JP5097111B2 - 半導体光源装置 - Google Patents

半導体光源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5097111B2
JP5097111B2 JP2008517796A JP2008517796A JP5097111B2 JP 5097111 B2 JP5097111 B2 JP 5097111B2 JP 2008517796 A JP2008517796 A JP 2008517796A JP 2008517796 A JP2008517796 A JP 2008517796A JP 5097111 B2 JP5097111 B2 JP 5097111B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor laser
laser element
semiconductor
period
reverse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008517796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007138774A1 (ja
Inventor
大助 上田
正昭 油利
勝己 杉浦
賢一 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008517796A priority Critical patent/JP5097111B2/ja
Publication of JPWO2007138774A1 publication Critical patent/JPWO2007138774A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5097111B2 publication Critical patent/JP5097111B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/04Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping, e.g. by electron beams
    • H01S5/042Electrical excitation ; Circuits therefor

Description

本発明は、光ピックアップ装置又は固体照明装置等に用いられる窒化物半導体発光装置、特に、窒化物半導体レーザ素子又は窒化物半導体発光ダイオードを備えた半導体光源装置及び発光素子駆動回路に関する。
光ディスクの再生及び記録に用いられる光ピックアップ装置に搭載される半導体レーザ素子は、その発振波長が短いほど光ディスクの記録密度を高められることから、青色から紫色の波長で発振する窒化物半導体レーザ素子の開発が進められ、これを用いた光ピックアップ装置が実用に供せられるようになってきている。また、紫外域で発振する窒化物半導体レーザ素子は、紫外光で蛍光体を励起する固体照明装置への応用が考えられ、このような固体照明装置は蛍光灯に取って代わることが期待されている。一方、窒化物半導体よりなる発光ダイオードは、青色又は白色の発光ダイオードとして利用されている。
窒化物半導体発光ダイオード及び窒化物半導体レーザ素子の開発史を振り返ると、窒化物半導体は、低抵抗なp型結晶を得るのが難しいという大きな課題があった。窒化ガリウム(GaN)を始めとする窒化物半導体は格子欠陥が非常に多い半導体材料であり、さらに不純物を添加しない状態では結晶中に生じた窒素の空孔によりn型の導電性を示すことが知られていた。また、p型不純物を窒化物半導体に添加しても高抵抗なi型にしかならず、低抵抗なp型結晶を得るのは難しかった。
これに対し、p型不純物を添加した窒化物半導体を熱処理することによってp型半導体とする技術が開発された(例えば、特許文献1を参照。)。この技術は、半導体中に混入された水素(H)がp型不純物であるマグネシウム(Mg)と結合し、Mgがアクセプタとして機能せずに高抵抗となるという推察に基づいており、Mgを添加した窒化ガリウム(GaN)を熱処理することによって水素(H)を除去し、Mgを正常なアクセプタとして作用させることにより低抵抗なp型窒化ガリウムを得ている。この技術が発表されてからは、種々の研究機関によってp型窒化物半導体を得るための活性化熱処理技術が研究されるようになった。
しかしながら、活性化熱処理技術を用いても、p型窒化物半導体から完全に水素(H)を除去することは困難であり、窒化物半導体層中に残留する残留水素を金属水素化物層によって引き寄せ、マグネシウム(Mg)の活性化を促進する技術が開発された(例えば、特許文献2を参照。)。この技術は、特に、オーミック電極を形成するp型コンタクト層のキャリア濃度を高めることを目的としており、窒化物半導体よりなるp型コンタクト層と電極との間に金属水素化物層を介在させる構成を採る。この金属水素化物層によりMgの活性化が促進されて、コンタクト層として十分に高いキャリア濃度を得られるため、接触抵抗が極めて小さいオーミック接触を実現できる。但し、特許文献2の発明者自らが、この技術によって形成されたオーミック接触には経時的安定性に課題があると述べており、その解決策として水素吸収金属を堆積した後に除去し、再度電極を形成するという技術を開示している(例えば、特許文献3を参照。)。
以上、p型窒化物半導体の形成方法及びコンタクト層として用いた場合の信頼性に関する背景技術を説明したが、次に、窒化物半導体レーザ素子の信頼性試験に関する背景技術を説明する。窒化物半導体レーザ素子に対して寿命試験を行い、その劣化機構を検討した結果が報告されている(例えば、非特許文献1を参照。)。この窒化物半導体レーザ素子は、図11に示す構造を有している。
図11に示すように、サファイア基板1101の上に、ELO(epitaxial lateral overgrowth)技術によって、n型GaNよりなるバッファ層1102を成長する。続いて、形成されたバッファ層1102の上に、n型AlGaNよりなるクラッド層1103、n型GaNよりなるガイド層1104、多重量子井戸活性層1105、p型AlGaNよりなるオーバーフロー抑制層1106、p型GaNよりなるガイド層1107、p型AlGaN/GaNよりなる超格子クラッド層1108及びp型GaNよりなるコンタクト層1109を順次積層してレーザ構造を得る。
コンタクト層1109及び超格子クラッド層1108は、図面の前後方向に延びるストライプ状のリッジ構造となるようにエッチングによりパターニングされており、リッジ構造の上には、開口部を有する絶縁膜1110及びPd/Pt/Auの積層膜よりなるp側電極1111が形成されている。また、バッファ層1102のエッチングにより露出された領域には、Ti/Pt/Auの積層膜よりなるn側電極1112が形成されている。
非特許文献1は、寿命が長いレーザ素子と短いレーザ素子とについて互いの転位密度を比較している。その結果、砒化ガリウム(GaAs)系又は燐化インジウム(InP)系のレーザ素子の劣化機構として周知である、貫通転位からの転位増殖、又は貫通転位の構造変化は認められないとしている。また、劣化率がエージング時間の平方根に比例することから、拡散プロセスによって劣化が進行していると推測している。さらに、欠陥が転位に沿って拡散していき、活性層に到達することにより劣化が生じると結論付けている。
特開平5−183189号公報 特開平8−32115号公報 特開2002−75910号公報 特開2004−320024号公報 アイイーイーイー・ジャーナル・オブ・セレクティド・トピックス・イン・カンタム・エレクトロニクス誌、10巻、6号、1277頁〜1286頁(S. Tomiya et al., IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol. 10, pp. 1277-1286, Nov/Dec 2004)
本発明が解決しようとする課題は、広くいえば窒化物半導体発光素子の寿命を延ばすことにある。窒化物半導体レーザ素子を用いた光ピックアップ装置は実用に供せられるようにはなったものの、その寿命はAlGaAs系又はAlGaInP系の半導体レーザ素子と比べて短い。今後、より高速の再生動作及び記録動作を行える光ピックアップ装置を実現するためには、窒化物半導体レーザ素子の高出力化が必要であり、高出力にすればする程、その寿命は短くなる傾向にある。
また、窒化物半導体発光素子の固体照明装置への応用を考えた場合にも、窒化物半導体レーザ素子の長寿命化は不可欠である。さらに、窒化物半導体発光ダイオードについても、特に白色照明等に要求される高輝度化での利用を考えると、長寿命化が必須であるという課題がある。
本発明が解決しようとする課題は、具体的には、上記の背景技術に記載したような従来からいわれてきた劣化機構とは異なる窒化物半導体発光素子の劣化機構に対して、その進行を遅らせるということである。但し、この劣化機構は、本願発明者らの推測であり、事実関係から言えば、本願発明者らは窒化物半導体発光素子の劣化を遅れさせる駆動方法を見い出したものの、この効果を奏する理由として新たな劣化機構を推定したということである。この劣化機構は、p型窒化物半導体の形成方法、特にp型窒化物半導体層に残留する水素原子に関係していると推察される。この推察の詳細は、発明を実施するための最良の形態(第1の実施形態)において述べるが、以下に簡単に説明する。
