JP3288481B2 - 半導体発光装置の製造方法 - Google Patents
半導体発光装置の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザ装置、各
種電子機器類のディスプレイにおける表示パネル中の要
素である青色発光部分あるいは、表示装置に単体で用い
られる青色発光素子(LED)、その他CDプレーヤ、
LDプレーヤ、光磁気ディスクプレーヤ中の信号読み取
り、書き込み発光素子、バーコードリーダの発光素子等
として使用される半導体発光装置の製造方法に関するも
のである。
種電子機器類のディスプレイにおける表示パネル中の要
素である青色発光部分あるいは、表示装置に単体で用い
られる青色発光素子(LED)、その他CDプレーヤ、
LDプレーヤ、光磁気ディスクプレーヤ中の信号読み取
り、書き込み発光素子、バーコードリーダの発光素子等
として使用される半導体発光装置の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図5はこの種の半導体発光装置としての
半導体レーザ装置の基本的構成と、それに対応するエネ
ルギバンドの状態を模式的に示している。一般に半導体
レーザ装置は、N型半導体基板Aの表面に、半導体N型
層B1、活性層B2、半導体P型層B3をその順序でMB
E(Molecular Beam Epitaxy)成長してなる半導体膜B
を形成してあり、基板Aの裏面に設けた金属電極E
1と、半導体膜最上層の半導体P型層B3の表面に設けた
金属電極E2間に順方向、つまり電極E2から電極E1へ
バイアス電圧を印加することにより、活性層B2から発
光するように構成されている。
半導体レーザ装置の基本的構成と、それに対応するエネ
ルギバンドの状態を模式的に示している。一般に半導体
レーザ装置は、N型半導体基板Aの表面に、半導体N型
層B1、活性層B2、半導体P型層B3をその順序でMB
E(Molecular Beam Epitaxy)成長してなる半導体膜B
を形成してあり、基板Aの裏面に設けた金属電極E
1と、半導体膜最上層の半導体P型層B3の表面に設けた
金属電極E2間に順方向、つまり電極E2から電極E1へ
バイアス電圧を印加することにより、活性層B2から発
光するように構成されている。
【0003】周知のように上記構成の半導体レーザ装置
のエネルギバンド構造では、半導体N型層B1、半導体
P型層B3のエネルギレベルが高く、PN接合部である
活性層B 2 がエネルギレベルの谷間をなす形となり、ま
た、電極E1、E2と半導体膜B間にはエネルギー障壁Δ
Vが生じる。
のエネルギバンド構造では、半導体N型層B1、半導体
P型層B3のエネルギレベルが高く、PN接合部である
活性層B 2 がエネルギレベルの谷間をなす形となり、ま
た、電極E1、E2と半導体膜B間にはエネルギー障壁Δ
Vが生じる。
【0004】従って、正孔hがエネルギー障壁ΔVを越
えるだけの電流Iを得るのに必要な電圧を電極E2、E1
間に印加すると、これによって注入されたキャリア、つ
まり正孔hや電子が、エネルギレベルの低い活性層B 2
に閉じ込められて、誘導放出が盛んに起こる。そして、
励起電流が閾値を越えたとき、活性層B 2 の平行両端面
間で光が共振してレーザ発振が起こる。
えるだけの電流Iを得るのに必要な電圧を電極E2、E1
間に印加すると、これによって注入されたキャリア、つ
まり正孔hや電子が、エネルギレベルの低い活性層B 2
に閉じ込められて、誘導放出が盛んに起こる。そして、
励起電流が閾値を越えたとき、活性層B 2 の平行両端面
間で光が共振してレーザ発振が起こる。
【0005】図6は従来の半導体レーザ装置のより具体
的な構成の一例を示している。この図に示された装置
は、N型半導体基板としてN型GaAs基板21が使用さ
れ、この基板21上に、半導体膜としてZnCdSSe系(ま
たはMgZnCdSSe系)のII−VI族半導体膜22を形成し
た、いわゆるZnSe系の青色発光半導体レーザである。
的な構成の一例を示している。この図に示された装置
は、N型半導体基板としてN型GaAs基板21が使用さ
れ、この基板21上に、半導体膜としてZnCdSSe系(ま
たはMgZnCdSSe系)のII−VI族半導体膜22を形成し
た、いわゆるZnSe系の青色発光半導体レーザである。
【0006】このII−VI族半導体膜22は、バッファ層
であるN型ZnSe層23、クラッド層であるN型ZnSSe層
24、活性層であるZnCdSe層25、クラッド層であるP
型ZnSSe層26及びバッファ層であるP型ZnSe層27を
その順序で基板21上にMBE成長させたものであり、
