JP5095795B2 - エチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体を製造する方法に関し、さらに詳しくは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(以下、「EVOH」ともいう)の原料となるエチレンとビニルエステルとをアルコール中で重合,ケン化する際に生じる副生成物や、ケン化時に使用する触媒の残渣,アルコール溶媒等の不純物を高度に除去することのできるエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法に関する。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体(EVOH)は、透明性,酸素等に対するガスバリア性,耐溶剤性,耐油性,機械強度等に優れており、フィルム,シート,ボトル等に成形され、食品包装材料,医薬品包装材料,工業薬品包装材料,農薬包装材料等の各種包装材料として広く用いられている。
このEVOHは、通常、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルとエチレンとの共重合によって得られるエチレン−ビニルエステル系共重合体を、アルコール溶媒中、触媒の存在下、高温高圧条件下でケン化して製造される。近年かかる製造方法として、上記ケン化工程で得られた高温高圧状態のEVOHのアルコール溶液を、容器中で水または水蒸気と接触させることにより、アルコールと水を置換し、常圧で安定なEVOHの水/アルコール混合溶液として、水/アルコールの比率や圧力を調節することによって粘度を調整し、押出機を用いて溶融混練した後、水等を主体とする低温の凝固浴中にストランド状に押出し、切断することによりペレット化してから該ペレットを洗浄・乾燥して、フィルム,シート,ボトル等の成形加工に供される方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来のEVOHの製造方法においては、EVOHの水/アルコール溶液を凝固浴中に押し出してEVOHをストランド化し、アルコールを洗浄して除去する際に、凝固浴に洗出されたアルコールが空気中に揮散し、作業環境を悪化させる原因となるという問題点を有していた。
そこで、上記の問題を解決する方法として、押出機を用いた最終製品を得るためのペレット化を行う前に、上記常圧で安定なEVOHの水/アルコール混合溶液(EVOHと水/アルコールとの混合物からなるペースト)を、ニーダー等を使用して水分量を減らして一旦ペレット化し、これにより得られたEVOH含水組成物ペレットを洗浄−乾燥させたうえで、上記押出機を用いて、最終的なEVOHの製品ペレットを得る方法が提案されている(特許文献2,3参照)。
しかし、これら特許文献2,3に開示の製造方法では、中間生成物であるEVOH含水組成物ペレット(以下、かかるペレットを中間ペレットと称することがある)を製造する装置と、この中間ペレットを乾燥するための装置が必要となるため、製造コストの点で不利となる。また、上記中間ペレットの脱水・乾燥に時間とエネルギーがかかるうえ、乾燥機中に長期滞留したEVOHの中間ペレットが熱劣化しやすく、これが後の製品ペレットや成形加工に混入することで、異物の原因となる可能性が大きいという難点がある。
さらに、中間生成物であるEVOH含水組成物は、通常、ケン化時に使用する触媒の残渣や、ケン化の際に生じる副生物、溶媒としてのアルコール等の不純物を含んでおり、これら不純物が多量に含まれる場合は、最終製品として得られるEVOHペレットおよびそのペレットを用いたフィルム,シート,ボトル等の成形品に着色等の問題が生じるおそれがある。しかしながら、中間ペレットを作成した後に洗浄を行う上記EVOHの製造方法(特許文献2,3)は、その洗浄を固形(ペレット形状)の状態で行うため、不純物をペレットの内部まで完全に除去することが難しいという問題があった。
そこで、本発明者らは、EVOH組成物の製造過程において、EVOHと水/アルコールとの混合物からなるペースト(高粘度のペースト)を、押出機を用いた最終製品を得るためのペレット化を行う前に、撹拌容器内で撹拌しながら水と接触させ、このペーストの組成を、EVOH:100重量部に対し、10重量部未満のアルコールと、20〜100重量部の水を含有するEVOH組成物とすることにより、ペレット化後の洗浄や加熱乾燥を行うことなく、低含水率のEVOH組成物を得ることができるエチレン−ビニルアルコール系共重合体組成物およびそのペレットの製造方法を提案している(特許文献4参照)。
特開2002−80605号公報 特開2002−284811号公報 国際公開第2004/009313号 国際公開第2009/084509号
しかしながら、上記本発明者らによるエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法(特許文献4)は、先に述べた従来のEVOH製造方法に比べ、上記不純物の除去率は向上しているものの、さらに検討を加えたところ、この製造方法では、洗浄対象であるEVOHとアルコールを含有するペーストの粘性が高いため、水中での撹拌操作だけでは、上記高粘度のEVOHペーストがその形状を保ったまま撹拌され、ペーストの内部が水に晒されにくくなっていることが判明した。そのため、上記不純物を充分に除去しきれていない可能性があり、その改善が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ケン化の際に生じるケン化触媒の残渣,副生物や溶媒等の不純物が高度に除去され、高品質で均質な製品を効率的に製造することのできるエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とこのエチレン−ビニルアルコール系共重合体100重量部に対して3〜200重量部のアルコールを含むペーストを、横型の洗浄槽に導入し、この横型洗浄槽内で洗浄水と接触させながら、上記ペーストの表面と内部とが繰り返し入れ替わるようにせん断力を加えて混練して、上記アルコールの一部または全部を洗浄水とともに槽外に排出し、アルコール含有量の少ないエチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物を得る主洗浄工程を備えるエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法をその要旨とする。
すなわち、本発明者は、前記課題を解決するためにさらに鋭意研究を重ねた。その結果、EVOHとアルコールを含む高粘度ペーストを、水の中で単に撹拌するだけでなく、洗浄水に接触させた状態でせん断力を与えながら強制的に混練し、上記ペーストの表面と内部とが繰り返し入れ替わるように表面更新させて、このペースト全体を余すところなく何度も洗浄水に接触させること(すなわち、液相中混練を行うこと)により、上記ペースト中の不純物をほぼ完全に除去できることを見出し、本発明に到達した。
なお、本発明においては、本発明のポイントである上記の洗浄工程を「主洗浄工程」と称する。本発明において、主洗浄とは、ペーストの滞留時間や洗浄前後の不純物の量の差について、他の洗浄工程と相対的に異なることを意味するものではない。
本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法は、以上のような知見にもとづきなされたものである。すなわち、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とこのエチレン−ビニルアルコール系共重合体100重量部に対して3〜200重量部のアルコールを含むペーストを横型洗浄槽に導入し、この横型洗浄槽に導入した洗浄水と接触させながら、単に撹拌するだけでなく、上記ペーストの表面と内部とが繰り返し入れ替わるように、言い換えれば表面更新されるようにして、せん断力を加えて混練している。そのため、ペーストの表面だけでなく、その内部も洗浄水と接触し、それによって、上記洗浄水とともに上記アルコールの一部または全部と、重合およびケン化の際の残存触媒や副生物等の不純物とが、高い効率で除去される。したがって、本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法によれば、得られるEVOH含水組成物中の不純物が低減され、最終製品であるEVOHおよびEVOHを用いた成形品の品質を向上させることができる。
また、そのなかでも、上記横型洗浄槽が、この横型洗浄槽内における上記ペーストの流れ方向に沿って、上方から下方に向かって傾斜するように配置されている場合は、槽型容器内に投入されたペーストが、混練すなわち表面更新されながら、ペースト自体の自重により、上記傾斜に沿ってペースト導入側から導出側に(すなわち上流から下流へ)移動し、重力を利用して槽型容器外へ取り出される。したがって、本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法は、ペーストが高粘度であっても、この主洗浄工程をスムーズに通過させることができる。
また、上記横型洗浄槽の浴比が、導入洗浄水/導入ペーストの重量比にて0.5〜10である場合には、この横型洗浄槽内における水−アルコールの置換・洗浄効率と、費用対効果とのバランスが最適となる。
また、上記横型洗浄槽が、横型洗浄槽の長手方向に対して垂直方向にせん断力を加えるスクリューを有し、上記スクリューのクリアランスが1〜20mmである場合は、上記ペーストの表面更新の効率がより向上する。
一方、エチレン−ビニルアルコール系共重合体の耐熱性等の物性を向上させるために、このEVOHに、カルボン酸化合物,ホウ素化合物,リン酸化合物などの添加剤を添加する場合があり、従来のEVOHの製造方法では、EVOHを中間ペレット化した後、このペレットを上記添加剤を含有する水溶液に浸漬し、その後脱水−乾燥する方法がとられていた。しかしながら、近年の成形技術の高度化による樹脂性能への要求の高まりにより、上記添加剤をより高度にペレット中に均一に分散させる技術が求められている。
これに対して、本発明の製造方法のなかでも、上記主洗浄工程の洗浄水が、カルボン酸,カルボン酸塩,ホウ素化合物,リン酸化合物から選ばれる少なくとも一種の添加剤を含有する場合には、上記ペーストの混練すなわち表面更新に伴って、上記添加剤をペーストの内部まで均一に分散させることができる。また、上記添加剤を添加するための工程や設備を設ける必要がなく、製造に伴う工数の削減や設備の簡略化を実現できるという利点を有する。
さらに、本発明において、上記主洗浄工程で得られたエチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物の含水量が、エチレン−ビニルアルコール系共重合体100重量部に対して30〜400重量部である場合には、このEVOH含水組成物を押出機で溶融混練−ペレット化する際に、L/D値(スクリューの有効長さ/スクリューの直径)が大きいなどの特別な押出機を用いる必要がなく、有利である。
