JP5094825B2 - 低濃度ドープされたシリコン基板のレーザ熱アニール - Google Patents

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Description

本発明はレーザ熱アニールに関し、特に、常温ではアニール放射線ビームを効率的に吸収しない基板のレーザ熱アニールを行なうための装置および方法に関する。
レーザ熱アニール(LTA)(「レーザ熱処理」ともいう)は、基板の表面の温度を迅速に上昇および下降させて特性を変化させるために使用される技術である。一例として、集積デバイスまたは集積回路を形成するために使用されるトランジスタのソース領域、ドレイン領域またはゲート領域のドーパントのアニールおよび/または活性化が挙げられる。また、LTAは、集積デバイスまたは集積回路のシリサイド領域を形成したり、ポリシリコンのランナー抵抗(runner resistance)を低下させたり、あるいは基板(またはウエハ)に物質を形成するかまたは基板(またはウエハ)から物質を除去するための化学反応を引き起こすためにも使用することができる。
LTAは、アニールサイクルを従来のアニール技術の1000倍に高速化させる可能性を有し、これにより、シリコンウエハ上で使用されるアニールサイクル時または活性化サイクル時におけるドーパント不純物の拡散を実質的になくすことができる。その結果、ドーパントプロファイルがより急峻になり、場合によっては活性化レベルがより高くなる。これによって、より高性能な(例えば、高速な)集積回路を得ることができる。
米国特許出願第10/287,864号は、COレーザ放射線を使用して、ドープされたシリコン基板にLTAを行なうことを開示している。レーザ放射線は狭い線に集束され、ラスタパターンで基板上を一定の速度で走査される。しかしながら、この手法は、ドープされたシリコンにおけるレーザ放射線の吸収長が熱拡散距離よりも小さいかほぼ同等である、比較的高濃度にドープされた基板(すなわち、約3×1017原子/cm以上のドーパント濃度)に対してのみ有効である。一方、低濃度ドープされた基板(すなわち、約1×1016原子/cm以下のドーパント濃度)では、COレーザ放射線は相当のエネルギーを基板に与えることなく基板を通過してしまう。
米国特許出願第10/287,864号
したがって、10.6μmの波長を有するCOレーザ放射線などのように、加熱を行なわない場合には基板を通過してしまう放射線を使用して、低濃度ドープされたシリコン基板にLTAを効率的に行なう方法が求められている。
本発明の第1の態様は、表面を有する基板にレーザ熱アニールを行なうための装置である。この装置は、室温で基板に実質的に吸収されない波長を有する連続したアニール放射線を発生することできるレーザを含む。また、この装置は、アニール放射線を受け、かつ、基板の表面に第1の像を形成するアニール放射線ビームを形成するアニール光学系を含み、第1の像は基板の表面にわたって走査される。さらに、この装置は、加熱部分に入射したアニール放射線ビームが走査時に基板の表面近傍で実質的に吸収されるように、基板の少なくとも一部を臨界温度に加熱するための加熱装置を含む。一実施形態では、基板の一部の加熱は、長波長のアニールビームに直前に先行する短波長のレーザダイオードビームを使用することによって行なうことができる。
本発明の第2の態様は、基板のレーザ熱アニール方法である。この方法は、室温で基板に実質的に吸収されない波長を有するレーザからのアニール放射線ビームを供給することと、加熱部分でアニール放射線ビームが基板の表面近傍で実質的に吸収されるように、基板の少なくとも一部を臨界温度に加熱することとを含む。また、この方法は、基板の上方でアニール放射線ビームを走査する直前に基板の表面の一部を加熱することによって、自己持続アニール条件を開始させることを含む。
各図面に示される各種の要素は単に説明のためのものであり、縮尺に必ずしも制限されるものではない。ある要素の比率は誇張され、一方、その他の要素は最小化されている場合もある。各図面は、本発明の様々な実施態様を例示することを意図するものであり、当業者によって理解でき、かつ適切に実施することができる。
図1Aは、LTA光学系によって処理されるシリコン基板とともに、LTA光学系を含む本発明のLTA装置の実施形態の断面図である。LTA装置は、基板を支持し、予熱するための加熱チャックと、チャックを取り囲み、放射線が装置の他の部分へと結合するのを減少させ、効率的な基板の加熱を促進するための任意の熱シールドとを含む。 図1Bは、図1Aに示されるものと同様な本発明のLTA装置の一実施形態の断面図である。LTA装置は、基板を予熱するために基板を取り囲む加熱エンクロージャを含む。 図1Cは、図1Aに示されるものと同様な本発明のLTA装置の一実施形態の断面図である。加熱チャックおよび任意の熱シールドは、予熱放射線ビームを使用して基板の少なくとも一部を予熱するために取り付けられた光学的加熱装置によって置換されている。 図2は、基板温度T(℃)に対する、200μsの滞在時間を有する放射線ビームに伴う拡散距離Lのプロットとともに、ドープされていないシリコン基板における吸収経路長L(μm)(縦軸)に対する、波長10.6μmのアニール放射線ビームに関する基板温度T(℃)のプロットである。 図3は、深さ(μm)およびアニール放射線ビーム位置(μm)の関数としての基板温度プロファイルのコンピュータシミュレーションであり、自己持続アニール条件に伴うアニール放射線ビームによって基板内部に形成されるホットスポットを説明するコンピュータシュミレーションである。 図4Aは、基板の表面上の位置の関数として、予熱放射線ビームおよびアニール放射線ビームの相対的な強度およびビームプロファイルの実施形態を示す模式図である。 図4Bは、基板の拡大断面図であり、アニール放射線ビームの前方に結像された予熱放射線ビームからの熱が、基板においてアニール放射線ビームの吸収を促進して自己持続アニール条件を達成する様子を説明する。 図5は、アニール放射線ビームの入射パワーP(W/cm)に対する、高濃度ドープされたシリコン基板に波長10.6μmのアニール放射線ビームを照射することによって形成された最高基板温度TMAX(℃)のプロットである。 図6は、有限要素法シミュレーションによって得られ、ドープされていないシリコン基板へのアニール放射線ビームの異なる入射パワーPに対する、初期基板温度Tの関数としての最高基板温度TMAX(℃)のプロットである。 図7は、シリコンの基板温度T(℃)の関数として、シリコンにおける780nmの予熱放射線ビームの吸収長L(μm)のプロットである。 図8Aは、Y−Z平面における図1Cの光学リレー系の一実施形態の断面図である。 図8Bは、X−Z平面における図1Cおよび図8Aの光学リレー系の一実施形態の断面図である。 図9Aは、加熱放射線源および円柱レンズアレイのX−Z平面における拡大断面図である。 図9Bは、加熱放射線源および円柱レンズアレイのY−Z平面における拡大断面図である。 図10Aは、基板への法線入射における、予熱放射線源、リレーレンズ、および予熱放射線ビームの拡大模式図であり、基板によって反射されかつ予熱放射線源に戻る予熱放射線の量を減少させるために予熱放射線ビームに配置された偏光子および1/4波長板をさらに含む。 図10Bは、基板へのほぼ法線入射における、予熱放射線源、リレーレンズ、および予熱放射線ビームの拡大模式図であり、基板によって散乱されかつ予熱放射線源に戻る予熱放射線の量を減少させるために予熱放射線ビームに配置された偏光子およびファラデー回転子をさらに含む。 