JP2002039990A - イオン選択性電極およびその製造方法 - Google Patents

イオン選択性電極およびその製造方法

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JP2002039990A
JP2002039990A JP2000220974A JP2000220974A JP2002039990A JP 2002039990 A JP2002039990 A JP 2002039990A JP 2000220974 A JP2000220974 A JP 2000220974A JP 2000220974 A JP2000220974 A JP 2000220974A JP 2002039990 A JP2002039990 A JP 2002039990A
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selective electrode
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Masaaki Terajima
正明 寺嶋
Osamu Seshimoto
修 瀬志本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストが低減され、製造工程が簡略化さ
れたイオン選択性電極およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 非導電性支持体、銀層とハロゲン化銀層
とからなる互いに電気的に絶縁された電極層、電解質
層、およびイオン選択性膜がこの順に積層され、そして
その上に、各電極層に対応して参照液および被検液を付
与するための開口部を有する非導電性部材、および両液
を電気的に導通させるための架橋部材が備えられたイオ
ン選択性電極において、イオン選択性膜が電極層毎に独
立に設けられていることを特徴とするイオン選択性電
極、そして、インクジェット印刷方式、スクリーン印刷
方式またはグラビア印刷方式によりイオン選択性膜を形
成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性液体中の特定
イオンの濃度を測定するための乾式のイオン選択性電極
およびその製造方法に関する。特に、血液、血清など体
液中の特定イオン濃度をポテンシオメトリカルに測定す
るためのイオン選択性電極、およびそれを製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体(水道水、河川水、下水、産業排水
など)や生物体液(血液、尿、唾液、あるいは髄液な
ど)の中に含まれる特定のイオンの濃度(または活量)
を、イオン選択性電極を用いて測定する方法は既に知ら
れている。
【0003】この測定方法には湿式法と乾式法とがあ
り、湿式法では一般に、電極内部に標準液を有するバレ
ル型電極が用いられてきたが、電極の保守、洗浄、コン
ディショニング、寿命、破損などの点で管理が厄介であ
り、また棒状の電極を試料液に浸漬するために、通常、
数百μLもしくはそれ以上もの試料液を必要とするとの
欠点がある。
【0004】このような不便を排除するために、乾式の
フィルム状のイオン選択性電極を用いる方法が提案され
ている。乾式のイオン選択性電極は、水性液体、特に血
液、尿、唾液、あるいは髄液などの生物体液の液適量を
用いて、その中に含まれる特定イオンの濃度をポテンシ
オメトリカルに測定するための測定具(イオン活量測定
器具とも称する)であり、その基本的構成については既
に特公平3−54788号および同4−50530号公
報などの文献に記載されている。すなわち、イオン選択
性電極は、支持体、導電性金属層(例えば、銀層)、該
金属の水不溶性塩を含む層(例えば、塩化銀層)、該水
不溶性塩の陰イオンと共通の陰イオンとカチオン(例、
カリウムイオン、ナトリウムイオン)との電解質塩
(例、塩化カリウム、塩化ナトリウム)とバインダーと
を含む電解質層、およびイオン選択性膜がこの順に一体
化された基本構成を有する乾式のフィルム状電極であ
る。このフィルム状電極二個を一対として、架橋部材で
連絡し、電位差計に接続した後、試料液(被検液)と標
準液(参照液)をそれぞれ各電極フィルムの上に点着
し、その電位差を測定することにより、試料液中の特定
イオンの濃度を求めることができる。
【0005】乾式のイオン選択性電極では、イオン選択
性膜の種類を変えることによって、水素イオン
(H+)、アンモニウムイオン(NH4 -)などの有機イ
オン、又はリチウムイオン(Li+)、ナトリウムイオ
