、RGT=Hにおける水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、LCDパネル114の、図中上から3番目乃至12番目の画素(上から1および2番目の画素を除く)には、上から順に、1乃至10番目のデータが同時に書き込まれる。すなわち、LCDパネル114には、水平表示位置がDefaultの場合から2dot分ずれた画像が表示される。
図7は、図6のRGT=Hの場合に対して、RGT=LにおけるS/Hドライバ113とLCDパネル114の配線の例を示している。RGT=Lとは、左右反転表示であることを表している。なお、図7のLCDパネル114のスキャン方向は、図中上向きに示されている。また、LCDパネル114上には、LCDパネル114を構成する画素のうち、図中下から順に、水平方向における並び順1番目の画素から、12個の画素が示されている。
図7の例において、S/Hドライバ113−1は、図6の場合と同様にLCDパネル114に配線されている。なお、図中下から見ると、S/Hドライバ113−1は、点線に示されるように、図中下からの(すなわち、水平方向における)並び順が偶数番目(2,4,6,8,10,12番目)の画素に、データを書き込むように配線されており、S/Hドライバ113−2は、実線に示されるように、図中下からの並び順が奇数番目(1,3,5,7,9,11番目)の画素に、データを入力するように配線されている。
また、LCDパネル114の各画素に示される数字は、図6の例の場合と同様に、左列から順に、RGT=Lにおける水平表示位置設定HPがDefaultの場合、Default+1の場合、およびDefault+2の場合の各画素に書き込まれる信号の有効映像期間のデータ番号を表しており、画素に付されたハッチは、その画素に、有効映像期間外のデータが書き込まれていることを表している。
まず、水平表示位置設定HPがDefaultの場合を説明する。水平表示位置設定HPがDefaultの場合、マスタIC112−1は、レジスタ137−1の左右反転設定RGT(L)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default)を参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択し、選択したEVENデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行う。なお、このとき、マスタIC112−1からは、図6の例の場合と同様に、左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスがスレーブIC112−2に供給されている。
マスタIC112−1は、処理が行われた映像信号である信号SIG1(例えば、4,8,12番目のデータ)および信号SIG2(2,6,10番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−1に出力するとともに、クロックCLKOUT1をS/Hドライバ113−1に供給する。
そして、S/Hドライバ113−1は、マスタIC112−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、マスタIC112−1から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG1および信号SIG2を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−1からは、LCDパネル114の図中下から偶数番目の画素に、下から順に、2,4,6,8,10,12番目の画素が入力される。
一方、スレーブIC112−2は、レジスタ137−2の左右反転設定RGT(L)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default)、並びに、マスタIC112−1から供給される左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスを参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択し、選択したODDデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行い、処理が行われた映像信号である信号SIG3(例えば、3,7,11番目のデータ)および信号SIG4(1,5,9番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−2に出力するとともに、クロックCLKOUT2をS/Hドライバ113−2に供給する。
そして、S/Hドライバ113−2は、スレーブIC112−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、スレーブIC112−2から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG3および信号SIG4を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−2からは、LCDパネル114の図中下から奇数番目の画素に、下から順に、1,3,5,7,9,11番目のデータが入力される。
これにより、RGT=Lにおける水平表示位置設定HPがDefaultの場合、LCDパネル114の図中下から1番目乃至12番目の画素には、下から順に、有効映像期間における1乃至12番目のデータが同時に書き込まれる。
次に、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合を説明する。水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、マスタIC112−1は、レジスタ137−1の左右反転設定RGT(L)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default+1)を参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択し、選択したODDデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行う。
マスタIC112−1は、処理が行われた映像信号である信号SIG1(例えば、3,7,11番目のデータ)および信号SIG2(1,5,9番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−1に出力するとともに、クロックCLKOUT1をS/Hドライバ113−1に供給する。
そして、S/Hドライバ113−1は、マスタIC112−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、マスタIC112−1から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG1および信号SIG2を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−1からは、LCDパネル114の図中下から偶数番目の画素に、下から順に、1,3,5,7,9,11番目のデータが入力される。
一方、スレーブIC112−2は、レジスタ137−2の左右反転設定RGT(L)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default+1)、並びに、マスタIC112−1から供給される左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスを参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択し、選択したEVENデータに対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行い、処理が行われた映像信号である信号SIG3(例えば、2,6,10番目のデータ)および信号SIG4(有効映像期間外のデータと4,8番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−2に出力するとともに、クロックCLKOUT2をS/Hドライバ113−2に供給する。
そして、S/Hドライバ113−2は、スレーブIC112−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、スレーブIC112−2から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG3および信号SIG4を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−2からは、LCDパネル114の図中下から奇数番目の画素に、下から順に、有効映像期間外のデータと2,4,6,8,10番目のデータが入力される。
これにより、RGT=Lにおける水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、LCDパネル114の図中下から2番目乃至12番目の画素(下から1番目の画素を除く)には、下から順に、1乃至11番目のデータが同時に書き込まれる。すなわち、LCDパネル114には、水平表示位置がDefaultの場合から1dot分ずれた画像が表示される。
さらに、水平表示位置設定HPがDefault+2の場合を説明する。水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、マスタIC112−1は、レジスタ137−1の左右反転設定RGT(L)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default+2)を参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択し、選択した映像信号に対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行う。
マスタIC112−1は、処理が行われた映像信号である信号SIG1(例えば、2,6,10番目のデータ)および信号SIG2(有効映像期間外のデータと4,8番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−1に出力するとともに、クロックCLKOUT1をS/Hドライバ113−1に供給する。
そして、S/Hドライバ113−1は、マスタIC112−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、マスタIC112−1から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG1および信号SIG2を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−1からは、LCDパネル114の図中下から偶数番目の画素に、下から順に、有効映像期間外のデータと2,4,6,8,10番目のデータが入力される。
一方、スレーブIC112−2は、レジスタ137−2の左右反転設定RGT(L)、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP(Default+2)、並びに、マスタIC112−1から供給される左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスを参照して、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択し、選択した映像信号に対して、倍速変換処理、読み出し順および読み出し開始位置変更処理、並びにLCDパネル114用の映像信号処理を行い、処理が行われた映像信号である信号SIG3(例えば、1,5,9番目のデータ)および信号SIG4(有効映像期間外のデータと3,7番目のデータ)を、12ビットパラレルで、S/Hドライバ113−2に出力するとともに、クロックCLKOUT2をS/Hドライバ113−2に供給する。
そして、S/Hドライバ113−2は、スレーブIC112−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、スレーブIC112−2から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG3および信号SIG4を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−2からは、LCDパネル114の図中下から奇数番目の画素に、下から順に、有効映像期間外のデータと1,3,5,7,9番目のデータが入力される。
これにより、RGT=Lにおける水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、LCDパネル114の、図中下から3番目乃至12番目の画素(下から1および2番目の画素を除く)には、下から順に、1乃至10番目の画素が同時に書き込まれる。すなわち、LCDパネル114には、水平表示位置がDefaultの場合から2dot分ずれた画像が表示される。
以上のように、S/Hドライバ113を複数使用して、LCDパネル114に画像を表示させる場合、複数のS/Hドライバ113に入力する信号を、マイクロコンピュータ115が制御する左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPに基づいて、その前段のマスタIC112−1およびスレーブIC112−2において選択させるようにした。これにより、図6および図7におけるDefaultの場合に示されるように、特定の画素に対し、必然と、どのS/Hドライバ113からのデータが書き込まれるかが決まってしまうLCDパネル114における水平表示位置を、Defaultの場合から1dotや2dotずらすことができるなど、1dot単位での設定が可能になり、LCDパネル114における特定の画素に任意のデータを書き込ませることができる。
なお、S/Hドライバ113への入力信号の選択処理は、具体的には、次に説明するマスタIC112−1およびスレーブIC112−2におけるデータの切り替え処理と、読み出し開始位置制御部138−1および138−2におけるデータの読み出し順および読み出し開始位置変更処理により実現される。なお、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2におけるこれらの処理の制御は、マイクロコンピュータ115により実行される。