図11は、シリコン基板上にて膜厚300nm、400nm、および500nmのフィールド酸化膜において、ベアシリコンの入射角θ(°)の変化に伴う反射率R(%)の変化を示すプロットである。 図12は、図11と同様のプロットであり、シリコン基板上において膜厚が300nm、400nm、および500nmである酸化物層を有する130nmの厚いポリシリコン層の反射率を示す。 図13は、図10Bと同様な本発明のLTA装置の一実施形態の拡大模式図であり、LTA装置は、反射予熱放射線150Rを受け、かつ反射予熱放射線150Rを基板に向け返すように配置されたリサイクル光学系300を含む。 図14は、コーナー反射体および集光/集束レンズを含む、図13のリサイクル光学系の一実施形態の断面図である。 図15は、図14に示される一実施形態の変形例の断面図であり、コーナー反射体は軸(A3)に対してΔD変位して(ずれて)おり、直接入射する予熱放射線ビームとリサイクル予熱放射線ビームとの間で入射角のずれが生じている。 図16は、集光/集束レンズおよび回折格子を含む、図13のリサイクル光学系の別の実施形態の断面図である。 図17は、基板法線の反対側からの近似する入射角を採用する2つの予熱光学リレー系を使用した、基板を予熱するための配置の実施形態の模式的な断面図である。
本発明は基板のレーザ熱アニール(LTA)に関し、特に、低濃度ドープされたシリコンウエハ(基板)のLTAを行なうための装置および方法に関する。本明細書において、「低濃度ドープ」とは、約1016原子/cm以下のドーパント濃度を意味する。基板のドーパント濃度は、所望の抵抗率レべルと基板型(すなわち、N型またはP型)を達成するための通常の基板製造に関連するものであってもよい。
以下の説明では、本発明によって作り出そうとする「自己持続アニール条件(self−sustaining annealing condition)」について述べるとともに、本発明のLTA装置の一般化された実施形態について述べる。このことは、本発明の各種実施形態によって裏付けられる。さらに、本発明は、シリコン基板による放射線の吸収の基本的な特性を示す多くの異なる基板温度のプロットに関連して説明される。次に、予熱放射線ビームの適切なパワー(power)レベルを決定する方法について説明し
、その次に、予熱放射線ビームを用いて基板を加熱するために実施形態で使用される加熱レンズの一例について説明する。次いで、予熱放射線ビームおよびアニール放射線ビームの好ましい走査および向きについて詳細に説明する。
I.一般化されたLTA装置
図1Aは、アニールされる基板10とともに、本発明のLTA装置8の一実施形態断面図である。基板10は、上面12と、本体(バルク)領域16とを有する。本体(バルク)領域16は、「ドープされていない」、あるいは厳密に言えば、通常は非常に浅い領域のみに非常に高いドーピングレベルを含む非常に小さな接合領域またはデバイスよりも低濃度でドープされている。参照文字Nは、基板の上面12に対する法線を示す。一実施形態では、基板10はシリコンウエハである。
LTA装置8はLTA光学系25を含み、このLTA光学系25は、光軸A1に沿って配置された、アニール放射線源26およびLTAレンズ27を有する。レンズ27は、アニール放射線源26から連続的な(非パルス状の)アニール放射線18を受け、基板の表面12において像30(例えば、線像)を形成する連続的なアニール放射線ビーム20を形成する。アニール放射線ビーム20は、表面法線Nと光軸A1との間で測定された入射角θ20で上面12に入射する。
矢印22は、基板の表面12に対するアニール放射線ビーム20の移動方向の一例を示す。基板10はチャック28によって支持され、チャック28は、可動ステージMSによって支持されている。可動ステージMSは、ステージ駆動部29に動作可能になるように接続され、ステージ駆動部29は、アニール放射線ビーム20またはその他のリファレンスに対して選択された速度および方向でステージ(基板)を移動させる。可動ステージMSの走査移動を矢印22’で示す。一実施形態では、ステージMSは少なくとも2次元において移動することができる。
一実施形態では、LTA装置8は、反射放射線モニタM1および温度モニタM2を含む。反射放射線モニタM1は、放射線20Rによって示されるように、基板の表面12から反射された放射線を受けるように配置されている。温度モニタM2は基板の表面12の温度を測定するように配置される。一実施形態では、温度モニタM2は、アニール放射線ビーム20によって像30が形成される位置またはその近傍において法線入射で基板と向き合うように、表面法線Nに沿って配置されている。モニタM1,M2は、以下に詳述するように、反射放射線20Rの量および/または基板の表面12の測定温度の測定値に基づいてフィードバック制御を規定するコントローラ(以下に述べる)に接続されている。
一実施形態では、LTA装置8はさらに、アニール放射線源26と動作的に接続されたコントローラ32と、ステージ駆動部29と、モニタM1,M2と、レンズ27に含まれ、入射パワーモニタとして機能する任意のモニタM3と、を含む。コントローラ32は、例えば、メモリと接続されたマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラ、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールド・プログラマブルロジックアレイ(FPLA)、プログラムアレイロジック(PAL)、あるいはその他の制御装置(図示せず)であってもよい。コントローラ32は次の2つのモードで動作することができる:1)コントローラ32が、アニール放射線ビーム20によって基板10に与えられるパワーとステージ駆動部29を介した走査速度とを一定に維持する開ループ、2)コントローラ32が、基板の表面12の最高温度または基板に吸収されるパワーを一定に維持する閉ループ。最高基板温度は、吸収パワーによって直接的に変化し、走査速度の平方根と逆比例して変化する。
一実施形態では、閉ループ制御は、走査速度の平方根に対する基板に入射したアニール放射線ビーム20の吸収パワーの比率を一定に維持するために使用され、アニール放射線ビーム20のパワー量をP20とし、反射パワーをP30とすると、吸収パワーはP=P20−P30である。アニール放射線ビームに相対的な基板10の走査速度をVとすると、比率P/V1/2を一定に維持して間接的に温度を一定に維持する。
直接的な最高温度測定に基づく閉ループ動作では、コントローラ32は温度モニタM2からの信号S2による最高基板温度などの信号(例えば、電気信号)を受信し、入射パワーまたは走査速度を制御して一定の最高基板温度を維持する。吸収パワーPは、反射放射線モニタM1が発生した信号S1による反射アニール放射線ビーム20RのパワーP30を、信号S4を介してアニール放射線ビームの一部をサンプリングして得られたアニール放射線ビーム20の入射パワーPから減算することによって得られる。
また、コントローラ32は、受信信号および入力パラメータ(例えば、所望の吸収パワーレベルと滞在時間)に基づいてパラメータを計算するように適応されている。また、コントローラ32はまた、オペレータあるいはより大きなアセンブリまたは処理ツールの一部であるマスターコントローラー(図示せず)から外部信号S3を受信するように連結されている。このパラメータは、基板を処理するために供給されるアニール放射線20の所定の照射量(量)または所望の最高基板温度を示すものである。パラメータ信号は、所定の照射量のアニール放射線20を基板10に与えるために使用される強度、走査速度(scan velocity)、走査速度(scan speed)および/または走査数を示すものであってもよい。