このII−VI族半導体膜最上層のP型ZnSe層27上に直
接、Au等の金属を蒸着して正電極28を形成してある。
29は基板21の裏面に形成された負電極である。
であるN型ZnSe層23、クラッド層であるN型ZnSSe層
24、活性層であるZnCdSe層25、クラッド層であるP
型ZnSSe層26及びバッファ層であるP型ZnSe層27を
その順序で基板21上にMBE成長させたものであり、
このII−VI族半導体膜最上層のP型ZnSe層27上に直
接、Au等の金属を蒸着して正電極28を形成してある。
29は基板21の裏面に形成された負電極である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成の半導体レーザ装置では、金属電極28はP型ZnSe層
27上に直接形成されているが、このようなZnSe系P型
半導体は金属と直接接合された状態では、両者間にショ
ットキー型の電圧/電流特性が存在することが知られて
いる。
成の半導体レーザ装置では、金属電極28はP型ZnSe層
27上に直接形成されているが、このようなZnSe系P型
半導体は金属と直接接合された状態では、両者間にショ
ットキー型の電圧/電流特性が存在することが知られて
いる。
【0008】即ち、従来では図7に示したエネルギバン
ド構造から明らかなように、電極28、29間に順方向
にバイアス電圧を印加すると、II−VI族半導体膜22の
表層をなすP型ZnSe層27と金属製正電極28との間
に、急峻なショットキー型のエネルギー障壁ΔVが生じ
るため、相当な高電圧を印加しないと、正孔hが該エネ
ルギー障壁ΔVを越えるのに必要な電流が得られない。
ド構造から明らかなように、電極28、29間に順方向
にバイアス電圧を印加すると、II−VI族半導体膜22の
表層をなすP型ZnSe層27と金属製正電極28との間
に、急峻なショットキー型のエネルギー障壁ΔVが生じ
るため、相当な高電圧を印加しないと、正孔hが該エネ
ルギー障壁ΔVを越えるのに必要な電流が得られない。
【0009】従って、上記従来構成では、装置の駆動に
要する消費電力が大きくなるだけでなく、該装置に数A
という大電流が流れることから、装置内の電流密度が非
常に高くなるため、駆動時において高温に発熱すること
が避けられない。このように上記従来装置の場合、電力
消費が嵩む上に、常温環境下で動作させることはは熱破
壊の虞もあって困難であるなどの問題点があった。
要する消費電力が大きくなるだけでなく、該装置に数A
という大電流が流れることから、装置内の電流密度が非
常に高くなるため、駆動時において高温に発熱すること
が避けられない。このように上記従来装置の場合、電力
消費が嵩む上に、常温環境下で動作させることはは熱破
壊の虞もあって困難であるなどの問題点があった。
【0010】上記問題点を解決するためには、前記金属
電極28からII−VI族半導体膜22へ電流が流れやすい
構造にして、電極28、29間に印加するバイアス電圧
を可及的に低く抑える必要があるが、その方策として例
えば、電極28を形成後、II−VI族半導体膜22を成長
温度より高い温度に保持することが考えられる。
電極28からII−VI族半導体膜22へ電流が流れやすい
構造にして、電極28、29間に印加するバイアス電圧
を可及的に低く抑える必要があるが、その方策として例
えば、電極28を形成後、II−VI族半導体膜22を成長
温度より高い温度に保持することが考えられる。
【0011】即ち、II−VI族半導体膜22を基板21上
にMBE成長するときは、通常、基板温度350℃以下
の条件下で行われている。そこで、II−VI族半導体膜2
2上に金属電極28を蒸着した後、再び該半導体膜22
を成長温度より高い温度、例えば400℃程度に加熱し
て、電極28を構成する金属をII−VI族半導体膜22中
に拡散させるようにする。
にMBE成長するときは、通常、基板温度350℃以下
の条件下で行われている。そこで、II−VI族半導体膜2
2上に金属電極28を蒸着した後、再び該半導体膜22
を成長温度より高い温度、例えば400℃程度に加熱し
て、電極28を構成する金属をII−VI族半導体膜22中
に拡散させるようにする。
【0012】このように金属をII−VI族半導体膜表層の
P型ZnSe層27中に拡散させると、図7の破線で示すよ
うに、エネルギー障壁ΔVの傾斜が緩和されるので、電
流の流れを改善することが可能になる。ところが、II−
VI族半導体膜22は成長温度よりも高温に保持すると、
それ自体の電気抵抗が高くなるという性質がある。
P型ZnSe層27中に拡散させると、図7の破線で示すよ
