JP2002363283A - ポリアミド酸とそれより得られるポリイミド樹脂とそれらの回路基板への利用 - Google Patents

ポリアミド酸とそれより得られるポリイミド樹脂とそれらの回路基板への利用

Info

Publication number
JP2002363283A
JP2002363283A JP2001170664A JP2001170664A JP2002363283A JP 2002363283 A JP2002363283 A JP 2002363283A JP 2001170664 A JP2001170664 A JP 2001170664A JP 2001170664 A JP2001170664 A JP 2001170664A JP 2002363283 A JP2002363283 A JP 2002363283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
polyimide resin
polyamic acid
bis
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001170664A
Other languages
English (en)
Inventor
Naotaka Kaneshiro
直隆 金城
Shu Mochizuki
周 望月
Takahiro Fukuoka
孝博 福岡
Takashi Kondo
隆 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2001170664A priority Critical patent/JP2002363283A/ja
Publication of JP2002363283A publication Critical patent/JP2002363283A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】熱線膨張係数、誘電率が共に低い新規なポリイ
ミド樹脂と、それを与えるポリアミド酸。絶縁層の割れ
や剥離が生じず、反りの生じない回路基板と、サスペン
ション付き回路基板。 【解決手段】ポリアミド酸は、無水ピロメリット酸と3,
3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とから
選ばれる酸無水物と、2,2 −ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパンとからなる酸無水物
と、2,2'−ジ置換−4,4'−ジアミノビフェニル類からな
る芳香族ジアミンと、2,2−ビス(4−アミノフェノキ
シフェニル)プロパン類と1,1−ビス(4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニ
ル)ブタンと2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパンとα,α'−ビス(4−ア
ミノフェニル)ジイソプロピルベンゼン類とから選ばれ
る芳香族ジアミンとを有機溶媒中で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド樹脂と
それを与えるポリアミド酸とそのポリイミド樹脂を用い
てなる回路基板と回路付きサスペンション基板に関す
る。詳しくは、本発明は、熱線膨張係数、誘電率が共に
低く、半導体における種々の保護膜や層間絶縁膜、液晶
表示素子の配向膜、フレキシブルプリント配線板のベー
スフィルム、ガス透過膜、耐熱性接着剤等に好適に用い
ることができる新規なポリイミド樹脂と、そのようなポ
リイミド樹脂を与えるポリアミド酸に関する。
【0002】更に、本発明は、上記ポリイミド樹脂から
なる絶縁層を金属箔基材上に有する回路基板と、そのよ
うな回路基板上に導体層からなるパターン回路を設けた
回路付きサスペンション基板に関する。
【0003】例えば、コンピュータ等の外部記憶装置と
して用いられるハードディスク装置等の磁気ディスク装
置において、磁気記録や再生を行うには、上記磁気ディ
スクと磁気ヘッドとを相対的に走行させ、これによって
生じる空気流に抗して、磁気ヘッドを磁気ディスクに弾
性的に押し付けて、磁気ヘッドと磁気ディスクとの間に
一定の微小な間隔を保つことが必要である。このよう
に、磁気ヘッドを空気流に抗して磁気ディスクに弾性的
に押し付ける磁気ヘッド支持装置がサスペンションであ
る。本発明は、そのような回路付きサスペンション基板
を製造するために好適に用いることができる回路基板
と、そのような回路基板上に導体層からなる回路をパタ
ーニング技術によって形成してなるパターン回路付きサ
スペンション基板に関する。
【0004】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、その高い耐熱性に加
え、機械的強度や電気絶縁性にすぐれた特性を活かし
て、電気、電子分野において広く用いられている。しか
し、従来より知られているポリイミド樹脂は、一般に、
有機溶媒への溶解性が悪いので、例えば、ポリイミド樹
脂フィルムを得るには、その前駆体のポリアミド酸を極
性有機溶媒に溶解し、この溶液をキャストした後、30
0℃以上の高温に加熱して、閉環、イミド化させてい
る。
【0005】他方、近年においては、高速信号処理を実
現するために、誘電率の小さいポリイミド樹脂が求めら
れており、そこで、例えば、分子中にフッ素原子を導入
したフッ素化ポリイミド樹脂が種々、開発されている。
しかし、従来より知られているそのようなフッ素化ポリ
イミド樹脂は、一般に、熱線膨張係数が高い。例えば、
T. Matsuura et al., Macromolecules, 26, 419, 1993)
に記載されているように、2,2'−ジ(トリフルオロメ
チル)−4,4'−ジアミノビフェニルと2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを反
応させて得られるフッ素化ポリイミド樹脂は、誘電率は
2.8 と低いが、熱線膨張係数は45ppmと高い。
【0006】特に、回路基板についていえば、近年、半
導体の高密度実装や高速信号処理を目的とした薄膜多層
回路基板として、金属箔にポリイミド樹脂からなる絶縁
層を設けてなる回路基板が用いられるようになってい
る。しかし、従来、一般に、絶縁材料として用いられて
いるポリイミド樹脂は、このように、熱線膨張係数が種
々の金属箔よりも大きいので、回路基板に反りが生じた
り、また、樹脂層に割れが生じたり、樹脂層が剥離した
りする。
【0007】そこで、2,2'−ジ(トリフルオロメチル)
−4,4'−ジアミノビフェニルと無水ピロメリット酸を反
応させて、熱線膨張係数が0ppmと低いフッ素化ポリ
イミド樹脂も得られているが、しかし、誘電率が 3.2
と高い。
【0008】また、コンピュータやその周辺機器である
記憶装置は、容量の向上の一方で、小型化や低価格化が
求められており、このような要望を背景として、なかで
も、ハードディスクドライブの技術が著しい進歩をみせ
ている。磁気ヘッドにおいても、従来からのメタルイン
ギャップ(MIG)に対して、最近では、コイル部分を
薄膜化した薄膜磁気ヘッド(TFH)や、更には、読み
書き兼用で且つ記憶容量も飛躍的に大きい薄膜−磁気抵
抗複合ヘッド(MR)の開発が急がれている。
【0009】しかしながら、従来のように、所要の配線
をサスペンション基板上に導線を引き回して構成する技
術によっては、その導線がサスペンションの弾性率に影
響を与えて、前記浮上量の変動を招来し、場合によって
は、磁気ディスクとの接触によって、磁気ディスク装置
の耐久性を低下させることもある。
【0010】そこで、近年、ヘッドを実装するサスペン
ション基板上に直接、電気回路を形成してなるサスペン
ションが実用化されるに至っている。しかし、前述した
ように、従来、絶縁層としてポリイミド樹脂が用いられ
ている回路基板によれば、最終的に得られるサスペンシ
ョンも、ポリイミド樹脂が金属箔基材よりも熱線膨張係
数が大きいことに起因して、絶縁不良や反りが生じて、
性能不良を起こすことがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、第1の側面
として、従来のポリイミド樹脂における上述したような
問題を解決するためになされたものであって、ポリイミ
ド樹脂が本来、有するすぐれた特性に加えて、熱線膨張
係数、誘電率が共に低い新規なポリイミド樹脂と、その
ようなポリイミド樹脂を与えるポリアミド酸を提供する
ことを目的とする。
【0012】更に、本発明は、第2の側面として、従来
の金属箔上にポリイミド樹脂からなる絶縁層を有する回
