JP5098251B2 - 半導電性部材の製造方法。 - Google Patents
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Description
これらのシームレスベルトは、前記熱可塑樹脂と同様にカーボンブラックを分散してなることから、カーボンブラックの分散ばらつきにより、抵抗のばらつきが大きくなり、高画質電子写真に必要な均一な画質を得る事が出来ない。
これらの構造中ではエメラルジン塩のみが導電性であって、プロトンが導電性に大きな役割を果たしている。
なお、本実施の形態では、導電状態にあるポリアニリンを、プロトンによりドープされた状態であることからドープされたポリアニリン、またはドープ状態のポリアニリンと称し、非導電状態にあるポリアニリンを、プロトンによるドープがなされていない状態であることから脱ドープ状態のポリアニリンと称して説明する。
λg/λrが1未満であると、ポリアニリンが熱劣化してしまった等の結果、ポリアニリンの導電効率が悪化するため導電性に劣ると言う問題が生じることがある。
一方、半導電性部材の表面抵抗率のばらつきが0.3logΩ/□より大きい場合には、局所的に導電性の大きな領域が生じることから、後述する電子写真方式の画像形成装置の中間転写ベルトとして用いたときに、電荷の不均一により画像の濃淡が発生し、画質劣化の要因となることがある。
また、詳細を後述する電子写真方式の画像形成装置の中間転写ベルトとして使用した場合に、転写電圧による電界集中がより起こりにくくなるので、例えば用紙走行部の表面抵抗率が低下して、ハーフトーンの画像において、用紙走行部に対応する画像が白く抜けるなどの画質欠陥の発生を防止することができる。
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(100(V)/I)
図2において、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cおよびリング状電極部Dと、上記表面抵抗率の測定時に用いた板状絶縁体Bを第二電圧印加電極Bとして、この第二電圧印加電極Bと、の間に測定対象となる半導電性部材Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧100(V)を印加して、30秒後に流れる電流I(A)を測定し、円柱状電極部Cの外径dが16mmの場合には、下記式(2)により、半導電性部材Tの表面抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは半導電性部材Tの厚さ(cm)を示す。なお、上記体積抵抗率は、22℃、55%RHの環境で測定したものである。
式(2) ρv=19.6×(100(V)/I)×t
例えば、ポリアミドイミド樹脂は、酸成分と、ジアミンと、を有機極性溶媒中で、60〜200℃、好ましくは100〜180℃に加熱しながら攪拌することで容易に製造することができる。
すなわち、上記Bのエメラルジン構造を持つ脱ドープ状態のポリアニリンを、ドープ(導電化)とすることにより得られる、ドープ状態のポリアニリンである上記Dのエメラルジン塩構造を有するポリアニリンが、高い電気伝導度を有する。
また、市販品としては、パニポール社製「Panipol PA」が挙げられる。
このようなプロトン酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、及びアリルスルホン酸、キシレンスルホン酸、エタンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸などスルホン酸化合物、有機カルボン酸化合物、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、フェノールホスホン酸等のリン酸化合物を挙げることができる。
また、ドーパントは、所定の濃度の溶液として添加されることが好ましい
具体的には、ポリアミドイミド樹脂組成物中には、脱ドープ状態のポリアニリン1モル(上記「化1」のB構造)に対してドーパントを0.6〜3モル、好ましくは1〜2モルの範囲で配合するのが適当である。0.6モルを下回ると、所望の導電性を発現するためのポリアニリンの量を多く配合する必要があり、必要な機械強度が得られなくなる。また、3モルを超えると、28℃、85%RHの高温、高湿度の下において、遊離しているドーパントの影響で、各種環境下での電気特性の変化が大きく、実用に供し得ない。
この充填材には、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、ウィスカー、硫酸バリウム等の絶縁性フィラー;酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アンチモンドープの酸化チタン、カーボンブラックなどの導電/半導電フィラー;などを使用することができる。導電/半導電フィラーを用いた場合は、添加量をパーコレーション閾値以下とすることで絶縁性フィラーと同等に使用することができる。
このポリアミドイミド樹脂組成物を調製する際の混合手段としては、攪拌機、サンド・グラインド・ミル、アトライターなどが適当であるが、これらに限るものではなく、均一に混合できるものであればよい。
本発明の半導電性部材は、上記ポリアミドイミド樹脂組成物を、200℃以上290℃以下の最高温度で加熱する加熱工程を有している。