なお、上記主洗浄工程で得られたペースト状のエチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物の含水量が、低すぎる場合には、エチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物の粘度が上がって、樹脂の移送効率が低下する傾向があり、逆に、高すぎる場合には、樹脂を脱水乾燥する際に生産効率が低下する傾向がある。
つぎに、本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法のなかでも、上記主洗浄工程を行う前に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールを含む溶液を洗浄容器に導入し、この洗浄容器内で水または水蒸気と接触させて、上記アルコールの一部を水または水蒸気とともに容器外に排出し、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールおよび水を含むペーストを得る予備洗浄工程を備えている場合は、該溶液中の、アルコール(溶媒)と水の置換を、さらに効率よく行うことができる。
また、本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法のなかでも、上記主洗浄工程で得られたエチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物を押出機に供給し、溶融混練した後、吐出して切断し、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットを得る工程を備えている場合は、このペレット化工程の前に、EVOHとアルコールを含有する溶液中の、アルコール(溶媒)と水の置換が効率よく行われているため、押出機を用いたペレット化後に、ペレットの洗浄およびそれに伴う加熱乾燥を行う必要がない。したがって、本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法は、EVOHペレット製造に伴う工数の削減や設備の簡略化を実現できるとともに、工程のスピードアップや省エネルギー化により、EVOH製造のコストの低減することができる。
なお、上記ペレットを得る工程から得られたエチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットの含水量は、EVOH100重量部に対して10重量部未満であることが望ましい。
本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法の一態様の概略を示すフロー図である。 本発明の実施形態の主洗浄工程で用いられる横型洗浄槽の内部構成を示す縦方向の断面模式図である。 本発明の実施形態の主洗浄工程で用いられる横型洗浄槽の内部を上側から見下ろした断面模式図である。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法の一態様の概略を示すフロー図である。
このEVOHの製造工程は、エチレン−ビニルエステル系(本例においてはエチレン−酢酸ビニル)共重合体のアルコール溶液に対してケン化を施し、EVOHのアルコール溶液を得るケン化処理工程(図示省略)と、EVOHとアルコールを含む溶液を塔型の洗浄容器中で水蒸気と接触させ、EVOHとアルコールを含むペーストを得る予備洗浄工程と、ペーストを横型洗浄槽でせん断力を加えて洗浄水と接触させ、ペーストの内部と表面とを繰り返し入れ替え、すなわち液相中混練して、アルコール含有量の少ないペースト状のEVOH含水組成物(EVOH−Paste)を得る主洗浄工程と、洗浄後のEVOH含水組成物を押出機およびストランドカッタ等を用いてペレット化するペレット化工程(図示省略)と、から構成されている。
本発明における「EVOHとアルコールを含むペースト」(EVOHペーストと称することがある)は、ゴム状(またはゼリー状)の含水ゲルであり、柔らかく流動性がある、変形自在な固体である。このEVOHペーストは、ナイフ等によって個体に簡単に切断することができ、新たな表面が形成され、切断された個体同士は、別の個体と合体し新たな個体を形成することができる(これを再び繰り返すこともできる)。本発明では、この柔らかく流動性のあるゴム状のEVOHペーストの性質を利用し、液相中で固体を切断および合体させることを繰り返す「表面更新」をしながら、洗浄および/または熱安定剤添加処理を行うものである。
上記ゴム状のEVOHペーストの粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用い、落球粘度測定法(ストークス式)にて測定した値で、通常101〜106mPa・s、好ましくは102〜106mPa・s、特に好ましくは102〜104mPa・sである。かかるEVOHペーストの粘度は、温度、圧力、EVOH樹脂分の濃度、アルコール含有量に依存する。したがって、本発明の主洗浄工程で用いる混練手段は、上記EVOHペーストの切断・合体を繰り返し行うことができる構造のものを採用する必要があり、通常、後述するスクリュー型,ギア型,パドル型等が用いられる。
なお、上記EVOHペーストが不透明である場合、該落球粘度測定値と相関関係にある撹拌トルク値にて粘度を算出する方法が用いられる。すなわち、粘度が異なる複数の透明ペースト500gの落球粘度を測定し、同条件下において6枚パドル翼を有するガラスオートクレーブにて、一定撹拌速度における撹拌トルク値を記録し、かかるデータを基準として、別途同一条件下で不透明ペーストの撹拌トルク値を測定し、かかるデータから上記該落球粘度測定値を算出する。
なお、本発明においては、上記ケン化処理工程で得られたEVOHとアルコールを含有する溶液を、塔型の洗浄容器中で水蒸気と接触させ、EVOHとアルコールを含むペーストを得る工程を、先に述べたように「予備洗浄工程」と称する。本発明において、予備洗浄工程とは、主洗浄工程よりも前にある工程であることを意味し、ペーストの滞留時間や洗浄前後の不純物の量の差に関して他の洗浄工程と相対的に異なることを意味するものではない。
まず、本発明において用いられるエチレン−ビニルエステル系共重合体および本発明において得られるEVOHについて予め説明する。
本発明において得られるEVOHは、非水溶性の熱可塑性樹脂である。上記EVOHは、通常、ビニルエステルとエチレンを共重合して得られたエチレン−ビニルエステル系共重合体をケン化して得られるものであり、エチレン構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、ケン化時に残存する若干量のビニルエステル構造単位を含むものである。
上記ビニルエステル系化合物としては代表的には酢酸ビニルであるが、他にもギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バレリン酸ビニル,酪酸ビニル,イソ酪酸ビニル,ピバリン酸ビニル,カプリン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,ステアリン酸ビニル,安息香酸ビニル,バーサチック酸ビニル等を、単独でもしくは併せて用いることができる。
なお、本発明では、エチレンとビニルエステル以外に、EVOHに要求される特性を阻害しない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、上記単量体としては、下記のものがあげられる。例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類や、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類や、そのアシル化物、エステル化物があげられ、エステル化物としては、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、特に、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン等があげられる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩、ならびに、炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類があげられる。また、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、ならびに、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類や、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩ならびにその4級塩等のメタクリルアミド類があげられる。また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類や、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、ならびに、酢酸アリル、塩化アリル、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルエチレンカーボネート、グリセリンモノアリルエーテル等があげられる。
また、EVOHのエチレン含有量は、エチレンとビニルエステルの重合時に決定するものであり、ケン化の前後で変化するものではない。上記エチレン含有量は、EVOHにおけるエチレン含有量として、ISO14663にもとづいて測定した値で、通常20〜60モル%であり、好ましくは20〜55モル%、さらに好ましくは25〜50モル%である。このエチレン含有量が少なすぎる場合、溶融成形する際の成形性が低下する傾向にあり、逆に多すぎる場合、成形物に用いたときのガスバリア性が低下する傾向がある。
上記EVOHにおけるビニルエステル成分の平均ケン化度は、JIS K6726(ただし、EVOHが、水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液状態で測定)にもとづいて測定した値で、通常90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは99〜100モル%である。上記ケン化度が低すぎる場合、ガスバリア性や耐湿性等が低下する傾向にある。
また、EVOHにおけるメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)は通常0.1〜100g/10分であり、好ましくは0.5〜50g/10分、さらに好ましくは1〜30g/10分である。このメルトフローレートが小さすぎる場合には、溶融成形時に高トルク状態となって成形加工が困難となる傾向にあり、また大きすぎる場合には、成形物としたときの外観性やガスバリア性が低下する傾向にある。
エチレンとビニルエステルの共重合には、溶液重合,懸濁重合,乳化重合,バルク重合などの公知の重合法が用いられ、なかでも溶液重合が好ましく用いられる。なお、溶液重合に使用される溶媒としては、エチレンとビニルエステル、およびその重合生成物であるエチレン−ビニルエステル系共重合体を溶解するものであることが必要であり、通常はアルコールが用いられる。好ましくは炭素数が1〜4のアルコールであり、具体的には、メタノール,エタノール,n−プロピルアルコール,イソプロピルアルコール,t−ブチルアルコール等があげられる。そして、後述するケン化処理を考慮して、ケン化処理で用いる溶媒と上記重合時の溶媒と同じにすると、溶媒置換の必要がなく、回収再利用等の処理もあわせて効率的に行えることから、上記重合溶媒にはメタノール(MeOH)が特に好ましく用いられる。
