JP3837702B2 - フレキシブルプリント回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置のヘッドサスペンションアッセンブリに用いられるフレキシブルプリント回路基板に関する。詳しくは、高性能な磁気ヘッドを用いてヘッドサスペンションアッセンブリを構成する際にも磁気ヘッドの静電破壊を十分に防止することが可能なフレキシブルプリント回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、記憶装置として広く使用されている磁気ディスク装置は、一般に、記録媒体である磁気ディスクと、該磁気ディスクを回転させるスピンドルモータと、磁気ヘッドを含むヘッドサスペンションアッセンブリと、該ヘッドサスペンションアッセンブリを支持するキャリッジアームと、該キャリッジアームを移動させるサーボ装置と、電気信号を処理する基板ユニットとを主要な構成品として成る。
【0003】
そして前記ヘッドサスペンションアッセンブリは、情報を再生記録するための磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを戴置する金属製で板状のサスペンションと、一方の端部でサスペンションに連結するフレキシブルプリント回路基板から構成される。該ヘッドサスペンションアッセンブリでは、予めサスペンション上に固定配線を形成し、該固定配線の磁気ヘッドと反対側の端部でパッド部を露出させ、そして該パッド部をフレキシブルプリント回路基板中に形成された導体回路と接続することによって、磁気ヘッドと基板ユニットとの間を中継する。
【0004】
このような構成のヘッドサスペンションアッセンブリにおいて問題となるのは、磁気ヘッドの静電破壊(ESD:electrostatic discharge)である。特に、その内部に形成される導体回路同士を絶縁するために例えばプラスチック等の絶縁材料からなるフレキシブルプリント回路基板は、取扱い時の摩擦により非常に帯電し易く、そして帯電したフレキシブルプリント回路基板に磁気ヘッドを取付けると、磁気ヘッドに向けた急激な放電が生じて磁気ヘッドの静電破壊が生じることとなる。静電破壊には、磁気ヘッドが有する絶縁膜の破壊(ハードESD)や磁気ヘッドの性能の劣化(ソフトESD)が挙げられるが、どちらも好ましくなく、ヘッドサスペンションアッセンブリ製造の歩留まりを低下させる大きな原因である。この問題は特に、薄い絶縁膜を有するMR(magnetoresistive)ヘッドおよびGMR(giant magnetoresistive)ヘッドにおいて大きな問題となっている。
【0005】
磁気ヘッドの静電破壊を防止する技術としては、特開平11−250434号公報に開示のものが挙げられる。該公報に開示される磁気ディスク装置用ヘッドサスペンションアッセンブリは、磁気ヘッドと基板ユニットとを接続するフレキシブルプリント回路基板が、ベース層と、ベース層上に形成された導体パターンと、導体パターンを被覆したカバー層と、カバー層上に形成された導電層とからなることを特徴とする。このような構成のフレキシブルプリント回路基板を採用することにより、摩擦帯電した静電気が導電層を通して放電し、それにより静電破壊を防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、磁気ディスク装置の記録密度の増大に伴い、磁気ヘッドの高性能化、特に再生出力の増大が必要となってきている。そして既存のMRヘッドおよびGMRヘッドより大きな再生出力を発生することができる磁気ヘッドとして、スペキュラ型のスピンバルブ膜を利用するGMRヘッド等が提案されている。しかしながら、このような高性能磁気ヘッドは極めて薄い絶縁膜を用いており、そのため従来の磁気ヘッドと比較して格段に静電破壊し易い。
【0007】
また、従来型のヘッドサスペンションアッセンブリでは、先ず磁気ヘッドとフレキシブルプリント回路基板のサスペンション側端部との間を、一般にポリイミド層の間に銅箔層が挟まれた構造を有する固定配線によって中継し、そしてフレキシブルプリント回路基板のサスペンション側端部と基板ユニットとの間を、フレキシブルプリント回路基板中に形成された導体回路で中継しており、つまり磁気ヘッドと基板ユニットとの間は合計二つの部材で中継していた。そのため、ヘッドサスペンションアッセンブリの製造時に、固定配線とフレキシブルプリント回路基板中の導体回路とをハンダ付け等により接続する必要があった。ところが、100Gビット/平方インチ級の記録密度を達成する磁気ディスク装置に用いられる高性能磁気ヘッドの絶縁膜は、そのような接続作業の際に生じる微小な静電気によっても静電破壊され得るほど静電気に対して敏感になると予想されている。
従って、上記のような高性能磁気ヘッドを用いる場合においても、磁気ヘッドの静電破壊を起こさない構成のヘッドサスペンションアッセンブリの開発が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ステンレス層と、ベース層と、導体回路と、カバー層とを積層してなるフレキシブルプリント回路基板を磁気ヘッド取付部分まで延長して、磁気ヘッドと基板ユニットとを直接に中継し、そして少なくともステンレス層の下側およびカバー層の上側に導電性ポリマーからなる導電ポリマー層を形成することにより、製造時の摩擦等により発生した静電気を該導電ポリマー層を通して放電すること、および従来のヘッドサスペンションアッセンブリ製造において必須であった固定配線とフレキシブルプリント回路基板中の導体回路との接続を省略することが可能となり、その結果、従来の磁気ヘッドより静電破壊に弱い高性能磁気ヘッドを用いた場合においても、静電気による磁気ヘッドの破壊および性能低下の発生を十分に抑制し得るヘッドサスペンションアッセンブリが提供できることを見出して本発明を完成した。
【0009】
従って、本発明は、
磁気ディスク装置のヘッドサスペンションアッセンブリにおいて、サスペンション上に戴置される磁気ヘッドとキャリッジアーム基端部の接続端部とを直接に中継するフレキシブルプリント回路基板であって、
前記フレキシブルプリント回路基板は、ステンレス層と、該ステンレス層上に形成されたベース層と、該ベース層上に形成された導体回路と、該導体回路を被覆するカバー層と、少なくとも該ステンレス層の下側および該カバー層の上側に形成された導電ポリマー層とを備えてなることを特徴とするフレキシブルプリント回路基板
に関する。
【0010】
前記フレキシブルプリント回路基板において、前記ベース層および前記カバー層の双方をポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂から製造し、そして前記導電ポリマー層をポリピロール系樹脂から形成すると、ポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂とポリピロール系樹脂との高い混和性により、導電ポリマー層の形成時にポリピロール系樹脂がポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂に浸透し、その結果、導電ポリマー層の密着性が向上する。
従って、本発明はまた、
前記ベース層および前記カバー層はポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂からなり、そして前記導電ポリマー層はポリピロール系樹脂からなることを特徴とする、前記フレキシブルプリント回路基板
に関する。
【0011】
前記導電ポリマー層に必要な強度を与える観点から、導電ポリマー層の膜厚は0.01ないし0.1μm、特に0.03ないし0.05μmであることが好ましい。0.1μmを超える厚みになると、サスペンション自体の重量が大きくなってしまい、磁気ヘッドの浮上性能に悪影響を与える可能性がある。また前記フレキシブルプリント回路基板が静電気を逃がすのに十分な導電性を有する観点から、フレキシブルプリント回路基板の表面抵抗率は105ないし1011Ω、特に106ないし108Ωであることが好ましい。
それ故、本発明は、
前記導電ポリマー層の膜厚は、0.03ないし0.05μmであることを特徴とする、前記フレキシブルプリント回路基板、および
表面抵抗率は106ないし108Ωであることを特徴とする、前記フレキシブルプリント回路基板
にも関する。
【0012】
本発明のフレキシブルプリント回路基板は、ステンレス層の下側およびカバー層の上側の二面に導電ポリマー層を有する。従って、どちらか一面にしか導電ポリマー層を有しないものと比較して、生じた静電気は非常に容易に放電し、その結果、フレキシブルプリント回路基板の帯電電位を大幅に低減することが可能となる。また、同じ導電性を付与しようとする場合、本発明のフレキシブルプリント回路基板に設けられる導電ポリマー層の厚さは、一面にしか導電ポリマー層を有さないものの約半分とすることができる。
【0013】
