JP5374830B2 - ジアセトキシアリル化合物の異性化方法 - Google Patents
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Description
(2) 前記3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液が、第8〜10族遷移金属を含有する固体触媒を用いて、ブタジエンのジアセトキシ化反応により製造されたものであることを特徴とする(1)に記載の方法。
(3) 前記蒸留塔の塔底缶出液及び/又は側流から抜き出した精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を、陰イオン交換樹脂、アミノ基または置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、ポリアミド、無機塩基より選ばれた少なくとも1種と接触させ、次いで該3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを2座のホスファイトを配位子として有するパラジウム錯体触媒より1,4−ジアセトキシ−2−ブテンに異性化することを特徴とする(1)又は(2)に記載の方法。
(4) 前記3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を、蒸留塔に導入する前に陰イオ
ン交換樹脂、アミノ基または置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、ポリアミド、無機塩基より選ばれた少なくとも1種と接触させることを特徴とする(1)又は(2)に記載の方法。
(5) 前記蒸留塔の塔底缶出液及び/又は側流から抜き出した精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液中の酢酸濃度が、0.5重量%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 下記(i)〜(iv)の工程を有する1,4−ジアセトキシ−2−ブテンの製造方法。
(i)8〜10族遷移金属を含有する固体触媒を用いて、ブタジエンのジアセトキシ化反応により1,4−ジアセトキシ−2−ブテン及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを含む液を得るジアセトキシ化工程、
(ii)上記ジアセトキシ工程において得られた1,4−ジアセトキシ−2−ブテン及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを含む液を蒸留に供し、塔底から1,4−ジアセトキシ−2−ブテン含有液を、塔上部から3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を得る分離工程、
(iii)上記分離工程において得られた3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を蒸留塔に導入し、蒸留塔の塔頂留出液中に3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが含有する条件にて蒸留し、該蒸留塔に導入する3,4−ジアセトキシ−1−ブテン量に対する該蒸留塔の塔頂留出液中の3,4−ジアセトキシ−1−ブテン量が0.1重量%以上、10重量%未満であって、蒸留塔の塔底缶出液及び/または側流から精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを得る軽沸点化合物分離工程、
(iv)上記軽沸点化合物分離工程で得られた精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを、2座のホスファイトを配位子として有する液相均一系パラジウム錯体触媒により1,4−ジアセトキシ−2−ブテンに異性化する異性化工程。
(7) (ii)分離工程と(iii)軽沸点化合物分離工程の間、又は(iii)軽沸点化合物分離工程と(iv)異性化工程の間に、下記(ii’)の接触工程を有することを特徴とする(6)に記載の1,4−ジアセトキシ−2−ブテンの製造方法。
(ii’)上記分離工程で得られた3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を、陰イオン交換樹脂、アミノ基または置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、ポリアミド、無機塩基より選ばれた少なくとも1種と接触させる接触工程
(8) (iv)異性化工程で得られた異性化の反応液を蒸留して3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを回収し、回収された3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを(iii)分離工程に循環導入することを特徴とする(6)又は(7)に記載の方法。
ジアセトキシアリル化合物を製造する共役ジエン類のジアセトキシ化反応は様々な方法で実施できる。最も一般的には、パラジウム系触媒の存在下、ブタジエン、酢酸及び酸素を反応させてジアセトキシアリル化合物である1,4−ジアセトキシ−2−ブテン及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを得ることができる。またそれらジアセトキシアリル化合物の加水分解物である1−ヒドロキシ−4−アセトキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテン、4−ヒドロキシ−3−アセトキシ−1−ブテンなども併せて生成する。本発明で使用可能な共役ジエン類として例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられ、好ましくはブタジエン、イソプレン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−ジクロペンタジエンであり、特に好ましくはブタジエン、イソプレンである。ブタジエン、イソプレンのような置換基の少ない共役ジエン類が、最も高い反応活性を示すことが好ましい理由である。共役ジエン類のジアセトキシ化反応に用いる触媒としては、共役ジエン類をジアセトキシアリル化合物に変換する能力を有する触媒であれば何でも使用できるが、好ましくは第8〜10族遷移金属を含有する固体触媒であり、特に好ましくはパラジウム固体触媒である。パラジウム固体触媒は、パラジウム金属またはその塩からなり、助触媒としてビスマス、セレン、アンチモン、テルル、銅などの金属またはその塩の使用が好ましく、特に好ましくはテルルである。パラジウムとテルルの組み合わせが好ましい理由は、触媒活性の高さ、及びジアセトキシアリル化合物選択率の高さである。そのため、パラジウム及びテルルを活性成分として担持する固体触媒であることが好ましい。該パラジウム固体触媒は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、活性炭、グラファイトなどの担体に担持させて使用することが好ましく、特に好ましくは強度的に優れているためにシリカである。担体の物性として多孔質が好ましく、特にその平均細孔直径が1nm〜100nmである多孔質が好ましい。担体付触媒の場合、パラジウム金属は通常0.1〜20重量%、他の助触媒金属は0.01〜30重量%の範囲で選定される。この値が小さすぎると、触媒活性の低下によるコスト競争力が低下し、またこの値が大きすぎると、触媒コストの甚大化による競争力が低下してしまう。