図8は、図6の場合の(すなわち、RGT=Hにおける)マスタIC112−1およびスレーブIC112−2の動作を説明する図である。なお、実際には、図8に示されるように、マスタIC112−1の読み出し開始位置制御部138−1は、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bを有して構成され、スレーブIC112−2の読み出し開始位置制御部138−2は、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bを有して構成される。また、ラインメモリ151−1A,151−1B,151−2A,および151−2Bを個々に区別する必要がない場合、単にラインメモリ151とも称する。
マスタIC112−1のデータパススイッチ131−1は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合およびDefault+2の場合、実線に示されるように、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択する。データパススイッチ131−1は、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合およびDefault+3の場合、点線に示されるように、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択する。
スレーブIC112−2のデータパススイッチ131−2は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合およびDefault+2の場合、実線に示されるように、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択する。データパススイッチ131−2は、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合およびDefault+3の場合、点線に示されるように、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択する。
このように、水平表示位置設定HPがDefaultの場合に、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2において、それぞれ、ODDデータおよびEVENデータが選択されているとき、1dotずらす毎に、ODDデータ/EVENデータの選択を、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2で切り替える必要がある。
データパススイッチ131−1により選択されたデータは、マスタIC112−1のメモリ制御部132−1に入力される。メモリ制御部132−1は、選択されたデータの1フィールド分をフィールドメモリ133−1に書き込み、2倍速で読み出し、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bのどちらか一方に、読み出す順が時間的に早い方の信号であるデータ1-1を書き込むように切り替え、どちらか他方に、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるデータ1-2を書き込むように切り替える。
そして、読み出し開始位置制御部138−1は、水平表示位置設定HPに応じた読み出す順で、ラインメモリ151−1Aおよびラインメモリ151−1Bから、書き込まれているデータ1-1およびデータ1-2をそれぞれ読み出す。すなわち、読み出し開始位置制御部138−1においては、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−1Aおよびラインメモリ151−1Bからのデータの読み出し順が変更される。
また、このとき、読み出し開始位置制御部138−1は、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−1Aからの有効映像期間のデータの読み出しを開始する読み出し開始位置Aや、ラインメモリ151−1Bからの有効映像期間のデータの読み出しを開始する読み出し開始位置Bも変更する。
そして、読み出し開始位置制御部138−1においては、これらの制御に基づいて、ラインメモリ151−1Aおよびラインメモリ151−1Bから、データ1-1およびデータ1-2が並列に読み出される。読み出されたデータ1-1およびデータ1-2は、信号補正処理回路134−1において所定の補正処理が行われて、データパススイッチ135−1により、信号SIG1および信号SIG2として、S/Hドライバ113−1に出力される。
データパススイッチ131−2により選択されたデータは、スレーブIC112−2のメモリ制御部132−2に入力される。メモリ制御部132−2は、選択されたデータの1フィールド分をフィールドメモリ133−2に書き込み、2倍速で読み出し、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bのどちらか一方に、読み出す順が時間的に早い方の信号であるデータ2-1を書き込むように切り替え、どちらか他方から、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるデータ2-2を書き込むように切り替える。
そして、読み出し開始位置制御部138−2は、水平表示位置設定HPに応じた読み出す順で、ラインメモリ151−2Aおよびラインメモリ151−2Bから、書き込まれているデータ2-1およびデータ2-2をそれぞれ読み出す。すなわち、読み出し開始位置制御部138−2においては、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−2Aおよびラインメモリ151−2Bからのデータの読み出し順が変更される。
また、このとき、読み出し開始位置制御部138−2は、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−2Aからの有効映像期間のデータの読み出しを開始する読み出し開始位置Cや、ラインメモリ151−2Bからの有効映像期間のデータの読み出しを開始する読み出し開始位置Dも変更する。
そして、読み出し開始位置制御部138−2においては、これらの制御に基づいて、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bから、データ2-1およびデータ2-2が並列に読み出される。読み出されたデータ2-1およびデータ2-2は、信号補正処理回路134−2において所定の補正処理が行われて、データパススイッチ135−2により、信号SIG3および信号SIG4として、S/Hドライバ113−2に出力される。
次に、図9乃至図12を参照して、水平表示位置設定HPに応じたデータの読み出し順および読み出し開始位置の制御について詳しく説明する。
図9は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合のLCDパネル114の各画素に書き込まれるデータと、それらのデータの読み出し開始位置の例を示している。なお、図9の例においては、上から1段目の複数の矩形は、ラインメモリ151−1Aから読み出されたデータが書き込まれるLCDパネル114の各画素を表しており、上から2段目の複数の矩形は、ラインメモリ151−1Bから読み出されたデータが書き込まれるLCDパネル114の各画素を表しており、上から3段目の複数の矩形は、ラインメモリ151−2Aから読み出されたデータが書き込まれるLCDパネル114の各画素を表しており、上から4段目の複数の矩形は、ラインメモリ151−2Bから読み出されたデータが書き込まれるLCDパネル114の各画素を表している。また、これらの矩形に付されている数字は、各画素に書き込まれる、有効映像期間における時間的に早いデータ番号(表示順が早いデータ番号)を表している。
また、各画素の下に示される実線は、その立ち上がりエッジが位置する画素に書き込まれるデータを各ラインメモリ151から読み出す位置が、各ラインメモリ151における有効映像期間の読み出し開始位置であることを示している。すなわち、立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの期間の画素には、有効映像期間内のデータが書き込まれている。なお、図5の液晶表示システムにおいては、4パラレルで信号処理がなされるので、時間軸としては、[1]{1,2,3,4}番目のデータ、[2]{5,6,7,8}番目のデータ、以下、図示されないが、同様に、[3]{9,10,11,12}番目のデータ、[4]{9,10,11,12}番目のデータ、…の単位でデータが処理される。
水平表示位置設定HPがDefaultの場合、マスタIC112−1においては、データパススイッチ131−1により選択されたODDデータが、フィールドメモリ133−1に書き込まれており、スレーブIC112−2においては、データパススイッチ131−2により選択されたEVENデータが、フィールドメモリ133−2に書き込まれている。
マスタIC112−1のメモリ制御部132−1は、フィールドメモリ133−1から2倍速でデータを読み出し、読み出したデータのうち、読み出す順が時間的に早い方の信号であるODDデータ1-1をラインメモリ151−1Aに書き込み、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるODDデータ1-2をラインメモリ151−1Bに書き込む。そして、読み出し開始位置制御部138−1は、ラインメモリ151−1Aから、読み出す順が時間的に早い方の信号であるODDデータ1-1を読み出し、ラインメモリ151−1Bから、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるODDデータ1-2を読み出す制御を行う。
スレーブIC112−2のメモリ制御部132−2は、フィールドメモリ133−2から2倍速でデータを読み出し、読み出したデータのうち、読み出す順が時間的に早い方の信号であるEVENデータ2-1をラインメモリ151−2Aに書き込み、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるEVENデータ2-2をラインメモリ151−2Bに書き込む。そして、読み出し開始位置制御部138−2は、ラインメモリ151−2Aから、読み出す順が時間的に早い方の信号であるEVENデータ2-1を読み出し、ラインメモリ151−2Bから、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるEVENデータ2-2を読み出す制御を行う。
また、このとき、読み出し開始位置制御部138−1の制御により、読み出し開始位置Aは、1段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図9の場合、有効映像期間内の1番目のデータ)が読み出される位置に設定されており、読み出し開始位置Bは、2段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図9の場合、有効映像期間内の3番目のデータ)が読み出される位置に設定されている。また、読み出し開始位置制御部138−2の制御により、読み出し開始位置Cは、3段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図9の場合、有効映像期間内の2番目のデータ)が読み出される位置に設定されており、読み出し開始位置Dは、4段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図9の場合、有効映像期間内の4番目のデータ)が読み出される位置に設定されている。すなわち、水平表示位置設定HPがDefaultの場合、各読み出し開始位置は、各左端の画素に書き込まれるデータが読み出される位置に設定されている。
これらの制御に基づいて、各ラインメモリ151からは、 [1]の処理単位の4画素分の{1,2,3,4}番目のデータ、[2]の処理単位の4画素分の{5,6,7,8}番目のデータ、それ以降の4画素分の各データが、各読み出し開始位置A乃至Dを開始位置として、並列に読み出されて、S/Hドライバ113を介して、LCDパネル114の各画素に入力される。
以上により、水平表示位置設定HPがDefaultの場合、マスタIC112−1におけるラインメモリ151−1Aから早い信号として読み出されたODDデータ1-1(有効映像期間における1,5,9,13,17,21,25,29,33,37,41,45番目のデータ)が、1段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。マスタIC112−1におけるラインメモリ151−1Bから遅い信号として読み出されたODDデータ1-2(有効映像期間における3,7,11,15,19,23,27,31,35,39,43,47番目のデータ)が、2段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。
また、スレーブIC112−2におけるラインメモリ151−2Aから早い信号として読み出されたEVENデータ2-1(有効映像期間における2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46番目のデータ)が、3段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。スレーブIC112−2におけるラインメモリ151−2Bから遅い信号として読み出されたEVENデータ2-2(有効映像期間における4,8,12,16,20,24,28,32,36,40,44,48番目のデータ)が、4段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。
図10は、図9の水平表示位置設定HPがDefaultの場合から1dotずらした、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合のLCDパネル114の各画素に書き込まれるデータと、それらのデータの読み出し開始位置の例を示している。なお、図10の例において、矩形に付されたハッチは、画素に書き込まれるデータが有効映像期間外のデータであることを表している。