溶液重合等により得られたエチレン−ビニルエステル系共重合体のケン化は、この共重合体をアルコールまたは水/アルコール等のアルコールを含有する溶媒に溶解させた状態で、ケン化触媒を用いて行われる。そして、エチレン−ビニルエステル系共重合体のアルコール含有溶液におけるエチレン−ビニルエステル系共重合体樹脂分の濃度は、通常20〜70重量%であり、好適には30〜60重量%である。溶媒は好ましくはアルコール溶媒であるが、水/アルコール混合溶媒の場合、その混合比は(水/アルコール)の重量比にて通常(1/99)〜(30/70)、好ましくは(1/99)〜(20/80)、さらに好ましくは(1/99)〜(10/90)である。
また、ケン化触媒としては、アルカリ触媒,酸触媒等があげられる。例えば具体的に、アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物,ナトリウムメチラート,ナトリウムエチラート,カリウムメチラート,リチウムメチラート等のアルカリ金属アルコキシド等があげられる。酸触媒としては、硫酸,塩酸,硝酸等の無機酸、メタスルフォン酸等の有機酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等があげられる。取扱い性や工業生産性の観点から好ましくはアルカリ触媒であり、特に好ましくはアルカリ金属水酸化物である。上記触媒の使用量については、目標とするケン化度等により適宜選択される。例えば、アルカリ触媒を使用する場合は通常、脂肪酸ビニルエステル量に対して通常0.001〜100ミリモル当量、好ましくは3〜30ミリモル当量である。
ケン化の方法に関しては、目標とするケン化度に応じて、バッチ式、連続式(ベルト式)、塔式のいずれの方法を採用することが可能である。ケン化時の触媒量が低減できることやケン化反応が高効率で進み易い等の理由より、塔式装置(図示省略)を用いることが好ましい。
また、通常、アルコール溶媒中で加熱加圧下で系を溶液状態に保ちながらケン化反応を行うが、その圧力はエチレン−ビニルエステル系共重合体のエチレン含有量により調節すればよい。例えば具体的には、圧力は通常0〜1MPaG、好ましくは0.1〜0.5MPaGの範囲から選択され、温度は通常50〜180℃、好ましくは80〜160℃である。また、ケン化反応時間は通常0.1〜6時間である。なお、「MPaG」単位は、ゲージ値における単位であり、絶対圧と大気圧の差を示すものである(以下の「MPaG」も同様)。
そして、ケン化反応後のEVOHは、高温高圧状態のアルコール溶液または水/アルコール溶液などを溶媒とする溶液として反応系から導出され、直接、あるいは必要に応じて一旦タンク等に貯留した後、前記予備洗浄工程の洗浄容器に供給される。例えば、具体的には、図1中のSである。
なお、ケン化反応においては、エチレン−ビニルエステル系共重合体のビニルエステル部分が水酸基に変換され、脱離基がカルボン酸エステルとして副生する。例えば、上記ビニルエステルとして酢酸ビニルを用いた場合、ケン化時の副生物として酢酸メチル(MeAc)が副生される。
このほかにも、ケン化触媒がアルカリ触媒の場合、触媒が有する金属がカルボン酸金属塩となって副生される。例えば、上記ビニルエステルとして酢酸ビニルを用い、水酸化ナトリウムを触媒として用いた場合、酢酸ナトリウムが副生される。また、カルボン酸が還元されたり、アルコールが酸化されたりすることによって、対応するアルデヒドが副生される。例えば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体のケン化時には、アセトアルデヒドが副生される。
つぎに、上記ケン化処理工程で得られたEVOHとアルコールを含む溶液中のアルコールの一部を水に置換し、アルコール含有量の少ないEVOH含水組成物を得る工程について説明する。
本発明におけるエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法は、上記EVOHのアルコールを含む溶液中の、アルコールの水への置換と、ケン化する際に生じる副生成物、ケン化時に使用する触媒の残渣等の水への溶解による除去を行うものである。そして好ましくは、これを複数回に分けて行うものである。複数回に分けて行う場合、より詳細には、予備洗浄工程の後に主洗浄工程を備えるものである。このとき、場合によっては予備洗浄工程と主洗浄工程の間に、他の洗浄工程を複数回行っても差し支えない。
<予備洗浄工程の説明>
まず、予備洗浄工程における洗浄容器は、多孔板塔,泡鐘塔などの棚段塔や充填塔等の塔型容器を備えるものである。上記棚段塔式では、その理論段数は通常2〜20段であり、好ましくは5〜15段である。また、充填塔式でも、それに準じて充填物量が設定される。このような塔型容器に、EVOHとアルコールを含む溶液と水蒸気および/または水とが導入され、両者が接触することによってEVOH溶液中のアルコールの一部が水に置換され、EVOHとアルコールおよび水を含むペースト、および、水とアルコールの混合物が塔型容器から導出される。
塔型容器へのEVOHとアルコールを含む溶液、水蒸気および/または水の導入位置、および、EVOHのアルコールおよび水を含むペースト、水/アルコール混合物の導出位置は任意である。上記EVOHのアルコール溶液と水または水蒸気との接触は向流、並流のいずれでも可能であるが、置換効率の観点から、向流で接触させることが好ましい。具体的には、EVOHとアルコールを含む溶液を塔上部から導入し、水蒸気を塔下部から導入して前記溶液と向流接触させ、アルコール蒸気を水蒸気とともに塔上部から導出し、EVOHのアルコールおよび水を含むペーストを塔下部から導出する形態を採用することが好ましい。
なお、棚段塔を用いる場合のEVOHとアルコールを含む溶液の供給位置は、通常塔頂部よりも通常2〜8段下であり、好ましくは2〜4段下である。上記供給位置よりも上の段には、水を供給したり、水蒸気の導出量を調整したりして、棚上に水層を形成することが、塔上部から導出される、水とアルコールの混合蒸気中へのEVOH等の飛沫の同伴を防ぎ、蒸気の移送管や凝縮器中の汚染を防止することができるため、好ましい。
また、水蒸気の供給位置は、置換効率の観点から、通常、塔底部であるが、場合によってはそれよりも1〜5段上であっても構わない。なお、上記塔から導出されたアルコールと水との混合蒸気は、凝縮器などを用いて液化し、分離精製して再使用することが可能である。
例えば具体的には、図1のように、多数の棚段1dを有する塔型の洗浄容器1を用いて、前記ケン化処理工程で得られたEVOHとアルコールを含む溶液を、塔上部のペースト導入口1aから洗浄容器1内に導入し、塔下部の水蒸気導入口1sから洗浄容器1内に導入された水蒸気(Steam)と接触させて、上記溶液中のアルコールの一部を置換し、EVOHとアルコールおよび水を含むペーストを、塔底部のペースト導出口1bから導出するとともに、上記置換されたアルコールの一部を水蒸気とともに塔頂部の排気口1cから容器外に排出する。
なおこのとき、上記排気口1cからは、水(および/または水蒸気)と置換されたアルコールのほか、上記水とともにケン化時の副生物も部分的に排出され、EVOHおよびその成形品に着色等の問題を発生させる不純物を低減することができる。
上記塔型容器から導出されるEVOHとアルコールおよび水を含むペースト中のアルコール、および水の含有量は、容器に導入されるEVOHとアルコールを含む溶液に対する水(および/または水蒸気)の導入量、塔内の温度や圧力、などによって制御することが可能である。上記水の制御方法は、用いる塔型容器の仕様、例えば、棚段の数、断面積と塔長の比率、棚段の数、多孔板の孔径や数、などによって一概に言えないが、例えば、以下に示す条件が好ましく用いられる。
予備洗浄工程に導入されるEVOHとアルコールを含む溶液のEVOH樹脂分の濃度は、通常10〜70重量%であり、好ましくは20〜65重量%、さらに好ましくは30〜60重量%である。また、溶媒が水/アルコールである場合、その混合比は(水/アルコール)の重量比にて通常(1/99)〜(80/20)、好適には(1/99)〜(70/30)、さらに好適には(1/99)〜(60/40)であり、通常、EVOH100重量部に対してアルコールを80〜500重量部含有し、好ましくは100〜300重量部である。
塔型容器に導入される水蒸気(または水)の導入量は、少なすぎるとアルコールとの置換効率が不足し、逆に多すぎるとコスト面で不利となる。上記水蒸気の量は、EVOH溶液の導入量に対して通常0.01〜30倍(重量比)であり、好適には0.1〜10倍、さらに好適には0.5〜5倍である。
導入される水および水蒸気の温度は通常30〜200℃であり、好ましくは80〜180℃であり、さらに好ましくは100〜150℃である。置換効率の観点から、特に水蒸気として容器中に導入されることが好ましい。上記水および水蒸気は前述の容器から導出されたアルコールと水の混合蒸気を精製したものを再使用したものであってもよく、若干量のアルコールを含む混合蒸気であっても差し支えない。なお、若干量のアルコールを含む混合蒸気の場合、アルコールの含有量は通常水蒸気100重量部に対して10重量部以下であり、水−アルコールの置換効率の観点からは、アルコールの含有量がより少なく、理想的には全く含まないものが好ましい。
塔型容器内の温度は、通常は80〜200℃、好適には100〜180℃、さらに好適には110〜150℃である。上記温度が低すぎると、容器内でのEVOH溶液の粘度が高くなり、置換効率が低下する場合があり、逆に温度が高すぎると、樹脂そのものが劣化する傾向がある。
塔型容器内の圧力は、通常は0〜1MPaGであり、好ましくは0〜0.5MPaG、さらに好ましくは0.1〜0.3MPaGである。上記圧力が低すぎると置換効率が低下する傾向があり、また、高すぎると容器内の温度が上昇してEVOHが熱劣化しやすくなる傾向がある。
上記予備洗浄工程を経て、塔型容器から導出されるEVOHとアルコールおよび水を含むペーストは、EVOH100重量部に対してアルコールを通常10〜200重量部含有するものである。このアルコール量としては、ペースト全体をベースとして好ましくは20〜150重量部、さらには30〜120重量部とすることが好ましい。また、このペーストは、EVOH樹脂分が通常20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%であり、水をEVOH100重量部に対して通常20〜200重量部含有し、好適には30〜150重量部、さらに好適には40〜100重量部の水を含有する。かかるペーストの粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用い、落球粘度測定法(ストークス式)にて測定した値で、通常101〜105mPa・s、好ましくは101〜104mPa・s、特に好ましくは101〜103mPa・sである。アルコール含有量が比較的少なくなるほど、ペースト粘度が上昇する傾向がある。