一実施形態では、アニール放射線源26はCOレーザであり、アニール放射線ビーム20は10.6μmの波長を有する。通常、アニール放射線源26は、室温では実質的に基板に吸収されないが、基板または基板の上部の十分な部分がより高温である場合には、
当該基板によって実質的に吸収される波長を有する放射線を発する連続放射線源である。好ましい実施形態では、アニール放射線源26はレーザである。
LTA装置8は、基板の上部近傍でアニール放射線ビーム20が吸収されることを利用して基板の上部の温度を効率的に上昇させ、さらに、基板の本体の温度を実質的に変化させないようになっている。すなわち、基板が半導体ウエハである場合には、本発明は、ウエハ本体を加熱するというよりはむしろ、デバイス(例えば、トランジスタ)が形成される表面または表面近傍におけるウエハの温度を上昇させる。
しかしながら、室温では、長波長の放射線ビームは上面をかなり加熱することなく基板を通過するため、低濃度ドープまたはドープされていない基板をアニールすることは困難である。一方、高濃度ドープされた基板をアニールすることが困難ではない。なぜなら、入射アニール放射線が材料の上面から約100μm内で吸収され、材料の温度を所望のアニール温度に上昇させるためである。
ビームから放射線をほとんど吸収せず、加熱されない基板10の本体(バルク)16は、アニール放射線ビーム20が基板に照射されなくなると急速に上面領域を冷却する機能を有する。本発明は、10.6μmのCOレーザ波長などの赤外線波長では低濃度ドープされたシリコンにおける放射線の吸収が基板温度に大きく依存するという事実を利用する。相当のアニール放射線ビーム20が吸収されると、基板の表面温度が上昇することによってより強い吸収が生じ、その結果として基板の表面などがより強く加熱されることになる。
II.自己持続アニール条件
図2は、波長10.6μmの放射線に対するシリコン基板の吸収長L(μm)(縦軸)対基板温度T(℃)のプロットである。また、プロットには、基板温度Tの関数としての滞在時間200μsでの拡散距離L(μm)も含まれる。吸収長Lは、アニール放射線ビーム20の強度を1/eに減衰させるために要する厚さである。熱拡散距離Lは、瞬間的な表面温度の上昇が所定の滞在時間後に材料中に伝播するであろう深さである。LおよびLは、600℃以下の温度Tでは60μm以下のほぼ同じ値を有する。
基板温度Tによる吸収経路長Lの大きな変化によって、2つの定常状態条件が形成され得る。すなわち、(1)アニール放射線ビーム20が実質的に吸収されずに基板を通過し、実質的に加熱をもたらさない、(2)アニール放射線ビーム20が基板の表面12近傍で実質的に吸収され、ビームが基板上を移動する(すなわち走査される)にしたがってアニール放射線ビーム20とともに移動する像30に対応する基板の表面およびその直下で「ホットスポット」を形成する。
図3は、深さ(μm)およびアニール放射線ビーム位置(μm)の関数としての基板温度(℃)プロファイルのコンピュータシミュレーションである。温度プロファイルは、基板内部および基板の表面12上を移動するホットスポット(31で示す)である。移動するホットスポット31は、進行する像30の前方で基板10の領域を熱拡散によって予熱する機能を有する(図4Bを参照;後述する)。ホットスポット31の伝般に伴う基板の予熱によって、ビームが基板の表面の上方を走査されると、アニール放射線ビーム20の放射線が上面12近傍で効率的に吸収される。本発明の装置8およびそれに付随する方法を使用して作り出そうとするのは定常状態条件(2)であり、ここでは「自己持続アニール条件」と言うものとする。
本発明に係る自己持続アニール条件を形成するための一般的な方法は、アニール放射線
ビーム20が実質的に基板に吸収されるように(すなわち、自己持続アニール条件が開始する点までアニール放射線ビーム20が吸収されるように)、加熱基板10(あるいは基板10の選択領域または一部)を臨界温度T(例えば、以下に詳述するように350℃以上)に加熱することを含む。
の正確な値は、基板内の温度分布、ドーパント濃度、およびアニール放射線ビームの強度に依存する。したがって、一実施形態では、臨界温度Tは経験的に決定される。これは、例えば、様々な初期温度条件または一定の初期温度条件と様々なアニールおよび予熱放射線ビーム強度を有する試験基板におけるアニール放射線ビームによって形成される最高温度を測定することを含むことができる。自己持続アニール条件をもたらす基板の予熱は、多くの方法で達成することができる。加熱装置を含むLTA装置8の実施形態を以下に説明する。この加熱装置は、LTAを行なうために、低濃度ドープされたシリコン基板10において自己持続アニール条件を作り出すための方法を実施するために基板10を加熱する。
III.任意の熱シールドを有する加熱チャックの実施形態
図1Aを再び参照すると、一実施形態では、チャック28は熱伝導性であり、かつ、加熱素子50を含む。この加熱素子50は、コントローラ32に接続され、コントローラ32によって制御される電源52に接続されている。熱絶縁層53はチャック28の底部と側面を取り囲み、ステージが不必要に加熱されること、ならびにチャックから熱が損失することを防いでいる。
動作時には、コントローラ32が電源52を作動させ、電源52は加熱素子50に電力を供給する。それに応じて、加熱素子50は熱56を生成する。一実施形態では、熱56の発生量は温度センサ57によって制御される。温度センサ57は、チャックの温度が所定の最大値に制限されるように、チャック内に設けられ、電源52(または、代わりにコントローラ32)に動作的に接続されている。基板がチャック上に設置されると、基板の温度は迅速にチャックと同じ温度に達する。通常、チャックの温度TCHは約400℃である。
別の実施形態では、装置8は、熱シールド62を必要に応じて含む。熱シールド62は、熱56を基板に向けて反射するように基板12の上方に支持される。これによって、基板がより均一に加熱されるとともに、シールドの反対側に位置する装置の構成要素の加熱が少なくなる。一実施形態では、熱シールド62は金で被覆されたガラス板である。熱シールド62は、アニール放射線ビーム20を基板10の表面12に到達させる開口64を含む。
IV.加熱エンクロージャの実施形態
図1Bを参照すると、別の実施形態では、装置8は、加熱エンクロージャ80(例えば、オーブン)を含む。この加熱エンクロージャ80は、基板10およびチャック28の両方、あるいは基板、チャック、およびステージMSを取り囲むのに十分な大きさを有する内部領域82を備える。エンクロージャ80は、電源52に接続された付加的な加熱素子50を(好ましくはチャック28に含まれている加熱素子に加えて)含む。電源52はコントローラ32に接続されている。一実施形態では、エンクロージャ80は、アニール放射線ビーム20を基板10の表面12に到達させる窓または開口84を含む。図1Aに関連して上述した熱絶縁層53が、好ましくはチャック28の側面および底部に設けられ、チャックからステージへの不必要な熱の損失を防いでいる。
動作時には、コントローラ32が電源52を作動させ、電源52は加熱素子50に電力を供給する。それに応じて、加熱素子50は熱56を発生し、これによりチャック、基板
、およびその周囲の温度を約400℃の最高臨界温度Tに上昇させる。エンクロージャ80は、熱56が内部領域82に閉じ込められたままになるように熱的に絶縁されていることが好ましく、それによって基板の効率的で均一な加熱を促進する。