うに、エネルギー障壁ΔVの傾斜が緩和されるので、電
流の流れを改善することが可能になる。ところが、II−
VI族半導体膜22は成長温度よりも高温に保持すると、
それ自体の電気抵抗が高くなるという性質がある。
【0013】従って、この場合、P型ZnSe層27の電気
抵抗を低く抑えつつ、該ZnSe層27中へ電極金属を拡散
させることにより行う合金化処理は現状では困難であ
り、結果的には必要な電流を得るためには、電極28、
29間に上記従来例と同様の高電圧を印加しなければな
らないこととなり、上記した問題点の解決策とはなり得
ない。
抵抗を低く抑えつつ、該ZnSe層27中へ電極金属を拡散
させることにより行う合金化処理は現状では困難であ
り、結果的には必要な電流を得るためには、電極28、
29間に上記従来例と同様の高電圧を印加しなければな
らないこととなり、上記した問題点の解決策とはなり得
ない。
【0014】また、上記とは別の解決策として、1019
/cm3以上の高いキャリア濃度を有するII−VI族半導
体膜22を基板21上に成長させることが考えられる。
このようにすると図7の2点鎖線で示すように、P型Zn
Se層27のエネルギバンドがエネルギー障壁が低くなる
ように移行するので、電流の流れやすい構造となるが、
II−VI族半導体の場合、このようなキャリア濃度の高い
P型膜を得ることは、現状では技術的に殆ど不可能であ
る。
/cm3以上の高いキャリア濃度を有するII−VI族半導
体膜22を基板21上に成長させることが考えられる。
このようにすると図7の2点鎖線で示すように、P型Zn
Se層27のエネルギバンドがエネルギー障壁が低くなる
ように移行するので、電流の流れやすい構造となるが、
II−VI族半導体の場合、このようなキャリア濃度の高い
P型膜を得ることは、現状では技術的に殆ど不可能であ
る。
【0015】本発明は、上記のような問題点を解決する
もので、II−VI族P型膜と電極との間における電圧/電
流特性を改善し、低い電圧で必要な電流が流れるように
することにより、消費電力及び発熱量を減少させ、半導
体発光装置全体の温度特性の改善を図ることを目的とす
るものである。
もので、II−VI族P型膜と電極との間における電圧/電
流特性を改善し、低い電圧で必要な電流が流れるように
することにより、消費電力及び発熱量を減少させ、半導
体発光装置全体の温度特性の改善を図ることを目的とす
るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の半導体発光装置の製造方法では、基板温度3
50℃以下で半導体N型層、活性層、半導体P型層の順
序でMBE成長したZnCdSSe系またはMgZnCdSSe系のII−
VI族半導体膜をGaAs基板上に形成した後、このII−VI族
半導体膜の成長時における基板温度以下の基板温度下
で、該II−VI族半導体膜最上層の半導体P型層上にP型
GaAs膜またはP型InGaAs膜をMBE成長し、さらに前記
P型GaAs膜またはP型InGaAs膜上に電極を形成するよう
にしている。
に本発明の半導体発光装置の製造方法では、基板温度3
50℃以下で半導体N型層、活性層、半導体P型層の順
序でMBE成長したZnCdSSe系またはMgZnCdSSe系のII−
VI族半導体膜をGaAs基板上に形成した後、このII−VI族
半導体膜の成長時における基板温度以下の基板温度下
で、該II−VI族半導体膜最上層の半導体P型層上にP型
GaAs膜またはP型InGaAs膜をMBE成長し、さらに前記
P型GaAs膜またはP型InGaAs膜上に電極を形成するよう
にしている。
【0017】
【作用】本発明の製造方法により製造された半導体発光
装置における各層の電極に対するエネルギバンドのギャ
ップの大きさは、P型GaAs膜またはP型InGaAs膜<II−
VI族半導体からなる半導体P型層となる。従って、電極
から半導体P型層に至る間のエネルギバンドの様子は、
両者間にP型GaAs膜またはP型InGaAs膜が介在している
ことにより、段階的にレベル差が作られている状態とな
り、エネルギー障壁は2段階に分割された形となる。
装置における各層の電極に対するエネルギバンドのギャ
ップの大きさは、P型GaAs膜またはP型InGaAs膜<II−
VI族半導体からなる半導体P型層となる。従って、電極
から半導体P型層に至る間のエネルギバンドの様子は、
両者間にP型GaAs膜またはP型InGaAs膜が介在している
ことにより、段階的にレベル差が作られている状態とな
り、エネルギー障壁は2段階に分割された形となる。
【0018】一般に、正負電極間のPN接合構造を流れ
