JP5092655B2 - 電子回路部品、及びハードディスクドライブ用サスペンション - Google Patents
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Description
サスペンションは、高速で回転するディスク上をスキャンすることから細かな振動が加わる部材であるため、ディスクの動きに的確に追従する柔軟性のみならず、配線の密着強度、発塵、アウトガス等、厳しいスペックが求められている。
従来、この磁気ヘッドの静電破壊の課題については、特許文献1に開示されるように、HDDのヘッドサスペンションアセンブリのサスペンション以外の部分に形成されている配線パターン上の配線保護層上に帯電防止層を形成するなどして解決を図ってきた。しかしながら、磁気ヘッドの高性能化が進むに従い、サスペンション上に形成された配線層上に帯電した静電気によっても磁気ヘッドの静電破壊が発生するという問題が発生するようになってきた。
サスペンション上に発生する静電気に対しては、特許文献2において、全体を被覆するように導電性ポリマーが形成されたワイアレスサスペンションが提案されている。特許文献2に開示されている導電性ポリマーからなる帯電防止層の形成方法は、積層体を処理液中に浸漬して、サスペンションの全周を被覆するように導電性ポリマーを重合させながら析出させていく為、必要な箇所のみに直接パターン化して帯電防止層を設けることはできない。そのため特許文献2では、本来磁気ヘッドの静電破壊防止の観点からは必要のない配線層の裏面にも帯電防止層が形成されており、アウトガスの発生や発塵性が悪化する原因となる。帯電防止層は、通常、最終工程で電子回路部品の最表面に設けられるために、適切に設けないとアウトガスや発塵の発生源になりやすいものである。
前記第一の絶縁層及び前記第二の絶縁層は、耐熱性、信頼性、及び帯電防止層の密着性の点から、前記第一の絶縁層及び前記第二の絶縁層中にそれぞれポリイミドが90重量%以上含まれることとしている。また、前記第一の絶縁層、前記第二の絶縁層、及び帯電防止層に同一の物質を用いることで積層体全体の反りを抑制できる。
HDD用サスペンションとして用いたときに必要なバネ性を付与する観点の点から好ましい。
中でも、前記帯電防止層がスクリーン印刷や、インクジェット法など、直接パターン形成が可能な塗布法で形成されることが、製造コスト抑制の観点から好ましい。
また、前記帯電防止層が、塗布、乾燥後にフォトリソグラフィー法によってパターンを形成されていることも好ましい。ポリイミド又はポリイミド前駆体に感光性を付与して直接フォトリソグラフィー法でパターン形成されても良く、非感光性のポリイミド又はポリイミド前駆体を用いる場合は、塗布膜上にレジストパターンを形成しそれをマスクとしてパターン形成しても良い。
なお本発明において、露光するのに用いる光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
本発明は、電子回路部品、及びハードディスクドライブ用サスペンションに関するものである。以下、電子回路部品及びハードディスクドライブ用サスペンションについて順に説明する。
本発明の電子回路部品は、第一の導体層と、当該第一の導体層上に形成された第一の絶縁層と、当該第一の絶縁層上に当該第一の絶縁層の一部が露出するように形成された第二の導体層と、当該第一の絶縁層及び当該第二の導体層上にそれらの一部が露出するように形成された第二の絶縁層とを備えた積層体を含有する電子回路部品であって、当該第二の絶縁層、当該第二の導体層、及び当該第一の絶縁層に少なくとも接触し、且つ前記積層体表面の一部となるように帯電防止層が形成されており、当該帯電防止層が、ポリイミドと導電性微粒子を含有していることを特徴とするものである。
本発明の電子回路部品100は、第一の導体層1と、当該第一の導体層1上に形成された第一の絶縁層2と、当該第一の絶縁層2上に当該第一の絶縁層2一部が露出するように形成された第二の導体層3と、当該第一の絶縁層2及び当該第二の導体層3上にそれらの一部が露出するように形成された第二の絶縁層4とを備えた積層体を含有する。前記第一の導体層1は、通常、配線、及び/または支持体の役割を担うものであり、前記第二の導体層3は、通常、配線層である。第二の絶縁層4は、通常、第二の導体層間を絶縁しつつ第二の導体層を保護する役割を担い、図1の平面図に示されるように、第一の絶縁層2及び当該第二の導体層3の一部が露出するように形成されている。この露出される一部は、電子回路部品の端子接続部や、屈曲部などが挙げられる。そして、ポリイミドと導電性微粒子を含有している帯電防止層5が、当該第二の絶縁層4、当該第二の導体層3、及び当該第一の絶縁層2の3層に少なくとも接触し、且つ前記積層体表面の全体ではなく、前記積層体表面の一部となるように形成されている。
<第一の導体層>