V.予熱放射線ビームの実施形態
図1Cを参照すると、別の実施形態では、装置8は、予熱光学リレー系140を含み、予熱光学リレー系140は、光軸A2に沿って設けられた予熱放射線源142およびリレーレンズ143を有する。予熱放射線源142は、リレーレンズ145に照射される放射線147を発し、リレーレンズ145からの予熱放射線ビーム150は、アニール放射線ビームによって加熱される直前に基板を予熱するために使用される。放射線147は、シリコンによって100μm以下の深さで容易に(実質的に)吸収される波長を有する。一実施形態では、予熱放射線源142は、0.8μm(800nm)または0.78μm(780nm)の波長を有する予熱放射線147を発するレーザーダイオードアレイである。リレーレンズ143の実施形態を以下に説明する。予熱放射線源142およびリレーレンズ143は、図1Aに示すように(図1Cでは説明を簡略化するために省略されている)、モニタM1,M2およびステージ駆動部29とともにコントローラ32に動作的に接続されている。
動作時には、予熱放射線源142は放射線147を発し、リレーレンズ143が放射線147を受ける。リレーレンズ143は、基板の表面12で像160(例えば、線像)を形成する予熱放射線ビーム150を形成する。予熱放射線ビーム150は、基板表面法線Nに対して測定された入射角θ150で基板の上面12に入射する。
一実施形態では、図1Cに示すように、アニール放射線ビーム20によって形成された像30と予熱放射線ビーム150によって形成された像160は、基板の表面12上で並んで位置する。したがって、予熱放射線ビーム150は、アニール放射線ビーム20が照射される部分のすぐ前方の基板の部分または領域を局所的に予熱する。矢印22’は(例えば、可動チャック28を介した;図1を参照)基板10の移動を示し、一実施形態では、基板10は固定された放射線ビーム20,150(または、等価的に、固定された像30,160)の下を移動し、これらのビーム(または像)の走査が実現される。
別の実施形態では、図4Aに示すように、予熱放射線ビーム150およびアニール放射線ビーム20は、例えばそれぞれのビーム強度プロファイルのl/eの強度の輪郭部分で部分的に重なる。
図4Bは、ビーム20,150が照射されている基板の一実施形態の拡大断面図である。図4Bは、アニール放射線ビーム20の前方に結像された予熱放射線ビーム150からの熱166が、基板の上面近傍においてアニール放射線ビームの吸収を促進する様子を示している。予熱放射線ビーム150からの熱166は、アニール放射線ビーム20の前方で基板10内に拡散する。放射線ビームが矢印22’によって示すように基板と相対的に移動すると、アニール放射線ビーム20は予熱放射線ビーム150によってすでに加熱された領域(すなわち基板の一部)を通過する。このプロセスは、基板の表面または表面近傍における基板の温度を臨界温度Tよりも上昇させるために使用される。これによって、吸収されたアニール放射線ビーム20’(点線)によって示されるように、アニール放射線ビーム20は基板に効率的に吸収される。基板の表面12の近傍における基板10内でのアニール放射線ビーム20’の比較的迅速な吸収によって、アニール放射線ビームの立ち下がりエッジにおいて、基板の表面の温度はアニール温度T(例えば、約1600°K)まで最大に上昇する。これにより、例えば、基板の上面に注入されたドーパントの活性化によって、基板内に形成された選択領域がアニールされる。
VI.基板温度のプロット
図5は、放射線の入射パワーP(W/cm)の関数としての、高濃度ドープされたシリコン基板に波長10.6μmの放射線を照射することによって形成された最高基板温度TMAX(℃)のプロットである。このデータを導出するために、2次元有限要素シミュレーションプログラムを使用した。シミュレーションでは、無限に長いアニール放射線ビームを想定した。したがって、ビームパワーはW/cmではなくW/cmで測定される。また、シミュレーションでは、アニール放射線ビーム20が120μmの全幅半値(FWHM)を有するガウス形ビームプロファイルを有し、アニール放射線ビーム20が基板の上面12を600mm/秒の速度で走査し、200μsの滞在時間(dwell time)を生じるものと想定した。ここで、「滞在時間」は、アニール放射線ビーム20によって形成された像30が基板の表面12の特定のポイントの上方にある時間の長さである。この場合、プロットは、入射パワーPと最高基板温度TMAXとの間のほぼ直線的な関係を示している。この2次元モデルは、アニール放射線ビーム20が無限に長いことを想定しているため、線像30の端部におけるさらなるエネルギー損失は全くなかった。有限ビーム長ではビームの端部において追加の熱損矢が生じ、したがって、所与の入射パワーレベルPに対する最高温度は低くなる。
図5は、吸収性の(すなわち高濃度ドープされた)基板において、特定の条件で最高基板表面温度TMAXを周囲温度から427℃に上昇させるためには、約500w/cmの入射パワーPが必要であることを示している。同様の条件にて、シリコンの融点である1410℃まで温度を上昇させるためには、約1150W/cmが必要となる。
図5に示す関係は、アニール放射線ビーム20と同じ幅および滞在時間を有する予熱放射線ビーム150においてもほぼ近似している。どちらの場合においても、熱拡散は、基板に熱を分配するための主要なメカニズムである。400℃のピーク基板温度TMAXは、400℃の均一な基板温度Tとほぼ同じアニール放射線ビーム20の吸収を生じることはない。なぜなら、前者の温度分布は熱拡散距離Lとほぼ等しい距離で基板内において周囲温度になるためである。
図6は、ドープされていないシリコン基板の場合における、波長10.6μmのアニール放射線ビーム20の2つの異なる入射パワーPによる初期基板温度Tの関数としての最高基板温度TMAX(℃)のプロットである。このプロットも2次元有限要素モデルから導出した。約327℃未満の温度では、入射放射線はほとんど効果を示さず、最高温度TMAXは初期基板温度Tとほぼ等しい。すなわち、アニール放射線ビーム20は基板10を通過し、基板を加熱することはない。しかし、377〜477℃の間の初期基板温度Tでは、アニール放射線ビームの入射パワーPの量に依存してアニール放射線ビーム20のかなりの吸収が発生する。その結果、最高基板温度TMAXは急激に上昇する。高吸収および高温への遷移が発生すると、アニール放射線ビーム20のさらなる照射によって、最高温度TMAXは直線的に増加する。
図5および図6のプロットに使用されているパワーの単位はW/cmである。このパワーは、半分のパワー点間に含まれる走査像30(例えば、線像)の単位長さあたりのパワーである。したがって、120μmの幅を有する像30における1150W/cmのパワーは、95,833W/cmの平均強度に対応する。
自己持続アニール条件を作り出すために、基板を限界温度Tに加熱するために予熱放射線源142によって発生させなければならない温度は、図6のプロットにおける情報から推定することができる。図6のプロットは、基板が約427℃の均一な温度Tに達すると、基板温度TMAXが急激に上昇し、自己持続アニール条件が開始することを示している。必要な予熱を行なうためにレーザーダイオード源を使用する場合、ダイオード源は
ほぼ1熱拡散距離で周囲温度に低下する不均一な温度分布を生じさせるため、非常に高い温度が求められる。