る電流量はエネルギー障壁の高さに対して指数関数的に
減少する。従って、従来構成のように、電極と半導体P
型層間に単一の大きなエネルギー障壁があるよりも、上
記構成のように2段階に分割されていると、電流が流れ
やすくなるため、同一電位差のエネルギー障壁であって
も、正孔が電極と半導体P型層との間のエネルギー障壁
を越えるのに必要な電流を得るための電圧は従来と比較
して大きく低下させることが可能になる。
る電流量はエネルギー障壁の高さに対して指数関数的に
減少する。従って、従来構成のように、電極と半導体P
型層間に単一の大きなエネルギー障壁があるよりも、上
記構成のように2段階に分割されていると、電流が流れ
やすくなるため、同一電位差のエネルギー障壁であって
も、正孔が電極と半導体P型層との間のエネルギー障壁
を越えるのに必要な電流を得るための電圧は従来と比較
して大きく低下させることが可能になる。
【0019】また、本発明の製造方法によれば、P型Ga
As膜またはP型InGaAs膜の成長時における基板温度をII
−VI族半導体膜の成長時における基板温度以下にするこ
とにより、GaAs、InGaAsの拡散によるII−VI族半導体膜
の変質を避けることが可能になる。
As膜またはP型InGaAs膜の成長時における基板温度をII
−VI族半導体膜の成長時における基板温度以下にするこ
とにより、GaAs、InGaAsの拡散によるII−VI族半導体膜
の変質を避けることが可能になる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を半導体レーザ装置に適用した
実施例を図面を参照しながら説明する。図1は本実施例
の構成を模式的に示している。この図に示す装置は、N
型GaAs基板1上に ZnCdSSe系のII−VI族半導体膜2を形
成した青色発光半導体レーザである。
実施例を図面を参照しながら説明する。図1は本実施例
の構成を模式的に示している。この図に示す装置は、N
型GaAs基板1上に ZnCdSSe系のII−VI族半導体膜2を形
成した青色発光半導体レーザである。
【0021】II−VI族半導体膜2は、バッファ層である
N型ZnSe層3、クラッド層であるN型ZnSSe層4、ZnCdS
e層5、クラッド層であるP型ZnSSe層6及びバッファ層
であるP型ZnSe層7をその順序でN型GaAs基板1上にM
BE成長させたものであって、これによりN型ZnSe層
3、N型ZnSSe層4からなる半導体N型層8と、P型ZnS
Se層6、P型ZnSe層7からなる半導体P型層9とのPN
接合部に活性層としてのZnCdSe層5が挟み込まれたPN
接合素子構造に構成されるものである。
N型ZnSe層3、クラッド層であるN型ZnSSe層4、ZnCdS
e層5、クラッド層であるP型ZnSSe層6及びバッファ層
であるP型ZnSe層7をその順序でN型GaAs基板1上にM
BE成長させたものであって、これによりN型ZnSe層
3、N型ZnSSe層4からなる半導体N型層8と、P型ZnS
Se層6、P型ZnSe層7からなる半導体P型層9とのPN
接合部に活性層としてのZnCdSe層5が挟み込まれたPN
接合素子構造に構成されるものである。
【0022】前記II−VI族半導体膜最上層のP型ZnSe層
7上には、MBE成長させたP型GaAs膜10を形成して
あり、その上で該P型GaAs膜10上にAu等の金属を蒸着
して正電極11が形成されている。12は負電極であっ
て、N型GaAs基板1の裏面に正電極11と同様のAu等の
金属を蒸着することにより形成されている。
7上には、MBE成長させたP型GaAs膜10を形成して
あり、その上で該P型GaAs膜10上にAu等の金属を蒸着
して正電極11が形成されている。12は負電極であっ
て、N型GaAs基板1の裏面に正電極11と同様のAu等の
金属を蒸着することにより形成されている。
【0023】なお、本実施例では図2の平面図に示すよ
うに、正電極11を一定幅の帯状に形成することによ
り、電流拡散を防止し、該電流が効率よく発光に寄与す
るようにしているが、正電極11の形状は必ずしも帯状
に限定されるものではない。
うに、正電極11を一定幅の帯状に形成することによ
り、電流拡散を防止し、該電流が効率よく発光に寄与す
るようにしているが、正電極11の形状は必ずしも帯状
に限定されるものではない。
【0024】上記構成において、正負電極11、12間
に順方向、つまり正電極11から負電極12へバイアス
電圧を印加すると、電流は正電極11及びP型GaAs膜1
0を経てII−VI族半導体膜2へと流れ、該電流によって
正孔が正電極11とII−VI族半導体膜2との間のエネル