なお、このときの水/アルコール比は、(水/アルコール)の重量比にて通常(1/99)〜(80/20)、好ましくは(10/90)〜(75/25)、さらに好ましくは(30/70)〜(70/30)である。上記アルコールおよび水の含有量が多すぎると、ついで行われる主洗浄工程の負担が大きくなる傾向がある。また、アルコールや水の含有量が少なすぎると粘度が高くなって、塔型容器後半の置換効率が低下したり、塔型容器からの導出が困難になる傾向がある。
さらに、ペーストが有する残存ケン化触媒は、ケン化触媒がアルカリ触媒であった場合にはそのカチオンの酢酸塩に、また、ケン化触媒が酸触媒であった場合には酢酸になる。上記残存ケン化触媒の含有量は、EVOHに対して通常1000〜4000ppmであり、好適には1500〜3000ppm、さらに好適には1700〜2700ppmである。なお、上記含有量は、アルカリ触媒の場合、1重量%の酢酸溶液でアルカリ(金属)を抽出し、イオンクロマトグラフィーで測定して求められる。
なお、必要に応じて、この予備洗浄工程と、後述する主洗浄工程の間に、公知の水/メタノール調整工程や、後述する公知の添加剤を添加する工程や、EVOHに水(および/または水蒸気)を導入する工程等を設けても差し支えない。例えば、予備洗浄工程にて得られたペーストを主洗浄工程に供する前に、上記ペーストに熱安定剤を含有させることが好ましく、特には、酢酸およびホウ酸を含有させることが好ましい。上記含有量は、酢酸の場合EVOHに対して通常1500〜4000ppmであり、ホウ酸の場合はEVOHに対して通常100〜1000ppm添加することができる。
<主洗浄工程の説明>
つぎに、本発明の特徴的工程である主洗浄工程について説明する。
主洗浄工程に供されるEVOHペースト(以下、便宜上、主洗浄工程に供されるEVOHペーストをEVOHペースト(I)と称することがある)は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールを含むペーストである。かかるEVOHペースト(I)が有するアルコールの含有量は、EVOH100重量部に対して通常3〜200重量部であり、好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜120重量部である。また、EVOH樹脂分が通常10〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。
該ペーストが水を含有する場合、その水の含有量は、EVOH100重量部に対して通常20〜1000重量部であり、好適には40〜500重量部、さらに好適には40〜300重量部である。なお、このときの水/アルコール比は(水/アルコール)の重量比にて通常(1/99)〜(70/30)、好ましくは(10/90)〜(70/30)、さらに好ましくは(30/70)〜(70/30)である。
かかるEVOHペーストの粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用い、落球粘度測定法(ストークス式)にて測定した値で、通常101〜106mPa・s、好ましくは102〜106mPa・s、特に好ましくは102〜104mPa・sである。
なお、EVOHペースト(I)が水を含有しないEVOHとアルコールを含むペーストである場合は、温度や圧力にて粘度を調節し、上記のペースト状態として主洗浄工程に供することが好ましい。
ここで、主洗浄工程に供されるペーストEVOHペースト(I)は、未だ残存ケン化触媒を含有している状態であり、上記残存ケン化触媒の含有量は、EVOHに対して通常1000〜4000ppmであり、好適には1500〜3000ppm、さらに好適には1700〜2700ppmである。なお、上記含有量は、アルカリ触媒の場合、1重量%の酢酸溶液でアルカリ(金属)を抽出し、イオンクロマトグラフィーで測定して求められる。
上記主洗浄工程は、通常、ペースト導入口、ペースト導出口、洗浄水導入口、排水口をそれぞれ任意の位置に有する横型洗浄槽を用いるものである。上記横型洗浄槽の形状としては、例えば具体的には直方体型、円柱型等があげられる。上記ペーストはこの横型洗浄槽の長手方向に移送される。
また、主洗浄工程はEVOHペースト(I)を〔好ましくは上記予備洗浄工程であらかじめ水を含有させ、アルコール分を低減させて得られたEVOHペースト(I)を〕横型洗浄槽に設けられたペースト導入口から槽内に導入し、別途横型洗浄槽に設けられた洗浄水導入口から槽内に導入された洗浄水と接触させて、上記ペースト中のアルコールの残りの一部または全部をこの洗浄水とともに別途設けられた排水口から横型洗浄槽外に排出し、別途ペースト導出口から、よりアルコール含有量の少ないペースト状のEVOH含水組成物を得るものである〔以下、便宜上、主洗浄工程により得られたペーストをEVOHペースト(II)と称することがある〕。
そして、本発明の最大の特徴は、上記主洗浄工程において、その横型洗浄槽内に、ペーストを混練する装置が内蔵されており、洗浄水中で、上記導入されたEVOHとアルコールを含むペースト〔EVOHペースト(I)〕が、その表面と内部とが繰り返し入れ替わるように表面更新されながら混練され、このペースト状のEVOH樹脂がペーストの内部まで洗浄水に万遍なく接触できるように構成されている点である。すなわち、液相中混練を行う点である。
上記導入されたペーストと洗浄水との接触は向流、並流のいずれでも可能であるが、置換効率の観点から向流で接触させることが好ましい。上記洗浄槽へのEVOHペースト(I)の供給は、連続あるいは断続的に行うことが可能であるが、生産効率の観点から、好ましくは連続供給である。
また、かかるペーストの横型洗浄槽内におけるEVOH100重量部あたりの脱アルコール量は、横型洗浄槽導入前のペーストが含有するアルコール量の通常80〜100重量%である。好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは96〜100重量%である。
例えば、具体的には図1のように、槽上部のペースト導入(投入)口2aからEVOHペースト(I)を横型洗浄槽2内に導入し、槽下部の洗浄水導入口2wから横型洗浄槽2内に導入された洗浄水と接触させて、上記EVOHペースト(I)中のアルコールの残りの一部または全部を水と置換し、これを洗浄水とともに槽上部の排水口2cから容器外に排出する。一方、槽底部のペースト導出口2bから、アルコール含有量の少ないペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕を得る。
上記横型洗浄槽の浴比は、導入洗浄水/導入ペーストの重量比にて表すことができ、通常0.5〜10、好ましくは0.6〜5、さらに好ましくは0.8〜3である。上記浴比は、アルコールの置換効率に影響するものであって、この浴比が高すぎる場合、経済性が低下する傾向があり、また低すぎる場合、置換・洗浄効率が低下する傾向がある。
さらに、上記横型洗浄槽内におけるペーストの滞留時間は、目的とするEVOHの特性により変化するが、通常0.5〜10時間であり、好適には1〜8時間、さらに好適には1〜5時間である。
EVOHペースト(I)の洗浄槽への導入量は、浴比によって変化するが、通常横型洗浄槽の内容積に対して10〜90容積%/時間、好ましくは10〜50容積%/時間、さらに好ましくは10〜25容積%/時間である。少なすぎるとアルコールとの置換効率が低下する傾向があり、逆に多すぎると洗浄槽からの導出速度が追いつかず、非経済的となる傾向がある。
なお、導入されるEVOHペースト(I)の温度は、通常40〜110℃であり、好ましくは50〜100℃である。また、洗浄水の滞留時間は、通常0.5〜20時間であり、好ましくは0.5〜15時間である。
また、洗浄槽内の温度を一定に保つことが好ましい。洗浄槽内の温度は通常50〜150℃であり、好ましくは60〜120℃であり、さらに好ましくは70〜110℃である。上記温度が高すぎる場合、ペースト粘度が低くなり、低すぎる場合、粘度が上昇し取り扱いしにくくなる場合がある。特に、上記温度は洗浄水によって調節することが好ましい。これは、導入ペーストの流動性を維持するためである。したがって、洗浄水の温度は、自然放熱を考慮して、通常70〜160℃であり、好適には80〜130℃である。
さらに、本発明における主洗浄工程は、常圧条件下で行うことができるが、必要に応じて圧力を変化させて行うことが可能である。上記圧力は、通常0〜1MPaG、好ましくは0〜0.6MPaG、さらに好ましくは0〜0.3MPaGである。上記圧力が高すぎると容器内の温度が上昇してEVOHが熱劣化しやすくなる傾向がある。
また、上記横型洗浄槽内に導入される洗浄水には、カルボン酸,カルボン酸塩,ホウ素化合物,リン酸化合物から選ばれる少なくとも一種の熱安定剤を添加することが好ましい。上記洗浄水中におけるペーストの混練に伴って、洗浄と同時にこの熱安定剤をペースト中に均一に分散させることができる。
上記カルボン酸としては、炭素数が2〜4のカルボン酸が好ましく、また、1価あるいは2価のものが好適に用いられる。具体的には、シュウ酸,コハク酸,安息香酸,クエン酸,酢酸,プロピオン酸,乳酸等が例示され、これらのなかでも、コストおよび入手の容易さなどの面から、酢酸が好ましく用いられる。
上記カルボン酸を添加する場合、主洗浄工程後に得られるEVOHペースト(II)中のカルボン酸の含有量は、滴定法にて測定した値で、EVOHに対して通常10〜10000ppm、好ましくは50〜3000ppm、さらに好ましくは100〜2000ppmである。カルボン酸の含有量が少なすぎると、カルボン酸の含有効果が充分に得られない傾向があり、逆に多すぎると均一なフィルムを得ることが難しくなる傾向がある。なお、洗浄液におけるカルボン酸の濃度は、通常10〜3000ppmであり、好適には20〜1000ppm、さらに好適には30〜500ppmである。
また、熱安定剤の平衡効果の観点からカルボン酸塩をあえて添加する場合があり、上記カルボン酸塩は通常炭素数が2〜4のカルボン酸塩である。また、1価あるいは2価のものが好適に用いられる。具体的には、シュウ酸,コハク酸,安息香酸,クエン酸,酢酸,プロピオン酸,乳酸等のアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)などの塩が例示され、これらのなかでも、コストおよび入手の容易さなどの面から、酢酸塩が好ましく、特には酢酸ナトリウムが用いられる。
上記カルボン酸塩を添加する場合、主洗浄工程後に得られるEVOHペースト(II)中のカルボン酸塩の含有量は、原子吸光分析における金属換算にて、EVOHペーストに対して通常10〜5000ppmであり、好適には30〜1000ppm、さらに好適には50〜700ppmである。少なすぎると溶融成形時に着色が発生することがあり、また多すぎると溶融粘度が高くなることがある。なお、洗浄液におけるカルボン酸塩の濃度は、通常10〜3000ppmであり、好ましくは20〜1000ppm、さらに好ましくは30〜500ppmである。