活性化熱処理技術を用いても、p型窒化物半導体から完全に水素(H)を除去することは困難であることは上述した通りである。この残留水素は例えばマグネシウム(Mg)と結合しており、熱処理等を行わない限りその位置は固定されているものと認識されてきた。しかしながら、本願発明者らは、種々の実験により、窒化物半導体発光素子を通電駆動している間にも残留水素が移動するという結論を導き出している。すなわち、室温状態であってもその熱エネルギーによって、又はレーザ光による光励起によって、マグネシウム(Mg)と水素(H)との多数の結合のうちの一部が解離し、解離した水素イオン(H)が発光素子を駆動するバイアス電圧及び電流によって泳動し、泳動した先で再度Mgと結合するという現象が生じると推定される。この通電駆動による水素イオンの移動という現象が、窒化物半導体発光素子に生じる固有で且つ新たな劣化機構である。
上記の目的を達成するため、本発明は、半導体光源装置及び発光素子駆動回路を、窒化物半導体よりなる発光素子に対して順方向駆動動作のみならず逆方向駆動動作を行わせる構成とする。
具体的に、本発明に係る第1の半導体光源装置は、窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子を駆動する駆動回路とを備え、駆動回路は、半導体レーザ素子に順方向電流を供給することにより、半導体レーザ素子を発振させる順方向駆動動作と、半導体レーザ素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動動作とを行い、逆方向駆動動作を行う逆方向駆動期間は、順方向駆動動作を行わないレーザオフ期間内に設けられている。
第1の半導体光源装置によると、通常の順方向駆動動作で移動した水素を、順方向駆動動作を行わないレーザオフ期間内に行う逆方向駆動動作によって元の位置にまで戻すことができる。また、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを高速で切り換えることにより、水素の移動を抑制することができる。これにより、水素の移動による窒化物半導体レーザ素子の劣化が抑制されるため、長寿命化を実現できる。
第1の半導体光源装置において、逆方向バイアスの大きさは、半導体レーザ素子に流れる逆方向電流値によって制限されることが好ましい。
このようにすると、半導体レーザ素子に印加される逆方向バイアスの値が過大になることを防ぐことができるため、逆方向バイアスを印加することにより、逆に半導体レーザ素子を劣化又は破壊させてしまうというおそれがなくなる。
第1の半導体光源装置において、複数の半導体層は、活性層と水素原子を含有するp型クラッド層とを含むことが好ましい。
本願発明者らの知見によると、順方向駆動によってp型クラッド層に含まれる水素が活性層の近傍に移動して、活性層の近傍に位置するp型クラッド層のキャリア濃度が低下することにより、活性層の近傍での発熱量が増える。また、活性層とp型クラッド層との界面において電子の閉じ込め効果が低下して、電子のオーバーフロー量が増大する。このような水素の移動による窒化物半導体レーザ素子の劣化が、本発明に係る逆方向駆動を行うことによって抑制される。
この場合に、活性層とp型クラッド層との間には、活性層からのキャリアのオーバーフローを抑制するオーバーフロー抑制層が設けられていることが好ましい。
さらに、この場合に、p型クラッド層及びオーバーフロー抑制層にはマグネシウム(Mg)が添加されていることが好ましい。
オーバーフロー抑制層は、一般にキャリア(電子)の閉じ込め効果を高める層であり、水素がオーバーフロー抑制層にまで移動すると、オーバフロー抑制層のキャリア濃度が低下して、オーバーフローの抑制効果が低減する。なお、水素と結合することによって活性化率が低下するという現象は他のp型不純物でも認められはするが、活性化率の低下はMgの場合に最も著しい。従って、逆方向駆動を行うことにより、水素の移動による劣化を抑制する効果は、Mgが添加されたp型半導体を含む窒化物半導体レーザ素子においてより顕著となる。
第1の半導体光源装置は、半導体レーザ素子から出射され、光ディスクによって反射されたレーザ光を受光する受光素子をさらに備え、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを切り換える切り換え周期は、光ディスク上に記録されたデータに対応して受光素子によって検出される再生信号の周期よりも短いことが好ましい。
このようにすると、第1の半導体光源装置が光ピックアップ装置である場合に、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とが高い周波数で切り換えられることになる。すなわち、光ディスクからの再生信号よりも十分に短い周期で切り換えを行い、その平均出力により再生動作を行う。これにより、半導体レーザ素子の劣化が抑制されるのみならず、高周波の重畳による半導体レーザ素子の低雑音化という効果をも得ることができる。
また、第1の半導体光源装置は、半導体レーザ素子から出射され、光ディスクによって反射されたレーザ光を受光する受光素子をさらに備え、光ディスク上に記録するデータに対応して順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを切り換えることにより、光ディスク上にデータを記録することが好ましい。
このように、第1の半導体光源装置が光ピックアップ装置である場合に、従来の記録動作においては、順方向駆動動作を断続的に行うものの、逆方向駆動動作は行わない。しかし、本発明においては、順方向駆動動作を行わない期間に逆方向駆動動作を行うことにより、半導体レーザ素子の劣化が抑制される。一般に、記録時は再生時よりも高い出力パワー(電力)で半導体レーザ素子を駆動することから、記録期間中に逆方向駆動動作を行うことは、劣化の抑制により効果的である。
また、第1の半導体光源装置は、半導体レーザ素子から出射され、光ディスクによって反射されたレーザ光を受光する受光素子をさらに備え、光ディスク上に記録されたデータを再生する期間及び光ディスク上に他のデータを記録する期間以外の期間に、逆方向駆動動作を行うことが好ましい。
このように、第1の半導体光源装置が光ピックアップ装置である場合に、光ピックアップ装置が再生動作及び記録動作をしていない期間に逆方向駆動を行う。光ピックアップ装置の一般的な使用方法として、再生及び記録を行う期間は限られており、これ以外の期間に逆方向駆動動作を行えば、水素の移動を十分に時間をかけて回復することができる。
また、第1の半導体光源装置は、半導体レーザ素子を加熱する加熱器をさらに備え、レーザオフ期間内には、加熱器によって半導体レーザ素子が加熱される加熱期間が設けられ、加熱期間と逆方向駆動期間とは互いに重なり合うことが好ましい。
ここで、マグネシウムと水素との解離にレーザ光による励起が寄与しているとすると、逆方向駆動動作時にはレーザ光が存在しないため、マグネシウムと水素との解離が生じにくくなる。これを補償するために、逆方向駆動動作時に半導体レーザ素子を加熱すれば熱エネルギーによる解離が促進されるため、水素を元の位置に移動させる効果を高めることができる。
また、第1の半導体光源装置は、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光によって励起される蛍光体をさらに備え、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを切り換える切り換え周波数は、電灯線の商用周波数以上であることが好ましい。
このように、第1の半導体光源装置が固体照明装置である場合に、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを電灯線の商用周波数以上の周波数で切り換えると、平均出力による照明動作となる。そこで、駆動動作の切り換え周波数を電灯線の商用周波数としておけば、照明動作時のちらつきは蛍光灯と同程度に収まる。また、商用周波数よりも十分に高い周波数で切り換える場合には、ちらつきがない照明動作とすることも可能である。
また、第1の半導体光源装置は、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光によって励起される蛍光体をさらに備え、蛍光体からの発光を利用する期間以外の期間に、逆方向駆動動作を行うことが好ましい。
このように、第1の半導体光源装置が固体照明装置である場合に、照明が点灯していない期間に逆方向駆動を行う。例えば、照明は一般に昼間は消灯していることが多く、この消灯している間に逆方向駆動動作を行えば、水素の移動を十分に時間をかけて回復することができる。
本発明に係る第1の発光素子駆動回路は、窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する半導体レーザ素子を駆動する発光素子駆動回路を対象とし、半導体レーザ素子に順方向電流を供給することにより、半導体レーザ素子を発振させる順方向駆動回路と、半導体レーザ素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動回路と、順方向駆動回路と逆方向駆動回路とを切り換えて半導体レーザ素子に接続するスイッチ回路とを備えている。
第1の発光素子駆動回路は、本発明に係る半導体光源装置に含まれる駆動回路である。本発光素子駆動回路は、半導体レーザ素子と組み合わせて使用することにより、本発明の作用及び効果を奏する。従って、駆動回路のみでも製品として存在し得る。
本発明に係る第2の半導体光源装置は、窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する発光素子と、発光素子を駆動する駆動回路とを備え、駆動回路は、発光素子に順方向電流を供給することにより発光素子を発光させる順方向駆動動作と、発光素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動動作とを行い、逆方向バイアスの大きさは、発光素子に流れる逆方向電流値によって制限される。