なお、金型の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、従来既知の様々な素材の円筒形の成形型を用いることもできる。また、金型や成形型の表面にガラスコートやセラミックコートなどを設けること、また、シリコーン系やフッ素系の剥離剤を使用することも適宜選択されうる。
なお、円筒状金型に対するクリアランス調整がなされた膜厚制御用金型を、円筒形金型に通し平行移動させることで、余分な溶液を排除し、円筒状金型上の溶液の厚みを均一にする方法を適用してもよい。ここで、円筒状金型上へ塗布液を塗布する段階で、塗布液の均一な厚み制御がなされていれば、特に、膜厚制御用金型を用いなくてもよい。
この際、乾燥温度は50〜150℃の範囲であることが好ましい。
なお、この2次乾燥処理が、本発明の半導電性部材の製造方法の加熱工程に相当する。なお、以下では、この二次乾燥処理を適宜、加熱工程と称する。
すなわち、上記加熱工程における、ポリアミドイミド樹脂組成物を加熱するときの最高温度X(℃)と、この最高温度の保持時間Y(hr)と、は、アレニウス則の反応速度と温度との関係に基づき、
(式) Y・2(X−200)/10≦128の関係を満たしていればよい。
ポリアニリンの導電効率が悪く、ポリアニリンが熱劣化すると言う問題が生じることがある。
半導電性部材に含まれるポリアニリンが導電性を示すエメラルジン塩の形態であれば、波長520nmを含む緑色の光を、緑の補色である赤色の光(波長670nm)の光に比べて良く透過する。このため、λg/λrが1以上である本発明の半導電性部材は、ポリアニリンによる導電性を有するといえる。
また、表面抵抗率のばらつきが0.3logΩ/□以下で、且つ表面抵抗率の電圧依存性が低いことから、機械的及び電気的特性に優れた半導電性部材、及び半導電性部材の製造方法を提供することができるといえる。
本発明の画像形成装置は、上述した半導電性部材を具備するものであれば如何なる構成であってもよい。具体的には、例えば、装置内に単色(通常は黒色)画像を形成するモノカラー電子写真装置や、感光体上に担持されたトナー像を中間転写ベルトに順次一次転写を繰り返すカラー電子写真装置や、色毎の現像器を備えた複数の感光体を中間転写ベルト上に直列に配列した、タンデム型カラー電子写真装置のいずれであってもよい。また、中間転写ベルトを用いた中間転写方式であり、ベルトを直接または間接的に加熱する機構の画像形成装置であってもよい。
上述のように、本発明の半導電性部材は、機械的及び電気的特性に優れた半導電性部材であることから、これを画像形成装置に適用することで、長寿命で且つ画質劣化を抑制可能な画像形成装置を提供することができる。
例えば、感光体1上に黒色画像に応じた静電潜像が形成されると、該静電潜像は、黒色トナーが収容されている現像器(例えば現像器41)によって現像されて黒色トナー像が感光体1上に形成される。
一次転写装置5としては、コロトロン等のコロナ転写器、転写ロール、転写ブレードなどが用いられる。一次転写装置5には、電圧印加機構(図示省略)によってトナーの帯電極性と逆極性の電圧が1〜4KV程度印加され、感光体1と一次転写装置5との間に発生する電界の作用により、感光体1に担持されたトナー像が中間転写ベルト7に一次転写される。
<ポリアニリン溶液の調整>
10L−セパラブル・フラスコに、イオン交換水6000g、35%塩酸400ml、及びアニリン400g(4.295モル)を仕込み、攪拌を行ってアニリンを溶解させた。
ビーカー容器に、氷水にて冷却しながら、イオン交換水1493gに、酸解離定数pka値4.0以下のプロトン酸である濃硫酸434g(4.295モル、97%濃硫酸)を添加・混合して、硫酸水溶液を調製した。この硫酸水溶液をアニリン溶液に氷冷しながら徐々に加えた。
得られた粉末を濾別し、水洗、アセトン洗浄し、室温で真空乾燥して、硫酸にてドープされた導電性ポリアニリン430gを黒緑色の粉末として得た。
2Nアンモニア水4L中に加え、オートホモミキサーにて回転数5000rpmにて5時間攪拌することにより、脱ドープ状態のポリアニリン分散液(濃度7質量%)を得た。この分散液を、ブフナー漏斗にて濾別し、蒸留水にて洗浄し、更に中性になるまでアセトンにて洗浄した。その後粉末を10時間乾燥し、黒褐色の脱ドープ粉体280gを得た。この粉末50gをN−メチル−2ピロリドン950gに溶解して5質量%の脱ドープ状態のポリアニリン溶液を得た。
上記の方法で調整した脱ドープ状態のポリアニリン溶液300gに、脱ドープ状態のポリアニリンに対して1.5モルのドデシルベンゼンスルフォン酸を加えたものを、ポリアミドイミド樹脂のN−メチル−2ピロリドン溶液(東洋紡績(株)バイロマックス HR16NN 濃度15質量%)900gに加えて 攪拌羽根付き容器を用いて30分間攪拌した。これにより、脱ドープ状態のポリアニリンと、ドーパントのドデシルベンゼンスルフォン酸と、ポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を得た。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、200℃で30分、260℃で30分、と段階的に昇温して二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン10質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