ン(Na+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイ
オン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、塩素イ
オン(Cl-)、炭酸水素イオン(HCO3 -)、炭酸イ
オン(CO3 2-)など無機イオンの濃度を測定すること
ができる。
【0006】また、測定具に複数個のイオン選択電極を
組み込んで、被検液と参照液をそれぞれ一回乃至複数回
付与することにより複数種のイオン濃度を同時に測定で
きるようにした複合型(ワンチップ型)のイオン選択性
電極も知られており、例えば特公平3−70780号公
報に記載されている。
【0007】上述したように、乾式のイオン選択性電極
は基本的には単純な構成からなる微小なチップであるの
で、試料液の必要量が極めて少なくて済み、従って体液
などのように試料液の量に制限がある場合に非常に有用
である。また、このように単純かつ微小な構成のイオン
選択性電極は、電位差測定機とは独立に取り扱うことが
でき、測定毎に新たな電極に取り替えることができると
の利点もある。
【0008】イオン選択性電極において、イオン選択性
膜を形成するための材料は高価なものであるが、これま
でイオン選択性膜は一対の電極層を覆う電解質層の表面
全体にわたって塗布により形成されている。そして、製
造時のハンドリング性、塗布精度、および測定時におけ
る被検液と参照液の保持性(被検液と参照液が混り合う
ことなく保持され、かつ架橋部材によって液絡が充分に
形成されなければならない)などの点から、イオン選択
性膜は通常、一対の電極に対して長さ約20〜30m
m、幅約10〜20mmの大きさで形成されている。さ
らに、複数の異なるイオン選択性電極を同時に製造しよ
うとする場合には、電極対ごとにイオン選択性膜形成の
ための独立した塗布操作を繰り返す必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造コスト
が低減されたイオン選択性電極およびその製造方法を提
供することにある。また本発明は、製造工程が簡便化さ
れたイオン選択性電極およびその製造方法を提供するこ
とにもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、イオン選択
性電極について研究を重ねた結果、これまで電解質層全
面に塗布形成されていたイオン選択性膜を、各電極層に
対応する部分に間欠的に塗布して、イオン選択性膜を電
極層ごとに独立に、特にスポット状に形成することによ
り、イオン選択性膜を被検液および参照液が点着される
領域にのみ設けて高価なイオン選択性膜材料の使用量を
減らし、これによって、製造コストの低減を図ることが
できることを見い出した。このような独立した不連続な
形状のイオン選択性膜は、塗布液をノズルからドット状
に塗布したり、あるいはマスクを用いて塗布することに
より形成することができる。特に、ドット状やスポット
状に塗布する場合には、単にイオン選択性膜形成用の塗
布液を変えるだけで、複数の異なるイオン選択性電極が
同時に製造されるので、製造工程を簡略化でき、これに
よっても製造コストを低減できることを見い出した。
【0011】従って、本発明は、非導電性支持体、銀層
とハロゲン化銀層とからなる互いに電気的に絶縁された
少なくとも一対の電極層、電解質層、およびイオン選択
性膜がこの順に積層され、そしてその上に、各電極層に
対応して参照液および被検液を付与するための開口部を
有する非導電性部材、および両液を電気的に導通させる
ための架橋部材が備えられてなるイオン選択性電極にお
いて、該イオン選択性膜が電極層ごとに独立に設けられ
ていることを特徴とするイオン選択性電極にある。
【0012】また本発明は、非導電性支持体、銀層とハ
ロゲン化銀層とからなる互いに電気的に絶縁された少な
くとも一対の電極層、電解質層、およびイオン選択性膜
をこの順に積層し、そしてその上に、各電極層に対応し
て参照液および被検液を付与するための開口部を有する
非導電性部材、および両液を電気的に導通させるための
架橋部材を設けることからなるイオン選択性電極の製造
方法において、該イオン選択性膜を形成するための塗布
液を各々の電極層に対応して電解質層上に間欠的に塗布
し、乾燥して、イオン選択性膜を電極層ごとに独立に形
成することを特徴とするイオン選択性電極の製造方法に
もある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のイオン選択性電極の製造
方法について、複数種のイオン分析用の複合型イオン選
択性電極を製造する場合を例にとって、添付図面を参照
しながら説明する。図1〜図4は、本発明の製造方法を