第2の半導体光源装置によると、窒化物半導体よりなる発光素子が半導体レーザ素子の場合に限られず、発光ダイオードであっても、通常の順方向駆動動作で移動した水素を逆方向駆動動作により元の位置にまで戻すことができる。このため、水素の移動による窒化物半導体よりなる発光素子の劣化が抑制されるので、長寿命化を実現できる。
ところで、本発明の作用及び効果とは全く無関係に、窒化物半導体発光ダイオードを直列に接続し、その両端に直接に100V又は120Vの商用交流電源を印加する、すなわち電灯線に直接に接続するという発明が、例えば、特許文献4に開示されている。この発明は、安価な半導体照明装置を実現するのが目的であり、その構成によれば、結果的に窒化物半導体発光ダイオードに逆方向電圧が印加されることになる。しかしながら、逆方向バイアスの大きさを発光素子に流れる逆方向電流値によって制限することによって、発光ダイオードの劣化又は破壊を防ぐという技術的思想は開示されておらず、この点において本発明とは異なる。
本発明に係る第2の発光素子駆動回路は、窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する発光素子を駆動する発光素子駆動回路を対象とし、発光素子に順方向電流を供給することにより、発光素子を発光させる順方向駆動回路と、発光素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動回路と、発光素子に流れる逆方向電流値を制限する定電流回路とを備えている。
第2の発光素子駆動回路は、第2の半導体光源装置に含まれる駆動回路である。本発光素子駆動回路は、発光ダイオードを含む発光素子と組み合わせて使用することにより、本発明の作用及び効果を奏する。従って、駆動回路のみでも製品として存在し得る。
本発明に係る半導体光源装置及び発光素子駆動回路によると、窒化物半導体発光素子に固有の劣化機構を抑制できるため、窒化物半導体発光素子を長寿命化することができる。具体的には、水素の移動による窒化物半導体発光素子の劣化が抑制されて、長寿命化を実現できる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体光源装置のブロック構成を示している。なお、図1に示す回路記号は、破線で囲まれた機能ブロックの役割を明確化するために用いている。
図1に示すように、第1の実施形態に係る半導体光源装置は、窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する半導体レーザ素子101と、該半導体レーザ素子101を電気的に駆動する駆動回路102により構成されている。
駆動回路102は、陰極が接地された直流電圧源103と、一方の端子が半導体レーザ素子101の陰極(n側電極)及び連動スイッチ対105と接続された第1の定電流回路104と、一方の端子が半導体レーザ素子101の陽極(p側電極)及び連動スイッチ対105と接続された第2の定電流回路108とを有している。
連動スイッチ対105は、直流電圧源103の陽極と半導体レーザ素子101の陰極又は陽極との接続を切り換える第1のスイッチ106と、直流電圧源103の陰極と第1の定電流回路104又は第2の定電流回路108の他方の端子との接続を切り換える第2のスイッチ107とから構成されている。ここで、図1に示す接続状態は、半導体レーザ素子101に対して順方向接続となり、連動スイッチ対105が図1とは逆に接続されると、半導体レーザ素子101に対して逆方向接続となる。
連動スイッチ対105が順方向に接続されている期間は、半導体レーザ素子101には第1の定電流回路104で規制される順方向電流が流れるため、半導体レーザ素子101がレーザ発振する順方向駆動動作となる。一方、連動スイッチ対105が逆方向に接続されている期間は、半導体レーザ素子101に逆方向バイアスが印加される逆方向駆動動作となる。逆方向駆動動作は、半導体レーザ素子101に印加される逆方向電圧が一定となる定電圧動作であってもよく、逆方向電流が一定となる定電流動作であってもよい。ここでは、第2の定電流回路108により最大電流値を制限し、且つ直流電圧源103の電圧を最大印加電圧とする電流制限型の電圧駆動が望ましい。これにより、半導体レーザ素子101に印加される逆方向電圧が過大になることを防ぎ、逆方向電圧を印加することにより半導体レーザ素子101を劣化又は破壊させてしまうというおそれがなくなる。
なお、順方向駆動動作及び逆方向駆動動作以外にも、連動スイッチ対105がどちらにも接続されない状態、又は直流電圧源103がオフ状態であって、半導体レーザ素子101にバイアスが印加されない完全オフ状態が設けられていてもよい。
図2は半導体レーザ素子101を構成する半導体レーザチップ201の断面構成の一例を示している。
図2に示すように、例えば、n型GaNよりなる基板202の上に、Siが添加されたAl0.05Ga0.95N(厚さが1μm、キャリア濃度が5×1017cm−3)よりなるn型クラッド層203、Siが添加されたGaN(厚さが100nm、キャリア濃度が5×1017cm−3)よりなる第1ガイド層204、それぞれ不純物が無添加のGa0.92In0.08Nよりなる井戸層(厚さが3nm)とGa0.98In0.02Nよりなる障壁層(厚さが8nm)とにより構成された多重量子井戸活性層205、不純物が無添加のGaN(厚さが100nm)よりなる第2ガイド層206、Mgが添加されたAl0.15Ga0.85N(厚さが10nm、キャリア濃度が1×1019cm−3)よりなるオーバーフロー抑制層207、Mgが添加されたAl0.1Ga0.9N/GaN超格子(厚さが500nm)よりなるp型クラッド層208、及びMgが添加されたGaN(厚さが60nm、キャリア濃度1×1020cm−3)よりなるコンタクト層209を順次積層してレーザ構造とする。
コンタクト層209及びp型クラッド層208は、図面の前後方向に延びるストライプ状のリッジ構造となるようにエッチングによりパターニングされている。リッジ構造の上面を露出するようにその両側面及び両側方部分には、酸化タンタル(Ta)よりなる絶縁膜210が形成されている。露出したリッジ構造の上面及び絶縁膜210を覆うように、パラジウム(Pd)/白金(Pt)の積層膜よりなるp側電極211が形成されている。これにより、p側電極211はコンタクト層209とはリッジ構造の上面において接触する。基板202におけるn型クラッド層203と反対側の面上には、チタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)の積層膜よりなるn側電極212が形成されている。
以上の構成を有する半導体レーザチップ201は、図示はしていないが所定のパッケージに実装されて、図1に示す半導体レーザ素子101となる。
図1に示す回路構成によって、半導体レーザ素子101を駆動するには、パッケージ実装において、半導体レーザチップ201のp側電極211とn側電極212とのいずれもがパッケージ本体(ステム)と接地されないようにする必要がある。これには、例えばダイヤモンド(C)又は窒化ホウ素(BN)等の放熱性に優れた絶縁体よりなるサブマウント材を用いる。このサブマウント材の上面及び下面にのみ金属膜を形成すれば、サブマウント材に形成された両金属膜は絶縁される。従って、上面及び下面にのみ金属膜が形成されたサブマウント材の上に、半導体レーザチップ201をダイボンドし、その後、p側電極211とn側電極212とをそれぞれ直接に又はサブマウント材の上面の金属膜を介してパッケージのリードとワイヤボンドすれば、p側電極211とn側電極212とのいずれもがパッケージ本体(ステム)と接地されない実装とすることができる。
図3(a)及び図3(b)は、第1の実施形態に係る半導体光源装置において、本発明の順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを切り換えて行った場合と、従来のように順方向駆動動作のみを行った場合との半導体レーザ素子101の動作特性の変化を示している。ここで、図3(a)は電流−光出力特性であり、図3(b)は電流−電圧特性である。図3(a)及び図3(b)において、エージングを開始する前の初期特性は、それぞれ初期光特性301及び初期電圧特性302である。次に、これを以下の2通りの条件でエージングを行なった。第1の条件は、本発明であって、室温で且つ光出力を100mWとして1時間の順方向駆動動作を行い、その後、最大印加電圧が10Vで電流値を10μAとする逆方向電流による定電流駆動で1時間の逆方向駆動動作を行うというステップを繰り返し、計1000時間のエージングを行った。第2の条件は、比較例であって、室温で且つ光出力100mWの条件で1時間の順方向駆動動作を行ない、その後、逆バイアスを印加せずに1時間放置するというステップを繰返し、計1000時間のエージングを行った。
図3(a)に示すように、電流−光出力特性は、第1の条件でエージングを行うと第1光特性303のようになり、閾値電流がわずかに増大する。これに対し、第2の条件でエージングを行うと第2光特性304のようになり、閾値電流が大幅に増大する。
また、図3(b)に示すように、電流−電圧特性に関しては、第1の条件でエージングを行っても初期電圧特性302からほとんど変化はなかった。一方、第2の条件でエージングを行なうと、第2電圧特性305のようになり、立ち上り電圧が若干低下した。
以上の結果から、第1の実施形態のように、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを切り換えながら繰り返して駆動した場合は、順方向駆動動作のみを間歇的に行った場合と比べて半導体レーザ素子の劣化が抑制される結果、長寿命化を実現できることが分かる。
第1の実施形態で示したように、順方向駆動動作を行なった後、逆方向駆動動作を行うことによって上記の効果がもたらされる理由は、半導体レーザ素子101を構成するp型窒化物半導体層に含有される水素(H)の移動による劣化が抑制されるためであると推察される。