なお、厚さは、ミツトヨ社製マイクロメータ(商品名デジマチックMDC−MJ)を用いて求めた。
実施例1で作製した脱ドープ状態のポリアニリン溶液360gに、脱ドープ状態のポリアニリンに対して1.5モルのドデシルベンゼンスルフォン酸を加えたものを、ポリアミドイミド樹脂のN−メチル−2ピロリドン溶液(東洋紡績(株)バイロマックス HR16NN 濃度15質量%)880gに加えて攪拌羽根付き容器を用いて30分間攪拌した。これにより、脱ドープ状態のポリアニリンと、ドーパントのドデシルベンゼンスルフォン酸と、ポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を得た。
実施例1で作製したポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を用い、実施例1で用いたアルミ製円筒状金型表面に厚さ640μmに均一に塗布した。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、200℃で30分間二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン10質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
実施例1で作製したポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を用い、実施例1で用いたアルミ製円筒状金型表面に厚さ640μmに均一に塗布した。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、200℃で60分間乾燥する二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン10質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
実施例1で作製したポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を用い、実施例1で用いたアルミ製円筒状金型表面に厚さ640μmに均一に塗布した。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、250℃で30分間乾燥する二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン10質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
実施例1で作製したポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を用い、実施例1で用いたアルミ製円筒状金型表面に厚さ640μmに均一に塗布した。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間一次乾燥処理を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、250℃で60分間二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン10質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
実施例1で作製したポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を用い、実施例1で用いたアルミ製円筒状金型表面に厚さ640μmに均一に塗布した。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、250℃で120分間乾燥する二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン10質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
実施例1で作製した脱ドープ状態のポリアニリン溶液240gに、脱ドープ状態のポリアニリンに対して1.5モルのドデシルベンゼンスルフォン酸を加えたものを、ポリアミドイミド樹脂のN−メチル−2ピロリドン溶液(東洋紡績(株)バイロマックス HR16NN 濃度15質量%)940gに加えて攪拌羽根付き容器を用いて30分間攪拌した。これにより、脱ドープ状態のポリアニリンと、ドーパントのドデシルベンゼンスルフォン酸と、ポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を得た。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、260℃で30分間乾燥する二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン6質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