図7は、基板温度T(℃)の関数としての、ドープされていないシリコン基板の波長780nmの放射線に対する吸収長L(μm)のプロットである。800nmでの吸収特性は、780nmでの吸収特性と非常に似通っている。このプロットから明らかなように、室温であっても吸収長Lは約10μmであり、これは、200μs以上の時間尺度における基板の表面領域の有効な加熱と、主に熱拡散によって決定される温度分布とを保証するために十分に短い。
(予熱放射線ビーム150を発生させるために使用される)レーザーダイオード源によって形成されるような、不均一な温度分布を有するドープされていないシリコン基板において、(アニール放射線ビーム20としての)COレーザの効率的な吸収を得るためには、約l00μmの吸収長に相当する温度が推定される。これは、約550℃のピーク基板温度TMAXによって達成される。図5を再び参照すると、550℃の最高基板温度TMAXには、予熱放射線ビーム150が約600W/cm(50,000W/cm)のパワーを有することが必要となる。
VII.予熱放射線ビームパワーの決定
実際には、アニール放射線ビーム20の基板10への効率的な結合を達成するのに必要な予熱放射線ビーム150の最小パワーを決定することは簡単である。一実施形態では、吸収性の基板をアニールするために十分なパワーレベルに設定されたアニール放射線ビーム20を使用する場合、室温ではアニール放射線ビーム20の波長を実質的に吸収しない基板に、予熱放射線ビーム150およびアニール放射線ビーム20を照射する。予熱放射線ビーム150のパワーレベルは、基板内でアニール温度が検出されるまで増加させる。これは、例えば、図1Aに示される温度モニタM2で基板温度を測定することによって行なうことができる。
アニール放射線ビームと基板との結合がほとんどまたは全くない状態から基板の表面での効率的な結合が発生する状態への遷移は、通常は非常に急激である。基板温度Tが低過ぎる場合には、アニール温度への遷移が発生しないか、あるいは基板の融点への急激な遷移が発生するだろう。基板温度をさらに上昇させると、融点よりも低い温度での安定した動作を可能とするアニールパワーレべルの狭い範囲が生じる。基板温度をさらに上昇させると、アニールパワーレべルの範囲と対応するアニール温度の範囲とが増加する。したがって、基板におけるアニール放射線ビーム20の吸収遷移を開始させる、または基板においてアニール温度を生じさせる予熱放射線ビーム150の明確に定義されたパワーレベルというものはない。しかしながら、それよりも低い場合には所望の範囲のアニール温度を確実に達成できない実質的な最小遷移レベルはある。一実施形態では、予熱放射線ビーム150は、アニール放射線ビームが効率的に基板に吸収されかつ広い範囲のアニール温度を容易に達成するために必要な最小遷移レベルよりもわずかに高い遷移レベルに設定される。
一実施形態では、自己持続アニール条件を開始させるために必要な予熱放射線ビーム150のパワー量Pは、550℃の最高基板温度TMAXを生じさせるために必要な遷移量である。滞在時間が200μsであると仮定すると、図5のグラフは、このパワー量が約600W/cmの入射パワーに対応することを示している。しかしながら、アニール放射線ビーム像30の幅に匹敵する幅を有する像160を形成する予熱放射線ビーム150において、600W/cmの強度を得ることはそれほど簡単ではないだろう。一実施形態では、予熱放射線ビーム150は、約75°であるシリコンのブルースター角またはその近傍の入射角θ150を有することが望ましい。この角度は、反射放射線を最小化させる
とともに、基板に吸収されるエネルギーを基板上に存在する構造間で均等化させる。約75°の入射角θ150では、予熱放射線ビーム150は基板の表面12で滲んで約4倍の部分を覆い、強度はそれに比例して減少する。
予熱放射線ビーム150の総パワーは、例えばレーザーダイオードの付加的な列を追加することにより、例えば予熱源を大きくすることによって増加させることができる。しかしながら、予熱放射線ビーム150の幅もそれに比例して増加する。予熱放射線ビームの幅が増加すると、滞在時間および熱拡散深さが増加し、所与の最高温度を達成するために必要なパワーもさらに増加する。したがって、リレーレンズ143は、利用可能な予熱放射線源142を使用して限界温度の範囲内で基板を加熱するために十分な強度を有する予熱放射線ビーム150を供給できるように設計する必要がある。本発明に係るそのようなリレーの例を以下に説明する。
VIII.光学リレ一系の実施形態
図8Aおよび図8Bは、光学リレー系140および基板10の一実施形態の模式的な断面図である。図8AはY−Z平面の図であり、図8BはX−Z平面の図である。図8Aおよび図8Bにおいて、リレーはページに収まるように2つの部分に分割され、表面S13,S14を有するレンズ素子が双方の部分に示されている。
一実施形態では、予熱放射線源142は、カリフォルニア州95054サンタクララ市パトリックヘンリードライブ5100(5100 Patrick Henry Drive, Santa Clara,CA 95054)のコヒーレント・セミコンダクター・グループ(Coherent Semiconductor Group)から入手できるLightStackTM7×1/L PVアレイなどの2次元レーザーダイオードアレイを含む。LightStackTMアレイは、それぞれが10mmの長さを有し、1.9mmの間隔で積層された7列の水冷レーザーダイオードを含む。各列のダイオードは、80Wの光学パワーを発することができる。リレーレンズ143は、(予熱放射線源142が配置された)対物面OPと、(基板10が配置された)像面IPと、像面と対物面とを接続する光軸A2とを含む。
一実施形態では、上述したように、リレーレンズ143は、基板の上方を走査される像160(例えば、線像)を形成する予熱放射線ビーム150を形成するように設計されている。像160は多くの方法で走査することができ、例えば、リレーレンズ143に対して(可動ステージMSを介して)チャック28を移動させることによって走査することができる(図1C)。比較的小さい像領域上で基板を加熱するために必要な高いビーム強度を達成することは簡単であるため、基板10に像160を局所的に照射する方が、基板全体に一度で照射するよりも好ましい。したがって、リレーレンズ143による局所的な予熱は、基板へのアニール放射線ビーム20の照射と同期していなければならない。
レーザーダイオードの放射特性は異方性であり、隣接するダイオード間の間隔はXY平面において大きく異なるため、基板10に像160を効率的に形成するために、リレーレンズ143はアナモルフィックである必要がある。さらに、基板10における像160の必要な強度を達成するために、像面IPにおける比較的高い開口数が必要である。
したがって、図9Aおよび図9Bも参照すると、リレーレンズ143は、光軸A2に沿って予熱放射線源142から順に、予熱放射線源142を構成するレーザーダイオード198の列数に対応する小レンズ201を有する円柱レンズアレイ200を含む。円柱レンズアレイ200は、X−Z平面において倍率を有し、X−Z平面(図9A)において放射線源142から放射された各予熱放射線ビーム147をコリメートする(平行にする)が、Y−Z平面(図9B)においては放射線は10°の円錐角を有する。ダイオードアレイと円柱レンズアレイとの組み合わせは、円柱レンズアレイを基板に対して再結像するアナモルフィックリレーへの入力として機能する。