路基板とそれを用いる回路付きサスペンション基板にお
ける上述したような問題を解決するためになされたもの
であって、熱線膨張係数、誘電率が共に低く、特に、熱
線膨張係数が種々の金属箔に近接しているポリイミド樹
脂からなる絶縁層を金属箔上に有し、従って、樹脂層に
割れが生じたり、樹脂層が剥離したりせず、また、反り
が生じない回路基板を提供することを目的とし、更に、
そのような回路基板を用いてなる回路付きサスペンショ
ン基板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(I)
【0014】
【化19】
【0015】(式中、Xは式(a)
【0016】
【化20】
【0017】又は式(b)
【0018】
【化21】
【0019】又は式(c)
【0020】
【化22】
【0021】で表される4価の有機基を示し、Yは式
(d)
【0022】
【化23】
【0023】(式中、Rはフッ素原子又はメトキシ基を
示す。)、又は式(e)
【0024】
【化24】
【0025】(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示
す。)、又は式(f)
【0026】
【化25】
【0027】又は式(g)
【0028】
【化26】
【0029】又は式(h)
【0030】
【化27】
【0031】で表される2価の有機基を示す。)で表さ
れる繰返し単位からなり、Xのうち、式(a)又は式
(b)で表される有機基が20〜99モル%を占め、式
(c)で表される有機基が80〜1モル%を占め、Yの
うち、式(d)で表される有機基が20〜99モル%を
占め、式(e)、式(f)、式(g)又は式(h)で表
される有機基が80〜1モル%を占め、重量平均分子量
が20000〜100000の範囲にあるポリアミド酸
が提供される。
【0032】また、本発明によれば、一般式(II)
【0033】
【化28】
【0034】(式中、Xは式(a)
【0035】
【化29】
【0036】又は式(b)
【0037】
【化30】
【0038】又は式(c)
【0039】
【化31】
【0040】で表される4価の有機基を示し、Yは式
(d)
【0041】
【化32】
【0042】(式中、Rはフッ素原子又はメトキシ基を
示す。)、又は式(e)
【0043】
【化33】
【0044】(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示
す。)、又は式(f)
【0045】
【化34】
【0046】又は式(g)
【0047】
【化35】
【0048】又は式(h)
【0049】
【化36】
【0050】で表される2価の有機基を示す。)で表さ
れる繰返し単位からなり、Xのうち、式(a)又は式
(b)で表される有機基が20〜99モル%を占め、式
(c)で表される有機基が80〜1モル%を占め、Yの
うち、式(d)で表される有機基が20〜99モル%を
占め、式(e)、式(f)、式(g)又は式(h)で表
される有機基が80〜1モル%を占め、重量平均分子量
が20000〜100000の範囲にあるポリイミド樹
脂が提供される。
【0051】更に、本発明によれば、金属箔基材上に上
記ポリイミド樹脂からなる絶縁層を有する回路基板が提
供される。
【0052】また、本発明によれば、金属箔基材上に上
記ポリイミド樹脂からなる絶縁層を有し、その上に導体
層からなるパターン回路を有する回路付きサスペンショ
ン基板が提供される。
【0053】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の第1の側面とし
て、本発明によるポリアミド酸とそれより得られるポリ
イミド樹脂について説明する。
【0054】本発明によるポリアミド酸は、前記一般式
(I)で表される繰返し単位からなり、Xのうち、式
(a)又は式(b)で表される有機基が20〜99モル
%、好ましくは、40〜95モル%を占め、式(c)で表
される有機基が80〜1モル%、好ましくは、60〜5モ
ル%を占め、Yのうち、式(d)で表される有機基が2
0〜99モル%、好ましくは、40〜95モル%を占め、
式(e)、式(f)、式(g)又は式(h)で表される
有機基が80〜1モル%、好ましくは、60〜5モル%を
占め、重量平均分子量が20000〜100000の範
囲にある。
【0055】このようなポリアミド酸は、無水ピロメリ
ット酸(a')
【0056】
【化37】
【0057】と3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(b')
【0058】
【化38】
【0059】とから選ばれる第1の酸無水物と、第2の
酸無水物としての2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン(c')
【0060】
【化39】
【0061】とからなる酸無水物成分と、一般式(d')
【0062】
【化40】
【0063】(式中、Rはフッ素原子又はメトキシ基を
示す。)で表される第1の芳香族ジアミンとしての2,2'
−ジ置換−4,4'−ジアミノビフェニル類と、一般式
(e')
【0064】
【化41】
【0065】(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示
す。)で表される2,2−ビス(4−アミノフェノキシフ
ェニル)プロパン類と、式(f')
【0066】
【化42】
【0067】で表される1,1−ビス(4−(4−アミノ
フェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル)
ブタンと、式(g')
【0068】
【化43】
【0069】で表される2,2−ビス(3−アミノ−4−
メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、一般式
(h')
【0070】
【化44】
【0071】で表されるα,α'−ビス(4−アミノフェ
ニル)ジイソプロピルベンゼン類とから選ばれる第2の
芳香族ジアミンとからなる芳香族ジアミン成分とを有機
溶媒中で反応させることによって得ることができる。
【0072】上記第2の芳香族ジアミン成分のうち、上
記一般式(e')で表される2,2−ビス(4−アミノフェ
ノキシフェニル)プロパン類の具体例としては、2,2−
ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンや2,2
−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパンを挙げることができ、また、上記一般式
(h')で表されるα,α'−ビス(4−アミノフェニル)
ジイソプロピルベンゼン類の好ましい具体例として、例
えば、α,α'−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジ
イソプロピルベンゼンやα,α'−ビス(4−アミノフェ
ニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン等を挙げること
ができる。
【0073】本発明によれば、上記ポリアミド酸の製造
において、上記酸無水物成分のうち、第1の酸無水物、
即ち、無水ピロメリット酸(a')と3,3',4,4'−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物(b')から選ばれるいず
れかの酸無水物の割合は20〜99モル%の範囲であ
り、好ましくは、40〜95モル%の範囲であり、第2
の酸無水物である2,2 −ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン(c')の割合は80〜1
モル%の範囲であり、好ましくは、60〜5モル%の範
囲である。
【0074】また、上記芳香族ジアミン成分のうち、第
1の芳香族ジアミン(即ち、上記一般式(d')で表され
る2,2'−ジ置換−4,4'−ジアミノビフェニル類)の割合
は、20〜99モル%の範囲であり、好ましくは、40
〜95モル%の範囲である。他方、上記芳香族ジアミン
成分のうち、第2の芳香族ジアミン(即ち、上記一般式
(e')で表される2,2−ビス(4−アミノフェノキシフ
ェニル)プロパン類と、上記式(f')で表される1,1−
ビス(4−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル
−6−メチルフェニル)ブタンと、上記式(g')で表さ
れる2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパンと、上記一般式(h')で表される
α,α'−ビス(4−アミノフェニル)ジイソプロピルベ