上記積層体を構成する第一の導体層1は、導体から構成されていれば特に限定されないが、強度、導電抵抗の点から、金属層であることが好ましく、特にステンレス、銅、銅を含む合金からなることが好ましい。上記積層体を構成する第一の導体層1は、通常、電子回路部品の配線、または支持体として用いられ、この場合、金属板が好適に用いられる。HDD用サスペンションとして用いる場合には、第一の導体層は、よりバネ性の高いステンレスからなることが特に好ましい。また、第一の導体層は、目的に応じてバネとしての機能を発現しやすい形状や、配線の形状にパターニングされていても良い。更に、第一の導体層は、密着性改善の為等の理由で表面処理が施されていても良い。
上記積層体を構成する第一の導体層1は、1μm〜500μmの厚みであることが好ましく、1μm〜200μmの厚みであることが特に好ましい。
第二の導体層3は、後述する第一の絶縁層の一部が露出するように形成されるものであり、通常、配線層として形成される。第二の導体層としては、導体から構成されていれば材料は特に限定されないが、導電性、信頼性、及びコストの観点から、ステンレス、銅、銅を含む合金が好ましい。第二の導体層を配線として用いる場合には銅や銅合金であることが好ましく、配線の形状にパターニングされていることが好ましく、密着性改善の為等の理由で表面処理が施されていても良い。
第二の導体層は0.1μm〜50μmの厚みであることが好ましく、0.5μm〜20μmの厚みであることが特に好ましい。
第一の絶縁層2、及び第二の絶縁層4については、絶縁材料から構成されていればよい。絶縁材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンなどのビニル重合系樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォンなどの縮合重合系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。中でも、絶縁信頼性、耐熱性、絶縁層上に接触して設けられるポリイミドと導電性微粒子を含む帯電防止層との密着性の観点から、第一の絶縁層2及び/又は第二の絶縁層4がポリイミドを主成分とすることが好ましく、第一の絶縁層2及び第二の絶縁層4の両方がポリイミドを主成分とすることが特に好ましい。ここで絶縁層の主成分とするとは、絶縁信頼性及び耐熱性の効果を損なわれない限り、上記ポリイミドの他に、更に他の絶縁材料やその他の成分が添加されていても良い旨を表し、上記ポリイミドは50重量%超過で含まれる意味である。ポリイミドは、より好ましくは絶縁層の90重量%以上、より更に好ましくは絶縁層の95重量%以上で用いられることが好ましい。
第二の絶縁層は、低弾性体であること、または、線熱膨張係数が0ppmから40ppmの間であることが好ましく、5ppm〜30ppmの間であることが特に好ましい。この範囲からはずれればはずれるほど、第二の導体層に用いられる金属との線熱膨張係数の差が大きくなり前記積層体の平坦性が損なわれる。
なおここで、本発明における線熱膨張係数は、熱機械的分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度を10℃/min、加重を5gとして得られる値である。
感光性ポリイミドを用いた場合は、プロセスを短縮でき低コストで生産できるといったメリットがあり、非感光性のポリイミド又はポリイミド前駆体を用いた場合は、ポリイミド中に含まれる添加剤がない、または添加剤の量が少ないのでアウトガスの発生が抑制されるといったメリットがある。
本発明における帯電防止層5は、ポリイミドと導電性微粒子を含有し、前記第二の絶縁層4、前記第二の導体層3、及び前記第一の絶縁層2の3層に少なくとも接触し、且つ、第一の導体層、第一の絶縁層、第二の導体層、及び第二の絶縁層からなる積層体表面の全体ではなく、前記積層体表面の一部となるように形成されている。
本発明における帯電防止層5は、通常、少なくとも第二の絶縁層4の表面全体は覆うように、且つ、第二の絶縁層には被覆されずに露出されている第一の絶縁層2と第二の導体層3と接触するように設けられて、第二の絶縁層上のみならず、第一の絶縁層や第二の導体層上に帯電した静電気によっても電子回路部品の静電破壊を防止することができる。本発明における帯電防止層5は、前記第二の絶縁層4、前記第二の導体層3、及び前記第一の絶縁層2の3層に少なくとも接触するように設けられるが、第一の導体層1とも接触するように設けられることが、更に帯電防止性能を向上する点から好ましい。但し、本発明において帯電防止層は、低発塵、低アウトガス等の特性を向上する点から、前記積層体表面の全体ではなく、静電破壊防止の点から必要な所望の箇所のみ、積層体表面の一部となるように形成される。すなわち、本発明に係る電子回路部品においては、前記帯電防止層が、前記第一の導体層の前記第一の絶縁層が形成されている面と反対側の面には形成されていないことが好ましい。
また、本発明の帯電防止層は、表面抵抗率が1.0×105Ω/□以上、1.0×1010Ω/□以下であることが、磁気ヘッドの静電破壊を抑制する点から好ましい。表面抵抗率は、更に1.0×106Ω/□以上、1.0×108Ω/□以下であることが好ましい。