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図8Aおよび図8Bを再び参照すると、リレーレンズ143は、直列に配置された2つの結像サブリレーR−1,R−2からなり、結像サブリレーR−1,R−2は共通の中間像面IMを有する。サブリレーR−1は、Y−Z平面とX−Z平面とで実質的に異なる倍率を有する円柱レンズ素子を主に使用したアナモルフィックリレーであり、サブリレーR−2は球面素子を使用し、1:6の縮小倍率比を有する従来のリレーである。アナモルフィックリレーR−1は、Y−Z平面において1:1の倍率比を有し、X−Z平面において1:10の縮小倍率比を有する。リレーレンズ143は、対物面OPおよび像焦点面OPにおいてテレセントリックである。
対物面OPと像面IPの双方でのテレセントリック性は、予熱放射線源142に直接隣接して配置された、球面視野レンズ202(面s1〜s2)および円柱レンズ204(面s3〜s4)によって達成される。円柱レンズ204は、Y−Z平面のみにおいて倍率を有し、Y−Z平面においてはs5で瞳像を形成する。次に、2つの円柱レンズ206,208(面s6〜s9)はY−Z平面において倍率を有する。この2つの円柱レンズ206,208は、中間像面においてダイオードアレイを1:1で再結像する。面s10は、X−Z平面における瞳面を示す。次に、Y−Z平面において倍率を有する一対の円柱レンズ210,212(面s11〜s14)が設けられている。円柱レンズ210,21は、この中間像面においてダイオードアレイを10:1の縮小倍率比で再結像する。中間像は、一群の球面レンズ214〜222(面s15〜s24)によって最終像面で再結像される。一群の球面レンズ214〜222は、6:1の縮小倍率比を有するサブリレーを形成する。したがって、リレーはダイオードの列を含む平面において6:1の総合縮小倍率を有し、各列のダイオードに垂直な平面において60:1の縮小倍率を有する。
Y−Z平面における6:1の縮小倍率比によって、コリメートされていない(遅軸)予熱放射線源142の10mmのサイズが、対物面OPにおける10mmから像面IPにおける1.67mmに減少する。また、同じ平面において、対物面OPにおける予熱放射線源142から発せられた放射線の10°の円錐角は、像面IPにおける60°に増加する。
X−Z平面における縮小倍率は60:1である。したがって、有効放射線源220を構成するレーザーダイオードアレイの対物面OPにおける寸法11.4mm(7列のダイオードをX方向で測定)は、像面IPでは0.19mmに減少する。また、有効放射線源220における平行ビームの1°のFWHM角度は、像面IPでは60°の円錐角に増加する。
対物面OPにおける放射線源142から像面IPにおける基板10に予熱放射線147を伝達する総合効率が50%(基板の表面12での反射損失を含む)であると仮定すると、図8Aおよび図8Bのリレーレンズ143は像160に280Wをもたらすことができる。一例としての像160の寸法が1.6mm×0.19mmとすると、921W/mmのパワー密度が達成される。法線入射(θ150=0°)では、滞在時間が約0.2ミリ秒であると仮定すると、このパワー密度によって、室温(〜20℃)のシリコン基板10の温度が約500℃上昇して約520℃になることになる。この温度は、自己持続アニール条件を開始させるために必要な400℃の均一な限界温度Tよりも高く、アニールレーザ像30の直前に位置するダイオードアレイ像160によって生じるような不均一な温度分布にとって適切な範囲である。この場合、予熱放射線ビーム150はアニール放射線ビーム20に先行する(すなわち、アニール放射線ビーム20の前方を走査される)。このようにして、予熱放射線ビームによって形成される最高温度TMAXは、アニール放射線ビーム20が基板の同じ予熱部分に照射される直前に達成される。一実施形態では、予熱放射線ビームおよびアニール放射線ビームの相対的な位置は、予熱放射線ビームが常にアニール放射線ビームに先行するように、走査方向が逆になるたびに逆転される。
IX.放射線ビームの走査と向き
上述したように、一実施形態では、予熱放射線ビーム150によって形成される像160は基板10上を走査される。また、アニール放射線ビーム20によって形成される像30も、予熱放射線ビームによって予熱された基板の部分に入射するように基板上を走査される。
実施形態では、スパイラルパターン、ラスタパターン、または牛耕式(boustrophedonic)パターンで基板を移動させることによって走査が行われる。牛耕式走査パターンでは、走査方向を逆転させ、各走査後に交差走査位置が増加する。この場合、上述したように、各走査間で予熱放射線ビーム150とアニール放射線ビーム20の相対的な位置を変化させることが必要である。一実施形態では、リレーレンズ143全体の位置をシフトさせることによってこれを行なう。アニール放射線ビーム20の幅が約120μm(FWHM)であり、予熱放射線ビーム250の幅が190μm(シルクハットプロファイル)である場合には、リレーレンズ143は、ビーム中心間の距離の2倍または走査方向に平行な方向において約393μm移動させる必要がある。これは、例えば、予熱リレーレンズ143に動作的に接続されたコントローラ32からの信号によって、リレーレンズ(図1C)を移動させることによって達成される。同様に、コントローラ32は、走査前に基板の焦点、頂点、および傾斜パラメータを調整することによって、予熱放射線ビーム150の焦点を制御する。
上述の米国特許出願第10/287,864号に記載されているように、予熱放射線ビ
ーム150はブルースター角またはその近傍の入射角で基板10に入射し、p偏光されていることが望ましい。これは、アニール時に基板上に接触しているような膜積層体は、これらの条件下では低い反射率および反射率の小さなばらつきを有するためである。
一実施形態では、予熱放射線ビーム150は、アニール放射線ビーム20と同様の様式にて、ブルースター角またはその近傍の入射角θ150で基板に入射するように配置される。通常、このような角度によって、活性化(アニール)工程の前に基板上に形成された、異なる膜積層体間の反射率のばらつきが減少する。しかし、このようなビームの向き(角度)はアニール波長では非常に有効に作用するが、予熱に使用される波長ではそれほど有効ではない。予熱放射線ビームの波長と半導体構造(例えば、トランジスタなどのデバイス14)を形成するために使用される膜の厚みとがほぼ等価であると、すべての入射角で基板の反射率の大きなばらつきが生じる。また、ブルースター角またはその近傍の入射角θ150によって、法線入射(θ150=0°)の場合の3倍または4倍の面積にわたって像160が広がり、パワー密度はそれに対応する量低下する。走査速度を変化させない場合、走査速度は通常アニール放射線ビームジオメトリーによって設定されるため、最高温度も低下する。
法線入射または法線入射近傍で動作させる場合の問題の1つは、放射線の反射割合が非常に高く、反射放射線が放射線源(例えば、ダイオードアレイ)に戻った場合に深刻なダメージを引き起こし得ることである。図10Aおよび図10Bは、反射または散乱して予熱放射線源142(図1C)に戻る予熱放射線の量を減少させるための予熱リレー光学系140の実施形態を説明する概略図である。図10Aを参照すると、好ましい実施形態では、予熱放射線ビーム150はθ150=0°の法線入射角を有する。法線入射角は、基板によって反射され(反射された予熱放射線は150Rとして示す)、予熱放射線源142に戻る予熱放射線ビーム150の量に反映される。反射された予熱放射線150Rが予熱放射線源142に戻ると、放射線源の破損時間が早まる可能性がある。放射された予熱放射線147が偏光される場合(レーザーダイオードを使用する場合など)、一実施形態では、予熱放射線ビームの偏光方向に整列させた偏光子143Pと、偏光子と基板との間に位置する1/4波長板143WPを配置することによって、予熱放射線源に戻る反射予熱放射線150Rの量を減少させる。1/4波長板は、偏光子から基板に移動する放射線を基板において円偏光放射線に変換する。基板から戻る放射線は、1/4波長板を通過した後に直線偏光放射線に再び変換される。しかしながら、基板から戻る放射線の偏光方向は元の方向と直交している。したがって、基板から戻るビームは偏光子を透過せず、レーザーダイオードアレイには達することはない。
