JP3185881B2 - レーザ照射装置およびレーザ照射方法 - Google Patents
レーザ照射装置およびレーザ照射方法Info
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Description
膜にレーザ光を照射し、レーザアニールにより、多結晶
半導体膜を形成するレーザ照射装置およびレーザ照射方
法に関し、特に液晶ディスプレイや密着型イメージセン
サ等に用いられる多結晶シリコン薄膜トランジスタのチ
ャネル層を形成するレーザ照射装置およびレーザ照射方
法に関する。
ンサ等への応用を目的とした、ガラス基板上に形成され
る多結晶シリコン薄膜をチャネル層とする薄膜トランジ
スタの開発が盛んに進められている。多結晶シリコン薄
膜の作製方法としては、プロセス温度低温化、スループ
ット向上などの観点から、前駆体として一旦成膜したシ
リコン薄膜に、紫外レーザ光を照射することにより溶融
を経た結晶化を引き起こして多結晶組織を形成する、レ
ーザアニール法が主流となりつつある。
織を均一に形成すること、すなわち多結晶粒子の粒径を
均一にすることが重要な課題の一つとなっている。この
ための手法として、エネルギー値の異なる2種類のエネ
ルギー照射を行うことが有効であり、従来、種々のレー
ザアニール方法が提案されてきた。
を行った後、次の工程で、これよりも高いエネルギーの
照射を行うという方法がある。また、同一波長のレーザ
光を発する2台のパルスレーザを用い、まず比較的低エ
ネルギーのレーザを用いて照射を行い、つづいて同一の
地点にこれよりも高いエネルギーのレーザを用いて照射
を行う、いわゆる2ステップ・アニール法とよばれる方
法がある。
度行う必要があり作業効率が悪かった。このためレーザ
処理に要する時間が長くなるという問題があった。ま
た、2種類のエネルギーのレーザ照射を行うために、2
台のレーザを設置するかレーザ光のエネルギーを所望の
大きさに下げるエネルギー変換器等を設置する必要が生
じ、照射装置が大がかりになって広い設置場所が必要と
なるという問題があった。
うな問題を解決するためのレーザアニール装置が開示さ
れている。同公報に開示されているレーザアニール装置
の構造を図8に示す。図中のレーザアニール装置におい
て、ホモジナイザ17から出力されたレーザ光の一部は
ビームスプリッタ18によって分岐される。分岐された
光は反射鏡19によって光路変更され、さらに、調節レ
ンズ20によってビームの広がり等が調整された後にフ
ィルタ21によって所望のエネルギー密度の副ビームE
1となる。したがって、ビームの移動方向に対してエネ
ルギー密度の異なる主ビームE2と副ビームE1とが平
行して出力され、絶縁基板12上のアモルファスシリコ
ン13に照射されることとなる。この装置によれば、簡
易な構造でエネルギーの異なるレーザ光を一度の照射作
業で照射できるとされている。
ロファイルを特定の形状とすることにより、同一地点に
2種類のエネルギーのレーザ照射がなされるようにする
技術も提案されている。この方法について図9を参照し
て説明する。図9(a)は、照射に用いたパルスレーザ
光のエネルギー密度プロファイルを示す図である。この
図は、矩形状の照射領域の短辺方向(レーザ走査方向と
垂直の方向)のエネルギー分布を示すものであり、トッ
プフラット型の形状を有している。両端に傾斜部を有す
るエネルギー密度プロファイルであるため、このパルス
レーザ光をスキャン照射すれば、ピッチ(レーザ光の走
査幅)を適宜に調整することにより、同一地点に2種類
のエネルギーのレーザ照射がなされることとなる。
いずれも、レーザ光のエネルギーの利用効率が低いとい
う問題を有していた。半導体膜に照射された光はすべて
相転移等に消費されるのではなく、その半分以上が反射
する。たとえば、XeClエキシマレーザ(波長308