以下、図4(a)〜図4(c)及び図5(a)及び図5(b)を用いて、水素の移動による劣化が抑制される現象について説明する。
まず、図4(a)〜図4(c)により、p型窒化物半導体層が水素(H)の移動により劣化する機構を説明する。図4(a)〜図4(c)は、半導体レーザチップにおけるオーバーフロー抑制層401、p型クラッド層402、コンタクト層403及びp側電極404と、各半導体層に含まれるマグネシウム(Mg)及び水素(H)を模式的に表わしている。図4(a)において、黒塗りの小丸405は水素を表わし、白抜きの大丸406は水素が結合したマグネシウムを表わしている。一方、ハッチングを付した大丸407は水素が結合していないマグネシウムを表わしている。背景技術で説明したように、水素が結合していないマグネシウムは活性化されてキャリア(正孔)を供給するが、水素が結合したマグネシウムは非活性でありキャリアを供給しない。
次に、図4(b)は、室温状態であってもその熱エネルギーによって、またはレーザ光等の光励起によって、マグネシウムと水素との多数の結合のうちの一部が解離し、白抜きの小丸408で示される解離した水素イオン(H)が生じた状態を表わしている。水素が解離したマグネシウムは活性化され、ハッチングを付した大丸407となる。半導体レーザ素子を順方向駆動すると、p側電極404には正のバイアス電圧が印加されるため、解離した水素イオンはコンタクト層403からオーバーフロー抑制層401に向かって泳動し、泳動した先で再度、他のマグネシウムと結合する。これが図4(c)に示す状態である。
図4(a)と図4(c)とを比較すれば明らかなように、順方向駆動によってコンタクト層403の水素は減少し、一方、オーバーフロー抑制層401の水素は増加する。すなわち、コンタクト層403のキャリア濃度は高くなり、オーバーフロー抑制層401のキャリア濃度は低くなる。
オーバーフロー抑制層401においてキャリア濃度が低くなると、図5(a)及び図5(b)に示す機構によって、半導体レーザ素子の光出力特性が劣化する。図5(a)及び図5(b)は半導体レーザチップのエネルギーバンド図であり、井戸層501及び障壁層502よりなる多重量子井戸活性層503、第2ガイド層504、オーバーフロー抑制層505及びp型クラッド層506を示している。p型クラッド層506は、実際にはAl0.1Ga0.9N/GaN超格子であるが、ここでの説明には影響しないため、簡単のため平均組成を有するAl0.05Ga0.95Nであるとしている。ここで、図5(a)はオーバーフロー抑制層505のキャリア濃度が高い初期状態を表わしており、図5(b)はオーバーフロー抑制層505が水素の移動によってそのキャリア濃度が低くなった状態を表わしている。
図5(a)に示すように、順方向駆動において、活性層503には電子507及び正孔508が蓄積され、オーバーフロー抑制層505は、その名称の通り電子507のオーバーフローを抑制する層として機能している。しかしながら、オーバーフロー抑制層505は、水素の移動によってキャリア濃度が低くなった図5(b)の状態においては、オーバーフローを抑制する効果が減衰してしまう結果、電子のオーバーフロー量が多くなる。すなわち、発光に寄与しない無効電流が増加して、活性層503の内部量子効率が低下する。
ここで、図4及び図5を用いて説明した内容を要約すると、窒化物半導体レーザ素子を順方向駆動によりエージングすると、p型窒化物半導体層中で水素の移動が起こり、オーバーフロー抑制層のキャリア濃度が低下する。その結果、活性層の内部量子効率が低下することになる。
なお、半導体レーザチップにオーバーフロー抑制層505を設けない場合であっても、水素の移動によって、p型クラッド層506における第2ガイド層504との近傍部分のキャリア濃度が低下すると、電子のオーバーフロー量が増大するため、発光に寄与しない無効電流が増大するという現象は生じる。すなわち、水素の移動によって活性層503の内部量子効率が低下するという現象は、オーバーフロー抑制層505を設けた場合にはより顕著となるものの、オーバーフロー抑制層505を設けない場合であっても起こり得る。さらに、オーバーフロー抑制層505の有無に拘わらず、活性層503の近傍に位置するp型半導体層のキャリア濃度が低下すると、該p型半導体層の抵抗値が高くなるため、発熱量が局所的に増大する。この現象もまた、活性層503の内部量子効率を低下させる要因となる。
図4及び図5を用いて説明した内容は、図3に示した第2の条件でエージングした結果と良く合致する。すなわち、順方向駆動動作のみを行うと、水素の移動によって最終的に活性層の内部量子効率が低下するため、閾値電流が増大する。また、水素の移動によってオーバーフロー抑制層のキャリア濃度が低下すると、電子のオーバーフロー量が増えるため、立ち上り電圧が若干低下するという実験結果に符合する。これに対し、本発明のように、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを切り換えて行った場合は、図4の機構による水素の移動が往復の双方向となるため、実質的に抑制される。これにより、閾値電流の増大及び立ち上り電圧の低下は、順方向駆動動作のみを行った場合と比べて小さくなる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を用いて説明する。
図6は本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を概念的に示している。図6に示すように、第2の実施形態に係る光ピックアップ装置601は、本発明に係る半導体光源装置であるレーザホログラムユニット602を有している。
レーザホログラムユニット602は、例えば図2に示した半導体レーザチップ201を含む半導体レーザ素子603と、受光素子604と、ホログラム素子605と、半導体レーザ素子603の近傍に設けられた薄膜抵抗加熱器611とにより構成されている。
半導体レーザ素子603から水平方向(ホログラム素子605に対して平行な方向)に出射されたレーザ光606は、立ち上げミラー607によってホログラム素子605に対して垂直な方向に向きを変えられ、ホログラム素子605を透過する。ホログラム素子605を透過したレーザ光606は、対物レンズ608によって光ディスク609上に集光される。さらに、光ディスク609で反射された反射光610は、ホログラム素子605によって回折され、回折された回折光は受光素子604で受光される。ここで、半導体レーザ素子603は、次の図7及び図8を用いて説明する駆動回路(図6では図示せず)によって駆動される。
なお、半導体レーザ素子603を加熱するための薄膜抵抗加熱器611は、所定の動作モードで逆方向駆動動作を行う場合に用いる。
図7(a)〜図7(d)は駆動回路の動作図であり、半導体レーザ素子603を流れる駆動電流の時間的変化を示す。
図7(a)は比較用として従来の駆動方法を示しており、再生期間701においては、例えば30mAの直流電流によって半導体レーザ素子603を駆動する。このとき、半導体レーザ素子603からはパワー(電力)が一定のレーザ光606が出射され、受光素子604は光ディスク609上に記録されたデータに対応した再生信号を検出する。
記録期間702においては、例えばピーク値100mAのパルス電流で半導体レーザ素子603を駆動し、パルス電流で変調されたレーザ光605によって光ディスク609上に所定のデータを記録する。さらに、アイドリング期間703においては、再生も記録も行われず、従って駆動電流は供給されない。
図7(a)に示す従来の駆動方法に対して、本発明に係る逆方向駆動動作を適用する場合は、図7(b)〜図7(d)に示す3通りの方法がある。
まず、図7(b)に示す第1の駆動方法は、再生期間701に半導体レーザ素子603を直流駆動に代えてパルス駆動とする。このパルス駆動時に、順方向駆動動作と逆方向駆動度動作とを交互に繰返す。この場合、順方向駆動動作時の電流値はレーザ光605の平均パワーが直流駆動時と同等となるように設定する。また、逆方向駆動動作においては、例えば最大印加電圧が10Vで且つ逆方向最大電流が10μAの駆動を行う。順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを繰返す周期は、受光素子604が検出する再生信号の周期よりも十分に短くする。このような、再生期間中に半導体レーザ素子603を高周波パルスにより駆動することは、半導体レーザ素子603を低雑音化する高周波の重畳処理と同様である。すなわち、再生期間中に順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを短い周期で繰り返すと、半導体レーザ素子603の劣化が抑制されるのみならず、高周波の重畳により低雑音化の効果をも得ることができる。
次に、図7(c)に示す第2の駆動方法は、記録期間702においては従来の駆動方法であっても、光ディスク上に記録されるデータ(「0」又は「1」の2値信号)に対応して半導体レーザ素子603の出力がオン又はオフされる。このパルス駆動における半導体レーザ素子603の出力のオフ時に、電流を0にするだけでなく逆方向バイアスを印加すれば、本発明の作用及び効果を得ることができる。ここで、逆方向バイアスは、例えば最大印加電圧を10Vとし、逆方向最大電流を10μAとする。これにより、記録期間中に順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを切り換えて行うことができる。半導体レーザ素子603は、一般に記録時には再生時よりも高い出力パワーで駆動することから、記録期間中に逆方向駆動動作を行うことは、劣化の抑制により効果的である。なお、半導体レーザ素子603をパルス駆動する際に、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを直接に切り換えると、駆動電流波形に過大なオーバーシュートを生じるおそれがある。これを防ぐには、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを直接に切り換えるのではなく、図7(c)に示すように、一旦、ゼロバイアスとする休止期間を設けることが有効である。