ホウ素化合物としては、ホウ酸,ホウ酸エステル,ホウ酸塩などのホウ酸類,水素化ホウ素類などがあげられ、これらに限定されるものではないが、特にホウ酸あるいはホウ酸塩が好ましく用いられる。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸,メタホウ酸,四ホウ酸などがあげられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル,ホウ酸トリメチルなどがあげられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩,ホウ砂などがあげられる。これらの化合物のなかでもホウ酸が好ましい。
上記ホウ素化合物を添加する場合、主洗浄工程後に得られるEVOHペースト(II)中のホウ素化合物の含有量は、ホウ素換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で通常、EVOHペーストに対して10〜10000ppmであり、好ましくは100〜8000ppm、さらに好ましくは100〜7000ppmである。上記ホウ素化合物の含有量が少なすぎると熱安定性の改善効果が少なく、また、多すぎるとゲル化の原因となったり、成形性不良となる傾向がある。なお、洗浄液におけるホウ素化合物の濃度は、通常10〜3000ppmであり、好適には20〜1000ppm、さらに好適には30〜500ppmである。
上記リン酸化合物としては、リン酸,亜リン酸などの各種の酸や、その塩などが例示される。リン酸塩としては、第一リン酸塩,第二リン酸塩,第三リン酸塩のいずれの形で含まれていてもよく、そのカチオン種も特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩であることが好ましい。なかでも、リン酸二水素ナトリウム,リン酸二水素カリウム,リン酸水素二ナトリウム,リン酸水素二カリウムの形でリン酸化合物を添加することが好ましい。
上記リン酸化合物を添加する場合、主洗浄工程後に得られるEVOHペースト(II)中のリン酸化合物の含有量は、EVOHペーストに対してリン酸根換算で(イオンクロマトグラフィーにて分析)で通常、リン酸根換算で1〜1000ppmである。上記範囲となるように添加することで、成形物の着色およびゲルやフィッシュアイの発生を抑制することでき、上記含有量が少なすぎると溶融成形時が着色しやすくなる傾向が見られ、逆に多すぎると成形物のゲルやフィッシュアイが発生しやすくなる場合がある。なお、洗浄液におけるリン酸化合物の濃度は、通常1〜3000ppmであり、好ましくは10〜1000ppm、さらに好ましくは20〜500ppmである。
つぎに、上記主洗浄工程で用いられる横型洗浄槽の内部構造について詳しく説明する。
横型洗浄槽は、上記ペーストにせん断力を与える混練装置を備えており、例えば、スクリュー、ギア、パドル等を有する混練装置があげられる。これらの混練装置がペーストに与えるせん断力は、横型洗浄槽の長手方向に対して垂直方向であることが好ましく、言い換えれば、ペーストの流れ方向に対して垂直方向であることが好ましい。また、付属する設備としてはジャケットやコイル、あるいはヒーター内蔵スクリュー軸等の温度調節手段を備えたものが望ましい。図2は、本実施形態の主洗浄工程で用いられる横型洗浄槽2の内部構成を示す縦方向の断面模式図(カットモデル)であり、図3は、この横型洗浄槽2の内部を上側から見た断面模式図である。
本実施形態における横型洗浄槽は、その内部に水を貯めておくことのできる略方形状(箱形)の槽本体と、上記ペーストを混練するためのスクリューとを主体として構成されている。上記スクリューは1本でも複数でもよいが、複数である場合のほうが洗浄効率に優れる傾向がある。なかでも、運転効率の面から2〜5本が好ましく、特には2本であることが好ましい。具体的には、図3に示すように、本実施形態における横型洗浄槽2は、その内部に水を貯めておくことのできる略方形状(箱形)の槽本体2dと、上記ペーストを混練するための一対(2本)のスクリュー2s,2s’とを主体として構成されており、これらのスクリューは、横型洗浄槽の長手方向に対して垂直方向にせん断力を加える形態のものである。
本発明において上記槽本体は、水平、または傾斜して設置される。傾斜して設置される場合、水平に対してθ°傾斜して配置される。このθ°は通常0超〜45°であり、好ましくは10〜30°である。ここで、横型洗浄槽を水平に対してθ°傾斜させた場合(θ°>0の場合)、上記EVOHペースト(I)の投入口を上側に設置し、洗浄が終了した、ペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕を導出するためのペースト導出口を下側に設置することが好ましく、同時に洗浄水注入口を下側に設置し、洗浄水排出口を上側に設置することが好ましい。設置位置をこのように調節することで、ペーストと洗浄水の向流接触を効率よく行うことが可能であり、かつ比重の重いペーストを槽下部から導出することができ、洗浄後のペーストの回収効率が向上する傾向がある。
具体的には、本実施形態における横型洗浄槽2は、図2のように、水平に対して15°傾斜するものである。傾斜させた場合に上側となる一端側(図示左方)の上面には、上記予備洗浄工程から導出されたEVOHと水/アルコールとの混合物を含むペーストの投入口となるペースト導入口2aが設けられ、下側となる他端側(図示右方)の下面には、この槽本体2d内での混練,洗浄が終了した、ペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕を導出するためのペースト導出口2bが設けられている。なお、図2中の符号2wは洗浄水導入口、2cはこの洗浄水の排水口であり、上記洗浄水がペーストと向流的に接触できるように構成されている。また、ペースト導出口2bには、水(洗浄水)を漏出させずにペーストだけを取り出すことのできる水密構造が形成されている。
スクリューは、シャフトとこのシャフトに組み付けられた複数の翼から構成することが可能である。例えば具体的には、上記槽本体2dの長手方向に沿ってその内部に配置され、互いの各翼先端が軽接触するように平行に配設されて、いわゆる「二軸形ニーダー」型の混練装置を形成している。ただし、この二軸形ニーダー型混練装置が、一般的なニーダー(混練機)と異なる点は、スクリューと上記槽本体との間に大きな隙間(空間:クリアランスともいう)が設けられた、「大クリアランス型ニーダー」であり、上記スクリューがこの隙間に満たされた水(洗浄水)の中で回転し、ペーストに対してせん断力を加えて表面更新させ、液相中で混練することにより、ペースト中のアルコールや不純物等を、洗浄水に効率的に溶解させている点である。
なお、上記「クリアランス」は、スクリューの翼の先端部と横型洗浄槽の内壁との最も近い距離を示すものである。クリアランスは、通常1〜20mmであり、好ましくは5〜15mm、さらに好ましくは5〜10mmである。上記クリアランスが広すぎる場合、ペーストの表面更新効率が低下する傾向があり、狭すぎる場合、ペーストの移送効率が低下するという傾向がある。なお、洗浄水との接触機会が多少減少するが、一般的なニーダーでも使用することができる。
また、本発明においてはEVOHと水/アルコールを含むペーストを、その表面と内部とが繰り返し入れ替わるように表面更新することが可能となるように、上記スクリューの配置を調整することが好ましい。例えば、スクリュー歯が噛み合い方向になるようにスクリューの回転方向を調整したりすることがあげられる。
例えば、本実施形態においては、スクリューが2本である場合、ニーダー型混練装置は、2本のスクリュー2s,2s’が、図3のように、それぞれ違う方向(本例においては、両方とも内向き噛み合い方向)に回転するように設計されている。そして、上記槽本体2d内が水で満たされることから、スクリューのシャフトを支持する部位(軸受等)は水密・防水構造となっている。また、各スクリューは、図示しないモータ等の回転動力源に接続されている。
なお、シャフトに組み付けられる翼(パドル)には、例えば混練を目的としたフラットパドル(Pf)や、混練に送りを加味したヘリカルパドル(Ph),材料を逆送りする逆ヘリカルパドル(Pr)等があり、材料を下流側に送る(フィードする)スクリュー部(Ps)と組み合わせて使用される。本実施形態におけるパドルの組合せは、図3のように、スクリュー部(Ps)とヘリカルパドル(Ph)および逆ヘリカルパドル(Pr)を組み合わせたものであるが、この組合せはペーストの粘度等にあわせて適宜変更することができる。
また、本実施形態において使用できる混練装置の条件としては、ペーストにせん断を加えるために、撹拌・混練と同時に解砕機能を有することが求められる。したがって、供給されるペーストを連続で洗浄処理する場合は、上記二軸形ニーダータイプのほか、双腕形ニーダータイプやコニーダタイプ,ボテータタイプ等の混練装置を使用してもよい。また、リボン形,スクリュー形,パドル形,マラー形,放射ロッド形等の混合機や、ピンミキサー,カッタミキサー,ロッドミキサー,インターナルミキサー等のミキサー、ボール・ロッドミル,パグミル等のミルなど、水平な単軸あるいは複軸を有する混練装置を用いることもできる。本発明においては連続処理とバッチ処理方式ともに採用可能であるが、生産効率の観点から、好ましくは連続処理型である。
例えば具体的には、横型洗浄槽2内に導入されたペーストは、洗浄液中で、各スクリュー(2s,2s’)のスクリュー部によるフィード作用および/または上記横型洗浄槽2底面の傾斜により、上流側となるペースト導入口2aから、下流側となるペースト導出口2bに向かってスムーズに輸送されるとともに、対向する各パドル間およびスクリュー部間を通過するときに生じるせん断作用によって、ペーストの外面が内側に入るように、かつ、ペーストの内部が外に出るように混練され、このペーストの表面が順次更新されて、言い換えれば液相中で混練することにより、上記洗浄水との充分な接触が行われる。
したがって、本実施形態におけるエチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールを含むペーストは、上記洗浄水とともに、アルコールの一部または全部と、ケン化時に使用する触媒残渣や副生物等の不純物とが、高い効率で除去される。また、上記洗浄水に、熱安定剤として、カルボン酸、カルボン酸塩,ホウ素化合物,リン酸化合物から選ばれる少なくとも一種の添加剤が添加されていることから、上記ペーストの混練に伴って、この添加剤をペースト中に均一に分散・混合することができる。
本発明の主洗浄工程で得られたペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕は、EVOH樹脂分が通常30〜80重量%、好ましくは40〜70重量%であり、含水量は、EVOH100重量部に対して通常30〜400重量部であり、好ましくは40〜240重量部、さらに好ましくは50〜150重量部である。また、除去しきれなかったアルコールを含有していても構わないが、その含有量は、EVOH100重量部に対して通常10重量部未満であり、好適には5重量部未満であり、さらに好ましくは3重量部未満である。通常は、上記横型洗浄槽2中のEVOH含水組成物中のアルコールの含有量をモニターし、これが所望のアルコール濃度となった時点を終点とすることが好ましい。