nm)では約53%、KrFエキシマレーザ(波長24
8nm)では約54%の光が固体のアモルファスシリコ
ン膜の表面で反射する。さらに、アモルファスシリコン
膜が溶融状態となった場合、反射率は一層高くなり、X
eClエキシマレーザでは約73%、KrFエキシマレ
ーザでは約75%の反射率となる。従来技術において
は、この反射光がレーザアニールのために利用されるこ
とはなかった。このため、レーザアニールを行うために
本来必要とする以上のエネルギの照射を行う必要があ
り、レーザ光源の寿命が短くなり運用コストが上がると
いった問題があった。さらに、必要以上に高いエネルギ
照射を行っていたため、レーザの周波数を充分に上げる
ことができず、処理速度を上げることについて一定の制
約があった。
術は、副ビームのエネルギー密度を、フィルタを透過さ
せることによって調整しているため、レーザ光のエネル
ギーの利用効率が更に下がるという問題があった。また
光学部品点数が多いため、そのコストが上がるという問
題があり、さらに、正副ビームが表面で反射し、フィル
タやミラーなどの光学部品に損傷を与えるという問題が
あった。
992年)、53頁記載の技術には、パルスレーザ光の
エネルギー密度プロファイルが両端に傾斜部を有するこ
とに起因して、上述したものと別個の問題を有してい
た。このパルスレーザ光をスキャン照射した場合の結晶
粒径の変化を図9(b)〜(d)に示す。まず、アモル
ファスシリコン薄膜に図9(a)に示すプロファイルを
有するパルスレーザ光を照射すると、図9(b)に示す
結晶粒径分布の多結晶領域が形成される。次にビームを
ピッチxだけ矢印方向に移動してパルスレーザ光を照射
すると、結晶粒径分布は図9(c)に示すように変化す
る。ここで、図9(b)におけるビーム端近傍の領域で
粒径の極小値が見られる。最終的には、照射開始箇所と
照射終了箇所を除き、図9(d)に示す結晶粒径分布を
有する多結晶シリコン薄膜が形成される。すなわちビー
ム端による組織変化に起因する結晶粒径の不均一が発生
する。この現象は、レーザ照射による薄膜の溶融状態
が、照射前の薄膜組織に依存することに起因するもので
ある。特に、前駆体としてアモルファスシリコン薄膜を
用いた場合の、既照射領域(結晶領域)と未照射領域
(アモルファス領域)との界面で、顕著な溶融状態の変
化が発生する。
はいずれも、粒径分布が均一で、かつ粒子の配列状態が
良好な大粒径多結晶シリコン膜を形成することに関し、
充分な効果が得られないことがあり、この点についても
さらなる改良が求められていた。
解決することを目的とする。
用効率を高め、これによりレーザ光源の寿命を向上して
運用コストを下げ、さらにアニール処理速度を向上させ
ることである。
し、装置の小型化を図り省スペース化を図ることであ
る。
すなわち、多結晶粒子の粒径の均一化、多結晶粒子の大
粒径化、多結晶粒子の配列状態の秩序化等を図ることで
ある。
光を半導体薄膜に照射するレーザ照射装置において、レ
ーザ光を発生するレーザ光発生手段と、該レーザ光を半
導体膜に対して斜めの方向から直接照射するように照射
角度を調整する光学系と、直接照射したレーザ光が半導
体膜で反射した光を集光し、再び半導体膜に導いて間接
照射せしめる集光手段とを備えたことを特徴とするレー
ザ照射装置が提供される。
膜に照射するレーザ照射方法において、該半導体膜に対
してレーザ光を斜めの方向から照射する直接照射と、直
接照射したレーザ光が半導体膜で反射した光を集光し再
び半導体膜に導いて照射する間接照射とを行うことを特
徴とするレーザ照射方法が提供される。
ザ光を斜めの方向から直接照射するとともに、反射した
光を集光し再び半導体膜に導いて間接照射する。従来
は、レーザ光を半導体膜に対して直角の方向から直接照
射していた。このようにすれば単位面積当たりのレーザ