一般に同じ組成の帯電防止剤を用いた場合、厚みが厚いと表面抵抗が下がり、厚みが薄いと表面抵抗があがる傾向がある。表面抵抗率が1.0×105Ω/□未満だと配線間をショートさせてしまい、1.0×1010Ω/□超過だと帯電防止性能が不十分である恐れがある。従って、表面抵抗率が1.0×105Ω/□以上、1.0×1010Ω/□以下の範囲に入るように、適宜膜厚を設定することが好ましく、一般に0.01μm以上の厚みが必要である。また、前記積層体の平坦性を阻害しないように5μm以下にすることが好ましい。
なお、表面抵抗率は、JIS−K6911に準拠して、抵抗測定装置(三菱化学製ハイレスタUP MCP−HT450型)を用いて測定することができる。
ここで、平均粒径は、動的光散乱法、静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により計測することができる。光散乱法を利用できない場合には、透過型電子顕微鏡(TEM)等により得られる二次電子放出のイメージ写真からの目視やイメージ写真を画像処理することにより求めても良い。写真から平均粒径を求める場合には、粒子の長径から平均を求める。
分散性及びコストの観点からは、導電性微粒子の添加量は少ないほうが好ましく、帯電防止層中のポリイミドの固形分100重量部に対して、導電性微粒子は0.1重量部以上200重量部以下となる量を添加することが好ましい
帯電防止層に用いられるポリイミドは、第一の絶縁層及び/又は第二の絶縁層がポリイミドからなる場合に、それぞれ同一のポリイミドを用いても良いし、異なるポリイミドを用いても良い。帯電防止層に用いられるポリイミドは、前記積層体の平坦性を確保する点からは、第一の絶縁層及び/又は第二の絶縁層と同一のポリイミドを用いること、或いは、線熱膨張係数が同じ、または線熱膨張係数が近いポリイミドを用いることが効果的である。
閉環したポリイミドを用いると塗布後に溶媒を除去するのみで、前駆体のようにイミド化の工程を必要としないので、熱処理条件をより温和な条件で行えるというメリットもある。
ここで、全芳香族ポリイミド前駆体とは、芳香族酸成分と芳香族アミン成分の共重合、又は、芳香族酸/アミノ成分の重合により得られるポリイミド前駆体及びその誘導体である。また、芳香族酸成分とは、ポリイミド骨格を形成する4つの酸基が全て芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族アミン成分とは、ポリイミド骨格を形成する2つのアミノ基が両方とも芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族酸/アミノ成分とはポリイミド骨格を形成する酸基とアミノ基がいずれも芳香族環上に置換している化合物である。ただし、後述する原料の具体例から明らかなように、全ての酸基又はアミノ基が同じ芳香環上に存在する必要はない。
さらに、上記のジアミンにおいて、他のベンゼン環との結合に関与せず、ベンゼン環上のアミノ基が置換していない位置に置換基を有するジアミンも用いることができる。これら置換基は、1価の有機基であるがそれらは互いに結合していてもよい。
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観点より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の物性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ましくは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジアミンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外のジアミンを用いても良い。
上記溶解速度を測定する具体的手順としては、無アルカリガラス等の基板上に形成された高分子前駆体の塗膜を、25℃に調温され、撹拌された現像液(この場合0.1重量%TMAH水溶液または、2.38重量%TMAH水溶液)に一定時間、浸漬し、蒸留水でリンス後、乾燥させた後で測定した膜厚と、初期膜厚との差を、膜減り量とし、その膜減り量を、現像液に浸漬した時間で割ったものが、25℃における単位時間当たりの溶解速度ということになる。
ここで用いている分子量とは、公知の手法により得られる分子量であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値が例示される。この場合、ポリイミド前駆体そのものの分子量でも良いし、無水酢酸等で化学的イミド化処理を行った後のものでも良い。
感光性ポリイミドを用いる場合には、工程を短縮できる為、低コストで生産できるという利点がある。ポリイミドとして、感光性ポリイミド又は感光性ポリイミド前駆体を用いる場合には、導電性微粒子として金属酸化物を用いることが好ましい。炭素系微粒子を用いると、光を透過しにくい為、感度が低く生産性が悪い。一方で、金属酸化物微粒子は、光の透過性が良好なものが多く、感光性ポリイミドを用いたときに感度が良好となる。
また、本発明の帯電防止層が、HDD用サスペンションに用いられる場合には、シリコーン成分を含まないことが好ましい。
