JP5099264B2 - 自動分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検査対象溶液中の特定イオンの濃度を測定することができる自動分析装置に関する。
従来、被検査対象溶液中の特定イオンの濃度(又は活量)の測定には、イオン選択性電極が用いられる。
イオン選択性電極は、大きくは固体膜タイプ、ガラス膜タイプ、ニュートラルキャリアタイプの3つに分類できる。このうちニュートラルキャリアタイプの電極は液膜タイプとも言われる。このイオン選択電極は、下記に示すネルンストの式に従った起電力を発生する。
E=Eo+(RT/nF)logCx …(式1)
ここで、
Eoは標準電極電位、Rはアボガドル数、Tは絶対温度、nは測定対象イオンの電荷(荷数)、Fはファラディ定数、Cxは測定対象イオンの濃度である。
上記Nernstの式で、(RT/nF)の項は電極感度を示すものであり、一般には電極スロープ(Slope)といわれるものである。この電極スロープは理論的には絶対温度300℃(測定温度27℃)においては、59mv/decと計算される。この電極Slopeは電極膜に異常が無ければ、ある期間にわたってほぼ一定であるが、正確には電極個々に固有の値となる。この電極Slopeは理論値より大きく低下する場合があり、一般には電極使用寿命の判定に使用される。そのため、従来のイオン濃度自動測定装置では、この電極使用寿命の影響を避け、イオン濃度を正確に行うため、被検液の測定開始前に電極Slopeを確認する工程、一般にキャリブレーションと呼ばれる工程が実施される。このキャリブレーションでは高濃度と低濃度の2種類の濃度既知の校正液が使用され、夫々濃度に対する起電力(測定装置では比較電極との間に生じる電位差)が測定される。この夫々の測定値を用いて、Nernstの式から電極Slopeが決定される。通常、イオン濃度自動分析装置では、被検液の測定開始前に、少なくとも1日1回、この高濃度液、低濃度液の2種の濃度既知校正液を使用して行う、いわゆる2pointキャリブレーションが実施される。
この校正液の供給量が不十分であったり、キャリブレーション実行後の校正液の除去や洗浄が不十分で次の測定に及ぼしたりする場合には、測定異常になって、正常な校正がなされなかったり、誤測定の原因となる。このため、この異常値を検出する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。また、あらかじめ、異常の発生を防止する方法も提案されている(例えば、特許文献3又は特許文献4参照)。
特開平2−159548号公報 特開2004−251799号公報 特開2001−264283号公報 特開2008−051620号公報
しかしながら、いずれの場合においても、キャリブレーションを毎日必要とする装置の場合には、少なくともその実行に要する時間だけイオン濃度の測定開始が遅れることになる。さらに、キャリブレーション専用の試薬(校正液等)を必要とするため、試薬のコスト増は検査する側に大きな負担となっている。また、試薬の供給ポンプ等の消耗部品のメンテナンスや交換作業に手間やコストがかかっている。このため、キャリブレーションの実行回数の削減が求められている。
そこで、本発明は、想定する使用可能期間(電極使用寿命期間)又は回数の間、2pointキャリブレーション等のキャリブレーションの実行が不要なイオン選択性電極カセットカートリッジを有する自動分析装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、イオン選択性電極カートリッジの情報提示部からイオン選択性電極の電極スロープ値を直接読み出すことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、少なくとも1つのイオン選択性電極を配置したイオン選択性電極カートリッジの情報提示部から個々のイオン選択性電極に固有の電極スロープに関する情報を読み取り、イオン選択性電極カートリッジの所定箇所に注入された被検査対象溶液中の特定イオンの濃度の測定に使用する自動分析装置を提供する。
本発明によれば、使用するイオン選択性電極カートリッジを構成するイオン選択性電極に固有の電極スロープ値を直接読み出してイオン濃度の測定を開始することができる。
実施の形態に係る自動分析装置の全体構成例を示す図。 自動分析装置で使用される制御系ブロックを説明する図。 基準液による測定濃度の補正原理を説明する図。 イオン選択性電極ユニットで使用される制御系ブロックを説明する図。 イオン選択性電極測定ユニットの外観構造を説明する図。 イオン選択性電極カートリッジの外観例を説明する図。 ナトリウムイオンの電極スロープ例を示す図。 試薬カートリッジを斜め上方から見た図。 試薬カートリッジを背面側から見た図。 測定動作の流れを説明する図。
(自動分析装置)
本発明の自動分析装置について、図面を用いて詳細に説明する。実施の形態で使用する自動分析装置の全体構成例を図1に示す。また、自動分析装置の制御系ブロックの構成例を図2に示す。
自動分析装置は、装置各部の動作を制御するメイン制御部100を有する。メイン制御部100は、主に、CPU、ROM、RAM、リアルタイムクロックで構成される。ROMは自動分析装置の制御プログラム等の格納領域として使用され、RAMは一時記憶領域として使用される。このメイン制御部100が、特許請求の範囲における「制御部」に対応する。
自動分析装置は、可動範囲内にある容器から液体を吸引する又は容器に液体を吐出する1本のプローブ105を有する。ここでの容器には、被検査対象溶液を保持する試料容器、イオン濃度の分析に使用する試薬を保持する試薬カートリッジ、特定イオンの濃度の測定に使用するイオン選択性電極カートリッジの被検査対象溶液等を注入するための容器等がある。
試料容器は試料容器収容部121a〜121dに収容され、試薬カートリッジはローター101に配設された試薬カートリッジホルダ103に収容され、イオン選択性電極カートリッジは電極カートリッジ収容部に収容される。
プローブ105は、プローブ駆動部によって駆動制御される。プローブ駆動部は、プローブ105を装置内で搬送できる限り、特定の構造に限らない。この実施の形態の場合、プローブ駆動部は、アーム106、ステッピングモーター107、108、アーム垂直制御回路107a、アーム回転制御回路108aにより構成される。
アーム106は水平方向に延伸する部材であり、一方の先端部分にプローブ105が取り付けられる。このとき、プローブ105の軸は、鉛直方向に伸びるように配置される。アーム105の他方の先端はアーム駆動軸に取り付けられる。アーム駆動軸は、鉛直方向への移動制御用に用意されたステッピングモーター107により上下方向(垂直方向)に駆動され、回転制御用に用意されたステッピングモーター108により水平面内で回転駆動される。ステッピングモーター107の動きは、アーム垂直制御回路107aにより制御され、ステッピングモーター108の動きは、アーム回転制御回路108aにより制御される。
以上の構造を採用するため、この実施の形態におけるプローブ105は、アーム駆動軸の上下運動と回転運動に伴い、自動分析装置内で上下方向又は回転方向に駆動される。なお、アーム駆動軸がプローブ105の回転軸を与え、アーム106の長さがプローブ105の回転半径を与える。アーム垂直制御回路107a及びアーム回転制御回路108aの動作も、メイン制御部100によって制御される。なお、メイン制御部100は、プローブ105の位置決めだけでなく、プローブ105を用いた被検査対象溶液を含む各種溶液の注入、吸引、廃棄も制御する。この実施の形態の場合、溶液の吸引及び吐出(注入や廃棄に使用される)の制御には、吸引・吐出部127、吸引・吐出モータ128、吸引・吐出制御回路128aが使用される。なお、プローブ105は、不使用時に、ハウジング120に格納される。