光のエネルギー密度を最大となるからである。これに対
して本発明は、直接照射の照射角度を直角方向からずら
し、半導体膜に対し、たとえば70〜87度の角度から
照射している。これにより、反射光を集光し再び半導体
膜に導いて間接照射することが可能となり、従来検討さ
れていなかった反射光の有効利用が図られ、レーザ光の
エネルギーの利用効率を高めることができる。
の全光量に対する集光された光の光量の割合を集光度と
定義する。本発明によれば、集光手段の集光度を調整す
ることにより間接照射のエネルギーを容易に制御できる
ため、所望のエネルギー密度を有する2種類のレーザ光
を同時に半導体膜に照射することが可能となる。通常、
エネルギー密度の異なる2種類のレーザ光を照射するに
は、装置が大がかりになったり処理時間が長くなる等の
問題があったが、本発明によればこれらの問題が解決さ
れる。
ラー等の簡易な構造のものを用いることができ、設置位
置の調整等により集光度を容易に調整できる。たとえば
特開平6−61172号公報記載の技術は、副ビームの
エネルギー密度をフィルタを透過させることによって調
整しているため、レーザ光のエネルギー利用効率が低下
するという問題があった。また、フィルターの物性によ
りエネルギー密度を調整しているため、いったんフィル
ターを設置してしまえば副ビームのエネルギー密度を自
由に変えることや微調整することが困難であった。これ
に対し、本発明では凹面ミラー等の簡易な構造の集光手
段を用いているため、その取り付け位置を調整すること
により、簡単な操作で集光度を連続的に変えることがで
き、間接照射のエネルギー密度を容易に調整できる。さ
らに、間接照射のエネルギー密度や照射面積を広範囲に
調整することができるので、被処理材料に応じた多様な
レーザアニール処理が可能となる。
射による照射領域との位置関係を適宜に調整すれば、半
導体膜の同一箇所にエネルギー密度の異なる2種類のレ
ーザ照射が行われることとなり、多結晶粒子の粒径の均
一化、あるいは、多結晶粒子の大粒径化や多結晶粒子の
配列状態の秩序化といった多結晶組織の膜質の向上を図
ることができる。ここで、本発明では凹面ミラー等の取
り付け角度を調整することにより直接照射および間接照
射の照射領域の位置関係を適宜に調整することができる
ので、一台のレーザ照射装置で多目的なレーザアニール
処理を行うことが可能となる。
rF、XeCl等のエキシマレーザの他、ルビーレーザ
のような他のパルスレーザ、アルゴンレーザのようなC
W(Continuous Wave)レーザを含む。レーザ光のエネ
ルギー密度は、多結晶半導体薄膜を形成し得る程度の大
きさとする。
リコン膜や多結晶シリコン膜の他、SiGe等の膜を含
む。
対して斜めの方向から直接照射するとともに、直接照射
したレーザ光が半導体膜で反射した光を集光し、再び半
導体膜に導いて間接照射する。直接照射とは半導体膜に
直接に照射することをいい、間接照射とは半導体膜に反
射した光を集光手段等により再度半導体膜に導き、照射
することをいう。直接照射は半導体膜に対して斜めの方
向から照射されるが、その照射角度は、半導体膜を含む
平面に対して、好ましくは60〜87度、さらに好まし
くは70〜85度とする。角度を小さくしすぎると照射
領域中の単位面積当たりのエネルギー強度が低下し、ま
た好ましくないエネルギー分布が生じることがある。角
度を大きくしすぎると、直接照射のための光学系と、間
接照射を行うための集光手段等とを好適に配置すること
が困難になる場合がある。
反射した光を集光し、この光を再び半導体膜に導くこと
により行われる。集光手段とは、ミラー等が用いられ、
特に凹面ミラーが好ましく用いられる。このような集光
手段の集光度は、ミラーと半導体膜との間の距離や凹面
ミラーの湾曲度等により制御することができる。また、
凹面ミラーに透過率を持たせれば、その透過度の調整に