本発明に係る電子回路部品においては、前記帯電防止層が、少なくともポリイミド及び導電性微粒子を含む樹脂組成物を塗布することにより、前記積層体表面の一部となるように所望の形状で形成されていることが、発塵、及びアウトガスの抑制、及び製造コスト抑制の観点から好ましい。本発明においては、帯電防止層を所望の形状に形成可能なので、所望の箇所のみに帯電防止層を設けることができる。
得られたポリイミド前駆体のパターンは、加熱等の処理によりポリイミドとされる必要がある。加熱条件は230℃以上の450℃以下の条件で行う事が好ましく、250℃以上400℃以下で行うことが好ましい。温度が低いとイミド化が十分に進行せず、耐溶剤性や絶縁信頼性が不十分となる。温度が高すぎるとポリイミド自身が分解してしまい、膜強度が低下したり、絶縁信頼性が低下したりする。
[積層体の準備]
まず、第一の導体層、第一の絶縁層、第二の導体層、及び第二の絶縁層がこの順に、それぞれ所望の形状にパターン化されて形成されている積層体を準備する。この積層体において、第二の絶縁層は、ポリイミド前駆体を用いて形成され、当該ポリイミド前駆体からなるパターンを形成後、当該ポリイミドが完全にイミド化されていない状態であることが好ましい。
そのためには、まず、第一の導体層、第一の絶縁層、第二の導体層がこの順に形成され、第一の絶縁層、第二の導体層がそれぞれ所望の形状にパターニングされた基板を準備する。
基板上の所定の位置に、イミド化後の膜厚が、10μmとなるようにポリアミック酸を塗布、乾燥後、ポリアミック酸塗膜上にレジストを塗布し、乾燥させる。そこへ、所望の形状のパターンが形成されたマスクを介して紫外光を露光し、アルカリ水溶液で、レジスト層、ポリアミック酸層を一括して現像を行う。その後、150℃〜230℃の温度で30秒から60分程度加熱を行った後、アルカリ溶液によってレジスト層を剥離する。
この状態で、完全にはイミド化されていない第二の絶縁層を有する積層体となる。
この積層体は、帯電防止層の密着性向上の為、予めプラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理といった表面処理を施しても良い。特に、プラズマ処理の効果が顕著である。
本発明に適用されるプラズマ処理には低温プラズマが使用される。該プラズマ処理は、プラズマ系中の活性ラジカルによる化学反応、及び電界中で加速された正イオンのエネルギー及び熱を利用する処理である。本発明で使用できるプラズマ処理装置としては平行平板型RIE装置によるプラズマ処理が挙げられる。プラズマ処理装置の設定条件としては、圧力0.1〜100Pa、高周波電源として40kHz〜13.56MHz、プロセスガスとしては、ポリフルオロカーボン、無機ハロゲン、炭化水素、希ガス、O2 、H2 、N2 等のガスを単体、もしくは混合ガスを用い、処理時間としては、装置構成、処理面積、処理条件等によるが、0.01秒以上且つ30分以内程度である。
ポリイミド及び/又はポリイミド前駆体、導電性微粒子、添加剤等その他の成分を溶剤に溶解乃至分散させた帯電防止層形成用樹脂組成物を、上記で得られた積層体上の所望の位置に塗布し、乾燥させる。
積層体に対して、帯電防止層に接するようにレジスト層を形成する。この場合のレジスト層は、レジスト溶液を塗布・乾燥という工程で形成しても良いし、ドライフィルムレジストをラミネートする方法で形成しても良い。レジスト溶液を塗布する手法は材料コストが安価になる、薄膜の形成が可能といったメリットがあり、ドライフィルムレジストを用いる方法は、乾燥工程を必要としない、有機溶媒を使用しない、といったメリットがある。
レジストはネガ型でも、ポジ型でも特に限定されないが、水系の溶液で剥離できることが環境の面から好ましい。
レジスト層の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、0.5μm〜100μmとなるように形成される。
まず、前記レジスト層を選択的に露光する。これにより、レジスト層のうちネガ型の場合、露光された部分の現像液に対する溶解性が、不溶・又は難溶性に変化する。レジスト層がポジ型の場合、露光部の現像液に対する溶解性が可溶性に変化する。
選択的に露光する方法としては、例えば、マスクを介して投影露光する方法等が挙げられる。露光工程に用いられる露光方法や露光装置は特に限定されることなく、密着露光でも間接露光でも良くステッパー、スキャナー、アライナー、密着プリンター、レーザー、電子線描画等、公知のあらゆる手段を用いることができる。
次に、パターン露光されたレジスト層を現像液に浸漬させることにより、レジスト層、及び帯電防止層を一括して現像を行い、所望のパターンとなった、帯電防止層及びレジスト層を得る。
レジスト層の現像は、用いるレジストに対応した現像液を用い、その推奨条件で行うのが好ましく、特に限定されない。レジストの現像液に帯電防止剤層が溶出しない場合には、レジスト層のパターニングの後に、レジスト層の開口部に露出した帯電防止層を、アルカリ水溶液等の帯電防止層が溶解する溶液で現像する。
しかし、廃棄物処理の観点、及び工程短縮から、後述の剥離工程と同様に、塩基性水溶液による現像がこのましい。特に有機アルカリ水溶液による現像が好ましく、その中でも水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液が好ましい。濃度は、0.01重量%〜70重量%の間が好ましい。0.01重量%未満であるとネガ型レジストの露光部の溶解性が乏しく現像がうまくできない。70重量%を超えると未露光部が膨潤し目的のパターンを得にくくなる。