図10Bを参照すると、反射(鏡面)予熱放射線150が予熱放射線源に戻ることができないように入射角θ150を法線入射からずらして選択した場合でも、予熱放射線源に戻る散乱(非鏡面)予熱放射線150Sが問題を引き起こし得る。ある種の予熱放射線源(レーザなど)に戻る少量の放射線が不安定な動作を引き起こし得る。また、基板に吸収される放射線の割合を増加させ、かつ、基板上の様々な構造によって生じる吸収のばらつきを減少させるために、法線入射からずらして動作させる場合には、p偏光させた予熱放射線を使用することが望ましい。
したがって、一実施形態では、リレーレンズ143の下流に偏光子143Pおよびファラデー回転子143Fを追加することによって、予熱放射線源142に戻る予熱放射線150Sの量を減少させる。ファラデー回転子143Fは、偏光子143Pおよび基板10の間に位置する。動作時には、ファラデー回転子は、回転子を通過した予熱放射線ビーム150の偏光を90°回転させ、偏光子は、偏光を回転させた予熱放射線150Sが予熱放射線源142に戻ることを防ぐ。予熱放射線ビーム150が法線入射からずれるように光学リレー系140を動作させることによって、反射予熱放射線ビーム150Rのパワーを測定することが容易となり、有益な診断となる。
入射予熱放射線ビーム150および反射予熱放射線150Rのパワーの測定値は、基板10に吸収されたパワーを計算するために使用することができる。次に、基板10に吸収されたパワーは、予熱放射線ビーム150によって形成された最高温度を推定するために使用される。予熱放射線ビーム150の吸収パワーを一定の最小閾値よりも高く維持することによって、基板によるアニール放射線ビーム20の強い吸収を引き起こすために十分な予熱が保証される。
予熱放射線ビームの反射が最小となる角度θ150で予熱放射線150を基板10に照射することが望ましいが、これは常に都合がよいことまたは可能なことではない。なぜなら、基板10の反射率が、様々な薄膜およびその他の構造を有することがある表面12の性質に依存するためである。
これらの構造は、接合領域におけるベア(bare)シリコンから、フィールド酸化物やフィールド酸化物上のポリシリコンにおよぶ。典型的な集積回路は、30〜50%のフィールド酸化物と、約15〜20%のベアシリコンまたはシリコン上のポリシリコンとを含み、残りはフィールド酸化物上のポリシリコンである。しかしながら、これらの割合は、回路によって、さらには回路上でも異なる。
図11は、接合の活性化の準備ができたシリコン基板に通常存在するフィールド酸化膜(300nm、400nm、および500nm)の例とともに、ベアシリコンの反射率R(%)の変化と入射角θ150(°)を示すプロットである。図11のプロットは、基板に入射する放射線が800nmの波長を有し、かつP−偏光されていると仮定している。このプロットから明らかなように、これらの膜では、最適な動作点は、反射率がすべて約14%となる角度である約55°の入射角θに対応している。
図12は図11と同様のプロットであり、シリコン基板上の300nm、400nm、および500nmの厚みを有する酸化物層上の130nmの厚みを有するポリシリコン層の反射率を示す。この場合、理想的な動作入射角というものはないが、55°が賢明な選択である。実際には、ポリシリコン層およびシリコン層内の活性化ドーパントの存在によって、これらの領域はより金属的になり、すべての入射角において反射率が上昇する。
図16を簡単に参照すると、詳細に後述するが、予熱放射線源142から基板10に十分なエネルギーを移動させるために、予熱放射線ビーム150は基板における相当な入射角の範囲を有することが必要であり、すなわち、予熱レンズ143は実質的な開口数NA=sinφ150を有することが必要である。ここで、φ150は、軸A2と予熱放射線ビーム150の外側の光線150Aまたは150Bとによって形成される半角である。なお、入射角θ150は表面法線Nと軸A2との間で測定され、後者は予熱放射線ビーム150の軸光線も表している。軸光線と表面法線Nとの間の角度は、本明細書では角度範囲の「中央角度」と呼ぶ。
一実施形態では、入射面において20°の範囲の入射角を考慮すると、図11のプロットは、様々な膜積層体間の反射率のばらつきを最小化するために賢明な選択は、入射角θ150が約42°から約62°の範囲であり、中心が約52°であることを示唆している。
実際には、基板から反射される予熱放射線をなくすことは困難であるため、本発明の一実施形態では、反射予熱放射線150Rを捕らえることと、「リサイクル放射線150RD」として基板に向け返すこととを含み、リサイクル放射線150RDは基板に吸収され
て基板の加熱に寄与する。
したがって、図13は、図10Bと同様の本発明のLTA装置8の一実施形態の拡大模式図を示し、LTA装置8はリサイクル光学系300を含む。このリサイクル光学系300は反射予熱放射線150Rを受け、反射予熱放射線150Rをリサイクル予熱放射線150RDとして基板に向け直すように配置されたリサイクル光学系300は、表面法線Nに対して角度θ150RDをなす軸A3に沿って配置されている。リサイクル系300が反射予熱放射線150Rを最適に受けられるように、一実施形態では、角度θ150RDは予熱放射線ビームの入射角θ150と等しくなっている。
図14は、リサイクル光学系300の一実施形態の断面図であり、このリサイクル光学系は、中空のコーナーキューブ反射体310と、レンズから基板までの表面12の距離に対応する焦点距離Fを有する集光/集束レンズ316とを含む。中空のコーナーキューブ反射体310は、直角に交差する3つの反射表面を有するが、図14に模式化して示すように、2つの表面312,314のみが示されている。
動作時には、レンズ316は基板の表面12から反射予熱放射線150Rを集光し、反射予熱放射線150Rを並列光線320としてコーナーキューブ反射体の表面312,314に向ける。並列光線は3つの反射体表面によって反射されて、レンズ316とは正反対の方向に並列光線320’として向けられる。並列光線320’はリサイクル予熱放射線150RDを構成することになる。並列光線320’はレンズ316によって集光され、基板の表面12において元の点に再集束される。
図15は、図14に示す実施形態の変形の断面図であり、コーナーキューブ反射体310は軸A3に対してΔD変位して(ずれて)いる。このため、基板における反射予熱放射線ビーム150Rとリサイクル予熱放射線ビーム150RDとの間には入射角のずれが生じている。なお、基板上のビームの位置は同じであり、入射角のみが変化している。2つのビームの入射角間の相対的なずれは、反射予熱放射線が予熱放射線源142に戻り、放射線源の不安定さを引き起こすことを防ぐために利用することができる。この特有の実施形態では、ビームの偏光が保存されないため、全内部反射を使用する屈折コーナーキューブは有効ではない。
