JPH10144534A - インダクタ用磁心及びインダクタ - Google Patents

インダクタ用磁心及びインダクタ

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JPH10144534A
JPH10144534A JP29683596A JP29683596A JPH10144534A JP H10144534 A JPH10144534 A JP H10144534A JP 29683596 A JP29683596 A JP 29683596A JP 29683596 A JP29683596 A JP 29683596A JP H10144534 A JPH10144534 A JP H10144534A
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JP
Japan
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inductor
case
laminated body
coil
laminated
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JP29683596A
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Inventor
Masanori Makino
雅憲 牧野
Takashi Matsuoka
孝 松岡
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄板磁性材料を使用し高性能なインダクタ用磁
心を提供する。 【解決手段】コイル10を巻回すべきブロック11とコ
イルを巻回しないブロック12とを四角形の枠状に組み
合わせて構成するインダクタ用磁心1において、ブロッ
ク11は薄板磁性材料を積層した第1の積層体13と、
第1の積層体13を収容する断面外周が円形の円形ケー
ス14とを有し、ブロック12は薄板磁性材料を積層し
た第2の積層体15と、第2の積層体を収容する所定形
状のケース16とを有し、各ブロック11、12の組合
せは第1の積層体13の積層断面23と第2の積層体1
5の積層断面24とを対向させて行うことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブフィル
ター用コア及びコイル、平滑用チョーク用コア及びコイ
ル、トランス用コア及びコイルなどに適用して好適なイ
ンダクタ用磁心及びインダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】アモルファス合金などの薄板磁性材料で
構成された磁気回路は、トロイダル形状の巻き磁心とし
て形成されるのが一般的であった。この理由としては、
薄板磁性材料は一般的に大変高価であり、端材の発生す
る打ち抜き磁心には不向きであること、打ち抜き磁心で
は必要な積層厚さを得るために薄板磁性材料の枚数が多
くなるので打ち抜き回数が多くなること、特にアモルフ
ァス合金は硬度が高いので打ち抜き用金型の磨耗が激し
いこと、磁気回路の構成上トロイダル形状の巻き磁心が
理想に近い特性を実現できることなどが上げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のトロイ
ダル形状の巻き磁心では、使用可能な自動巻線機の種類
が少ないため、巻き磁心の仕様が限定されるという問題
があった。また、この巻き磁心の製造工程は、素材巻
取、歪み取り焼鈍、樹脂含浸、含浸樹脂硬化、切断の順
で行われるのが普通であり、ここでは歪み取り焼鈍後に
切断加工しているので歪みが大きくなり、素材の特性が
変化してしまって素材の特性を有効に利用できないとい
う問題があった。更に、コイルを巻回後に電子機器に取
り付ける場合、別の取付用部品が必要になることがあっ
た。
【0004】一方、素材を所定の長さに切り揃えて積層
したブロックを組み合わせて磁気回路を構成する組磁心
には、珪素鋼板などを使用するのが普通であり、高性能
化が可能な薄板磁性材料は使用されていなかった。これ
は、薄板磁性材料を積層してブロックを形成し、このブ
ロックを組み合わせて組み磁心を構成した場合、ブロッ
クの組み合わせ方によっては十分な特性を発揮できない
ことがあるからである。
【0005】本発明の目的は、このような問題点を解決
することにあり、薄板磁性材料を使用することにより高
性能化を図ることができると共に、各種の自動巻線機を
使用することが可能で、これによって、生産性を上げる
ことが可能なインダクタ用磁心と、このインダクタ用磁
心を使用して電子機器に簡単に取り付けることが可能な
インダクタとを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はインダクタ用磁
心及びインダクタであり、前述の技術的課題を解決する
ために以下のように構成されている。すなわち、本発明
は、複数のブロックを多角形の枠状に組み合わせて構成
するインダクタ用磁心において、前記複数のブロック
は、薄板磁性材料を積層した積層体と、前記積層体を収
容するケースとを有し、前記複数のブロックのうち少な
くとも1個のブロックはコイルを巻回すべきブロックと
し、前記コイルを巻回すべきブロックは、前記薄板磁性
材料を積層した積層体を収容するケースの断面外周が円
形であることを特徴とする。
【0007】このインダクタ用磁心は、各積層体と同数
の空隙を積層体の間に設けることができるので、空隙の
分散効果によって鉄損を低減させることができる。更
に、各ブロックの積層体は、薄板磁性材料を焼鈍した
後、巻回又は積層するだけであり、歪み取り焼鈍後に切
断加工をした場合に比べて歪みを小さくすることができ
るので、特性の劣化を防止することができる。
【0008】前記各ブロックの組み合わせは、隣接する
一方の前記積層体の積層断面と、他方の前記積層体の積
層断面とを対向させて行うことできる。この場合は、コ
イルを巻回すべきブロックの積層断面とこれ以外のブロ
ックの積層断面とを対向させて組み合わせるので、例え
ばコイルを巻回すべきブロックの積層体の積層断面と、
コイルを巻回しないブロックの積層体の板面とを対向さ
せて組み合わせる場合に比べて、特性劣化、例えば鉄損
の増加、重量特性の劣化、周波数特性の劣化などを抑制
することができる。
【0009】前記コイルを巻回すべきブロックの積層体
は長尺な前記薄板磁性材料を巻回することにより形成す
ることができる。この場合は、コイルを巻回すべきブロ
ックの積層体を容易に形成することができる。
【0010】前記複数のブロックのうちコイルを巻回し
ないブロックの積層体は、長尺な前記薄板磁性材料を巻
回してから、前記薄板磁性材料の板面を押圧して押し潰
すことにより形成することができる。
【0011】この場合は、コイルを巻回しないブロック
の積層体を容易に形成することができる。また、本発明
は、コイルを巻回すべきブロックとコイルを巻回しない
ブロックとを四角形の枠状に組み合わせて構成するイン
ダクタ用磁心において、前記コイルを巻回すべきブロッ
クは薄板磁性材料を積層した第1の積層体と、前記第1
の積層体を収容する断面外周が円形のケースとを有し、
前記コイルを巻回しないブロックは前記薄板磁性材料を
積層した第2の積層体と、前記第2の積層体を収容する
所定形状のケースとを有し、前記各ブロックの組合せは
前記第1の積層体の積層断面と前記第2の積層体の積層
断面とを対向させて行うことを特徴とする。
【0012】このインダクタ用磁心は、第1の積層体の
積層断面と第2の積層体の積層断面とを対向させて組み
合わせるので、例えば第1の積層体の積層断面と第2の
積層体の板面とを対向させて組み合わせる場合に比べ
て、特性劣化、例えば鉄損の増加、重量特性の劣化、周
波数特性の劣化などを抑制することができる。
【0013】また、第1の積層体と第2の積層体の積層
枚数と同数の空隙を積層体の間に設けることができるの
で、空隙の分散効果によって鉄損を低減させることがで
きる。更に、第1の積層体及び第2の積層体は、薄板磁
性材料を焼鈍した後、積層してケースに収納するだけで
あり、歪み取り焼鈍後に切断加工をした場合に比べて歪
みを小さくすることができるので、特性の劣化を防止す
ることができる。
【0014】前記第1の積層体は長尺な前記薄板磁性材
料を巻回することにより形成することができる。この場
合は、第1の積層体を容易に形成することができる。
【0015】前記第2の積層体は長尺な前記薄板磁性材
料を巻回してから、前記薄板磁性材料の板面を押圧して
押し潰すことにより形成することができる。この場合
は、第2の積層体を容易に形成することができる。
【0016】前記各ケースに組み立て用の凹凸を設ける
ことができる。この場合は、各ブロックの組み立てが容
易になる。また、本発明のインダクタは、上述のインダ
クタ用磁心の前記断面外周が円形のケースにコイルを巻
回して前記インダクタ用磁心を外装ケースに収容したこ
とを特徴とする。
【0017】このインダクタは、外装ケースによって各
ブロックを保持することができる。電子機器に取り付け
るための取付部を前記外装ケースに設けることができ
る。この場合は、インダクタを電子機器に取り付けると
き他の取付用部品を使用する必要がなくなる。
【0018】前記外装ケースを軟磁性材料で形成するこ
とができる。この場合は、薄板磁性材料のコーナ部で発
生する漏洩磁束を外装ケースでシールドすることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るインダクタ用
磁心及びインダクタを図示の実施の形態について詳細に
説明する。
【0020】図1は本発明に係るインダクタ用磁心1の
斜視図である。このインダクタ用磁心1は、複数のブロ
ック11、12を多角形の枠状に組み合わせて構成する
もものであり、複数のブロック11、12は、薄板磁性
材料を積層した積層体13、15と、積層体13、15
を収容するケース14、16とを有している。
【0021】そして、複数のブロック11、12のうち
少なくとも1個のブロック11はコイルを巻回すべきブ
ロックとし、このコイルを巻回すべきブロック11は、
薄板磁性材料を積層した積層体13を収容するケース1
4の断面外周が円形である。また、各ブロック11、1
2の組み合わせは、隣接する一方の積層体13の積層断
面23と、他方の積層体15の積層断面24とを対向さ
せて行うようになっている。本実施の形態では、インダ
クタ用磁心1は、図1中に二点鎖線で示すコイル10を
巻回すべき2個の第1ブロック11と、コイルを巻回し
ない2個の第2ブロック12とが四角形の枠状に組み合
わせられて構成されている。第1ブロック11、11及
び第2ブロック12、12は、それぞれ平行に配置され
ている。
【0022】第1ブロック11は、円柱状の第1積層体
13と、この第1積層体13を収容する円形ケース14
とで構成されている。また、第2ブロック12は、直方
体状の第2積層体15と、この第2積層体15を収容す
る角形ケース16とで構成されている。
【0023】第1積層体13は、図2に示すように例え
ばアモルファス合金などの長尺な薄板磁性材料が所定回
数だけ巻回されて円柱状に積層されている。この第1積
層体13の製造工程は、素材幅切り、素材巻き取り、焼
鈍の順に行われる。円形ケース14は、図3に示すよう
に第1積層体13を収容可能な内径で所定の長さの円筒
部17と、円筒部17の両端から所定の寸法だけ内側に
設けられた環状の鍔部18とで構成されている。
【0024】鍔部18、18の間にはコイル10が巻回
される。このように、円形ケース14は、コイル10を
巻回する部分の断面外周が円形になっている。また、円
筒部17の鍔部18より外側の凸部19は、後述のよう
に角形ケース16との組み立てに用いられる。円筒部1
7及び鍔部18は樹脂で成形されている。
【0025】第2積層体15は、図4に示すように所定
の幅及び所定の長さに切り揃えられた短冊状の例えばア
モルファス合金などの薄板磁性材料20が所定枚数だけ
積層されて形成されている。この第2積層体15の製造
工程は、素材幅切り、素材長さ切り、素材積層、焼鈍の
順に行われる。
【0026】角形ケース16は、図5に示すように樹脂
で有底の容器状に成形されている。この角形ケース16
の底部21の両側には、組み立て用の凹部である丸孔2
2、22が設けられている。丸孔22、22の直径は、
上述の円形ケース14の凸部19を嵌合可能な寸法にな
っている。
【0027】第1積層体13と第2積層体15とは、図
6に示すようにそれぞれの積層断面23、24(図2、
図4)を対向させるようにして固着され、これによっ
て、磁気回路が構成されている。第1積層体13と第2
積層体15との間には、ギャップ保持用のスペーサ25
が配置されている。
【0028】そして、図1に示すように第1ブロック1
1と第2ブロック12とを組み立てる場合は、第1ブロ
ック11の円形ケース14の凸19(図3)を第2ブロ
ック12の角形ケース16の丸孔22(図5)に挿入す
る。これによって、円形ケース14と角形ケース16と
が嵌合されて組み立てられる。
【0029】上述のようにこのインダクタ用磁心1は、
第1ブロック11の第1積層体13の積層断面23と、
第2ブロック12の第2積層体15の積層断面24とを
対向させて組み合わせているので、例えば第1積層体1
3の積層断面23と第2積層体15の板面26とを対向
させて組み合わせた場合に比べて、特性の劣化、例えば
鉄損の増加、重畳特性の劣化、周波数特性の劣化などを
抑制することができる。
【0030】また、隣接する第1積層体13と第2積層
体15の間には空隙が形成され、この空隙は積層体と同
数だけ設けることができ、この空隙の分散効果により鉄
損を低減することができる。第1積層体13及び第2積
層体15は、焼鈍後に切断加工されることがないので加
工歪みを防止することができ、これによって、歪みによ
る特性劣化を防止することができる。
【0031】なぜなら、第1積層体13の積層断面23
と第2積層体15の板面26とを対向させた場合には、
両方の積層体13、15の境界にある空隙に加えて第2
積層体15の薄板磁性材料20の薄板間の空隙が磁気回
路の途中に介在するのでロスが大きくなるが、積層断面
23、24同士を対向させた場合には、両方の積層体1
3、15の境界にある空隙が磁気回路の途中に介在する
ものの、上述のような薄板間の空隙は介在しないのでロ
スが小さくなるからである。
【0032】更に、このインダクタ用磁心1は、トロイ
ダル磁心のように樹脂硬化時の収縮による歪みがないた
め、トロイダル磁心に比べて特性劣化を抑制することが
できる。また、製造工程もトロイダル磁心に比べて簡単
になる。
【0033】第1ブロック11の円形ケース14は、コ
イル10を巻回する部分の断面外周が円形なので、比較
的太い線材でも折れ曲がることなく巻回することができ
る。しかも、円形ケース14には角形ケース16に組み
合わせる前にコイル10を巻回することができるので、
各種の自動巻線機を使用することができる。したがっ
て、コイルの仕様が制限されなくなるので、自動生産ラ
インの構築が容易になり、これによって、生産能力を上
げることができる。
【0034】また、第1ブロック11と第2ブロック1
2との組み立ては、第1ブロック11の円形ケース14
の凸部19を、第2ブロック12の角形ケース16の丸
孔22に挿入するだけで完了するので、組み立て作業が
容易になり、これまた生産性の向上を図ることができ
る。
【0035】なお、上述の実施の形態では、長尺な薄板
磁性材料を所定回数だけ巻回して第1積層体13を形成
した場合について説明したが、第1積層体13は第2積
層体15と同様に短冊状の薄板磁性材料を所定枚数だけ
積層して直方体状に形成したものを使用することもでき
る。この場合の製造工程は、第2積層体15と同様であ
る。また、この場合にも円形ケース14を使用すること
ができ、これによって、直方体状の積層体を使用してい
るにも拘わらず、コイルの線材が折れ曲がるのを防止で
きると共に、コイルの巻回が容易になるので各種の自動
巻線機を使用することが可能になる。
【0036】また、上述の実施の形態では、短冊状の薄
板磁性材料を積層して第2積層体15を形成した場合に
ついて説明したが、図7(A)に示すように長尺な薄板
磁性材料を巻回して環状の積層体40を形成し、同図
(B)に示すようにこの積層体40の板面41を押圧し
て押し潰すことによって第2積層体42を形成すること
ができる。
【0037】この第2積層体42は、薄板磁性材料を巻
回して押し潰すだけなので上述の第2積層体15のよう
に短冊状の薄板磁性材料を積層する場合に比べて容易に
形成することができる。
【0038】この第2積層体42を使用する場合も、図
8に示すように第2積層体42の積層断面43と第1積
層体13の積層断面23とを対向させるようにして組み
合わせる。また、第1積層体13と第2積層体42との
間には、ギャップ保持用のスペーサ25を配置する。
【0039】図9は、上述のインダクタ用磁心1を用い
たインダクタ3を示す。このインダクタ3は、インダク
タ用磁心1の第1ブロック11の円形ケース14(図
3)にコイル10が巻回された後、このインダクタ用磁
心1が軟磁性材料で成形された外装ケース31に収容さ
れて構成されている。外装ケース31は、インダクタ用
磁心1の第2ブロック12を収容する2個の収容部32
と、これらの収容部32、32を端面側の中央で連結す
る連結部33とを有している。収容部32の連結部33
と反対の端面側には、取付板34が設けられている。取
付板34の両端部には、取付孔35、35が設けられて
いる。
【0040】収容部32は箱形であり、図10に示すよ
うに取付板34側の面とその内側に連続する2面とが開
放されている。そして、この開放面からインダクタ用磁
心1の両方の第2ブロック12、12が挿入され、収容
部32、32内に収容されて保持されている。これによ
って、過大な衝撃や振動が加わっても、インダクタ用磁
心1の第1ブロック11と第2ブロック12とが不用意
に外れてしまうのを防止することができる。
【0041】このインダクタ3を電子機器38の例えば
筺体などに取り付ける場合は、外装ケース31の取付板
34、34をビス39、39で筺体に固定する。これに
よって、他の取付部品を使用することなく簡単に取り付
けることができる。
【0042】上述のように、このインダクタ3は外装ケ
ース31が軟磁性材料で成形されているので、インダク
タ用磁心1の第1積層体13又は第2積層体15のコー
ナ部から生じた漏洩磁束をシールドすることができる。
したがって、外部の電子機器に対する漏洩磁束の影響を
防止することができる。また、外装ケース31に取付板
34が設けられているので、別の取付用部品を使用する
ことなく電子機器に簡単に取り付けることができる。
【0043】なお、インダクタ3の第2ブロック12に
は、第2積層体15に代えて第2積層体42(図7)を
使用することができる。また、ここで用いる薄板磁性材
料の厚さは1μm〜100μmが好ましく、より好まし
くは5μm〜50μmである極薄板である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインダク
タ用磁心によれば、コイルを巻回すべきブロックは、薄
板磁性材料を積層した積層体とこれを収容する断面外周
が円形のケースとで構成できるので、各積層体と同数の
空隙を積層体の間に設けることができるため、空隙の分
散効果によって鉄損を低減させることができる。また、
各ブロックの積層体は、薄板磁性材料を焼鈍した後、積
層してケースに収納するだけであり、歪み取り焼鈍後に
切断加工をした場合に比べて歪みを小さくすることがで
きるので、特性の劣化を防止することができる。更に、
コイルを巻回すべきブロックのケースの断面外周が円形
なので、積層体の形状に拘わらずコイルを容易に巻回で
きると共にコイルの折れ曲がりを防止することができ
る。
【0045】各ブロックの組み合わせを、隣接する一方
の積層体の積層断面と、他方の積層体の積層断面とを対
向させて行った場合は、一方の積層体の積層断面と、他
方の積層体の板面とを対向させて組み合わせる場合に比
べて、特性劣化、例えば鉄損の増加、重量特性の劣化、
周波数特性の劣化などを抑制することができる。
【0046】コイルを巻回すべきブロックの積層体を長
尺な薄板磁性材料を巻回することにより形成した場合
は、コイルを巻回すべきブロックの積層体を容易に形成
することができる。
【0047】複数のブロックのうちコイルを巻回しない
ブロックの積層体は、長尺な薄板磁性材料を巻回してか
ら、薄板磁性材料の板面を押圧して押し潰すことにより
形成した場合は、コイルを巻回しないブロックの積層体
を容易に形成することができる。
【0048】また、本発明のインダクタ用磁心によれ
ば、第1の積層体と第2の積層体の積層断面を対向させ
て組み合わせるので、例えば第1の積層体の積層断面と
第2の積層体の板面とを対向させて組み合わせる場合に
比べて特性劣化、例えば鉄損の増加、重量特性の劣化、
周波数特性の劣化などを抑制することができ、これを使
用したインダクタの高性能化を図ることができる。
【0049】更に、積層体と同数の空隙を積層体の間に
設けることができるので、空隙の分散効果によって鉄損
を低減させることができる。第1積層体及び第2積層体
は薄板磁性材料を積層するだけであり、歪み取り焼鈍後
に切断加工をしないので歪みを小さくすることができ、
これによって、歪みが原因で発生する特性の劣化を防止
することができる。
【0050】また、コイルを巻回すべきブロックは断面
外周が円形のケースを使用しているので、コイルの折れ
曲がりを防止できると共にコイルの巻回が容易になる。
したがって、各種の自動巻線機を使用することができる
ので、自動化製造ラインの構築が容易になり、これによ
って、生産性を上げることができる。
【0051】長尺な薄板磁性材料を巻回して第1の積層
体を形成する場合は、第1の積層体の形成が容易になる
ので生産性を上げることが可能になる。長尺な薄板磁性
材料を巻回してから、薄板磁性材料の板面を押圧するこ
とにより押し潰して第2の積層体を形成する場合は、第
2の積層体の形成が容易になるので生産性を上げること
ができる。
【0052】各ケースに組み立て用の凹凸を設けた場合
は、各ブロックの組み立てが容易になるので、生産性を
上げることができる。また、本発明のインダクタによれ
ば、外装ケースによって各ブロックを保持することがで
きるので、過大な振動や衝撃が加わっても各ブロックが
不用意に外れるのを防止することができる。
【0053】電子機器に取り付けるための取付部を外装
ケースに設けた場合は、他の取付用部品が不要になるの
で、部品点数を削減することができる。外装ケースを軟
磁性材料で形成した場合は、薄板磁性材料のコーナ部で
発生する漏洩磁束を外装ケースでシールドすることがで
きるので、他の電子機器に対する漏洩磁束の影響を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインダクタ用磁心を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明に係るインダクタ用磁心の第1の積層体
を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るインダクタ用磁心の第1の積層体
を収容するケースを示す斜視図である。
【図4】本発明に係るインダクタ用磁心の第2の積層体
を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るインダクタ用磁心の第2の積層体
を収容するケースを示す斜視図である。
【図6】本発明に係るインダクタ用磁心の第1の積層体
と第2の積層体との組み合わせ方法を示す斜視図であ
る。
【図7】本発明に係るインダクタ用磁心の第2の積層体
の別の実施形態の形成方法を示す図である。
【図8】本発明に係るインダクタ用磁心の第1の積層体
と別の実施形態の第2の積層体との組み合わせ方法を示
す斜視図である。
【図9】本発明に係るインダクタを示す正面図である。
【図10】図9のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 インダクタ用磁心 3 インダクタ 10 コイル 11 第1ブロック(コイルを巻回すべきブロック) 12 第2ブロック(コイルを巻回しないブロック) 13 第1積層体 14 円形ケース(断面外周が円形のケース) 15、42 第2積層体 16 角形ケース(所定形状のケース) 19 円形ケースの凸部(組み立て用の凸部) 22 角形ケースの丸孔(組み立て用の凹部) 23 第1積層体の積層断面 24、43 第2積層体の積層断面 31 外装ケース 34 取付板(取付部)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のブロックを多角形の枠状に組み合
    わせて構成するインダクタ用磁心において、 前記複数のブロックは、薄板磁性材料を積層した積層体
    と、前記積層体を収容するケースとを有し、 前記複数のブロックのうち少なくとも1個のブロックは
    コイルを巻回すべきブロックとし、 前記コイルを巻回すべきブロックは、前記薄板磁性材料
    を積層した積層体を収容するケースの断面外周が円形で
    あることを特徴とするインダクタ用磁心。
  2. 【請求項2】 前記各ブロックの組み合わせは、隣接す
    る一方の前記積層体の積層断面と、他方の前記積層体の
    積層断面とを対向させて行うことを特徴とする請求項1
    に記載のインダクタ用磁心。
  3. 【請求項3】 前記コイルを巻回すべきブロックの積層
    体は長尺な前記薄板磁性材料を巻回することにより形成
    することを特徴とする請求項1に記載のインダクタ用磁
    心。
  4. 【請求項4】 前記複数のブロックのうちコイルを巻回
    しないブロックの積層体は、長尺な前記薄板磁性材料を
    巻回してから、前記薄板磁性材料の板面を押圧して押し
    潰すことにより形成することを特徴とする請求項1に記
    載のインダクタ用磁心。
  5. 【請求項5】 コイルを巻回すべきブロックとコイルを
    巻回しないブロックとを四角形の枠状に組み合わせて構
    成するインダクタ用磁心において、 前記コイルを巻回すべきブロックは薄板磁性材料を積層
    した第1の積層体と、前記第1の積層体を収容する断面
    外周が円形のケースとを有し、 前記コイルを巻回しないブロックは前記薄板磁性材料を
    積層した第2の積層体と、前記第2の積層体を収容する
    所定形状のケースとを有し、 前記各ブロックの組合せは前記第1積層体の積層断面と
    前記第2積層体の積層断面とを対向させて行うことを特
    徴とするインダクタ用磁心。
  6. 【請求項6】 前記第1の積層体は長尺な前記薄板磁性
    材料を巻回することにより形成することを特徴とする請
    求項5に記載のインダクタ用磁心。
  7. 【請求項7】 前記第2の積層体は長尺な前記薄板材料
    を巻回してから、前記薄板磁性材料の板面を押圧して押
    し潰すことにより形成することを特徴とする請求項5に
    記載のインダクタ用磁心。
  8. 【請求項8】 前記各ケースに組み立て用の凹凸を設け
    たことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のイ
    ンダクタ用磁心。
  9. 【請求項9】 請求項1又は5に記載のインダクタ用磁
    心の前記断面外周が円形のケースにコイルを巻回して前
    記インダクタ用磁心を外装ケースに収容したことを特徴
    とするインダクタ。
  10. 【請求項10】 電子機器に取り付けるための取付部を
    前記外装ケースに設けたことを特徴とする請求項9に記
    載のインダクタ。
  11. 【請求項11】 前記外装ケースを軟磁性材料で形成し
    たことを特徴とする請求項9又は10に記載のインダク
    タ。
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