より制御可能となる。
て走査することとしてもよい。レーザ光走査手段は、レ
ーザ光の側を移動させる手段であってもよいし、被処理
基板を移動させる手段であってもよい。これにより、半
導体膜上の同一箇所に対し、エネルギー密度の異なる直
接照射と間接照射の2度の照射を行うことが可能とな
り、多結晶粒子の粒径の均一化、多結晶粒子の大粒径
化、多結晶粒子の配列状態の秩序化等の膜質の向上を図
ることが可能となる。
と間接照射による照射領域との位置関係を適宜に調整す
ることにより、以下の効果がもたらされる。
る照射領域に対してレーザ光の走査方向の後方に位置さ
せた場合、半導体膜の同一地点に対し、間接照射および
直接照射がこの順で行われることとなる。すなわち、ま
ず低エネルギーの間接照射により半導体膜が予備加熱さ
れて固体から液体に変化し、その後の冷却に伴って、微
細だが均一な多結晶シリコンとなる。この段階で、より
高エネルギーの直接照射が行えば、欠陥の少ない、均一
な粒径を有する多結晶組織が得られる。すなわち、この
ような効果を得るためには、半導体膜の一地点に対し、
間接照射により溶融させた後、冷却して固化させ、その
後、直接照射を行うようにすることが好ましい。これ
は、直接照射および間接照射の照射領域の位置関係の調
整により実現できる。
る照射領域に対してレーザ光の走査方向の前方に位置さ
せた場合、半導体膜の同一地点に対し、直接照射および
間接照射がこの順で行われることとなる。すなわち、ま
ず高エネルギーの直接照射により半導体膜が加熱されて
溶融状態となった後、低エネルギーの間接照射が行われ
る。このため、溶融状態からの冷却が緩やかに進行し、
これにより多結晶粒子の大粒径化を図ることができる。
すなわち、多結晶粒子の大粒径化の目的を達成するため
には、半導体膜の一地点に対し、直接照射により溶融さ
せた後、溶融状態を維持している間に間接照射を行うこ
とが好ましい。
ルギー密度が直接照射による照射エネルギー密度の10
〜100%となるように、集光手段の集光度が調整され
ることが好ましい。これによりレーザ光エネルギーの利
用効率を高めるとともに、上述のような多結晶組織の粒
径の均一化、大粒径化等、種々の効果を得ることができ
る。ここで、多結晶組織の粒径の均一化、あるいは大粒
径化を図るためには、集光度を以下のようにすることが
好ましい。すなわち、間接照射による照射エネルギー密
度は、直接照射による照射エネルギー密度の25〜80
%とすることが好ましく、30〜50%とすることがさ
らに好ましく、35〜42%とすることが最も好まし
い。このようにすれば予備加熱のために適したエネルギ
ーとなって、より一層、多結晶組織の粒径の均一化を図
ることができる。また、直接照射後の冷却を緩やかに進
行させるのに適したエネルギーとなって、より一層、多
結晶組織の大粒径化を図ることができる。
置の概略図を図1に示す。
ファスシリコン膜4aが形成された構造を有している。
本実施例では、絶縁基材4bとして日本電気硝子社製O
A−2基板(ガラス基板)を用いた。この絶縁基材4b
の上に、まず、プラズマCVD法で二酸化シリコン薄膜
を膜厚100nmとして堆積した後、Si2H6を用い減
圧CVD法でアモルファスシリコン膜4aを75nm堆
積した。アモルファスシリコン膜4aの堆積条件は、S
i2H6流速150sccm、圧力8Pa、基板温度45
0℃とし、堆積時間は70分間とした。
れ、このホルダー8は基板移動機構9によってx−y方
向へ移動可能となっている。
rFエキシマレーザを用いた。このレーザ光は波長24
8nmのパルス光であり、パルス幅30ナノ秒、エネル
ギー密度400mJ/cm2である。基板温度は300
℃とする。
ホモジナイザ2を通った後、ミラー3により光路を変
え、アモルファスシリコン膜4aに照射される。この照
射光は、ミラー3により、アモルファスシリコン膜4a