上記EVOHペーストの粘度はペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用い、落球粘度測定法(ストークス式)にて測定した値で、通常101〜106mPa・s、好ましくは103〜106mPa・s、特に好ましくは5×104〜106mPa・sである。アルコール含有量が非常に少なくなるほど、ペースト粘度が上昇する傾向がある。
さらに、得られたEVOHペースト(II)が有する残存ケン化触媒は、主洗浄工程において洗浄されるため、上記残存ケン化触媒の含有量は、EVOHに対して通常0〜3000ppmであり、好ましくは0〜2000ppm、さらに好ましくは0〜1000ppmである。なお、上記含有量は、アルカリ触媒の場合、酢酸塩として求められる。
なお、本実施形態の洗浄工程においては、塔型の洗浄容器を用いた予備洗浄工程で、完全にアルコールを除かず、流動性を保ったペーストの状態に留めることによって、処理効率が低下することを防止し、ついで、横型洗浄槽を用いた主洗浄工程で、強制的に撹拌・混練しながら洗浄水と接触させることにより、ペーストが高濃度,高粘度となっても、効率よくアルコールと水の置換が進み、その結果、アルコールを含んで膨潤状態であったEVOHが、アルコール含有量の低下とともに収縮し、ペースト中からアルコールとともに水やケン化時に使用する触媒残渣や副生物等が排出され、高純度・高品質のEVOH含水組成物(含水量:EVOH100重量部に対して30〜400重量部、好ましくは50〜150重量部)が得られるものである。
すなわち、本発明で得られるような、低アルコール含有量のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕を、予備洗浄工程の塔型の洗浄容器1のみで得ることは、洗浄容器1の処理における後半でEVOHペーストの粘度が高くなりすぎて流動性が低下し、アルコール−水の置換効率が下がるとともに、洗浄容器1から導出できなくなるため、困難である。
また、主洗浄工程の横型洗浄槽2のみで、EVOHのアルコール溶液中のアルコールの大半を水に置換しようとすると、横型洗浄槽2に導入する当初の溶液粘度が低く、導入した洗浄水がEVOHペースト中に長く留まることができないため置換効率が低く、工程に時間がかかり、多量の水が必要となる傾向がある。したがって、本発明において、EVOHとアルコールを含有する溶液中のアルコールを水に置換する工程を、予備洗浄工程等を設けて多段で行うことが好ましい。
つぎに、上記主洗浄工程で得られた、アルコール含有量の少ないペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕を乾燥、ペレット(製品ペレット)化する工程について説明する。
上記ペレット化工程は、(A)アルコール含有量の少ないペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕をその含水量のままペレット形状に成形し、その後水分量を低下させる方法、および、(B)アルコール含有量の少ないペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕の水分量を低下させた後にペレット形状に成形する方法があげられる。
上記(A)の方法としては、例えばアルコール含有量の少ないペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕を、孔を通して押出し、流動状を有するままカットして丸形のペレットを得る方法(例えばホットカットやアンダーウォーターカット等)や、この含水樹脂よりも低温の冷媒浴中にストランド状に押し出して固化し、上記ストランドをカットして円柱状のペレットを得る方法があげられる。そして、得られたペレットを各種の公知の乾燥方法にて乾燥するものである。
上記(B)の方法は、例えば、予め遠心分離機や押出機等を用いてアルコール含有量の少ないペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕中の水分量を、EVOH100重量部に対して通常1〜50重量部、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは1〜30重量部となるように水分量を低減した後に、押出機等を用いてペレット化する。上記ペレット化には、EVOH樹脂を押出機でストランド状に押出し、カットして円柱形状のペレットを得る方法や、押出機から押し出された直後の溶融状態の樹脂をカットして丸形状のペレットを得る方法(ホットカット)等があげられる。特に、乾燥工程の熱効率や樹脂に上記熱履歴を考慮すると、押出機を用いた場合、EVOH含水組成物の水分を低減させ、かつペレット化する作業を一連に行うことが可能であるため(B)の方法を採用することが好ましい。
上記ペレット化工程に用いる押出機としては、単軸押出機や二軸押出機があげられる。上記押出機の口径(mmφ)は、通常40〜180であり、好適には60〜140、さらに好適には70〜110のものが用いられる。また、上記押出機のL/Dは、通常10〜80であり、好ましくは15〜70、さらに好ましくは15〜60であるものが用いられる。上記L/Dが小さすぎると脱水効果が不充分となったり、吐出が不安定となる傾向があり、逆に大きすぎると過度のせん断発熱を引き起こす傾向がある。なかでも、スクリューの回転方向が同方向の二軸押出機が適度なせん断により充分な混練が得られる点でより好ましい。
このとき、押出機中の樹脂の温度は、通常80〜250℃であり、好ましくは90〜240℃、さらに好ましくは100〜230℃である。上記温度が高すぎる場合、樹脂が劣化着色しやすい傾向があり、低すぎる場合、水分低減効率が低下する傾向がある。上記樹脂温度の調整方法は特に限定されないが、通常は、押出機内シリンダの温度を適宜設定する方法が用いられる。
押出機のスクリュー回転数は、軸の大きさによるが通常10〜1000rpmであり、好適には30〜800rpm、さらに好適には50〜400rpmの範囲が用いられる。上記回転数が小さすぎると吐出が不安定となる傾向があり、また、大きすぎるとせん断発熱によって樹脂の劣化の原因となる場合がある。
例えば具体的には、図1のように、第1押出機3および第2押出機4と、ストランドカッタ(ペレタイザ:図示省略)等とからなり、上記主洗浄工程で得られたペースト状のEVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕を、第1押出機3および第2押出機4に順次投入して溶融混練し、上記EVOH含水組成物中の水分を徐々に低減するとともに、上記第2押出機4から吐出されたストランド状あるいはリボン状のEVOH組成物を冷却後、ストランドカッタ等を用いて上記EVOH組成物を所定の大きさに切断し、低アルコールで低含水量のEVOHペレット(EVOH−Pellet)を得る。
上記ペレット化工程に用いられる第1押出機3および第2押出機4としては、一般的な単軸押出機や二軸押出機等が使用できる。二軸押出機が、適度なせん断により充分な混練が得られる点でより好ましい。
また、上記押出機内における樹脂温度は、通常、80〜250℃に設定され、第1押出機3吐出後のEVOH組成物の水分量がEVOH100重量部に対して通常30〜35重量部に、第2押出機4吐出後のEVOH組成物の水分量がEVOH100重量部に対して通常10重量部未満、好ましくは0〜8重量部になるように調整されている。なお、上記ペレット化工程において、EVOH組成物の含水量を極力低減させたい場合には、上記押出機内の樹脂温度が、通常120〜250℃、好ましくは150〜230℃の範囲になるように設定される。逆に、EVOH組成物の熱劣化を極力抑制するために、含水量を維持しながら行いたい場合には、上記押出機内の樹脂温度を、通常80〜105℃、好適には85〜100℃、さらに好適には90〜100℃の範囲に設定して行われる。
さらに、上記押出機を用いた押出しにおいては、含水状態であるEVOH組成物〔EVOHペースト(II)〕を溶融混練するため、押出機の少なくとも一箇所から水あるいは水蒸気を排出することが好ましい。そのための水分排出手段としては、特に限定されるものではないが、押出機のシリンダ(バレル)に設けられた脱水孔,ベント口あるいは脱水スリット等から排出する方法を採用することができる。なかでも、脱水スリットは、水,水蒸気のいずれも排出することができ、樹脂の付着や漏出が少ないことから、好ましく用いられる。なお、上記水分排出手段は、複数用いてもよく、その場合には同一の種類のものであっても、異なるものを組み合わせて用いてもよい。
また、上記第2押出機4から吐出されたEVOH組成物をペレット化する方法は、特に限定されないが、このEVOH組成物を押出機のダイス(口金)からストランド状に押出し、冷却の後、適切な長さにカットする方法が、好適に用いられる。上記吐出されたストランドの冷却の方法としては、押し出された樹脂の温度よりも低温に保持された液体に接触させる方法や、冷風を吹き付ける方法等が用いられる。
そして、上記切断されたペレットの形状は、通常、円筒状であり、その大きさは、後に成形材料として用いる場合の利便性の観点から、ダイスの口径は2〜6mmφ、ストランドのカット長さは1〜6mm程度が、好適に用いられる。なお、押出機から吐出されたEVOH組成物がまだ溶融状態である間に、大気中あるいは水中でカットする方法も好適に用いられる。
なお、上記ペレット化工程においては、上記EVOH含水組成物〔EVOHペースト(II)〕とは異なる過程を経て得られた、重合度,エチレン含有量,ケン化度等が異なる二種以上のEVOH組成物をブレンドして、溶融成形することも可能である。また、他の各種可塑剤,滑剤,安定剤,界面活性剤,色剤,紫外線吸収剤,帯電防止剤,乾燥剤,架橋剤,金属塩,充填剤,各種繊維等の補強剤などを適量添加して、溶融混練することもできる。
つぎに、上記ペレット化工程で得られたEVOHペレットの水分量を必要に応じて低減するペレット乾燥工程(図示省略)について説明する。
上記ペレット化工程から得られたEVOHペレットは、押出機内で充分に水分が除去され、水分量がEVOH100重量部に対して0.3重量部未満であれば、そのまま製品とすることができる。また、その水分除去が不充分である場合には、ペレット乾燥工程に供することで、余分な水分が取り除かれる。
上記EVOHペレットの乾燥方法としては、公知の乾燥方法を採用することができる。例えば具体的には、静置乾燥法、流動乾燥法などがあげられる。また、異なる乾燥方法による多段階の乾燥方式を採用することも可能である。特に、一段階目に流動乾燥法、二段階目に静置乾燥法で乾燥する方法が、ペレットおよびそのペレットを用いた成形品の色調が良好となる点で好適である。また、乾燥の際には窒素ガス(N2 Gas)等の不活性
ガスを循環させることも成形品の色調が良好となる点で好適である。
例えば具体的には、乾燥容器に、必要に応じて例えば窒素ガス(N2 Gas)等の不活性ガスを供給し循環させることにより上記ペレット化工程で得られたEVOHペレットの揮発分量を、最終製品レベルであるEVOH100重量部に対して0.3重量部未満にまで低減する。また、かかる揮発分は、ペレットを150℃にて5時間乾燥した際の重量変化を計算したもの(アルコールを含む)である。