概略的に示す斜視図である。
【0014】まず、非導電性支持体の表面全体に蒸着に
より銀層を形成する。非導電性支持体としては、ポリエ
チレンテレフタレートなどのプラスチック材料からなる
フィルムが用いられる。この銀層の長さ方向の両側部に
剥離性を有するポリマー溶液を塗布乾燥して、銀層保護
のためのポリマー層を形成する。ポリマー層材料として
は、剥離除去可能な被膜形成性マスク用液状レジストな
どが用いられる。
【0015】次いで、図1(1:支持体、2:銀層、
3:ポリマー層、4:溝)に示すように、レーザ光の照
射により、銀層が設けられた支持体の幅方向に沿って一
定間隔で溝(スクラッチ)を形成し、互いに絶縁された
三個の銀層とする。また、同様にして長さ方向に沿って
中央部に溝を形成し、各銀層の左右を絶縁する。溝の形
成は、バイトなどを用いて削り取ることにより行っても
よい。なお、この溝形成工程は後に述べる銀層表面のハ
ロゲン化処理を終えてから行なってもよい。
【0016】銀層とポリマー層が設けられた支持体を次
に、酸化作用を有する反応液(例、重クロム酸溶液、P
DTA・Fe(III)溶液)に浸漬して、銀層の露出部分
をハロゲン化する。あるいは、ハロゲン化銀と結合剤と
を含む分散液を銀層上に塗布乾燥することにより、ハロ
ゲン化銀層を形成してもよい。これにより、銀層とハロ
ゲン化銀層とからなる互いに電気的に絶縁された三対の
電極層が得られる。
【0017】このハロゲン化銀層にはその表面全体に、
ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウムなどを含む
溶液を塗布乾燥して、電解質層を形成する。ただし、ハ
ロゲン化銀層のハロゲンと電解質層のハロゲンとを一致
させるようにする。
【0018】次に、剥離可能なポリマー層をその上の電
解質層とともに除去した後、図2に示すように(2:銀
層、5:電解質層、6:マスク)、イオン選択性膜を所
望の形状で形成するために電解質層上にマスクを設け
る。マスクは、前述したような剥離可能な被膜形成性マ
スク用液状レジストを用いて塗布形成してもよいし、あ
るいは、所望の形状に繰り抜いた両面接着テープなどを
貼着して設けてもよい。マスクの穴の形状は、円形、四
角形など任意の形状とすることができるが、液保持性や
液絡性などを考慮して好適な大きさと間隔で設けられ
る。あるいはまた、プラスチック材料など水不透過性の
非導電性部材からなるマスクを接着剤などを用いて設け
ることにより、マスクをイオン選択性膜形成用のマスク
として機能させるだけではなく、イオン選択性電極の液
受けマスクとしても機能させることができる。
【0019】そして、図3(2:銀層、6:マスク、
7:ノズル、8:イオン選択性膜)に示すように、例え
ば、インクジェット印刷方式により、イオン選択性膜形
成用の塗布液を細いノズルより微細な小滴として噴出さ
せて、マスクの各穴の部分に塗布し、乾燥して、支持体
の電解質層表面にイオン選択性膜をスポット状に形成す
る。イオン選択性膜の材料としては、公知の各種のイオ
ン選択性膜形成材料(イオンキャリヤおよびイオンキャ
リヤ溶媒)の中から任意に選択して用いることができ、
これら材料を溶解混合することにより塗布液を調製す
る。このインクジェット印刷方式では、塗布液に圧力ま
たは電圧をかけて細いノズルから均一な微小粒子として
連続的に噴射させ、この小粒子の流れを機械的または電
気的に制御することにより、電解質層上にイオン選択性
膜を所望の形状に塗布印刷する。通常は、ノズルの内径
は数十μmであり、同時に多数のノズルが使用される。
複数種のイオン選択性膜を設ける場合には、電極対ごと
に塗布液を変えてノズルから噴出させることにより、異
なるイオン選択性膜を容易に形成することができる。あ
るいは、マイクロディスペンサなどを用いてマスクの各
穴に塗布液を少量ずつ注入してもよい。
【0020】イオン選択性膜中のイオンキャリヤの濃度
は、一般に0.05〜10g/m2の範囲にある。そし
て、イオン選択性膜の厚みは、一般には約3〜125μ
mの範囲にあり、好ましくは約5〜50μmの範囲にあ
る。また、イオン選択性膜の大きさは、電極層の大きさ
や被検液および参照液を付与するための開口部の大きさ
などによっても異なるが、開口部よりも大きいことが望
ましく、一般には直径(または縦、横)約1〜10mm
の範囲にあり、好ましくは2〜5mmの範囲にある。
【0021】なお、インクジェット印刷方式を利用する
場合には必ずしもマスクを設ける必要はないが、支持体
が長尺状に長い場合(すなわち、多数の電極対を一度に
製造する場合)には、このようにマスクを設けることに
よりマスクがスペーサとしても機能して、イオン選択性
膜形成後に支持体を巻き取ることができ、製造上の取扱
