JP5098234B2 - ジアセトキシアリル化合物の製造方法 - Google Patents
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空気雰囲気下、高圧条件で反応を行うため、反応液中にジアセトキシアリル化合物以外にも様々な微量副生物が生成し、それらの中には異性化触媒の劣化を著しく促進する成分が含まれていることを見出し、更にそれら触媒劣化を著しく促進する成分が溶解性の塩基類により除去可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明の要旨は下記(1)〜(6)に存する。
ジアセトキシアリル化合物の製造方法。
(2) 3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液と該含有液に可溶な塩基類との接触が60℃以上で行われることを特徴とする上記(1)に記載の製造方法。
(4) 塩基類がアミン類であることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の製造方法。
(6) 3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液と接触させる塩基類の量が3,4−ジアセトキシアリル化合物に対して10重量%〜0.0001重量%の範囲内である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
本発明の「3,4−ジアセトキシアリル化合物を触媒により異性化し、1,4−ジアセトキシアリル化合物を製造する方法」は、3,4−ジアセトキシアリル化合物を触媒により1,4−ジアセトキシアリル化合物に異性化する前に3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液を該含有液に可溶な塩基類と接触させることを特徴とする。
シアリル化合物の混合物を触媒と接触させて混合物中の1,4−ジアセトキシアリル化合物を3,4−ジアセトキシアリル化合物に異性化し、3,4−ジアセトキシアリル化合物純度を上げる方法」が挙げられる。
ジアセトキシアリル化合物を製造する共役ジエン類のジアセトキシ化反応は様々な方法で実施できる。最も一般的には、パラジウム系触媒の存在下、ブタジエン、酢酸及び酸素を反応させてジアセトキシアリル化合物である1,4−ジアセトキシ−2−ブテン及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを得ることができる。またそれらジアセトキシアリル化合物の加水分解物である1−ヒドロキシ−4−アセトキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテン、4−ヒドロキシ−3−アセトキシ−1−ブテンなども併せて生成する。本発明で使用可能な共役ジエン類として例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられ、好ましくはブタジエン、イソプレン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−ジクロペンタジエンであり、特に好ましくはブタジエン、イソプレンである。ブタジエン、イソプレンのような置換基の少ない共役ジエン類が、最も高い反応活性を示すことが好ましい理由である。共役ジエン類のジアセトキシ化反応に用いる触媒として、共役ジエン類をジアセトキシアリル化合物に変換する能力を有する触媒であれば何でも使用できるが、好ましくは第8〜10族遷移金属を含有する固体触媒であり、特に好ましくはパラジウム固体触媒である。パラジウム固体触媒は、パラジウム金属またはその塩からなり、助触媒としてビスマス、セレン、アンチモン、テルル、銅などの金属またはその塩の使用が好ましく、特に好ましくはテルルである。パラジウムとテルルの組み合わせが好ましい理由は、触媒活性の高さ、及びジアセトキシアリル化合物選択率の高さである。そのため、パラジウム及びテルルを活性成分として担持する固体触媒であることが好ましい。該パラジウム固体触媒は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、活性炭、グラファイトなどの担体に担持させて使用することが好ましく、特に好ましくは強度的に優れているシリカである。担体の物性として多孔質が好ましく、特にその平均細孔直径が1nm〜100nmである多孔質が好ましい。担体付触媒の場合、パラジウム金属は通常0.1〜20重量%、他の助触媒金属は0.01〜30重量%の範囲で選定される。この値が小さすぎると、触媒活性の低下によるコスト競争力が低下し、またこの値が大きすぎると、触媒コストの甚大化による競争力が低下してしまう。
4−ジアセトキシ−2−シクロヘキセン、1,4−ジアセトキシ−2−シクロペンテン、1,4−ジアセトキシ−2−シクロヘプテン、1,4−ジアセトキシ−2−シクロオクテンが好ましく、1,4−ジアセトキシ−1−ブテン、1,4−ジアセトキシ−2−メチル−1−ブテン、1,4−ジアセトキシ−3−メチル−1−ブテン、1,4−ジアセトキシ−1−シクロヘキセン、1,4−ジアセトキシ−1−シクロペンテンであり、特に好ましくは1,4−ブタンジオールの中間体である1,4−ジアセトキシ−1−ブテンである。また、3,4−ジアセトキシアリル化合物の加水分解物である3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテン、4−ヒドロキシ−3−アセトキシ−1−ブテンなどの異性化反応では、その1−ヒドロキシ−4−アセトキシ−2−ブテンを得ることができる。