自動分析装置は、試薬カートリッジの搬送機構としてローター101を有する。実施の形態におけるローター101は円盤形状であり、その外周部分には40個の試薬カートリッジホルダ103(試薬カートリッジを嵌め込むように保持可能な窪み)が等間隔に形成される。
ローター101は、ローター駆動部により駆動制御される。ローター駆動部も、ローターを装置内で駆動できる構造を有している限り、特定の構造に限らない。この実施の形態の場合、ローター駆動部は、ステッピングモーター102、ローター制御回路102aで構成される。ステッピングモーター102は、回転軸を中心に、ローター101を時計周りにも反時計回りにも回転駆動することができる。ローター101の回転駆動により、試薬カートリッジは、プローブ105の搬送範囲内の所望の位置に搬送される。なお、ステッピングモーター102はローター制御回路102aにより制御され、ローター制御回路102aはメイン制御部100により制御される。
この他、プローブ105の可動範囲上には、前述した試料容器ホルダ121a〜121dが配置される。試料容器収容部121a〜121dのそれぞれには、メイン制御部100が位置を識別できるように位置情報が割り当てられている。試料容器収容部121a〜121dには、任意の試料容器が着脱自在に収容される。
さらに、プローブ105の可動範囲上には、イオン選択性電極カートリッジを収容する電極カートリッジ収容部が配置される。この実施の形態の場合、電極カートリッジ収容部を、イオン選択性電極測定ユニット123aという。なお、この実施の形態では、イオン選択性電極測定ユニット123aと、イオン選択性電極測定基板123bと、イオン選択性電極測定制御回路123cで構成されるシステムの全体をイオン選択性電極ユニット123と呼ぶ。このイオン選択性電極ユニット123の詳細構造については後述する。
電極カートリッジ収容部としてのイオン選択性電極測定ユニット123aには、イオン選択性電極カートリッジが装着される。イオン選択性電極カートリッジは、被検査対象溶液等を注入するための容器と、容器の周囲に配置される比較電極と、同じく容器の周囲に配置される少なくとも1つのイオン選択性電極とを有する貯蔵式のカートリッジであることが好ましい。さらに、このイオン選択性電極カートリッジは、イオン選択性電極に固有の電極スロープ値Slopeを少なくとも格納する情報提示部を装着している。ここでの情報提示部が、特許請求の範囲における「第1の情報提示部」に対応する。なお、電極スロープ値Slopeは、イオン濃度と電極出力の対応関係を与えるスロープ、すなわち、イオン濃度と起電力との関係式(片対数直線の方程式)の傾きを与える値である。
一方、自動分析装置には、この情報提示部から記憶情報を読み取ることができる第1の情報読み取り部109aが設けられる。この第1の情報読み取り部109aが、特許請求の範囲における「第1の情報読み取り部」に対応する。第1の情報読み取り部109aによりイオン選択性電極の電極スロープ値Slopeを読み出すことにより、実施の形態に係る自動分析装置は、キャリブレーションを実行することなくイオン濃度の測定を開始することができる。
この実施の形態では、保証された使用寿命中であれば、イオン選択性電極の電極スロープ値Slopeは変化しないか、変化が非常に小さい場合を想定する。ただし、より高い精度による測定が要求される場合には、以下に示すような仕組みを用意することが望ましい。すなわち、イオン選択性電極カートリッジの情報提示部に、保証された使用寿命中における電極スロープ値Slopeの変化の特性を保存する。例えば電極スロープ値Slopeの変化率と変化率の切り替えタイミングを情報提示部に保存することもできる。電極スロープ値Slopeの変化の特性が情報提示部に保存されていれば、自動分析装置は、一定の測定回毎にこの変化率を使用して電極スロープ値Slopeを補正することができる。これにより、自動分析装置は、イオン濃度の測定時に使用する電極スロープ値Slopeを正確な値に自動的に修正することでき、測定精度を長期にわたり高い状態に維持することができる。
これらの情報を記憶することができれば、情報提示部の構造は任意である。例えば1次元バーコード、2次元バーコード、読み出し専用の半導体メモリでもよい。また、第1の情報読み取り部109aには、情報提示部に応じた読み取り方式、例えば光学式、電磁式の読み取り装置を使用する。読み出された情報は、自動分析装置内のいずれかの記憶部に記憶される。図1の場合であれば、メイン制御部100に接続された記憶部152に記憶される。記憶部152には、情報提示部から読み出された情報だけでなく、イオン濃度の測定結果も、検体IDと測定日時とともに格納される。検体IDは、手入力、バーコードリーダー、ICタグリーダ等を通じて事前に入力される。また、記憶部152には過去の測定結果も格納される。この記憶部152が、特許請求の範囲における「記憶部」に対応する。
この他、自動分析装置には、被検査対象溶液がイオン選択性電極カートリッジの所定箇所に注入された後に、特定イオンに対応するイオン選択性電極と比較電極との間に現れる起電力を検出する検出器と、検出器によって検出された起電力と対応する電極スロープ値Slopeを用いて算出する情報処理部が搭載される。ここでの検出器には、前述したイオン選択性電極測定基板123b及びイオン選択性電極測定制御回路123cの一部回路部分が対応する。また、情報処理部には、イオン選択性電極測定制御回路123cの一部回路部分やメイン制御部100が対応する。この検出器と情報処理部は、特許請求の範囲における「検出器」と「情報処理部」に対応する。なお、前述した制御部、記憶部、情報処理部は、PC等の1つの情報処理装置として構成することもできる。
情報処理部は、第1の情報読み取り部109aを用いてイオン選択性電極カートリッジから直接読み出したイオン選択性電極に固有の電極スロープ値Slopeを用いることにより、キャリブレーションを実行することなく特定イオンの濃度を算出する。
なお、イオン濃度の測定には、電極スロープ値Slope以外のパラメータ考察が必要とされる。具体的には、測定される起電力に電極スロープ値Slopeを適用する際の切片の変動を考慮する。
そこで、通常、測定回毎に特定イオンの濃度値が既知の基準液を使用して測定される起電力と被検液(試料)を測定した際に得られる起電力との差と電極スロープ値Slopeとからサンプル中の特定イオン濃度が決定される。イオン選択性電極カートリッジを用いて、特定イオン濃度の測定を行う場合においても、測定回毎に基準液を用いて記憶手段152に格納されている電極スロープ値Slopeとを用いて、電極起電力のドリフト発生等に起因するいわゆる切片の変動に起因した測定誤差をなくすことができる。本実施の形態においては、測定回毎に、特定イオンの濃度値が既知の基準液を使用し、イオン選択性電極カートリッジが固有に有する切片を補正する手法を提供する。電極起電力のドリフト発生等に起因するいわゆる切片の変動に起因する測定誤差をなくすためである。特定イオン濃度は、基準液を測定することによって得られる切片の補正後に、被検液(試料)との起電力との差から電極スロープ値を用いて算出される。
図3を用いて、基準液を用いた補正原理を説明する。図中、基準液の濃度を丸印で示す。このように既知の濃度に対応する起電力が分かれば、被検液(試料)における起電力と特定イオンの濃度との間に存在する起電力差(図中破線で示す)を明確に出来る。なお、基準液の濃度は、血清試料の場合、Na、K、Clの各特定イオンのイオン濃度の分布範囲の中央値に設定されていることが望ましい。