ンゼン類とから選ばれるいずれかの芳香族ジアミン)の
割合は80〜1モル%の範囲であり、好ましくは、60
〜5モル%の範囲である。
【0075】ここに、上記第1の酸無水物のモル数を
a、上記第2の酸無水物のモル数をbとするとき、第1
の酸無水物の割合(モル%)は(a/(a+b))×1
00で定義され、上記第2の酸無水物の割合(モル%)
は(b/(a+b))×100で定義される。
【0076】同様に、上記第1の芳香族ジアミンのモル
数をc、上記第2の芳香族ジアミンのモル数をdとする
とき、上記第1の芳香族ジアミンの割合(モル%)は
(c/(c+d))×100で定義され、上記第2の芳
香族ジアミンの割合(モル%)は(d/(c+d))×
100で定義される。
【0077】上記酸無水物成分と芳香族ジアミン成分と
の反応に用いる有機溶媒は、これら酸無水物成分と芳香
族ジアミン成分とを溶解させると共に、得られるポリア
ミド酸を溶解させるものであれば、任意のものが用いら
れるが、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、ヘキサメチルホスホルアミド、
N−メチル−ε−カプロラクタム等が用いられる。これ
らの溶媒は単独で、又は2種以上の混合物として用いら
れる。
【0078】上記酸無水物成分と芳香族ジアミン成分と
の反応において、このような有機溶媒中における酸無水
物成分と芳香族ジアミン成分の合計量の濃度は、特に限
定されるものではないが、通常、1〜50重量%、好ま
しくは、5〜30重量%の範囲である。
【0079】本発明によれば、前記一般式(I)で表さ
れるポリアミド酸は、上記酸無水物成分と芳香族ジアミ
ン成分とを上述したような有機溶媒中、250℃以下の
温度、好ましくは、室温(25℃)から80℃の範囲の
温度で反応させることによって得ることができる。反応
時間は、用いる酸無水物成分と芳香族ジアミン成分やそ
の割合のほか、有機溶媒、反応温度等によるが、通常、
2〜48時間の範囲である。
【0080】本発明によれば、このようにして、通常、
得られたポリアミド酸が室温にて有機溶媒に溶解してい
る溶液を得ることができ、この溶液をポリアミド酸を溶
解しない貧溶媒中に加えて、ポリアミド酸を沈殿させ、
粉末として得ることができる。また、このように粉末と
して得たポリアミド酸は、これを上述したような有機溶
媒に加えて、溶解させることができる。
【0081】このようにして得られるポリアミド酸は、
通常、数平均分子量が10000〜50000の範囲に
あり、重量平均分子量が20000〜100000の範
囲にある。
【0082】本発明によれば、上記ポリアミド酸の溶液
を適宜の基材上にキャストし、適宜の雰囲気下、300
〜400℃の温度に数時間加熱して、ポリアミド酸を閉
環、イミド化させることによって、ポリイミド樹脂フィ
ルムを得ることができる。必要に応じて、上記加熱に先
立って、30〜300℃程度の温度まで予熱してもよ
い。このような予熱は、一定の昇温速度で300℃程度
まで行ってもよいし、また、300℃程度まで段階的に
昇温して行ってもよい。上記加熱時の雰囲気としては、
特に限定されるものではなく、空気雰囲気、窒素のよう
な不活性ガス雰囲気、真空雰囲気等のいずれでもよい。
【0083】このようにして得られるポリイミド樹脂も
また、その前駆体であるポリアミド酸と同様、通常、数
平均分子量が10000〜50000の範囲にあり、重
量平均分子量が20000〜100000の範囲にあ
る。
【0084】本発明によれば、このようにして得られる
ポリイミド樹脂は、熱線膨張係数、誘電率が共に低く、
通常、熱線膨張係数が5〜30ppmの範囲にあり、誘
電率が2.8〜3.2の範囲にあり、かくして、半導体にお
ける種々の保護膜や層間絶縁膜、液晶表示素子の配向
膜、フレキシブルプリント配線板のベースフィルム、ガ
ス透過膜、耐熱性接着剤等に好適に用いることができ
る。特に、本発明によるポリイミド樹脂は、コンピュー
タ等において、信号の高速伝送化を実現するための種々
の電子部品の製造、特に、回路付きサスペンション基板
の絶縁層として、好適に用いることができる。
【0085】次に、本発明の第2の側面として、上述し
たポリイミド樹脂からなる絶縁層を金属箔基材上に有す
る回路基板と、そのような回路基板上に導体層からなる
パターン回路を設けた回路付きサスペンション基板につ
いて説明する。
【0086】本発明による回路基板は、金属箔基材上に
上述したポリイミド樹脂からなる絶縁層を有するもので
ある。
【0087】即ち、本発明による回路基板は、金属箔基
材上にポリイミド樹脂からなる絶縁層を有する回路基板
において、上記ポリイミド樹脂が一般式(II)
【0088】
【化45】
【0089】(式中、Xは式(a)
【0090】
【化46】
【0091】又は式(b)
【0092】
【化47】
【0093】又は式(c)
【0094】
【化48】
【0095】で表される4価の有機基を示し、Yは式
(d)
【0096】
【化49】
【0097】(式中、Rはフッ素原子又はメトキシ基を
示す。)、又は式(e)
【0098】
【化50】
【0099】(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示
す。)、又は式(f)
【0100】
【化51】
【0101】又は式(g)
【0102】
【化52】
【0103】又は式(h)
【0104】
【化53】
【0105】で表される2価の有機基を示す。)で表さ
れる繰返し単位からなり、Xのうち、式(a)又は式
(b)で表される有機基が20〜99モル%を占め、式
(c)で表される有機基が80〜1モル%を占め、Yの
うち、式(d)で表される有機基が20〜99モル%を
占め、式(e)、式(f)、式(g)又は式(h)で表
される有機基が80〜1モル%を占め、重量平均分子量
が20000〜100000の範囲にある。
【0106】このようなポリイミド樹脂は、前述したよ
うに、無水ピロメリット酸と 3,3',4,4'−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物とから選ばれる第1の酸無水物
と、第2の酸無水物としての 2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物とか
らる酸無水物成分と、前記一般式(d')で表される第1
の芳香族ジアミンとしての2,2'−ジ置換−4,4'−ジアミ
ノビフェニル類と、前記一般式(e')で表される2,2−
ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン類と前
記式(f')で表される1,1−ビス(4−(4−アミノフ
ェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル)ブ
タンと前記式(g')で表される2,2−ビス(3−アミノ
−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパンと前記
一般式(h')で表されるα,α'−ビス(4−アミノフェ
ニル)ジイソプロピルベンゼン類とから選ばれる第2の
芳香族ジアミンとからなる芳香族ジアミン成分との反応
によって得られるものである。
【0107】同様に、本発明による回路付きサスペンシ
ョンは、金属箔基材上にポリイミド樹脂からなる絶縁層
を有し、その上に導体層からなるパターン回路を有する
回路付きサスペンション基板において、上記ポリイミド
樹脂が前記一般式(II)で表される繰返し単位からなる
ものである。
【0108】より詳細には、本発明による回路基板と回
路付きサスペンション基板において用いる上記ポリイミ
ド樹脂は、無水ピロメリット酸(a')と3,3',4,4'−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物(b')とから選ばれ
る第1の酸無水物と、前記式(c')で表される第2の酸
無水物としての2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパンとからなる酸無水物と、前
記式(d')で表される第1の芳香族ジアミンとしての2,
2'−ジ置換−4,4'−ジアミノビフェニル類と、前記一般
式(e')で表される2,2−ビス(4−アミノフェノキシ
フェニル)プロパン類と前記式(f')で表される1,1−
ビス(4−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル
−6−メチルフェニル)ブタンと前記式(g')で表され
る2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキ
サフルオロプロパンと前記一般式(h')で表されるα,
α'−ビス(4−アミノフェニル)ジイソプロピルベン
ゼン類とから選ばれる第2の芳香族ジアミンとからなる
芳香族ジアミン成分との反応によって得られるポリアミ
ド酸、即ち、ポリイミド樹脂前駆体に感光剤の存在下で
紫外線を照射した後、加熱して得られるものである。
【0109】上記ポリアミド酸は、前述したように、前
記酸無水物成分と芳香族ジアミン成分とを有機溶媒中で
反応させることによって得ることができ、ここに、上記
酸無水物成分と芳香族ジアミン成分におけるそれぞれの
成分の割合、反応に用いる有機溶媒、反応温度、反応時
間等は、前述したとおりであり、従って、このようにし
て得られるポリアミド酸は、通常、数平均分子量が10
000〜50000の範囲にあり、重量平均分子量が2
0000〜100000の範囲にあることも、前述した
とおりである。
【0110】本発明によれば、このようにして、芳香族
ジアミン成分と酸無水物成分とを用いてポリアミド酸の
溶液を得、これに感光剤を配合して、感光性ポリアミド
酸溶液とし、これに紫外線を照射した後、加熱すること
によって、熱線膨張係数と誘電率が共に低いポリイミド
樹脂を得ることができる。このようにして得られるポリ
イミド樹脂は、通常、熱線膨張係数が5〜30ppmの
範囲にあり、誘電率が2.6〜3.2の範囲にある。
【0111】本発明において、回路基板に用いる金属箔
基材は、特に、限定されるものではないが、通常、ステ
ンレス箔、銅箔、アルミニウム箔、銅−ベリリウム箔、
リン青銅箔、42アロイ箔等が用いられる。更に、本発
明によれば、このような金属箔基材は、長尺物が好まし
く用いられる。即ち、長尺の金属箔基材にポリイミド樹
脂からなる絶縁層を一定のパターンを繰り返すようにし
て設け、それぞれパターン化した絶縁層の上にそれぞれ
導体層からなる所要のパターン回路を形成し、かくし
て、最終的に、個々のパターン回路ごとに金属箔基材を
裁断すれば、個々の回路付きサスペンション基板を得る
ことができる。
【0112】そこで、本発明によれば、回路基板は、好
ましくは、長尺の金属箔基材、通常、長尺のステンレス
箔上に上記感光性ポリアミド酸溶液を塗布し、乾燥させ
て、被膜を形成した後、この被膜を所定のパターンを有
するマスクを介して、紫外線に露光させ、加熱(露光後
加熱)し、現像し、この後、加熱硬化(ポリアミド酸の
ポリイミド化)を行って、ポリイミド樹脂からなる所定
のパターンを形成させて、これを絶縁層とすることによ
って得ることができる。
【0113】上記感光性ポリアミド酸溶液は、前述した
ように、前記芳香族ジアミン成分と前記酸無水物成分と
を実質的に等モル比にて前記有機溶媒中で反応させて、
ポリアミド酸(ポリアミック酸)を生成させ、これに感
光剤を配合してなる溶液状組成物である。
【0114】本発明において、上記感光剤としては、そ
の詳細が特開平6−75376号公報に記載されている
ように、一般式(III)
【0115】
【化54】
【0116】(式中、X1 からX4 はそれぞれ独立に水
素原子、フッ素原子、ニトロ基、メトキシル基、アミノ
基、ジアルキルアミノ基、シアノ基又はフッ化アルキル
基を示し、Y1 はシアノ基又は一般式−COR3 を示
し、Y2 はシアノ基又は一般式−COR4 を示し、ここ
に、R3 及びR4 はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアル
キル基若しくはアルコキシ基、アニリノ基、トルイジノ
基、ベンジルオキシ基、アミノ基又はジアルキルアミノ
基を示し、R1 、R2 及びR5 はそれぞれ独立に水素原
子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。R1 とR3
2 とR4 は、ケト基を含む5員環、6員環又は複素環
の形成可能な員環となることができる。)で表されるジ
ヒドロピリジン誘導体が用いられる。
【0117】具体例としては、例えば、4−o−ニトロ
フェニル−3,5−ジメトキシカルボニル−2,6−ジメチ
ル−1,4−ジヒドロピリジン(以下、ニフェジピンとい
う。)、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジメトキシカ
ルボニル−2,6−ジメチル−1−メチル−4−ヒドロピ
リジン(以下、N−メチル体という。)、4−o−ニト
ロフェニル−3,5−ジアセチル−1,4−ジヒドロピリジ
ン(以下、単にアセチル体という。)等を挙げることが
できる。これらは単独で、又は2種以上の混合物として
用いられる。必要に応じて、現像剤に対する溶解助剤と
して、イミダゾールが適当量用いられる。
【0118】本発明においては、上記ジヒドロピリジン
誘導体は、前記芳香族ジアミン成分と酸無水物成分の合
計量1モル部に対して、通常、0.05〜0.5モル部の範
囲で用いられる。イミダゾールも、必要に応じて、芳香
族ジアミン成分を含むジアミン成分(「ジアミン成分」
なる用語については、後述する。)と酸無水物成分の合
計量1モル部に対して、通常、0.05〜0.5モル部の範
囲で用いられる。
【0119】本発明によれば、このような感光性ポリア
ミド酸溶液を適宜の基材上に塗布し、乾燥させ、これに
紫外線を照射して露光(紫外線照射)させた後、加熱
(露光後加熱)することによって、ポジ型又はネガ型の
潜像を形成し、これを現像して、ポジ型又はネガ型の画
像、即ち、所要のパターンを得る。そこで、これを最終
的に高温に加熱して、ポリアミド酸をイミド化すれば、
ポリイミド樹脂からなるパターン被膜を得ることができ
る。
【0120】より詳細には、上記感光性ポリアミド酸
は、用いる感光剤の種類によって幾らか異なるものの、
露光後加熱の温度が140℃前後の比較的低温であると
きは、露光部が現像剤に溶解して、ポジ型画像を形成
し、他方、上記露光後加熱の温度が約170℃以上の比
較的高温であるときは、未露光部が現像剤に溶解して、
ネガ型画像を形成する。
【0121】ここに、上記現像剤としては、通常、水酸
化テトラメチルアンモニウム等のような有機アルカリの
水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機
アルカリの水溶液が用いられる。アルカリ濃度は、通
常、2〜5重量%の範囲が適当である。必要に応じて、
上記アルカリ水溶液には、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール等の低級脂肪族アル
コールを加えてもよい。アルコールの添加量は、通常、
50重量%以下である。また、現像温度は、通常、25
〜50℃の範囲が適当である。
【0122】本発明において用いる上記感光性ポリアミ
ド酸によれば、露光後加熱の温度が140℃前後の比較
的低温であるときは、未露光部においては、前記ジヒド
ロピリジン誘導体の1位置のイミノ基水素とポリアミド
酸のカルボキシル基との間に水素結合を形成して、ポリ
イミド樹脂の親水性と被膜の現像液への拡散速度とが低
下し、結果として、被膜の現像剤への溶解速度が低下
し、他方、露光部においては、露光によって、中性化合
物である前記ジヒドロピリジン誘導体が塩基性のピリジ
ン化合物に変化し、これがポリアミド酸と弱い塩構造を
形成し、その結果として、被膜の親水性が増大し、現像
剤への溶解速度が増す。このように、露光部の現像剤へ
の溶解速度が未露光部よりも大きいために、露光、露光
後加熱及び現像後の被膜は、ポジ型画像を与える。
【0123】他方、本発明において用いる感光性ポリア
ミド酸によれば、露光後加熱の温度が約170℃以上の
比較的高温であるときは、未露光部は、露光後加熱の温
度が140℃前後の比較的低温であるときと同様に、被
膜の現像剤への溶解速度が低下するが、他方、露光部に
おいては、前記ジヒドロピリジン誘導体が露光によって
塩基性のピリジン化合物に変化し、これがポリアミド酸
のポリイミド化を促進し、被膜の現像剤への溶解速度を
低下させると同時に、上記ピリジン化合物自身も露光後
加熱によって更に不溶性の環化化合物に変化すると共
に、ポリアミド酸のポリイミド化を促進し、その結果と
して、露光部の被膜の現像剤に対する溶解性が上記未露
光部に比べて一層低下する。このように、露光後の上記
加熱温度が約170℃以上の比較的高温であるときは、
露光部の現像剤への溶解速度が未露光部に比べて著しく
小さいので、露光、露光後加熱及び現像後の被膜は、ネ
ガ型画像を与える。
【0124】本発明によれば、長尺の金属箔基材上に上
述したような感光性ポリアミド酸溶液を塗布し、加熱乾
燥させて、ポリアミド酸の被膜を形成し、これにマスク
を介して紫外線を照射して所定のパターンを露光させ、
露光後加熱し、現像し、好ましくは、所定のパターンを