上記の再生期間701又は記録期間702に逆方向駆動動作を行う場合は、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とが短い周期で切り換えられるため、図6に示した薄膜抵抗加熱器611を使用した場合には、順方向駆動動作中も半導体レーザ素子603が加熱されることになる。一般に、半導体レーザ素子603の発振特性は温度上昇に伴なって劣化するため、順方向駆動動作中に半導体レーザ素子603を加熱することは望ましくない。しかしながら、加熱による劣化抑制効果(移動した水素の回復効果)をより重視する場合には、薄膜抵抗加熱器611によって半導体レーザ素子603を加熱してもよい。
次に、図7(d)に示す第3の駆動方法は、アイドリング期間703に逆方向駆動動作を行う。光ピックアップ装置601の一般的な使用方法として、再生及び記録を行う期間は限られており、これ以外の期間に逆方向駆動動作を行えば、移動した水素を十分に時間をかけて回復することができる。さらに、第3の駆動方法は、薄膜抵抗加熱器611を用いるとより効果的である。マグネシウム(Mg)と水素(H)との解離にレーザ光による励起が寄与しているとすると、長時間連続して逆方向駆動動作を行う場合にはレーザ光が生成されないため、MgとHとの解離が生じにくくなる。これを補償するために、逆方向駆動動作時に、薄膜抵抗加熱器611により半導体レーザ素子603を加熱すれば、熱エネルギーによるMgとHとの解離が促進されるため、水素を元の方向に移動させる効果が高まる。
以上、光ピックアップ装置601に用いられる半導体レーザ素子603に対して逆方向駆動動作を行う3つの駆動方法について説明したが、3つのうちのいずれか2つの駆動方法を組み合わせてもよく、また、3つの駆動方法のすべてを実施すれば、さらに半導体レーザ素子603の劣化の抑制に効果的である。
ところで、再生期間701又は記録期間702に逆方向駆動動作を行う場合は、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを短い周期で切り換える必要がある。これに適した駆動回路を図8に示す。
図8に示すように、順方向駆動動作時は、半導体レーザ素子801にpnp型の順方向駆動トランジスタ802によってバイアス電流が供給される。順方向駆動トランジスタ802のコレクタ電流は、第1の定電流回路803によって制御され、該第1の定電流回路803の電流値は、第1の電流制御端子804からの信号により制御される。図8には示していないが、実際には半導体レーザ素子801からの出力光パワーをモニタ(検出)し、これが所定の値となるように制御する自動パワー制御(automatic power control:APC)回路からの信号が第1の電流制御端子804に入力される。
順方向駆動トランジスタ802が半導体レーザ素子801にバイアス電流を供給するか否かは、npn型の第1のスイッチトランジスタ805及び第2のスイッチトランジスタ806によって制御される。第1のスイッチトランジスタ805及び第2のスイッチトランジスタ806におけるベース電流は、第1のスイッチ制御端子807に印加される電圧を第1のバイアス抵抗器808及び第2のバイアス抵抗器809の分圧により制御される。
以上説明した順方向駆動回路と同一構成の回路が、半導体レーザ素子801のp側電極とn側電極とに逆方向に接続され、逆方向駆動回路を構成している。すなわち、半導体レーザ素子801には、逆方向駆動トランジスタ810によって逆方向バイアス電流が印加される。逆方向駆動トランジスタ810のコレクタ電流は、第2の定電流回路811によって制御され、該第2の定電流回路811の電流値は、第2の電流制御端子812からの信号により制御される。逆方向駆動トランジスタ810が半導体レーザ素子801に逆方向バイアス電流を印加するか否かは、第3のスイッチトランジスタ813及び第4のスイッチトランジスタ814によって制御される。第3のスイッチトランジスタ813及び第4のスイッチトランジスタ814におけるベース電流は、第2のスイッチ制御端子815に印加される電圧を第3のバイアス抵抗器816及び第4のバイアス抵抗817の分圧により制御される。
以上説明した駆動回路において、順方向駆動動作を行う際には、第1のスイッチ制御端子807にハイレベル信号を入力すると共に、第2のスイッチ制御端子815にローレベル信号を入力する。また、逆方向駆動動作を行う際には、第1のスイッチ制御端子807にローレベル信号を入力すると共に、第2のスイッチ制御端子815にハイレベル信号を入力する。順方向駆動動作時に半導体レーザ素子801に供給されるバイアス電流は、再生動作及び記録動作のそれぞれに必要な出力パワーの設定に基づくAPC回路からの信号を第1の電流制御端子804に入力することで決定される。また、逆方向駆動時に印加される逆方向バイアスは、例えば10μAとなるように第2の電流制御端子812の入力レベルを制御する。逆方向駆動時に印加される最大電圧は、電源端子818に接続される電源の電圧で規制される。なお、電源をDC−DCコンバータとし、順方向駆動時と逆方向駆動時とで異なる電源電圧を用いるようにすれば、駆動回路の消費電力の低減に有効である。
第2の実施形態においては、本発明に係る半導体光源装置が光ピックアップ装置601を構成するレーザホログラムユニット602であり、組み合わせて実施可能な3通りの逆方向駆動動作を説明した。図7(b)で説明したように、再生期間701に順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを短い周期で繰り返すと、半導体レーザ素子603の劣化が抑制されるのみならず、低雑音化の効果をも得ることができる。また、図7(c)で説明したように、記録期間702に逆方向駆動動作を行うことは、記録時には再生時よりも高い出力パワーで半導体レーザ素子603を駆動することから、劣化抑制により効果的である。また、図7(d)で説明したように、再生期間701及び記録期間702以外のアイドリング期間703に逆方向駆動動作を行えば、移動した水素の回復を十分に時間をかけて行うことができるため、例えば薄膜抵抗加熱器611を用いて半導体レーザ素子603を加熱しながら逆方向駆動動作を行うと、より効果が大きい。
また、図8に示す駆動回路は、図1に示した連動スイッチ対105がトランジスタ回路として実現されており、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを短い周期で切り換えることが可能である。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を用いて説明する。
図9は本発明の第3の実施形態に係る半導体光源装置であって、固体照明装置の構成を概念的に示している。
図9に示すように、第3の実施形態に係る半導体光源装置は、台座(マウント)901と、台座901の上に固着された半導体レーザ素子902と、台座901における半導体レーザ素子902の固着部分の下側に形成された空洞部の上部に第1の配線金属909及び第2の配線金属910を介して固着されたチップ状の駆動回路911と、台座901の上部であって半導体レーザ素子902の固着部分の側方の領域に形成された凹部の斜面上に固着された拡散反射板904と、該拡散反射板904及び半導体レーザ素子902の前部を含め台座901の凹部を覆うように形成された、蛍光体906を含む封止樹脂材912とから構成されている。
半導体レーザ素子902は、例えば図2に示した半導体レーザチップ201と同等の構造を有している。但し、第3の実施形態においては、半導体レーザ素子902の発振波長を紫外域とするため、窒化物半導体層の各層の組成を以下のように設定している。例えば、n型クラッド層203の組成はAl0.18Ga0.82Nとし、第1ガイド層204の組成はAl0.12Ga0.88Nとし、多重量子井戸活性層205の構成はGa0.99In0.01Nよりなる井戸層とAl0.09Ga0.91Nよりなる障壁層との積層構造とし、第2ガイド層206の組成はAl0.12Ga0.88Nとし、オーバーフロー抑制層207の組成はAl0.42Ga0.58Nとし、p型クラッド層208の構成はAl0.36Ga0.64N/GaN超格子とする。
半導体レーザ素子902のp側電極及びn側電極は、ボンディングワイヤ908及び第1の配線金属909、又は第2の配線金属910を介して駆動回路911とそれぞれ接続されている。
半導体レーザ素子902から出射された紫外レーザ光903は拡散反射板904によって反射され、紫外散乱光905として上方に出力される。出力された紫外レーザ光903及び紫外散乱光905により、封止樹脂材912に添加された蛍光体906が励起されて可視光907が生成されて外部に出力される。
なお、駆動回路911は、図8に示したような電子回路のみで構成されていてもよく、また、図1に示したように、連動スイッチ対にメカニカルスイッチを用いたハイブリッド構成であってもよい。
第3の実施形態に係る半導体レーザ素子902は、駆動回路911により、順方向駆動動作と逆方向駆動動作とを切り換えながら駆動される。この切り換え方法には以下の2つの駆動方法がある。
第1の駆動方法は、駆動回路911を電子回路のみで構成し、切り換え周波数を電灯線の商用周波数(50Hz又は60Hz)以上とする方法である。この方法によると、半導体レーザ素子902からの平均出力が可視光として利用される。切り換え周波数を電灯線の商用周波数とすれば、照明としてのちらつきは旧来の蛍光灯と同程度である。また、商用周波数よりも十分に高い周波数で切り換えることにより、旧来のインバータ付き蛍光灯と同様のちらつきがない照明とすることも可能である。