実施例1で作製した脱ドープ状態のポリアニリン溶液270gに、脱ドープ状態のポリアニリンに対して1.5モルのドデシルベンゼンスルフォン酸を加えたものを、ポリアミドイミド樹脂のN−メチル−2ピロリドン溶液(東洋紡績(株)バイロマックス HR16NN 濃度15質量%)920gに加えて攪拌羽根付き容器を用いて30分間攪拌した。これにより、脱ドープ状態のポリアニリンと、ドーパントのドデシルベンゼンスルフォン酸と、ポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を得た。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、260℃で30分間乾燥する二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン8質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
実施例1で作製したポリアミドイミドからなる塗液(ポリアミドイミド樹脂組成物)を用い、実施例1で用いたアルミ製円筒状金型表面に厚さ640μmに均一に塗布した。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。一次乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、275℃で30分間乾燥する二次乾燥処理(加熱工程)を行った。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型から半導電性部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン10質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmの半導電性部材を得た。
N−メチル−2ピロリドンに、カーボンブラック(デグサ(株)スペシャルブラック4)を29.6wt%になるように添加して、ミキサーで混合して得たカーボンブラック溶液100gを、実施例1で用いたポリアミドイミド樹脂のN−メチル−2ピロリドン溶液東洋紡績(株)バイロマックス HR16NN 濃度15質量%)900gに加えて攪拌羽根付き容器を用いて30分間十分に攪拌した。これにより、カーボンブラックとポリアミドイミドと、からなる塗液を得た。
さらに、比較例1で調整した上記塗液を、実施例1と同様にして、ガラス基板上に塗布し、実施例1と同様にして乾燥処理を行い、フィルム状の厚さ20μmのフィルムを作製した。
実施例1で作製した脱ドープ状態のポリアニリン溶液360gに、脱ドープ状態のポリアニリンに対して1.5モル当量のドデシルベンゼンスルフォン酸を加えたものを、ポリアミック酸樹脂のN−メチル−2ピロリドン溶液(宇部興産(株) ユーワニスA 18質量%)900gに加えて攪拌羽根付き容器を用いて30分間攪拌した。これにより、脱ドープ状態のポリアニリンと、ドーパントのドデシルベンゼンスルフォン酸と、ポリアミック酸樹脂からなる塗液を得た。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理(一次乾燥処理)を行った。乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、さらに200℃で30分間、250℃で30分間、320℃で60分間と段階的に昇温して乾燥・イミド化を終了した。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型からこのベルト部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン10質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmのベルト部材を得た。
実施例1で作製した脱ドープ状態のポリアニリン溶液810gを、ポリアミック酸樹脂のN−メチル−2ピロリドン溶液(宇部興産(株) ユーワニスA 18質量%)900gに加えて攪拌羽根付き容器を用いて30分間攪拌した。これにより、脱ドープ状態のポリアニリンと、ポリアミック酸樹脂からなる塗液を得た。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理を行った。乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、さらに200℃で30分間、250℃で30分間、300℃で30分間と段階的に昇温して乾燥・イミド化を終了した。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型からこのベルト部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン20質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmのベルト部材を得た。
実施例1で作製した脱ドープ状態のポリアニリン溶液810gに、ポリアミック酸樹脂のN−メチル−2ピロリドン溶液(宇部興産(株) ユーワニスA 18質量%)900gに加えて攪拌羽根付き容器を用いて30分間攪拌した。これにより、脱ドープ状態のポリアニリンと、ポリアミック酸樹脂からなる塗液を得た。
その後、円筒状金型を回転させながら、温度120℃の条件で30分間乾燥処理を行った。乾燥処理後、円筒状金型をオーブンに入れ、さらに200℃で30分間、250℃で30分間、300℃で60分間と段階的に昇温して乾燥・イミド化を終了した。
続いて、円筒状金型を室温で放冷し、金型からこのベルト部材を取り外し、ドープ状態のポリアニリン20質量%を含有してなる無端ベルト状の厚さ80μmのベルト部材を得た。