中央値を用いると、使用寿命中に電極スロープの傾き(電極スロープ値Slopeの値)の変化を補正する機能が搭載されていない場合でも、測定誤差を最小化することができる。
引き続き、自動分析装置に搭載される又は搭載して好適な各部の構成を説明する。
まず、情報提示部に記憶して好適な他の情報を説明する。情報提示部には、例えば使用寿命に関する情報(例えば使用可能な回数の最大値、使用可能な日数の最大値、使用期限等)を追加的に保存することが望ましい。これらの情報が記憶されている場合、自動分析装置は、第1の情報読み取り部109aを使用して、使用寿命に関する情報を直接読み出すことができる。
この場合、自動分析装置には、イオン選択性電極カートリッジの所定箇所(容器)に被検査対象溶液が注入されるたびに、その使用回数や使用日数をカウントする演算部が搭載されていることが望ましい。この演算部が、特許請求の範囲における「演算部」に対応する。この演算部は、前述した制御部、記憶部、情報処理部と共に、PC等の1つの情報処理装置として構成することもできる。同時に、この演算部やメイン制御部100等の信号処理部には、イオン選択性電極カートリッジから読み出した使用寿命に関する情報と使用回数又は使用日数を比較し、イオン選択性電極カートリッジをイオン濃度の測定に使用できるか否かを判定する機能を搭載することが望ましい。これらの機能の搭載により、例えば使用寿命が過ぎたイオン選択性電極カートリッジを使用した濃度の測定を強制的に終了させる制御やイオン選択性電極カートリッジの交換をユーザに通知する制御が可能になる。
なお、演算部は、イオン選択性電極カートリッジの使用開始日時を記憶部152に保存する機能を備えていてもよい。この場合、演算部は、例えば使用開始日時に使用可能な日数の最大値を加算して特定される日時を現在日時が越えているか否かによって、イオン選択性電極カートリッジを使用できるか否かを判定するようにしてもよい。ここでの演算部には、図1におけるイオン選択性電極測定制御回路123cやメイン制御部100が対応する。
さらに、情報提示部が読み書き可能な記憶媒体の場合(例えばICタグ)の場合、演算部は、第1の情報書き込み部109bを通じて使用開始日、使用回数及び使用日数の全て又は一部を書き込むことが望ましい。ここでの第1の情報書き込み部109bは、特許請求の範囲における「第1の情報書き込み部」に対応する。このように、情報提示部に使用開始日等の情報を保存することができる場合、自動分析装置の故障等によりイオン選択性電極カートリッジを他の自動分析装置に付け替える場合にも、装着されたイオン選択性電極カートリッジの使用寿命の管理を新たに装着された自動分析装置側において継続することが可能になる。なお、前述した情報処理部は、第1の情報書き込み部109bに対する処理命令を出す機能を有していてもよい。
この他、自動分析装置には、ローター101に装着された試薬カートリッジが有する情報提示部(特許請求の範囲における「第2の情報提示部」に対応する。)から情報を読み取ることができる情報読み取り部104(特許請求の範囲における「第2の情報読み取り部」に対応する。)を搭載することが望ましい。
この情報提示部には、例えば試薬カートリッジのロット番号、製造日、使用期限、動作手順、基準液の濃度値等が格納されることが望ましい。ここでの基準液は、検出部で検出される起電力の値とイオン濃度の切片の関係を補正する際に使用される溶液のことである。もっとも、基準液の濃度が、検出部側で保持する値と常に同じであることが保証される場合には、この濃度値の格納は不要である。この実施の形態では、試薬カートリッジの情報提示部に基準液の濃度が格納されているものとする。
ここでの情報提示部にも、例えば1次元バーコード、2次元バーコード、ICタグ等の記憶媒体を使用する。情報読み取り部104には、情報提示部における情報の記憶形態に応じた読み取り装置が使用される。例えば情報読み取り部には、光学的手法又は電磁的手法により情報を読み出す装置を使用する。読み出された情報は、情報読み取り部104からメイン制御部100に与えられる。メイン制御部100は、情報提示部から読み出された動作手順に従ってプローブ105を移動制御する。例えばメイン制御部100は、イオン選択性電極カートリッジが必要とする被検査対象溶液が入っている試料容器を動作手順の情報から特定し、当該特定された試料容器にプローブ105を移動させる等の制御動作を実行する。
更に、自動分析装置には、プローブ105とアーム106の取り付け部分に、プローブヒータ111が配置されることが好ましい。プローブヒータ111は、プローブヒータ制御回路111aにより例えば37℃に保温される。このプローブヒータ制御回路111aには、プローブ105とグランド電位間の静電容量の変化を検出して液面を検知する機能も備えることが望ましい。本機能は、例えばプローブ105を容器内に降下させる際の液面検知に使用される。検出信号は、プローブヒータ制御回路111aからメイン制御部100に送出される。
この他、自動分析装置には、プローブ105の搬送経路上に、洗浄ステーション124が配置される。洗浄ステーション124は、プローブ105の内壁面及び外壁面の洗浄に使用される。プローブ105の外壁面の洗浄時、洗浄ステーション124には、ポンプ部125から水タンク126の精製水が供給される。この場合、精製水は、洗浄ステーション124の内壁から噴出される。一方、プローブ105の内壁面を洗浄する場合、精製水は、吸引・吐出部127を通じてプローブ105の取り付け部分に供給される。プローブ105に供給された精製水は、プローブ105の内部を通過して先端から噴出される。なお、洗浄に使用された廃液は、自動的に、自動分析装置の廃液槽等に排出される。
また、自動分析装置には、情報の提示と操作の入力に使用される表示・操作部151が接続されることが望ましい。表示・操作部151は、例えばタッチパネルを表示面に配置したLCD(liquid Crystal Display )パネルと、スタートボタンと、ストップボタンとで構成される。
また、自動分析装置には、標準インターフェース経由で外部プリンタ153が接続されることが望ましい。
この他、通常は、測定終了後にはイオン選択性電極カートリッジ301の容器303には基準液が残っている。しかし、測定頻度が少ない場合や、イオンカートリッジの使用前や保管時などは、イオン選択性電極カートリッジ301のイオン選択膜が乾燥状態にさらされることがある。そこで、自動分析装置には、イオン選択性電極カートリッジ301のイオン選択膜の乾燥を抑えて性能を保つための機構を備えることもできる。たとえば、測定前にイオン選択性電極カートリッジ301の容器303に精製水等を供給する機構を備えていてもよい。具体的な構成例としては、装置の電源が入れたとき、もしくは決まった時間に、真空ポンプが起動され、容器303の内側よりも底面外側の気圧の方が低い状態が発生され、この気圧差により(いわゆる真空引き)、容器303内の基準液もしくは残っている液は廃出孔を通じて排出され、その後、プローブ105が、イオン選択性電極カートリッジ301の設置位置まで回転駆動され、プローブ105は、その先端がイオン選択性電極カートリッジの容器303の内部に達するまで下方に駆動され、容器303には、プローブ105から200μLの精製水が吐出される。この後、プローブ105の先端は容器303から上方に退避され、初期位置(ハウジング120)まで回転駆動される。
(イオン選択性電極ユニット)
続いて、イオン選択性電極カートリッジが装着されるイオン選択性電極ユニット123の詳細構造を説明する。