いが容易となる。
【0022】イオン選択性膜形成用塗布液を電解質層上
に間欠的に塗布する方法としては、上記インクジェット
印刷方式のほかに、マイクロシリンジを用いるスポット
塗布方式、スクリーン印刷方式、およびグラビア印刷方
式などを利用することができる。スクリーン印刷方式で
は、スクリーン版表面にスクィージを加圧しながら摺動
させることにより、塗布液を版より押し出して所望の形
状に塗布印刷する。また、グラビア印刷方式では、写真
凹版に塗布液を充填し、版を回転させながら電解質層表
面に押し付けて塗布印刷する。
【0023】次に、イオン選択性膜が設けられた三対の
電極から、必要により、マスクを除去した後、図4に示
すように(2:銀層、8:イオン選択性膜、9:液受け
マスク、10:糸ブリッジ)、参照液および被検液を付
与するための開口部を有する水不透過性の非導電性部材
(液受けマスク)を接着付設し、そして開口部には被検
液と参照液を電気的に導通させるための架橋部材(糸ブ
リッジ)を設ける。このようにして、三対の電極が一体
化された複合型(ワンチップ型)のイオン選択性電極が
得られる。
【0024】なお、本発明において、イオン選択性電極
は上記図4に示した構成に限定されるものではなく、単
一のイオン分析用のイオン選択性電極であってもよく、
公知の各種の構成をとることができる。また、イオン選
択性電極の各層および各部材の材料、並びにイオン選択
性膜の形成以外の製造方法についても公知の材料および
方法の中から任意に選択して用いることができる。その
ようなイオン選択性電極の構成、材料および製造法につ
いては、例えば特公昭58−4981号、特開昭52−
142584号、同57−17852号、同58−21
1648号、特公平3−52824号、同3−7078
0号、同4−50530号の各公報;米国特許第405
3381号、同第4171246号、同第421496
8号の各明細書;および「Research Disclosure」誌報
文No.16113(1977年9月号)に詳細に記載さ
れている。
【0025】
【実施例】[実施例1]長尺状のポリエチレンテレフタ
レートフィルム(支持体、厚み:180μmm)の上
に、真空蒸着により厚み約8000オングスロームの金
属銀層(連続蒸着膜、長さ:150m)を形成した。こ
のフィルムを幅24mmにスリット加工した。また、こ
の銀層の長さ方向の両端部に3mm幅で、剥離可能な皮
膜形成性液状レジスト(塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体のトルエン−メチルエチルケトン混合溶剤溶液)を塗
布乾燥して、厚み30μmのポリマー層を形成した。銀
層の中央部に長さ方向にバイトを用いて深さ70μmの
溝を形成し、左右を絶縁した。また、同様に幅方向に6
mm間隔で多数の溝(スクラッチ)を形成した。
【0026】次に、この積層体を酸化ハロゲン化処理液
(塩酸60mMと重クロム酸カリウム12mMを含む水
溶液)に90秒間浸漬して、接触酸化塩化処理を行っ
た。処理終了後、積層体を水洗、乾燥して、固体フィル
ム状のAg/AgCl電極(支持体、銀層、塩化銀層か
らなる積層体)を得た。
【0027】塩化ナトリウム2.975gを、水性有機
溶媒42.5g(アセトン2.5gとエタノール20g
と水20gの混合溶媒)に溶解して塗布液を調製した。
この塗布液をAg/AgCl電極フィルム上に乾燥後の
重量が2.2g/m2となるように塗布し、乾燥して、
電解質層を形成した。
【0028】ポリマー層を除去した後、電解質層表面
に、二列に並んで多数の穴が設けられた両面接着テープ
(穴の直径:2.6mm、幅方向の間隔:8mm、長さ
方向の間隔:6mm)を、スクラッチとスクラッチの間
に各穴が位置するように貼り付けて、マスクを形成し
た。
【0029】下記の組成からなるナトリウム、カリウム
および塩素イオン選択性膜形成用塗布液をそれぞれ調製
した。 [ナトリウムイオン選択性膜用塗布液の組成] 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VYNS、 ユニオンカーバイド社製) 0.9g フェニルジクレジルホスフェート 1.2g メチルモネンシン 0.1g ナトリウムテトラフェニルボレート 2mg メチルエチルケトン 4g
【0030】 [カリウムイオン選択性膜用塗布液の組成] VYNS 0.9g アジピン酸ジオクチル 1.2g パリノマイジン 44mg テトラキスパラクロロフェニルホウ酸カリウム 18mg メチルエチルケトン 5g 1%SH510(ポリシロキサン、メチルエチルケトン溶液) 50mg