水平表示位置設定HPがDefaultから、Defaultの場合から1dotずらしたDefault+1に変更されると、マスタIC112−1においては、データパススイッチ131−1の選択が、ODDデータからEVENデータに切り替えられ、データパススイッチ131−1により選択されたEVENデータが、フィールドメモリ133−1に書き込まれている。またスレーブIC112−2においては、データパススイッチ131−2の選択が、EVENデータからODDデータに切り替えられ、データパススイッチ131−2により選択されたODDデータがフィールドメモリ133−2に書き込まれている。
水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、マスタIC112−1のメモリ制御部132−1は、フィールドメモリ133−1から2倍速でデータを読み出し、読み出したデータのうち、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるEVENデータ1-2をラインメモリ151−1Aに書き込み、読み出す順が時間的に早い方の信号であるEVENデータ1-1をラインメモリ151−1Bに書き込む。
したがって、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、読み出し開始位置制御部138−1は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合から、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bからのデータの読み出し順を切り替えて、ラインメモリ151−1Aから、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるEVENデータ1-2を読み出し、ラインメモリ151−1Bから、読み出す順が時間的に早い方の信号であるEVENデータ1-1を読み出す制御を行う。
水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、スレーブIC112−2のメモリ制御部132−2は、フィールドメモリ133−2から2倍速でデータを読み出し、読み出したデータのうち、読み出す順が時間的に早い方の信号であるODDデータ2-1をラインメモリ151−2Aに書き込み、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるODDデータ2-2をラインメモリ151−2Bに書き込む。
したがって、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、読み出し開始位置制御部138−2は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合と同様に、ラインメモリ151−2Aから、読み出す順が時間的に早い方の信号であるODDデータ2-1を読み出し、ラインメモリ151−2Bから、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるODDデータ2-2を読み出す制御を行う。
また、このとき、読み出し開始位置制御部138−1は、読み出し開始位置Aを、図9のDefaultの場合よりも時間的に1つ後のデータが読み出される位置に変更する。すなわち、図10の例においては、読み出し開始位置Aは、図9のDefaultの場合に、有効映像期間内の1番目のデータが書き込まれていた1段目の左端の画素から、1データ分後の左から2番目の画素(図9の場合、有効映像期間内の5番目のデータが書き込まれていた画素)に書き込まれるデータ(図10の場合、有効映像期間内の4番目のデータ)が読み出される位置に変更される。
なお、図9のDefaultの場合と同様に、読み出し開始位置制御部138−1の制御により、読み出し開始位置Bは、2段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図10の場合、有効映像期間内の2番目のデータ)が読み出される位置に設定されている。また、読み出し開始位置制御部138−2の制御により、読み出し開始位置Cは、3段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図10の場合、有効映像期間内の1番目のデータ)が読み出される位置に設定されており、読み出し開始位置Dは、4段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図10の場合、有効映像期間内の3番目のデータ)が読み出される位置に設定されている。
これらの制御に基づいて、各ラインメモリ151から、 [1]の処理単位の4画素分の{1,2,3,4}番目のデータ、[2]の処理単位の4画素分の{5,6,7,8}番目のデータ、それ以降の4画素分の各データが、各読み出し開始位置A乃至Dを開始位置として、並列に読み出されて、S/Hドライバ113を介して、LCDパネル114の各画素に入力される。
以上により、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、マスタIC112−1におけるラインメモリ151−1Aから遅い信号として読み出されたEVENデータ1-2(有効映像期間外のデータと、有効映像期間における4,8,12,16,20,24,28,32,36,40,44,48番目のデータ)が、1段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。マスタIC112−1におけるラインメモリ151−1Bから早い信号として読み出されたEVENデータ1-1(有効映像期間における2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46番目のデータ)が、2段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。
スレーブIC112−2におけるラインメモリ151−2Aから早い信号として読み出されたODDデータ2-1(有効映像期間における1,5,9,13,17,21,25,29,33,37,41,45番目のデータ)が、3段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。スレーブIC112−2におけるラインメモリ151−2Bから遅い信号として読み出されたODDデータ2-2(有効映像期間における3,7,11,15,19,23,27,31,35,39,43,47番目のデータ)が、4段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。
すなわち、図10の例において、図9のDefaultの場合に1番目のデータが書き込まれていた画素(1段目の左端の画素)には、有効映像期間外のデータが書き込まれ、2番目のデータが書き込まれていた画素(3段目の左端の画素)には、1番目のデータが書き込まれ、3番目のデータが書き込まれていた画素(2段目の左端の画素)には、2番目のデータが書き込まれ、4番目のデータが書き込まれていた画素(4段目の左端の画素)には、3番目のデータが書き込まれ、5番目のデータが書き込まれていた画素(1段目の左端から2番目の画素)には、4番目のデータが書き込まれる。
以上のように、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2に入力されるデータを切り替え、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bからのデータの読み出し順を切り替えて、さらに、ラインメモリ151−1Aにおけるデータの読み出し開始位置Aを変更することで、水平表示位置を、Defaultの場合から、1dotずらすことができる。
図11は、図9の水平表示位置設定HPがDefaultの場合から2dotずらした、水平表示位置設定HPがDefault+2の場合のLCDパネル114の各画素に書き込まれるデータと、それらのデータの読み出し開始位置の例を示している。なお、図11の例においても、矩形に付されたハッチは、画素に書き込まれるデータが有効映像期間外のデータであることを表している。
水平表示位置設定HPがDefaultから、Defaultの場合から2dotずらしたDefault+2に変更されると、マスタIC112−1においては、水平表示位置設定HPがDefault の場合と同様に、データパススイッチ131−1により選択されたODDデータが、フィールドメモリ133−1に書き込まれている。また、スレーブIC112−2においては、水平表示位置設定HPがDefault の場合と同様に、データパススイッチ131−2により選択されたEVENデータが、フィールドメモリ133−2に書き込まれている。
水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、マスタIC112−1のメモリ制御部132−1は、フィールドメモリ133−1から2倍速でデータを読み出し、読み出したデータのうち、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるODDデータ1-2をラインメモリ151−1Aに書き込み、読み出す順が時間的に早い方の信号であるODDデータ1-1をラインメモリ151−1Bに書き込む。
したがって、水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、読み出し開始位置制御部138−1は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合から、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bからのデータの読み出し順を切り替えて、ラインメモリ151−1Aから、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるODDデータ1-2を読み出し、ラインメモリ138−1Bから、読み出す順が時間的に早い方の信号であるODDデータ1-1を読み出す制御を行う。
水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、スレーブIC112−2のメモリ制御部132−2は、フィールドメモリ133−2から2倍速でデータを読み出し、読み出したデータのうち、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるEVENデータ2-2をラインメモリ151−2Aに書き込み、読み出す順が時間的に早い方の信号であるEVENデータ2-1をラインメモリ151−2Bに書き込む。
したがって、水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、読み出し開始位置制御部138−2も、水平表示位置設定HPがDefaultの場合から、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bからのデータの読み出し順を切り替えて、ラインメモリ151−2Aから、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるEVENデータ2-2を読み出し、ラインメモリ151−2Bから、読み出す順が時間的に早い方の信号であるEVENデータ2-1を読み出す制御を行う。
また、このとき、読み出し開始位置制御部138−1は、読み出し開始位置Aを、図9のDefaultの場合よりも時間的に1つ後のデータが読み出される位置に変更し、読み出し開始位置制御部138−2は、読み出し開始位置Cを、図9のDefaultの場合よりも時間的に1つ後のデータが読み出される位置に変更する。
すなわち、図11の例においては、読み出し開始位置Aは、図9のDefaultの場合に、有効映像期間内の1番目のデータが書き込まれていた1段目の左端の画素から、1データ分後の左から2番目の画素(図9の場合、有効映像期間内の5番目のデータが書き込まれていた画素)に書き込まれるデータ(図11の場合、有効映像期間内の3番目のデータ)が読み出される位置に変更される。また、読み出し開始位置Cは、図9のDefaultの場合に、有効映像期間内の2番目のデータが書き込まれていた3段目の左端の画素から、1データ分後の左から2番目の画素(図9の場合、有効映像期間内の6番目のデータが書き込まれていた画素)に書き込まれるデータ(図11の場合、有効映像期間内の4番目のデータ)が読み出される位置に変更される。
なお、図9のDefaultの場合と同様に、読み出し開始位置制御部138−1の制御により、読み出し開始位置Bは、2段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図11の場合、有効映像期間内の1番目のデータ)が読み出される位置に設定されている。また、読み出し開始位置制御部138−2の制御により、読み出し開始位置Dは、4段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図11の場合、有効映像期間内の2番目のデータ)が読み出される位置に設定されている。
これらの制御に基づいて、各ラインメモリ151から、 [1]の処理単位の4画素分の{1,2,3,4}番目のデータ、[2]の処理単位の4画素分の{5,6,7,8}番目のデータ、それ以降の4画素分の各データが、各読み出し開始位置A乃至Dを開始位置として、並列に読み出されて、S/Hドライバ113を介して、LCDパネル114の各画素に入力される。
以上により、水平表示位置設定HPがDefault+2の場合、マスタIC112−1におけるラインメモリ151−1Aから遅い信号として読み出されたODDデータ1-2(有効映像期間外のデータと、有効映像期間における3,7,11,15,19,23,27,31,35,39,43,47番目のデータ)が、1段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。マスタIC112−1におけるラインメモリ151−1Bから早い信号として読み出されたODDデータ1-1(有効映像期間における1,5,9,13,17,21,25,29,33,37,41,45番目のデータ)が、2段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。