上記の様に3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液中の軽沸点化合物を除去するには、3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液を蒸留塔に導入し、蒸留塔の塔頂留出液中に3,4−ジアセトキシアリル化合物が含有する条件にて蒸留し、蒸留塔の底部缶出液及び/又は側流から精製3,4−ジアセトキシアリル化合物を抜き出せばよい。3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液中の軽沸点化合物は3,4−ジアセトキシアリル化合物よりも沸点が低いので、蒸留塔の塔頂留出液中に3,4−ジアセトキシアリル化合物が含有する条件にて蒸留すれば、3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液中のほぼ全ての軽沸点化合物は蒸留塔の塔頂留出液側に移動する。具体的には、蒸留塔の塔頂留出液中の3,4−ジアセトキシアリル化合物の濃度が、蒸留塔に導入する3,4−ジアセトキシアリル化合物量の0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上であり、通常10重量%未満、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。蒸留塔の塔頂留出液中の3,4−ジアセトキシアリル化合物の濃度が低すぎると触媒劣化成分を含む軽沸点化合物の除去が不完全となってしまい、高すぎると3,4−ジアセトキシアリル化合物の損失が過多となるため、経済性が悪化する。
塔頂の留出量は、3,4−ジアセトキシアリル含有液中の3,4−ジアセトキシアリル化合物よりも軽沸点である軽沸点化合物の合計量を留出させることが望ましい。蒸留塔物質収支は、蒸留塔の塔底缶出液及び/又は側流から精製3,4−ジアセトキシアリル化合物を抜き出し、蒸留塔の塔頂留出液中に若干の3,4−ジアセトキシアリル化合物を含む軽沸点化合物を留出させる場合で、単位時間あたりの導入流量重要を100とした場合、単位時間あたりの塔頂留出流量が1〜60、好ましくは5〜50である。その際の塔底から精製3,4−ジアセトキシアリル化合物を抜き出す場合には、単位時間あたりの精製3,4−ジアセトキシアリル化合物の抜き出し量は40〜99が好ましく、より好ましくは50〜95である。 また、側流として精製3,4−ジアセトキシアリル化合物を抜き出す場合には、単位時間当たりの3,4−ジアセトキシアリル化合物抜き出し量は40〜99が好ましく、より好ましくは50〜95であり、塔底からの缶出液の抜き出し量は1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10である。この缶出液は、本蒸留塔あるいは、前述の1,4-ジアセトキシアリル化合物と3,4−ジアセトキシアリル化合物を分離する蒸留塔に循環しても差し支えない。本発明における側流は、蒸留塔の塔頂と塔底以外の中途の段からであれば、抜き出す箇所は特に限定されないが、軽沸点化合物をより容易に分離する理由から、好ましくは3,4-ジアセトキシアリル化合物含有液を供給する段より下方の段である。また、側流から抜き出す精製3,4−ジアセトキシアリル化合物は、蒸気または液のどちらで抜き出しても差し支えない。
本発明における3,4−ジアセトキシアリル化合物とは、具体的には3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、3,4−ジアセトキシ−2−メチル−1−ブテン、3,4−ジアセトキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−ジアセトキシ−2,3−ジメチル−1−ブテン、3,4−ジアセトキシ−1−シクロヘキセン、3,4−ジアセトキシ−1−シクロペンテン、3,4−ジアセトキシ−1−シクロヘプテン、3,4−ジアセトキシ−1−シクロオクテンが好ましく、より好ましくは3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、3,4−ジアセトキシ−2−メチル−1−ブテン、3,4−ジアセトキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−ジアセトキシ−1−シクロヘキセン、3,4−ジアセトキシ−1−シクロペンテンであり、特に好ましくは1,4−ブタンジオールの中間体である1,4−ジアセトキシ−2−ブテンへと転換できる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンである。またこれら3,4−ジアセトキシアリル化合物の加水分解物である3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテン、4−ヒドロキシ−3−アセトキシ−1−ブテンなどの異性化反応においても、 本発明は適用可能である。
本発明でジアセトキシアリル化合物の異性化に使用される均一系錯体触媒の添加量は金属量で3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液に対して0.001wtppm〜1000wtppmが好ましく、より好ましくは0.01wtppm〜100wtppmであり、特に好ましくは0.1wtppm〜10wtppmである。触媒の添加量が少なすぎると反応速度が低下してしまい長大な反応器が必要となり、多すぎるとパラジウム、配位子コストが増大してしまう。
該異性化反応を行う際の反応温度は40℃〜200℃が好ましく、より好ましくは80℃〜180℃であり、特に好ましくは100℃〜160℃である。反応温度が低すぎると反応速度が低下し長大な反応器が必要となり、高すぎると触媒劣化が進行してしまう。
また固体塩基は3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液に対して重量比で0.00000001〜1の範囲で使用することが可能であり、より好ましくは0.0000001〜0.01であり、特に好ましくは0.00001〜0.001である。この重量比で3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液と固体塩基とを接触することができる。