また本発明のフレキシブルプリント回路基板は、サスペンションの磁気ヘッド取付部分まで延長されて磁気ヘッドと回路ユニットとを直接に中継している。即ち、本発明のフレキシブルプリント回路基板は、従来のヘッドサスペンションアッセンブリにおける固定配線と中継フレキシブルプリント回路基板の役割を、一つの部材で果たすものである。また別の観点からすると、本発明のフレキシブルプリント回路基板を用いて構成したヘッドサスペンションアッセンブリは所謂ロングテールサスペンション型であり、従来のヘッドサスペンションアッセンブリにおける固定配線を基板ユニット側に延長して、従来の中継フレキシブルプリント回路基板を省略した構成を有すると考えることもできる。このような構成のフレキシブルプリント回路基板を用いることにより、ヘッドサスペンションアッセンブリ製造時の固定配線とフレキシブルプリント回路基板との接続作業を省くことができ、該作業により生じる静電気に起因した磁気ヘッドの静電破壊を防止することができる。
【0014】
本発明のフレキシブルプリント回路基板では、導電性を付与するために導電ポリマー層を用いる。該導電ポリマー層は導電性ポリマーから形成され、そして低分子量のイオン性物質を含まないので、イオン性物質がベース層、カバー層等に浸透して汚染することが無く、また低湿度でも十分な導電性を発揮することができる。
【0015】
本発明のフレキシブルプリント回路基板に設ける導電ポリマー層は、少なくともカバー層の上側およびベース層の下側に形成すれば良く、フレキシブルプリント回路基板の周囲全体に形成することもまた可能である。従って導電ポリマー層の形成には、例えば、予め製造したステンレス層、ベース層、導体回路、およびカバー層からなる積層体を、モノマーと酸化重合剤とを含む処理液中に浸漬して重合し、該積層体の表面に導電ポリマー層を形成する方法を用いることができ、モノマーの塗布工程、および塗布したモノマーの硬化工程を含む従来の煩雑な方法を用いる必要はない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。図1は本発明のフレキシブルプリント回路基板を使用したヘッドサスペンションアッセンブリの一態様を図示する平面図であり、そして図2は図1のA−A’線断面図である。
【0017】
本発明のフレキシブルプリント回路基板1を用いたヘッドサスペンションアッセンブリaは、フレキシブルプリント回路基板1と、磁気ヘッド2と、サスペンション3からなる。また、フレキシブルプリント回路基板1の磁気ヘッド2と接続する側と反対の端部には、磁気ヘッド2が再生記録する信号を処理する基板ユニットと接続されることとなる基端部側接続端部4が設けられている。磁気ディスク装置においては、ヘッドサスペンションアッセンブリa全体がキャリッジアームにより支持されることとなる。
【0018】
本発明のフレキシブルプリント回路基板1は全体として細長の形状を有し、サスペンション3の上を磁気ヘッド2まで延長して形成されている。これは、従来のヘッドサスペンションアッセンブリにおける中継フレキシブルプリント回路基板が、サスペンションと接する部分までしか設けられていなかったことと対照的である。また、フレキシブルプリント回路基板1のサスペンション3への取付けは、例えばスポット溶接、接着等、好ましくは超音波融着により行われる。
【0019】
磁気ヘッド2は、磁気ディスク装置において磁気ディスクに記録された情報を再生するためおよび/または磁気ディスクに情報を記録するための磁気ヘッドであり、通常四つの電極(図示しない。)が設けられている。また、磁気ヘッド2はあらゆる種類のものを採用可能であり、例えば、MRヘッドおよびGMRヘッド、さらにスペキュラ型のスピンバルブ膜を利用するGMRヘッド等であることができる。
【0020】
サスペンション3はその先端で磁気ヘッド2を支持する変形可能な板状部材であり、一般に厚さ約60ないし70μmの金属板からなる。磁気ディスク装置の作動時には、磁気ヘッド2は磁気ディスクから一定の間隔で浮上して磁気ディスクと非接触の状態で記録再生を行うこととなるが、サスペンション3が変形可能であることにより、磁気ヘッド2が浮上する間隔を所定の量に維持することができる。
【0021】
フレキシブルプリント回路基板1は、一方の端部で磁気ヘッド2と直接に接続され、そして他方の端部には基端部側接続端部4が設けられている。このようにフレキシブルプリント回路基板1が磁気ヘッド2と基板ユニットとを直接に中継することにより、従来のヘッドサスペンションアッセンブリにおける固定配線と中継フレキシブルプリント回路基板とを一つの部材に置き換えることができる。従って、本発明のフレキシブルプリント回路基板1を用いることにより、従来のヘッドサスペンションアッセンブリ製造時に必須であった固定配線と中継フレキシブルプリント回路基板中の導体回路との接続を省略することができる。