ギー障壁を越えて、半導体P型層9から活性層であるZn
CdSe層5へと流れ込み、また、電子は半導体N型層8か
らZnCdSe層5へと流れ込む。
に順方向、つまり正電極11から負電極12へバイアス
電圧を印加すると、電流は正電極11及びP型GaAs膜1
0を経てII−VI族半導体膜2へと流れ、該電流によって
正孔が正電極11とII−VI族半導体膜2との間のエネル
ギー障壁を越えて、半導体P型層9から活性層であるZn
CdSe層5へと流れ込み、また、電子は半導体N型層8か
らZnCdSe層5へと流れ込む。
【0025】このようにしてキャリアが注入されること
により、エネルギレベルの低いZnCdSe層5に閉じ込めら
れた電子と正孔の再結合が起こり、該ZnCdSe層5から自
然光を放出する。さらに、励起電流が閾値を越えると、
自然光の放出から誘導放出に移行し、ZnCdSe層5の平行
両端面間で光が共振してレーザ発振が起こる。
により、エネルギレベルの低いZnCdSe層5に閉じ込めら
れた電子と正孔の再結合が起こり、該ZnCdSe層5から自
然光を放出する。さらに、励起電流が閾値を越えると、
自然光の放出から誘導放出に移行し、ZnCdSe層5の平行
両端面間で光が共振してレーザ発振が起こる。
【0026】図3は本実施例におけるエネルギバンドの
状態を示している。この図に示すように、各層の正電極
11に対するエネルギーバンドのギャップの大きさは、
P型GaAs膜10<II−VI族半導体膜2のP型ZnSe層7と
高くなっている。従って、正電極11からP型ZnSe層7
に至る間のエネルギー障壁は2段階状となり、それぞれ
の電位差は、正電極11とP型GaAs膜10間がΔV1、
P型GaAs膜10とP型ZnSe層7間がΔV2となる。
状態を示している。この図に示すように、各層の正電極
11に対するエネルギーバンドのギャップの大きさは、
P型GaAs膜10<II−VI族半導体膜2のP型ZnSe層7と
高くなっている。従って、正電極11からP型ZnSe層7
に至る間のエネルギー障壁は2段階状となり、それぞれ
の電位差は、正電極11とP型GaAs膜10間がΔV1、
P型GaAs膜10とP型ZnSe層7間がΔV2となる。
【0027】そして、これらΔV1、ΔV2の和は、図6
に示した従来構成の正電極28とP型ZnSe層27間の電
位差ΔVとほぼ等しいものであるが、正負電極11、1
2間のPN接合構造を流れる電流量はエネルギー障壁の
高さに対して指数関数的に減少する。
に示した従来構成の正電極28とP型ZnSe層27間の電
位差ΔVとほぼ等しいものであるが、正負電極11、1
2間のPN接合構造を流れる電流量はエネルギー障壁の
高さに対して指数関数的に減少する。
【0028】図4は本実施例及び従来例の電圧/電流特
性を示している。この図から明らかなように、本実施例
では従来例と比較して、同一電位差のエネルギー障壁で
あっても、正孔hが正電極11とP型ZnSe層7間のエネ
ルギー障壁を越えるのに必要な電流を得るための電圧を
大きく低下させることが可能になる。
性を示している。この図から明らかなように、本実施例
では従来例と比較して、同一電位差のエネルギー障壁で
あっても、正孔hが正電極11とP型ZnSe層7間のエネ
ルギー障壁を越えるのに必要な電流を得るための電圧を
大きく低下させることが可能になる。
【0029】次に、上記構成の半導体レーザー装置の製
造工程を説明すると、まず基板温度が350℃以下の所
定温度値に設定されたN型GaAs基板1上に、ZnCdSSe系
のII−VI族半導体膜2をMBE成長させることにより、
該N型GaAs基板1上にN型ZnSe層3、N型ZnSSe層4、Z
nCdSe層5、P型ZnSSe層6及びP型ZnSe層7を積層状に
形成する。
造工程を説明すると、まず基板温度が350℃以下の所
定温度値に設定されたN型GaAs基板1上に、ZnCdSSe系
のII−VI族半導体膜2をMBE成長させることにより、
該N型GaAs基板1上にN型ZnSe層3、N型ZnSSe層4、Z
nCdSe層5、P型ZnSSe層6及びP型ZnSe層7を積層状に
形成する。
【0030】次いで、II−VI族半導体膜2の成長時にお
ける基板温度以下の基板温度、従って350℃よりも低
い、例えば300℃程度に基板温度を設定し、この温度
条件下でII−VI族半導体膜2の最上層であるP型ZnSe層
7上にP型GaAs膜10をMBE成長させる。この場合、
P型GaAs膜10のキャリア濃度は1019/cm3以上と
する。
ける基板温度以下の基板温度、従って350℃よりも低
い、例えば300℃程度に基板温度を設定し、この温度