を含む平面に対して80度の角度となるように光路調整
されている。この照射による照射領域を直接照射領域6
とする。この照射光は、半導体膜の表面で一部が吸収さ
れて熱に変換され、残りは反射する。本実施例ではKr
Fエキシマレーザの波長248nmの光を用いている
が、この場合、溶融状態となったアモルファスシリコン
膜4a表面での反射率は75%程度であった。
0により集光する。凹面ミラー10に反射した光は再び
半導体膜表面に到達する。この光により照射される領域
を間接照射領域7と称す。凹面ミラー10による反射光
の集光度は、被処理基板4から凹面ミラー10までの距
離を調整することにより制御できる。本実施例では被処
理基板4から凹面ミラー10までの距離を20cmと
し、集光度を約50%とした。したがって、レーザ光の
エネルギー利用率は、約71%であった。なお、反射光
を利用しない従来の方法ではエネルギー利用率は46%
となる。
ルギー密度E1は、400mJ/cm2程度である。一
方、間接照射領域7のエネルギー密度E2は、200m
J/cm2程度であり、直接照射領域6のエネルギー密
度E1の約50%となっている。
例について図2、3を参照して説明する。図2は本実施
例の方法の概略を示す図である。図3は直接照射と間接
照射の位置関係、およびスキャン照射の様子を説明する
ための図である。図中、1回目および2回目の照射によ
る照射領域が示されている。照射領域は、実際にはレー
ザ走査方向と直角の方向に延びたライン状の形状を有し
ているが、便宜上、その矩形状の形状として表してい
る。
とにより、レーザ照射領域を走査する。図3に示すよう
に、基板の進行方向に対して間接照射領域7は直接照射
領域6の前方に位置しており、アモルファスシリコン膜
4aの同一地点に対し、間接照射および直接照射がこの
順で行われることとなる。2つの照射領域は、照射面積
が略等しくなっている。すなわち、2つの照射領域の幅
(レーザ走査方向の幅)が略等しくなっている。さら
に、走査ピッチをこれらの領域の幅と等しくしているた
め、1回目の照射における間接照射領域7が、ちょうど
2回目の照射における直接照射領域6と重なるようにな
っている。このようにすることによって、実質的に半導
体膜上のすべての領域に対して間接照射および直接照射
の両方が行われることとなり、しかも照射プロセスの効
率化を図ることができる。なお、2つの照射領域の幅が
等しくない場合は、走査ピッチを短い方の幅に合わせる
ことが好ましい。これにより実質的に半導体膜上のすべ
ての領域に対して、間接照射および直接照射の両方が行
われることとなる。
ず比較的低エネルギーの間接照射により予備加熱され、
これにより固体から液体に変化し、その後の冷却に伴っ
て多結晶シリコンとなる。このとき、多結晶粒子は照射
領域の全面にわたって形成されるのではなく、一部の領
域にのみ形成される。また、多結晶シリコンの粒界等に
おいて欠陥が多数生じる。つづいて、間接照射された領
域が冷却し、固体となった段階で、直接照射が行われ
る。これにより、照射領域のほぼ全面にわたって多結晶
粒子が成長し、しかも上述の欠陥が消滅する。以上の2
種類の照射が順に行われるため、均一な粒径を有する多
結晶組織が得られる。
間接照射と直接照射との時間間隔が4ミリ秒となるよう
に基板移動速度を調整した。本実施例で用いたレーザ光
の場合、上記のように調整することにより、間接照射さ
れた領域に再び直接照射が行われることとなる。
体膜を走査型電子顕微鏡で観察したところ、欠陥のな
い、粒径0.2μm程度の均一な多結晶半導体膜が形成
されていることが確認された。また、表面平坦性も、従
来の反射光を用いない場合と比較して向上した。
接照射による照射領域との位置関係を図4のようにし、
走査ピッチを変更したこと以外は実施例1と同様にして
レーザ照射を行った。本実施例では、走査ピッチを0.