イオン選択性電極ユニット123の機能ブロック構成を図4に示し、イオン選択性電極測定ユニット123aの外観構成を図5に示す。
イオン選択性電極ユニット123は、イオン選択性電極測定ユニット123a、イオン選択性電極測定基板123b、イオン選択性電極測定制御回路123c、電極検出センサ123d、ヒータ制御部123e、廃液用電磁弁123f、廃液用ポンプ123g、第1の情報読み取り部123h、第1の情報書き込み部123i、表示LED123jで構成される。
イオン選択性電極測定ユニット123aは、イオン選択性電極カートリッジを着脱自在に保持する電極カートリッジ収容部である。このため、イオン選択性電極測定ユニット123aには、イオン選択性電極カートリッジの外径よりも一回り大きい内径を有する孔201が鉛直方向に形成されている。なお、孔201の形状は、イオン選択性電極カートリッジが円筒形状である場合の例であり、その形状はイオン選択性電極カートリッジの形状に応じて様々な形状を採る。イオン選択性電極カートリッジは、この孔201の上方から落とし込むように装着される。
なお、孔201の内壁部分には、イオン選択性電極カートリッジに形成されている比較電極と少なくとも1つのイオン選択性電極のそれぞれと電気的に接触する測定電極202が配置される。例えば測定対象とする特定イオンがナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、塩素イオン(Cl)の3種類の場合、孔201の内壁には4つの測定電極202が配置される。各測定電極202は、信号線202aを通じてイオン選択性電極測定基板123bに接続される。
さらに、孔201の内壁部分には、イオン選択性電極カートリッジ側に形成される位置決め機構と対をなす取付構造(例えばガイド又は突起)が形成されることが望ましい。取付構造の採用により、孔201に対するイオン選択性電極カートリッジの装着向きを固定でき、測定電極202に対する比較電極とイオン選択性電極の対応関係を固定することができる。
また、イオン選択性電極測定ユニット123aは、イオン選択性電極カートリッジを着脱自在に装着できるようにバネ式の着脱機構203を有することが望ましい。着脱機構203は、例えばクランプ機構を有し、イオン選択性電極カートリッジをバネで挟み込むように機能する。
この他、イオン選択性電極測定ユニット123aには、イオン濃度の測定時におけるイオン選択性電極カートリッジ内の被検査対象溶液の温度を一定に保つための保温機構204(例えばヒータ)を有することが望ましい。保温機構204は、被検査対象溶液が注入されている容器の周囲を加温又は冷却できるように取り付けられる。図5の場合、保温機構204はリング形状であり、孔201の上部開口の周囲を取り囲むように配置されている。この実施の形態の場合、ヒータは39.5℃に設定され、イオン選択性電極カートリッジの温度を37±2℃に制御する。
さらに、イオン選択性電極測定ユニット123aには、イオン選択性電極カートリッジの容器に注入された溶液を真空引きにより廃液槽に廃棄するための排気管205aが取り付けられている。排気管205aの一端は孔201の内側に接続されている。なお、廃液槽の底部には廃液を回収するための排出管205bが接続されている。排出管205bの一端は廃液用ポンプ123gに接続される。
また、イオン選択性電極測定ユニット123aの本体206には台座206aが形成されており、取り付け穴206bに対する係止部材の着脱を通じて自動分析装置の本体に着脱できるように構成されている。この構造により、取り付け可能な空間を有する自動分析装置にイオン濃度の測定機能を事後的に追加することができる。
イオン選択性電極測定基板123bは、イオン選択性電極に電気的に接続された信号線202aに現れる電位を増幅する回路である。このため、各信号線202aには、バッファアンプ161と増幅アンプ(例えば20倍アンプ)162が直列に接続される。なお、比較電極に対応する測定電極202に接続された信号線202aは接地されている。また、高インピーダンス化のため、イオン選択性電極測定基板123bは、接地電位にシールドされている。また、信号線202aには同軸ケーブルが使用される。
イオン選択性電極測定制御回路123cは、イオン選択性電極と比較電極の間に出現する起電力を取り込んでイオン濃度を算出する回路である。この実施の形態の場合、イオン選択性電極測定制御回路123cは、マルチプレクサ163、アナログ/ディジタル変換回路(ADC)164、マイコン165で構成される。ここで、マルチプレクサ163は、複数のイオン選択性電極に現れる起電力の一つを選択的に出力するセレクタとして機能する。アナログ/ディジタル変換回路(ADC)164は、比較電極とイオン選択性電極との間に現れる起電力をディジタルデータに変換する回路である。マイコン165は、順次測定される起電力と第1の情報読み取り部123h(図2の第1の情報読み取り部109aに対応する。)から読み出された各イオン選択性電極に固有の電極スロープ値Slopeに基づいて、測定対象とする特定イオンの濃度を算出する。イオン濃度の算出には、次式を使用する。
Samp=Cref×10^{(ESamp−Eref)/Slope} …(式2)
因みに、CSampは、測定対象とする特定イオンの濃度である。Crefは、基準液(試薬カートリッジに格納されている溶液)の濃度である。因みに、測定対象とする特定イオンに対応する基準液の濃度は、例えば試薬カートリッジの第2の情報提示部から第2の情報読み取り部104により読み出される濃度値を使用する。なお、基準液の濃度は、特定イオンの測定範囲の中央値に設定されていることが望ましい。
Sampは、被検査対象溶液をイオン選択性電極カートリッジの所定箇所(容器)に注入した場合に特定イオンについて測定された起電力の平均値である。また、EREFは、基準液をイオン選択性電極カートリッジの所定箇所(容器)に注入した場合に特定イオンについて測定された起電力の平均値である。この実施の形態の場合、各特定イオンについて各6回の起電力の測定を実行し、最大値と最小値を除いた値の平均値をESampとEREFとする。
マイコン165は、算出されたイオン濃度をメイン制御部100に通知する。メイン制御部100は、測定日時及び検体IDと関連付けた上で記憶部152に格納する。また、マイコン165は、イオン選択性電極カートリッジを測定に使用した回数等を自動的に更新し、使用寿命に関する情報を表示LED123jに表示する機能も搭載する。もっとも、マイコン165は、使用可能な残回数や使用可能な残日数を表示LED123jに表示することもできる。
電極検出センサ123dは、イオン選択性電極カートリッジがイオン選択性電極測定ユニット123aの孔201に装着されたか否かを検出するセンサデバイスである。ヒータ制御部123eは、PID制御によって恒温機構204の温度を制御する回路デバイスである。廃液用電磁弁123fと廃液用ポンプ123gは、イオン選択性電極測定ユニット123aから溶液を廃棄するために使用される。
第1の情報読み取り部123hは、イオン選択性電極カートリッジの第1の情報提示部から個々のイオン選択性電極に固有の電極スロープ値Slopeや使用寿命に関する情報を読み出すために使用される。
第1の情報書き込み部123iは、現在装着されているイオン選択性電極カートリッジの現在の使用回数や使用可能な残回数などを、イオン選択性電極カートリッジの第1の情報提示部に書き込むために使用される。書き込み機能があることにより、仮に、自動分析装置の動作不良のためにイオン選択性電極カートリッジを他の自動分析装置に装着して使用したとしても使用回数の管理を継続することができる。この機能は、測定されるイオン濃度の信頼性を保証するのに有効なだけでなく、イオン選択性電極カートリッジを製品寿命まで使い切ることが出来る点で経済的である。