第2の駆動方法は、固体照明装置をオフ状態としている期間に逆方向駆動動作を行う方法である。一般的な照明を考えれば、昼間は消灯していることが多いため、消灯している間に逆方向駆動動作を行えば、移動した水素の回復を十分に時間をかけて行うことができる。なお、第2の駆動方法を用いる場合は、駆動回路911として連動スイッチ対をメカニカルスイッチとした図1の構成とすることもできる。
さらに、図1に示した第1の定電流回路104及び第2の定電流回路108に定電流ダイオードを用いれば、極めて簡単な回路構成で本発明の駆動回路911を構成することができるため、固体照明装置の低価格化に有効である。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る発光素子駆動回路について説明する。
本発明の第4の実施形態は、図1に示す駆動回路102又は図8に示す駆動回路である。これら発光素子用の駆動回路は、半導体レーザ素子と組み合わせて使用することにより、第1〜第3の各実施形態に記載した作用及び効果を奏するが、製品としては駆動回路単体でも存在し得る。特に、半導体レーザ素子の分野では、半導体レーザ素子の寿命を評価するためのエージング試験装置又は加速試験装置がよく用いられる。また、発光素子が発光ダイオードの場合は、該発光ダイオードを交換可能とした駆動回路のみの照明製品がある。
従って、半導体レーザ素子又は発光ダイオード等の発光素子自体を含まない駆動回路であっても、窒化物半導体よりなる発光素子を駆動し、逆方向駆動動作によって水素の移動による劣化を抑制する回路であれば、本願発明の一実施形態となる。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図面を用いて説明する。
図10は本発明の第5の実施形態に係る、窒化物半導体よりなる発光ダイオードを用いた半導体光源装置であって、固体照明装置の回路構成を示している。
図10に示すように、それぞれが複数の白色発光ダイオード1001を直列に接続した第1の発光ダイオードユニット1002と第2の発光ダイオードユニット1003とが、交流電源(電灯線)1004と接続されている。第1の発光ダイオードユニット1002と第2の発光ダイオードユニット1003とは、交流電源1004から供給される正弦波電圧の半波ごとに交互に発光し、照明装置として機能する。
第1の発光ダイオードユニット1002には、第1の整流ダイオード1005及び第1の定電流ダイオード1006が直列に接続されており、各発光ダイオード1001及び第1の整流ダイオード1005に対して順方向の正弦波電圧が印加されている期間に順方向駆動電流を各発光ダイオード1001に供給してそれぞれを発光させる。
一方、第1の整流ダイオード1005及び第1の定電流ダイオード1006の直列対と並列に、第2の整流ダイオード1007及び第2の定電流ダイオード1008の直列対が接続されている。この第2の整流ダイオード1007及び第2の定電流ダイオード1008の直列対は、発光ダイオード1001に対して逆方向の正弦波電圧が印加されている期間に逆方向駆動動作を行う。従って、これらの第1の整流ダイオード1005及び第2の整流ダイオード1007と、第1の定電流ダイオード1006及び第2の定電流ダイオード1008とよりなる回路が、第1の発光ダイオードユニット1002に含まれる複数の発光ダイオード1001に対する第1の駆動回路1009である。ここで、第1の定電流ダイオード1006と第2の定電流ダイオード1008とは、共にノーマリオンの電界効果トランジスタのゲートとソースとを短絡させてなり、ドレインからソースに流れる電流が一定値で飽和することから、定電流ダイオードとして機能する。但し、第1の定電流ダイオード1006と第2の定電流ダイオード1008との飽和電流値は大きく異なる。順方向駆動に対応する第1の定電流ダイオード1006の飽和電流値は数10mAから数100mAであるのに対し、逆方向駆動に対応する第2の定電流ダイオード1008の飽和電流値は10μA程度である。
第1の駆動回路1009と同様に、第3の整流ダイオード1010及び第3の定電流ダイオード1011の直列対と、これに並列に接続された第4の整流ダイオード1012及び第4の定電流ダイオード1013の直列対とが、第2の駆動回路1014を構成する。第2の駆動回路1014は、第2の発光ダイオードユニット1003に対して直列に接続されており、第2の発光ダイオードユニット1003は、第1の発光ダイオードユニット1002が逆方向駆動されている期間には順方向駆動され、逆に、順方向駆動されている期間には逆方向駆動されるという点を除き、第1の駆動回路1009と同様に動作する。
ところで、第1の発光ダイオードユニット1002及び第2の発光ダイオードユニット1003は、1つのパッケージに実装されていてもよい。この場合は、各発光ダイオードユニット1002、1003に含まれるすべての発光ダイオード1001を直列に接続し、その両端子及び中間部を外部端子と接続する構成とする。このように構成されたパッケージを、整流ダイオード及び定電流ダイオードからなる駆動回路に組み込む構成とすれば、発光ダイオードユニットのみからなるパッケージを交換可能とする構成を実現できる。
さらに、図10に示されるすべての部品(交流電源1004を除く)をモジュール化してもよい。この場合は、電球ソケットに取付け可能な外部端子を設けることにより、旧来の電球と交換可能な固体照明装置を実現できる。
なお、図10に示した整流ダイオード及び定電流ダイオードからなる発光素子用の駆動回路は、あくまでも駆動回路の一例である。発光ダイオードを発光させるために順方向電流を供給する順方向駆動回路と、発光ダイオードに逆方向バイアスを印加する逆方向駆動回路と、発光ダイオードに流れる逆方向電流値を制限する定電流回路とを備えていることが本実施形態の本旨であり、これらの構成要素によって本発明の作用及び効果を奏することができる。
本発明に係る半導体光源装置は、水素による劣化機構が抑制された信頼性が高い窒化物発光素子を備えており、光ピックアップ装置又は固体照明装置等として有用である。
本発明の第1の実施形態に係る半導体光源装置を示す構成ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体光源装置に用いられる半導体レーザチップを示す構成断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体光源装置に用いられる半導体レーザ素子の動作特性図である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体光源装置に用いられる半導体レーザ素子の劣化機構を説明する模式的な断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体光源装置に用いられる半導体レーザ素子におけるエネルギーバンド図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体光源装置を示す構成概念図である。 (a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体光源装置に用いられる駆動回路の動作を説明する動作図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体光源装置に用いられる駆動回路を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体光源装置を示す構成概念図である。 本発明の第5の実施形態に係る半導体光源装置を示す回路図である。 従来の半導体レーザチップを示す断面図である。
符号の説明
101 半導体レーザ素子
102 駆動回路
103 直流電圧源
104 第1の定電流回路
105 連動スイッチ対
106 第1のスイッチ
107 第2のスイッチ
108 第2の定電流回路
201 半導体レーザチップ
202 基板
203 n型クラッド層
204 第1ガイド層
205 多重量子井戸活性層
206 第2ガイド層
207 オーバーフロー抑制層
208 p型クラッド層
209 コンタクト層
210 絶縁膜
211 p側電極
212 n側電極
401 オーバーフロー抑制層
402 p型クラッド層
403 コンタクト層
404 p側電極
405 水素
406 マグネシウム(水素が結合した)
407 マグネシウム
408 水素イオン
501 井戸層
502 障壁層
503 多重量子井戸活性層
504 第2ガイド層
505 オーバーフロー抑制層
506 p型クラッド層
507 電子
508 正孔
601 光ピックアップ装置
602 レーザホログラムユニット
603 半導体レーザ素子
604 受光素子
605 ホログラム素子
606 レーザ光
607 立ち上げミラー
608 対物レンズ
609 光ディスク
610 反射光
611 薄膜抵抗加熱器
701 再生期間
702 記録期間
703 アイドリング期間
801 半導体レーザ素子
802 順方向駆動トランジスタ
803 第1の定電流回路
804 第1の電流制御端子
805 第1のスイッチトランジスタ
806 第2のスイッチトランジスタ
807 第1のスイッチ制御端子
808 第1のバイアス抵抗器
809 第2のバイアス抵抗器
810 逆方向駆動トランジスタ
811 第2の定電流回路
812 第2の電流制御端子
813 第3のスイッチトランジスタ
814 第4のスイッチトランジスタ
815 第2のスイッチ制御端子
816 第3のバイアス抵抗器
817 第4のバイアス抵抗
818 電源端子
901 台座