異性化後の反応液は溶媒を蒸留などで除去した後、更に3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液と1,4−ジアセトキシアリル化合物含有液とに分離する。得られた3,4−ジアセトキシアリル化合物含有液はそのまま、あるいは更に蒸留などで精製した後、異性化反応器へとリサイクル使用することが望ましい。また分離して得られた1,4−ジアセトキシアリル化合物含有液は、そのまま、あるいは更なる蒸留などによる精製を経た後。遷移金属触媒存在下、水素化され置換基を有しても良い1,4−ジアセトキシブタン化合物へと変換される。ここで使用する遷移金属触媒は通常の市販の水素化触媒で差し支えないが、好ましくはパラジウムまたはルテニウムなどの貴金属を含有する触媒、あるいはニッケル触媒である。これら水素化触媒の存在下、40〜180℃の温度範囲で、水素と1,4−ジアセトキシアリル化合物含有液とを接触させ、常圧〜15MPaの圧力範囲条件で実施することができる。反応温度が高すぎると触媒劣化が迅速に進行してしまい、温度が低すぎると反応速度が低下してしまう。圧力が低すぎると反応速度が低下してしまい、圧力が高すぎると高価な反応器が必要となってしまう。
参考例1:ブタジエンのアセトキシ化反応工程
Pd−Te触媒1kgの存在下に、ブタジエン0.21kg/hr、酢酸2.94kg/hr、6%酸素/94%窒素混合ガス0.34kg/hrを流通させ、80℃、6MPaの条件でアセトキシ化反応させて、1,4−ジアセトキシ−2−ブテンが81重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが9重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1− ブテンが2重量%、酢酸3重量%、その他3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点
の低い成分が3重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が2重量%を含む混合液を得た。
参考例1で得た混合液11Lを連続蒸留により3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液と、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン含有液とに分離した。尚、蒸留には40段のオルダーショウ蒸留塔を使用した。塔頂圧力は20mmHg、還流比は3、塔頂温度は95℃、塔底温度は151℃の温度範囲において保持し、150cc/hrの流量で塔底から20段の位置に連続導入し、塔頂部から27cc/hrで連続留出を行い、塔底から123cc/hrで連続抜き出しを行なった。本連続蒸留により、塔底から1,4−ジアセトキシ−2−ブテン含有液を缶出液として得、塔頂から3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を留出液として得た。得られた3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液は、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが45重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが11重量%、酢酸が22重量%、その他3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも 沸点の低い成分が20重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が2重量%を含む混合液であった。また、該3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の1,4−ジアセトキシ−2−ブテン含有量は1重量%以下であった。
窒素ガス雰囲気下、ガラス製シュレンク内で酢酸パラジウム5.1mg、ホスファイト配位子(L25)56mg、トリフェニルホスフィン25mgをトルエン8.8cc中に添加した。この混合液を120℃で5分間加熱し、完全に溶解させ触媒液を得た。
(a)3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の精製
参考例2で得た3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液1Lを連続蒸留により3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分の大部分を分離した。尚、蒸留には40段のオルダーショウ蒸留塔を使用した。塔頂圧力は100mmHg、還流比は1、塔頂温度は95℃、塔底温度は148℃の温度において保持し、100cc/hrの流量で塔底から20段の位置に連続導入し、塔頂部から41cc/hrで連続留出を行い、塔底から59cc/hrで連続抜き出しを行なった。本連続蒸留により、塔頂から3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分を留出液として得た。該留出中には酢酸が59重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが1.6重量%(蒸留塔に導入する3,4−ジアセトキシアリル化合物量の1.5重量%に相当)、その他、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分39.4重量%含まれていた。また塔底からの抜き出した液中には3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが72重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが18重量%、その他3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸 点の低い成分が6重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が4重量%を含む精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを得た。
上記「(a)3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の精製」で得た精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが72重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが18重量%、その他3,4−ジアセトキシ−1−ブテ