表示LED123jは、イオン選択性電極カートリッジの現在の使用回数等の表示に使用される。なお、この使用回数等の表示には、メイン制御部100に接続された表示・操作部151を用いることもできる。
(イオン選択性電極カートリッジ)
実施の形態で使用するイオン選択性電極カートリッジ301の構造例を図6に示す。図6は、イオン選択性カートリッジ301の筐体301aに、イオン選択性電極305に固有の電極スロープ値Slopeと使用寿命に関する情報を格納した第1の情報提示部306を取り付けた例を示す。なお、第1の情報提示部306は、筺体301a以外の部位に取り付けることもできる。
電極スロープ値Slopeは、イオン濃度と電極出力の対応関係を与えるスロープ、すなわち、イオン濃度と起電力との関係式(片対数直線の方程式)の傾きであって、以下の手法により事前に求められる。図7に、ナトリウムイオン(Na)の電極スロープ値Slopeの測定例を示す。図7の横軸は濃度(イオン濃度)であり、縦軸は起電力で、直線の傾きが電極スロープ値Slopeである。イオン濃度の測定に使用されるイオン選択性電極305には必ず個体差が存在する。このため、イオン選択性電極カートリッジ301を製品として出荷する前に、高濃度基準液Cと低濃度基準液Cのそれぞれについて比較電極304とイオン選択性電極305の間に発生する起電力EとEをそれぞれ測定し、次式に基づいて特定イオンの測定に使用する内部電極の電極スロープ値Slopeを算出する。
Slope=(E−E)/Log(C/C) …(式3)
なお、前式は、ネルンスト(Nernst)の式に基づいて導き出することができる。
この実施の形態の場合、保証された使用寿命中であれば、電極スロープ値Slopeは変化しないか、変化が無視できるほど小さいものとする。
この他、イオン選択性電極カートリッジ301には、被検査対象溶液が注入される容器303が概略円筒形状の筐体301aの中心軸に沿うように配置されている。この容器303の底部は、効率的な洗浄の観点からすり鉢状に形成される。すり鉢状の傾斜角度としては、95〜135°が好ましく、100〜120°がより好ましく、100〜110°がより好ましい。本実施形態においては、105°の傾斜角度のすり鉢状の底部を有する容器303を用いた。容器303の底部には、注入された残留溶液や基準液を強制的に排出可能なように廃出孔が形成される。
また、イオン選択性カートリッジ301には、比較電極304の位置決め機構302が筐体301aに形成される。なお、自動分析装置の側には、位置決め機構302と対をなす取付構造(例えばガイド)が形成される。これら一対の位置決め機構と取付構造により、イオン選択性電極カートリッジ301は、自動分析装置に対して常に特定の位置関係で装着される。
(試薬カートリッジ)
試薬カートリッジの外観例を図8に示す。この実施の形態例の場合、試薬カートリッジ401は、4つのキュベット402〜405を一体成型により形成した構造を有するものを使用する。因みに、キュベット402は、イオン濃度の測定後に被検査対象溶液(例えば血液、尿、土壌及び水のいずれかに由来する被検査対象溶液)の廃棄に使用される。キュベット403は被検査対象溶液の希釈に使用される溶液(以下、「希釈液」という。)の格納に使用される。キュベット404は基準液の格納に使用される。あるいは、希釈液、基準液の液量に応じて、キュベット403に基準液、キュベット402に希釈液あるいは基準液の格納に使用し、キュベット404にイオン濃度測定後の被検査対象溶液の廃棄に使用できる。
また、試薬カートリッジは試薬の数に応じて、キュベット404とキュベット405を繋げた形も用いることができるし、キュベット403を二つの試薬槽に分けた形でも用いることができる。
試薬カートリッジ401の背面パネル406には、図9に例示するような第2の情報提示部が配置される。図9の場合、第2の情報提示部は、2次元バーコード407である。2次元バーコード407には、前述したように、ロット番号、製造年月日、有効期限、基準液の種類、基準液の濃度等がコード化されて格納されている。
(測定対象)
本発明の自動分析装置で実行されるイオン濃度の測定に適した特定イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、塩素イオン(Cl)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、重炭酸イオン(HCO )、リチウムイオン(Li)、亜鉛イオン(Zn2+)、銅イオン(Cu2+)、鉄イオン(Fe2+,Fe3+)などが挙げられ、被検査対象溶液としては、血液、尿、土壌、及び水のいずれかに由来する溶液等が挙げられる。
(イオン濃度の測定動作)
次に、本発明の自動分析装置で実行されるイオン濃度の測定動作例を、図10を用いて説明する。もっとも、本発明の自動分析装置は、被検査対象溶液のイオン濃度の測定以外の用途に使用することもできる。例えば透光性の試薬カートリッジに注入された被検査対象溶液に含まれるタンパク質、グルコース、尿酸などを光学的に分析する用途に用いることができる。従って、以下に示すイオン濃度の測定動作は、本発明の自動分析装置を用いて実行可能な分析動作の一例である。
まず、自動分析装置の主電源スイッチがオン操作される。次に、被検査対象溶液が入っている試料容器が、試料容器ホルダ121a〜121dのいずれかの位置に装着される。なお、同時に装着可能な試料容器の数は4つである。この試料容器の装着時には、必要に応じて、新しい試薬カートリッジ401の装着や使用済みの試薬カートリッジ401の廃棄が実行される。また、頻度は格段に少ないが、必要に応じて、イオン選択性電極カートリッジ301の交換作業が実行される。
これらの作業が終了し、ローター101やプローブ105を保護するケースが閉じられると、自動分析装置は、イオン濃度の測定が可能な状態になる。以下の説明では、1つの被検査対象溶液について、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、塩素イオン(Cl)の3種類のイオン濃度を同時に測定するものとする。また、以下に説明する各部の動作は、メイン制御部100やイオン選択性電極測定制御回路123cによる制御を通じて実現される。
イオン濃度の測定が可能な状態になると、自動的に又はオペレータの検査開始の指示に基づいて、一連の測定動作が開始される。
まず、プローブ105に希釈液を吸引する動作が開始される。測定動作が開始されると、マイコン165は、イオン選択性電極カートリッジ301の使用回数を1回分増加する。また、マイコン165は、第1の情報書き込み部123iを通じてイオン選択性電極カートリッジ301の第1の情報提示部306にアクセスし、第1の情報提示部306内の使用回数を更新する。
この動作と並行して、プローブ105は、希釈液の吸引位置まで回転駆動される。同時に、ローター101は、特定の又は任意の試薬カートリッジ401を希釈液の吸引位置に移動させるように回転駆動される。この後、プローブ105が下方に駆動され、その先端がキュベット403の表面を覆うフィルムを突き抜けて希釈液に達する。ここで、プローブ105は、例えば100μLの希釈液を吸引する。この後、プローブ105の先端は希釈液から引き上げられる。プローブ105の引き上げ動作は、回動可能位置になるまで継続される。