902 半導体レーザ素子
903 紫外レーザ光
904 拡散反射板
905 紫外散乱光
906 蛍光体
907 可視光
908 ボンディングワイヤ
909 第1の配線金属
910 第2の配線金属
911 駆動回路
912 封止樹脂材
1001 白色発光ダイオード
1002 第1の発光ダイオードユニット
1003 第2の発光ダイオードユニット
1004 交流電源
1005 第1の整流ダイオード
1006 第1の定電流ダイオード
1007 第2の整流ダイオード
1008 第2の定電流ダイオード
1009 駆動回路
1010 第3の整流ダイオード
1011 第3の定電流ダイオード
1012 第4の整流ダイオード
1013 第4の定電流ダイオード
1014 第2の駆動回路

Claims (6)

  1. 窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子を駆動する駆動回路と
    前記半導体レーザ素子から出射され、光ディスクによって反射されたレーザ光を受光する受光素子とを備え
    前記駆動回路は、
    前記半導体レーザ素子に順方向電流を供給することにより、前記半導体レーザ素子を発振させる順方向駆動動作と、前記半導体レーザ素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動動作とを行い、
    前記逆方向駆動動作を行う逆方向駆動期間は、前記順方向駆動動作を行わないレーザオフ期間内に設けられ
    前記順方向駆動動作と前記逆方向駆動動作とを切り換える切り換え周期は、前記光ディスク上に記録されたデータに対応して前記受光素子によって検出される再生信号の周期よりも短い半導体光源装置。
  2. 窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子を駆動する駆動回路と、
    前記半導体レーザ素子から出射され、光ディスクによって反射されたレーザ光を受光する受光素子とを備え、
    前記駆動回路は、
    前記半導体レーザ素子に順方向電流を供給することにより、前記半導体レーザ素子を発振させる順方向駆動動作と、前記半導体レーザ素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動動作とを行い、
    前記逆方向駆動動作を行う逆方向駆動期間は、前記順方向駆動動作を行わないレーザオフ期間内に設けられ、
    前記光ディスク上に記録するデータに対応して前記順方向駆動動作と前記逆方向駆動動作とを切り換えることにより、前記光ディスク上に前記データを記録する半導体光源装置。
  3. 窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子を駆動する駆動回路と、
    前記半導体レーザ素子から出射され、光ディスクによって反射されたレーザ光を受光する受光素子とを備え、
    前記駆動回路は、
    前記半導体レーザ素子に順方向電流を供給することにより、前記半導体レーザ素子を発振させる順方向駆動動作と、前記半導体レーザ素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動動作とを行い、
    前記逆方向駆動動作を行う逆方向駆動期間は、前記順方向駆動動作を行わないレーザオフ期間内に設けられ、
    前記光ディスク上に記録されたデータを再生する期間及び前記光ディスク上に他のデータを記録する期間以外の期間に、前記逆方向駆動動作を行う半導体光源装置。
  4. 請求項において、
    前記半導体レーザ素子を加熱する加熱器をさらに備え、
    前記レーザオフ期間内には、前記加熱器によって前記半導体レーザ素子が加熱される加熱期間が設けられ、
    前記加熱期間と前記逆方向駆動期間とは互いに重なり合う半導体光源装置。
  5. 窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子を駆動する駆動回路と、
    前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光によって励起される蛍光体とを備え、
    前記駆動回路は、
    前記半導体レーザ素子に順方向電流を供給することにより、前記半導体レーザ素子を発振させる順方向駆動動作と、前記半導体レーザ素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動動作とを行い、
    前記逆方向駆動動作を行う逆方向駆動期間は、前記順方向駆動動作を行わないレーザオフ期間内に設けられ、
    前記順方向駆動動作と前記逆方向駆動動作とを切り換える切り換え周波数は、電灯線の商用周波数以上である半導体光源装置。
  6. 窒化物半導体よりなる複数の半導体層を有する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子を駆動する駆動回路と、
    前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光によって励起される蛍光体とを備え、
    前記駆動回路は、
    前記半導体レーザ素子に順方向電流を供給することにより、前記半導体レーザ素子を発振させる順方向駆動動作と、前記半導体レーザ素子に逆方向バイアスを印加する逆方向駆動動作とを行い、
    前記逆方向駆動動作を行う逆方向駆動期間は、前記順方向駆動動作を行わないレーザオフ期間内に設けられ、
    前記蛍光体からの発光を利用する期間以外の期間に、前記逆方向駆動動作を行う半導体光源装置。
JP2008517796A 2006-05-31 2007-03-14 半導体光源装置 Expired - Fee Related JP5097111B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008517796A JP5097111B2 (ja) 2006-05-31 2007-03-14 半導体光源装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006151646 2006-05-31
JP2006151646 2006-05-31
JP2008517796A JP5097111B2 (ja) 2006-05-31 2007-03-14 半導体光源装置
PCT/JP2007/055090 WO2007138774A1 (ja) 2006-05-31 2007-03-14 半導体光源装置及び発光素子駆動回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007138774A1 JPWO2007138774A1 (ja) 2009-10-01
JP5097111B2 true JP5097111B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=38778300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008517796A Expired - Fee Related JP5097111B2 (ja) 2006-05-31 2007-03-14 半導体光源装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7773646B2 (ja)
EP (1) EP2023453A1 (ja)
JP (1) JP5097111B2 (ja)
CN (1) CN101361240B (ja)
WO (1) WO2007138774A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013129782A1 (ko) * 2012-03-01 2013-09-06 Lee Dong Won 플리커가 개선된 엘이디 조명장치
US9252563B1 (en) 2012-03-06 2016-02-02 Pmc-Sierra Us, Inc. Method and apparatus for driving a laser diode
JP6735440B2 (ja) * 2014-01-29 2020-08-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 半導体発光素子およびその駆動回路
US20190214784A1 (en) * 2016-08-10 2019-07-11 Kyocera Corporation Electrical element mounting package, array package, and electrical device
US11482836B2 (en) * 2020-01-28 2022-10-25 Stmicroelectronics (Grenoble 2) Sas Laser diode driver circuits and methods of operating thereof

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5119985A (en) * 1974-08-12 1976-02-17 Hitachi Ltd Gan denbahatsukososhianteikaho
JPH05183189A (ja) * 1991-11-08 1993-07-23 Nichia Chem Ind Ltd p型窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法。
JPH05218544A (ja) * 1992-02-06 1993-08-27 Fujitsu Ltd 一体型光送・受信回路