ンよりも沸点の低い成分が6重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が4重量%を含む精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)1.5ccと、酢酸1.5cc、トリフェニルホスフィン1.5mgをシュレンク内で混合し、オイルバスで120℃に昇温した。そこに参考例3で調製した触媒液を13μL添加し、120℃で加熱攪拌を4時間行なった(反応液中のパラジウム濃度1.0wtppm)。反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−2−ブテンの重量比率は39:61(1,4−体:3,4−体)であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
(b)精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの固体塩基との接触
窒素ガス雰囲気下、実施例1の「(a)3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の精製」で得た精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが72重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが18重量%、その他3,4 −ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分が6重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が4重量%を含む精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)5.0ccに陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:ダイヤイオンWA21J)1.0gをガラス製の50ccシュレンク内で添加し、室温で2時間攪拌を行なった。攪拌終了後、シリンジにより精製3,4−ジアセトキシ−2−ブテンを抜き出して陰イオン交換樹脂と分離した。
上記で陰イオン交換樹脂と分離された精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン1.5ccと、酢酸1.5cc、トリフェニルホスフィン1.5mgをシュレンク内で混合し、オイルバスで120℃に昇温した。そこに参考例3で調製した触媒液を13μL添加し、12 0℃で加熱攪拌を4時間行なった(反応液中のパラジウム濃度1.0wtppm)。反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−2−ブテンの重量比率は44:56(1,4−体:3,4−体)であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
(a)3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の精製
参考例2で得た3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液300kgを連続蒸留により3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分の大部分を分離した。尚、蒸留には規則充填物TM−700M(MCパック)を5m充填した充填塔を使用した(HETP140mm/NTP)。塔頂圧力は100mmHg、還流比は3、塔頂温度は77℃、塔底温度は144℃の温度において保持し、20kg/hrの流量で塔底から2610mmの位置に連続導入し、塔頂部から7.6kg/hrで連続留出を行い、塔底から580mmの位置から側流として11.4kg/hr、塔底から1kg/hrで連続抜き出しを行なった。本連続蒸留により、塔頂から3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分を留出液として得た。該留出中には酢酸が71重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが0.18重量%(蒸留塔に導入する3,4−ジアセトキシアリル化合物量の0.17重量%に相当)、その他、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分21重量%含まれていた。また塔底からの抜き出した液中には3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが70重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが9重量%、その他3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分が3重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が18重量%を含まれていた。また、側流からの抜き出した液中には3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが69重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが15重量%、その他3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分が4重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が12重量%を含む精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを得た。
上記「(a)3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の精製」で側流抜き出しから得られた精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが69重量%、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−1−ブテンが15重量%、その他3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の低い成分が4重量%、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンよりも沸点の高い成分が12重量%を含む精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン)1.5ccと、トリフェニルホスフィン0.6mgをシュレンク内で混合し、オイルバスで120℃に昇温して1時間撹拌した。撹拌終了後、酢酸1.5cc、参考例3で調製した触媒液を13μL添加し、130℃で加熱攪拌を3時間行なった(反応液中のパラジウム濃度1.0wtppm)。反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−2−ブテンの重量比率は44:56(1,4−体:3,4−体)であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