条件下でII−VI族半導体膜2の最上層であるP型ZnSe層
7上にP型GaAs膜10をMBE成長させる。この場合、
P型GaAs膜10のキャリア濃度は1019/cm3以上と
する。
【0031】このようにP型GaAs膜10の成長温度をZn
CdSSe系のII−VI族半導体膜2の成長温度以下にするこ
とにより、P型ZnSe層7へのP型GaAs膜10が拡散して
電気的に高抵抗な合金層が生成されるのが防止され、該
P型ZnSe層7が変質するのを回避することができる。
CdSSe系のII−VI族半導体膜2の成長温度以下にするこ
とにより、P型ZnSe層7へのP型GaAs膜10が拡散して
電気的に高抵抗な合金層が生成されるのが防止され、該
P型ZnSe層7が変質するのを回避することができる。
【0032】P型ZnSe層7上にP型GaAs膜10が形成さ
れた後、該P型GaAs膜10上に正電極11となるAu等の
金属を蒸着し、さらに正電極11及びP型GaAs膜10の
不要部分をエッチングにより除去して、図2に示したよ
うにP型GaAs膜10及び正電極11を帯状に成形する。
れた後、該P型GaAs膜10上に正電極11となるAu等の
金属を蒸着し、さらに正電極11及びP型GaAs膜10の
不要部分をエッチングにより除去して、図2に示したよ
うにP型GaAs膜10及び正電極11を帯状に成形する。
【0033】なお、上記実施例では、半導体膜2はZnCd
SSe系II−VI族半導体により構成されているものを示し
たが、本発明では、該半導体膜2をMgZnCdSSe系II−VI
族半導体により構成してもよく、また、P型GaAs膜10
に代えて、該P型GaAs膜10と同様にエネルギー障壁の
レベルがP型ZnSe層7と金属電極11の中間レベルとな
るP型InGaAs膜を用いても同様の作用、効果を得ること
ができる。
SSe系II−VI族半導体により構成されているものを示し
たが、本発明では、該半導体膜2をMgZnCdSSe系II−VI
族半導体により構成してもよく、また、P型GaAs膜10
に代えて、該P型GaAs膜10と同様にエネルギー障壁の
レベルがP型ZnSe層7と金属電極11の中間レベルとな
るP型InGaAs膜を用いても同様の作用、効果を得ること
ができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導体発光
装置の製造方法によるときは、前記II−VI族半導体膜を
GaAs基板上でMBE成長させるに際し、基板温度350
℃以下で行うようにし、しかも、このII−VI族半導体膜
の成長時における基板温度以下の基板温度下で、該II−
VI族半導体膜最上層の半導体P型層上にP型GaAs膜また
はP型InGaAs膜をMBE成長させるようにしているの
で、P型GaAs膜またはP型InGaAs膜がII−VI族半導体膜
中に拡散して電気的に高抵抗な合金層が生成されるのが
防止され、II−VI族半導体膜の変質を回避できる。
装置の製造方法によるときは、前記II−VI族半導体膜を
GaAs基板上でMBE成長させるに際し、基板温度350
℃以下で行うようにし、しかも、このII−VI族半導体膜
の成長時における基板温度以下の基板温度下で、該II−
VI族半導体膜最上層の半導体P型層上にP型GaAs膜また
はP型InGaAs膜をMBE成長させるようにしているの
で、P型GaAs膜またはP型InGaAs膜がII−VI族半導体膜
中に拡散して電気的に高抵抗な合金層が生成されるのが
防止され、II−VI族半導体膜の変質を回避できる。
【図1】 本発明の実施例の構成を模式的に示す断面
図。
図。
【図2】 その平面図。
【図3】 本実施例におけるエネルギバンドの状態を示
す特性図。
す特性図。
【図4】 本実施例及び従来例の電圧/電流特性を比較
して示す線図。
して示す線図。
【図5】 一般的な半導体レーザの構成及びそれに対応
するエネルギバンドの状態を模式的に示す図。
するエネルギバンドの状態を模式的に示す図。
【図6】 従来例の構成を模式的に示す断面図。
【図7】 従来例におけるエネルギバンドを示す特性
図。
図。
1 GaAs基板 2 II−VI族半導体膜 5 活性層 8 半導体N型層 9 半導体P型層 10 P型GaAs膜 11 電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−200784(JP,A) 特開 平6−224230(JP,A) 特開 平5−218565(JP,A) 特開 平5−21893(JP,A) 特開 平5−21892(JP,A) 特開 平1−296687(JP,A) 特開 平6−302860(JP,A) 特開 平5−275803(JP,A) 特開 平1−187885(JP,A) 特開 平3−161982(JP,A) 特開 昭60−178684(JP,A) Gallium Arsenide and Related Compou nds 1991,Washington US,No.120,p.9−16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 H01L 21/363 H01L 33/00