有するネガ画像を形成した後、これを加熱硬化して、イ
ミド化反応を起こさせることによって、ポリイミド樹脂
からなる絶縁層を形成して、本発明による回路基板を得
ることができる。このように、ポリアミド酸を加熱して
ポリイミド化するには、好ましくは、その被膜を真空下
又は不活性ガス雰囲気下に300〜400℃程度に数時
間、加熱するのが好ましい。
【0125】この後、この絶縁層の上に常法に従って所
定のパターンを有する導体層からなる所定の回路を形成
すると共に、所要の端子を形成し、次いで、長尺の金属
箔基材を所要の形状に化学的に切り抜くことによって、
本発明による回路付きサスペンション基板を得ることが
できる。
【0126】本発明によれば、得られるポリイミド樹脂
の基材に対する接着性を向上させるために、必要に応じ
て、前記芳香族ジアミン成分の一部をアミノ基含有2官
能性ポリシロキサンに置換してもよい。このようなアミ
ノ基含有2官能性ポリシロキサンの具体例として、例え
ば、一般式(IV)
【0127】
【化55】
【0128】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキレ
ン基、R2 は炭素数1〜18のアルキル基を示し、nは
1〜100の整数である。)で表されるポリシロキサン
を挙げることができる。
【0129】前記芳香族ジアミン成分と上記アミノ基含
有2官能性ポリシロキサンとからなる成分をジアミン成
分とするとき、上記アミノ基含有2官能性ポリシロキサ
ンは、このジアミン成分の10モル%以下の割合で用い
られる。
【0130】従って、本発明において、上記アミノ基含
有2官能性ポリシロキサンの割合(モル%)は、前記第
1の芳香族ジアミン成分のモル数をa、前記第2の芳香
族ジアミン成分のモル数をb、アミノ基含有2官能性ポ
リシロキサンのモル数をeとするとき、(e/(a+b
+e))×100で定義される。
【0131】特に、本発明においては、上記一般式(I
V)において、R1 は炭素数1〜7のアルキレン基であ
ることが好ましく、具体例として、例えば、メチレン、
エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン等のアル
キレン基を挙げることができる。R2 は炭素数1〜7の
アルキル基であることが好ましく、具体例として、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等の
アルキル基を挙げることができる。また、nは好ましく
は1〜40である。なかでも、アミノ基含有2官能性ポ
リシロキサンとして、ビス(アミノプロピル)テトラメ
チルジシロキサンが好ましく用いられる。
【0132】次に、本発明によれば、前述したようにし
て、回路基板を製造した後、パターニング技術の常法に
従って、上述したポリイミド樹脂からなる絶縁層の上に
導体層からなるパターン回路を形成すると共に、所要の
端子を形成した後、最終的に前記絶縁層を含む所要の形
状にステンレス箔を化学的に切り抜くことによって、個
々の回路付きサスペンション基板を得ることができる。
【0133】このようにして、本発明によれば、ポリイ
ミド樹脂の有する熱線膨張係数が種々の金属箔に近接し
て小さいので、金属箔の上にこのようなポリイミド樹脂
からなる絶縁層を形成して回路基板としても、樹脂層に
割れが生じたり、樹脂層が剥離したりすることがなく、
更に、反りが生じない。従って、このような回路基板の
上に導体層からなるパターン回路を設けた回路付きサス
ペンション基板においても、絶縁不良等の性能不良を起
こすことがない。
【0134】しかも、本発明によれば、前述したよう
に、高感度高コントラストにて精密なパターニング加工
を行うことができるので、回路付きサスペンション基板
の高容量小型化が可能である。
【0135】以下に、図面に基づいて本発明による回路
付きサスペンション基板及びその製造について詳細に説
明する。
【0136】図1は、本発明による回路付きサスペンシ
ョン基板1の一例を示す斜視図であり、ステンレス箔基
材2の上にポリイミド樹脂からなる絶縁層(図示せず)
を有し、その上に銅導体層3からなる所定のパターン回
路が薄膜として形成されている。先端には、基材への切
込みによって、ジンバル4が基材に一体に形成されてお
り、この上に磁気ヘッドを有するスライダ(図示せず)
が固定される。前後の端部にはそれぞれ所要の端子5及
び6が形成されている。但し、図1においては、基板の
表面を被覆保護する被覆層(カバー・レイ)が剥離され
ている状態を示す。
【0137】図2は、図1において、A−A線に沿う断
面図であり、ステンレス箔基材2の上にポリイミド樹脂
からなる絶縁層7を有し、その上にクロム薄膜23を介
して銅導体層3からなる所定のパターン回路が薄膜とし
て形成されている。この導体層は、ニッケル薄膜28か
らなる被覆にて保護されており、更に、その上に端子5
が形成されている。端子を除く全表面は、被覆層8によ
って被覆保護されている。
【0138】図3は、図1において、B−B線に沿う断
面図であり、ステンレス箔基材2の上にポリイミド樹脂
からなる絶縁層7を有し、その上にクロム薄膜23を介
して銅導体層3からなる所定のパターン回路が薄膜とし
て形成されている。この導体層は、ニッケル薄膜28か
らなる被覆にて保護されており、更に、被覆層8によっ
て被覆保護されている。
【0139】長尺のステンレス箔基材2としては、通
常、その厚みが10〜60μm、好ましくは、振動特性
の観点から、15〜30μmで、幅が50〜500m
m、好ましくは、125〜300mmの範囲のものが用
いられる。しかし、これらに限定されるものではない。
【0140】図4から図5は、本発明による回路基板の
製造工程を示し、図6から図16は、本発明による回路
付きサスペンションの製造工程を示す。
【0141】先ず、図4に示すように、上述したような
ステンレス箔基材2の全面に、得られる樹脂層の厚みが
2〜20μm、好ましくは、5〜10μmとなるよう
に、感光性ポリアミド酸溶液を塗布し、60〜150
℃、好ましくは、80〜120℃で加熱して、上記感光
性ポリアミド酸の被膜21を形成する。
【0142】次に、この感光性ポリアミド酸の被膜に適
宜のマスクを介して紫外線を照射し、所定のパターンに
露光させる。ここに、露光積算光量は、100〜100
0mJ/cm2 、好ましくは、200〜700mJ/c
2 の範囲であり、露光波長は、通常、300〜450
nm、好ましくは、350〜420nmの範囲である。
この露光の後、被膜を80〜200℃、好ましくは、1
20〜180℃の温度で約2〜10分程度加熱(露光後
加熱)し、次いで、現像処理を行う。本発明において
は、ネガ型画像を得るのが好ましい。この後、このよう
にして得られたポリアミド酸のパターン被膜を高温に加
熱して、ポリイミド化し、かくして、図5に示すよう
に、ステンレス箔基材2上にポリイミド樹脂からなるパ
ターン化した絶縁層22を形成して、本発明による回路
基板を得る。
【0143】次いで、図6に示すように、パターン化し
たポリイミドの絶縁層22を有するステンレス箔基材2
の全面にクロム薄膜23と銅薄膜24とをスパッタリン
グにて連続して順次に形成する。クロム薄膜23は、ポ
リイミドからなる絶縁層22上に銅薄膜24を密着させ
るのに有用である。ここに、膜厚は、クロム薄膜が10
0〜600オングストローム、銅薄膜が500〜200
0オングストロームの範囲が好ましい。このようにして
得られる銅薄膜の表面抵抗は、通常、0.6Ω/□以下で
ある。
【0144】この後、図7に示すように、上記銅薄膜2
4の上に厚さ2〜15μm程度の電解銅めっきを行っ
て、銅からなる導体層25を形成する。図7において
は、前記クロム薄膜は図示されていない。
【0145】次いで、図8及び図9に示すように、常法
に従って、液状フォトレジスト26又はドライフィルム
ラミネートを用いるパターニング技術によって、露光及
び現像処理を行った後、非パターン部の銅導体層25を
エッチングにて除去し、かくして、前記ポリイミド樹脂
からなる絶縁層22の上に上記銅からなる所定の導体パ
ターン27を形成する。ここに、銅のエッチングにはア
ルカリエッチングによることが好ましい。
【0146】このような非パターン部の銅導体層のエッ
チング除去の後、更に、前記クロム薄膜23をエッチン
グ除去して、図10に示すように、前記ポリイミド樹脂
からなる絶縁層22の上に所定の導体パターン27を得
る。クロム薄膜23のエッチングには、例えば、フェリ
シアン化カリウム系のエッチング液や、このほか、過マ
ンガン酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム系等のエッチ
ング液が用いられる。