【0031】 [塩素イオン選択性膜用塗布液の組成] VYNS 0.9g カポリコート 1.3g ジドデシルフタレート 0.05g 塩化トリオクチルプロピルアンモニウム 0.05g
【0032】上記の塗布液を順次、マイクロディスペン
サを用いて積層体のマスクの穴中に3μLずつ注入し、
乾燥して、三種類のイオン選択性膜を形成した。また別
に、インクジェットプリンタ用ノズル(内径:80μ
m、本数:6本)を用いてマスクの穴中に3μL塗布
し、乾燥して、三種類のイオン選択性膜を形成した。こ
の積層体からマスクを剥ぎ取った後、幅方向に切断し
て、Na、K、およびClイオン選択電極が一体化され
た固体フィルム状電極を得た。
【0033】インクジェット方式により得られた固体電
極を更に切断して、それぞれ長さ24mm、幅6mmの
三種類のイオン選択電極とした後、第5図に示すよう
に、ハイインパクトポリスチレン製支持枠板12の上
に、配置した。これとは別に、第5図に示すように、1
組の液点着用開口部(参照液用開口部と被検液用開口
部)19と2組の空気抜き用開口部20を有するプラス
チック板(上板)18と、2つの貯液槽17を有するプ
ラスチック枠(液溜用部材)16を、両面接着テープで
接着して上蓋を作製した。2枚の医療用ガーゼ片(多孔
性液分配部材)15を、上蓋の貯液槽17中にそれぞれ
導入し、プラスチック板18に設けられた液点着用開口
部19および空気抜き用開口部20を下側から均一に覆
うように配置した。
【0034】次いで、予め6つの液供給孔14を打ち抜
いた両面接着テープよりなる水不浸透性部材13を、各
孔14が液点着用開口部19または空気抜き用開口部2
0と位置的に一致するように、上蓋の裏面全面(ただ
し、上蓋裏面の4つの角部または4つの周縁部は除く)
に貼り付けた。一方、上蓋の表面中央の開口部19上に
は、ナイロンの多孔性糸ブリッジ21を配置し、その両
端を熱融着して固定した。次に、上蓋裏面の両面接着テ
ープ13の離型紙を剥ぎ取った後、上蓋を支持枠12に
配置された固体電極11上に、第5図に示すように配置
して接着固定した。さらに、上蓋裏面の4つの角部また
は4つの周縁部を支持枠12と超音波で熱溶融接着し
て、Na、K、およびClイオン分析用のワンチップ型
イオン選択性電極を製造した。
【0035】[イオン選択性電極の性能評価]得られた
イオン選択性電極について、Na、K、およびClイオ
ンの電位測定を行い、電極性能を評価した。 (1)評価液として富士ドライケム標準液KE−L、
M、H(富士写真フィルム(株)製)を用い、参照液とし
てRE(富士写真フィルム(株)製)を用いて、イオン
選択性電極の液点着用開口部の各々に60μLずつを供
給し、イオンアナライザ(モデル901型、オリオン社
製)にて、25℃、1分後の示差電位を測定した。得ら
れた結果をまとめて表1に示す。
【0036】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 項目 KE−L KE−M KE−H ──────────────────────────────────── Na 測定値(mEq/L) 99.1 139.7 179 同時再現性(CV(%)) 0.65 0.34 0.41 ──────────────────────────────────── K 測定値(mEq/L) 2.53 4.06 6.38 同時再現性(CV(%)) 4.0 1.69 1.96 ──────────────────────────────────── Cl 測定値(mEq/L) 64.9 95.9 133.9 同時再現性(CV(%)) 1.25 0.89 0.64 ────────────────────────────────────
【0037】(2)評価液としてヒト全血を用い、参照
液としてRE(富士写真フィルム(株)製)を用いて、
上記と同様にして示差電位を測定した。なお、抗凝固剤
としてヘパリン・リチウムを使用し、その濃度は、7%
ヒトアルブミン溶液で希釈するか、あるいはNaClま
たはKClを添加して調整した。得られた結果をまとめ
て表2に示す。
【0038】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 項目 全血 L M H ──────────────────────────────────── Na 測定値(mEq/L) 103 144.6 163.5 同時再現性(CV(%)) 0.31 0.47 0.46 ──────────────────────────────────── K 測定値(mEq/L) 2.62 3.74 5.75 同時再現性(CV(%)) 7.6 2.02 1.32 ──────────────────────────────────── Cl 測定値(mEq/L) 68.9 101.7 120.2 同時再現性(CV(%)) 0.93 0.66 0.62 ────────────────────────────────────
