JP2007221062A - 半導体デバイスの製造方法および製造装置 - Google Patents

半導体デバイスの製造方法および製造装置 Download PDF

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Ikumi Kashiwagi
郁未 柏木
Masanori Seki
政則 関
Hiroshi Tsunasawa
啓 綱沢
Junichiro Nakayama
純一郎 中山
Hiroaki Takeuchi
博明 竹内
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Abstract

【課題】発振波長の異なる複数のレーザ発振器を用いて一部を重複させて照射領域を形成し、更にその照射領域の一部に重ねるよう次の照射を行う半導体薄膜の結晶化工程において、照射時の被処理物の温度が照射を重ねるごとに上昇することを防止する。
【解決手段】第1レーザ光の照射強度を、第1及び第2レーザ光によってできる照射領域の移動方向に関しマスクの相対的移動方向において、上流側よりも下流側で第1レーザ光の強度が強くなるよう照射分布を設ける大きくなるよう相対的移動方向において不均一な分布に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を利用して半導体膜を結晶化させた半導体デバイスを製造する方法および装置に関するものである。
半導体薄膜上に半導体デバイスとして形成された薄膜トランジスタ(TFT)は、アクティブマトリクス液晶表示装置における表示部や画素コントローラなどにおいて用いられており、その半導体薄膜としては非晶質半導体薄膜が主に用いられている。さらに、TFTを高速動作させるために、従来非晶質半導体膜が用いられていたチャネル領域を結晶化することが行なわれている。これは、原子配列のそろった結晶部分におけるキャリアの移動度が、非晶質部分に比べて数百倍大きくなるからである。しかし、多結晶の場合は、結晶粒界においてキャリアの散乱が生じるため、結晶粒をより大きくすることによって、できるだけチャネル中に結晶粒界を形成しないようにし、究極的にはチャネル領域が単結晶になることが望まれる。TFTを高性能化することにより、ガラス基板上の半導体薄膜にプロセッサなどの集積回路を形成することができる。
非晶質半導体薄膜の結晶化にはいくつかの方法が提案されているが、パルスレーザを用いることで短時間に大きなエネルギを投入でき、基板にダメージを与えることなく比較的低温で結晶化することが可能となる。このようなレーザアニールによる結晶化において、大粒径でかつ粒径ばらつきの小さな半導体多結晶薄膜を作製するためには、結晶核の発生と結晶成長速度の制御が重要となる。これらの考え方から、半導体膜の基板接触面から表面方向へ成長する従来の成長方法に対して、横方向成長法およびこれを利用する逐次横方向結晶化法(SLS: Sequential Lateral Solidification)と呼ばれる方法が特許文献1で提案されている。これらの結晶成長方法について、図13を用いて詳しく説明する。
横方向成長法とは、基板上に形成された半導体膜に局所的にレーザ光照射し、半導体膜の完全溶融した部分と非溶融の固体部分との境界から基板表面に沿って横方向に結晶化させる手法である。溶融部分と固体部分との界面がその溶融部分中で最も温度が低く、そこで結晶核が発生しやすいため、その溶融領域の端部から中央部へ向かって結晶成長が進む現象を利用している。溶融部と固体部の境界を所望の位置に設け、境界に急峻なレーザ光の強度変化を設けるため、スリットをもつマスクを利用することがある。スリットを持つマスクを用いたレーザ光照射と、このときの半導体膜の溶融、再結晶化を説明する断面図を図13(a)に示す。ここでは光学部品等は省略して描いている。マスクは透過率の差を利用して所望の領域のみにレーザ光が照射されるように設計されており、レーザ光が通る開口部分をスリットと呼ぶこととする。図13(a)でマスク66内に斜線部で示されているのがスリット100であり、スリット幅は101である。マスク66を用いてレーザ光を照射すると、非処理物である半導体薄膜103はスリット100直下のみ加熱され、斜線部に示された部分のみ溶融する。溶融幅はスリット幅101とほぼ一致する。
レーザ光照射により加熱され、スリット100直下の部分が全膜厚溶融した場合について考える。スリット100直下の部分が全膜厚溶融し、その後次第に冷却され、図13(b)中の矢印AおよびBの方向に熱が放射されていく。Aはマスク66のスリット100方向から水平に熱が逃げる方向であり、Bはスリット100の直下へ熱が逃げる方向である。このとき溶融した部分の中で最初に冷却されるのは固液界面であり、破線矢印Cの先にある固液界面部分(この界面は紙面奥方向へ広がっている)に結晶核が発生する。その後矢印Dで示される、スリット100の中央部分へと次第に結晶が成長していく。結晶表面の様子を基板面法線方向から見た拡大模式図も合わせて図13(c)に示す。斜線部で示される、スリット100により溶融した領域は、境界部から横方向に成長した結晶粒によって埋められ、スリットの中央でぶつかるまで成長することによって、再結晶化が完了されている。結晶長102はスリット幅101の半分である。実際には矩形の4辺が全て溶融/固体界面となり、溶融した領域の中央に向かって横方向結晶が起こるが、ここでは簡単のため短辺である2辺を省略して描いている。
これに対して矩形の短辺方向の幅を広げた場合の結晶表面の様子を、図14(a)に示す。矢印Aで示される方向へ熱の放射が行なわれるのと同時に、矢印Bへの放射も行なわれているため、矢印Dで示される、溶融領域の端部から中央部へ向かって結晶成長が進む途中で溶融領域の中央部でも冷却が進み、溶融した半導体膜と基板の界面で結晶核が発生して、矢印Eで示される方向への結晶成長も同時に起こってくる。半導体膜の表面方向に成長したこれらの結晶粒が横方向結晶の成長を阻害し、全体の結晶化が終了する。結晶表面の様子を基板面法線方向から見た拡大模式図である図14(b)に示すように、横方向成長した結晶長は図13(c)と同じ102であるが、縦方向に成長した結晶粒109によって中央付近のみ部分的に埋められている。この縦方向結晶が成長する際は、横方向に比べて多くの結晶核ができ、結晶粒がぶつかり合いながら成長するため、粒径の小さな微結晶となる。
次に、さらに大きな結晶粒を得る方法であるSLS法について、図15を用いて説明する。ここではレーザ光を照射し横方向成長した結晶粒について説明する。図13(c)のように成長した結晶長102を持つ横方向結晶に対し、結晶長102より短い距離105だけスリットを移動させ、図15(a)において斜線部で示される領域106に再度レーザ光を照射する。実際は、基板を保持したステージ、つまり半導体膜をレーザ光に対して相対的に動かす方が容易であるが、ここでは分かりやすく説明するためスリットを動かすと考える。結晶は溶融した半導体膜と固体部分の界面から横方向に成長するが、このとき一回前のレーザ光照射で成長した結晶粒107を核として結晶化が引き継いで起こる。このため、結晶粒108を一回前の結晶粒107の端から成長させていくことが可能となる。二回目の結晶長も一回目と同様に102であるが、全結晶長は104となる。またこのとき、一回前の照射の際スリット中央部に生じた突起(横方向成長した結晶粒がぶつかり合う際高い突起状の表面ラフネスが発生し、これをここではリッジと呼ぶこととする。)を消去することができる。このようにSLS法では、所望の長さまでレーザ光照射とステージ移動を繰り返して結晶長を伸ばしていくことができる。
この逐次横方向結晶化法(SLS法)において問題となるのがスループットである。例えば4μm幅のスリットを用いて2μmの横方向結晶を形成できた場合、このスリットを一つ用いて順次結晶化する際には、短い距離105に相当する距離として例えば1μmずらしながら次々と結晶化することとなる。300Hzの照射周波数をもつレーザ光を利用したとしても、走査方向に0.3mm/sの速度でしか処理することができない。この場合、基板上の全ての半導体膜を結晶化させるには莫大な時間がかかり、生産方法としては非現実的なものとなる。
上記の短スリットを用いる方法よりスループットを上げるためには、スリットの数を多くすれば良い。しかしマスク設計の際には、スリットの幅、本数、スリット同士の間隔等を考慮する必要がある。特許文献2ではレーザ光の照射領域を規定するマスク形状を工夫する方法が開示されている。例として挙げられているマスクとスリットの形状を図16に示す。図16(a)ではマスク内にマスクの走査方向と直行する方向が長辺となるスリットを複数設け、さらにいくつかのスリットでひとまとめにして、ブロックを構成している。つまり、マスク110にはブロック111,112……の複数のブロックが存在し、各ブロック111,112……にはそれぞれ複数のスリット121,122……が存在する。矩形の破線で囲む領域11は、第1レーザ光による照射領域を示す。ここでスリットの本数は各ブロックで同一とし、スリット幅も同一、スリット同士の間隔も同一である。図中には各ブロックにスリットが1本しか描かれていないが、スリットとスリットのない部分、つまり照射領域と非照射領域がそれぞれ決まった幅をもつパターンとなっており、マスクの走査方向に交互に繰り返されている。ブロックの寸法も各ブロックで同一とする。ただし、各スリットが設けられている位置は、各ブロック相互間で異なる位置に設定されている。具体的には各ブロック内の最も下流側に位置するスリットの配置位置が各ブロックで異なるように設計されている。図16(a)では、第1ブロック111内の最も下流側にあるスリット121は、ブロック111端から距離131だけ離れた位置にあり、第2ブロック112内の最も下流側にあるスリット122は、ブロック端から距離131より長い距離132だけ離れた位置にある。ここで下流側とは図中の矢印方向であり、この矢印は相対的にマスクが移動する、走査方向を示している。また、矢印方向と反対を上流側と定義することとする。実際は半導体膜を保持したステージをレーザ光に対して動かす方が容易であるが、ここでは分かりやすく説明するため相対的にマスクを動かすと考えている。
このマスクを用いてレーザ光照射し、マスクを走査方向にずらして第1ブロック111のあった位置に第2ブロック112が重なるように位置決めし、次のレーザ光照射を行なうと、図16(b)のように第1スリット121を通して照射された部分に対して、一部重なって第2スリット122を通してレーザ光が照射される。これは、第1ブロック111内のスリット121と第2ブロック112内のスリット122の位置がずらされているからであり、最も下流側に位置する第1ブロック111の最も下流側の第1スリット121の位置からある量103だけ上流側にずれた位置に第2ブロック112の第2スリット122がくる。これはまさにSLS法で結晶粒を引き継ぐことであり、レーザ光照射後の走査距離はブロック間隔となって、所望のズレ分103を送り距離とする方法より効率が良い。そして、一つのブロックに多数のスリットを設けておけば、ブロックの数だけ重ねて照射されたあとには、そのブロック全面積が結晶化されていることになる。
図17(a)は同様の考え方で、マスクの移動方向と平行に長辺がくるようなスリットを設けた場合である。マスク210にはブロック211,212,……の複数のブロックが存在し、第1ブロック211内の上端にあるスリット221は、ブロック端からある距離131離れた位置にあり、第2ブロック212内の上端にあるスリット222は、ブロック端からある距離131より大きいある距離132だけ離れた位置にある。このマスクを用いてレーザ光照射し、マスクを走査方向にずらして第1ブロック211のあった位置に第2ブロック212が重なるように位置決めし、次のレーザ光照射を行なうと、図17(b)のように第1スリット221によるレーザ照射部分と一部重なって第2スリット222によるレーザが照射される。これは、第1ブロック内のスリットと第2ブロック内のスリットの位置がずらされているからであり、第1スリット221と第2スリット222がスリットの短辺方向にズレ分103となるようにすることで、SLS法が実現できる。この場合走査方向と結晶粒の引き継ぎ方向が直行するため、走査量のズレが生じた場合でも結晶粒の引き継ぎには影響せず、結晶粒が接いで伸ばせていないという問題が生じにくくなる。
つまりこれらの方法を用いると、スリット数を増やし重ね合わせをうまく設計することにより、等価的な送り距離(レーザ光の照射後に基板走査する距離)を長くすることができ、スリット幅や結晶長によらず、マスクに形成するブロックの幅とすることができる。
更に結晶長を伸ばし電気特性を向上させるためには、レーザ光照射によって溶融した半導体膜を徐々に冷却し、結晶成長速度を遅くさせることが良い。この方法として、レーザ光のパルス幅を伸ばして長い時間レーザ光照射を行なうことや、基板を加熱して半導体膜の温度を上げること、などが提案されている。特許文献3では、発振波長の異なる複数のレーザ発振器を用いた結晶化プロセスが提案されている。半導体膜に吸収される波長を持つメインレーザ光と半導体膜下の基板に吸収される波長を持つアシストレーザ光を同時に照射することにより基板温度を上げ、結晶長を従来の1μm程度から数倍に伸ばすことができるとしている。このときの半導体膜の温度変化を図18に示す。単一のレーザを用いた場合を実線、複数のレーザを用いた場合を破線で示している。単一のレーザを用いた場合は、メインレーザであるレーザ光300を照射することによって半導体膜の温度が上昇し、溶融する。その後冷却されると共に再結晶化が起こる。複数のレーザを用いた場合は、まずアシストレーザである第1レーザ301を照射すると、基板と共に半導体膜も加熱され、半導体膜の温度が上昇する。タイミングをずらしてメインレーザであるレーザ光300を照射すると半導体膜は溶融し、ゆっくり冷却が進む。このような照射タイミングにすることで、半導体膜を溶融前後で加熱することができ、温度が高いため結晶の数が少なく、より大きな幅の結晶粒ができると同時に、結晶長も増大させることができる。
特許第3204986号公報 特開2002−324759号公報 特開平11−307450号公報 特開平10−64815号公報
そこで我々は、発振波長の異なる複数のレーザ発振器を用いて、図19(a)で示す4ブロックを持つマスク310を使い、結晶化と基板走査を繰り返して基板全体を結晶化させる方法を試した。本マスクは111,112,113,114で示される4つのブロックを持ち、各ブロックの幅(図19(b)において参照番号401で示す幅)は共通である。この一つ一つのブロックには図19(a)で示すように、所望の結晶長に合わせたスリット幅をもつスリット121,122,123,124が各ブロックに複数本配置されている。図19(a)はマスクを上方向(レーザ光源側)から見たものであり、SLS法の考え方を利用したものである。メインおよびアシストのレーザ光は本マスク内の全てのブロックをカバーするように照射し、その後マスクを基板に対して図19(a)の矢印X方向に相対的に移動させ、第1ブロック111があった位置に第2ブロック112が完全に重なるように移動したのち、レーザ光を再度照射する。実際は、半導体膜を保持したステージをレーザ光に対して相対的に動かす方が容易であるが、ここでは分かりやすく説明するため相対的に照射領域(マスク)を動かすと考える。相対的にマスクが移動する方向(矢印X方向)を下流側、反対を上流側と定義する。このように照射と一ブロックの移動とを繰り返すことにより、基板上の所望の領域を結晶化させた。これを図示したのが図19(b)であり、1shot目で第1ブロックが照射する領域に着目すると、2shot目では第2ブロックが、3shot目では第3ブロックが、4shot目では第4ブロックが移動してきてそこが照射される。
この方法により繰り返し結晶化させたとき、以下のことが分かった。
(1) メインのレーザ光はマスクによって投影されることにより、各ブロック内のスリットで開口された部分を溶融させ、横方向結晶を成長させることができた。
(2) アシストのレーザ光をメインのレーザ光で投影される全ての箇所に照射したところ、メインのレーザ光のみの場合に比べて結晶長を10倍程度に伸ばすことができた。
(3) 均一な結晶を得るためには、どちらのレーザ光も一様な強度分布を持つように設計する必要がある。
(4) 図19(a)のマスクを用いた場合、横方向結晶を4回つなぐSLS法が実現でき、1回の照射に比べて4倍近い結晶長を得ることができた。
しかしながら、上述のような結晶化法では新たな問題が生じた。結果はメインおよびアシストのレーザ光を1Hzで繰り返し照射を行なったものであるが、この繰り返し周波数を次第に増加していくと、ブロックごとにできる結晶長が異なることが分かった。
図19(b)で第1ブロック111によって結晶化された領域は、2shot目は第2ブロック112によって結晶化される。しかしレーザ光照射の繰り返し周波数が大きく基板が十分冷却されない場合、第2ブロック112で結晶化する際の温度が第1ブロック111で結晶化した際の温度より高くなるため、できる結晶は第1ブロック111のものより大きくなる。さらに3shot目に第3ブロック113によって結晶化される際、半導体膜は既に2回のレーザ光が照射されており、4shot目に第4ブロック114によって結晶化される際は、半導体膜は既に3回のレーザ光が照射されていることになる。
このときの半導体膜の温度変化を示すグラフを図20(a)に示す。アシストレーザである第1のレーザ光301が照射されると次第に基板温度が上がり、これによって半導体膜の温度が上がる。所望の温度になったところでメインレーザであるレーザ光300を照射すると、半導体膜の温度は一気に上昇し溶融温度を超えて、半導体膜は溶融状態となる。その後半導体膜は急激に冷却されて温度が下がり、結晶化を始める。しかしレーザ光照射の繰り返し周波数が大きく、基板が十分冷却されないまま次のアシストレーザ光照射が行なわれると、次のメインレーザ光が照射される時間において、半導体膜は所望の温度以上に上がっていることとなる。さらに次の照射と繰り返される場合、破線で示すように、次第に半導体膜の温度が上昇し、結晶化温度はブロックが進むにつれ上がり続けることとなる。
半導体膜の温度が次第に上がると、ショットを繰り返すにつれできる結晶長が次第に長くなっていく。また、スリット幅に対してさらに長く成長できるにもかかわらずスリット中央においてぶつかり合うことになり、非常に高い突起が生じてしまうことがわかった。また、突起部位外でも結晶粒表面のラフネスも大きくなってしまう。また、基板が過剰に加熱されることによって、半導体膜の変色や基板ダメージが起こることがある。また、あるいは基板の不純物が溶出し、半導体膜に移動することによって、半導体膜の電気的特性を変えてしまうことがある。さらには半導体膜の温度が高くなりすぎることによって、溶融した半導体膜が凝集したりアブレーションを起こしたりする可能性が高くなる。よって図20(b)のように半導体膜溶融時の温度が一定となるような対策が必要となる。
繰り返し照射することによる半導体膜の温度上昇を見越して、最初から所望の条件より半導体膜の温度を低く設定しておく方法があるが、これによると最初のレーザ光照射した箇所は所望の長さの結晶粒が得られないこととなり、使用できない助走領域となる。つまり、基板の温度が一定となって半導体膜の成長結晶長も安定して確実にSLS法により結晶成長をつないでいけるようになるまでの領域は利用することなく、基板が一定温度に達したあとの半導体膜の均一な結晶長部分のみを利用しなくてはならなくなる。本例では基板端から結晶化を始める際、最初の1ブロック目、2ブロック目、3ブロック目の領域には素子を作らないように設計しなければならない。しかし、最近では液晶ディスプレイパネルに対する小型化の要求が高まり、額縁部分の面積を減らして基板の端領域までドライバなどの回路を組み込むことが多い。基板上の半導体膜全域を結晶化するためには、助走領域をできるだけ減らす必要があり、このような対策は非常に不利となる。
特許文献4には半導体膜を溶融させるメインのレーザに不均一な強度分布を持たせる手法が提案されている。この目的は、多数回レーザ光を照射させて結晶化を繰り返す場合に、レーザのエネルギのばらつきによって結晶長が異なることをなくすことであり、前述のような基板が過剰に加熱されたりすることや蓄熱の影響を考慮しているものではない。
このような基板への蓄熱は、基板または半導体膜に対して吸収長が異なる複数のレーザ光を用いることに固有の課題であり、半導体膜に吸収されるメインレーザ(たとえばエキシマレーザ)を単独で照射を繰り返しても大きな問題とはならない。なぜならば、溶融に用いるエキシマレーザは十分な照射エネルギを短時間で投入するので、冷却および凝固時間も短くてすみ、基板への蓄熱の影響を無視できるからである。他方、絶縁体基板に吸収されるアシストレーザは、半導体膜に比べて1〜3桁異なる厚さの基板の温度を上げる必要があり、パルス幅もエキシマレーザに比べて3桁以上大きくされる。更に、スループットを高くするため、レーザ光を照射する周波数をより大きくすることが行なわれると、蓄熱の影響は無視できない大きさとなる。
複数のブロックを持つマスクを用いることによりスループットを上げることや、所望の結晶を得るようマスクスリットの形状を工夫することが、この蓄熱の影響を受け、均一な結晶を得られなくなってしまうという結果を招いていた。
本発明では、結晶長を伸ばしスループットを上げることが制限されてしまうようなこれらの課題を解決し、品質良く半導体膜の所望の面積全体を結晶化する方法および装置を提供することを目的としている。
このような課題を解決するための本発明の半導体デバイス製造方法は、
第1レーザ光を半導体である被処理物の第1照射領域に照射して加熱するステップと、
第2レーザ光を前記被処理物に照射して前記第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域を形成し前記被処理物の半導体の一部を溶融した後結晶化するステップと、
前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させることを繰り返し、前記第1および第2照射領域を一部重複させながら前記半導体の一部を結晶化することにより結晶化された領域を拡大するステップと、を有し、結晶化された領域を拡大するステップは、異なる位置に形成された複数のスリットを備えたマスクを用い、複数のスリットを介して被処理物の異なる位置への第1または第2レーザ光の照射を同時に行なうことにより行ない、第1照射領域への第1レーザ光の照射強度は、第1および第2照射領域を被処理物に対して相対的に移動させるための前記マスクの相対的移動方向の上流側に比べて下流側を大きくする相対的移動方向において不均一な強度分布を持たせることにより構成されるものである。
また、本発明の半導体デバイス製造方法においては、さらに第2照射領域は複数のスリットを持つマスクを介して形成され、照射領域と非照射領域を構成するためのスリットのパターンが相対移動方向において繰り返されるようマスクを構成してもよい。ここでスリットとは光を透過させる開口部のことであり、第2照射領域とはレーザ光がスリットを透過してできた全領域を指す。また、照射領域と非照射領域を構成するためのスリットのパターンが前記相対移動方向と、前記相対移動方向に対して90度をなす方向において繰り返されるよう前記マスクを構成してもよい。
さらに、本発明における被処理物は少なくとも2層からなり、第1レーザ光は、被処理物の第1層に吸収され、第2レーザ光は、被処理物の第2層に吸収され、かつ第1レーザ光と第2レーザ光を合わせて照射させた場合、両レーザ光のエネルギ密度は第2層を全厚さ方向にわたって溶融できるパルス当りのエネルギ密度を有するよう構成するのがよい。
さらに、本発明において用いる第1照射領域の不均一な強度分布は、不均一照射光学系で実現することが可能で、第1および第2照射領域を被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、不均一照射光学系をあわせて切り替えることができる。また、本発明における第1照射領域の不均一な強度分布は、第1レーザ光を均一照射光学系に入射させる際、第1レーザ光の光軸を均一照射光学系の中心からある方向へシフトさせるよう可動式とすることで実現されてもよく、第1および第2照射領域を被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、第1レーザ光の光軸を均一照射光学系の中心からシフトさせる方向を逆に切り替えることができる。
また、本発明における第1照射領域の不均一な強度分布は、第1レーザ光を均一照射光学系に入射させ、第1レーザ光の光軸を均一照射光学系の中心からある方向へシフトさせて入射させるようレーザ光軸シフト用光学素子を用いることで実現されてもよく、第1および第2照射領域を被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、レーザ光軸シフト用光学素子によって逆方向にシフトするよう切り替えることができる。
また、本発明における第1照射領域の不均一な強度分布は、ビーム強度変調素子によって実現され、第1および第2照射領域を被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、ビーム強度変調素子も切り替えることができる。
また、本発明における第1照射領域の不均一な強度分布は、第1レーザを被処理物に対して斜方から入射することによって被処理物の表面でビームのデフォーカスを生じさせることにより構成することも可能である。
また、本発明における第1照射領域の不均一な強度分布は、複数の光学素子によって第1レーザ光を複数光に分割し、分割されたレーザ光をそれぞれ可変減衰器で強度変調した後再結合することで実現されてもよく、第1および第2の照射領域を被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、第1レーザの照射強度分布を切り替えるよう、可変減衰器を制御するようにしてもよい。
上述の課題を解決するための本発明の半導体デバイス製造装置は、第1レーザ光を被処理物に照射して、被処理物に第1照射領域を形成する第1レーザ光照射手段と、第2レーザ光を被処理物に照射して、被処理物に、第1照射領域の少なくとも一部が重複する第2照射領域を形成する第2レーザ照射手段と、第1および第2照射領域を被処理物に対して相対的に移動させることを繰り返して行なうことを可能とする相対移動手段とを備え、さらに異なる位置に形成された複数のスリットを備え、複数のスリットを介して第1または第2レーザ光の照射を被処理物の異なる位置へ同時に行なうことを可能とするマスクと、第1および第2照射領域と被処理物との相対的移動におけるマスクの相対的移動方向に関して下流側の照射強度が、上流側の照射強度よりも大きくなるように第1照射領域を形成することを可能とする照射強度変調手段と、を有することにより構成されるものである。
また本発明において、第2照射領域を形成するマスクは、複数のスリットを持ち、かつ照射領域と非照射領域を形成するスリットのパターンが相対移動方向において繰り返されるよう構成されてもよい。
また本発明において、第2照射領域を形成するマスクは、複数のスリットを持ち、かつ、照射領域と非照射領域形成するスリットのパターンが、第1および第2照射領域と被処理物との相対的移動方向と、相対的移動方向と90度をなす方向において繰り返されるよう構成されてもよい。
また本発明において、被処理物は少なくとも2層からなり、第1レーザ光は、被処理物の第1層に吸収される波長を持ち、第2レーザ光は、被処理物の第2層に吸収される波長を持ち、かつ第1レーザ光と第2レーザ光を合わせて照射させた場合のエネルギ密度は、第2層を全厚さ方向にわたって溶融できるパルス当りのエネルギ密度を有していることが望ましい。
また本発明において、照射強度変調手段は、第1レーザ光を均一照射光学系に入射させ、第1レーザ光の光軸を前記均一照射光学系の中心からある方向へシフトして入射させるよう、均一照射光学系の位置を制御する手段を持ち、さらに第1照射領域を形成する照射強度変調手段は、第1レーザ光の光軸を均一照射光学系の中心からある方向へシフトさせて入射させるよう、レーザ光軸シフト用光学素子を制御する手段を持つよう構成してもよい。
また本発明において、照射強度変調手段として、ビーム強度変調素子を有し、第1および第2照射領域を被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際に、ビーム強度変調素子の切り替えを可能に制御する手段を有するように構成してもよい。
また本発明において、照射強度変調手段として、第1レーザを処理物に対して斜方から入射することによって被処理物の表面でビームのデフォーカスを生じさせるよう、ビームフォーカス変調手段を有する構成としてもよい。
また本発明において、照射強度変調手段として、複数の光学素子によって第1レーザ光を複数光に分割し、分割されたレーザ光がそれぞれ照射強度を変調されるよう、可変減衰器を有し、第1および第2照射領域を被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、可変減衰器も切り替えられるよう制御する手段を有する構成としてもよい。
なお、第一のレーザ光の強度を不均一な強度分布にした場合でも、第二のレーザ光の強度分布は一様すなわち均一な強度分布とすることが望ましい。なぜなら、第二のレーザ光は半導体膜を溶融させるメインのレーザであり、各ブロック内の結晶長を均一にするためには、強度分布を不均一としない方が良いためである。さらに、メインのレーザの強度が大きすぎた場合、半導体膜が凝集したりアブレーションを起こしたりする可能性が高くなる。
本発明の半導体デバイス方法においては、メインおよびアシストのレーザ光である二つのレーザを用いた場合に起こる基板への蓄熱という、基板または半導体膜に対して吸収長が異なる複数のレーザ光を用いることに固有の課題を解決し、スループットを高くすることを、蓄熱の影響は受けずに実現可能とするものである。
また、本発明の半導体デバイス装置においては、複数のスリットを持つマスクを用い、複数のスリットを介して第1または第2レーザ光の照射を被処理物の異なる位置へ同時に行なうことを可能とするマスク構成と、マスクの相対的移動方向に関して下流側の照射強度が、上流側の照射強度よりも大きくなるように第1照射領域を形成することを可能とする照射強度変調手段とを備え、スループットを上げつつ、所望の結晶を得ることを、蓄熱の影響を受けることなく実現可能な装置を構成できる。
本発明における半導体デバイスの製造方法においては、基板の温度を適切なものにするための第1レーザ光を半導体である被処理物の第1照射領域に照射して加熱するステップにおいて、均一な粒径を持つ結晶を得るために、蓄熱の影響を考慮した上で第1レーザ光の強度分布を工夫したものである。すなわち、照射毎に次第にレーザ光強度を低下させるような強度分布を用いている。例として図1(a)に第1レーザ光の強度分布を示す。上流側から徐々にレーザ光の強度を小さくし、重ねてレーザ照射を繰り返すこと、あるいは繰り返し回数と強度を考慮して照射強度分布を設計することで、結晶長を均一にすることができる。また、図1(b)のように、ブロック単位で設計をして、各ブロックでは均一な強度にしておき、移動方向に対して上流側から次第に大きくなるように設計することで、各ブロック内は均一でかつ全ブロックを通して均一な結晶長を得ることができる。もしくは図1(c)のようにブロックごとではなくとも、途中で強度分布を変えることにより、蓄熱の影響を低下させ結晶長をそろえることができる。このような方法を用いることで、従来の装置にたいするより少ない装置の変更で対応できる効果も期待できる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(下地絶縁膜と半導体膜の形成)
図2は、本発明においてレーザ光が照射される半導体デバイス44を模式的断面図で示している。この図に示すように、基板41上に下地絶縁膜42と半導体膜43を積層させて半導体デバイス44が形成されており、レーザ光45が矢印Yの方向から照射される。基板41としては絶縁性であることが好ましく、ガラス基板や石英基板などを用いることができるが、安価であることと大面積基板を容易に入手し得る観点からガラス基板を用いることが好ましい。
下地絶縁膜42には、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜または酸化シリコン膜などを用いることができる。その膜厚は50〜500nm程度にすることが好ましいが、これに限定されるわけではない。この下地絶縁膜42を形成することにより、主としてレーザ光による溶融、再結晶化の際に、溶融した半導体膜43の熱影響が基板21に及ばないようにすることができ、さらに基板41から半導体膜43への不純物拡散を防止する、バッファ層の働きをさせることができる。この下地絶縁膜42は、原料化合物をプラズマエンハンスド化学気相堆積(PECVD)、蒸着、またはスパッタリングなどで堆積することによって形成し得る。
半導体膜43は、膜厚が10nm〜100nmとなるように、プラズマエンハンスド化学気相堆積(PECVD)、触媒化学気相堆積(Cat−CVD)、蒸着、またはスパッタリングなどによって堆積され得る。かかる半導体膜43の材料としては、半導体特性を示す従来公知のものであれば特に限定されないが、後の工程で結晶化された際に結晶成長距離を長くでき、種々の特性が顕著に向上するアモルファスシリコン膜とすることが好ましい。しかし、アモルファスシリコンのように非晶質のものに限られず、レーザ光45の照射によって結晶化される前の半導体膜43は、微結晶や多結晶などの結晶性半導体膜であってもよい。半導体膜43の材質は、シリコンのみからなる材質に限られず、ゲルマニウムなどの他の元素を含んだシリコンを主成分とする材質であってもよい。本実施の形態ではガラス基板上に二酸化シリコンからなる下地絶縁膜を150nm形成し、半導体膜としてアモルファスシリコンを50nm形成した。
(レーザ照射)
図3は、本発明において半導体膜の結晶化に用いられる、レーザ加工装置の模式的なブロック図を示している。このレーザ光照射装置は、半導体デバイス44に含まれる半導体膜43(図2参照)を結晶化させることができ、第1のレーザ発振器51、第2のレーザ発振器61、コントローラ50、サンプルステージ60を備えている。基板に吸収される波長を有するアシストレーザ光を構成する補助ビームとしての第1レーザ光と、半導体膜に吸収される波長を有し半導体膜を溶融させるメインレーザ光である第2レーザ光とを用いることにより、基板を加熱しつつ結晶成長させている。これによって結晶成長する際の成長速度を低下させることができ、大きな結晶粒を得ることができる。また、サンプルステージ60は第1のレーザ発振器51および第2のレーザ発振器61による各レーザ光の照射領域を被処理物半導体膜43に対して相対的に移動させることを繰り返して行なうことを可能とする相対移動手段としての機能を有する。
コントローラ50は、第1のレーザ発振器51および第2のレーザ発振器61だけでなくサンプルステージ60の駆動をも制御することにより、効率よく結晶化を進めていくことができる。さらに、可変減衰器52および62、ビーム整形光学系53および63、ビーム均一化光学系54および64、フィールドレンズ65、マスク66、投影レンズ67、およびいくつかのミラーMを含んでいる。
第1のレーザ発振器51は、絶縁体基板または下地絶縁膜、溶融した半導体膜に吸収されて、これらを加熱する効果を有するアシストレーザであり、可視域から赤外域の波長を有することが望ましい。たとえば、波長532nmのYAGレーザ、波長1064nmのYAGレーザ、波長10.6μmの炭酸ガスレーザなどがあげられる。第一のレーザはパルス照射と連続照射のいずれでもよいが、この場合ではガラス基板に吸収される9〜11μmの波長を有していてパルス照射する炭酸ガスレーザが用いられる。
第1のレーザ発振器51から放射されたレーザ光は、そのエネルギ量が可変減衰器52によって調整される。ビーム整形光学系53とビーム均一化光学系54は、レーザ発振器から放射されたレーザ光を適当な寸法に整形し、均一な強度の光で照明するように作用する。レーザ光が照射される半導体デバイス44上におけるレーザビーム形状の一例としては、概略矩形状であり得る。
第2のレーザ発振器61は、半導体膜に吸収されて半導体膜を溶融させる、メインのレーザであるから、基板にダメージを与えないように、固体の半導体膜における吸収係数が大きい紫外から可視光域の波長を有することが望ましい。このことからエキシマレーザや、YAGレーザに代表される各種固体レーザなどが好適である。本実施の形態では波長308nmのエキシマレーザを用い、パルス幅は50nsとした。
第2のレーザ発振器61から放射されたレーザ光は、そのエネルギ量が可変減衰器62によって調整される。ビーム整形光学系63とビーム均一化光学系64は、レーザ発振器から放射されたレーザ光を適当な寸法に整形し、均一な強度の光で照明するように作用する。また、フィールドレンズ65を設置して像側テレセントリック光学系とし、投影レンズ67によってレーザ光が所定倍率でレーザ光が照射される半導体デバイス44に投影されるように設定される。レーザ光が照射される半導体デバイス44上におけるレーザビーム形状の一例としては、概略矩形状であり得る。
図3のブロック図は簡略に描写されているが、レーザ光路には適宜にミラーMを設けることができ、レーザ光を折り返すことができる。それらのミラーMの設置箇所や数量に制限はなく、レーザ照射装置の光学設計や機構設計に応じて適宜に配置することが可能である。またビーム断面を矩形状に整形する方法も限定されず、回折光学素子や非球面光学素子を用いることも可能である。また、マスクはレーザ光を所望の領域に照射させるため、もしくはレーザ光の所望の強度分布を持つ範囲のみを使用するため等に用いられる。このマスクは、後述するように、図16(a)や、図17(a)、あるいは 図19(a)で示す構造が使用される。
レーザ光の一回の照射に関しては、第1と第2のレーザ光のエネルギの合計によって固体状態にある半導体膜を溶融させ得るエネルギ量を有し、かつ半導体膜を凝集させたり基板にダメージを与えたりしないようにそのエネルギ量を設定することが好ましい。これらのエネルギ量は、半導体膜の材質の種類、半導体膜の膜厚、結晶化領域の面積などに依存して変化して一義的に定めることはできないので、本発明の半導体膜の製造方法における実施形態に合わせて適宜に適当なエネルギ量を有するレーザ光を用いることが望ましい。さらには、第1のレーザ光を単独で照射した場合には、非晶質半導体膜を、融点以上の温度に加熱することのできない放射照度および照射時間であることが推奨される。なぜなら、第1のレーザ光は第2のレーザ光の照射後に半導体の冷却速度を低下させ、固化するまでの時間を延長することを目的として照射するものだからである。この場合では第1レーザ光のパルス幅は30〜200μmとしてそのエネルギ量は0.75〜1.0J/cm2とし、第2レーザ光のエネルギを0.2〜0.5J/cm2とした。
また、本実施の形態においては、たとえば、第2のレーザ発振器61からのレーザ光を垂直方向から入射させ、第1のレーザ発振器51からのレーザ光を斜方向から入射させることができる。さらに、第1のレーザ光の照射領域は、マスク110によって決められる第2のレーザ光の照射領域を包含する照射領域であればよい。ここで、第1のレーザ光(以下第1レーザ光と記す。)の照射領域とは本発明の第1照射領域であり、第2のレーザ光(以下第2レーザ光と記す。)の照射領域とは本発明の第2照射領域に対応する。第2レーザ光の照射領域とは、マスク110を通して形成されるものであり、各複数あるスリット121,122,123,124で開口され、レーザ光がそこを介して照射される複数の領域全体を指すこととする。
図4は、図3で示した半導体デバイスの製造装置を用いる際の、レーザ光の照射方法の一例を説明するタイミングチャート図である。上記の第1レーザ光および第2レーザ光の照射時刻と出力との関係は、図5に示す関係と同様の関係にあることが望ましい。ここで、第1レーザ光のパルス波形21は、時刻t=0に照射を開始されることを示し、第2レーザ光のパルス波形22は、時刻t=t1に照射を開始されることを示している。そして、第2レーザ光のパルス波形22は、時刻t=t2に照射を終了されることを示し、第1レーザ光のパルス波形21は、時刻t=t3に照射を終了されることを示している。
第1レーザ光が照射されることによって下地絶縁膜および絶縁体基板は加熱され、その熱伝導により半導体膜の温度は上昇する。タイミングをずらして第2レーザ光が照射されることによって、半導体膜を適度に加熱したのち溶融させることができる。その後冷えて再び固化する際も、第1レーザ光が照射され続けることにより、基板方向への熱移動を抑えて半導体の温度低下を遅らせることができ、結晶核の発生数を抑えることができる。かつ結晶化速度を低下させ結晶化が完了するまでの時間を延長することができるため、結晶の成長距離を大幅に延ばすことができる。
第1レーザと第2レーザはこのように照射タイミングを制御され、一定の繰り返し周波数で発振させられる。これらのレーザ光照射を1サイクルとして、レーザは所望の送り距離分だけ移動した後に次のレーザ光照射を行なうことを所望の回数だけ繰り返すことによって、半導体膜を走査して所望の面積にレーザ照射し結晶質半導体膜を形成することができる。
(第1レーザ光の照射強度変調手段)
レーザ光により照射領域を形成する際に起こる、結晶の不均一化を防ぐ方法として、本実施の形態ではここまで述べてきた半導体デバイスの製造装置のレーザ加工手段において、図5に示される第1レーザ光に用いるビーム均一化光学系を設計し直すことで、第1レーザ光の照射強度変調手段として用いる。ビーム均一化光学系としては、例えば非球面ホモジナイザもしくは回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)が用いられる。非球面ホモジナイザとは非球面レンズによる屈折現象を利用してガウス強度を均一強度に変換するのに対し、DOEとは素子表面の凹凸パターンによる回折現象を利用したものである。本実施の形態ではDOEを用いた場合を記述するが、非球面ホモジナイザでも同様の考え方で実現できる。
図5に第1レーザ光による照射領域71を法線方向上部から見た図を示す。図中の矢印Z方向に照射領域がステージ(図示せず)に対して相対的に移動することとし、上流側、下流側の方向がそれぞれ定義されている。ここで、点線で示した方向の強度分布を図6、図7に示す。従来はできる結晶粒を均一にするため、ビーム強度均一化光学系54は図6に示すように強度が一定となるよう設計されていたが、蓄熱の影響を考慮して、図7のように、下流側でレーザ光の強度を強く、徐々に低下するように不均一な強度分布となるように設計し直す。それぞれのブロックでは、走査方向と垂直な方向に対しての強度は一定としている。この方向の結晶は均一なものが得られるように設計されているため、照射全領域について均一な結晶が得られる。
このような強度分布をもつ第1レーザ光で、マスク66として、図16(a)で示すマスク110を用いた場合、SLS法によりスリット122により得られる結晶はスリット121により得られる結晶を引き継いで成長していき、結晶長を長くすることができる。そしてより上流に位置するブロックに照射される場合でも、第1レーザ光の強度が低くなるようビーム強度均一化光学系により設計されているため、ブロック111により得られる結晶と同様の結晶が得られる。半導体膜や基板にダメージを受けることもなく、特別高いリッジを持つこともない。
図17(a)で示すマスク210を用いた場合も上記と同様であるが、図16(a)で示すマスク110と異なる点は、スリットの長辺がマスクの進行方向と並行であることで、結晶の成長方向が図16(a)のマスク110とは90度異なる方向になる。このようなマスクを用いる利点は、マスクの進行に係る位置の誤差分が結晶の継いでいく方向にのることがないことであるが、ここでも強度分布を持ったビーム均一化光学系により、ブロックにかかわらず同様の結晶が得られ、全体の結晶の均一化を図ることができる。
図19(a)に示すマスク310は、4ブロックを持つマスクであり、段落(0011)において説明した構成を有するものであり、このマスク310を用いることも可能である。
次に、マスクの進行方向が反転する場合について述べる。基板上の半導体膜を順次結晶化していく際には、半導体膜の一辺から対向の辺まで結晶化した後に走査方向を反転させ、元の辺まで戻りながら結晶化されていない部分にレーザ光照射する。このことを繰り返すことが効率的である。このとき往路と復路でマスクと被処理物である半導体膜43にとっての相対的移動方向において上流、下流が逆転することになるため、第1レーザ光の強度分布も往路と復路で強弱の反転が必要となる。このときには、逆の強度分布を持つビーム均一化光学系をもう一つ準備し、往路と復路の切り替えの際に入れ替えることで対応できる。
(実施の形態2)
(設置位置)
本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は第1レーザ光の照射強度変調手段が実施の形態1と異なり、他は同様である。従って、同様である部分についての詳細な説明は省略し、第1レーザ光の照射強度変調手段についてのみ、詳細に説明する。本実施の形態ではビーム均一化光学系は従来の用途通りビーム強度を均一にするよう設計しておき、第1レーザ光のビーム均一化光学系への入射位置を変更することによって実現させる。
図8(a)にビーム均一化光学系54と入射する第1レーザ光の位置関係を示す。図中に描かれているように座標軸XYZを考え、入射レーザ光80がビーム均一化光学系54の中心を通り垂直に貫くようY軸をとる。つまり、ビーム均一化光学系の中心軸82とY軸を一致させ、紙面手前方向にX軸をとり、XZ平面に並行となるよう像面位置81をとる。ビーム均一化光学系に対してレーザ光を垂直に中央に入射させることにより、つまり、レーザ光80の中心をY軸とすることにより、像面位置81では図6のような均一な強度分布が得られる。ここで示しているのは、図中Z軸方向の強度分布であるが、X軸方向の強度分布も同様に均一となる。
ここで、図8(b)のように、レーザ光をZ軸のマイナス方向に83だけずらしてビーム均一化光学系に入射させる。像面位置81での強度分布はシフト方向と逆に傾き、結果として照射されるレーザ光は図7に示す強度分布となる。つまり所望の強度分布を持たせるように、シフトの方向とシフト量を決めることができる。
実施の形態1で述べたようにマスクの進行方向を反転させるときは、今回はビーム均一化光学系を可動式にすることにより、低コストで実現できる。つまり、シフト量をZ軸に対してプラスにするか、マイナスにするかを、往路、復路によって変更するように、ビーム均一化光学系が稼動して対応する。実施の形態1のように複数のビーム均一化光学系を準備する必要なく、より精度よく制御できる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態は第1レーザ光の照射強度変調手段が実施の形態1と異なり、他は同様である。従って、同様である部分についての詳細な説明は省略し、第1レーザ光の照射強度変調手段についてのみ、詳細に説明する。本実施の形態では実施の形態2と同様に、ビーム均一化光学系は従来の用途通りビーム強度を均一にするよう設計しておく。そして第1レーザ光の照射強度変調は、第1レーザ光の入射位置を他の光学系を用いて変更することによって実現させる。本実施の形態で用いられるレーザ加工装置の模式的なブロック図を図9(a)に示す。本実施の形態では、レーザ光軸をビーム均一化光学系の光軸からZ軸方向にずらして入射させるため、ビーム均一化光学系54の直前にレーザ光軸シフト用光学系55を設けている。レーザ光軸シフト用光学系はミラーもしくはウィンドウから成り、複数個を組み合わせている。これにより、所望の分レーザ光をシフトさせることにより強度分布を生じさせ、均一な結晶粒を得ることができた。一例としては、図9(b)に示すように、レーザ光軸シフト用光学系55としてミラーMsを配置し、図中のZ軸方向にミラーMsの位置を変更することによってレーザ光軸をシフトさせることができる。所望の強度分布の位置にレーザ光軸をシフトさせるよう、レーザ光軸シフト用光学系55を可動式とすることが望ましい。実施の形態2のようにビーム均一化光学系自体を移動させるよりも容易に実現できる。
マスクの進行方向を反転させるときは、今回はレーザ光軸シフト用光学系を構成する部品を可動させることにより、対応できる。往路と逆方向にレーザ光軸をシフトさせることで、復路の照射強度を変更できるためである。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態は第1レーザ光の照射強度変調手段が実施の形態1と異なり、他は同様である。従って、同様である部分についての詳細な説明は省略し、第1レーザ光の照射強度変調手段について詳細に説明する。本実施の形態では実施の形態2、3と同様に、ビーム均一化光学系は従来の用途通りビーム強度を均一にするよう設計しておく。そして第1レーザ光の照射強度変調は、光学的なビーム強度変調素子を用いることで実現させる。本実施の形態で用いられるレーザ加工装置の模式的なブロック図を図10に示す。本実施の形態では、レーザ光の強度を変調させるため、ビーム均一化光学系54の直後にマスクやフィルタ等のビーム強度変調素子56を設けている。これらを用いて図3の(a)(b)(c)のような強度分布を実現させる。なおビーム均一化光学系54の位置は図10に限定されず、所望の強度分布や光学調整等によって適宜位置変更できる。
マスクの進行方向を反転させるときは、ビーム強度変調素子を切り変えることで対応できる。もしくはこれらの素子に複数の強度変調領域を設けておき、位置を動かすことで対応しても良い。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態は第1レーザ光の照射強度変調手段が実施の形態1と異なり、他は同様である。従って、同様である部分についての詳細な説明は省略し、第1レーザ光の照射強度変調手段について詳細に説明する。本実施の形態では実施の形態2から4と同様に、ビーム均一化光学系は従来の用途通りビーム強度を均一にするよう設計しておく。そして第1レーザ光の照射強度変調は、被処理物の表面上の位置によってビームをデフォーカスさせることで実現させる。本実施の形態で用いられるレーザ加工装置は、例えば図3に示す装置の構成である。この図で示されているように、第1レーザ光は半導体デバイス44に垂直な方向に対して斜方向から入射させることができる。このとき被処理物である半導体デバイス44の表面では、図11に示されるように、角度Fで入射されたレーザ光の最も近い位置でフォーカスされているとすると、入射されたレーザ光の最も遠い位置ではデフォーカスされることとなる。これにより、位置によって強度変調され、図11に示すような強度分布が生じるため、特別な素子や設備を設けることなく実現できる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態は第1レーザ光の照射強度変調手段が実施の形態1と異なり、他は同様である。従って、同様である部分についての詳細な説明は省略し、第1レーザ光の照射強度変調手段について詳細に説明する。本実施の形態では実施の形態2から5と同様、ビーム均一化光学系は従来の用途通りビーム強度を均一にするよう設計しておく。そして第1レーザ光の照射強度変調は、第1レーザ光を分割し、強度を変調させた後再度結合させることによって実現させる。本実施の形態で用いられるレーザ加工装置の模式的なブロック図の一例を図12に示す。本実施の形態では簡単のため2分割される場合について説明する。この分割数が多くなるほど必要な光学部品の数が多くなるが、より多くの強度分布を持たせるように設計する場合には用いることができる。第1のレーザ発振器51から放射されたレーザ光は、ビームスプリッタBs等のビーム分割光学素子によって二つに分割される。このとき分割する割合を所望の強度分布に合わせて設計することもできる。その後それぞれのレーザ光は可変減衰器52によってエネルギ量が調整され、ビーム整形光学系53とビーム均一化光学系54によって適当な寸法に、かつ均一に整形される。このあとこれらのレーザ光が隙間なく並ぶよう被処理物に照射される。例えば図1(c)で示される第1レーザ光の強度分布を実現したとき、4ブロックマスクの1ブロック目と2ブロック目での境で隣り合うよう並べることとし、1ショット目(1ブロック目)での蓄熱を考慮して2ショット目(2ブロック目)のレーザ光強度を決めることによって、3ショット目(3ブロック目)、4ショット目(4ブロック目)でもほぼ同等な半導体膜温度を実現することができる。
実施の形態2で述べたようにマスクの進行方向を反転させるときは、今回はビーム分割素子を複数用意し切り替えるか、もしくはビーム分割素子の分割割合を可動式にすることにより、対応できる。
また、今まで述べた実施の形態、もしくはこれらの実施の形態を組み合わせた方法で、第1レーザ光の強度の変更・調整等を行なうことができる。
本発明によれば、半導体デバイスの製造方法および装置において、メインおよびアシストのレーザ光である二つのレーザを用いた場合に起こる基板への蓄熱という課題を解決して、スループットを高くすることを、蓄熱の影響は受けずに実現可能であり、非晶質半導体薄膜の結晶化を必要とする半導体デバイスの製造において広く利用可能である。
本発明の実施形態における第1レーザ光の強度分布と第2レーザ光のマスク位置の関係を示す図である。 本発明の実施形態におけるレーザ光が照射される半導体デバイスの断面図である。 本発明の実施形態における半導体デバイスの製造装置を示す概略図である。 本発明の実施形態における第1および第2のレーザ光照射タイミングを示す概略図である。 本発明の実施形態における半導体デバイスの製造装置の第1レーザ光による照射領域を基板の法線方向上部から見た図である。 従来の半導体デバイスの製造方法において、図5における点線で示した方向におけるレーザ光の強度分布示す図である。 本発明の実施形態における半導体デバイスの製造方法において、図5における点線で示した方向におけるレーザ光の強度分布示す図である。 (a)、(b)は本発明の実施形態におけるビーム均一化光学系に入射するレーザ光の位置と像面位置での強度分布の関係を説明する図である。 (a)は本発明の他の実施形態における半導体デバイスの製造装置の概略図、(b)はビーム均一化光学系に入射するレーザ光の位置を光学部品によって変化させる一例を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施形態の半導体デバイスの製造装置の概略図である。 本発明のさらに他の実施形態においてデフォーカスを利用した強度分布を設ける方法を説明する図である。 本発明のさらに他の実施形態の半導体デバイスの製造装置を示す概略図である。 (a)はスリットを用いた横方向成長法による結晶化過程を説明する半導体基板の断面概略図、(b)はスリットを用いた横方向成長法による結晶化過程を説明する半導体薄膜の断面概略図、(c)はスリットを用いた横方向成長法の結晶化過程を示す半導体薄膜の要部の平面図である。 (a)はSLS法による結晶化過程を説明する半導体薄膜の断面概略図、(b)はSLS法による結晶化過程を示す半導体薄膜の要部の平面図である。 (a)はSLS法による他の結晶化過程を示す半導体薄膜の要部の平面図、(b)はSLS法による他の結晶化過程を示す半導体薄膜の要部の平面図である。 (a)は本発明の実施形態における第2レーザ光に用いる複数ブロックマスクの一例を示す図、(b)は本発明の実施形態における第2レーザ光による結晶化過程を示す半導体薄膜の要部の平面図である。 (a)は本発明の他の実施形態における第2レーザ光に用いる複数ブロックマスクの一例を示す図、(b)は本発明の他の実施形態における第2レーザ光による結晶化過程を示す半導体薄膜の要部の平面図である。 レーザ光照射による半導体膜の温度変化を説明する図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に用いられるマスク、ブロック(4ブロック)、スリットとレーザ光が照射される領域を示す平面図、(b)は、本発明の他の実施形態において、相対的にマスクが移動する方向におけるレーザ照射の繰り返し工程とマスクの関係を示す平面図である。 従来の半導体デバイスの製造方における第1および第2レーザ光照射と半導体膜温度の変化を示す図である。
符号の説明
11 第1レーザ光による照射領域、21 第1レーザ光、22 第2レーザ光、41 基板、42 下地絶縁膜、43 半導体膜、44 保護膜、45 半導体デバイス、50 コントローラ、60 サンプルステージ、51 第1のレーザ発振器、61 第2のレーザ発振器、52、62 可変減衰器、53、63 ビーム整形光学系、54、64 ビーム均一化光学系、55 レーザ光軸シフト用光学系、56 ビーム強度変調素子、65 フィールドレンズ、66、110、210、310 第2レーザ光に用いられるマスク、67 投影レンズ、70 、80 入射レーザ光、81 像面位置、82 ビーム均一化光学系の中心軸、83 レーザ光シフト量、100 スリット、101 スリット幅、102 結晶長、104 全結晶長、105 マスクスリットのズレ分、109 縦方向に成長した結晶粒、111 第1ブロック、112 第2のブロック、113 第3のブロック、114 第4のブロック、121 第1スリット、122 第2スリット、123 第3スリット、124 第4スリット、131 第1ブロックのスリット開始位置、132 第2ブロックのスリット開始位置、t1 第二のレーザ光が照射開始する時間、t2 第二のレーザ光が照射終了する時間、t3 第一のレーザ光が照射終了する時間、A マスクスリットから水平に熱が逃げる方向、B マスクスリットの直下へ熱が逃げる方向、C マスクスリット端の溶融/非溶融領域界面、D マスクスリットの横から結晶成長する方向、E マスクスリットの直下から膜表面へ結晶成長する方向、F ビーム入射角。

Claims (24)

  1. 第1レーザ光を半導体である被処理物の第1照射領域に照射して加熱するステップと、
    第2レーザ光を前記被処理物に照射して、前記第1照射領域の少なくとも一部と重複する第2照射領域を形成し、前記被処理物の半導体の一部を溶融した後結晶化するステップと、
    前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させることを繰り返し、前記第1および第2照射領域を一部重複させながら前記半導体の一部を結晶化することにより結晶化された領域を拡大するステップとを有する半導体デバイスの製造方法において、
    前記結晶化された領域を拡大するステップは、異なる位置に形成された複数のスリットを備えたマスクを用い、前記複数のスリットを介して前記被処理物の異なる位置への第1または第2レーザ光の照射を同時に行なうことにより行ない、
    前記第1照射領域への前記第1レーザ光の照射強度は、前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させるための前記マスクの相対的移動方向の上流側に比べて下流側を大きくするような前記相対的移動方向において不均一な強度分布を持たせることを特徴とする、半導体デバイスの製造方法。
  2. 前記第2照射領域は複数のスリットを持つマスクを介して形成され、照射領域と非照射領域を構成するためのスリットのパターンが相対移動方向において繰り返されるよう前記マスクを構成したことを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法。
  3. 前記第2照射領域は複数のスリットを持つマスクを介して形成され、照射領域と非照射領域を構成するためのスリットのパターンが前記相対移動方向と、前記相対移動方向に対して90度をなす方向において繰り返されるよう前記マスクを構成したことを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法。
  4. 前記被処理物は少なくとも2層からなり、前記第1レーザ光は、前記被処理物の第1層に吸収され、前記第2レーザ光は、前記被処理物の第2層に吸収され、かつ前記第1レーザ光と前記第2レーザ光を合わせて照射させた場合のエネルギ密度は、前記第2層を全厚さ方向にわたって溶融できるパルス当りのエネルギ密度を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  5. 前記第1照射領域の不均一な強度分布は不均一照射光学系により実現されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  6. 前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、前記不均一照射光学系により前記第1レーザ光の強度分布の切り替えを行なうことを特徴とする、請求項5に記載の半導体デバイスの製造方法。
  7. 前記第1照射領域を形成する前記第1レーザ光は、前記第1レーザ光を均一照射光学系に入射させ、前記第1レーザ光の光軸を前記均一照射光学系の中心からある方向へシフトさせるよう可動式とすることで不均一な強度分布にされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  8. 前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、前記第1レーザ光の光軸を前記均一照射光学系の中心からシフトさせる方向を逆に切り替えることを特徴とする、請求項7に記載の半導体デバイスの製造方法。
  9. 前記第1照射領域を形成する前記第1レーザ光は、前記第1レーザ光を均一照射光学系
    に入射させ、前記第1レーザ光の光軸を前記均一照射光学系の中心からある方向へシフトさせて入射させるようレーザ光軸シフト用光学素子を用いることで不均一な強度分布にされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  10. 前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、前記レーザ光軸シフト用光学素子によって前記第1レーザ光の光軸を逆方向にシフトするよう切り替えることを特徴とする、請求項9に記載の半導体デバイスの製造方法。
  11. 前記第1照射領域を形成する前記第1レーザ光は、ビーム強度変調素子によって不均一な強度分布にされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  12. 前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、前記ビーム強度変調素子により前記照射強度の切り替えを行なうことを特徴とする、請求項11に記載の半導体デバイスの製造方法。
  13. 前記第1レーザ光を当前記被処理物に対して斜方から入射することによって前記被処理物の表面でビームのデフォーカスを生じさせることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  14. 前記第1レーザ光は、複数の光学素子によって前記第1レーザ光を複数光に分割され、分割されたレーザ光をそれぞれ可変減衰器で強度変調した後再結合することで不均一な強度分布にされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  15. 前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、前記第1レーザの照射強度分布を切り替えるよう、前記可変減衰器を制御することを特徴とする、請求項14に記載の半導体デバイスの製造方法。
  16. 第1レーザ光を被処理物に照射して、前記被処理物に第1照射領域を形成する第1レーザ光照射手段と、
    第2レーザ光を前記被処理物に照射して、前記被処理物に、前記第1照射領域の少なくとも一部が重複する第2照射領域を形成する第2レーザ照射手段と、
    前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させることを繰り返して行なうことを可能とする相対移動手段とを備え、さらに
    異なる位置に形成された複数のスリットを備え、前記複数のスリットを介して第1または第2レーザ光の照射を前記被処理物の異なる位置へ同時に行なうことを可能とするマスクと、
    前記第1および第2照射領域と前記被処理物との相対的移動における前記マスクの相対的移動方向に関して下流側の照射強度が、上流側の照射強度よりも大きくなるように前記第1照射領域を不均一な強度分布に形成することを可能とする照射強度変調手段とを有することを特徴とする、半導体デバイスの製造装置。
  17. 前記第2照射領域を形成するマスクは、複数のスリットを持ち、かつ照射領域と非照射領域を形成するスリットのパターンが相対移動方向において繰り返されるよう構成されることを特徴とする、請求項16に記載の半導体デバイスの製造装置。
  18. 前記第2照射領域を形成するマスクは、複数のスリットを持ち、かつ、照射領域と非照射領域形成するスリットのパターンが、前記相対移動方向と、前記相対移動方向と90度
    をなす方向において繰り返されるよう構成されたことを特徴とする、請求項16に記載の半導体デバイスの製造装置。
  19. 前記被処理物は少なくとも2層からなり、
    前記第1レーザ光は、前記被処理物の第1層に吸収される波長を持ち、
    前記第2レーザ光は、前記被処理物の第2層に吸収される波長を持ち、かつ、
    前記第1レーザ光と前記第2レーザ光を合わせて照射させた場合のエネルギ密度は、前記第2層を全厚さ方向にわたって溶融できるパルス当りのエネルギ密度を有している、請求項16乃至18のいずれかに記載の半導体デバイスの製造装置。
  20. 前記照射強度変調手段は、前記第1レーザ光を均一照射光学系に入射させ、前記第1レーザ光の光軸を前記均一照射光学系の中心からある方向へシフトして入射させるよう、前記均一照射光学系の位置を制御する手段を持つことを特徴とする、請求項16乃至19のいずれかに記載の半導体デバイスの製造装置。
  21. 前記照射強度変調手段は、前記第1レーザ光の光軸を前記均一照射光学系の中心からある方向へシフトさせて入射させるよう、レーザ光軸シフト用光学素子を制御する手段を持つことを特徴とする、請求項16乃至19のいずれかに記載の半導体デバイスの製造装置。
  22. 前記照射強度変調手段として、ビーム強度変調素子を有し、前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際に、当前記ビーム強度変調素子の切り替えを可能に制御する手段を有することを特徴とする、請求項16乃至19のいずれかに記載の半導体デバイスの製造装置。
  23. 前記照射強度変調手段として、前記第1レーザを前記処理物に対して斜方から入射することによって前記被処理物の表面でビームのデフォーカスを生じさせるよう、ビームフォーカス変調手段を有することを特徴とする、請求項16乃至19のいずれかに記載の半導体デバイスの製造装置。
  24. 前記照射強度変調手段として、複数の光学素子によって前記第1レーザ光を複数光に分割し、分割されたレーザ光がそれぞれ照射強度を変調されるよう、可変減衰器を有し、前記第1および第2照射領域を前記被処理物に対して相対的に移動させる方向を切り替える際には、前記可変減衰器も切り替えられるよう制御する手段を有することを特徴とする、請求項16乃至19のいずれかに記載の半導体デバイスの製造装置。
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