また、上記実施例1〜実施例10、及び比較例1〜比較例4で作製した半導電性部材、及びベルト部材各々について、引張り弾性率、屈曲破断回数、表面抵抗率、表面抵抗率ばらつき、表面抵抗率電圧依存、画質評価、及び寿命評価について、以下のように測定した。
測定結果は、下記表1に示した。
実施例1〜実施例10で作製したで半導電性フィルム、及び比較例1〜比較例4で作製したフィルム各々を、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ社 U-4000)を用い、波長520nm、波長670nm各々における光透過率(λg、λr)を求めた。得られた光透過率λg及びλrから、λg/λrを算出した。
引張弾性率の測定は、JIS K7127(1999)に準じておこない、温度22℃、湿度55%の環境下で、周方向のみ5回測定した平均値を測定値とした。より詳しくは、ダンベル3号の打ち抜き試験片(幅5mm)を作製し、アイコーエンジニアリング社製MODEL−1605Nを用いて、引張速度20mm/minで測定した。
―屈曲破断回数の測定方法―
屈曲破断回数の測定は、MIT試験機((株)東洋精機製作所社 No.530)を用い、JIS P8115(2001年)に準拠して実施した。
なお、通常、MIT試験による耐屈曲回数の測定には誤差が大きいので、本発明においては、作製した半導電性部材から10点以上の試験片を取り、耐屈曲回数を測定し、その平均値が1000回以上であることを要件とし、さらに、各測定値全てが1000回以上であることを要件とした。
表面抵抗率の測定は、抵抗計(ハイレスターIPのHRプローブ:油化電子(株)製)を用い、JIS K6911(1995)に準拠し、22℃55%RHの環境下にて100Vの電圧印可から30秒後の電流値から表面抵抗率の常用対数値を求めた。
なお、半導電性部材を周方向に8分割、幅方向に5分割して、半導電性部材面内の40点を計測し、その平均値を半導電性部材の表面抵抗率とした。
また、それらの最大値と最小値の常用対数値の差を、表面抵抗率ばらつきとした。
得られた半導電性部材を、図1の構造を持つ、富士ゼロックス(株)DocuColor 1256 GAに、中間転写ベルトとして組み込み、濃度均一性及び環境ラチチュードを評価した。
−濃度均一性の評価−
マゼンタ30%濃度ハーフトーンの画像を記録媒体(富士ゼロックス社製、商品名 J紙)に2枚形成し、2枚目の画像の濃淡を目視で判定した。
濃部と淡部の色差△Eが1未満である場合を、濃度均一性「正常」と評価し、1以上である場合を、「濃淡顕著」として評価した。
温度10℃、湿度15%及び温度28℃、湿度85%の環境にそれぞれ24時間放置した後に、該温度及び湿度の環境下において標準チャートとしての画像を上記記録媒体に2枚形成し、2枚目の画像の画質欠陥及び濃度を評価した。
上記環境ラチチュードの、各温度湿度条件下における測定結果に基づいて、画質欠陥が無く、濃度が均一である場合を環境ラチチュード「正常」と評価し、画質欠陥を生じるか、濃度が不均一である場合を、環境ラチチュード「狭い」と評価した。
該画像形成装置(富士ゼロックス(株)DocuColor 1256 GA)の中間転写ベルトを張架する部品に、機械公差の上限の変位を予め設定した状態で、中間転写ベルトとして、上記作製した半導電性部材を装着し、標準条件で500,000枚の出力に相当する寿命テストを実施し、半導電性部材の亀裂や破断の状況を確認した。
部材に亀裂や破断が認められない場合を寿命評価「正常」と評価し、部材に亀裂や破断が認められる場合を「破断」と評価した。なお、この「破断」の評価については、破断発生時の相当出力枚数を表1に併せて記載した。
また、本発明の半導電性部材(実施例1〜実施例10)は、表面抵抗率のばらつきが比較例1〜比較例4に比べて小さく、また、表面抵抗率の電圧依存性も低いといえる。このため、比較例1〜比較例4に比べて電気的特性にも優れているといえる。
従って、実施例1〜実施例10)で作製した半導電性部材は、比較例1〜比較例4に比べて、機械的強度に優れ、表面抵抗率のばらつきが小さく、且つ長寿命であり、しかも高品質の画像を安定して得ることができるといえる。
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写装置
7 中間転写ベルト
9 バックアップロール
10 バイアスロール
14 定着装置
20 画像形成装置
Claims (2)
- ポリアミドイミド樹脂と、非導電状態のポリアニリンと、該ポリアニリンを導電化させるドーパントと、有機極性溶媒と、を含有してなるポリアミドイミド樹脂組成物を、200℃以上290℃以下の最高温度で加熱する加熱工程を有する半導電性部材の製造方法。
- 前記加熱工程における、前記ポリアミドイミド樹脂組成物を加熱するときの最高温度X(℃)と、該最高温度の保持時間Y(hr)と、がY・2(X−200)/10≦128の関係を満たす請求項1に記載の半導電性部材の製造方法。
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JP2006224105A JP5098251B2 (ja) | 2006-06-30 | 2006-08-21 | 半導電性部材の製造方法。 |
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