また、R、R’、R1〜R54としてアリール基を用いる場合又はアリール骨格を有する置換基を用いる場合には、その炭素数は通常6〜20であり、好ましくは6〜14である。アリール基又はアリール骨格部分は更に置換基を有していても良く、置換基として、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数6〜20のアルキルアリール基、炭素数6〜20のアルキルアリーロキシ基、炭素数6〜20のアリールアルキル基、炭素数6〜20のアリールアルコキシ基、シアノ基、エステル基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子が挙げられる。R、R’、R1〜R54がアリール基である場合の具体例としてフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3‐ジメチルフェニル基、2,4‐ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、2‐t‐ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ニトロフェニル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、及び下記の(C−1)〜(C−8)が挙げられる。
基を有していても良い。
本発明でジアセトキシアリル化合物の異性化に使用される均一系錯体触媒の添加量は金属量で3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液に対して0.001wtppm〜1000wtppmが好ましく、より好ましくは0.01wtppm〜100wtppmであり、特に好ましくは0.1wtppm〜10wtppmである。触媒の添加量が少なすぎると反応速度が低下してしまい長大な反応器が必要となり、多すぎるとパラジウム、配位子コストが増大してしまう。
.1〜1000が好ましく、より好ましくは1〜100であり、特に好ましくは1〜10である。配位子の添加量が少なすぎると触媒劣化が進行し反応が完結する前に停止してしまい、多すぎると触媒コストが高すぎてプロセスの競争力が低下してしまう。
該異性化反応を行う際の反応温度は40℃〜200℃が好ましく、より好ましくは80℃〜180℃であり、特に好ましくは100℃〜160℃である。反応温度が低すぎると反応速度が低下し長大な反応器が必要となり、高すぎると触媒劣化が進行してしまう。
本発明においては、3,4−ジアセトキシアリル化合物を触媒により1,4−ジアセトキシアリル化合物に異性化する前に、前述した3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液を該含有液に可溶な塩基類と接触させることを必須とする。この塩基類とは、3,4−ジアセトキシアリル化合物に溶解可能な塩基性を有する化合物であれば効果を発揮し使用可能であるが、好ましくは無機塩基、アミン類より選ばれた少なくとも1種である。これらは特に限定されるものではなく、市販品を使用することができる。無機塩基としては、アルカリ又はアルカリ土類金属化合物が挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの金属の酸塩などが挙げられ、これらは2種以上を併用しても差し支えない。上記、塩基の中でより好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアミン類である。溶解性塩基としてのアミン化合物は1級、2級、3級のアミン、環状、鎖状アミンのいずれを用いても差し支えないが、異性化反応を行なう際にアセトキシアリル化合物が副生物を生成し難い3級のアミンが好ましい。具体的にはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリデカニルアミン、トリフェニルアミン、ジフェニルメチルアミン、ジフェニルエチルアミン、ジフェニルブチルアミン、ジメチルフェニルアミン、ジエチルフェニルアミン、ジブチルフェニルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリシクロヘプチルアミン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オ
クタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが好ましく、更に好ましくはトリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルフェニルアミン、トリシクロヘキシルアミン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデカン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンであり、特に好ましくはトリオクチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである。また、これらは2種以上を併用しても差し支えない。本発明で使用する塩基として、アミン類が好ましい理由は、反応液に完全に溶解することが可能であり、そのため触媒劣化成分を無害化する反応が均一系で進行するために、より効率よく無害化が可能であること、さらに反応終了後に生成物を蒸留留去して濃縮した液でも、固体化せず、配管の閉塞などを回避可能であることが、その理由である。 3,4−ジアセトキシアリル化合物を触媒により1,4−ジアセトキシアリル化合物に異性化する前に、前述した3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液を該含有液に可溶な塩基類と接触させる際の温度は、通常、60℃以上であり、好ましくは、100℃以上、特に好ましくは、140℃以上であり、一方、通常、220℃以下であり、好ましくは200℃以下、特に好ましくは180℃以下である。温度が低すぎると多量の該塩基類が必要となってしまい、コスト増加によりプロセス競争力が低下する。一方、温度が高すぎた場合には、加熱に多量のエネルギーが必要となりコストが増大する。
また塩基類は3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液に対して重量比で0.00001重量%〜100重量%の範囲で使用することが可能であり、より好ましくは0.0001重量%〜10重量%であり、特に好ましくは0.001重量%〜1重量%である。この重量比で3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液と溶解性の塩基類とを接触することができる。塩基類が少なすぎた場合には、触媒劣化成分の無害化の進行が非常に遅くなりすぎるためであり、また塩基類を多く加えすぎると、無害化に必要な塩基類のコストが甚大となってしまう。