Claims (1)
- 【請求項1】 基板温度350℃以下で半導体N型層、
活性層、半導体P型層の順序でMBE成長したZnCdSSe
系またはMgZnCdSSe系のII−VI族半導体膜をGaAs基板上
に形成した後、このII−VI族半導体膜の成長時における
基板温度以下の基板温度下で、該II−VI族半導体膜最上
層の半導体P型層上にP型GaAs膜またはP型InGaAs膜を
MBE成長し、さらに前記P型GaAs膜またはP型InGaAs
膜上に電極を形成したことを特徴とする半導体発光装置
の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13713593A JP3288481B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 半導体発光装置の製造方法 |
EP94108622A EP0632510B1 (en) | 1993-06-08 | 1994-06-06 | Semiconductor light emitting device and its manufacturing method |
DE69428835T DE69428835T2 (de) | 1993-06-08 | 1994-06-06 | Lichtemittierende Halbleitervorrichtung und Herstellungsverfahren |
US08/255,933 US5548127A (en) | 1993-06-08 | 1994-06-07 | Semiconductor light emitting device and its manufacturing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13713593A JP3288481B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 半導体発光装置の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06350201A JPH06350201A (ja) | 1994-12-22 |
JP3288481B2 true JP3288481B2 (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=15191644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13713593A Expired - Fee Related JP3288481B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 半導体発光装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3288481B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6996150B1 (en) | 1994-09-14 | 2006-02-07 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor light emitting device and manufacturing method therefor |
-
1993
- 1993-06-08 JP JP13713593A patent/JP3288481B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Gallium Arsenide and Related Compounds 1991,Washington US,No.120,p.9−16 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06350201A (ja) | 1994-12-22 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |