JP5092697B2 - インダクタンス部品 - Google Patents

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Description

本発明は、各種電子機器等に用いられるインダクタンス部品に関するものである。
近年、電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、小さな電子回路基板に各種電子部品を高密度に実装する必要が生じ、各種電子部品においても小型化、軽量化、高性能化への要望が強くなってきている。このような中で、インダクタンス部品においても、小型、高電流耐性、耐衝撃性等の要求が強くなってきている。
以下従来のインダクタンス部品について図面を参照しながら説明する。
図3は従来のインダクタンス部品の斜視図であり、円形状のドラムコア1にコイル導線2を巻きつけ、コイル導線2と接続した端子3とを備えている。端子3は実装部4と接続部5からなり、コイル導線2の端部を接続部5に巻きつけることにより電気的に接続している。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
特開2004−146644号公報
しかしながら従来の構成では、大きなインダクタンス値を得ようとするとコイル導線の長さが長くなり、直流抵抗値が大きくなるという課題があり、またこの場合形状も大きくなっていた。さらにドラムコアの鍔部の機械的強度が弱くなり、結果として耐衝撃性が劣るという課題があった。
本発明は、これらの課題を解決し、小型で高電流耐性、耐衝撃性に優れたインダクタンス部品を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1記載の発明は、ほぼ四角状の巻胴部とほぼ四角状の上鍔部、下鍔部からなるドラムコアと、コイル導体とを備え、前記巻胴部の軸心に対して直交する断面で見たときにおいて、ほぼ四角形状の前記巻胴部の対角線とほぼ四角形状の前記上鍔部、下鍔部の対角線とをほぼ45度ずらして配置するとともに、前記巻胴部の四つの角部に対向する前記コイル導体のコーナー部に隣接する前記上鍔部と下鍔部との間に、磁性粉を混合させた接着剤を介在させたもので、この構成によれば、従来の円形状のコアに比べて、ドラムコアの形状をほぼ四角状にしているため、実装効率が良くなり、単位面積あたりのインダクタンス値を上げることができ、さらに、巻胴部の形状もほぼ四角状としているために、巻胴部に巻いたコイル導体のコーナー部に磁束の漏れが集中することになり、この部分の上鍔部と下鍔部の間に磁性粉を混合させた接着剤で埋めることにより、磁束の漏れを最小限にし、インダクタンス値を上げることができる。また、接着剤がコイル導体の巻胴部に巻いたコイル導体のコーナーとコーナーとの間には付着していないため、放熱性が向上し、高電流耐性も向上させることができる。そしてまた、接着剤がコイル導体の周囲を部分的に接着しているため、コイル導体の周囲を完全に接着剤で覆っている場合に比べて、例えばリフロー半田付けを行う際に、ドラムコアと接着剤の熱膨張率の差によってドラムコアにクラックが発生しやすくなることを抑制することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2記載の発明は、特に、接着剤は、エポキシ樹脂を主成分としたもので、この構成によれば、エポキシ樹脂のように、硬化後の硬度が高いものを用いて、上下鍔部の間を部分的に埋めることにより、耐衝撃性を向上させることができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3記載の発明は、特に、コイル導体は、平角線を用いたもので、この構成によれば、断面が円形の導線に比べて巻胴部に巻いた時の密度が上がるため、更なる小型化を可能とすることができる。
以上のように本発明のインダクタンス部品は、ほぼ四角状の巻胴部とほぼ四角状の上鍔部、下鍔部からなるドラムコアと、コイル導体とを備え、前記巻胴部の軸心に対して直交する断面で見たときにおいて、ほぼ四角形状の前記巻胴部の対角線とほぼ四角形状の前記上鍔部、下鍔部の対角線とをほぼ45度ずらして配置するとともに、前記巻胴部の四つの角部に対向する前記コイル導体のコーナー部に隣接する前記上鍔部と下鍔部との間に、磁性粉を混合させた接着剤を介在させたため、実装効率が良くなり単位面積あたりのインダクタンス値を上げることができ、また、コイル導体のコーナー部の上鍔部と下鍔部との間を、磁性粉末を混合させた接着剤で埋めることにより、さらにインダクタンス値を上げることができ、これにより、インダクタンス部品を小型化することができる。そして、接着剤をコイル導体のコーナー部分に介在させたことにより、コイル導体の一部を露出させて放熱性が向上し、高電流耐性を向上することができ、さらには、ドラムコアの上鍔部と下鍔部の耐衝撃性を向上させることができるという優れた効果を奏するものである。
(実施の形態1)
以下本発明の実施形態1を用いて、本発明のインダクタンス部品について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるインダクタンス部品の斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。
図1、および図2において、フェライトでできたほぼ四角状の巻胴部11とほぼ四角状の上鍔部12a、下鍔部12bからなるドラムコア13の巻胴部11に、平角銅線の表面に絶縁体をコーティングしてなるコイル導体14を巻きつけインダクタ素子を構成する。これを実装部15と接続部16からなる端子電極17に取り付け、コイル導体14の両端部と接続部16とを半田付けしたものである。
ここで巻胴部11に巻いたコイル導体のコーナー部に磁性粉を混合させた接着剤18を塗布し、上鍔部12aと下鍔部12bとの間を接着固定している。接着剤18はコイル導体のコーナー部には付着しているが、コーナーとコーナーとの間(すなわち四角の辺の中央部付近)には付着しないようにしている。
以上のように構成することにより、従来の円形状のコアに比べて、ドラムコア13の形状をほぼ四角状とすることにより、実装効率が良くなり、単位面積あたりのインダクタンス値を上げることができ、すなわちインダクタンス部品の小型化が可能となる。
また、巻胴部11の形状もほぼ四角状とすることにより、巻胴部11に巻いたコイル導体のコーナー部に磁束の漏れが集中することとなり、この部分の上鍔部12aと下鍔部12bとの間を、磁性粉を混合させた接着剤18で埋めることにより、磁束の漏れを最小限にし、インダクタンス値を上げることができ、すなわちインダクタンス部品の小型化が可能となる。
また、コイル導体の周囲を完全に接着剤で覆っていると、コイル導体で発生した熱が内部にこもるため、大きな電流を流した場合温度上昇し、抵抗値の上昇、インダクタンス値のずれ等の問題が発生しやすくなる。これに対し、本実施形態では接着剤18は巻胴部11に巻いたコイル導体のコーナーとコーナーとの間には付着していない(すなわちコイル導体が外部に露出している)ため、放熱性が向上し、高電流耐性も向上する。
さらに、コイル導体の周囲を完全に接着剤で覆っていると、例えばリフロー半田付けを行なう際に、ドラムコア13と接着剤18の熱膨張率の差によってドラムコア13にクラックが発生しやすくなるが、本実施形態では部分的に接着しているため、このような問題も発生しにくくなる。
また、接着剤18としてエポキシ樹脂のように、硬化後の硬度が高いものを用いて、上下鍔部の間を部分的に埋めることにより、さらに耐衝撃性も向上させることができる。
さらに、コイル導体として平角銅線を用いることにより、通常用いられている断面が円形の導線に比べて、巻胴部に巻いた時の密度が上がるため、更なる小型化が可能となる。
なお、接着剤を上下鍔部の間に塗布する場合、インダクタンス部品全体を巻き軸を中心に回転させながら、ドラム状のもので塗布することにより、容易に巻胴部11に巻いたコイル導体のコーナー部に塗布することができ、量産性も向上する。
本発明に係るインダクタンス部品は、ほぼ四角状の巻胴部とほぼ四角状の上鍔部、下鍔部からなるドラムコアと、コイル導体とを備え、前記巻胴部に巻いた前記コイル導体のコーナー部の前記上鍔部と下鍔部との間に磁性粉を混合させた接着剤を介在させたことにより、小型で高電流耐性、耐衝撃性に優れたものが得られるため、各種電子機器に適用して有用となるものである。
本発明の実施の形態1におけるインダクタンス部品の斜視図 図1のA−A線断面図 従来のインダクタンス部品の斜視図
符号の説明
11 巻胴部
12a 上鍔部
12b 下鍔部
13 ドラムコア
14 コイル導体
15 実装部
16 接続部
17 端子電極
18 接着剤

Claims (3)

  1. ほぼ四角状の巻胴部とほぼ四角状の上鍔部、下鍔部からなるドラムコアと、コイル導体とを備え、前記巻胴部の軸心に対して直交する断面で見たときにおいて、ほぼ四角形状の前記巻胴部の対角線とほぼ四角形状の前記上鍔部、下鍔部の対角線とをほぼ45度ずらして配置するとともに、前記巻胴部の四つの角部に対向する前記コイル導体のコーナー部に隣接する前記上鍔部と下鍔部との間に、磁性粉を混合させた接着剤を介在させたインダクタンス部品。
  2. 接着剤は、エポキシ樹脂を主成分としてなる請求項1記載のインダクタンス部品。
  3. コイル導体は、平角線を用いた請求項1記載のインダクタンス部品。
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