図16は、リサイクル光学系300の別の実施形態の断面図である。このリサイクル光学系300は、集光/集束レンズ450と、格子表面462を有する回折格子460とを有する。一実施形態では、レンズ450は高解像テレセントリックリレーであり、第1および第2のレンズ470,472と、第1のレンズと第2のレンズとの間に位置する開口絞り474とを有する。さらに、この実施形態では、レンズは基板側で焦点距離F1を、回折格子側で焦点距離F2を有し、基板の表面12がレンズ470から軸A3に沿って測定された距離Fl離れて位置し、かつ、回折格子460がレンズ472から軸A3に沿って測定された距離F2離れて位置するように、レンズが配置されている。2つのレンズ470,472は、2つの焦点距離の合計と等しい距離によって分離されている。
好ましくは、格子表面462は、予熱放射線ビーム150の放射線の波長を最適に回折させ、入射放射線が回折されて入射経路に沿って戻るようになっている。最適な格子期間PはP=nλ/2sinθによって与えられ、λは予熱放射線の波長であり、θは表面法線Nに対する回折格子への入射角であり、nは回折格子を取り囲む媒質の屈折率(空気の場合はn=1)である。回折格子の目的は、基板における傾斜焦点面を補償することであり、さもなければ、返像は、像点468とリレー450の軸との間の図16の平面における距離に依存する量によって焦点がずれる。リレー450が−1×で動作するこのジオメトリーでは、θ=θ150=θ150R=θ150RDである。通常は、tan
θ=Mtanθ150であり、Mは基板から回折格子までのリレー450の倍率である。
動作時には、反射放射線150Rはテレセントリックリレー450によって集光され、テレセントリックリレー450はレンズ470およびレンズ472を含み、放射線は格子表面462に焦点合わせされる。格子表面462は放射線をリレー450に向け返し(より正確には回折させ)、リレー450は、反射予熱放射線が由来する点468またはその近傍へ向けて表面12にリサイクル予熱放射線150RDを向け返す。
図16の実施形態の欠点は、反射予熱放射線150Rが連続的に回折格子の非常に小さな点において結像されることで、回折格子が溶融したりまたは損傷したりする可能性があることである。回折格子の代わりに法線入射ミラー(図示せず)を使用した場合にも同様な問題が起こり得る。したがって、図16の実施形態を使用して図1Cの装置8を動作させる場合には注意が必要である。
図17は、基板10を予熱するための配置の実施形態の模式的な断面図である。この配置は、2つの予熱光学リレー系140,140’を採用する。予熱光学リレー系140は予熱放射線源142を有し、予熱放射線源142は予熱放射線ビーム150を放射し、予熱放射線ビーム150は基板に像160を形成する。予熱光学リレー系140’は予熱放射線源142’を有し、予熱放射線源142’は予熱放射線ビーム150’を放射し、予熱放射線ビーム150’は基板に像160’を形成する。一実施形態では、予熱光学リレー系140,140’はそれぞれ、基板において少なくとも部分的に互いに重なる像160,160’を形成するように配置されている。このような配置によって、予熱放射線源142,142’は高パワーの予熱放射線147,147を出力する必要がなくなる。一実施形態では、予熱放射線源142,142’はレーザーダイオードアレイである。この実施形態では、レーザーダイオードアレイは、波長が780〜840nmの放射線を発する。予熱放射線源142,142’は、コントローラ32に動作的に接続されている。
一実施形態では、アニール放射線ビーム20(図1C)は、シリコンのブルースター角またはその近傍の入射角θ20で基板に入射する(すなわち、10.6μmでθ20〜75°(θ20≦75°))。図17の予熱放射線ビーム150,150’は、予熱ビームのより大きな拡散角のために、ブルースター角とは異なってもよい角度θ150,θ150’で入射する。一実施形態では、入射角θ150,θ150’は等しく(例えば、約52°)、別の実施形態では、入射角θ150,θ150’は異なる。
一実施形態では、ビームが基板の表面12に対して走査される時に、基板の予熱部分にアニール放射線ビーム20(および像30)が到達する前に基板が予熱されるように、像160,160’が像30の前方(すなわち、走査方向における前方)に形成される。
図17の実施形態は2つの予熱放射線ビーム150,150’に限定されるものではない。通常、必要な予熱効果を達成するために、あらゆる適当な数の予熱放射線ビームを使用して対応する像を基板の表面12に形成することができる。
以上の詳細な説明では、容易に理解できるように様々な特徴を各種実施形態に分類した。本発明の多くの特徴および利点は詳細な明細書から明らかであり、したがって、それは、添付した請求項によって本発明の真の精神および意図に従う上述した装置の特徴および利点をすべて網羅することを意図するものである。また、当業者は数多くの変形および変更を容易に想到するものと考えられるため、本発明をここで説明した構造や動作のみに限定することは望ましくない。したがって、その他の実施形態は、添付した請求項の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

Claims (3)

  1. 表面を有するシリコン基板に室温で実質的に吸収されないレーザアニール放射線ビームを用いて該基板のレーザ熱アニールを行なうために、該基板を予熱する方法であって、
    室温で前記基板に実質的に吸収され、かつ、前記レーザアニール放射線ビームの波長より短い波長を有する第1及び第2の予熱放射線ビームを該基板の第1の部分に照射して前記基板上に第1の走査像を形成すること、及び、
    前記第1の走査像を前記基板の上方で走査して、前記基板の対応部分を予熱すること、を含み、
    前記基板の対応部分は、続いて第2の走査像の前方に存在するか又は前記第2の走査像と部分的に重なり、
    前記第2の走査像は、前記レーザアニール放射線ビームによって前記基板の予熱された部分に形成され、
    前記予熱放射線ビーム及び前記レーザアニール放射線ビームが、前記レーザアニール放射線ビームが前記基板に実質的に吸収され始める前記基板の臨界温度以上に予熱される前記基板の対応部分を有する前記基板の表面に関して走査され、
    前記第1及び第2の予熱放射線ビームは、前記基板の対応部分を前記臨界温度以上に予熱し、
    前記レーザアニール放射線ビームは、前記第1及び第2の予熱放射線ビームによって前記臨界温度以上に予熱された前記基板の対応部分に関して走査され、
    前記第1及び第2の予熱放射線ビームはそれぞれ、前記基板の表面の同じ部分に照射され、p偏光されており、前記レーザアニール放射線ビームの波長よりも短い波長を有し、かつ、前記基板に対して、前記基板表面の構造による熱吸収のばらつきを最小化する角度で入射し、
    前記基板は、1×10 16 原子/cm 以下のドーパント濃度を有し、
    前記レーザアニール放射線ビームは、CO レーザ放射線ビームである、方法。
  2. 請求項1において、
    前記レーザアニール放射線ビームは、ブルースター角とその近傍で前記基板に入射し、
    前記第1および第2の予熱放射線ビームは、中央角度を含む角度範囲を超えて前記基板に入射し、
    各角度範囲に対する前記中央角度は、ブルースター角と異なる、方法。
  3. 請求項1において、
    前記第1及び第2の予熱放射線ビームがそれぞれ、
    i)0.15〜0.5の前記基板における開口数と、
    ii)約52°の入射角と、
    を有するように形成することを含む、方法。
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