現像方法は、ディップ法でもスプレー法でも、液中スプレー法でも良く、特に限定されない。
その後、帯電防止層中のポリイミド前駆体が部分的にイミド化可能な加熱、例えば、60℃〜230℃の温度で1秒以上100分以下の加熱を行った後、レジストパターンを剥離することにより帯電防止層パターンを得ることができる。加熱温度が低ければ低いほど、レジスト剥離をより温和な条件で行うことが可能となり、剥離の際に帯電防止層の劣化を抑制できる。
レジスト層の剥離としては、レジストが膨潤して剥離する場合と、溶解して剥離される場合、その両方が組み合わさった場合がある。
水溶性アミンの水に対する濃度は、0.01重量%〜30重量%の間が好ましく、0.5〜20重量%の間がより好ましい。0.01重量%未満であるとレジストの露光部の溶解性が乏しくレジストパターンの剥離がうまくできない。30重量%を超えると帯電防止層パターンが膨潤したり、溶出したりして目的の帯電防止層パターンを得にくくなる。
これら1〜4級アミンは、置換基を有していてもよく、特に、水酸基を有する脂肪族アミンが剥離に対して有効である。具体的には、上記塩基性水溶液で述べたようなアミンなどが例示されるが特に限定されない。
通常剥離は、剥離液が液体の状態で存在できる温度で行うが、剥離に要する時間を短縮させるには、剥離液の温度をより高くすることが好ましい。アミン等の塩基性物質を含有する組成物の温度は、通常0℃以上100℃以下で、レジスト層を剥離する。剥離液が水溶液の場合は、0℃〜95℃の間が好ましく、10℃〜85℃がさらに好ましく、20℃〜70℃の間がさらに好ましい。0℃未満であると、剥離に時間を要し、95℃を超えると、剥離液が揮発しやすくなり、内容物の濃度が変化しやすい、さらには帯電防止層パターンに対してダメージを与えやすくなる、といった問題がある。
剥離方法は、ディップ法でもスプレー法でも、液中スプレー法でも良く、特に限定されない。
イミド化は、上記のように230℃以上450℃以下の温度で行うことが好ましく、250℃以上400℃以下の温度で行うことがさらに好ましい。時間は、1分から300分の間が好ましい。この場合、加熱をする装置によって最適な時間は異なる。循環オーブンの場合は比較的時間を要し、熱風炉のような過熱の熱容量の大きな器具を用いると加熱時間を短縮できる。加熱のときは導体層及び帯電防止層の酸化防止のために、窒素や真空などの不活性雰囲気下が行うことが好ましい。具体的には酸素濃度が100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましい。
以上の例のように、帯電防止層及び第二の絶縁層を一括してイミド化することにより、帯電防止層及び第二の絶縁層が一体化して界面の密着が強固となる。
このようにして、積層体に所望の位置に帯電防止層のパターンを形成することができる。
本発明に係るハードディスクドライブ用サスペンションは、前記本発明に係る電子回路部品の構成を有するものである。本発明に係るハードディスクドライブ用サスペンションは、ハードディスクドライブの磁気ヘッドを支持している部品である。
本発明に係るハードディスクドライブ用サスペンションは、前記本発明に記載の帯電防止層を有することにより、各種部品の実装時の静電気による静電破壊を抑制できる。ハードディスクドライブ用サスペンションにおいては、例えば、端子接続部などに帯電防止層が形成されてはいけないが、本発明においては所望の箇所のみに帯電防止層を形成することが可能であるため、特に好適に静電破壊を防止されたハードディスクドライブ用サスペンションを得ることができる。
本発明のハードディスクドライブ用サスペンション101は、金属基板10と、当該金属基板10上に形成されたポリイミドパターンである絶縁層20と、当該絶縁層20上に当該絶縁層20の一部が露出するように形成された配線層30と、当該絶縁層20及び配線層30上にそれらの一部が露出するように形成された配線保護層40とを備えた積層体を含有する。前記金属基板10は、通常、配線、及び/または支持体であってバネの役割を担うものである。配線保護層40は、ポリイミドパターンであって、配線層間を絶縁しつつ配線層を保護する役割を担い、図3の平面図に示されるように、絶縁層20及び配線層30の一部が露出するように形成されている。この露出される一部は、ハードディスクドライブ用サスペンションの端子接続部や、屈曲部などが挙げられる。そして、ポリイミドと導電性微粒子を含有している帯電防止層50が、当該配線保護層40、当該配線層30、及び当該絶縁層20の3層に少なくとも接触し、且つ前記積層体表面の全体ではなく、前記積層体表面の一部となるように形成されている。
次に、配線の形状の開口部に銅めっきを行った後、レジストを剥離する。その後、基板の裏面をマスクし、希塩酸水溶液等を用い、銅配線及びシード層の表層をエッチングする。ここで、シード層が露出している部位を完全に除去すると、独立した銅配線層が形成された基板となる。次に当該銅配線層が形成された基板上に、所望の形状でポリイミドパターンを形成し、配線保護層40を形成する。さらにその後に、帯電防止層50を、上述の電子回路部品における帯電防止層の箇所で説明したように形成する。