次に、自動分析装置は、被検査対象溶液の吸引工程に移行する。このとき、プローブ105は、被検査対象溶液の格納位置まで回転駆動される。なお、試料容器収容部121a〜121dと被検査対象溶液の格納位置の関係は、メイン制御部100に対して事前に与えられている。メイン制御部100が、格納位置を取得する方法には、オペレータによる設定入力、試料容器の表面に印刷されたバーコードから不図示のバーコードリーダーで読み出す等の方法が考えられる。
位置合せが完了すると、プローブ105は、その先端が被検査対象溶液に達するまで下方に駆動される。ここで、プローブ105は、例えば10μLの被検査対象溶液を吸引する。ただし、直接、被検査対象溶液を吸引したのでは、先に吸引されている希釈液と新たに吸引する被検査対象溶液とがプローブ105内で接触してしまう。すなわち、溶液がプローブ105内で混合してしまう。そこで、被検査対象溶液の吸引を開始する前に空気を4μLだけ吸引しておく。これにより、被検査対象溶液と希釈液との間には空気層が存在することになり、液面同士の直接の接触を避けることができる。この後、プローブ105の先端は被検査対象溶液から引き上げられる。プローブ105の引き上げ動作は、回動可能位置になるまで継続される。
次に、基準液の廃棄工程に移行する。ここでの基準液は、前回測定時の基準液である。このとき、真空ポンプが起動され、容器303の内側よりも底面外側の気圧の方が低い状態が発生される。この気圧差により(いわゆる真空引き)、容器303内に残留している前回測定時の基準液が廃出孔を通じて排出される。
基準液の廃棄工程が終了すると、処理工程は、被検査対象溶液の希釈化工程に移行する。このとき、プローブ105は、イオン選択性電極カートリッジ301の設置位置まで回転駆動される。この後、プローブ105は、その先端がイオン選択性で極カートリッジ301の容器303の内部に達するまで下方に駆動される。この後、プローブ105からは、10μLの被検査対象溶液と100μLの希釈液が吐出される。このとき、被検査対象溶液と希釈液がよく混ざり合うように、プローブ105によって混合溶液(希釈化被検査対象溶液)の吸引と吐出が任意の回数繰り返される。この後、プローブ105の先端は容器303から引き上げられる。
プローブ105の引き上げが完了すると、洗浄工程に移行する。プローブ105は、洗浄ステーション124の位置まで移動される。洗浄工程では、プローブ105の外壁面と内壁面の両方が精製水により洗浄される。この廃液には被検査対象溶液の成分が含まれるが、精製水の水量に比してその量はわずかであり、環境汚染の心配はない。
洗浄工程が終了すると又は並行するように、混合溶液に含まれるイオン濃度の測定が開始される。なお、イオン濃度の測定は、混合動作の撹拌動作の終了から所定時間後(例えば30秒後)に開始することが好ましい。撹拌動作の終了直後は、イオン濃度の測定値が安定しないことがあるためである。なお、イオン選択性電極カートリッジ301に、複数個のイオン選択性電極305が形成されている場合、イオン濃度の測定は、個々のイオン選択性電極305について実行される。
例えばナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、塩素イオン(Cl)のそれぞれ対応するイオン選択性電極305と比較電極304の間に出現する起電力を測定する。このように複数のイオン濃度を測定する場合、順番に測定してもよいが、測定環境のズレ等を考慮すると、全ての起電力を同時に測定することが好ましい。
ここでの起電力の計測は複数回ずつ実行し、それらの平均値ESampを測定結果とすることが望ましい。例えば各イオンについて6回の起電力の測定を実行し、それらの最大値と最小値を除く値の平均値ESampを測定結果とする。この測定結果は、後述する基準液についての測定結果が得られるまで保持される。
被検査対象溶液に対する測定工程が終了すると、廃液工程に移る。この工程において、プローブ105は、イオン選択性電極カートリッジ301の容器303の内部に達するまで下方に駆動される。そして、容器303にある混合溶液(希釈化被検査対象溶液)がプローブ内に全て吸引される。
混合溶液(希釈被検査対象溶液)の吸引が完了すると、プローブ105は、回転可能位置まで引き上げられる。その後、プローブ105は、試薬カートリッジ401に対する廃棄位置まで駆動される。この実施の形態の場合、廃棄位置は、キュベット402である。勿論、ローター101も、キュベット402がプローブ105の軌道と交差する位置まで回転駆動される。
位置合せが完了すると、プローブ105は、その先端がキュベット402の表面を覆うフィルムを突き抜けるまで下方に駆動される。この状態で、プローブ105から混合溶液(希釈被検査対象溶液)が空のキュベット402内に廃棄される。このように、混合溶液は、排水路から完全に分離された空間に廃棄される。なお、混合溶液が廃棄されたキュベット402の開口部はフィルムによって密閉されている。このため、廃棄過程での液漏れの心配も大幅に低下される。この廃棄手法は、環境負荷が高い被検査対象溶液を扱う場合に特に有効である。プローブ105内の混合溶液の廃棄が終了すると、プローブ105は、回動可能位置になるまで引き上げられる。
この後、プローブ105は、洗浄ステーション124の位置まで回転駆動される。今回の洗浄工程の場合も、プローブ105の外壁面と内壁面の両方が精製水により洗浄される。廃液には混合溶液の成分が含まれるが、精製水の水量に比してその量は極わずかであり、環境汚染の心配はない。
次に、基準液を用いたイオン濃度の測定工程(すなわち、イオン濃度の校正工程)が開始される。このとき、プローブ105は、基準液の吸入位置まで回転駆動される。具体的には、プローブ105の軌道とキュベット404の軌道の交点位置まで駆動される。勿論、試薬カートリッジ401も、ローター101の回動駆動により位置合される。
位置合せが完了すると、プローブ105は、その先端が基準液に達するまで下方に駆動される。ここで、プローブ105は、例えば305μLの基準液を吸引する。次に、プローブ105は、イオン選択性電極カートリッジ301の設置位置まで回転駆動される。この後、プローブ105は、その先端がイオン選択性電極カートリッジの容器303の内部に達するまで下方に駆動される。
続いて、容器303には、プローブ105から110μLの基準液が吐出される。この基準液は、混合溶液で汚染されている容器303のすすぎ洗いに使用される。なお、所定量の基準液が注入されると真空ポンプが起動され、容器303の内側よりも底面外側の気圧の方が低い状態が発生される。この気圧差により(いわゆる真空引き)、容器303内の基準液は廃出孔を通じて排出される。やはり、この廃液には混合溶液の成分が含まれるが、精製水の水量に比してその量は極わずかであり、環境汚染の心配はない。
基準液の廃液工程(すすぎ洗い工程)が終了すると、プローブ105に残しておいた100μLの基準液が容器303内に吐出される。すなわち、2回目の基準液の吐出工程が実行される。このとき、容器303の内部にわずかに残っている基準液とプローブ内の基準液にはわずかに温度差が生じている。この温度差をなくすために、プローブ105による基準液の吸引と吐出が任意の回数繰り返される。
この後、プローブ105の先端は容器303から上方に退避される。なお、基準液についてのイオン濃度の測定についても、基準液の撹拌動作の終了から所定時間後(例えば30秒後)に開始する。撹拌動作の終了直後は、イオン濃度の測定値が安定しないことがあるためである。
この期間を利用してプローブ105の洗浄工程が実行される。このとき、プローブ105は、洗浄ステーション124の位置まで回転駆動される。この場合、プローブ105は、外壁面と内側の両方が精製水により洗浄される。洗浄完了後のプローブ105は、初期位置(ハウジング120)まで回転駆動される。