スレーブIC112−2におけるラインメモリ151−2Aから遅い信号として読み出されたEVENデータ2-2(有効映像期間外のデータと、有効映像期間における4,8,12,16,20,24,28,32,36,40,44,48番目のデータ)が、3段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。スレーブIC112−2におけるラインメモリ151−2Bから遅い信号として読み出されたEVENデータ2-1(有効映像期間における2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46番目のデータ)が、4段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。
すなわち、図11の例において、図9のDefaultの場合に1番目のデータが書き込まれていた画素(1段目の左端の画素)、および2番目のデータが書き込まれていた画素(3段目の左端の画素)には、有効映像期間外のデータが書き込まれ、3番目のデータが書き込まれていた画素(2段目の左端の画素)には、1番目のデータが書き込まれ、4番目のデータが書き込まれていた画素(4段目の左端の画素)には、2番目のデータが書き込まれ、5番目のデータが書き込まれていた画素(1段目の左端から2番目の画素)には、3番目のデータが書き込まれ、6番目のデータが書き込まれていた画素(3段目の左端から2番目の画素)には、4番目のデータが書き込まれる。
以上のように、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bからのデータの読み出し順と、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bからのデータの読み出し順を切り替えて、さらに、ラインメモリ151−1Aにおけるデータの読み出し開始位置Aおよびラインメモリ151−2Aにおけるデータの読み出し開始位置Cを変更することで、水平表示位置を、Defaultの場合から、2dotずらすことができる。
図12は、図9の水平表示位置設定HPがDefaultの場合から3dotずらした、水平表示位置設定HPがDefault+3の場合のLCDパネル114の各画素に書き込まれるデータと、それらのデータの読み出し開始位置の例を示している。なお、図12の例においても、矩形に付されたハッチは、画素に書き込まれるデータが有効映像期間外のデータであることを表している。
水平表示位置設定HPがDefaultから、Defaultの場合から3dotずらしたDefault+3に変更されると、マスタIC112−1においては、図10のDefault+1の場合と同様に、データパススイッチ131−1の選択が、ODDデータからEVENデータに切り替えられ、選択されたEVENデータが、フィールドメモリ133−1に書き込まれている。また、スレーブIC112−2においては、図10のDefault+1の場合と同様に、データパススイッチ131−2の選択が、EVENデータからODDデータに切り替えられ、選択されたODDデータがフィールドメモリ133−2に書き込まれている。
水平表示位置設定HPがDefault+3の場合、マスタIC112−1のメモリ制御部132−1は、フィールドメモリ133−1から2倍速でデータを読み出し、読み出したデータのうち、読み出す順が時間的に早い方の信号であるEVENデータ1-1をラインメモリ151−1Aに書き込み、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるEVENデータ1-2をラインメモリ151−1Bに書き込む。
したがって、水平表示位置設定HPがDefault+3の場合、読み出し開始位置制御部138−1は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合と同様に、ラインメモリ151−1Aから、読み出す順が時間的に早い方の信号であるEVENデータ1-1を読み出し、ラインメモリ151−1Bから、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるEVENデータ1-2を読み出す制御を行う。
水平表示位置設定HPがDefault+3の場合、スレーブIC112−2のメモリ制御部132−2は、フィールドメモリ133−2から2倍速でデータを読み出し、読み出したデータのうち、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるODDデータ2-2をラインメモリ151−2Aに書き込み、読み出す順が時間的に早い方の信号であるODDデータ2-1をラインメモリ151−2Bに書き込む。
したがって、水平表示位置設定HPがDefault+3の場合、読み出し開始位置制御部138−2は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合から、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bからのデータの読み出し順を切り替えて、ラインメモリ151−2Aから、読み出す順が時間的に遅い方の信号であるODDデータ2-2を読み出し、ラインメモリ151−2Bから、読み出す順が時間的に早い方の信号であるODDデータ2-1を読み出す制御を行う。
また、このとき、読み出し開始位置制御部138−1は、読み出し開始位置AおよびBを、図9のDefaultの場合よりも時間的に1つ後のデータが読み出される位置に変更し、読み出し開始位置制御部138−2は、読み出し開始位置Cを、図9のDefaultの場合よりも時間的に1つ後のデータが読み出される位置に変更する。
すなわち、図12の例においては、読み出し開始位置Aは、図9のDefaultの場合に、有効映像期間内の1番目のデータが書き込まれていた1段目の左端の画素から、1データ分後の左から2番目の画素(図9の場合、有効映像期間内の5番目のデータが書き込まれていた画素)に書き込まれるデータ(図12の場合、有効映像期間内の2番目のデータ)が読み出される位置に変更される。読み出し開始位置Bは、図9のDefaultの場合に、有効映像期間内の3番目のデータが書き込まれていた1段目の左端の画素から、1データ分後の左から2番目の画素(図9の場合、有効映像期間内の7番目のデータが書き込まれていた画素)に書き込まれるデータ(図12の場合、有効映像期間内の4番目のデータ)が読み出される位置に変更される。
また、読み出し開始位置Cは、図9のDefaultの場合に有効映像期間内の2番目のデータが書き込まれていた3段目の左端の画素から、1データ分後の左から2番目の画素(図9の場合、有効映像期間内の6番目のデータが書き込まれていた画素)に書き込まれるデータ(図12の場合、有効映像期間内の3番目のデータ)が読み出される位置に変更される。
なお、図9のDefaultの場合と同様に、読み出し開始位置Dは、読み出し開始位置制御部138−2の制御により、4段目の左端の画素に書き込まれるデータ(図12の場合、有効映像期間内の1番目のデータ)が読み出される位置に設定されている。
これらの制御に基づいて、各ラインメモリ151から、並列に、[1]の処理単位の4画素分の{1,2,3,4}番目のデータ、[2]の処理単位の4画素分の{5,6,7,8}番目のデータ、それ以降の4画素分の各データが、各読み出し開始位置A乃至Dを開始位置として、並列に読み出されて、S/Hドライバ113を介して、LCDパネル114の各画素に入力される。
以上により、水平表示位置設定HPがDefault+3の場合、マスタIC112−1におけるラインメモリ151−1Aから早い信号として読み出されたEVENデータ1-1(有効映像期間外のデータと、有効映像期間における2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46番目のデータ)が、1段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。マスタIC112−1におけるラインメモリ151−1Bから遅い信号として読み出されたEVENデータ1-2(有効映像期間外のデータと、有効映像期間における4,8,12,16,20,24,28,32,36,40,44,48番目のデータ)が、2段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。
スレーブIC112−2におけるラインメモリ151−2Aから遅い信号として読み出されたODDデータ2-2(有効映像期間外のデータと、有効映像期間における3,7,11,15,19,23,27,31,35,39,43,47番目のデータ)が、3段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。スレーブIC112−2におけるラインメモリ151−2Bから遅い信号として読み出されたODDデータ2-1(有効映像期間における1,5,9,13,17,21,25,29,33,37,41,45番目のデータ)が、4段目の矩形に示されるように、左から順に、LCDパネル114の各画素に書き込まれる。
すなわち、図12の例において、図9のDefaultの場合に1番目のデータが書き込まれていた画素(1段目の左端の画素)、2番目のデータが書き込まれていた画素(3段目の左端の画素)および3番目のデータが書き込まれていた画素(2段目の左端の画素)には、有効映像期間外のデータが書き込まれ、4番目のデータが書き込まれていた画素(4段目の左端の画素)には、1番目のデータが書き込まれ、5番目のデータが書き込まれていた画素(1段目の左端から2番目の画素)には、2番目のデータが書き込まれ、6番目のデータが書き込まれていた画素(3段目の左端から2番目の画素)には、3番目のデータが書き込まれ、7番目のデータが書き込まれていた画素(2段目の左端から2番目の画素)には、4番目のデータが書き込まれる。
以上のように、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2に入力されるデータを切り替え、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bからのデータの読み出し順を切り替えて、さらに、ラインメモリ151−1Aにおけるデータの読み出し開始位置A、ラインメモリ151−1Bにおけるデータの読み出し開始位置B、およびラインメモリ151−2Aにおけるデータの読み出し開始位置Cを変更することで、水平表示位置を、Defaultの場合から、3dotずらすことができる。
図13は、図7の場合の(すなわち、RGT=Lにおける)マスタIC112−1およびスレーブIC112−2の動作を説明する図である。なお、図13の例においては、図8の場合と同様に、マスタIC112−1の読み出し開始位置制御部138−1は、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bを有して構成され、スレーブIC112−2の読み出し開始位置制御部138−2は、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bを有して構成される。
マスタIC112−1のデータパススイッチ131−1は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合およびDefault+2の場合、実線に示されるように、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択する。データパススイッチ131−1は、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合およびDefault+3の場合、点線に示されるように、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択する。
スレーブIC112−2のデータパススイッチ131−2は、水平表示位置設定HPがDefaultの場合およびDefault+2の場合、実線に示されるように、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、ODDデータを選択する。データパススイッチ131−2は、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合およびDefault+3の場合、点線に示されるように、スキャンコンバータ111から入力されるODDデータおよびEVENデータのうち、EVENデータを選択する。
このように、図8で上述したRGT=Hの場合から、左右反転設定RGTを反転させた場合(すなわち、RGT=Lの場合)も、図8の水平表示位置設定HPがDefaultの場合に、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2において、それぞれ、ODDデータおよびEVENデータが選択されているとき、ODDデータ/EVENデータの選択を、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2でそれぞれ切り替える必要がある。また、RGT=Lの場合も、水平表示位置設定HPがDefaultの場合から、1dotずらすときには、1dotずらす毎に、ODDデータ/EVENデータの選択を、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2で切り替える必要がある。
データパススイッチ131−1により選択されたデータは、マスタIC112−1のメモリ制御部132−1に入力される。マスタIC112−1のメモリ制御部132−1は、選択された1フィールド分のデータをフィールドメモリ133−1に書き込み、2倍速で読み出し、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bのどちらか一方に、時間的に早い方の信号であるデータ1-1を書き込むように切り替え、どちらか他方に、時間的に遅い方の信号であるデータ1-2を書き込むように切り替える。
そして、読み出し開始位置制御部138−1は、水平表示位置設定HPに応じた読み出す順で、ラインメモリ151−1Aおよびラインメモリ151−1Bから、書き込まれているデータ1-1およびデータ1-2をそれぞれ読み出す。すなわち、読み出し開始位置制御部138−1においては、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bからのデータの読み出し順が変更される。