(製造例1:ポリイミド前駆体1の調製)
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 0.96g(4.8mmol)とパラフェニレンジアミン 0.13g(1.2mmol)を50mlの3つ口フラスコに投入し、5mlの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ窒素気流下、氷浴で冷却しながら撹拌した。そこへ、少しずつピロメリット酸二無水物 1.31g(6mmol)を添加し、添加終了後、氷浴中で5時間撹拌し、ポリイミド前駆体溶液1を得た。
トーカブラック#5500(東海カーボン製カーボンブラック、平均粒径25nm)3g、 製造例1で得られたポリイミド前駆体1 27g、 NMP 270gを粒径2mmのジルコニアビーズを用いてペイントシェーカーによって2時間処理した後、ジルコニアビーズを加圧濾過することで、帯電防止層形成用樹脂組成物1を調製した。
ステンレス箔(新日本製鉄製SUS304 H−TA;厚さ20μm)からなる金属基板上に、低膨張性ポリイミドからなる絶縁層が設けられ、絶縁層上に更に電解銅箔(厚さ10μm)が設けられた積層材料を得た。前記低膨張性ポリイミドとしては、ポリイミド前駆体溶液1を塗布、乾燥後、350℃1時間窒素中で加熱することにより得られるポリイミドを用いた(線熱膨張係数 21ppm)。低膨張性ポリイミドの厚さは、約10μmに調整し、熱膨張率は積層体としたときに反りが発生しないように調整してある。低膨張性ポリイミドは以下に示すポリイミドエッチング液に対し、良好なエッチング特性を示しそのエッチングレートが1μm/min〜15μm/minの間に入るものを用いた。
製造例1で得られたポリイミド前駆体1の20wt%NMP溶液をその積層体の配線層及び絶縁層上にバーコートし、乾燥後15±2μmになるように塗布し、熱風循環式オーブンで80℃で、30分乾燥させた。その後、厚み38μmのアルカリ現像型ドライフィルムレジスト302J38E(ニチゴーモートン製)を真空ラミネーターで0.5MPaに減圧し、熱板の表面の温度70℃で、15分室温で放置し、ポリイミド前駆体の膜上にネガ型レジスト膜が形成された基板を作成した。
上記の手法で得られたネガ型レジスト層とポリイミド前駆体層が積層されたパターンが形成された基板を、200℃で4分、コンベア式オーブンで加熱した。
そのサンプルを、60℃の9:1:90の2−アミノエタノール:サーフィノール104A(日信化学工業製):蒸留水という混合比で作製した剥離液に7分浸漬し、その後、蒸留水でリンスを行い、ネガ型レジストパターンのみ剥離し、配線保護層として上記絶縁層及び上記配線層の端部が露出するようにポリイミドパターンが形成されたHDDサスペンション用積層体を得た。当該配線保護層であるポリイミドパターンは、ポリイミド化が完全には行われていない状態である。
PPY−12(丸菱油化製、ポリピロール系樹脂)9g、 FINTEX ES−2200(大日本インキ製、水溶性ポリエステル溶液)8g、 水86gを300mlの三角フラスコ中で混合し、帯電防止層形成用比較樹脂組成物1を調製した。
製造例3で作成した積層体の、絶縁層、配線層、配線保護層が形成されている面のみ全面に、帯電防止層形成用樹脂組成物1をイミド化後の最終膜厚が500nmになるように塗布し、熱風循環式オーブンで80℃で、30分乾燥させた。積層体の、絶縁層、配線層、配線保護層が形成されている面と反対側のステンレス箔表面には帯電防止層形成用樹脂組成物1を塗布していない。その後、厚み38μmのアルカリ現像型ドライフィルムレジスト302J38E(ニチゴーモートン製)を真空ラミネーターで0.5Mpaに減圧し、熱板の表面の温度70℃で、ラミネートし、15分室温で放置することで、帯電防止層上にネガ型レジスト膜が形成された積層体を作成した。
次に手動露光装置(大日本スクリーン株式会社製、MA−1200)を用いて、所望のパターンが描かれたフォトマスクを介して50mJ/cm2 (i線換算)で露光し、0.8wt%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(液温25度)を用いてコンベア式スプレー現像装置を用い、ネガ型レジストの現像を行い、その後、蒸留水によってリンスを行い温風乾燥させ配線保護層のポリイミドパターン、銅配線、絶縁層ポリイミドパターン、ステンレス箔が露出するような開口部を有するレジストパターンを得た。
そのサンプルを、60℃の9:1:90の2−アミノエタノール:サーフィノール104A(日信化学工業製):蒸留水という混合比で作製した剥離液に7分浸漬し、その後、蒸留水でリンスを行い、ネガ型レジストパターンのみ剥離した。その後、窒素雰囲気下、350℃1時間加熱し、配線保護層及び帯電防止層に残っていたポリイミド前駆体を完全にイミド化し、所望の形状に帯電防止層が形成された積層体を得た。
上記の処理の後、製造例3の配線層の形成と同様にステンレス箔を所望のパターンにエッチングすることにより、ステンレス箔/ポリイミドパターンからなる絶縁層/配線層/ポリイミドパターンからなる配線保護層/帯電防止層がこの順に積層された帯電防止層付きサスペンションを作成した。得られたサスペンションの配線の密着強度は良好であった。
製造例3で作成した積層体を、窒素気流下350℃、60分加熱処理して、配線保護層のポリイミド前駆体を完全にイミド化した積層体を得た。当該積層体上に厚み38μmのアルカリ現像型ドライフィルムレジスト302J38E(ニチゴーモートン製)を真空ラミネーターで0.5MPaに減圧し、熱板の表面の温度70℃で、15分室温で放置することで、配線保護層のポリイミドの膜上にネガ型レジスト膜が形成された積層体を作製した。
次に手動露光装置(大日本スクリーン株式会社製、MA−1200)を用いて、所望のパターンが描かれたフォトマスクを介して50mJ/cm2 (i線換算)で露光し、0.8wt%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(液温25度)を用いてコンベア式スプレー現像装置を用い、ネガ型レジストの現像を行い、その後、蒸留水によってリンスを行い温風乾燥させ配線保護層のポリイミドパターン、銅配線層、絶縁層のポリイミドパターン、ステンレス箔が露出するような開口部を有するレジストパターンを得た。
そのパターン上から、比較製造例1で調製した帯電防止層形成用比較樹脂組成物1を、所望の形状に開口部を有するステンレス製マスクを介して、前記配線保護層の全面を覆い、配線層、絶縁層、ステンレス箔の絶縁層が積層されている側の表面に接触する箇所のみに乾燥後膜厚500nmになるように塗布し、160℃3分間の熱処理を行った。ステンレス箔の絶縁層が積層されていない側の表面には帯電防止層形成用比較樹脂組成物1は塗布していない。
そのサンプルを、60℃の9:1:90の2−アミノエタノール:サーフィノール104A(日信化学工業製):蒸留水という混合比で作製した剥離液に7分浸漬し、その後、蒸留水でリンスを行い、ネガ型レジストパターンのみ剥離し、所望の形状に帯電防止層が形成されたサスペンションを得た。
(1)帯電防止性評価
実施例1及び比較例1と同様の手法で、以下のような表面抵抗測定用サンプルを形成した。5cm×5cmの第一の導体層、第一の絶縁層、第二の導体層からなる積層体から、第二の導体層を全面剥離し、露出した第一の絶縁層上の全面に、製造例1のポリイミド前駆体を用いた配線保護層を形成し、当該配線保護層のポリイミド上に帯電防止層を500nmの厚みで形成し、表面抵抗測定用サンプルを得た。
表面抵抗率は、JIS−K6911に準拠して、抵抗測定装置(三菱化学製ハイレスタUP MCP−HT450型)を用いて測定した。
その結果、実施例1は3.8×107Ω/□であった。また、比較例1は、9.6×105Ω/□であった。
帯電防止層形成用樹脂組成物1をイミド化後の最終膜厚が20μmになるように、厚み18μmの電解銅箔上に、塗布し、熱風循環式オーブンで80℃で、30分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下350℃1時間加熱し、60℃に加温した塩化第二鉄水溶液によって銅箔を除去することにより、帯電防止層形成用樹脂組成物1をイミド化したフィルムを得た。
そのフィルムを、5mm幅に切り出し、熱機械的分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度を10℃/min、加重を5gとして測定したところ、線熱膨張係数は、22ppmであった。
実施例1及び比較例1で作成した帯電防止層付サスペンションについて、以下の手順で、発塵量を測定した。 比較のために、帯電防止層を形成していない製造例4の積層体も併せて測定した。
予め濾過した蒸留水(以下ブランクとする)及び十分に洗浄したビーカー、ピンセットを準備した。
実施例1の工程を用いて得られた各帯電防止層付きサスペンションから無作為に選んだサンプル(各4個分)を、ビーカーに入れ、一定量のブランクを注ぎ、超音波照射装置内に置き、超音波を1分間照射した(抽出)。超音波照射後、装置からビーカーを取出し、サンプルをピンセットで取り出した。取り出した後の抽出液30mlを、HIAC/ROYCO社製液体用自動微粒子測定装置、吸引方式セミオートサンプリング装置、レーザーダイオード光遮断方式センサを装備した測定装置にセットし、パーティクル量を測定した。サンプルを入れずに同様の測定を行った結果をブランク値とした。測定装置の洗浄は測定毎に行った。測定値からブランク値を差し引いたものをサンプル測定結果とした。測定は、一つのサンプルあたり5回行い、その平均値を最終測定結果とした。上記のようにして得られた帯電防止処理済サンプルAと未処理サンプルBの測定値を下記の表1に示す。各サンプル欄のパーティクル量はサンプル(各4個分)の平均を示す。
比較例1で得られたサンプルについては、帯電防止層の一部が蒸留水に溶出してしまった為、測定が不可能であった。