本発明において、異性化反応で得られた反応液には、反応生成物である1,4−ジアセトキシアリル化合物の他に、未反応の3,4−ジアセトキシアリル化合物が存在しており、該反応液から蒸留などにより3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液を分離することができる。その際の蒸留塔の圧力は任意に設定することができるが、塔底温度を低くするために、塔頂圧力を1〜760mmHgとすることが好ましい。また、より好ましくは塔頂圧力が5〜200mmHgであり、特に好ましくは10〜100mmHgの範囲である。この塔頂圧力が低すぎると、圧力を保つために多大なコストが必要となり、さらに蒸留塔そのものが大きなものとなり、プロセスの建設コストが増大してしまう。また、高すぎる場合には、蒸留塔の塔底温度が高くなり、蒸気コストが増大してしまう。塔頂温度は通常0℃〜200℃以下であり、好ましくは20℃〜160℃、より好ましくは40℃〜140℃の範囲である。塔頂温度が低すぎると冷却器など特殊な装置が必要となりコスト悪化となる。また温度が高すぎると、塔底温度もより高い温度となるために、蒸気コストが増大してしまう。還流比は1〜100で差し支えなく、好ましくは1〜10である。還流比が小さすぎると、分離能の悪化を引き起こし、還流比が高すぎると必要な熱量が増大し、コスト悪化原因となる。塔頂の留出量は、蒸留塔へ導入した3,4−ジアセトキシアリル化合物、及び1,4−ジアセトキシアリル化合物、及び低沸点化合物類、高沸点化合物類を含有する液のうち、3,4−ジアセトキシアリル化合物と軽沸点化合物類の合計量を留出させることが望ましい。また側流から3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液を留出させ、塔頂から軽沸点化合物類を留出させる場合には、それぞれ側流から導入液中の3,4−ジアセトキシアリル化合物含有量、塔頂から軽沸点化合物類の含有量を留出させることが好ましい。
の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテンの分析は内部標準法によるガスクロマトグラフィーにより行った。内部標準物質としてドデカンを使用した。
Pd−Te触媒1kgの存在下に、ブタジエン0.21kg/hr、酢酸2.94kg/hr、6vol%酸素/94vol%窒素混合ガス0.34kg/hrを流通させ、80℃、6MPaの条件でアセトキシ化反応させて、1,4−ジアセトキシ−2−ブテンが81重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが9重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが2重量%、酢酸3重量%、その他軽沸点化合物類が3重量%、高沸点化合物類が2重量%を含む混合液を得た。
参考例1で得た混合液11Lから3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を連続蒸留により分離した。尚、蒸留には20段のオルダーショウ蒸留塔を使用した。塔頂圧力は20mmHg、還流比は3、塔頂温度は95℃、塔底温度は151℃の温度範囲において保持し、150cc/hrの流量で塔底から10段の位置に連続導入し、塔頂部から27cc/hrで連続留出を行い、塔底から123cc/hrで連続抜き出しを行なった。本連続蒸留により、塔底から1,4−ジアセトキシ−2−ブテンを含有する液を缶出液として得、塔頂から3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を留出液として得た。得られた3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液は、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが45重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが11重量%、酢酸が22重量%、その他3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分が20重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が2重量%を含む混合液であった。また、該3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の1,4−ジアセトキシ−2−ブテンの含有量は1重量%以下であった。
参考例2で得た3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液1Lから連続蒸留により軽沸点化合物類の大部分を分離した。尚、蒸留には40段のオルダーショウ蒸留塔を使用した。塔頂圧力は100mmHg、還流比は1、塔頂温度は95℃、塔底温度は148℃の温度において保持し、100cc/hrの流量で塔底から20段の位置に連続導入し、塔頂部から41cc/hrで連続留出を行い、塔底から59cc/hrで連続抜き出しを行なった。本連続蒸留により、塔頂から軽沸点化合物類を留出液として得た。該留出中には酢酸が59重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが1.6重量%(蒸留塔に導入する3,4−ジアセトキシアリル化合物量の1.5重量%に相当)、その他、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分39.4重量%含まれていた。また塔底からの抜き出した液中には3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが72重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが18重量%、その他軽沸点化合物類が6重量%、高沸点化合物類4重量%を含む3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を得た。
窒素ガス雰囲気下、ガラス製シュレンク内で酢酸パラジウム10.5mg、前記L-2
1で表されるホスファイト配位子96.3mg、トリフェニルホスフィン49.8mgを参考例3で得た3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液41.3g中に添加した。この混合液を80℃で1時間加熱し、完全に溶解させ触媒液を得た。