また、このとき、読み出し開始位置制御部138−1は、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−1Aからデータの読み出しを開始する読み出し開始位置Aや、ラインメモリ151−1Bからデータの読み出しを開始する読み出し開始位置Bも変更する。
そして、読み出し開始位置制御部138−1においては、これらの制御に基づいて、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bから、データ1-1およびデータ1-2が並列に読み出される。読み出されたデータ1-1およびデータ1-2は、信号補正処理回路134−1において所定の補正処理が行われて、データパススイッチ135−1により、信号SIG1および信号SIG2として、S/Hドライバ113−1に出力される。
データパススイッチ131−2により選択されたデータは、スレーブIC112−2のメモリ制御部132−2に入力されるスレーブIC112−2のメモリ制御部132−2は、選択された1フィールド分のデータをフィールドメモリ133−2に書き込み、2倍速で読み出し、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bのどちらか一方に、時間的に早い方の信号であるデータ2-1を書き込むように切り替え、どちらか他方に、時間的に遅い方の信号であるデータ2-2を書き込むように切り替える。
そして、読み出し開始位置制御部138−2は、水平表示位置設定HPに応じた読み出す順で、ラインメモリ151−2Aおよびラインメモリ151−2Bから、書き込まれているデータ2-1およびデータ2-2をそれぞれ読み出す。すなわち、読み出し開始位置制御部138−2においては、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bからのデータの読み出し順が変更される。
また、このとき、読み出し開始位置制御部138−2は、水平表示位置設定HPに応じて、ラインメモリ151−2Aからデータの読み出しを開始する読み出し開始位置Cや、ラインメモリ151−2Bからデータの読み出しを開始する読み出し開始位置Dも変更する。
そして、読み出し開始位置制御部138−2においては、これらの制御に基づいて、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bから、データ2-1およびデータ2-2が並列に読み出される。読み出されたデータ2-1およびデータ2-2は、信号補正処理回路134−2において所定の補正処理が行われて、データパススイッチ135−2により、信号SIG3および信号SIG4として、S/Hドライバ113−2に出力される。
なお、RGT=Lにおける水平表示位置設定HPに応じた読み出し順および読み出し開始位置の制御は、図9乃至図12を参照して上述したRGT=Hにおける水平表示位置設定HPに応じた読み出し順および読み出し開始位置の制御と基本的に同様であるため、その説明は繰り返しになるので省略するが、RGT=Lの場合においては、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2に入力されるデータを切り替え、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bからのデータの読み出し順を切り替えて、さらに、ラインメモリ151−2Aにおけるデータの読み出し開始位置Cを変更することで、水平表示位置を、Defaultの場合から、1dotずらすことができる。
また、RGT=Lの場合においては、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bからのデータの読み出し順と、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bからのデータの読み出し順を切り替えて、さらに、ラインメモリ151−1Bにおけるデータの読み出し開始位置Bおよびラインメモリ151−2Aにおけるデータの読み出し開始位置Cを変更することで、水平表示位置を、Defaultの場合から、2dotずらすことができる。
さらに、RGT=Lの場合においては、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2に入力されるデータを切り替え、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bからのデータの読み出し順を切り替えて、さらに、ラインメモリ151−1Bにおけるデータの読み出し開始位置B、ラインメモリ151−2Aにおけるデータの読み出し開始位置C、およびラインメモリ151−2Bにおけるデータの読み出し開始位置Dを変更することで、水平表示位置を、Defaultの場合から、3dotずらすことができる。
以上のように、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2におけるデータの入れ替え処理と、ラインメモリ151−1および151−2からの読み出し順および読み出し開始位置変更処理を、マイクロコンピュータ115により制御するようにしたので、S/Hドライバ113およびDSDIC112を複数使用して、LCDパネル114に画像を表示させる場合であっても、LCDパネル114における水平表示位置を、Defaultの場合から1dotや2dotずらすことができるなど、1dot単位での設定が可能になり、特定の画素に任意のデータを書き込ませることができる。
また、LCDパネル114における水平表示位置の調整を、各ラインメモリ151からの読み出し制御により行うようにしたので、S/Hドライバ113およびDSDIC112を複数使用して、LCDパネル114に画像を表示させる場合であっても、1dot単位での補正処理が可能になる。
すなわち、信号補正処理回路134−1および134−2が行う輝点補正や色ムラ補正などは、LCDパネル114の特定の画素または箇所に発生する不具合を補正するための機能であり、特定の画素または箇所に表示される映像信号に対し予め補正分を加えることで、補正を行っているため、表示位置をLCDパネルの駆動タイミングパルスで調整していた従来においては、図14に示されるように、駆動タイミングパルスと補正ポイントを連動させていないために、表示位置を動かすと補正ポイントを再度設定しなければならなかった。
図14は、従来の駆動タイミングパルスとLCDパネルにおける補正位置との関係を示す図である。従来のデジタルシグナルドライバ(DSD)IC201には、図示せぬスキャンコンバータから、映像信号、マスタークロックCLK、映像信号の水平同期信号 HSYNC、および垂直同期信号VSYNCが入力されている。
なお、図14の例においては、デジタルシグナルドライバIC201には、説明の便宜上、タイミングジェネレータ(TG)211と信号補正処理回路212のみが示されている。
また、LCDパネルの表示領域203が3つ示されており、各表示領域203には、図中上から順に、それぞれ、Defaultの水平表示位置で表示される映像221、駆動タイミングパルスの調整により、Defaultの水平表示位置に対して、図中左方向に変更された水平表示位置で表示される映像222、および駆動タイミングパルスの調整により、Defaultの水平表示位置に対して、図中右方向に変更された水平表示位置で表示される映像223が表示されている。これらの映像221乃至223は、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像である。
さらに、各表示領域203の上部には、それぞれ、映像221乃至223が表示されるLCDパネルの駆動タイミングパルスP,P1,およびP2、並びに、LCDパネルの電圧V1-1,V1-2,およびV1-3が示されている。
デジタルシグナルドライバIC201の図示せぬレジスタには、水平表示位置の設定や、各種補正の補正ポイント(例えば、輝点補正の補正ポイントm)の設定が記憶されている。補正ポイントmは、補正する画素が駆動タイミングパルスの立ち上がりエッジから何画素目であるかを示す値である。
デジタルシグナルドライバIC201のタイミングジェネレータ211は、レジスタの設定、マスタークロックCLK、水平同期信号HSYNC、および垂直同期信号VSYNCに基づいて、Defaultの水平表示位置(水平表示位置の変更前)の駆動タイミングパルスPを生成し、生成した駆動タイミングパルスPをLCDパネルに供給する。
デジタルシグナルドライバIC201の信号補正処理回路212は、駆動タイミングパルスPの立ち上がりエッジとレジスタの補正ポイントmに基づいて、LCDパネルの表示領域203の補正位置Hの映像信号に対して輝点補正する。補正後の映像信号は、S/Hドライバ202を介して、LCDパネルに入力される。LCDパネルは、駆動タイミングパルスPに基づいて、補正位置Hが輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネルの表示領域203には、補正位置Hが輝点補正された映像信号に対応する映像221が、Defaultの表示位置で表示される。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネルの電圧V1-1は、映像221が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、図中左から右にかけてなだらかに、例えば、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとるが、補正位置Hの電圧のみ、その直線から図中上に外れた値となる。これは、補正位置Hの映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、補正位置Hの映像信号が輝点補正されていることがわかる。
ここで、ユーザの操作に応じて、レジスタにおける水平表示位置の設定が表示領域203に対して図中左方向に変更された場合、タイミングジェネレータ211は、レジスタの設定に応じて、図中左方向に変更された水平表示位置の駆動タイミングパルスP1を生成し、生成した駆動タイミングパルスP1をLCDパネルに供給する。
しかしながら、従来においては、駆動タイミングパルスと補正ポイントが連動されていないため、信号補正処理回路212は、駆動タイミングパルスP1の立ち上がりエッジとレジスタの補正ポイントmに基づいて、LCDパネルの表示領域203の位置G1の映像信号に対して、輝点補正してしまう。
補正後の映像信号は、S/Hドライバ202を介して、LCDパネルに入力されるので、LCDパネルは、駆動タイミングパルスP1に基づいて、位置G1が輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネルの表示領域203には、位置G1が輝点補正された映像信号に対応する映像222が、表示領域203に対して図中左方向に変更された水平表示位置で表示される。なお、表示領域203には、映像222の右側に、水平表示位置の変更に応じて映像信号の表示映像期間外のデータに対応する黒い映像が表示されている。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネルの電圧V1-2は、映像222が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、図中左から右にかけてなだらかに、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとり、水平表示位置がずれた分だけ0Vの値をとるが、位置G1の電圧のみ、その直線から図中上に外れた値となる。これは、位置G1の映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、位置G1の映像信号が輝点補正されていることがわかる。
さらに、ユーザの操作に応じて、レジスタにおける水平表示位置の設定が表示領域203に対して図中右方向に変更された場合、タイミングジェネレータ211は、レジスタの設定に応じて、図中右方向に変更された水平表示位置の駆動タイミングパルスP2を生成し、生成した駆動タイミングパルスP2をLCDパネルに供給する。
上述したように、従来においては、駆動タイミングパルスと補正ポイントが連動されていないため、信号補正処理回路212は、駆動タイミングパルスP2の立ち上がりエッジとレジスタの補正ポイントmに基づいて、LCDパネルの表示領域203の位置G2の映像信号に対して、輝点補正してしまう。
補正後の映像信号は、S/Hドライバ202を介して、LCDパネルに入力されるので、LCDパネルは、駆動タイミングパルスP2に基づいて、位置G2が輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネルの表示領域203には、位置G2が輝点補正された映像信号に対応する映像223が、表示領域203に対して図中右方向に変更された水平表示位置で表示される。なお、表示領域203には、映像223の左側に、水平表示位置の変更に応じて映像信号の表示映像期間外のデータに対応する黒い映像も表示されている。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネルの電圧V1-3は、映像223が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、水平表示位置がずれた分だけ0Vの値をとり、その後、図中左から右にかけてなだらかに、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとるが、位置G2の電圧のみ、その直線から図中上に外れた値となっている。これは、位置G2の映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、位置G2の映像信号が輝点補正されていることがわかる。
以上のように、従来は、駆動タイミングパルスと補正ポイントが連動されていないために、水平表示位置を駆動タイミングパルスで動かすと、補正がかかった映像信号も一緒に動いてしまい、本来補正がかかるべき画素または箇所に補正がかからず、補正がかからないはずの画素または箇所に補正がかかってしまっていた。このため、水平表示位置を動かした場合には、補正ポイントを再設定しなければならなかった。
これに対して、図5の液晶表示システムは、上述したように、読み出し開始位置制御部138−1または138−2により読み出し開始位置を制御することで、水平表示位置を動かすことができる。