【0147】このようにして、基材上の不必要なクロム
薄膜を除去した後、無電解ニッケルめっきを行って、図
11に示すように、上記銅導体層27とステンレス箔基
材2の表面に硬質のニッケル薄膜28を形成して、銅導
体層の表面を被覆、保護する。従って、このニッケルめ
っきの膜厚は、下層の銅導体層が露出しない程度であれ
ばよく、通常、0.05〜0.1μmの範囲である。
【0148】この後、配線部分の導体パターン27を前
記した感光性ポリアミド酸を用いて被覆保護すると共
に、所要の端子部には端子を形成し、これを残して、表
面を同様に被覆保護して、被覆層(カバー・レイ)を形
成する。図12以下において、基材の左側は配線部の形
成を示し、右側は端子部の形成を示す。
【0149】即ち、図12に示すように、配線部では、
ポリイミド樹脂29にて導体パターン27を被覆し、端
子部では、パターニングによって、端子部を残すと共
に、端子を電解めっきにて形成するためのリード部30
を残して、前記感光性ポリアミド酸を用いて、前記同様
の塗布、露光、露光後加熱、現像及び加熱硬化(イミド
化)を行って、ポリイミド樹脂にて被覆し、被覆層31
を形成する。
【0150】次いで、図13に示すように、端子部にお
いては、先ず、導体パターン27の表面を保護していた
無電解ニッケルめっき薄膜28(図11参照)を剥離
し、同時に、ステンレス箔基材2上の無電解ニッケルめ
っき薄膜28も除去する。この後に、常法に従って、通
常のフォトレジストを用いる方法によって、端子部のみ
を残して、ステンレス箔基材、導体パターン27及びポ
リイミド樹脂被覆層31をレジストにて被覆した後、上
記端子部に電解ニッケルめっき32と電解金めっき33
を順次に行って、端子34を形成する。ここに、電解ニ
ッケルめっきと電解金めっきの厚さは、いずれも、1〜
5μm程度が適当である。この後、上記レジストを除去
する。
【0151】次いで、図14に示すように、端子34を
形成した導体パターン27において、上記電解めっきに
用いたリード部30(図12参照)を化学エッチングに
て除去する。リード部の銅及びクロムの除去は、前述し
たと同じ方法によればよい。
【0152】このようにして、リード部を除去した後、
ステンレス箔基材2を化学エッチングによって所要の形
状に切り抜くために、常法に従って、フォトレジスト3
5又はドライフィルムラミネートを用いて、露光、現像
を行って、図15に示すように、ステンレス箔基材2上
に所要のパターンを形成した後、ステンレス箔基材をエ
ッチングにて所要の形状に切り抜く。ここに、エッチン
グ液としては、例えば、塩化第二鉄、塩化第二銅等の水
溶液が用いられる。
【0153】このエッチング処理の後、純水にて洗浄
し、乾燥すれば、図16に示すように、本発明による回
路付きサスペンション基板1を得ることができる。即
ち、この回路付きサスペンション基板は、ステンレス箔
基材2上にポリイミド樹脂からなる絶縁層22を有し、
その上に導体層の薄膜からなる導体パターン27、即
ち、パターン回路を有し、端子34を除いて、全表面が
ポリイミド樹脂からなる被覆層31にて被覆保護されて
いる。
【0154】
【発明の効果】本発明によるポリイミド樹脂は、カルボ
ン酸成分として、前記第1の酸無水物、即ち、無水ピロ
メリット酸と3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物とから選ばれる第1の酸無水物と、前記第2の
酸無水物成分としての2,2 −ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパンとからなる酸無水物
成分を有すると共に、芳香族ジアミン成分として、前記
第1の芳香族ジアミン、即ち、2,2'−ジ置換−4,4'−ジ
アミノビフェニル類と、前記第2の芳香族ジアミンとし
ての前記2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)
プロパン類と前記1,1−ビス(4−(4−アミノフェノ
キシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル)ブタン
と前記2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)
ヘキサフルオロプロパンと前記α,α'−ビス(4−アミ
ノフェニル)ジイソプロピルベンゼン類とから選ばれる
いずれかからなる芳香族ジアミン成分を有し、熱線膨張
係数、誘電率共に低い特徴を有する。
【0155】更に、本発明による回路基板は、金属箔基
材の上にこのようなポリイミド樹脂の層を絶縁層として
有し、このポリイミド樹脂が金属箔に近接した熱線膨張
係数を有するので、樹脂層に割れが生じたり、樹脂層が
剥離したりせず、更に、反りが生じない。従って、本発
明による回路付きサスペンション基板においても、樹脂
層に割れが生じたり、樹脂層が剥離したりせず、更に、
反りが生じないので、性能不良を起こすことがない。
【0156】以上のほか、本発明による回路基板や回路
付きサスペンション基板は、これらに含まれるポリイミ
ド樹脂が熱線膨張係数が低いのみならず、誘電率も低い
ので、一層の高速信号処理を可能とする種々の電子部品
の製造に好適に用いることができる。
【0157】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。実施例及び比較例において用いた測定装置は次のと
おりである。
【0158】熱線膨張係数:セイコー電子(株)製サー
マルメカニカルアナリシス装置TMA/SS100 誘電率:横河・ヒューレット・パッカード(株)製HP
16451B誘電体測定装置 回転粘度:東京計器(株)製B型粘度計 GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装
置:東ソー(株)製HLC8020(カラムは東ソー
(株)製GMHXL+GMHXL-+G2500HXL
【0159】実施例1 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2'
−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル9.8g(40.
0mmol)、1,1−ビス(4−(4−アミノフェノキ
シ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル)ブタン3
3.6g(60.0mmol)とN−メチル−2−ピロリド
ン327gとを仕込み、室温で攪拌して、溶液とした。
次に、この溶液に3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物11.8g(40.0mmol)と2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン26.6g(60.0mmol)を加え、室温で1時間攪
拌した後、50℃で18時間攪拌した。そこで、加熱を
止め、室温まで放冷して、ポリアミド酸の溶液を得た。
このポリアミド酸の分子量をGPC法にて測定した結
果、数平均分子量は13000であり、重量平均分子量
は36000であった。
【0160】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、減圧下、室温から360℃まで2時間かけ
て昇温した後、360℃で2時間加熱して、ポリイミド
樹脂フィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱
線膨張係数は29ppmであり、誘電率は2.87であっ
た。
【0161】上記ポリアミド酸の溶液を熱線膨張係数1
7ppmのステンレス(SUS304)箔の表面にキャ
ストし、減圧下、室温から360℃まで2時間かけて昇
温した後、360℃で2時間加熱し、閉環、イミド化さ
せて、ポリイミド樹脂フィルムとした。この後、室温に
戻したとき、ステンレス箔が弯曲するようなことはなか
った。以下、これをポリアミド酸のフィルム化試験とい
う。
【0162】実施例2 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2'
−ジフルオロ−4,4'−ジアミノビフェニル16.5g(7
5.0mmol)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチル
フェニル)ヘキサフルオロプロパン19.1g(75.0m
mol)とN−メチル−2−ピロリドン363gとを仕
込み、室温で攪拌して、溶液とした。次に、この溶液に
3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物22.