【0022】
図1および図2で図示される態様の本発明のフレキシブルプリント回路基板1は、ステンレス層11と、ベース層12と、導体回路13と、カバー層14からなる積層体であって、さらにステンレス層11の下側およびカバー層14の上側を含む該積層体の周囲全体に導電ポリマー層15が形成されていることを特徴とする。
【0023】
ステンレス層11は薄いステンレス箔からなり、フレキシブルプリント回路基板に一定の強度を付与するために設けられる。その厚さは、サスペンション3に用いられる金属板より薄く、約40ないし50μmである。
【0024】
ベース層12は、通常のフレキシブルプリント回路基板においてベース層として用いられる非導電性の材料によりステンレス層11の上に形成される。該材料としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0025】
ベース層12の上に形成する導体回路13は例えば銅からなり、磁気ヘッド2に設けられる電極の数に対応して4本形成される。
【0026】
カバー層14は、導体回路13が空気に曝されて酸化や腐食を生じることを防ぐために、また導体回路13間を確実に絶縁するために、導体回路13の形成の後、ベース層12の上に形成される。また同時に導体回路12への配線の際にソルダーレジストとして働くこともできる。カバー層14もまた通常のフレキシブルプリント基板において用いられる非導電性の材料より製造され、その例はベース層12について例示したものと同じである。
【0027】
導電ポリマー層15は、ステンレス層11、ベース層12、導体回路13およびカバー層14からなる積層体について、ステンレス層11の下側およびカバー層14の上側を含むその周囲全体を取り囲んでいる。導電ポリマー層15は導電性を有する電子共役系ポリマーからなり、例えば分子構造中に共役二重結合を有しかつ酸化によって重合し得るモノマーを重合することによって形成される。該モノマーの代表例は5員複素環式化合物であり、ピロール、チオフェン、フラン、インドールまたはそれらの誘導体、例えばN−メチルインドール、3−メチルチオフェン、3−メチルフラン、3−メチルインドール等が好ましい。
導電ポリマー層15の膜厚は0.01ないし0.1μm、特に0.03ないし0.05μmであることが好ましく、またフレキシブルプリント回路基板1の表面抵抗率が105ないし1011Ω、特に106ないし108Ωとなるように、導電ポリマー層15を形成することが好ましい。
【0028】
ベース層12およびカバー層14の材料と導電ポリマー層15の材料とを双方が大きな混和性を示す組み合わせとなるように選択すると、導電ポリマー層15の形成時に導電ポリマー層15の材料がベース層12およびカバー層14に浸透し、その結果、導電ポリマー層15の密着性が向上する。この効果を達成することができる材料の組み合わせとしては、ベース層12およびカバー層14の材料としてポリイミドまたはエポキシを選択し、導電ポリマー層15の材料としてポリピロールを選択した組み合わせが挙げられる。
【0029】
本発明のフレキシブルプリント回路基板1の製造は、予め製造したステンレス層11、ベース層12、導体回路13およびカバー層14からなる積層体の表面に、導電ポリマー層15を形成することにより簡単に行うことができる。
【0030】
フレキシブルプリント回路基板1の製造は、所定の形状を有するステンレス層11の上に、例えばポリイミドワニスを塗布することによりベース層12を形成することから始める。次ぎに、そうして得られたベース層12の上に、好適にはリソグラフィー法により、所望のパターンを有する導体回路13を形成する。そして導体回路13の形成後、その上にカバー層14を形成する。カバー層14の形成には塗布・乾燥からなる単純な方法を用いることができるが、カバー層14がソルダーレジストの役割を果たし、接続端部となる部分等を除いた特定の範囲にのみ形成する必要がある場合には、リソグラフィー法によって形成される。これらの作業の間に、金メッキを行うことも適宜可能である。
【0031】