本発明におけるエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法によれば、上記乾燥工程に必要な滞留時間が短時間であるため、得られるEVOH(ペレット)の熱劣化が起こらず、EVOHおよびこのEVOHを用いた成形品の品質が向上する。
つぎに、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
〔EVOHのメタノール溶液〕
冷却コイルを持つ重合容器に酢酸ビニルを330重量部、メタノール60重量部、アセチルパーオキシド500ppm(対酢酸ビニル)を仕込み、系を窒素ガスで一旦置換した後、ついでエチレンで置換して、エチレン圧が3.6MPaとなるまでエチレンを圧入した。その後、撹拌しながら、68℃まで昇温し、酢酸ビニルの重合率が50重量%になるまで6時間重合した。その後、重合反応を停止してエチレン含有量29モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(樹脂分の濃度が48重量%)を得た。
<ケン化工程>
反応溶液内の残存酢酸ビニルを除去した、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(樹脂分の濃度が48重量%)を、棚段塔の塔上部より30重量部/時間の速度で供給し、同時にこの共重合体中の酢酸基のモル数に対して、6ミリモル当量の水酸化ナトリウムメタノール溶液0.54重量部/時間を塔上部より供給した。一方、塔下部から60重量部/時間でメタノールを供給した。塔内温度は120〜140℃、塔圧は0.36MPaGであった。仕込み開始後0.5時間後から、EVOHのメタノール溶液が得られた。上記EVOHは、エチレン含有量29モル%,ケン化度99.5モル%であり、溶液中には、ケン化触媒である水酸化ナトリウムのナトリウム分に相当する酢酸ナトリウムが含まれる。なお、「MPaG」単位は、ゲージ値における単位であり、絶対圧と大気圧の差を示すものである。
<予備洗浄工程>
つぎに、上記EVOHのメタノール溶液を、塔型洗浄容器(10段の棚段塔)に供給した。上記塔型洗浄容器の塔頂から2段目の棚板に、樹脂分の濃度が51重量%のEVOHのメタノール溶液を、80重量部/時間で連続的に供給した。他方、130℃の水蒸気を、最下段の棚板から60重量部/時間で連続的に供給して、EVOHのメタノール溶液と水蒸気とを棚段塔内で向流で接触させた。塔型洗浄容器内の温度は120℃で、容器内の圧力は0.2MPaGであった。
そして、上記塔型洗浄容器底部のペースト導出口より、EVOH100重量部に対し、メタノールを75重量部、水を75重量部含有するペースト〔水/メタノール(重量比)=50/50〕を得た。かかるペースト全体に対するEVOH樹脂分は40重量%であった。なお、得られたペースト中には、4700ppmの酢酸ナトリウムが含有されていた。
上記EVOHペーストに対して、ホウ酸および酢酸を含有する水/アルコール溶媒溶液を添加して、同時にペーストの水分調整を行った。
<主洗浄工程>
以下のような成分および性状のEVOHペーストを、実施形態に記載の横型洗浄槽2に供給し、下記の条件で洗浄した。
(EVOHペースト)
EVOHペーストは、EVOH100重量部に対し、メタノールを141重量部、水を247重量部〔水/メタノール(重量比)=64/36〕含有し、樹脂分が21重量%で、EVOH樹脂分に対して酢酸 2100ppm、酢酸ナトリウム 7900ppm、ホウ酸 4300ppmを含有する。また、その粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用いて80℃、常圧落球粘度測定法(ストークス式)にて測定する値で、7000mPa・sである。
A)洗浄(混練・撹拌)条件
・スクリュー回転数:60rpm
・スクリューと槽内壁との間のクリアランス:8mm
・槽内温度(排出口前の水温にて):79℃
B)EVOHペースト条件
・導入量:17重量部/時間
・導入ペースト温度:80℃
・ペースト滞留時間:3時間
・導出量:6.4重量部/時間
C)洗浄水条件
洗浄水組成(水に対して)
:酢酸 160ppm
酢酸ナトリウム 200ppm
ホウ酸 110ppm
リン酸2水素ナトリウム 80ppm
リン酸カルシウム 150ppm
・導入量 :16重量部/時間
・温度 :85℃
なお、浴比(洗浄水重量/EVOHペースト重量比)が0.94になるように調整して行った。
そして、上記横型洗浄槽2のペースト導出口2bより、白濁高粘度ペーストとなったEVOHペーストを得た。なお、得られたEVOHペーストは、EVOH100重量部に対し、水83重量部、メタノール2重量部を含有し、EVOHの樹脂分は49重量%であり、EVOH樹脂分に対し酢酸 1360ppm、酢酸ナトリウム 530ppm、ホウ酸 730ppm、リン酸2水素ナトリウム 80ppm、リン酸カルシウム 150ppmを含有する。また、その粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用いて120℃、落球粘度測定法(ストークス式)にて測定した下で測定する値で、80000mPa・sである。
すなわち、ペーストの横型洗浄槽内におけるEVOH100重量部あたりの脱アルコール量が、横型洗浄槽導入前のペーストが含有するアルコール量の99重量%である。かかるEVOHペーストを、常温にてシート状に成型し、さらに短冊状に裁断して乾燥してEVOHペレットを得た。かかるペレットのMFR(210℃、荷重2160g)は、3.0g/10分である。
〔EVOHのメタノール溶液〕
冷却コイルを持つ重合容器に酢酸ビニルを330重量部、メタノール55重量部、アセチルパーオキシド300ppm(対酢酸ビニル)を仕込み、系を窒素ガスで一旦置換した後、ついでエチレンで置換して、エチレン圧が3.3MPaとなるまでエチレンを圧入した。その後、撹拌しながら、68℃まで昇温し、酢酸ビニルの重合率が60重量%になるまで6時間重合した。その後、重合反応を停止してエチレン含有量29モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(樹脂分の濃度が56重量%)を得た。
<ケン化工程>
反応溶液内の残存酢酸ビニルを除去した、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(樹脂分の濃度が56重量%)を、棚段塔の塔上部より31重量部/時間の速度で供給し、同時にこの共重合体中の酢酸基のモル数に対して、6ミリモル当量の水酸化ナトリウムメタノール溶液0.94重量部/時間を塔上部より供給した。一方、塔下部から52重量部/時間でメタノールを供給した。塔内温度は120〜140℃、塔圧は0.36MPaGであった。仕込み開始後0.5時間後から、EVOHのメタノール溶液が得られた。上記EVOHは、エチレン含有量29モル%,ケン化度99.5モル%であり、溶液中には、ケン化触媒である水酸化ナトリウムのナトリウム分に相当する酢酸ナトリウムが含まれる。なお、「MPaG」単位は、ゲージ値における単位であり、絶対圧と大気圧の差を示すものである。
<予備洗浄工程>
つぎに、上記EVOHのメタノール溶液を、塔型洗浄容器(10段の棚段塔)に供給した。上記塔型洗浄容器の塔頂から2段目の棚板に、上記樹脂分の濃度が56重量%のEVOHのメタノール溶液を、52重量部/時間で連続的に供給した。他方、130℃の水蒸気を、最下段の棚板から14重量部/時間で連続的に供給して、EVOHのメタノール溶液と水蒸気とを棚段塔内で向流で接触させた。塔型洗浄容器内の温度は120℃で、容器内の圧力は0.26MPaGであった。
そして、上記塔型洗浄容器底部のペースト導出口より、EVOH100重量部に対し、メタノールを100重量部、水を50重量部含有するペースト〔水/メタノール(重量比)=33/66〕を得た。かかるペースト全体に対するEVOH樹脂分は40重量%であった。なお、得られたペースト中には、5000ppmの酢酸ナトリウムが含有されていた。
上記EVOHペーストに対して、ホウ酸および酢酸を含有する水溶液を添加して、同時にペーストの水分調整を行った。
<主洗浄工程>
以下のような成分および性状のEVOHペーストを、実施形態に記載の横型洗浄槽2に供給し、下記の条件で洗浄した。
(EVOHペースト)
EVOHペーストは、EVOH100重量部に対し、メタノールを100重量部、水を75重量部〔水/メタノール(重量比)=43/57〕含有し、樹脂分が36重量%で、EVOH樹脂分に対して酢酸 2100ppm、酢酸ナトリウム 7900ppm、ホウ酸 4300ppmを含有する。また、その粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用いて80℃、常圧落球粘度測定法(ストークス式)にて測定する値で、8000mPa・sである。
A)洗浄(混練・撹拌)条件
・スクリュー回転数:60rpm
・スクリューと槽内壁との間のクリアランス:8mm
・槽内温度(排出口前の水温にて):79℃
B)EVOHペースト条件
・導入量:17重量部/時間
・導入ペースト温度:80℃
・ペースト滞留時間:3時間
・導出量:6.4重量部/時間
C)洗浄水条件
洗浄水組成(水に対して)
:酢酸 150ppm
酢酸ナトリウム 140ppm
ホウ酸 30ppm
リン酸2水素ナトリウム 130ppm
リン酸カルシウム 150ppm
・導入量 :34重量部/時間
・温度 :85℃
なお、浴比(洗浄水重量/EVOHペースト重量比)が2になるように調整して行った。
そして、上記横型洗浄槽2のペースト導出口2bより、白濁高粘度ペーストとなったEVOHペーストを得た。なお、得られたEVOHペーストは、EVOH100重量部に対し、水83重量部、メタノール2重量部を含有し、EVOHの樹脂分は54重量%であり、EVOH樹脂分に対し酢酸 1360ppm、酢酸ナトリウム 530ppm、ホウ酸 550ppm、リン酸2水素ナトリウム 80ppm、リン酸カルシウム 150ppmを含有する。また、その粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用いて120℃、落球粘度測定法(ストークス式)にて測定した下で測定する値で、88000mPa・sである。
すなわち、ペーストの横型洗浄槽内におけるEVOH100重量部あたりの脱アルコール量が、横型洗浄槽導入前のペーストが含有するアルコール量の99重量%である。かかるEVOHペーストを、常温にてシート状に成型し、更に短冊状に裁断して乾燥してEVOHペレットを得た。かかるペレットのMFR(210℃、荷重2160g)は、3.4g/10分であった。
〔EVOHのメタノール溶液〕
冷却コイルを持つ重合容器に酢酸ビニルを400重量部、メタノール80重量部、アセチルパーオキシド390ppm(対酢酸ビニル)を仕込み、系を窒素ガスで一旦置換した後、ついでエチレンで置換して、エチレン圧が3.6MPaとなるまでエチレンを圧入した。その後、撹拌しながら、67℃まで昇温し、酢酸ビニルの重合率が60重量%になるまで6時間重合した。その後、重合反応を停止してエチレン含有量32モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(樹脂分の濃度が53重量%)を得た。
<ケン化工程>