1g(75.0mmol)と2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン33.3g(75.
0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した後、50℃
で18時間攪拌した。そこで、加熱を止め、室温まで放
冷して、ポリアミド酸の溶液を得た。このポリアミド酸
の分子量をGPC法にて測定した結果、数平均分子量は
13000であり、重量平均分子量は36000であっ
た。
【0163】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は27ppmであり、誘電率は2.57であった。
【0164】上記ポリアミド酸のフィルム化試験におい
て、ステンレス箔の弯曲はみられなかった。
【0165】実施例3 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2'
−ジフルオロ−4,4'−ジアミノビフェニル19.8g(9
0.0mmol)、α,α'−ビス(4−アミノフェニル)
−1,4−ジイソプロピルベンゼン20.6g(60.0mm
ol)とN−メチル−2−ピロリドン346gとを仕込
み、室温で攪拌して、溶液とした。次に、この溶液に無
水ピロメリット酸19.4g(90.0mmol)と2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン26.6g(60.0mmol)を加え、室温で1時
間攪拌した後、50℃で18時間攪拌した。そこで、加
熱を止め、室温まで放冷して、ポリアミド酸の溶液を得
た。このポリアミド酸の分子量をGPC法にて測定した
結果、数平均分子量は13000であり、重量平均分子
量は36000であった。
【0166】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は25ppmであり、誘電率は2.65であった。
【0167】上記ポリアミド酸のフィルム化試験におい
て、ステンレス箔の弯曲はみられなかった。
【0168】実施例4 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2'
−ジメキトシ−4,4'−ジアミノビフェニル25.6g(1
05.0mmol)とα,α'−ビス(4−アミノフェニ
ル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン15.5g(45.0
mmol)とN−メチル−2−ピロリドン335gとを
仕込み、室温で攪拌して、溶液とした。次に、この溶液
に無水ピロメリット酸22.7g(105.0mmol)と
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン20.0g(45.0mmol)を加え、室温
で1時間攪拌した後、50℃で18時間攪拌した。そこ
で、加熱を止め、室温まで放冷して、ポリアミド酸の溶
液を得た。このポリアミド酸の分子量をGPC法にて測
定した結果、数平均分子量は13000であり、重量平
均分子量は36000であった。
【0169】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は21ppmであり、誘電率は2.91であった。
【0170】上記ポリアミド酸のフィルム化試験におい
て、ステンレス箔の弯曲はみられなかった。
【0171】実施例5 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2'
−ジフルオロ−4,4'−ジアミノビフェニル26.4g(1
20.0mmol)とα,α'−ビス(4−アミノフェニ
ル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン10.3g(30.0
mmol)とN−メチル−2−ピロリドン341gとを
仕込み、室温で攪拌して、溶液とした。次に、この溶液
に3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物3
5.3g(120.0mmol)と2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.3g
(30.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した後、
50℃で18時間攪拌した。そこで、加熱を止め、室温
まで放冷して、ポリアミド酸の溶液を得た。このポリア
ミド酸の分子量をGPC法にて測定した結果、数平均分
子量は13000であり、重量平均分子量は36000
であった。
【0172】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は17ppmであり、誘電率は2.70であった。
【0173】上記ポリアミド酸のフィルム化試験におい
て、ステンレス箔の弯曲はみられなかった。
【0174】実施例6 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2'
−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル32.9g(1
35.0mmol)と2,2−ビス(4−アミノフェノキシ
フェニル)プロパン5.2g(15.0mmol)とN−メ
チル−2−ピロリドン296gとを仕込み、室温で攪拌
して、溶液とした。次に、この溶液に無水ピロメリット
酸29.2g(135.0mmol)と2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン6.7g
(15.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した後、
50℃で18時間攪拌した。そこで、加熱を止め、室温
まで放冷して、ポリアミド酸の溶液を得た。このポリア
ミド酸の分子量をGPC法にて測定した結果、数平均分
子量は13000であり、重量平均分子量は36000
であった。
【0175】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は15ppmであり、誘電率は2.96であった。
【0176】上記ポリアミド酸のフィルム化試験におい
て、ステンレス箔の弯曲はみられなかった。
【0177】実施例7 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2'
−ジフルオロ−4,4'−ジアミノビフェニル31.4g(1
42.5mmol)と2,2−ビス(4−アミノフェノキシ
フェニル)プロパン2.6g(7.5mmol)とN−メチ
ル−2−ピロリドン272gとを仕込み、室温で攪拌し
て、溶液とした。次に、この溶液に無水ピロメリット酸
30.8g(142.5mmol)と2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.3g
(7.5mmol)を加え、室温で1時間攪拌した後、5
0℃で18時間攪拌した。そこで、加熱を止め、室温ま
で放冷して、ポリアミド酸の溶液を得た。このポリアミ
ド酸の分子量をGPC法にて測定した結果、数平均分子
量は13000であり、重量平均分子量は36000で
あった。
【0178】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの線膨張係
数は13ppmであり、誘電率は2.76であった。
【0179】上記ポリアミド酸のフィルム化試験におい
て、ステンレス箔の弯曲はみられなかった。
【0180】比較例1 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコにα,
α'−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロ
ピルベンゼン34.4g(100.0mmol)とN−メチ
ル−2−ピロリドン315gとを仕込み、室温で攪拌し
て、溶液とした。次に、この溶液に2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン44.4
g(100.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した
後、50℃で18時間攪拌した。そこで、加熱を止め、
室温まで放冷して、ポリアミド酸の溶液を得た。このポ
リアミド酸の分子量をGPC法にて測定した結果、数平
均分子量は13000であり、重量平均分子量は360
00であった。
【0181】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は60ppmであり、誘電率は2.54であった。
【0182】上記ポリアミド酸のフィルム化試験によれ
ば、ステンレス箔が弯曲した。
【0183】比較例2 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2'
−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル24.4g(1
00.0mmol)とN−メチル−2−ピロリドン215
gとを仕込み、室温で攪拌して、溶液とした。次に、こ
の溶液に3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物29.4g(100.0mmol)を加え、室温で1時
間攪拌した後、50℃で18時間攪拌した。そこで、加
熱を止め、室温まで放冷して、ポリアミド酸の溶液を得
た。このポリアミド酸の分子量をGPC法にて測定した
結果、数平均分子量は13000であり、重量平均分子
量は36000であった。
【0184】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は3ppmであったが、誘電率は高く、3.29であ
った。
【0185】上記ポリアミド酸のフィルム化試験によれ
ば、ステンレス箔が弯曲した。
【0186】比較例3 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2
−ジフルオロ−4,4'−ジアミノビフェニル3.3g(15.
0mmol)とα,α'−ビス(4−アミノフェニル)−
1,3−ジイソプロピルベンゼン29.2g(85.0mmo
l)とN−メチル−2−ピロリドン294gとを仕込
み、室温で攪拌して、溶液とした。次に、この溶液に無
水ピロメリット酸3.2g(15.0mmol)と2,2 −ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン37.7g(85.0mmol)を加え、室温で1時間
攪拌した後、50℃で18時間攪拌した。そこで、加熱
を止め、室温まで放冷して、ポリアミド酸の溶液を得
た。このポリアミド酸の分子量をGPC法にて測定した
結果、数平均分子量は13000であり、重量平均分子
量は36000であった。
【0187】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は54ppmであり、誘電率は高く、2.54であっ
た。
【0188】上記ポリアミド酸のフィルム化試験によれ
ば、ステンレス箔が弯曲した。
【0189】比較例4 攪拌装置を備えた500mL容量四つ口フラスコに2,2
−ジフルオロ−4,4'−ジアミノビフェニル3.3g(15.