「(a)3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の精製」を行わなかったこと以外は実施例1と同様にした。反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−2−ブテンの重量比率は11:89(1,4−体:3,4−体)であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
「(a)3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液の精製」を行わなかったこと以外は実施例2と同様にした。反応後の液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(シス体、トランス体合計)と3,4−ジアセトキシ−2−ブテンの重量比率は19:81(1,4−体:3,4−体)であった。尚、ドデカンを内部標準として使用した。
Claims (8)
- 3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を蒸留塔に導入し、蒸留塔の塔頂留出液中に3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを含有する条件にて蒸留し、蒸留塔の塔底缶出液及び/又は側流から精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを抜き出し、次いで該精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを2座のホスファイトを配位子として有するパラジウム錯体触媒により1,4−ジアセトキシ−2−ブテンに異性化する方法であって、該蒸留塔に導入する3,4−ジアセトキシ−1−ブテン量に対する該蒸留塔の塔頂留出液中の3,4−ジアセトキシ−1−ブテン量が0.1重量%以上、10重量%未満であることを特徴とする1,4−ジアセトキシ−2−ブテンに異性化する方法。
- 前記3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液が、第8〜10族遷移金属を含有する固体触媒を用いて、ブタジエンのジアセトキシ化反応により製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記蒸留塔の塔底缶出液及び/又は側流から抜き出した精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を、陰イオン交換樹脂、アミノ基または置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、ポリアミド、無機塩基より選ばれた少なくとも1種と接触させ、次いで該3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを2座のホスファイトを配位子として有するパラジウム錯体触媒より1,4−ジアセトキシ−2−ブテンに異性化することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を、蒸留塔に導入する前に陰イオン交換樹脂、アミノ基または置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、ポリアミド、無機塩基より選ばれた少なくとも1種と接触させることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記蒸留塔の塔底缶出液及び/又は側流から抜き出した精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液中の酢酸濃度が、0.5重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 下記(i)〜(iv)の工程を有する1,4−ジアセトキシ−2−ブテンの製造方法。
(i)8〜10族遷移金属を含有する固体触媒を用いて、ブタジエンのジアセトキシ化反応により1,4−ジアセトキシ−2−ブテン及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを
含む液を得るジアセトキシ化工程、
(ii)上記ジアセトキシ工程において得られた1,4−ジアセトキシ−2−ブテン及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを含む液を蒸留に供し、塔底から1,4−ジアセトキシ−2−ブテン含有液を、塔上部から3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を得る分離工程、
(iii)上記分離工程において得られた3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を蒸留塔に導入し、蒸留塔の塔頂留出液中に3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが含有する条件かつ、該蒸留塔に導入する3,4−ジアセトキシ−1−ブテン量に対する該蒸留塔の塔頂留出液中の3,4−ジアセトキシ−1−ブテン量が0.1重量%以上、10重量%未満となる条件で蒸留し、蒸留塔の塔底缶出液及び/または側流から精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを得る軽沸点化合物分離工程、
(iv)上記軽沸点化合物分離工程で得られた精製3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを、2座のホスファイトを配位子として有する液相均一系パラジウム錯体触媒により1,4−ジアセトキシ−2−ブテンに異性化する異性化工程。 - (ii)分離工程と(iii)軽沸点化合物分離工程の間、又は(iii)軽沸点化合物分離工程と(iv)異性化工程の間に、下記(ii’)の接触工程を有することを特徴とする請求項6に記載の1,4−ジアセトキシ−2−ブテンの製造方法。
(ii’)上記分離工程で得られた3,4−ジアセトキシ−1−ブテン含有液を、陰イオン交換樹脂、アミノ基または置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、ポリアミド、無機塩基より選ばれた少なくとも1種と接触させる接触工程 - (iv)異性化工程で得られた異性化の反応液を蒸留して3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを回収し、回収された3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを(iii)分離工程に循環導入することを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
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