図15は、図5の液晶表示システムの駆動タイミングパルス、メモリ読み出し開始位置、およびLCDパネルにおける補正位置の関係を示す図である。
なお、図15の例においては、説明の便宜上、デジタルシグナルドライバIC112−1およびS/Hドライバ113−1のみが示されており、さらに、デジタルシグナルドライバIC112−1には、メモリ制御部132−1、フィールドメモリ133−1、信号補正処理回路134−1、タイミングジェネレータ136−1、および読み出し開始位置制御部138−1のみが示されている。
また、LCDパネル114の表示領域251が3つ示されており、各表示領域251には、図中上から順に、それぞれ、Defaultの水平表示位置で表示される映像261、メモリ読み出し開始位置の制御により、Defaultの水平表示位置に対して、図中左方向に変更された水平表示位置で表示される映像262、およびメモリ読み出し開始位置の制御により、Defaultの水平表示位置に対して、図中右方向に変更された水平表示位置で表示される映像263が表示されている。これらの映像261乃至263は、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像である。
さらに、各表示領域251の上部には、それぞれ、LCDパネル114の駆動タイミングパルスP、メモリ読み出し開始位置Q,Q1,およびQ2、並びに、映像261乃至263が表示されるLCDパネル114の電圧V2-1,V2-2,およびV2-3が示されている。
デジタルシグナルドライバIC112−1には、図示せぬスキャンコンバータから、映像信号、マスタークロックCLK、映像信号の水平同期信号 HSYNC、および垂直同期信号VSYNCが入力されている。また、従来の場合と同様に、デジタルシグナルドライバIC112−1のレジスタ137−1(図5)には、水平表示位置の設定や、各種補正の補正ポイント(例えば、輝点補正の補正ポイントm)の設定が記憶されている。補正ポイントmは、補正する画素が駆動タイミングパルスの立ち上がりエッジから何画素目であるかを示す値である。
タイミングジェネレータ136−1は、マスタークロックCLK、水平同期信号HSYNC、および垂直同期信号VSYNCに基づいて、駆動タイミングパルスPを生成し、生成した駆動タイミングパルスPをLCDパネル114に供給する。
メモリ制御部132−1は、映像信号のデータをフィールドメモリ133−1に書き込みつつ、フィールドメモリ133−1に書き込まれたデータを2回読み出し、読み出し開始位置制御部138−1に映像信号を出力する。
読み出し開始位置制御部138−1は、レジスタ137−1のdefaultの水平表示位置の設定に基づいて、映像信号の有効映像期間(すなわち、映像261)が表示領域251に表示されるように、例えば、有効映像期間の開始のデータ位置を、defaultのメモリ読み出し開始位置Qとして設定する。そして、読み出し開始位置制御部138−1は、映像信号のデータを、内蔵するラインメモリ151−1Aおよび151−1Bに書き込みつつ、defaultのメモリ読み出し開始位置Qに基づいて、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bに書き込まれたデータをそれぞれ読み出し、信号補正処理回路134−1に映像信号を出力する。
信号補正処理回路134−1は、駆動タイミングパルスPとレジスタの補正ポイントmに基づいて、LCDパネル114の表示領域251の補正位置Hの映像信号に対して輝点補正する。補正後の映像信号は、S/Hドライバ113−1を介して、LCDパネル114に入力される。LCDパネル114は、駆動タイミングパルスPに基づいて、補正位置Hが輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネル114の表示領域251には、補正位置Hが輝点補正された映像信号に対応する映像261が、Defaultの水平表示位置で表示される。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネル114の電圧V2-1は、映像261が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、図中左から右にかけてなだらかに、例えば、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとるが、補正位置Hの電圧のみ、その直線から図中上に外れた値となっている。これは、補正位置Hの映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、補正位置Hの映像信号が輝点補正されていることがわかる。
ここで、ユーザの操作に応じて、レジスタ137−1における水平表示位置の設定が表示領域251に対して図中左方向に変更された場合、読み出し開始位置制御部138−1は、レジスタ137−1の変更された水平表示位置の設定に基づいて、映像信号の有効映像期間(すなわち、映像262)が表示領域251に対して図中左側にずれるように、例えば、有効映像期間よりも時間的に先のデータ位置を、メモリ読み出し開始位置Q1として設定する。そして、読み出し開始位置制御部138−1は、映像信号のデータを内蔵するラインメモリ151−1Aおよび151−1Bに書き込みつつ、メモリ読み出し開始位置Q1に基づいて、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bに書き込まれたデータをそれぞれ読み出し、信号補正処理回路134−1に映像信号を出力する。
なお、このとき、タイミングジェネレータ136−1は、マスタークロックCLK、水平同期信号HSYNC、および垂直同期信号VSYNCに基づいて、駆動タイミングパルスPを生成し、生成した駆動タイミングパルスPをLCDパネル114に供給している。
したがって、信号補正処理回路134−1は、駆動タイミングパルスPとレジスタの補正ポイントmに基づいて、LCDパネル114の表示領域251の補正位置Hの映像信号に対して輝点補正する。補正後の映像信号は、S/Hドライバ113−1を介して、LCDパネル114に入力される。
LCDパネル114は、駆動タイミングパルスPに基づいて、補正位置Hが輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネル114の表示領域251には、補正位置Hが輝点補正された映像信号に対応する映像262が、表示領域251に対して、図中左方向に変更された水平表示位置で表示される。なお、表示領域251には、映像262の右側に、水平表示位置の変更に応じて映像信号の表示映像期間外のデータに対応する黒い映像も表示されている。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネル114の電圧V2-2は、映像262が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、図中左から右にかけてなだらかに、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとり、表示位置がずれた分だけ0Vの値をとるが、補正位置Hの電圧のみ、その直線から図中上に外れた値となっている。これは、補正位置Hの映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、補正位置Hの映像信号が輝点補正されていることがわかる。
さらに、ユーザの操作に応じて、レジスタ137−1における水平表示位置の設定が表示領域251に対して図中右方向に変更された場合、読み出し開始位置制御部138−1は、レジスタ137−1の変更された水平表示位置の設定に基づいて、映像信号の有効映像期間(すなわち、映像263)が表示領域251に対して図中右側にずれるように、例えば、有効映像期間よりも時間的に後のデータ位置を、メモリ読み出し開始位置Q2として設定する。そして、読み出し開始位置制御部138−1は、映像信号のデータを内蔵するラインメモリ151−1Aおよび151−1Bに書き込みつつ、メモリ読み出し開始位置Q2に基づいて、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bに書き込まれたデータをそれぞれ読み出し、信号補正処理回路134−1に映像信号を出力する。
なお、このとき、タイミングジェネレータ136−1は、マスタークロックCLK、水平同期信号HSYNC、および垂直同期信号VSYNCに基づいて、駆動タイミングパルスPを生成し、生成した駆動タイミングパルスPをLCDパネル114に供給している。
したがって、信号補正処理回路134−1は、駆動タイミングパルスPとレジスタの補正ポイントmに基づいて、LCDパネル114の表示領域251の補正位置Hの映像信号に対して輝点補正する。補正後の映像信号は、S/Hドライバ113−1を介して、LCDパネル114に入力される。
LCDパネル114は、駆動タイミングパルスPに基づいて、補正位置Hが輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネル114の表示領域251には、補正位置Hが輝点補正された映像信号に対応する映像263が、表示領域251に対して、図中右方向に変更された水平表示位置で表示される。なお、表示領域251には、映像263の左側に、水平表示位置の変更に応じて映像信号の表示映像期間外のデータに対応する黒い映像も表示されている。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネルの電圧V2-3は、映像263が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、表示位置がずれた分だけ0Vの値をとり、その後、図中左から右にかけてなだらかに、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとるが、補正位置Hの電圧のみ、その直線から図中上に外れた値となっている。これは、補正位置Hの映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、補正位置Hの映像信号が輝点補正されていることがわかる。
以上のように、図5の液晶表示システムにおいては、読み出し開始位置制御部138のラインメモリ151の読み出し開始位置を制御することで、水平表示位置を調整するようにしたので、表示パネル114の駆動タイミングパルスを動かす必要はなくなり、水平表示位置を変更しても、輝点補正される位置が変わることがなくなる。これにより、輝度補正や色ムラ補正などの補正位置の調整が容易になる。
なお、駆動タイミングパルスによる水平表示位置変更を行う場合でも、補正ポイントを駆動タイミングパルスに連動することにより対応することができる。
図16は、駆動タイミングパルスに補正ポイントを連動させる場合の駆動タイミングパルスとLCDパネルにおける補正位置との関係を示す図である。
なお、図16の例においては、説明の便宜上、デジタルシグナルドライバIC112−1およびS/Hドライバ113−1のみが示されており、さらに、デジタルシグナルドライバIC112−1には、信号補正処理回路134−1、およびタイミングジェネレータ136−1のみが示されている。
また、LCDパネル114の表示領域251が3つ示されており、各表示領域251には、図中上から順に、それぞれ、Defaultの水平表示位置で表示される映像271、駆動タイミングパルスの調整により、Defaultの水平表示位置に対して、図中左方向に変更された水平表示位置で表示される映像272、および駆動タイミングパルスの調整により、Defaultの水平表示位置に対して、図中右方向に変更された表示位置で表示される映像273が表示されている。これらの映像271乃至273は、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像である。
さらに、各表示領域251の上部には、それぞれ、映像271乃至273が表示されるLCDパネル114の駆動タイミングパルスP,P1,およびP2、並びに、LCDパネル114の電圧V3-1,V3-2,およびV3-3が示されている。
デジタルシグナルドライバIC112−1には、図示せぬスキャンコンバータから、映像信号、マスタークロックCLK、映像信号の水平同期信号 HSYNC、および垂直同期信号VSYNCが入力されている。また、従来の場合と同様に、デジタルシグナルドライバIC112−1のレジスタ137−1(図5)には、表示位置の設定や、各種補正の補正ポイント(例えば、輝点補正の補正ポイントn)の設定が記憶されている。補正ポイントnは、補正する画素が駆動タイミングパルスの立ち上がりエッジから何画素目であるかを示す値であり、駆動タイミングパルスに連動して変更される。
タイミングジェネレータ136−1は、レジスタ137−1の設定、マスタークロックCLK、水平同期信号HSYNC、および垂直同期信号VSYNCに基づいて、Defaultの表示位置(表示位置の変更前)の駆動タイミングパルスPを生成し、生成した駆動タイミングパルスPをLCDパネル114に供給する。
信号補正処理回路134−1は、駆動タイミングパルスPの立ち上がりエッジとレジスタの補正ポイントnに基づいて、LCDパネル114の表示領域251の補正位置Hの映像信号に対して輝点補正する。補正後の映像信号は、S/Hドライバ113−1を介して、LCDパネル114に入力される。LCDパネル114は、駆動タイミングパルスPに基づいて、補正位置Hが輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネル114の表示領域251には、補正位置Hが輝点補正された映像信号に対応する映像271が、Defaultの水平表示位置で表示される。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネル114の電圧V3-1は、映像271が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、図中左から右にかけてなだらかに、例えば、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとるが、補正位置Hの電圧のみ、その直線から図中上に外れた値となっている。これは、補正位置Hの映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、補正位置Hの映像信号が輝点補正されていることがわかる。