1mmとした。
照射領域6の幅(いずれもレーザ走査方向の幅を指
す)、およびこれらの領域の間隔をいずれも0.1mm
とし、略等しくしている。このため、1回目の照射にお
ける間接照射領域7が、2回目の照射においては間接照
射領域7と直接照射領域6の間の照射がされない領域と
一致し、さらに3回目の照射において直接照射領域6と
一致することとなる。すなわち、同一地点に対し、間接
照射、非照射、直接照射がこの順で行われることとな
る。間接照射と直接照射の間に非照射の段階が設けられ
ているので、この段階で溶融シリコンを冷却させ、多結
晶化するための時間を確保することができる。これによ
り、半導体膜の一地点に対し、間接照射により溶融させ
た後、冷却して固化させた上で直接照射を行うというプ
ロセスを確実に行うことができる。
体膜を走査型電子顕微鏡で観察したところ、粒径0.2
μm程度の欠陥のない均一な多結晶半導体膜が形成され
ていることが確認された。
装置の概略図を図5に示す。この装置は実施例1と同様
の構造を有しており、直接照射領域6と間接照射領域7
の位置関係のみが異なっている。被処理基板4の作製方
法は実施例1と同様である。
例について図6、7を参照して説明する。図6は本実施
例の方法の概略を示す図である。図7は直接照射と間接
照射の位置関係、およびスキャン照射の様子を説明する
ための図である。図中、1回目および2回目の照射によ
る照射領域が示されている。照射領域は、実際にはレー
ザ走査方向と直角の方向に延びたライン状の形状を有し
ているが、便宜上、その矩形状の形状として表してい
る。
とにより、レーザ照射領域を走査する。図7に示すよう
に、基板の進行方向に対して間接照射領域7は直接照射
領域6の後方に位置しており、アモルファスシリコン膜
4aの同一地点に対し、直接照射および間接照射がこの
順で行われることとなる。2つの照射領域は、照射面積
が略等しくなっている。すなわち、2つの照射領域の幅
(レーザ走査方向の幅)が略等しくなっている。さら
に、走査ピッチをこれらの領域の幅と等しくしているた
め、1回目の照射における間接照射領域7が、ちょうど
2回目の照射における直接照射領域6と重なるようにな
っている。このようにすることによって、実質的に半導
体膜上のすべての領域に対して直接照射および間接照射
の両方が行われることとなり、しかも照射プロセスの効
率化を図ることができる。なお、2つの照射領域の幅が
等しくない場合は、走査ピッチを短い方の幅に合わせる
ことが好ましい。これにより実質的に半導体膜上のすべ
ての領域に対して、直接照射および間接照射の両方が行
われることとなる。
ず比較的高エネルギーの直接照射により加熱され、これ
により固体から液体に変化する。つづいて、液体の状態
(溶融状態)である間に間接照射がされる。これにより
液体状態のアモルファスシリコンの冷却が緩やかにな
り、結晶粒の大きさを増加させることができる。
体膜を走査型電子顕微鏡で観察したところ、粒径1.5
μm程度の多結晶粒子が良好な秩序性をもって整然と配
列していることが確認された。また、本実施例の方法に
よれば、レーザ光のエネルギー利用率は、約71%であ
った。一方、凹面ミラーによる集光を行わない従来の方
法ではエネルギー利用率が46%であり、本実施例の方
法の優位性が示された。また、基板温度を更に上昇させ
400℃とした場合は、粒径2.5μm程度となった。
6と間接照射領域7とが隣接した状態となっており、両
者は重なり合わないようになっている。ここで、図10
のように、直接照射領域6と間接照射領域7とが一部重
なるようにすれば、多結晶粒子の粒径をより増大させる
ことができる。
導体膜に対してレーザ光を斜めの方向から照射するとと
もに、反射した光を集光し再び半導体膜に導いて照射す
るため、レーザ光のエネルギーの利用効率を高めること