基準液の撹拌終了から所定時間(例えば30秒)が経過すると、基準液についてイオン濃度の測定が開始される。イオン選択性電極カートリッジ301に複数個のイオン選択性電極305が形成されている場合、イオン濃度の測定は、個々のイオン選択性電極305について実行される。例えばナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、塩素イオン(Cl)のそれぞれ対応するイオン選択性電極305と比較電極304の間に出現する起電力が、好ましくは同時に測定される。
起電力の測定は、被検査対象溶液の測定時と同じ条件で実行される。従って、測定対象とするイオン毎に複数回ずつ起電力を測定し、それらの平均値EREFを測定結果とすることが望ましい。例えば各イオンに対して6回の起電力の測定を実行し、それらの最大値と最小値を除く値の平均値EREFを測定結果とする。
以上の動作により、被検査対象溶液のイオン濃度の算出に必要な全ての測定値が揃う。この後、自動分析装置は、式3に基づいて、被検査対象溶液中の特定イオンの濃度値を算出する。具体的には、電極起電力のドリフト発生等に起因するいわゆる切片の変動に起因した誤差を補正する為、基準液の特定イオンについて測定された起電力と、被検査対象溶液の特定イオンについて測定された起電力及び測定に使用したイオン選択性電極305が保有する電極Slope値から、被検査対象溶液に存在する特定イオンの濃度値が算出される。
以上により1つの被検査対象溶液に対する特定イオンの測定動作が完了する。必要に応じて同じ測定動作が、異なる被検査対象溶液についても実行される。
(まとめ)
以上説明したように、本実施の形態に係る自動分析装置の場合には、イオン選択性電極カートリッジ301の第1の情報提示部306から各イオン選択性電極305の電極スロープ値Slopeを読み出すことができ、キャリブレーションを実行することなく、イオン濃度の測定を開始することができる。従って、1つの検体の測定時間をキャリブレーションの時間分だけ従来装置に比して短縮することができる。しかも、ここでの電極スロープ値Slopeは、実際に使用されるイオン選択性電極305について事前に実測された固有の電極スロープ値Slopeである。このため、イオン濃度を正確に算出することができる。また、第1の情報提示部306から電極スロープ値Slopeの変化に関する情報を読み出せる場合には、電極スロープ値Slopeが使用寿命中に変化しても、修正された電極スロープ値Slopeを用いてイオン濃度を正確に算出することができる。
また、本実施の形態に係る自動分析装置の場合には、イオン選択性電極カートリッジ301の第1の情報提示部306から各イオン選択性電極カートリッジ301の使用寿命に関する情報を直接読み出すことができ、自動分析装置によるイオン選択性電極カートリッジ301の使用寿命の管理を実現できる。例えばイオン選択性電極カートリッジ301の使用回数や期間が、使用寿命として与えられた使用可能回数や期間を越えないように管理できる。
また、本実施の形態に係る自動分析装置の場合には、イオン選択性電極カートリッジ301が読み書き可能な第1の情報提示部306に対して、イオン濃度の測定に使用された回数や使用開始日時を書き込むことができ、1つのイオン選択性電極カートリッジ301を複数の自動分析装置で使用する場合でも、その使用寿命を確実に管理することができる。また、複数の自動分析装置でイオン選択性電極カートリッジを使い分ける場合でも、測定結果の信頼性を維持しつつ、使用寿命が尽きる前の無駄な廃棄をなくすことができる。
また、本実施の形態に係る自動分析装置の場合には、イオン選択性電極カートリッジ301に設けられた位置決め機構と対をなす取付構造を設けることにより、正しい位置関係によりイオン濃度を測定することができる。すなわち、各イオン選択性電極と対応する電極スロープ値との対応関係を保証することができる。この機構の採用により、起電力に対して適用する電極スロープ値の対応関係が特定され、算出されるイオンの濃度の信頼性を高めることができる。
また前述したように、測定回毎に基準液を用いて電極スロープ値Slopeを適用する切片を補正することにより、切片のズレによる測定誤差をなくすことができる。
また、イオン選択性電極測定ユニット123aに、装着されたイオン選択性電極カートリッジ301の温度を一定に保つ恒温機構(ヒータ)を設けたことにより、イオン濃度の測定環境を安定させることができる。
(他の実施例)
以下では、前述した実施例に対する変形例を説明する。
(基準液を用いたリアルタイム校正機能)
前述の説明では、式2に基づいて算出される電極スロープ値Slopeを用いれば、特定イオンの濃度値を算出できることを説明した。電極スロープ値Slopeは、前述のように、ICタグ111に事前に格納されていても良いが、測定の都度、電極スロープ値Slopeを算出するようにしても良い。
以下では、測定のたびに電極スロープ値Slopeを算出する場合(すなわち、リアルタイムで電極スロープ値Slopeを校正する場合)の動作例を説明する。
まず、各測定の最初に、自動分析装置内で、検体の希釈液と測定に使用する基準液とが1:2になるように混合する。これにより、元の2/3濃度の基準液(低濃度基準液C)を作り出し、電極でその起電力を測定する。次いで、希釈していない基準液(高濃度基準液C)についての起電力を測定する。この後、これら基準液中のイオン濃度差と起電力差を(式1)のスロープ算出式に代入し、電極スロープ値Slopeを測定する。具体的には、次式に従って計算する。
Slope=(E−E(2/3)S)/Log(C/C(2/3S)) …(式4)
ここで、Eは基準液の起電力であり、E(2/3)Sは2/3濃度の基準液の起電力である。また、Cは基準液中のイオン濃度(Na, K, Cl)であり、C(2/3)Sは2/3倍した基準液の各イオン濃度である。
算出されるスロープ値Slopeは、測定時(リアルタイム)のスロープである。スロープ値Slopeの算出後、イオン選択性電極測定制御回路123cは、当該スロープ値Slopeと、各検体について測定された起電力と、基準液の起電力とを(式2)に代入して濃度を測定する。
(電極劣化をセルフチェックする機能)
続いて、電極の劣化をセルフチェックするための処理機能について説明する。
このセルフチェック機能も、リアルタイムによる電極スロープ値Slopeの算出と同様、各測定の前に電極スロープ値Slopeを算出することで処理が開始される。
まず、各測定の最初に、自動分析装置内で、検体の希釈液と測定に使用する基準液とが1:2になるように混合する。これにより、元の2/3濃度の基準液(低濃度基準液C)を作り出し、電極でその起電力を測定する。次いで、基準液(高濃度基準液C)の起電力を測定する。この後、こおれら基準液中のイオン濃度差と起電力差を(式3)のスロープ算出式に代入し、電極スロープ値Slopeを算出する。
ここで、イオン選択性電極測定制御回路123cは、測定に先立って算出(測定)された電極スロープ値Slopeと、ICタグ111に格納されている対応電極のスロープ値の格納値との比較により、当該電極が使用可能か否かを判断する。例えば算出値(測定値)と格納値との差が小さければ使用可能であることを意味し、差が大きければ測定値に誤差が生じてくることを意味する。最初に設けられた使用可能期間内であったとしても、この電極スロープを測定毎に自動で測定することで、日々の電極の状態を自己チェックすることが可能となる。以下の表1に、スロープの変化例を示す。表1は、濃度を150回測定した後に、上記方法にて測定したスロープ値を表している。なお、表1中の基準液は高濃度基準液Cに対応し、2/3基準液は低濃度基準液Cに対応する。表1では、イオン選択性電極測定制御回路123cが、電極が使用可能か否かを、特定の基準値(格納値)ではなく、使用可能なスロープ値の範囲に基づいて判断する場合の例である。