導電ポリマー層15の形成は、例えば特開昭62−140313号広報に記載の方法に従って行うことができる。この方法では、ステンレス層11、ベース層12、導体回路13およびカバー層14からなる積層体を、電子共役系ポリマーを形成し得るモノマーと酸化重合剤を含む処理液中に浸漬し、積層体表面上で該モノマーを重合させて導電ポリマー層15を形成する。
この形成方法において、導電ポリマー層15の厚さを薄くするために、処理液中のモノマー濃度は低く維持すべきであり、5×10-3ないし1モル濃度程度が好ましい。またモノマーが急激に重合して微粒子状の重合体が生成し、該重合体が汚染パーティクルとなることを避けるために、前記重合は低い反応温度、例えば−20ないし30℃、特に0ないし20℃で行うことが好ましい。さらに均一な導電ポリマー層15を形成する観点および導電ポリマー層15の密着性向上の観点より、導電ポリマー層15の形成の前に、フレキシブルプリント回路基板表面をコロナ処理、プラズマ処理等により前処理することが好ましい。
【0032】
処理液中に浸漬して導電ポリマー層15を形成する上記の形成方法は、本発明のフレキシブルプリント回路基板1のように周囲全体にわたって導電ポリマー層15を設ければ良い物品の製造には非常に適している。また、モノマーの塗布工程と塗布したモノマーの硬化工程からなる形成方法と比較して簡便でもある。
また、処理液中で導電ポリマー層15を形成する方法以外に、気相雰囲気でモノマーと接触させ、活性エネルギーを照射して導電ポリマー層15を形成する方法を採用することもできる。
【0033】
【実施例】
以下の実施例により本発明をより詳しく説明する。但し、実施例は本発明を説明するためのものであり、いかなる方法においても本発明を限定することを意図しない。
【0034】
実施例1
ステンレス箔からなるステンレス層上にポリイミドワニスを塗布しベース層を形成した。該ベース層上にリソグラフィー法により銅製の導体回路を4本形成した。その後、該ベース層および該導体回路の上にポリイミドからなるカバー層を形成した。カバー層の形成にはリソグラフィー法を用い、基板ユニット側となる端部で該導体回路を露出させて接続端部とした。
1Lのガラス製ビーカーに0.1Mペルオキソ二硫酸カリウム水溶液500mlを入れて2〜3℃に保持し、これに上記の積層体を浸漬した。続いて、0.2Mピロール水溶液100mLを加えて15℃に保持しながら10分間攪拌して導電ポリマー層を形成した。
これにより、全長約30mm、幅約1mmおよび厚さ約0.5mmを有する本発明のフレキシブルプリント回路基板を製造した。
【0035】
比較例1
ポリイミドからなるベース層上にリソグラフィー法により銅製の導体回路を4本形成した。その後、該ベース層および導体回路の上にポリイミドからなるカバー層を形成した。カバー層の形成にはリソグラフィー法を用い、ベース層の双方の端部で導体回路を露出させて積層体を製造した。
該積層体のカバー層上にのみポリピロールからなる導電ポリマー層を形成し、実施例1と同じ寸法を有する比較のためのフレキシブルプリント回路基板を製造した。
【0036】
試験例1
実施例1および比較例1で得たフレキシブルプリント回路基板について摩擦帯電試験を行った。
フレキシブルプリント回路基板をセラミックピンセットを用い2cmの距離で3回摩擦して帯電させ、その後フレキシブルプリント回路基板表面の電荷量を測定した。測定は各々5個の異なる試料について行った。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003837702
表1は、実施例1のフレキシブルプリント回路基板が、比較例のものと比較して約1/3の電荷量しか有さず、摩擦によって生じた静電気がより速やかに放電されていることを示す。
【0037】
試験例2
実施例1および比較例1で得たフレキシブルプリント回路基板を用いて構成したヘッドサスペンションアッセンブリについて摩擦帯電試験を行った。
始めに、ヘッドサスペンションアッセンブリの磁気ヘッドの抵抗値およびピーク電流値を測定した。次いで、ヘッドサスペンションアッセンブリのフレキシブルプリント回路基板をセラミックピンセットを用い3cmの距離で2回摩擦して帯電させ、その後磁気ヘッドの抵抗値およびピーク電流値を測定し、帯電前に測定した値と比較した。測定は各々5個の異なる試料について行った。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0003837702
実施例1のフレキシブルプリント回路基板を用いたヘッドサスペンションアッセンブリでは、磁気ヘッドの抵抗値およびピーク電流値は双方とも帯電前後でほとんど変化しておらず、磁気ヘッドの破壊および性能劣化は生じなかった。