ここで、ユーザの操作に応じて、レジスタ137−1における水平表示位置の設定が表示領域251に対して図中左方向に変更された場合、タイミングジェネレータ136−1は、レジスタ137−1の設定に応じて、図中左方向に変更された水平表示位置の駆動タイミングパルスP1を生成し、生成した駆動タイミングパルスP1をLCDパネル114に供給する。なお、このとき、レジスタ137−1における補正ポイントの設定も、駆動タイミングパルスP1の変更に連動して、例えば、補正ポイントn1に変更される。
信号補正処理回路212は、駆動タイミングパルスP1の立ち上がりエッジとレジスタ137−1の変更された補正ポイントn1に基づいて、LCDパネル114の表示領域251の補正位置Hの映像信号に対して輝点補正する。補正後の映像信号は、S/Hドライバ113−1を介して、LCDパネル114に入力される。
LCDパネル114は、駆動タイミングパルスP1に基づいて、補正位置Hが輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネル114の表示領域251には、補正位置Hが輝点補正された映像信号に対応する映像272が、表示領域251に対して図中左方向に変更された水平表示位置で表示される。なお、表示領域251には、映像272の右側に、水平表示位置の変更に応じて映像信号の表示映像期間外のデータに対応する黒い映像も表示されている。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネル114の電圧V3-2は、映像272が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、図中左から右にかけてなだらかに、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとり、表示位置がずれた分だけ0Vの値をとるが、補正位置Hの電圧のみ、その直線から外れた値となっている。これは、補正位置Hの映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、補正位置Hの映像信号が輝点補正されていることがわかる。
さらに、ユーザの操作に応じて、レジスタ137−1における水平表示位置の設定が表示領域251に対して図中右方向に変更された場合、タイミングジェネレータ136−1は、レジスタ137−1の設定に応じて、図中右方向に変更された水平表示位置の駆動タイミングパルスP2を生成し、生成した駆動タイミングパルスP2をLCDパネル114に供給する。なお、このとき、レジスタ137−1における補正ポイントの設定も、駆動タイミングパルスP2の変更に連動して、例えば、補正ポイントn2に変更される。
信号補正処理回路212は、駆動タイミングパルスP2の立ち上がりエッジとレジスタ137−1の変更された補正ポイントn2に基づいて、LCDパネル114の表示領域251の補正位置Hの映像信号に対して輝点補正する。補正後の映像信号は、S/Hドライバ113−1を介して、LCDパネル114に入力される。
LCDパネル114は、駆動タイミングパルスP2に基づいて、補正位置Hが輝点補正された映像信号を書き込む。これにより、LCDパネル114の表示領域251には、補正位置Hが輝点補正された映像信号に対応する映像273が、表示領域251に対して図中右方向に変更された水平表示位置で表示される。なお、表示領域251には、映像273の左側に、水平表示位置の変更に応じて映像信号の表示映像期間外のデータに対応する黒い映像も表示されている。
このとき、補正位置Hが位置する水平方向におけるLCDパネルの電圧V3-3は、映像273が、図中左から右にかけて黒から白へのグラデーション画像であるので、表示位置がずれた分だけ0Vの値をとり、その後、図中左から右にかけてなだらかに、0V(グランド)から5Vまでの直線となるような値をとるが、補正位置Hの電圧のみ、その直線から図中上に外れた値となっている。これは、補正位置Hの映像信号の輝点補正によるものであり、これにより、補正位置Hの映像信号が輝点補正されていることがわかる。
以上のように、駆動タイミングパルスによる水平表示位置変更を行う場合でも、補正ポイントを駆動タイミングパルスに連動することにより水平表示位置を変更しても、輝点補正される位置が変わることがなくなる。これにより、輝度補正や色ムラ補正などの補正位置の調整が容易になる。
なお、上記説明においては、水平方向についての場合を説明してきたが、垂直方向においても、水平方向の場合に読み出し開始制御部138がラインメモリ151に対して行っていた読み出し開始位置制御を、メモリ制御部132がフィールドメモリ133に対しておいて同様に行うことで、実現可能である。
次に、図17のフローチャートを参照して、図5の液晶表示システムによるLCDパネル114に表示させるための映像信号の信号処理について説明する。
ステップS11において、マイクロコンピュータ115は、操作部からのユーザの指示に基づいて、液晶表示システムの各種設定(例えば、左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HP)を行い、各種設定に応じた値を、マスタIC112−1に内蔵されるレジスタ137−1およびスレーブIC112−2に内蔵されるレジスタ137−2に書き込み、レジスタ137−1および137−2の値を設定する。
ステップS13以降においては、これらのレジスタ137−1および137−2の値に基づいて、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2により、それぞれ、処理が並列に行われる。
スキャンコンバータ111には、図示せぬ外部(例えば、パーソナルコンピュータ)などからアナログの映像信号がシリアル入力される。ステップS12において、スキャンコンバータ111は、入力信号(アナログの映像信号)に対して、A/D変換、画素数変換、ライン数変換、周波数変換などを行い、変換された映像信号を、パラレルで、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2の両方に出力する。
すなわち、映像信号の奇数番目のデータ(ODDデータ)および映像信号の偶数番目のデータ(EVENデータ)の両方(2系統のデータ)が、それぞれ、マスタIC112−1のデータパススイッチ131−1およびスレーブIC112−2のデータパススイッチ131−2の両方に入力される。また、スキャンコンバータ111から、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2に、マスタークロックCLKと、映像信号の水平同期信号 HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが供給される。
ステップS13において、データパススイッチ131−1およびデータパススイッチ131−2は、それぞれ、レジスタ137−1および137−2の値に基づいて、ODDデータまたはEVENデータを選択する。
例えば、レジスタ137−1および137−2に、左右反転設定RGT=H、マスタスレーブ設定(デジタルシグナルドライバIC112−1=マスタ)、および水平表示位置設定HP=Defalut+1が記憶されている場合、データパススイッチ131−1は、EVENデータを選択し、タイミングジェネレータ136−1からのタイミングパルスに基づき、選択したデータを、メモリ制御部132−1に出力する。一方、データパススイッチ131−2は、ODDデータを選択し、タイミングジェネレータ136−2からのタイミングパルスに基づき、選択したデータを、メモリ制御部132−2に出力する。
ステップS14において、メモリ制御部132−1および132−2は、タイミングジェネレータ136−1および136−2からのタイミングパルスに基づき、1垂直期間内で1フィールド分のデータの書き込みを行いつつ、フィールドメモリ133−1および133−2から、データを2倍速で読み出し、それぞれのデータを、レジスタ137−1および137−2の値に基づく各ラインメモリ151−1および151−2に書き込む。
ステップS15において、読み出し開始位置制御部138−1は、レジスタ137−1および137−2の値に基づく読み出し順および読み出し開始位置で、ラインメモリ151−1および151−2から、それぞれのデータを読み出し、信号補正処理回路134−1および134−2に出力する。
具体的には、レジスタ137−1および137−2に、左右反転設定RGT=H、マスタスレーブ設定(デジタルシグナルドライバIC112−1=マスタ)、および水平表示位置設定HP=Defalut+1が記憶されている場合、図8乃至図10を参照して上述したように、メモリ制御部132−1は、ラインメモリ151−1Aに時間的に遅い方のEVENデータ1-2を書き込み、ラインメモリ151−1Bに時間的に早い方のEVENデータ1-1を書き込む。
そして、読み出し開始位置制御部138−1は、ラインメモリ151−1Aから、時間的に遅い方のEVENデータ1-2(有効映像期間外のデータと、4,8,12,16,20番目のデータ)を、水平表示位置設定HP=Defaultの場合よりも、時間的に1つ後のデータが読み出される位置に変更された読み出し開始位置Aから読み出し、ラインメモリ151−1Bから、時間的に早い方のEVENデータ1-1(2,6,10,14,18番目のデータ)を、水平表示位置設定HP=Defaultの場合と同じ読み出し開始位置Bから読み出すように制御する。
すなわち、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、読み出し開始位置制御部138−1は、図9の水平表示位置設定HPがDefaultの場合から、データの読み出し順を入れ替えて、さらに、ラインメモリ151−1Aの読み出し開始位置Aを時間的に1つ後のデータが読み出される位置に変更して、ラインメモリ151−1Aおよび151−1Bから各EVENデータ1-2および1-1をそれぞれ読み出している。
一方、メモリ制御部132−2は、ラインメモリ151−2Aに時間的に早い方のODDデータ2-1を書き込み、ラインメモリ151−2Bに時間的に遅い方のODDデータ2-2を書き込む。
そして、読み出し開始位置制御部138−2は、ラインメモリ151−2Aから、時間的に早い方のODDデータ2-1(1,5,9,13,17番目のデータ)を、水平表示位置設定HP=Defaultの場合と同じ読み出し開始位置Cから読み出し、ラインメモリ151−2Bから、時間的に遅い方のODDデータ2-2(3,7,11,15,19番目のデータ)を、水平表示位置設定HP=Defaultの場合と同じ読み出し開始位置Dから読み出すように制御する。
すなわち、水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、読み出し開始位置制御部138−2は、図9の水平表示位置設定HPがDefaultの場合から、データの読み出し順も、各データの読み出し開始位置も変更することなく、ラインメモリ151−2Aおよび151−2Bから各ODDデータ2-1および2-2をそれぞれ読み出している。
なお、上述したステップS14の倍速化処理においては、タイミングジェネレータ136−1および136−2が、メモリ制御部132−1および132−2に対して、スキャンコンバータ111からの垂直同期信号(以下、入力垂直同期信号とも称する)を基に生成される倍速後の垂直同期信号(以下、倍速垂直同期信号とも称する)に基づく、タイミングパルスを供給している。
ここで、垂直同期信号の倍速化処理について説明する。
LCDパネル114などの一般的なアクティブマトリクス型液晶装置の駆動においては、液晶の劣化や配向膜に焼き付けが生じることを防止するために、交流駆動が行われている。液晶パネルの交流駆動方式の中でも、各フィールド単位でパネルに入力される映像信号の極性を反転させるフィールド反転駆動方式で駆動を行う場合、フリッカを抑制するために、フレームレートを少なくとも90Hz以上で駆動する必要がある。したがって、デジタルシグナルドライバIC112に入力される映像信号のフレームレートがそれよりも遅い場合、デジタルシグナルドライバIC112内部で映像信号が倍速変換されて、LCDパネル114に出力される。
その際、LCDパネル114にDC成分がかかるのを防ぐために、倍速により新たに生成される2つのフレーム期間が同じになるように倍速垂直同期信号は生成される必要がある。しかしながら、従来においては、倍速垂直同期信号の生成位置は、デジタルシグナルドライバICのレジスタ301に保持されており、ある特定のフレームレートに対してのみしか、2つのフレーム期間が一定になるように倍速垂直同期信号を生成することができなかった。
図18の例においては、図19のタイミングジェネレータ136−1および136−2の倍速化処理と比較するための従来の倍速化処理が示されている。
例えば、従来のデジタルシグナルドライバICに入力されるフレームレートが、時刻tを境に、60Hzから50Hzに変更される。なお、図18の例においては、従来のデジタルシグナルドライバICのレジスタ301には、倍速垂直同期信号の生成位置として、フレームレートが60Hzの場合のフィールドのライン数806(レジスタ設定値)が記憶されている。
時刻t以前においては、従来のデジタルシグナルドライバICには、フィールドのライン数が806ラインで、16.67msの映像信号が入力されている。従来のデジタルシグナルドライバICにおけるタイミングジェネレータは、レジスタ301に記憶されているフィールドのライン数806を参照して、そのライン数806の位置で、倍速垂直同期信号を生成し、生成した倍速後の垂直同期信号に基づくタイミングパルスを従来のメモリ制御部に供給していた。
これにより、従来のフィールドメモリからは、フィールドのライン数が806ラインで、8.33msの映像信号が2回読み出されていた。
一方、時刻t以降においては、従来のデジタルシグナルドライバICには、フィールドのライン数が968ラインで、20.00msの映像信号が入力されている。しかしながら、レジスタ301のライン数806は変更されないため、この場合も、タイミングジェネレータは、レジスタ301のライン数806の位置で、倍速垂直同期信号を生成し、生成した倍速後の垂直同期信号に基づくタイミングパルスを従来のメモリ制御部に供給していた。
これにより、従来のフィールドメモリからは、フィールドのライン数が806ラインで、8.33msの映像信号と、フィールドのライン数が1068ラインで、11.67msの映像信号が読み出されていた。