Figure 0005099264
表1の場合、電極の劣化によりスロープ値が変化していることが分かる。例えばNaイオン用の電極の場合、スロープ値は初期値56から75に変化している。なお、当該電極を使用することができるスロープ値の判定基準は40〜70である。従って、表1のNaイオン用の電極は、既に使用寿命を迎えていることが分かる。この機能を自動分析装置に搭載することで、電極劣化の自己チェックが可能になる。
(変動(ドリフト)の補正)
最後に、電位変動を自動的に補正する機能について説明する。前述したように、電極によっては、電位が安定せずに時間の経過と共に電位が上がってくるもの、又は下がってくるものがある。そこで、サンプル電位の測定前後に、基準液の電位を測定し、その平均値をイオン選択性電極測定制御回路123cにおいて自動的に求めることにする。すなわち、電位の平均値を算出し、電位変位(ドリフト)を考慮に入れることにより(補正することにより)、式2に基づいて算出されるイオン濃度の精度が向上する。
Figure 0005099264
ここで、表2の結果は、イオン電極用認証実用標準物質 ISE CRS-N 中濃度(積水メディカル(株)製)を用いた結果である。ドリフト補正を施した方が、より認証値に近い値になり、効果が認められる。
100…メイン制御部(制御部、情報処理部、演算部)、101…ローター、102…ステッピングモーター(ローター駆動部)、102a…ローター制御回路(ローター駆動部)、103…試薬カートリッジホルダ、104…第2の情報読み取り部、105…プローブ、106…アーム(プローブ駆動部)、107、108…ステッピングモーター(プローブ駆動部)、107a…アーム垂直制御回路(プローブ駆動部)、108a…アーム回転制御回路(プローブ駆動部)、109a…第1の情報読み取り部、109b…第1の情報書き込み部、121a〜121d…試料容器収容部、123…イオン選択性電極ユニット、123a…イオン選択性電極測定ユニット(電極カートリッジ収容部)、123b…イオン選択性電極測定基板(検出器)、123c…イオン選択性電極測定制御回路(検出器、情報処理部、演算部)、123d…電極検出センサ、123e…ヒータ制御部、123f…廃液用電磁弁、123g…廃液用ポンプ、123h…第1の情報読み取り部、123i…第1の情報書き込み部、123j…表示LED、152…記憶部、201…孔、202…測定電極、202a…信号線、203…着脱機構、204…恒温機構、205a…排気管、205b…排出管、206…本体、206a…台座、206b…取り付け穴、301…イオン選択性電極カートリッジ、302…位置決め機構(電極位置決め機構)、303…容器、304…比較電極、305…イオン選択性電極、306…第1の情報提示部、401…試薬カートリッジ、402〜405…キュベット、406…背面パネル、407…2次元バーコード(第2の情報提示部)

Claims (11)

  1. 各々異なる位置に設置され、それぞれ異なる被検査対象溶液に割り当てられる複数の試料容器を収容する試料容器収容部と、
    試薬カートリッジを複数保持して回転可能なローターと、
    前記ローターを回転駆動するローター駆動部と、
    液体を吸引又は吐出できる1本のプローブと、
    前記プローブを駆動するプローブ駆動部と、
    比較電極と少なくとも1つのイオン選択性電極と前記イオン選択性電極に固有の電極スロープ値を格納する第1の情報提示部とを有するイオン選択性電極カートリッジを、前記プローブの可動範囲内に収容する電極カートリッジ収容部と、
    前記第1の情報提示部の情報を読み取る第1の情報読み取り部と、
    前記第1の情報読み取り部によって読み取られた情報を記憶する記憶部と、
    前記被検査対象溶液を前記イオン選択性電極カートリッジの所定箇所に注入後に、対応する前記イオン選択性電極と前記比較電極の間に現れる起電力を検出する検出器と、
    前記被検査対象溶液中の特定イオンの濃度を、前記検出器により検出された前記起電力と前記電極スロープ値を用いて算出する情報処理部と、
    装置各部を制御する制御部と、
    を有する自動分析装置。
  2. 前記情報処理部は、前記第1の情報読み取り部を通じて前記第1の情報提示部から読み出した前記電極スロープ値の変化率に基づいて、一定の測定回毎に前記電極スロープ値を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記試料容器から前記イオン選択性電極カートリッジの所定箇所に被検査対象溶液が注入される度、前記イオン選択性電極カートリッジの使用回数又は使用日数をカウントする演算部を更に有し、
    前記演算部は、前記第1の情報読み取り部を通じて前記第1の情報提示部から読み出される使用寿命に関する情報と前記使用回数又は使用日数に基づいて、前記イオン選択性電極カートリッジをイオン濃度の測定に使用できるか否か判定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動分析装置。
  4. 前記イオン選択性電極カートリッジの第1の情報提示部に対し、使用開始日又は使用回数又は使用日数に関する情報を書き込む第1の情報書き込み部を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  5. 前記電極カートリッジ収容部は着脱機構を有し、前記イオン選択性電極カートリッジを着脱自在に保持する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  6. 前記着脱機構が、ばね式である請求項5に記載の自動分析装置。
  7. 前記電極カートリッジ収容部は、前記イオン選択性電極カートリッジの電極位置決め機構と対をなす取付構造を有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  8. 前記電極カートリッジ収容部は、前記イオン選択性電極カートリッジの温度を一定に保つ恒温機構を有する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  9. 前記制御部は、
    前記イオン選択性電極カートリッジの容器内に前記プローブを位置決めして、被検査対象溶液の注入、吸引、及び廃棄の少なくともいずれかの動作を行わせるように前記プローブ駆動部を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の自動分析装置。
  10. 前記試薬カートリッジは第2の情報提示部を有し、該第2の情報提示部の情報を読み取る第2の情報読み取り部を更に有する、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  11. 前記制御部は、前記第2の情報読み取り部を通じて前記第2の情報提示部から読み出された情報を参照して前記イオン選択性電極カートリッジが必要とする被検査対象溶液が入っている試料容器を特定し、前記特定された試料容器中に前記プローブが位置づけられるように前記プローブ駆動部を制御する
    ことを特徴とする請求項10に記載の自動分析装置。
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