それに対して、比較例1のフレキシブルプリント回路基板を用いたヘッドサスペンションアッセンブリのうち、試料2および4は、磁気ヘッドの抵抗値が著しく上昇し、そしてピーク電流値が激減した。これは磁気ヘッドが有する絶縁膜の破壊(ハードESD)が起こったことを表す。また試料5においては、磁気ヘッドの抵抗値は変化しないものの、ピーク電流値が有意に変化した。これは磁気ヘッドの性能の劣化(ソフトESD)が起こったことを表す。
【0038】
試験例3
実施例1で得たフレキシブルプリント回路基板について導電ポリマー層の密着性試験を行った。
先ずフレキシブルプリント回路基板の帯電電位を測定し初期電位とした。続いてフレキシブルプリント回路基板を摩擦用板を用いて所定回数摩擦し、その後再び帯電電位を測定した。また、初期電位測定と摩擦用板による摩擦の間にイソプロパノールを含浸させた綿棒でフレキシブルプリント回路基板を50回摩擦した場合においても同様に、所定回数摩擦後の帯電電位を測定した。結果を表3に示す。
【表3】
Figure 0003837702
表3は、イソプロパノール塗布の有無に関わらず、摩擦用板で500回摩擦した後の帯電電位がほとんど変化しなかったことを表し、これは実施例1のフレキシブルプリント回路基板が有する導電ポリマー層の優れた密着性および薬品耐性を裏付けるものである。
【0039】
【発明の効果】
本発明のフレキシブルプリント回路基板は、少なくともステンレス層の下側およびカバー層の上側の二面に導電ポリマー層を設けたことにより、摩擦により生じた静電気を速やかに放電して、帯電電位を低減することができる。さらに、従来のヘッドサスペンションアッセンブリが固定配線とフレキシブルプリント回路基板との二部材で磁気ヘッドと基板ユニットとの間を中継していたのに対して、本発明のフレキシブルプリント回路基板は、磁気ヘッドまで延長されて、磁気ヘッドと基板ユニットとを直接に中継するので、静電気を生じる原因となる固定配線とフレキシブルプリント回路基板中の導体回路との接続作業が不要となる。その結果、本発明のフレキシブルプリント回路基板を用いたヘッドサスペンションアッセンブリは、静電破壊に対して非常に敏感な高性能磁気ヘッドを用いる場合においても、磁気ヘッドが有する絶縁膜の破壊や、磁気ヘッドの性能の劣化を十分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のフレキシブルプリント回路基板を使用したヘッドサスペンションアッセンブリの一態様を図示する平面図である。
【図2】 図2は図1のA−A’線断面図である。
【符号の説明】
a ヘッドサスペンションアッセンブリ
1 フレキシブルプリント回路基板
2 磁気ヘッド
3 サスペンション
4 基端部側接続端部
11 ステンレス層
12 ベース層
13 導体回路
14 カバー層
15 導電ポリマー層

Claims (3)

  1. 磁気ディスク装置のヘッドサスペンションアッセンブリにおいて、サスペンション上に戴置される磁気ヘッドとキャリッジアーム基端部の接続端部とを直接に中継するフレキシブルプリント回路基板であって、
    前記フレキシブルプリント回路基板は、ステンレス層と、該ステンレス層上に形成されたベース層と、該ベース層上に形成された導体回路と、該導体回路を被覆するカバー層と、該ステンレス層の下側および該カバー層の上側を含むその周囲全体を取り囲んで形成された導電ポリマー層とを備えてなり、
    前記ベース層は、ポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂からなり、前記カバー層は、ポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂からなり、前記導電ポリマー層は、ポリピロール系樹脂からなり、該ポリピロール系樹脂が前記ベース層および前記カバー層のポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂に浸透していることを特徴とするフレキシブルプリント回路基板。
  2. 前記導電ポリマー層の膜厚は、0.03ないし0.05μmであることを特徴とする、請求項1記載のフレキシブルプリント回路基板。
  3. 表面抵抗率は106ないし108Ωであることを特徴とする、請求項1記載のフレキシブルプリント回路基板。
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