実施例1及び比較例1で作成したサンプル1ピース(50mm×5mm)を10ピース分、窒素雰囲気下250℃1時間加熱し、発生したガスを、パージアンドトラップ法により、−40℃に冷却した吸着管で捕集した後、吸着管を255℃30秒加熱し、気化したガスをGC−MS(株式会社島津製作所製 QP−5000)を用いて分析した。
その結果、実施例1で作成したサンプルからは、アウトガスが検出されなかった。一方で、比較例1で作成したサンプルからは、水溶性ポリエステル由来の分解物と推測される成分が検出された。
2 第一の絶縁層
3 第二の導体層
4 第二の絶縁層
5 帯電防止層
10 金属基板
20 絶縁層
30 配線層
40 配線保護層
50 帯電防止層
100 電子回路部品
101 ハードディスクドライブ用サスペンション
Claims (15)
- 第一の導体層と、当該第一の導体層上に形成された第一の絶縁層と、当該第一の絶縁層上に当該第一の絶縁層の一部が露出するように形成された第二の導体層と、当該第一の絶縁層及び当該第二の導体層上にそれらの一部が露出するように形成された第二の絶縁層とを備えた積層体を含有する電子回路部品であって、当該第二の絶縁層、当該第二の導体層、及び当該第一の絶縁層に少なくとも接触し、且つ前記積層体表面の一部となるように帯電防止層が形成されており、当該帯電防止層が、ポリイミドと導電性微粒子を含有しており、前記第一の絶縁層及び前記第二の絶縁層中にそれぞれポリイミドが90重量%以上含まれ、且つ、前記第一の絶縁層におけるポリイミドと前記第二の絶縁層におけるポリイミドと前記帯電防止層におけるポリイミドとが同一のポリイミドであることを特徴とする電子回路部品。
- 前記帯電防止層の厚みが0.01μm以上5μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の電子回路部品。
- 前記帯電防止層の表面抵抗率が1.0×105Ω/□以上、1.0×1010Ω/□以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子回路部品。
- 前記導電性微粒子が、金属酸化物微粒子、及び/又は、炭素系微粒子であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに電子回路部品。
- 前記導電性微粒子の平均粒径が、1nm以上、1μm以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の電子回路部品。
- 前記帯電防止層の線熱膨張係数が0ppm以上、40ppm以下であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の電子回路部品。
- 前記第二の導体層が、銅又は銅を含む合金によって形成されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の電子回路部品。
- 前記第一の導体層がステンレスからなることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の電子回路部品。
- 前記帯電防止層が、ポリイミド及び/又はポリイミド前駆体、及び導電性微粒子を含む樹脂組成物を塗布して形成されていることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の電子回路部品。
- 前記帯電防止層が、前記樹脂組成物をスクリーン印刷法によって塗布して形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の電子回路部品。
- 前記帯電防止層が、前記樹脂組成物をインクジェット法によって塗布して形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の電子回路部品。
- 前記帯電防止層が、塗布、乾燥後にフォトリソグラフィー法によってパターンを形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の電子回路部品。
- 前記第二の絶縁層がポリイミド前駆体を用いて形成され、当該ポリイミド前駆体からなるパターンを形成後、完全にポリイミド化する前に、当該第二の絶縁層上に前記帯電防止層がポリイミド前駆体及び導電性微粒子を含む樹脂組成物を用いて形成され、当該樹脂組成物からなるパターンを形成後、前記第二の絶縁層中のポリイミド前駆体と前記帯電防止層中のポリイミド前駆体を同時にイミド化することにより得られたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の電子回路部品。
- 前記帯電防止層が、前記第一の導体層の前記第一の絶縁層が形成されている面と反対側の面には形成されていないことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれかに記載の電子回路部品。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載の電子回路部品の構成を有する、ハードディスクドライブ用サスペンション。
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