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、高価なイオン選択性膜
を被検液や参照液が点着される領域にのみ設けることが
できるので、製造コストの低減を図ることができる。ま
た、複数の異なるイオン選択性電極を同時に製造する場
合には、イオン選択性膜形成のために独立した塗布操作
を繰り返すことなく、単に塗布液を変えるだけでドット
状やスポット状に塗布形成することができるので、製造
工程を簡略化でき、これによっても製造コストを低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン選択性電極の製造工程を概略的
に示す斜視図である。
【図2】本発明のイオン選択性電極の製造工程を概略的
に示す斜視図である。
【図3】本発明のイオン選択性電極の製造工程を概略的
に示す斜視図である。
【図4】本発明のイオン選択性電極の製造工程を概略的
に示す斜視図である。
【図5】本発明のイオン選択性電極の構成の例を示す分
解斜視図である。
【符号の説明】 1 非導電性支持体 2 銀層 3 ポリマー層 4 溝 5 電解質層 6 マスク 7 ノズル 8 イオン選択性膜 9 液受けマスク 10 糸ブリッジ 11 固体電極 12 支持枠板 13 水不浸透性部材 14 液供給孔 15 多孔性分配部材 16 液溜用部材 17 貯液槽 18 上板 19 液点着用開口部 20 空気抜き用開口部 21 糸ブリッジ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非導電性支持体、銀層とハロゲン化銀層
    とからなる互いに電気的に絶縁された少なくとも一対の
    電極層、電解質層、およびイオン選択性膜がこの順に積
    層され、そしてその上に、各電極層に対応して参照液お
    よび被検液を付与するための開口部を有する非導電性部
    材、および両液を電気的に導通させるための架橋部材が
    備えられてなるイオン選択性電極において、該イオン選
    択性膜が電極層ごとに独立に設けられていることを特徴
    とするイオン選択性電極。
  2. 【請求項2】 イオン選択性膜が、電極層ごとにスポッ
    ト状に設けられている請求項1に記載のイオン選択性電
    極。
  3. 【請求項3】 イオン選択性電極が複数種のイオン分析
    用の複合型イオン選択性電極である請求項1または2に
    記載のイオン選択性電極。
  4. 【請求項4】 非導電性支持体、銀層とハロゲン化銀層
    とからなる互いに電気的に絶縁された少なくとも一対の
    電極層、電解質層、およびイオン選択性膜をこの順に積
    層し、そしてその上に、各電極層に対応して参照液およ
    び被検液を付与するための開口部を有する非導電性部
    材、および両液を電気的に導通させるための架橋部材を
    設けることからなるイオン選択性電極の製造方法におい
    て、該イオン選択性膜を形成するための塗布液を各電極
    層に対応して電解質層上に間欠的に塗布し、乾燥して、
    イオン選択性膜を電極層ごとに独立に形成することを特
    徴とするイオン選択性電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 塗布液を、インクジェット印刷方式、マ
    イクロシリンジを用いるスポット塗布方式、スクリーン
    印刷方式、またはグラビア印刷方式により電解質層上に
    間欠的に塗布する請求項4に記載のイオン選択性電極の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 塗布液をインクジェット印刷方式により
    電解質層上にスポット状に塗布する請求項5に記載のイ
    オン選択性電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 互いに組成の異なる複数の塗布液を同時
    にあるいは順次に塗布する請求項4乃至6のうちのいず
    れかの項に記載のイオン選択性電極の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のイオン選択性電極の製
    造方法を用いて複数種のイオン分析用の複合型イオン選
    択性電極を製造する方法。
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