反応溶液内の残存酢酸ビニルを除去した、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(樹脂分の濃度が53重量%)を、棚段塔の塔上部より32重量部/時間の速度で供給し、同時にこの共重合体中の酢酸基のモル数に対して、8ミリモル当量の水酸化ナトリウムメタノール溶液1重量部/時間を塔上部より供給した。一方、塔下部から50重量部/時間でメタノールを供給した。塔内温度は100〜120℃、塔圧は0.3MPaGであった。仕込み開始後0.5時間後から、EVOHのメタノール溶液が得られた。上記EVOHは、エチレン含有量32モル%,ケン化度99.6モル%であり、溶液中には、ケン化触媒である水酸化ナトリウムのナトリウム分に相当する酢酸ナトリウムが含まれる。なお、「MPaG」単位は、ゲージ値における単位であり、絶対圧と大気圧の差を示すものである。
<予備洗浄工程>
つぎに、上記EVOHのメタノール溶液を、塔型洗浄容器(10段の棚段塔)に供給した。上記塔型洗浄容器の塔頂から2段目の棚板に、樹脂分の濃度が53重量%のEVOHのメタノール溶液を80重量部/時間で連続的に供給した。他方、130℃の水蒸気を、最下段の棚板から6重量部/時間で連続的に供給して、EVOHのメタノール溶液と水蒸気とを棚段塔内で向流で接触させた。塔型洗浄容器内の温度は111℃で、容器内の圧力は0.2MPaGであった。
そして、上記塔型洗浄容器底部のペースト導出口より、EVOH100重量部に対し、メタノールを117重量部、水を61重量部含有するペースト〔水/メタノール(重量比)=34/66〕を得た。かかるペースト全体に対するEVOH樹脂分は36重量%であった。なお、得られたペースト中には、4000ppmの酢酸ナトリウムが含有されていた。
上記EVOHペーストに対して、ホウ酸および酢酸を含有する水溶液を添加して、同時にペーストの水分調整を行った。
<主洗浄工程>
以下のような成分および性状のEVOHペーストを、実施形態に記載の横型洗浄槽2に供給し、下記の条件で洗浄した。
(EVOHペースト)
EVOHペーストは、EVOH100重量部に対し、メタノールを117重量部、水を96重量部〔水/メタノール(重量比)=45/55〕含有し、樹脂分が32重量%で、EVOH樹脂分に対して酢酸 1600ppm、酢酸ナトリウム 1700ppm、ホウ酸 180ppmを含有する。また、その粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用いて80℃、常圧落球粘度測定法(ストークス式)にて測定する値で、7000mPa・sである。
A)洗浄(混練・撹拌)条件
・スクリュー回転数:60rpm
・スクリューと槽内壁との間のクリアランス:8mm
・槽内温度(排出口前の水温にて):100℃
B)EVOHペースト条件
・導入量:11重量部/時間
・導入ペースト温度:80℃
・ペースト滞留時間:1.5時間
・導出量:6.5重量部/時間
C)洗浄水条件
洗浄水組成(水に対して)
:酢酸 350ppm
酢酸ナトリウム 370ppm
ホウ酸 40ppm
リン酸カルシウム 15ppm
・導入量 :23重量部/時間
・温度 :100℃
なお、浴比(洗浄水重量/EVOHペースト重量比)が2になるように調整して行った。
そして、上記横型洗浄槽2のペースト導出口2bより、白濁高粘度ペーストとなったEVOHペーストを得た。なお、得られたEVOHペーストは、EVOH100重量部に対し、水80重量部、メタノール1重量部を含有し、EVOHの樹脂分は55重量%であり、EVOH樹脂分に対し酢酸 2500ppm、酢酸ナトリウム 630ppm、ホウ酸 660ppm、リン酸カルシウム 10ppmを含有する。また、その粘度は、ペースト500gの粘度を、ガラスオートクレーブにて直径3mmの鋼球を用いて120℃、落球粘度測定法(ストークス式)にて測定する値で、85000mPa・sである。
すなわち、ペーストの横型洗浄槽内におけるEVOH100重量部あたりの脱アルコール量が、横型洗浄槽導入前のペーストが含有するアルコール量の99重量%である。かかるEVOHペーストを、常温にてシート状に成型し、さらに短冊状に裁断して乾燥してEVOHペレットを得た。かかるペレットのMFR(210℃、荷重2160g)は、4.8g/10分であった。
以上の結果より、主洗浄工程の洗浄水とともに、残留メタノールの一部または全部と、EVOHおよびそのEVOHを用いた成形品に着色等の問題を生じるおそれのある不純物(ケン化の際の残存触媒や副生物等)とが、高い効率で除去されていることが判る。
本発明のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法によれば、得られるEVOH製品中の不純物が低減され、このEVOHおよびEVOHを用いた成形品の品質が向上する。また、得られたEVOHのペレットは、押出成形,射出成形などの溶融成形によって、フィルム,シート,カップ,ボトルなどの成形体に成形され、食品,医薬品,工業薬品.農薬などの包装用途に広く用いられる。
1 洗浄容器
1a ペースト導入口
1b ペースト導出口
1c 排気口
1d 棚段
1s 水蒸気導入口
2 横型洗浄槽
2a ペースト導入口
2b ペースト導出口
2c 排水口
2d 槽本体
2s,2s’ スクリュー
2w 洗浄水導入口
3 押出機
4 押出機
Ps スクリュー部
Ph ヘリカルパドル
Pr 逆ヘリカルパドル

Claims (14)

  1. エチレン−ビニルアルコール系共重合体とこのエチレン−ビニルアルコール系共重合体100重量部に対して3〜200重量部のアルコールを含むペーストを、横型の洗浄槽に導入し、この横型洗浄槽内で洗浄水と接触させながら、上記ペーストの表面と内部とが繰り返し入れ替わるようにせん断力を加えて混練して、上記アルコールの一部または全部を洗浄水とともに槽外に排出し、アルコール含有量の少ないエチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物を得る主洗浄工程を備えることを特徴とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  2. 上記横型洗浄槽が、この横型洗浄槽内における上記ペーストの流れ方向に沿って、上方から下方に向かって傾斜するように配置されている請求項1記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  3. 上記横型洗浄槽の浴比が、導入洗浄水/導入ペーストの重量比にて0.5〜10である請求項1または2記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  4. 上記横型洗浄槽が、横型洗浄槽の長手方向に対して垂直方向にせん断力を加えるスクリューを有し、上記スクリューのクリアランスが1〜20mmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  5. 上記エチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールを含むペーストの横型洗浄槽内における脱アルコール量が、横型洗浄槽導入前のペーストが含有するアルコール量の80〜100重量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  6. 上記エチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールを含むペーストの横型洗浄槽内における滞留時間が、0.5〜10時間である請求項1〜5のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  7. 上記主洗浄工程の洗浄水が、カルボン酸,カルボン酸塩,ホウ素化合物,リン酸化合物から選ばれる少なくとも一種の添加剤を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  8. 上記主洗浄工程で得られたエチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物の含水量が、エチレン−ビニルアルコール系共重合体100重量部に対して30〜400重量部である請求項1〜7のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  9. 上記主洗浄工程で得られたエチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物のアルコール含有量が、エチレン−ビニルアルコール系共重合体100重量部に対して10重量部未満である請求項1〜8のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  10. 上記主洗浄工程に供するペーストが、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールおよび水を含むペーストであり、その水/アルコール比が重量比にて(1/99)〜(70/30)である請求項1〜のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  11. 上記主洗浄工程を行う前に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールを含む溶液を洗浄容器に導入し、この洗浄容器内で水または水蒸気と接触させて、上記アルコールの一部を水または水蒸気とともに容器外に排出し、エチレン−ビニルアルコール系共重合体とアルコールおよび水を含むペーストを得る予備洗浄工程を備えている請求項1〜1のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  12. 上記主洗浄工程で得られたエチレン−ビニルアルコール系共重合体含水組成物を押出機に供給し、溶融混練した後、吐出して切断し、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットを得る工程を備えている請求項1〜1のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  13. 上記ペレットを得る工程から得られたエチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットの含水量が、エチレン−ビニルアルコール系共重合体100重量部に対して10重量部未満である請求項1記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
  14. 上記ペレットを得る工程から得られたエチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットを150℃にて5時間乾燥した際の揮発分が、エチレン−ビニルアルコール系共重合体100重量部に対して0.3重量部未満である請求項1または1記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法。
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