このため、図18の図中下に示されるように、時刻t以前は、従来のLCDパネルの画素電位極性が負極性(−)と正極性(+)を同じだけ繰り返していたが、時刻t以降は、画素電位極性が正極性(+)の割合が、負極性(−)の割合よりも多くなり、LCDパネルの画素に対してかかる正極性と負極性の電位に偏りが生じてしまい(すなわち、画素にDCがかかり)、倍速駆動によるLCDパネルの焼きつきの悪化を招いていた。
これに対応するためには、レジスタ301を制御するマイクロコンピュータなどで倍速垂直同期信号の生成位置を変更しなければならなかった。
これに対して、図5の液晶表示システムのタイミングジェネレータ136−1および136−2は、それぞれ、図示せぬラインカウンタおよび図19のメモリ321を有しており、スキャンコンバータ111からの垂直同期信号を参照し、各フィールドのライン数をラインカウンタでカウントし、それをメモリ321に保持している。
そして、タイミングジェネレータ136−1および136−2は、それぞれ、メモリ321に保持されたライン数の位置で、次のフィールドの倍速後の垂直同期信号を生成し、生成した倍速後の垂直同期信号に基づくタイミングパルスを、メモリ制御部132−1および132−2に供給している。
図19を参照して詳しく説明する。なお、図19においては、マスタIC112−1の場合を例に説明するが、スレーブIC112−2においても同様の処理が行われる。なお、図5の例においてはその図示が省略されているが、映像信号は、タイミングジェネレータ136−1にも入力されている。
図18の例と同様に、マスタIC112−1に入力されるフレームレートが時刻Tを境に、60Hzから50Hzに変更される。
時刻T以前においては、マスタIC112−1には、フィールドのライン数が806ラインで、16.67msの映像信号が入力されている。タイミングジェネレータ136−1は、スキャンコンバータ111からの垂直同期信号を参照して、図示せぬn-1フィールドの目のライン数(806)をカウントし、それをメモリ321に保持し、保持したライン数(806)の位置で、nフィールド目の倍速後の倍速垂直同期信号を生成し、生成した倍速垂直同期信号に基づくタイミングパルスを、メモリ制御部132−1に供給している。
これにより、フィールドメモリ133−1からは、フィールドのライン数が806ラインで、8.33msの映像信号が2回読み出される。
一方、時刻T以降においては、マスタIC112−1には、フィールドのライン数が968ラインで、20.00msの映像信号が入力されている。タイミングジェネレータ136−1は、スキャンコンバータ111からの入力垂直同期信号を参照して、例えば、mフィールドの目のライン数(968)をカウントし、それをメモリ321に保持し、保持したライン数(968)の位置で、m+1フィールド目の倍速垂直同期信号を生成し、生成した倍速後の垂直同期信号に基づくタイミングパルスを、メモリ制御部132−1に供給している。
これにより、フィールドメモリ133−1からは、フィールドのライン数が968ラインで、10.00msの映像信号が2回読み出される。
以上のようにすることで、1つのフィールドを構成するライン数がいかなる値であっても、または、途中でトータルライン数が変動したとしても、常に入力垂直同期信号の中心に、倍速垂直同期信号を生成することができる。
これにより、図19の図中下に示されるように、画素電位極性が負極性(−)と正極性(+)を同じだけ繰り返すので、LCDパネル114の画素に対してかかる正極性と負極性の電位の偏りが生じず(すなわち、画素にDCがかからなくなり)、図18に示した従来の場合に生じていた倍速駆動によるLCDパネル114の焼きつきの悪化を防ぐことができる。
なお、フレームレートの切り替え直後のフィールド(例えば、mフィールド)は、切り替え前のライン数(例えば、図示せぬm-1フィールドのライン数806lines)に基づくため、図19に示されるように、従来のように電位が偏ってしまうが、次のフィールド(例えば、m+1フィールド)からは、倍速前のライン数の略半分で倍速垂直同期信号が生成され、電位の偏りはなくなるので、LCDパネルの焼きつきにあまり影響はない。
また、図19の例においては、1つの前フィールド(例えば、mフィールド)から、次のフィールド(例えば、m+1フィールド)の倍速垂直同期信号を生成する例を説明したが、例えば、倍速同期信号を生成するフィールド(例えば、m+1フィールド)の前の複数のフィールド(例えば、m-3乃至mフィールド)のトータルライン数をメモリ321に保持し、その平均値から、m+1フィールドの倍速垂直同期信号を生成することもできる。これにより、信号源となるアナログテープの劣化などによる入力垂直同期信号の変動などに対応することができる。
さらに、上記説明においては、垂直同期信号の例を説明したが、水平同期信号についてもmライン目のトータルクロック数をカウントし、それをメモリに保持し、その値を用いて、m+1ライン目の水平同期信号を生成することも可能である。
図17に戻って、ステップS15の処理により、信号補正処理回路134−1には、ラインメモリ151−1Aから読み出された時間的に遅い方のEVENデータ1-2(有効映像期間外のデータと、4,8,12,16,20番目のデータ)およびラインメモリ151−1Bから読み出された時間的に早い方のEVENデータ1-1(2,6,10,14,18番目のデータ)が入力されている。また、信号補正処理回路134−2には、ラインメモリ151−2Aから読み出された時間的に早い方のODDデータ2-1(1,5,9,13,17番目のデータ)およびラインメモリ151−2Bから読み出された時間的に遅い方のODDデータ2-2(3,7,11,15,19番目のデータ)が入力されている。
ステップS16において、信号補正処理回路134−1は、タイミングジェネレータ136−1からのタイミングパルスに基づき、レジスタ137−1の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPを参照して、読み出し開始位置制御部138−1からのEVENデータ1-2およびEVENデータ 1-1に対して、並列に、ガンマ補正、輝点補正、シャープネス機能、縦スジ補正、および色ムラ補正などの信号補正処理を行う。
また、信号補正処理回路134−2も、タイミングジェネレータ136−2からのタイミングパルスおよびタイミングジェネレータ136−1からの左右反転設定RGTを反映させるタイミングパルスに基づき、レジスタ137−2の左右反転設定RGT、マスタスレーブ設定、および水平表示位置設定HPを参照して、メモリ制御部132−2からのODDデータ2-1およびODD 2-2に対して、並列に、ガンマ補正、輝点補正、シャープネス機能、縦スジ補正、および色ムラ補正などの信号補正処理を行う。
なお、色ムラ補正などの時には、信号補正処理回路134−1および信号補正処理回路134−2は、それぞれ、1ポート分の画素の先頭のデータを基準に、線形補間演算を行って、補正が必要な4パラレルの各データ(LCDパネル114の4画素分の各データ)分の線形補間の値を求める。そして、信号補正処理回路134−1および信号補正処理回路134−2は、求めた線形補間の値のうち、それぞれ、対象となるデータに対応する線形補間の値を選択し、選択した線形補間の値を用いて、その対象となるデータの補正を行っている。
すなわち、デジタルシグナルドライバICを複数使用した場合、正確に線形補間を行うためには、他のデジタルシグナルドライバICの線形補間の設定値を連動させる必要があり、設定値および演算が複雑になってしまう。したがって、従来においては、例えば、4パラレル処理の場合は、LCDパネル114の4つの画素に書き込まれるデータ(例えば、図9における時間軸が同じ[1]である{1,2,3,4}番目のデータ)に対する補正の設定を全て同じにしていた。しかしながら、従来の方法では、4画素分のデータの補正量が同じになってしまうため、色ムラ機能の精度が悪かった。
そこで、図5の液晶表示システムにおいては、マスタIC112−1の信号補正処理回路134−1およびスレーブIC112−2の信号補正処理回路134−2によりそれぞれ同じ4画素分のデータの線形補間演算が行われる。信号補正処理回路134−1および134−2は、1ポート分の画素の先頭のデータを基準に、4画素分のデータの線形補間の値(例えば、F1,F2,F3,F4)を求める。
そして、信号補正処理回路134−1は、図9の1段目の左端の画素に書き込まれる1番目のデータに対しては、線形補間の値を、F1に挿げ替えて、色ムラ補正を行い、図9の2段目の左端の画素に書き込まれる3番目のデータに対しては、線形補間の値を、F3に挿げ替えて、色ムラ補正を行う。また、信号補正処理回路134−2は、図9の3段目の左端の画素に書き込まれる2番目のデータに対しては、線形補間の値を、F2に挿げ替えて、色ムラ補正を行い、図9の4段目の左端の画素に書き込まれる4番目のデータに対しては、線形補間の値を、F4に挿げ替えて、色ムラ補正を行う。
このように、信号補正処理回路134−1および134−2それぞれが同じ線形補間演算を行うため、データのやり取りを行う必要はなく、また、線形補間演算により求められる線形補間の値も、それぞれ1つずつとなるので、容易に、正確に、色ムラ補正を行うことができる。
信号補正処理後のEVENデータ1-2(有効映像期間外のデータと、4,8,12,16,20番目のデータ)およびEVENデータ 1-1(2,6,10,14,18番目のデータ)は、データパススイッチ135−1を介して、信号SIG1および信号SIG2として、S/Hドライバ113−1に入力される。信号補正処理後のODDデータ2-1(1,5,9,13,17番目のデータ)およびODDデータ 2-2(3,7,11,15,19番目のデータ)は、データパススイッチ135−2を介して、信号SIG3および信号SIG4として、S/Hドライバ113−2に入力される。
なお、このとき、EVENデータ1-2およびEVENデータ 1-1を、信号SIG2および信号SIG1として入れ替え、ODDデータ2-1およびODDデータ 2-2を、信号SIG4と信号SIG3を入れ替えることもできる。
ステップS16において、S/Hドライバ113−1は、マスタIC112−1からのクロックCLKOUT1に基づいて、マスタIC112−1から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG1および信号SIG2を、アナログの映像信号に変換し、LCDパネル114が12ドット同時書き込みパネルの場合、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−1からは、LCDパネル114の左端から水平方向に、奇数番目の画素に、有効映像期間外のデータと、有効映像期間内の2,4,6,8,10番目のデータが入力される。
また、S/Hドライバ113−2は、スレーブIC112−2からのクロックCLKOUT2に基づいて、スレーブIC112−2から入力されるデジタルの映像信号である信号SIG3および信号SIG4を、アナログの映像信号に変換し、3画素分ずつ、LCDパネル114に入力する。すなわち、S/Hドライバ113−2からは、LCDパネル114の左端から水平方向に、偶数番目の画素に、有効映像期間内の1,3,5,7,9,11番目のデータが入力される。
これにより、RGT=Hにおける水平表示位置設定HPがDefault+1の場合、図6に示したように、LCDパネル114の図中上から2番目乃至12番目の画素(1番目の画素を除く)には、上から順に、有効映像期間内の1乃至11番目のデータが同時に書き込まれる。すなわち、LCDパネル114には、水平表示位置がDefaultの場合から1dot分ずれた画像が表示される。
以上のように、図5の液晶表示システムにおいては、マスタIC112−1およびスレーブIC112−2におけるデータの入れ替え処理と、ラインメモリ151−1および151−2からの読み出し順および読み出し開始位置の変更処理を、マイクロコンピュータ115により連動して制御するようにしたので、S/Hドライバ113およびDSDIC112を複数使用して、LCDパネル114に画像を表示させる場合であっても、LCDパネル114における水平表示位置を、Defaultの場合から1dotや2dot(画素)ずらすことができるなど、1dot単位での設定が可能になり、特定の画素に任意のデータを書き込ませることができる。
また、LCDパネル114における水平表示位置の調整を、各ラインメモリ151からの読み出し制御により行うようにしたので、S/Hドライバ113およびDSDIC112を複数使用して、LCDパネル114に画像を表示させる場合であっても、1dot単位での補正処理が可能になる。
なお、上記説明においては、水平表示位置の場合を説明したが、複数のDSDICを連動させて、マイクロコンピュータで制御することで、垂直表示位置の場合も同様に、1line単位での設定が可能になり、1line単位での補正処理が可能になる。
また、上記説明においては、画素の表示エレメントとして液晶セルを用いたLCDパネルを用いて輝点補正処理や表示位置をずらす処理などを行う例を説明したが、本発明は、LCDパネルに限られるものではなく、例えば、液晶プロジェクタに表示させるための映像信号の信号処理を行う表示システムなど、ドットライン反転駆動方式を採用した表示装置全般に適用することができる。
さらに、上記説明においては、単に映像信号を用いて説明を行ったが、R,G,Bの各映像信号に対しても1dot単位での表示位置の設定が可能になり、特定の画素に任意のデータを書き込ませることができる。
RGB毎に1dot単位での表示位置の設定ができるので、例えば、RGBの3板式で映像を表示しようとする場合、3色で1画素を構成するため3板間で対応する画素がずれていると生じてしまうレジずれを抑制することができる。
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
111 スキャンコンバータ, 112−1,112−2 デジタルシグナルドライバIC, 113−1,113−2 S/Hドライバ, 114 LCDパネル, 115 マイクロコンピュータ, 131−1,131−2 データパススイッチ, 132−1,132−2 メモリ制御部, 133−1,133−2 フィールドメモリ, 134−1,134−2 信号補正処理回路, 135−1,135−2 データパススイッチ, 136−1,136−2 タイミングジェネレータ, 137−1,137−2 レジスタ,138−1,138−1 読み出し開始位置制御部,151−1,151−2 ラインメモリ