ができる。これによりレーザ光源の寿命を向上させて運
用コストを下げ、さらにアニール処理速度を向上させる
ことができる。
ギー密度のレーザ照射を行うために、レーザを複数設置
したり、エネルギー変換器等を設置する必要がなく、装
置の小型化を図り省スペース化を図ることができる。
照射領域と間接照射による照射領域との位置関係を適宜
に調整することにより、多結晶組織の膜質の向上、すな
わち、多結晶粒子の粒径の均一化、多結晶粒子の大粒径
化、多結晶粒子の配列状態の秩序化等を図ることができ
る。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
の図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 レーザ光を半導体薄膜に照射するレーザ
照射装置において、レーザ光を発生するレーザ光発生手
段と、該レーザ光を半導体膜に対して斜めの方向から直
接照射するように照射角度を調整する光学系と、直接照
射したレーザ光が半導体膜で反射した光を集光し、再び
半導体膜に導いて間接照射せしめる集光手段とを備えた
ことを特徴とするレーザ照射装置。 - 【請求項2】 前記レーザ光を一方向に沿って走査する
レーザ光走査手段をさらに備えたことを特徴とする請求
項1に記載のレーザ照射装置。 - 【請求項3】 直接照射による照射領域が、間接照射に
よる照射領域に対してレーザ光の走査方向の後方に位置
することを特徴とする請求項2に記載のレーザ照射装
置。 - 【請求項4】 直接照射による照射領域が、間接照射に
よる照射領域に対してレーザ光の走査方向の前方に位置
することを特徴とする請求項2に記載のレーザ照射装
置。 - 【請求項5】 間接照射による照射エネルギー密度が直
接照射による照射エネルギー密度の10〜100%とな
るように、前記集光手段の集光度が調整されたことを特
徴とする請求項2乃至4いずれかに記載のレーザ照射装
置。 - 【請求項6】 レーザ光を半導体薄膜に照射するレーザ
照射方法において、該半導体膜に対してレーザ光を斜め
の方向から照射する直接照射と、直接照射したレーザ光
が半導体膜で反射した光を集光し再び半導体膜に導いて
照射する間接照射とを行うことを特徴とするレーザ照射
方法。 - 【請求項7】 前記レーザ光を一方向に沿って走査しな
がら半導体薄膜に照射することを特徴とする請求項6に
記載のレーザ照射方法。 - 【請求項8】 直接照射による照射領域が、間接照射に
よる照射領域に対してレーザ光の走査方向の後方に位置
することを特徴とする請求項7に記載のレーザ照射方
法。 - 【請求項9】 前記半導体膜の一地点に対し、間接照射
により溶融させた後、冷却して固化させ、その後、直接
照射を行うことを特徴とする請求項8に記載のレーザ照
射方法。 - 【請求項10】 間接照射による照射エネルギー密度が
直接照射による照射エネルギー密度の10〜100%と
なるように、前記集光手段の集光度が調整されたことを
特徴とする請求項8または9に記載のレーザ照射方法。 - 【請求項11】 直接照射による照射領域が、間接照射
による照射領域に対してレーザ光の走査方向の前方に位
置することを特徴とする請求項6に記載のレーザ照射方
法。 - 【請求項12】 前記半導体膜の一地点に対し、直接照
射により溶融させた後、溶融状態を維持している間に間
接照射を行うことを特徴とする請求項11に記載のレー
ザ照射方法。 - 【請求項13】 間接照射による照射エネルギー密度が
直接照射による照射エネルギー密度の10〜100%と
なるように、集光手段の集光度が調整されたことを特徴
とする請求項11または12に記載のレーザ照射方法。
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