JPH06232450A (ja) * 1993-02-02 1994-08-19 Nichia Chem Ind Ltd 窒化ガリウム系化合物半導体及びその電極形成方法
JPH0832115A (ja) * 1994-07-19 1996-02-02 Sharp Corp 電極構造およびその製造方法
JPH09162442A (ja) * 1995-12-12 1997-06-20 Pioneer Electron Corp Iii族窒化物半導体発光素子製造方法
JP2002335052A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子
JP2003174237A (ja) * 2001-12-07 2003-06-20 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体発光素子の製造方法および窒化物系半導体発光素子

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5306662A (en) * 1991-11-08 1994-04-26 Nichia Chemical Industries, Ltd. Method of manufacturing P-type compound semiconductor
JP4850324B2 (ja) * 1999-07-16 2012-01-11 アバゴ・テクノロジーズ・イーシービーユー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド 窒化物半導体素子および窒化物半導体レーザ素子
JP2002075910A (ja) 2000-08-24 2002-03-15 Sharp Corp 窒化物系iii−v族化合物半導体装置用電極構造の作製方法
JP2002158395A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Sony Corp 半導体レーザのレーザパワー制御方法及び制御装置並びに光磁気記録媒体の記録再生方法及び記録再生装置並びに光記録媒体の記録再生方法及び記録再生装置
US6611539B2 (en) * 2001-05-29 2003-08-26 Nsc Nanosemiconductor Gmbh Wavelength-tunable vertical cavity surface emitting laser and method of making same
JP4449260B2 (ja) * 2001-06-19 2010-04-14 ソニー株式会社 光ディスク記録再生装置のレーザダイオード駆動回路
JP2003163412A (ja) * 2001-11-28 2003-06-06 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ装置及び半導体光学装置
JP2003289176A (ja) * 2002-01-24 2003-10-10 Sony Corp 半導体発光素子およびその製造方法
US6911079B2 (en) * 2002-04-19 2005-06-28 Kopin Corporation Method for reducing the resistivity of p-type II-VI and III-V semiconductors
US20040206970A1 (en) 2003-04-16 2004-10-21 Martin Paul S. Alternating current light emitting device
TW200501464A (en) * 2004-08-31 2005-01-01 Ind Tech Res Inst LED chip structure with AC loop
JP2006086336A (ja) 2004-09-16 2006-03-30 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 光源
JP2006229172A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Toshiba Corp 窒化物半導体レーザ装置及びその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5119985A (en) * 1974-08-12 1976-02-17 Hitachi Ltd Gan denbahatsukososhianteikaho
JPH05183189A (ja) * 1991-11-08 1993-07-23 Nichia Chem Ind Ltd p型窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法。
JPH05218544A (ja) * 1992-02-06 1993-08-27 Fujitsu Ltd 一体型光送・受信回路
JPH06232450A (ja) * 1993-02-02 1994-08-19 Nichia Chem Ind Ltd 窒化ガリウム系化合物半導体及びその電極形成方法
JPH0832115A (ja) * 1994-07-19 1996-02-02 Sharp Corp 電極構造およびその製造方法
JPH09162442A (ja) * 1995-12-12 1997-06-20 Pioneer Electron Corp Iii族窒化物半導体発光素子製造方法
JP2002335052A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子
JP2003174237A (ja) * 2001-12-07 2003-06-20 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体発光素子の製造方法および窒化物系半導体発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
EP2023453A1 (en) 2009-02-11
CN101361240A (zh) 2009-02-04
WO2007138774A1 (ja) 2007-12-06
JPWO2007138774A1 (ja) 2009-10-01
CN101361240B (zh) 2011-04-06
US7773646B2 (en) 2010-08-10
US20090014752A1 (en) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100279654B1 (ko) 질화갈륨계화합물반도체발광장치
JP3679914B2 (ja) 半導体発光装置及びその製造方法
JP5097111B2 (ja) 半導体光源装置
JPH10294531A (ja) 窒化物化合物半導体発光素子
CN102195232B (zh) 锁模半导体激光器件及其驱动方法
WO2018003551A1 (ja) 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュール及び溶接用レーザ光源システム
JPH10233529A (ja) 窒化物半導体素子およびその製造方法
Kozaki et al. Recent progress of high-power GaN-based laser diodes
JP2000223742A (ja) 窒素化合物半導体素子
JP3457516B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体素子
US5548127A (en) Semiconductor light emitting device and its manufacturing method
WO2004098007A1 (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
US7960918B2 (en) Electronic device and light emission control method for electronic device
JPH10242074A (ja) 窒化物半導体素子製造方法
JP2002319732A (ja) 半導体発光装置
JP2005129686A (ja) 半導体発光素子
JP3288480B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP3288479B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP3445433B2 (ja) 半導体装置
JP3288481B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP2021086961A (ja) 発光素子及び発光素子の駆動方法
JP2000077790A (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP2006060105A (ja) 半導体発光装置およびそれを用いた光装置
JPH10150243A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JPH06268331A (ja) 半導体発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090803

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5097111

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees