JP4001602B2 - 熱処理のためのレーザ走査装置および方法 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、基板、特に、集積デバイスまたは回路が形成された半導体基板を熱処理するための装置および方法に関する。
集積回路(IC)の製造は、フォトレジスト塗布、フォトリソグラフィ露光、フォトレジスト現像、エッチング、研磨、および加熱または「熱処理(thermal processing)」などの多くのプロセスが半導体基板に対して施されることが含まれる。ある種の用途では、熱処理は、基板のドープ領域(例えば、ソース・ドレイン領域)のドーパントを活性化するために行われる。熱処理としては、高速熱アニール(RTA)やレーザ熱処理(LTP)などの様々な加熱(および冷却)方法が挙げられる。熱処理を行うためにレーザが使用される場合には、この技術は「レーザ処理」または「レーザアニール」と呼ばれることがある。
半導体基板のレーザ処理を行うための様々な技術および装置が知られており、集積回路(IC)製造業界で使用されている。レーザ処理は、アニールされる材料の温度をアニール温度まで上昇させ、次いで開始(例えば、周囲)温度まで低下させる単一のサイクルで行うことが好ましい。
活性化やアニールなどに必要な熱処理サイクルを1ミリ秒以下に維持することができれば、ICの性能を大きく向上させることができる。1マイクロ秒未満の熱サイクル時間は、1以上の回路上に均一に広がるパルスレーザからの放射線を使用して容易に得られる。パルスレーザ源を使用してレーザ熱処理を行うための装置の一例が「レーザ熱処理装置および方法(Laser Thermal Processing Apparatus and Method)」と題する米国特許第6,366,308B1号に記載されている。しかし、放射線パルスが短いほど、熱処理できる領域は浅くなり、回路素子それ自体は大きな温度ばらつきを生じる可能性が高くなるだろう。例えば、厚いフィールド酸化物分離領域上のポリシリコン導体は、シリコンウエハの表面の浅い接合よりもはるかに急速に加熱される。
より長い放射線パルスを使用することによって、より均一な温度分布を得ることができる。なぜなら、パルス間隔において、加熱深さがより大きく、横方向の熱伝導のための時間がより長くなって、回路上の温度が均等化されるためである。しかしながら、5cm以上の回路面積にわたって、レーザパルス幅を1マイクロ秒より長くすることは非実用的である。なぜなら、パルスあたりのエネルギーが高くなり過ぎ、そのような高いエネルギーを供給するために必要なレーザおよびそれに関連する電源は非常に大きくかつ高価であるためである。
パルス放射線を使用することに代わるアプローチは、連続放射線を使用することである。レーザダイオードの形態で連続放射線源を使用する熱処理装置の一例が、2000年3月27日に出願され、本出願と同じ譲受人に譲渡された「基板を露光するための放射エネルギー線源を有する装置(Apparatus Having Line Source of Radiant Energy for Exposing a Substrate)」と題する米国特許出願第09/536,869号に記載されている。レーザダイオードバーアレイでは、100W/cmの範囲の出力パワーが得られ、約1ミクロンの幅の線像を形成するように結像させることができる。また、電気から放射線への変換も非常に効率的である。さらに、わずかに異なる波長でそれぞれ動作する多くのダイオードがバーに存在するため、均一な線像を形成するように結像することができる。
しかしながら、ダイオードを連続放射線源として使用することは、ある種の用途のみにとって最適である。例えば、1ミクロン未満の深さを有するソース・ドレイン領域をアニールする場合には、放射線はその深さを超えてシリコンに吸収されないことが好ましい。しかしながら、0.8ミクロンの波長で動作する典型的なレーザダイオードに対する吸収長は、室温のシリコンでは約20ミクロンである。したがって、基板の最上部領域(例えば、1ミクロンより浅い)を処理するための熱処理用途では、ダイオードからの放射線の大部分は、必要または所望の深さよりもはるかに深くシリコンウエハ内に浸透してしまう。これによって、必要とされる総パワーが増加する。この問題を緩和するために薄い吸収性コーティングを使用することもできるが、既にかなり複雑な製造プロセスに複雑さを加えることになる。
本発明の態様は、基板の領域を熱処理する装置である。この装置は、連続放射線ビームを供給することができる連続放射線源を含む。連続放射線源は、基板の領域を加熱することができる第1の強度プロファイルおよび波長を有する。光学系が連続放射線源の下流に配置され、放射線ビームを受けて第2の放射線ビームを形成し、第2の放射線ビームは基板に像を形成する。一実施形態では、像は線像である。この装置はまた、基板を支持するように適応させたステージを含む。光学系およびステージのうち少なくとも1つは、走査方向において基板に対して像を走査し、放射線パルスを用いて前記領域を熱処理するために十分な温度に前記領域を加熱する。
本発明の別の態様は、基板の領域を熱処理する方法である。この方法は、基板の領域を加熱することができる波長を有する連続放射線ビームを生成すること、および前記領域の各点が基板の領域を処理することができる量の熱エネルギーを受けるように、領域の上方で放射線を走査方向に走査することを含む。
図面に示される各要素は説明のみのためのものであり、縮尺によって制限されるものではない。ある要素の縮尺は誇張され、一方、その他の要素は最小化されている場合もある。各図面は、本発明の様々な実施態様を例示することを意図するものであり、当業者が理解し、かつ適切に実施することができる。
[発明の詳細な説明]
以下の本発明の実施形態の詳細な説明では、本発明の説明の一部をなし、本発明を実施する特定の実施形態を例示する添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明されており、その他の実施形態も利用することができ、本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて変更を加えることができることを理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求項のみによって定義されるものである。
[装置および方法の概括]
図1Aは、本発明のレーザ走査装置の概括的な一実施形態の模式図である。図1Aの装置10は、光軸A1に沿って連続放射線ビーム14Aを放射する連続放射線源12を含み、この連続放射線ビーム14Aは、光軸に垂直な角度で測定された出力パワーおよび強度プロファイルP1を有する。また、一実施形態では、放射線ビーム14Aはコリメートされている。さらに、一実施形態では、放射線源12はレーザであり、放射線ビーム14Aはレーザビームである。一実施形態では、放射線源12は、約9.4ミクロンから約10.8ミクロンの間の波長で動作する炭酸ガス(CO)レーザである。COレーザは、非常に効率的に電気を放射線に変換し、出力ビームは通常非常にコヒーレントであるため、プロファイルP1はガウス型である。また、後述するように、COレーザによって発生する赤外線波長は、シリコン(例えば、半導体ウエハなどのシリコン基板)を処理(例えば、加熱)するために適している。また、一実施形態では、放射線ビーム14Aは直線偏光され、基板に入射する放射線がp偏光状態Pのみ、s−偏光状態Sのみ、または両方を含むように操作することができる。放射線源12は連続放射線ビーム14Aを放射するため、本明細書では「連続放射線源」と呼ぶ。通常、放射線ビーム14Aは、基板によって吸収され、これにより、基板を加熱することのできる波長の放射線を含む。
また、装置10は、放射線源12の下流に、放射線ビーム14Aを変化(例えば、集束または成形)させて放射線ビーム14Bを形成する光学系20を含む。光学系20は、単一素子(例えば、レンズ部材またはミラー)または複数の部材からなることができる。一実施形態では、光学系20は、以下に詳述するように、走査ミラーなどの可動部材を含むことができる。
装置10は、光学系20の下流に、上面42を有するチャック40をさらに含む。チャック40はステージ46によって支持され、ステージ46は圧盤50によって支持されている。一実施形態では、チャック40はステージ46に組み込まれている。別の実施形態では、ステージ46は移動可能である。また、一実施形態では、基板ステージ46は、x、y、z軸の1以上を中心として回転することができる。チャックの上面42は基板60を支持することができ、基盤60は、表面法線Nを有する表面62とエッジ63とを有する。
一実施形態では、後述するように、基板60は、装置10内での基板の位置合わせを容易にするための参照形状64を含む。一実施形態では、参照形状64はまた、単結晶基板60の結晶方位を特定するためにも機能する。一実施形態では、基板60は、サンノゼ市95134ザンカーロード3081(3081 Zanker Road, San Jose 95134)の国際半導体製造装置協会(SEMI)から入手できる#Semi M1−600「研磨単結晶シリコンウエハの仕様」に記載されているような単結晶シリコンウエハであり、当該文書はこの参照によって本願の開示に含まれるものとする。
また、一実施形態では、基板60は、基板内に形成された回路(例えば、トランジスタ)67の一部として表面62またはその近傍に形成されたソース領域およびドレイン領域66A,66Bを含む。一実施形態では、ソース領域およびドレイン領域66A,66Bは浅く、基板内部に向かって1ミクロン以下の深さを有する。
軸A1と基板法線Nとは角度Φを形成し、角度Φは放射線ビーム14B(および軸A1)が基板表面法線Nとなす入射角φである。一実施形態では、放射線ビーム14Bは入射角φ>0を有し、基板の表面62から反射される放射線は放射線源12に戻らないようになっている。通常、入射角は0°≦φ<90°の範囲で変化することができる。しかしながら、より詳細に後述するように、ある種の用途では、この範囲内の選択された入射角で装置を動作させることが有益である。
一実施形態では、装置10はコントローラ70をさらに含み、コントローラ70は、通信ライン(「ライン」)72を介して放射線源12と接続され、ライン78を介してステージコントローラ76と接続される。ステージコントローラ76は、ライン80を介してステージ46に動作的に接続され、ステージの移動を制御する。一実施形態では、コントローラ70は、ライン82を介して光学系20と接続されている。コントローラ70は、各信号90,92,94を介して、放射線源12、ステージコントローラ76、および光学系20(例えば、内部の部材の移動)の動作を制御する。
一実施形態では、1以上のライン72,78,80,82はワイヤであり、対応する1以上の信号90,92,94は電気信号であり、別の実施形態では、1以上の上記ラインは光ファイバーであり、対応する1以上の上記信号は光信号である。
一実施形態では、コントローラ70は、パーソナルコンピューターまたはワークステーションなどのコンピュータであり、テキサス州オースチンのデルコンピュータ社などの多数の著名なコンピュータ会社から入手できる。好ましくは、コントローラ70は、インテルPentium(登録商標)シリーズまたはAMD K6またはK7プロセッサなどの市販されている多数のマイクロプロセッサのいずれかと、プロセッサをハードディスクドライブなどの記憶装置に接続するための適当なバスアーキテクチャと、適当な入出力装置(例えば、それぞれキーボードおよびディスプレイ)とを含む。
引き続き図1Aを参照すると、放射線ビーム14Bは、軸A1に沿って光学系20によって基板の表面62に向けられる。一実施形態では、光学系20は、放射線ビーム14Bを集束させて像100を基板の表面62上に形成する。本明細書において、「像」という用語は、放射線ビーム14Bによって基板の表面62に形成される光の分布を表現するために通常使用される。したがって、像100は、従来の意味における関連する物体を必ずしも有する必要はない。また、像100は、必ずしも光線を点集束させることによって形成される必要はない。例えば、像100は、アナモルフィック光学系20によって形成された楕円形のスポットであってもよく、円対称の光学系から形成された法線入射集束ビームによって形成された円形のスポットであってもよい。また、「像」という用語は、ビーム14Bを基板60で遮ることによって基板の表面62に形成される光の分布を含む。
像100は、正方形、長方形、楕円形などのあらゆる形状を有することができる。また、像100は、均一な線像分布に対応するものを含む、様々な異なる強度分布を有することができる。図1Bは、線像として像100の一実施形態を示す。理想化された線像100は、長次元(長さ)L1と、短次元(幅)L2と、均一な(すなわち、フラットトップな)な強度とを有する。実際には、回折効果のために線像100は完全に均一ではない。
図1Cは、実際の線像の強度分布を示す2次元プロットである。ほとんどの用途では、短次元L2における断面積は長次元L1において実質的に均一であればよく、像の動作的に役立つ部分での強度分布均一性は約±2%である。
図1Bおよび図1Cを引き続き参照すると、一実施形態では、長さL1は約1.25cmから4.4cmの範囲であり、幅L2は約50ミクロンである。別の実施形態では、長さL1は1cm以下である。また、一実施形態では、像100は、50kW/cmから150kW/cmまでの範囲の強度を有する。像100の強度は、特定の用途のために基板に与える必要のあるエネルギー、像幅L2、ならびに像が基板の表面62の上方を走査される速度に基づいて選択される。
図1Dは、基板の表面に線像を形成するための円錐ミラーM1,M2,M3を含む光学系20の模式図である。図1Dの光学系20は、平行ビームを線像100に集束させるために反射円錐のセグメントをどのように使用することができるかを示している。一実施形態では、光学系20は、円柱放物面ミラーセグメントM1,M2と、円錐ミラーセグメントM3を含む。円錐ミラーセグメントM3は、円錐ミラー全体に関連づけられた軸A3を有する(幻像(phantom)として示す)。軸A3は平行ビーム14Aに平行であり、基板の表面62に沿って位置する。
線像100は、軸A3に沿って基板の表面62上に形成される。光学系20のこの配置の利点は、入射角φの最小のばらつきで狭い回折制限像100を形成するということである。線像の長さL1は、入射角φとy−方向で測定された平行ビームのサイズとに主として依存する。異なる入射角φは、異なる円錐ミラーセグメント(例えば、ミラーM3’)を放射線ビーム14A’の経路に切り換えることによって達成できる。線像100の長さL1は、例えば、調節可能な(例えば、ズーム)コリメート光学系104を使用して平行ビームサイズを変化させることによって変更することができる。
図1Dを引き続き参照すると、一実施形態では、平行ビーム14A’のサイズは、円柱放物面ミラーM1,M2を使用して変更することができる。平行ビーム14A’は最初に、正の円柱放物面ミラーM1によって点Fにおいて線集束される。点Fで集束される前に、集束ビーム14A’は負の放物面ミラーM2によって遮られ、放物面ミラーM2は集束ビームをコリメートする。2つの円柱放物面ミラーM1,M2は、平行ビームの幅をy−方向のみにおいて変化させる。したがって、放物面ミラーM1,M2はまた、基板の表面62で線像100の長さL1を変化させるが、図の平面に垂直な方向における線像の幅L2を変化させない。
また、図1Dには、代替の放物面ミラーM1’,M2’および代替の円錐ミラーM3’が示されており、これらは、例えば、インデックスホイール106,108,110を使用して光路における所定の固定位置に配置させることができる。
図1Aを再び参照すると、一実施形態では、基板の表面62は、以下により詳細に説明するように、多くの走査パターンの1つを使用して像100の下で走査される。走査は、基板ステージ46または放射線ビーム14Bのいずれかを移動させることを含む多くの方法によって行うことができる。したがって、本明細書において使用する「走査」という用語は、どのように達成されるかには関係なく、基板の表面に対する像の移動を含む。
基板の表面62、例えば、領域66A,66Bなどの1以上の選択領域、またはトランジスタ67などの1以上の回路の上方で、連続放射線のビームを走査することによって、基板上の各照射点は放射線パルスを受ける。200マイクロ秒の滞在時間(すなわち、像が所与の点の上方にある時間)を採用した実施形態では、単一のスキャン時に基板の各走査点が受けるエネルギー量は5J/cmから50J/cmの範囲である。重複する走査によって、全吸収エネルギーはさらに増加する。したがって、装置10では、パルス放射源ではなく連続放射線源を、基板上の各点への制御されたパルスまたはバースト放射線に、1以上の領域、例えば内部または上部に形成された回路または回路素子を処理するために十分なエネルギーを与えるために使用できるようになっている。本明細書で使用する「処理」という用語は、特に、選択溶融、エクスプローシブ再結晶、およびドーパント活性化を含む。
また、本明細書で使用する「処理」という用語は、レーザブレーション、基板のレーザ洗浄、またはフォトリソグラフィ露光ならびにその後のフォトレジストの化学的な活性化は含まない。むしろ、例えば、像100は、1以上の領域の表面温度を上昇させて1以上の領域を処理するため(例えば、ソース領域およびドレイン領域66A,66Bのドーパントを活性化させるため、または前記1以上の領域の結晶構造を変化させるため)に十分な熱エネルギーを供給するため、基板60の上方を走査される。熱処理の一実施形態では、装置10は、浅いソース・ドレイン領域(すなわち、基板内部に表面62から1ミクロン以下の深さを有するトランジスタ67のソース領域およびドレイン領域66A,66Bなど)を加熱および冷却し、それによって活性化するために使用される。
以下に述べる例によって例示されるように、装置10は多くの異なる実施形態を有する。
[ビームコンバータを有する実施形態]
図1Aに示す実施形態では、放射線ビーム14AのプロファイルP1は不均一である。このような状況は、例えば、放射線源12が実質的にコヒーレントなレーザであり、平行ビームにおける最終的なエネルギー分布がガウス型である場合に発生する場合があり、その結果、平行ビームを基板に結像した場合に同様なエネルギー分布が生じる。用途によっては、像100がその用途において基板の熱処理を行うために適当な強度分布およびサイズを有するように、放射線ビーム14A,14Bをより均一な分布にし、かつ放射線ビーム14A,14Bの大きさを変化させることが望ましい場合がある。
図2Aは、図1Aのレーザ走査装置10の一実施形態を示す模式図であり、このレーザ走査装置10は、光学系20と連続放射線源12との間に軸A1に沿って配置されたビームコンバータ150をさらに含む。ビームコンバータ150は、強度プロファイルP1を有する放射線ビーム14Aを、強度プロファイルP2を有する変形放射線ビーム14A’に変換する。一実施形態では、ビームコンバータ150および光学系20は結合されて、単一のコンバータ/光学系160を形成する。ビームコンバータ150は光学系20の上流に配置されているが、光学系20の下流に配置されていてもよい。
図2Bは、ビームコンバータ150が、強度プロファイルP1を有する放射線ビーム14Aを、強度プロファイルP2を有する変形放射線ビーム14A’に変換する様子を示す模式図である。放射線ビーム14A,14A’は光線170から構成されるように示され、光線間隔は放射線ビームの相対的な強度分布に対応している。ビームコンバータ150は、光線170の相対的な間隔(すなわち、密度)を調整して放射線ビーム14AのプロファイルP1を変化させ、プロファイルP2を有する変形放射線ビーム14A’を形成する。実施形態では、ビームコンバータ150はジオプトリック、カトプトリックまたはカタディオプトリックなレンズ系である。
図2Cは、コンバータ/光学系160の一実施形態の断面図であり、コンバータ/光学系160は、コンバータ150と、光学系20とを有する。コンバータ150は、ガウス型プロファイルP1を有する放射線ビーム14Aをフラットトップの(すなわち、均一な)プロファイルP2を有する放射線ビーム14A’に変換する。光学系20は、集束放射線14Bおよび線像100を形成する。図2Cのコンバータ/集束系160は円柱レンズL1〜L5を含む。ここで、「レンズ」は、個々のレンズ部材または一群のレンズ部材(すなわち、レンズ群)を意味することができる。最初の2つの円柱レンズL1,L2は、放射線ビーム14Aの直径を減少させるのに対し、円柱レンズのL3,L4は、放射線ビームをほぼ元のサイズに拡大するが、レンズの球面収差により生じる変形放射線ビームプロファイル14A’を有するようにする。第5の円柱レンズL5は光学系20として機能し、他のレンズと相対的に90°回転しているために、倍率は図の平面からはずれている。レンズL5は放射線ビーム14Bを形成し、放射線ビーム14Bは基板60上に線像100を形成する。
一実施形態では、図2Cのコンバータ/集束系160はまた、レンズL1の上流に配置されたビネット開口180を含む。ビネット開口180は、入力ビーム14Aの最も外側の光線を取り除き、これらの光線は系における球面収差によって過補正され、一方、平坦な強度プロファイルのエッジにおける強度バンプとなる。
図2Dは、典型的なビームコンバータ150によって形成されるような、ビネットされていない均一な放射線ビーム14A’の強度プロファイルP2の一例のプロットである。通常、フラットトップ放射線ビームプロファイルP2は、長さのほとんどの部分で平坦部200を有し、ビーム端部204の近傍に強度ピーク210を含む。ビネット開口180を用いてビームの外側の光線を取り除くことによって、図2Eに示すように、より均一な放射線ビームプロファイルP2を得ることも可能である。
放射線ビーム14Aの最も外側の光線をビネットすることにより、ビーム端部204における強度の上昇を防ぐことができるが、ビーム端部近傍でのある程度の強度の上昇は、均一な加熱を生じさせるために望ましい。熱は、ビーム端部204において線像100(図1B)に平行な方向および垂直な方向で失われる。したがって、ビーム端部204において強度が大きければ、高い熱損矢を補償することができる。このため、像100が基板60の上方を走査される際に、基板におけるより均一な温度分布が得られる。
[さらなる実施形態]
図3は、図1Aの装置と同様の装置10の模式図であり、装置10は、図の上部であって基板60の上方に配置される多くの追加部材をさらに含む。これらの追加部材は、単独または様々な組み合わせにおいて、本発明の付加的な実施形態を示すために含まれる。以下の各実施形態によって行われる動作には、図3において導入された追加部材のいくつが必要であり、上述した実施形態で述べられた部材が述べられる実施形態でも必要であるか否かは当業者に明らかであると思われる。説明を簡単にするために、これらの実施形態のいくつかは先に述べられた実施形態に基づくものであるため、図3はこれらの付加的な実施形態に必要な部材のすべてを含むように示されている。これらの付加的な実施形態について以下に説明する。
[減衰器]
図3を参照すると、一実施形態では、装置10は、放射線源12の下流に配置された減衰器226を含み、減衰器の位置によって、放射線ビーム14A、ビーム14A’またはビーム14Bを選択的に減衰させる。一実施形態では、放射線ビーム14Aは特定の方向(例えば、p、sまたはそれらの組み合わせ)に偏光され、減衰器226は偏光子227を含み、偏光子227は、放射線ビームの偏光方向に相対的に回転させて、ビームを減衰させる。別の実施形態では、減衰器226は、除去可能な減衰フィルター、または複数の減衰器部材を含むプログラマブル減衰ホイールの少なくとも1つを含む。
一実施形態では、減衰器226はライン228を介してコントローラ70と接続され、コントローラからの信号229によって制御される。
[1/4波長板]
別の実施形態では、放射線ビーム14Aは直線偏光され、装置10は、放射線源12の下流に、直線偏光を円偏光に変換するための1/4波長板230を含む。減衰器が、基板62から反射または散乱された放射線が放射線源12に戻るのを防ぐための偏光子227を含む実施形態では、1/4波長板230は減衰器226と連動して動作する。特に、戻り経路において、反射された円偏光放射線は直線偏光放射線に変換され、偏光子227によって遮られる。この構成は、入射角φが0またはほぼ0である(すなわち、法線入射またはほぼ法線入射である)場合に特に有用である。
[ビームエネルギー監視システム]
別の実施形態では、装置10は、各ビームのエネルギーを監視するために軸A1に沿って放射線源12の下流に配置されたビームエネルギー監視システム250を含む。システム250は、ライン252を介してコントローラ70に接続され、測定された各ビームエネルギーを示す信号254をコントローラに供給する。
[フォールドミラー]
別の実施形態では、装置10はフォールドミラー260を含み、フォールドミラー260は、装置をよりコンパクトにするか、または特定の装置ジオメトリーを形成する。一実施形態では、フォールドミラー260は移動可能であり、ビーム14A’の方向を調整する。
また、一実施形態では、フォールドミラー260は、ライン262を介してコントローラ70に接続され、コントローラからの信号264によって制御される。
[反射放射線モニタ]
図3を引き続き参照すると、別の実施形態では、装置10は、基板の表面62によって反射された放射線281を受けるように配置された反射放射線モニタ280を含む。モニタ280はライン282を介してコントローラ70に接続され、測定した各反射放射線281の量を示す信号284をコントローラに供給する。
図4は、入射角φ(図1および図2A)が0°またはほぼ0°である装置10の実施形態のための反射放射線モニタ280の一実施形態を示し、反射放射線モニタ280は、軸A1に沿ったビームスプリッター285を利用して、反射放射線281(図3)の小さな部分を検知器287に向ける。モニタ280はライン282を介してコントローラ70に接続され、検知した各放射線を示す信号284をコントローラに供給する。一実施形態では、検知器287に反射放射線281を集束させるために集束レンズ290を含む。
反射放射線モニタ280は、複数の用途を有する。1つの動作モードでは、像100をできる限り小さくし、反射放射線モニタ信号284の変化を測定する。この情報は、基板上の反射率のばらつきを評価するために使用される。この動作モードでは、検知器(例えば、検知器287)の応答時間が走査ビームの滞在時間未満に等しいことが必要となる。反射率のばらつきは、入射角φを調整するか、入射ビーム14Bの偏光方向を調整するか、またはその両方によって最小化される。
第2の動作モードでは、ビームエネルギー監視システム250からのビームエネルギー監視信号254(図3)と放射線監視信号284とを組み合わせて、吸収放射線の量の正確な測定値を得る。次に、放射線ビーム14Bのエネルギーを調節して、吸収放射線を一定のレべルに維持する。この動作モードの変形として、吸収放射線にある程度対応する走査速度を調整することを含む。
第3の動作モードでは、反射放射線監視信号284は閾値と比較され、閾値を超える信号は、さらなる調査を必要とする予期しない異常が発生したことの警告として使用される。一実施形態では、反射放射線のばらつきに関するデータは、対応する基板識別コードと共にアーカイブされ(例えば、コントローラ70のメモリに保存)、基板の処理が完了した後に発見された異常の根本原因を決定する際の手助けとなる。
[診断システム]
多くの熱処理では、最高温度または処理される表面の温度−時間プロファイルを知ることが有益である。例えば、接合のアニールの場合では、LTP時に達する最高温度を非常に厳密に制御することが望ましい。厳密な制御は、測定された温度を使用して、連続放射線源の出力パワーを制御することにより達成される。理想的には、そのような制御システムは、走査像の滞在時間よりも速いまたは同等の応答能力を有する。
したがって、図3を再び参照すると、別の実施形態では、装置10は、基板60と通信する診断システム300を含む。診断システム300はライン302を介してコントローラ70に接続され、基板62の温度の測定などの所定の診断動作を行う。診断システム300は、基板温度などの各診断測定値を示す信号304をコントローラに供給する。
図4を再び参照すると、入射角φが0°またはほぼ0°である場合、診断システム300を集束光学系20からはずれるように回転させる。
図5は、診断システム300の一実施形態の拡大図であり、この診断システム300は、走査像100の位置またはその近傍における温度を測定するために使用される。図5のシステム300は、軸A2に沿って、発せられた放射線310を集光するための集光光学系340と、集光された放射線310を分離し、ライン302A,302Bそれぞれを介してコントローラ70に接続された2つの検知器350A,350Bに放射線を向けるためのビームスプリッター346とを含む。検知器350A,350Bは、放射線310の異なるスペクトルバンドを検出する。
診断システム300の非常に単純な構成は、放射線ビーム(図3)の立ち下がりエッジにおける最も熱いスポットを観測するためのシリコン検出器350Aなどの単一の検知器を含むものである。通常、像100が遭遇する基板上の様々な膜(図示せず)は異なる反射率を有するため、そのような検知器からの信号304は変化するだろう。例えば、シリコン、酸化シリコン、および酸化物層上方のポリシリコン薄膜はすべて、法線入射において異なる反射率を有し、したがって異なる熱放射率を有する。
この問題に対処する1つの方法は、所与の期間に得られる最も高い信号のみを使用して温度を推定することである。このアプローチでは、検知器の応答時間が減少する代わりに、精度が向上する。
図5を引き続き参照すると、一実施形態では、集光光学系340は(矢印354によって示される方向に移動する)像100の立ち下がりエッジ上に集束されて、基板60上の最も熱いポイントから放射される放射線310を集光する。したがって、基板60上の最も熱い(すなわち、最も高い)温度を監視して、直接制御することができる。基板温度の制御は、連続放射線源12のパワーを変化させること、減衰器226(図3)を調整すること、基板走査速度または像走査速度を変化させること、あるいはそれらの組み合わせを含む多くの方法によって達成できる。
基板60の温度は、表面62全体が同じ放射率を有するという条件で、単一の波長の放射された放射線310をモニタすることによって測定することができる。表面62がパターニングされている場合には、放射率が波長によって急速に変化しないと仮定して、走査動作時に2つの密接な間隔の波長間の比率をモニタすることによって、温度を測定することができる。
図6は、1410℃の温度における強度対波長の黒体温度分布(プロット)であり、この温度は、半導体トランジスタのソース領域およびドレイン領域、すなわちトランジスタ67(図3)のソース領域およびドレイン領域66A,66Bのドーパントを活性化させるための熱処理に使用される上限である。図6から明らかなように、1410℃付近の温度は、シリコン検出器アレイの形態の検知器350A,350Bを使用して0.8ミクロンと1.0ミクロンでモニタされる。単一の検出器と比較して検知器アレイを使用することの利点は、像100に沿って像100上で多くの温度サンプルが得られ、あらゆる温度の不均一性または不規則性を迅速に見つけることができることである。ソース領域およびドレイン領域66A,66Bのドーパントの活性化に関する一実施形態では、温度は、10℃未満の二点間の最高温度ばらつきを有する1400℃まで上昇させる必要がある。
1400℃の領域における温度制御では、2つのスペクトル領域は500〜800nmおよび800〜1100nmであり得る。2つの検知器からの信号の比率は、2つのスペクトル領域での放射率の比率が基板の表面上の様々な材料によって変化しないと仮定すると、正確に温度に関連し得る。温度調節にシリコン検出器350A,350Bからの信号304A,304Bの比率を使用すると、滞在時間とほぼ等しい応答時間を有する制御ループ帯域幅を比較的容易に達成することができる。
別のアプローチは、検知器アレイの形態の検知器350A,350Bを使用することであり、この場合、両方のアレイが基板の同じ領域に結像するが、異なるスペクトル領域を使用する。この配置によって、処理された領域の温度プロファイルが得られ、最高温度および温度均一性の両方を正確に評価することができる。この配置はまた、強度プロファイルの均一性を調整することができる。そのような配置のシリコン検出器を使用することによって、滞在時間とほぼ等しい応答時間を有する制御ループ帯域幅が可能となる。
基板上に存在する膜の放射率のばらつきを補償する別の方法は、診断システム300を、p−偏光放射線を使用してシリコンのブルースター角に近い角度で基板の表面62に対向するように配置することである。この場合、ブルースター角は、診断システム300によって検出された波長に対応する波長で計算される。吸光係数はブルースター角と非常に一致しているため、放射率も同様である。一実施形態では、この方法を、2つの検知器アレイを使用して2つの隣接する波長における信号の比率を得る方法と組み合わせる。この場合、図7に示すように、診断システム300の視軸を含む平面は、放射線ビーム14Bおよび反射放射線281を含む平面440と直角であり得る。
走査像100は、基板の大きな部分で均一な加熱を生じさせることができる。しかしながら、光学縦列で発生し得る多くの欠陥とともに、回折は、像の形成を干渉し、不均一な加熱といった予測されない結果を引き起こし得る。したがって、像におけるエネルギーの均一性を直接測定できる内蔵の像監視システムを有することが非常に望ましい。
図5に、像監視システム360の一実施形態を示す。一実施形態では、像監視システム360は、走査経路に配置され、かつ、基板の表面62によって定義される平面PSに配置されている。像監視システム360は、走査経路を向いたピンホール362と、ピンホールの後ろの検知器364とを含む。動作時には、検知器364が、像の典型的な走査時に見られるであろう基板上の点を示す像100をサンプリングするように、基板ステージ46が配置されている。像監視システム360はライン366を介してコントローラ70に接続され、検出された放射線を示す信号368をコントローラに供給する。
像の一部をサンプリングすることによって、像強度プロファイル(例えば、図1C)が測定されるのに必要なデータが得られ、それによって基板の加熱均一性を測定することができる。
[基板プレアライナー]
再び図3を参照すると、ある場合には、基板60は所定の向きでチャック40上に配置される必要がある。例えば、基板60は結晶性(例えば、結晶性シリコンウエハ)であり得る。本発明者らは、結晶性基板を利用する熱処理では、処理を最適化するために、結晶軸が像100に対して選択された方向に整列されていることが好ましいことが多いことを見出した。
したがって、一実施形態では、装置10は、ライン378を介してコントローラ70に接続されたプレアライナー376を含む。プレアライナー376は、基板60を受け、フラットや切込みなどの参照形状64の位置を定め、参照形状が選択された方向に整列するまで基板を移動させる(例えば、回転させる)ことによって、基板60を基準位置Pに位置合わせし、処理を最適化する。基板が位置合わせされると、信号380がコントローラ70に送信される。次に、基板は、基板ハンドラー386を介してプレアライナー40からチャック40に送られる。基板ハンドラー386は、チャックおよびプレアライナー376と動作的に接続される。基板ハンドラー386はライン338を介してコントローラ70に接続され、信号390によって制御される。次に、基板60は、プレアライナー376上で予め位置合わせされた基板の向きに対応する選択された向きでチャック40上に配置される。
[吸収放射線の測定]
ビームエネルギー監視システム250を使用して放射線ビーム14A、14A’または14Bのエネルギーを測定し、監視システム280を使用して反射放射線281のエネルギーを測定することによって、基板60によって吸収された放射線を定量することができる。これにより、基板の表面62の反射率の変化に関わらず、基板60によって吸収される放射線を走査時に一定に維持することができる。一実施形態では、単位面積あたりの一定のエネルギー吸収率を維持することは、連続放射線源12の出力エネルギー、基板の表面62上方における像100の走査速度、および減衰器226の減衰度のうち1以上を調節することにより達成される。
一実施形態では、単位面積あたりの一定のエネルギー吸収は、放射線ビーム14Bの偏光を変化させること(例えば1/4波長板230を回転させること)によって達成される。別の実施形態では、上述した手法の組み合わせによって単位面積あたりに吸収されるエネルギーを変化または維持させる。選択赤外線波長のシリコンにおける吸収は、シリコンの導電性を向上させるドーパント不純物によって大きく増加する。入射放射線の最小吸収が室温で達成されるとしても、温度の上昇によって吸収が増加し、数ミクロンの深さの表層のみに全ての入射エネルギーが吸収される急上昇サイクルが生じる。
したがって、シリコンウエハにおける加熱深さは、赤外線波長の室温における吸収深さによって決定されるというよりむしろ、シリコンの表面からの熱の拡散によって主として決定される。また、n−型不純物またはp−型不純物によるシリコンのドーピングによって室温における吸収が増加し、材料の表面から数ミクロンにおける強い吸収へと導く急上昇サイクルがさらに促進される。
[ブリュースター角またはその近傍の入射角]
一実施形態では、入射角φはブリュースター角に対応するように設定されている。ブリュースター角では、p−偏光放射線P(図3)はすべて基板60に吸収される。ブリュースター角は、放射線が入射する材料の屈折率に依存する。例えば、ブリュースター角は、室温のシリコンで波長λが10.6ミクロンの場合には73.69°である。入射放射線ビーム14Bの約30%は法線入射(φ=0)で反射されるため、ブリュースター角またはほぼブリュースター角のp−偏光放射線を使用することによって、熱処理を行うために必要な単位面積あたりのエネルギーを大きく減少させることができる。ブリュースター角などの比較的大きな入射角φを使用することによって、一方向における像100の幅をcos−1φ倍または法線入射の像幅の約3.5倍に拡大することができる。像100の有効焦点深度も同様な倍率で減少する。
典型的にはICを形成するための半導体処理のように、基板60が、複数の層を有するものも含む様々な異なる領域を有する表面62を有する場合には、処理のための最適な角度は、様々な領域において反射率対入射角φをプロットすることによって決定することができる。通常、p−偏光放射線では、最小反射率は基板のブリュースター角近傍で発生する。通常、各領域の反射率を最小化および均等化させる角度または角度の小さな範囲を見つけることができる。
一実施形態では、入射角φは、ブリュースター角を取り囲む角度範囲に制限される。例えば、ブリュースター角が73.60°である上述の実施形態では、入射角φは65°〜80°の間に制限される。
[放射線ビームジオメトリーの最適化]
一実施形態では、像100を表面62の上方で走査して基板60を熱処理することによって、基板の表面における材料の非常にわずかな部分が基板の融点近くまで加熱される。したがって、基板の加熱された部分にはかなりの量の応力と歪みが生じる。状況によっては、応力によって表面62に伝播する望ましくない滑り面が発生する。
また、一実施形態では、放射線ビーム14Aは偏光される。このような場合、基板の表面62に対する放射線ビーム14Bの偏光方向と表面62に入射する放射線ビーム14Bの方向を選択することが実用的であり、これにより、最も効率的な処理が得られる。また、基板60の熱処理は、基板の特性(例えば、構造やトポグラフィーを変化させる)多くの他のプロセスを経た後に行われることが多い。
図7は、上部に形成されたパターン400を有する半導体ウエハの形態としての基板60の一例の拡大等角図である。一実施形態では、パターン400は、グリッド(すなわち、マンハッタンジオメトリー)に則ったラインまたはエッジ404,406を含み、ライン/エッジはX−方向およびY−方向に延びている。ライン/エッジ404,406は、例えば、ポリランナー、ゲート、フィールド酸化物分離領域のエッジまたはICチップ境界に対応する。一般に、ICチップの製造では、基板は大部分が互いに直角に延びる形状によってパターニングされる。
したがって、例えば、ICチップを形成するプロセスにおいて、基板(ウエハ)60がソース領域およびドレイン領域66A,66Bのアニールまたは活性化が必要な段階に達した時には、表面62はかなり複雑になっている。例えば、典型的なICの製造プロセスでは、表面62の一領域はベアシリコンであり、表面の別の領域は比較的厚い酸化シリコン分離トレンチを有し、表面のさらに別の領域は厚い酸化物トレンチを横切る薄いポリシリコン導体であるかもしれない。
したがって、注意を怠った場合には、ライン/エッジ404,406の主方向を含む表面構造によっては、線像100が基板の表面62のある部分では反射または回折され、他の部分では選択的に吸収され得る。これは、放射線ビーム14Bを偏光させる実施形態に特に当てはまる。その結果、一般に熱処理においては望ましくない不均一な基板の加熱が生じる。
したがって、図7を引き続き参照すると、本発明の一実施形態では、基板60における放射線ビーム14Bの吸収のばらつきを最小化する最適な放射線ビームジオメトリー、すなわち、偏光方向、入射角度φ、走査方向、走査速度、および像角θを見つけ出すことが望ましい。さらに、基板における滑り面の形成を最小化する放射線ビームジオメトリーを見つけ出すことが望ましい。
基板60から反射される放射線281の二点間ばらつきは、膜組成のばらつき、ライン/エッジ404,406の数と割合、偏光方向の向き、および入射角度θなどの多くの要因によって引き起こされる。
図7を引き続き参照すると、平面440は、放射線ビーム14Bおよび反射放射線281を含む平面として定義される。ライン/エッジ404,406の存在による反射のばらつきは、平面440がライン/エッジ404,406に対して45°で基板の表面62と交差するように放射線ビーム14Bを基板に照射することによって最小化することができる。線像は、長さ方向が平面440と整列するか、または該平面と直角になるように形成される。したがって、入射角φとは関係なく、線像100と各ライン/エッジ404,406との間の像角θは45°である。
基板の表面62上の様々な構造(例えば、ライン/エッジ404,406)による反射放射線281の量のばらつきは、入射角度φを適切に選択することによってさらに減少させることができる。例えば、ICの一部としてのトランジスタを形成する場合、基板60に対してソース領域およびドレイン領域66A,66Bのアニールまたは活性化を行なう準備ができた時には、基板は通常以下のトポグラフィーのすべてを含む:a)ベアシリコン、b)シリコンに埋め込まれた酸化物分離領域(例えば、厚さ約0.5ミクロン)、c)埋め込まれた酸化物分離領域上の薄い(例えば、0.1ミクロン)ポリシリコンランナー。
図8は、無限に深い二酸化シリコン層の反射率とともに、波長10.6ミクロンのレーザ放射線の場合における、ドープされていないシリコン基板上の上記トポグラフィーのそれぞれのp−偏光Pおよびs−偏光Sの室温反射率のプロットである。図8から、反射率は偏光および入射角度φによって大きく変化することが明らかである。
入射角度φが約65°および約80°の間である場合のp−偏光P(すなわち、平面440における偏光)では、4つのケースすべての反射率は最小であり、ケース間のばらつきも最小である。したがって、必要とされる総エネルギーと吸収放射線の二点間ばらつきが最小化されるため、約65°から約80°までの間の入射角度φの範囲が半導体基板を熱処理する(例えば、シリコン基板に形成されたドープ領域を活性化する)ための装置10に特に適している。
ドーパントまたは高温の存在によって、シリコンはさらに金属的になり、ブリュースター角に対応した最小値から、より高い角度およびより高い反射率に移行する。したがって、ドープされた基板および/またはより高い温度では、最適な角度は、ドープされていない材料の室温におけるブリュースター角に対応する角度よりもさらに高くなるだろう。
図9は、半導体ウエハの形態の基板60を処理するために使用される装置10の平面等角図であり、最適な放射線ビームジオメトリーにおける装置の動作を示している。ウエハ60は上部に形成されたグリッドパターン400を含み、グリッドにおける各正方形468は、例えば(図1Aの回路67などの)ICを表している。線像100は、45°の像角θとなる方向470において基板(ウエハ)の表面62に対して走査される。
[結晶方位の説明]
上述したように、単結晶シリコンウエハなどの結晶性基板は、主結晶面の1つに対応するエッジ63において基板に形成された参照形状64(例えば、図9に示す切込みまたはフラット)によって示される方位を有する結晶面を有する。線像100の走査によって、走査方向470(図9)に垂直な方向474において大きな熱勾配と応力集中が発生し、結晶性基板の構造の完全性(integrity)に悪影響を及ぼし得る。
引き続き図9を参照すると、通常、シリコン基板60は(100)結晶方位を有し、ライン/エッジ404,406はウエハの表面の2つの主結晶軸(100),(010)に対して45°で配置されている。結晶中の滑り面の形成を最小化するために、好ましい走査方向は主結晶軸の1つに沿った方向である。したがって、結晶中の滑り形成を最小化するために好ましい走査方向は、通常の場合におけるシリコン基板のライン/エッジ404,406に対する好ましい方向とも一致する。線像100、ライン/エッジ404,406、および結晶軸(100),(010)の間で一定の方位が維持される場合、基板(ウエハ)60に対する線像の走査は、円形またはアーチ形ではなく直線的(例えば、前後)に行わなければならない。また、結晶方位に対して特定の走査方向が望ましいため、一実施形態では、基板は、例えば、基板プレアライナー376(図3)を使用してチャック40上で予め位置合わせする。
基板結晶軸(100),(010)と走査方向470との間の方位を慎重に選択することによって、熱誘発応力によって基板の結晶格子内に滑り面が形成される可能性を最小化することができる。結晶格子が急激な熱勾配によって誘発される滑りに対して最大の抵抗性を有する最適な走査方向は、結晶基板の性質によって異なると考えられる。しかしながら、単結晶基板上で像100をスパイラルパターンで走査し、ウエハを検査して滑りを示す前にどの方向が最も高い温度勾配に耐え得るかを決定することによって、最適な走査方向を実験的に見つけ出すことができる。
(100)結晶シリコンウエハの形態の基板60では、最適な走査方向は、(100)基板結晶格子方向またはライン/エッジ404,406によって示されるパターングリッド方向に対して45°に合わせられる。これは、放射状の線像100を、基板の中心からの距離の関数として最高温度を徐々に増加させるスパイラルパターンで走査することによって、本発明者らによって実験的に確認された。最適な走査方向は、滑りに対して最も高い抵抗性を示す方向と、結晶軸の方向とを比較することによって決定された。
[像の走査]
(牛耕式(boustrophedonic)走査)
図10は、像が横断する基板上の各点で短い熱パルスを発生させる基板の表面62の上方の像100の牛耕式(すなわち、交互前後または「X−Y」)走査パターン520を示す基板の平面図である。走査パターン520は線走査セグメント522を含む。牛耕式走査パターン520は、従来の双方向X−Yステージ46によって行うことができる。しかしながら、そのようなステージは、通常は相当な大きさおよび限られた加速能力を有する。非常に短い滞在時間(すなわち、走査像が基板上の所与のポイント上に位置する時間)が望ましい場合、従来のステージは加速および減速にかなりの時間が必要である。また、そのようなステージにはかなりのスペースが必要である。例えば、100ミクロンのビーム幅で10マイクロ秒の滞在時間では、10メートル/秒(m/秒)のステージ速度が必要となる。1gまたは9.8m/sの加速では、加速/減速に1.02秒および5.1mの移動が必要である。加速および減速のために10.2mのスペースをステージに供給することは望ましくない。
(光学的走査)
基板の表面62上の像100の走査は、静止した基板および移動する像を使用するか、基板を移動させて像を静止したままに維持するか、あるいは基板および像の双方を移動させることによって行うことができる。
図11は、可動走査ミラー260を含む光学系20の一実施形態の断面図である。光学的走査を使用することによって、非常に高い加速/減速速度(すなわち、ステージが同じ走査効果を達成するために移動しなければならない速度)を達成することができる。
図11の光学系20では、放射線ビーム14A(または14A’)は、円柱部材L10〜L13からなるf−θリレー光学系20の瞳に位置する走査ミラー260によって反射される。一実施形態では、走査ミラー260は、サーボモーターユニット540に接続・駆動され、サーボモーターユニット540はライン542を介してコントローラ70に接続されている。サーボユニット540は、コントローラ70からのライン542を介した信号544によって制御される。
光学系20は、放射線ビーム14Bを基板の表面62の上方を走査して、移動する像100を形成する。ステージ46は、各スキャン後に基板の位置を交差走査方向に増加させ、基板の所望の領域をカバーする。
一実施形態では、レンズ部材L10〜L13はZnSeからなり、COレーザによって放射される放射線の赤外線の波長と、基板の加熱部分によって放射される近赤外線および可視放射線との両方に対して透明である。これによって、ダイクロイックビームスプリッター550を走査ミラー260の上流で放射線ビーム14Aの経路に配置することができ、かつ、基板から放射される放射線の可視および近赤外波長を、基板を加熱するために使用される放射線ビーム14Aの波長の長い放射線から分離することができる。
放射された放射線310は、基板の熱処理を監視および制御するために使用され、ビーム診断システム560によって検出される。ビーム診断システム560は、集光レンズ562およびライン568を介してコントローラ70に接続された検知器564を有する。一実施形態では、放射された放射線310はフィルターにかけられ、別々の検知器アレイ564(1つのみを図示)に集束される。検知器564によって検出された放射線の量に対応する信号570は、ライン568を介してコントローラ70に供給される。
図11は入射角φ=0を有する放射線ビーム14Bを示しているが、他の実施形態では、入射角はφ>0である。一実施形態では、入射角φは、軸ARを中心として基板ステージ46を適切に回転させることによって変化させる。
光学的走査の利点は、非常に高速で行うことができるため、ビームまたはステージの加速および減速のために最小限の時間しか失われないということである。市販の走査光学系を使用して、8000g相当のステージ加速を達成することができる。
(スパイラル走査)
別の実施形態では、像100はスパイラルパターンで基板60に対して走査される。図12は、ステージ46上に配置された4つの基板60の平面図であり、ステージは、回転的および直線的に像100と相対的に移動してスパイラル走査パターン604を形成することができる。回転移動は回転中心610をほぼ中心として行われる。また、ステージ46は複数の基板を支持することができ、図では説明の便宜のために4つの基板が示されている。
一実施形態では、ステージ46は、直線ステージ612および回転ステージ614を含む。スパイラル走査パターン604は、基板の直線移動および回転移動の組み合わせによって形成され、各基板はスパイラル走査パターンの一部によって覆われている。基板上の各点で滞在時間を一定に維持するために、回転速度は回転中心610からの像100の距離に反比例して変化させる。スパイラル走査の利点は、処理の開始時と終了時以外には急速な加速/減速が全くないことである。したがって、そのような配置を使用して短い滞在時間を得ることが実用的である。別の利点は、一回の走査動作で複数の基板を処理できるということである。
(交互ラスタ走査)
隣接する経路セグメント間の間隔が小さい状態で牛耕式パターンによって基板60の上方で像100を走査すると1つのセグメントが完了し、次の新しいセグメントが開始される走査セグメントの端部で基板が過熱されることになる。そのような場合、新しい走査経路セグメントの最初の部分は完了直後の走査経路セグメントに起因する著しい熱勾配を含む。この勾配によって、ビーム強度を適切に修正しない場合には、新しい走査によって生じる温度が上昇する。このため、走査時に基板全体で一定の最高温度を達成することが困難となる。
図13Aおよび図13Bは、交互ラスタ走査経路700を示す基板60の平面図であり、交互ラスタ走査経路700は、線走査経路セグメント702,704を有する。図13Aを参照すると、交互ラスタ走査経路700では、隣接する走査経路間にギャップ706が存在するように、走査経路セグメント702の走査を最初に行う。一実施形態では、ギャップ706は、線走査の実効長の整数倍と等しい寸法を有する。一実施形態では、ギャップ706の幅は、像100の長さL1と同じかほぼ等しい。次に、図13Bに示すように、ギャップを埋めるように走査経路セグメント704の走査が行われる。この走査方法は、密接な間隔で連続する走査経路セグメントとともに生じる、走査経路における熱勾配を大きく減少させ、走査時に基板全体で均一な最高温度を達成することがより容易になる。
(走査パターンのスループット比較)
図14は、スパイラル走査方法(曲線720)、光学的走査方法(曲線724)、および牛耕式(X−Y)走査方法(曲線726)の、シミュレートしたスループット(基板/時間)対滞在時間(秒)のプロットである。この比較は、ガウス型ビームを形成するために使用される連続放射線源として5kWレーザを用いる実施形態を想定しており、したがって、100ミクロンのビーム幅L2を有するガウス型像100が重なり合う走査経路において走査されて、約±2%の放射線均一性が達成される。
このプロットから、スパイラル走査方法がすべての条件下で優れた効率を有することが分かる。しかしながら、スパイラル走査方法は一度に複数の基板を処理するため、4つのチャックを支持することができる大きな表面が必要となる。例えば、4つの300mmウエハの場合では、表面は直径が約800mmよりも大きくなるだろう。この方法の別の欠点は、走査線像と基板の結晶方位との間の距離を一定の方向を維持できないため、結晶性基板のために最適な処理ジオメトリーを維持できないことである。
光学的走査方法は、滞在時間からほとんど独立したスループットを有し、かつ、高い走査速度を必要とする滞在時間の短いX−Yステージ走査システムに対して利点を有する。
[リサイクル光学系]
本発明では、できるだけ多くのエネルギーを連続放射線源12から基板60に伝達することが重要である。したがって、図19を簡単に参照すると、以下に詳述するように、一実施形態では、放射線ビーム14Bは、基板においてかなりの範囲の入射角を有する。すなわち、光学系20は実質的な開口数NA=sinθ14Bを有し、θ14Bは、軸A1と放射線ビーム14Bの外側の光線15Aまたは15Bとによって形成された半角である。なお、入射角φ14Bは表面法線Nと軸A1との間で測定され、軸A1は放射線ビーム14Bの軸光線も表している。軸光線(軸A1)と基板表面法線Nとによって形成される角度φ14Bは、本明細書では、放射線ビーム14Bによって与えられる角度範囲の「中央角度」と呼ぶ。
一実施形態では、中央角度φ14Bは、基板上の様々な膜積層体(図示せず)間の反射率のばらつきを最小化するように選択される。
実際には、放射線ビーム14Bの一部が基板の表面62から反射されることを防ぐことは困難である。したがって、本発明の一実施形態では、反射放射線23Rを捕らえ、「リサイクル放射線23RD」として基板に向け返し、リサイクル放射線23RDは入射ビーム14Bが反射された位置で基板に吸収される。リサイクル放射線23RDは、処理される1以上の基板領域(例えば、図1Aの領域66A,66B)に追加の熱を供給することによってアニールプロセスにさらに寄与する。
したがって、図15には、本発明のレーザ走査装置10の一実施形態の拡大模式図が示されている。図15の装置10は図1Aの装置と同様だが、図15の装置10は、反射放射線23Rを受け、反射放射線23Rをリサイクル放射線23RDとして基板に向け返すように配置されたリサイクル光学系900を含む。リサイクル光学系900は、表面法線Nに対して角度φ23RDをなす軸ARに沿って配置されている。リサイクル系900が反射放射線23Rを最適に受けられるように、一実施形態では、角度φ23RDは放射線ビームの入射角φ14Bと等しくなっている。
本発明では、基板には放射線パルスが照射されることを留意するべきである。上述したように、放射線「パルス」は、基板の選択部分が所与の時間(すなわち、ビームの滞在時間)にわたって放射線ビーム14Bに暴露されるように、放射線ビーム14Bに対して基板を走査することによって形成される。厳密に言うと、リサイクル光学系900を用いる装置10の実施形態では、反射放射線23RDは、入射放射線14Bによるパルスよりも弱い第2の光パルスを構成する。第2のパルスは第1のパルスから時間ΔT=OPL/cにわたって遅れ、ここで、OPLは、反射光23Rが基板に戻る前に光学系900内を移動する光路長であり、cは、光の速度である(〜3×10m/秒)。
OPLは1m以下のオーダーであるため、パルス間の時間遅延ΔTはl0−9秒のオーダーである。走査速度は1m/秒のオーダーであるため、基板の表面62における第1のパルスおよび第2のパルスの空間間隔は〜(1m/秒)(10−9秒)〜10−9mで与えられ、これはレーザアニールではわずかな空間間隔である。したがって、入射放射線パルスおよび反射放射線パルスは効率的に重なり、すなわち、入射放射線パルスおよび反射放射線パルスは、実際上は基板の同じ部分に同時に到達する。したがって、入射放射線パルスおよび反射放射線パルスの組み合わせによって、単一のエネルギー強化放射線パルスが得られる。別の言い方をすると、事実上、入射(第1の)放射線ビーム14Bおよびリサイクル(第2の)放射線ビーム23RDは、基板(例えば、基板上の1以上の領域)に同時に照射される。
図16は、リサイクル光学系00の一実施形態の断面図であり、リサイクル光学系00は、中空のコーナーキューブ反射体910と、軸ARに沿ったレンズから基板の表面62への距離に対応する焦点距離Fを有する集光/焦点レンズ916とを含む。中空のコーナーキューブ反射体910は直角に交差する3つの反射表面を有するが、図16では簡略化のために、2つの表面912,914のみが模式的に示されている。
図16の光学系900の動作時には、レンズ916は基板の表面62からの反射放射線23Rを集光し、反射放射線23Rを並列光線920としてコーナーキューブ反射体の表面912,914に向ける。並列光線は3つの反射表面から反射され、軸ARの反対側にて、レンズ916の正反対の方向に並列光線920’として向け返される。この場合、並列光線920’はリサイクル放射線23RDを構成する。並列光線920’はレンズ916によって集光され、基板の表面62において元の点321に再集束される。
図17は、図16に示す実施形態の変形の断面図であり、コーナーキューブ反射体910は軸ARに対してΔD変位して(ずれて)いる。このため、反射放射線ビーム23Rとリサイクル放射線ビーム23RDとの間には、基板における入射角のずれが生じている。なお、基板上のビーム位置は同じであり、入射角のみが変化している。2つのビームの入射角間の相対的なずれは、反射放射線が連続放射線源12(図15)に戻ることを防ぐために利用することができる。この特定の実施形態では、ビームの偏光が保存されないため、全内部反射を使用する反射コーナーキューブは好ましいものではない。
図18は、リサイクル光学系900の別の実施形態の断面図である。リサイクル光学系900は、軸ARに沿って基板60から順に、円柱ミラー950と、第1の円柱レンズ352と、瞳954と、第2の円柱レンズ956と、傾斜偏光保存ルーフミラー960とを含む。一実施形態では、第1および第2の円柱レンズ352,956は同じ焦点距離(F’)を有し、焦点距離の2倍(2F’)で分離され、中間に瞳954を有する1×リレーを構成する。ルーフミラー960は円柱レンズ956からF’離れて位置し、ルーフラインはルーフミラー960が反射するp−偏光放射線の方向を向いている。
図18のリサイクル光学系900の一実施形態では、放射線ビーム14Bは光学系20によって集束され、基板上に線像100を形成する(図15)。円柱ミラー950は、反射放射線23Rを受けてコリメートし、反射放射線23Rは円柱レンズ52,956を通過する。ルーフミラー960は、円柱レンズを介して放射線を円柱ミラーに向け返し、基板の表面に戻すように配置されている。入射放射線ビーム23に対するルーフミラー960の傾斜は、向け返された予熱放射線ビーム23RDの基板60への入射角を決定する。一実施形態では、偏光保存ルーフミラー960は、リサイクル放射線23RDが連続放射線源12に戻るのを防ぐように設計された小さな傾斜を含む。レーザまたはレーザダイオードの共振キャビティに戻った放射線は、レーザの出力パワーレベルの不安定さなどの動作上の問題を引き起こす場合がある。
図19は、リサイクル光学系900の別の実施形態の断面図であり、リサイクル光学系900は、集光/集束レンズ1050と、格子表面1062を有する回折格子1060とを含む。一実施形態では、レンズ1050は、高解像度テレセントリックリレーであり、第1および第2のレンズ1070,1072と、第1および第2のレンズの間に配置された開口絞り1074とを有する。一実施形態では、レンズ1050は基板側で焦点距離F1を、回折格子側で焦点距離F2を有し、レンズは、基板の表面62がレンズ1070から軸A3に沿って測定された距離Fl離れて位置し、回折格子1060がレンズ1072から軸ARに沿って測定された距離F2離れて位置するように配置されている。2つのレンズ1070,1072は、2つの焦点距離の合計と等しい距離によって分離されている。
格子表面1062は、好ましくは、反射放射線ビーム23Rの放射線の波長を最適に回折させ、格子表面に入射した放射線が入射経路に沿って戻るように回折されるようになっている。最適な格子期間PはP=nλ/2sinφによって与えられ、λは放射線の波長であり、φは表面法線Nに対する回折格子への入射角であり、nは回折格子を取り囲む媒質の屈折率(空気の場合はn=1)である。回折格子の目的は、基板における傾斜焦点面を補償することであり、さもなければ、返像は、点321とリレー1050の軸との間の図19の平面における距離に依存する量によって焦点がずれる。リレー1050が−1×で動作するこのジオメトリーでは、φ=φ14B=φ23R=φ23RDである。通常、tanφ=Mtanφ23Rであり、Mは、基板から回折格子までのリレー1050の倍率である。
動作時には、反射放射線23Rは、レンズ1070およびレンズ1072を含むテレセントリックリレー1050によって集光され、放射線は格子表面1062に集束される。格子表面1062は放射線をリレー1050に向け返し(より正確には回折させ)、リレー1050は、反射放射線が由来する点321またはその近傍における表面62にリサイクル放射線23RDを向け返す。
図19の実施形態の欠点は、反射放射線23Rが連続的に回折格子の非常に小さな点に結像され、回折格子を溶融または損傷させる可能性があることである。回折格子の代わりに法線入射ミラー(図示せず)を使用した場合にも同様な問題が起こり得る。したがって、図19のリサイクル光学系900の実施形態を使用して装置10を動作させる場合には注意が必要である。
図20は、基板60をアニールするためのレーザ走査装置の一実施形態の断面模式図であり、この装置は、軸A1,A1’にそれぞれ沿って配置された2次元レーザダイオードアレイ放射線源12,12’をそれぞれ有する2つの光学系20,20’を採用する。連続放射線源12,12’はいずれもコントローラ70に動作的に接続され、放射線ビーム14A,14A’をそれぞれ放射する。対応する光学系20,20’が各放射線ビームをそれぞれ受ける。光学系20,20’は、放射線ビーム14A,14A’から対応する放射線ビーム14B,14B’を形成し、放射線ビーム14B,14B’は基板の表面62において像100,100’を形成する。
一実施形態では、光学系20,20’は、基板において少なくとも部分的に互いに重なる像100,100’を形成する。別の実施形態では、像100,100’は線像である。一実施形態では、アニール放射線ビーム14B,14B’の少なくとも1つは、シリコンのブルースター角φまたはその近傍の入射角φ14Bまたはφ’14Bで基板の表面62に入射する。
このような配置によって、連続放射線源12,12’は高パワー放射線ビーム14B,14B’を出力する必要性が低くなる。図20の装置の実施形態は、2つの放射線ビーム14B,14B’に限定されるものではない。通常、所望のアニール効果を達成するために、対応する像100,100’,100’’・・・(例えば、線像)を基板の表面62に形成するためにいずれかの適当な数の連続放射線源12,12’,12’’・・・および対応する光学系20,20’,20’’・・・を使用することができる。
本発明の多くの特徴および利点は詳細な明細書から明らかであり、したがって、添付した請求項によって本発明の精神と範囲に従う上述した装置の特徴および利点をすべて網羅することを意図するものである。また、当業者は数多くの変形および変更を容易に想到するものと考えられるため、本発明をここで説明された構造および動作そのものに限定することは望ましくない。したがって、その他の実施形態も添付した請求項の範囲に含まれる。
図1Aは、本発明の装置の概括的な一実施形態の模式図である。 図1Bは、図1Aの装置によって基板上に形成される、長次元L1および短次元L2を有する理想化された線像の一実施形態を示す。 図1Cは、実際の線像に関連する強度分布を示す2次元プロットである。 図1Dは、基板の表面に線像を形成するための円錐ミラーを含む、図1Aの装置の光学系の一実施形態の模式図である。 図2Aは、放射線源と光学系との間に配置されたビームコンバータをさらに含む、図1Aに示すレーザ走査装置の一実施形態を示す模式図である。 図2Bは、図2Aの装置のビームコンバータが放射線ビームプロファイルを変更する様子を示す模式図である。 図2Cは、ガウス・フラットトップコンバータを含むコンバータ/光学系の一実施形態の断面図である。 図2Dは、例えば図2Cのコンバータ/光学系によって形成される、ビネットされていない放射線ビームの強度プロファイルの一例のプロットである。 図2Eは、エッジ光線を用いる図2Dと同様のプロットであり、このエッジ光線はビネット開口によってビネットされて、像の端部の強度ピークを減少させる。 図3は、本発明の異なる実施形態を示す追加要素を用いた、図1Aの装置の模式図と同様の模式図である。 図4は、入射角φが0°またはほぼ0°である、図3の装置の反射放射線モニタの一実施形態を示す。 図5は、図3の装置の診断システムの一実施形態の拡大図であり、走査像の位置またはその近傍における基板の温度を測定するために使用される。 図6は、1410℃黒体の相対強度対波長のプロファイル(プロット)であり、この温度は、半導体トランジスタのソース領域およびドレイン領域のドーパントを活性化させるために使用される温度よりもわずかに高い。 図7は、グリッドパターンに配列された外観を有する基板の拡大等角図であり、グリッドパターン外観に対する入射レーザビームおよび反射レーザビームを含む平面の45度の方位を示す。 図8は、以下の表面から反射する10.6ミクロンの波長のレーザ放射線ビームのp−偏光およびs−偏光方向の反射率対入射角のプロットである:(a)ベアシリコン、(b)シリコンの上部にある0.5ミクロンの酸化物分離領域、(c)シリコン上の0.5ミクロンの酸化物分離領域の上部にある0.1ミクロンのポリシリコンランナー、および(d)無限に深い酸化シリコン層。 図9は、上部にグリッドパターンが形成された半導体ウエハとしての基板を処理するために使用される本発明の装置の実施形態の平面等角図であり、最適な放射線ビーム配置における装置の動作を示している。 図10は、基板の表面の上方において、像の牛耕式走査パターンを示す基板の平面図である。 図11は、可動走査ミラーを含む光学系の一実施形態の断面図である。 図12は、回転および直線的に移動して像のスパイラル走査を基板上で行うことができるステージに配置された4つの基板の平面図である。 図13Aは、交互ラスタ走査パターンを示す基板の平面図であり、走査経路が空間によって分離されて、隣接する走査経路を走査する前に基板を冷却することができる。 図13Bは、交互ラスタ走査パターンを示す基板の平面図であり、走査経路が空間によって分離されて、隣接する走査経路を走査する前に基板を冷却することができる。 図14は、本発明の装置における、スパイラル走査方法、光学的走査方法、および牛耕式走査方法の、シミュレートされたスループット(基板/時間)対滞在時間(マイクロ秒)のプロットである。 図15は、図1Aと同様のLTP装置の一実施形態の拡大模式図であり、LTP装置は、反射放射線を受け、この反射放射線をリサイクル放射線として基板の方向へと向け返すように配置されたリサイクル光学系をさらに含む。 図16は、コーナー反射体および集光/集束レンズを含む、図15のリサイクル光学系の一実施形態の断面図である。 図17は、図16のリサイクル光学系の一実施形態の変形の断面図であり、コーナー反射体は軸(AR)に対してΔD変位(ずれて)おり、直接入射する放射線ビームとリサイクル放射線ビームとの間で入射角のずれが生じている。 図18は、単位倍率リレーおよびルーフミラーを含む、図15のリサイクル光学系の一実施形態の模式的な断面図である。 図19は、集光/集束レンズおよび回折格子を含む、図15のリサイクル光学系の別の実施形態の断面図である。 図20は、LTP装置の実施形態の模式的な断面図であり、このLTP装置は、基板法線の反対側から同様の入射角で基板に光を照射するように配置された、2つのレーザダイオードアレイおよび対応する2つのLTP光学系を使用する。

Claims (17)

  1. 単結晶基板の領域を熱処理する装置であって、
    連続する第1の放射線ビームと前記基板の領域を加熱できる波長とを供給することができる連続放射線源と、
    前記第1の放射線ビームを受け、前記基板において像を形成する第2の放射線ビームを前記第1の放射線ビームから形成する光学系と、
    前記基板によって反射された放射線を受け、前記反射放射線をリサイクル放射線ビームとして前記基板に向け返すように配置され、かつ、前記基板の領域に応じて選択された非法線入射角にて前記基板の領域に接近して、前記像と同じ位置に反射像を形成するリサイクル光学系と、
    前記基板を支持し、前記光学系からの第1の放射線パルスと前記リサイクル光学系からの第2の放射線パルスとによって前記領域を熱処理するために十分な温度に前記領域を加熱するように、前記像に対して前記基板を走査するステージと、
    を含む、装置。
  2. 請求項1において、
    前記像は線像である、装置。
  3. 請求項1において、
    前記リサイクル光学系は、集光/集束レンズおよびコーナーキューブ反射体を含む、装置。
  4. 請求項3において、
    前記リサイクル放射線ビームおよび前記第2の放射線ビームはそれぞれの入射角を有し、
    前記リサイクル光学系は光軸を有し、
    前記コーナーキューブ反射体は、前記リサイクル放射線ビームの入射角と前記第2の放射線ビームの入射角とを少なくとも部分的に分離させるように前記光軸に対して変位している、装置。
  5. 請求項1において、
    前記リサイクル光学系は、テレセントリックリレーおよび回折格子を含む、装置。
  6. 請求項1において、
    前記リサイクル光学系は、光軸に沿って前記基板から順に、
    円柱ミラーと、
    単位倍率(1×)リレーと、
    前記反射放射線を反射して前記単位倍率リレーを介して前記基板に戻す偏光保存ルーフミラーと、
    を含む、装置。
  7. 請求項6において、
    前記単位倍率リレーは、
    同一の焦点距離を有し、前記焦点距離の2倍の距離によって分離された第1および第2の円柱レンズと、
    前記第1および第2の円柱レンズの中間の瞳と、
    を含む、装置。
  8. 請求項1において、
    前記リサイクル光学系は、前記リサイクル放射線ビームをブリュースター角またはその近傍の入射角で前記基板に向ける、装置。
  9. 単結晶基板の領域を熱処理する装置であって、
    連続する第1の放射線ビームと前記基板の領域を加熱できる波長とを供給することができる2以上の連続放射線源と、
    それぞれが対応する前記第1の放射線ビームの1つを受け、前記基板に像を形成する第2の放射線ビームを前記第1の放射線ビームから形成し、それによって前記基板に2以上の像を形成する2以上の光学系と、
    前記基板を支持し、2以上の放射線パルスによって前記領域を熱処理するために十分な温度に前記領域を加熱するように、前記2以上の像に対して前記基板を走査するステージと、
    を含み、
    前記第2の放射線ビームはそれぞれ、同じ位置に形成された2以上の各像を有する前記基板の領域に応じて選択された非法線入射角にて、前記基板の領域に接近する、装置。
  10. 請求項9において、
    前記2以上の光学系は前記2以上の像を線像として形成する、装置。
  11. 単結晶基板の1以上の領域を熱処理する方法であって、
    a.前記1以上の領域を加熱できる波長を有する連続放射線ビームを生成すること、
    b.前記基板に第1の放射線ビームとして前記連続放射線ビームを照射すること、
    c.前記基板の前記1以上の領域からの反射連続放射線を捕らえ、前記反射連続放射線を、前記基板の前記1以上の領域に応じて選択された非法線入射角で前記基板の前記1以上の領域に接近して、前記第1の放射線ビームの照射により形成された像と同じ位置に反射像を形成するリサイクル放射線ビームとして前記1以上の領域に向け返すこと、および
    d.前記1以上の領域が、前記1以上の領域を処理することができる量の熱エネルギーを受けるように、前記第1の放射線ビームおよび前記リサイクル放射線を前記1以上の領域の上方で走査すること、
    を含む、方法。
  12. 請求項11において、
    前記リサイクル放射線ビームは、選択波長における最小基板反射率に対応する入射角を有するように形成される、方法。
  13. 請求項11において、
    前記反射放射線を前記1以上の領域に向け返すことは、コーナーキューブ反射体を用いて前記反射放射線を反射させることを含む、方法。
  14. 請求項11において、
    前記反射放射線を前記1以上の領域に向け返すことは、ルーフミラーおよび円柱ミラーを用いて前記反射放射線を反射させることを含む、方法。
  15. 請求項11において、
    前記反射放射線を前記1以上の領域に向け返すことは、前記基板に向け返さられる前記反射放射線が前記1以上の領域において焦点合わせされるように、前記反射放射線に対して傾けられた回折格子によって前記反射放射線を回折させることを含む、方法。
  16. 請求項11において、
    前記反射放射線を前記1以上の領域に向け返すことは、円柱ミラーおよび単位倍率(1×)リレーとを介して偏光保存ルーフミラーに前記反射光を向けることを含み、
    前記偏光保存ルーフミラーは、前記基板の一部に集束像を形成するために、前記単位倍率リレーを介して前記反射放射線を反射し返す、方法。
  17. 単結晶基板の領域を熱処理する方法であって、
    前記基板の領域を加熱することのできる波長を有する2以上の連続する第1の放射線ビームを発生すること、
    前記2以上の連続する第1の放射線ビームを、対応する2以上の光学系を用いて受け、前記2以上の光学系は、対応する前記第1の放射線ビームの1つを受け、前記第1の放射線ビームから第2の放射線ビームを前記基板に形成すること
    前記第2の放射線ビームはそれぞれ前記基板に像を形成することにより、前記基板の同じ位置に2以上の像をそれぞれ形成すること、および
    2以上の同時放射線パルスによって前記領域を熱処理するために十分な温度に前記領域を加熱するように、前記2以上の像に対して前記基板を走査すること、
    を含み、
    前記第2の放射線ビームはそれぞれ、同じ位置に形成された2以上の各像を有する前記基板の領域に応じて選択された非法線入射角にて、前記基板の領域に接近する、方法。
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