上記の参考例3「3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の精製蒸留」で得た3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが72重量%、
3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが18重量%、その他3,4−ジアセトキ
シ−1−ブテンよりも沸点の低い成分が6重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が4重量%を含む精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)1.5ccに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.60mg(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに対して0.056重量%)を添加した後、150℃の温度で3時間攪拌を行なった。
実施例1において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンの添加量を0.075mg(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに対して0.0069重量%)に変えた以外は、同様に実施した。異性化反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの重量比率は44:56であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
実施例1において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンを添加した後の攪拌を、140℃の温度で2時間行った以外は、同様に行った。
異性化反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの重量比率は40:60であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
実施例1において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンの添加量を15mg(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに対して1.39重量%)、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンを添加した後の攪拌時の温度を60℃に変更した以外は、同様に行った。
異性化反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの重量比率は42:58(1,4−体:3,4−体)であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
実施例1において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンを添加した後の攪拌を、5分に変更した以外は、同様に行った。反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの重量比率は41:59であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
実施例4において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン15mg(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに対して1.39重量%)を添加した後の攪拌を、40℃の温度に変更した以外は、同様に行った。反応後の液をガスクロマトグラフィーに
より分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの重量比率は38:62であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
実施例1において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンを添加しないように(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに対して0.0重量%)変更した以外は実施例1と同様にした。異性化反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの重量比率は26:74であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
Claims (3)
- 3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを触媒により異性化し、1,4−ジアセトキシ−2−ブテンを製造する方法において、該触媒がP−O結合を有するリン化合物を配位子として有する液相均一系パラジウム錯体触媒であって、該触媒による異性化の前にブタジエンのジアセトキシ化反応により得られた反応生成物流である3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を無機塩基又はアミン類と接触させることを特徴とする1,4−ジアセトキシ−2−ブテンの製造方法。
- 3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液と無機塩基又はアミン類との接触が60℃以上で行われることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液と接触させる無機塩基又はアミン類の量が3,4−ジアセトキシアリル化合物に対して10重量%〜0.0001重量%の範囲内である請求項1又は2のいずれかに記載の製造方法。
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