0mmol)と2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェ
ニル)プロパン29.4g(85.0mmol)とN−メチ
ル−2−ピロリドン299gとを仕込み、室温で攪拌し
て、溶液とした。次に、この溶液に3,3',4,4'−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物4.4g(15.0mmo
l)と2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン37.7g(85.0mmol)を加
え、室温で1時間攪拌した後、50℃で18時間攪拌し
た。そこで、加熱を止め、室温まで放冷して、ポリアミ
ド酸の溶液を得た。このポリアミド酸の分子量をGPC
法にて測定した結果、数平均分子量は13000であ
り、重量平均分子量は36000であった。
【0190】上記ポリアミド酸の溶液をガラス板上にキ
ャストして、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂フ
ィルムを得た。このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張
係数は65ppmであり、誘電率は高く、2.77であっ
た。
【0191】上記ポリアミド酸のフィルム化試験によれ
ば、ステンレス箔が弯曲した。
【0192】実施例8 実施例1で得られたポリアミド酸の溶液にニフェジピン
24.5g(78.0mmol)とアセチル体16.4g(4
7.2mmol)を加えて、感光性ポリアミド酸溶液を調
製した。
【0193】厚み25μmのステンレス(SUS30
4)箔上に上記感光性ポリアミド酸溶液を連続コーター
にて長尺塗布した後、120℃で2分間加熱乾燥して、
感光性ポリアミド酸の被膜を形成した。次いで、マスク
を介して、露光量700mJ/cm2 にて紫外線照射
し、180℃で3分間加熱した後、現像処理して、ネガ
型画像を形成し、更に、0.01torrの真空下、40
0℃に加熱して、パターン化したポリイミド樹脂フィル
ムからなる絶縁層(膜厚6μm)を形成して、回路基板
を得た。
【0194】このポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張係
数は29ppmであり、誘電率は2.87であった。ま
た、上記SUS304ステンレス箔の熱線膨張係数は1
7ppmであった。ここに、熱線膨張係数は、幅2m
m、厚さ6μm、長さ30mmの試料について、TMA
法(サーマルメカニカルアナリシス法)にて、昇温速度
10℃/分、荷重5gで測定した。
【0195】次に、このような回路基板のポリイミドか
らなる絶縁層上に連続スパッタリング処理によってクロ
ムと銅をそれぞれ500オングストローム及び1000
オングストロームの膜厚で薄膜形成した。銅薄膜の表面
抵抗は0.3〜0.4Ω/□であった。
【0196】次いで、ステンレス基材の裏面に軽粘着シ
ートをめっきマスクとして貼着した後、上記銅薄膜の全
面に硫酸銅電解めっきを行って、膜厚10μmの銅めっ
きからなる導体層を形成した。
【0197】この後、常法に従って、市販のドライフィ
ルムラミネートを110℃で導体層上にラミネートした
後、露光量80mJ/cm2 にてこれを露光させ、現像
し、非パターン部の銅導体層をアルカリエッチングし
て、配線部と端子部と共に電解めっきのリード部を残す
ように導体層をパターン化し、この後、レジストを除去
した。次いで、このように処理したステンレス箔をフエ
リシアン化カリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液に
25℃で浸漬し、不必要な前記クロム薄膜を除去した。
【0198】この後、このステンレス基材に通常の無電
解めっきを施し、膜厚約0.5μmのニッケル薄膜を導体
層及び絶縁層を含むステンレス箔の全面上に形成した。
次いで、前述したように、ステンレス箔上の導体層の配
線部及び端子部に、前記と同様にして、感光性ポリアミ
ド酸を用いて、所要の被覆層を形成した。次いで、基材
を硝酸系剥離剤に室温で浸漬して、端子部及びステンレ
ス箔上の前記無電解めっき薄膜を除去した。
【0199】この後、常法に従って、上記端子部を除い
て、通常のフォトレジストて被覆した後、上記端子部に
電解ニッケルめっきと電解金めっきを順次に行って、そ
れぞれ膜厚1μmのめっき層を形成し、端子を形成し
た。この後、上記レジストを剥離した。このめっき処理
に続いて、めっきに用いたリード部を導体層から除去す
るために、銅アルカリエッチングとクロムエッチングを
前述したのと同様の方法で行った。
【0200】このようにして、導体層からめっきリード
部を除去した後、ステンレス箔基材を所要の形状に切り
抜くために、常法に従って、フォトレジスト又はドライ
フィルムラミネートを用いて、露光、現像を行って、ス
テンレス箔上に所要のパターンを形成した後、ステンレ
ス箔基材を塩化第二鉄エッチング液に45℃で浸漬し
て、所要の形状に切り抜いた。これを純水にて十分に洗
浄した後、乾燥して、個々に切り抜かれた回路付きサス
ペンション基板を得た。
【0201】このようにして得られた回路付きサスペン
ション基板によれば、ポリイミド樹脂が小さい熱線膨張
係数を有するので、樹脂層に割れが発生したり、基材と
の間で層間剥離を生じたりすることがなかった。また、
信頼性が高く、しかも、反りが生じないので、性能不良
等を起こすこともなかった。
【0202】実施例9 実施例2で得られたポリアミド酸溶液にニフェジピン2
7.3g(86.8mmol)、アセチル体18.2g(52.
5mmol)及びイミダゾール3.9g(57.4mmo
l)を加えて、感光性ポリアミド酸溶液を調製した。
【0203】実施例8におけると同様にして、厚み25
μmのステンレス(SUS304)箔上に上記感光性ポ
リアミド酸溶液を塗布し、加熱乾燥して、感光性ポリア
ミド酸の被膜を形成した後、パターニング処理して、パ
ターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層
(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。
【0204】実施例8におけると同様の測定の結果、こ
のポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張係数は27ppm
であり、誘電率は2.57であった。
【0205】次いで、この回路基板を用いて、実施例8
と同じ手順によって、実施例8によるものと同じく高性
能の回路付きサスペンション基板を得た。
【0206】実施例10 実施例3で得られたポリアミド酸溶液にニフェジピン2
6.0g(82.6mmol)、アセチル体17.3g(50.
0mmol)及びイミダゾール3.7g(54.7mmo
l)を加えて、感光性ポリアミド酸溶液を調製した。
【0207】実施例8におけると同様にして、厚み25
μmのステンレス(SUS304)箔上に上記感光性ポ
リアミド酸溶液を塗布し、加熱乾燥して、感光性ポリア
ミド酸の被膜を形成した後、パターニング処理して、パ
ターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層
(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。
【0208】実施例8におけると同様の測定の結果、こ
のポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張係数は25ppm
であり、誘電率は2.65であった。
【0209】次いで、この回路基板を用いて、実施例8
と同じ手順によって、実施例8によるものと同じく高性
能の回路付きサスペンション基板を得た。
【0210】実施例11 実施例4で得られたポリアミド酸溶液にニフェジピン2
5.1g(79.9mmol)、アセチル体16.8g(48.
4mmol)及びイミダゾール3.6g(52.9mmo
l)を加えて、感光性ポリアミド酸溶液を調製した。
【0211】実施例8におけると同様にして、厚み25
μmのステンレス(SUS304)箔上に上記感光性ポ
リアミド酸溶液を塗布し、加熱乾燥して、感光性ポリア
ミド酸の被膜を形成した後、パターニング処理して、パ
ターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層
(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。
【0212】実施例8におけると同様の測定の結果、こ
のポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張係数は21ppm
であり、誘電率は2.91であった。
【0213】次いで、この回路基板を用いて、実施例8
と同じ手順によって、実施例8によるものと同じく高性
能の回路付きサスペンション基板を得た。
【0214】実施例12 実施例5で得られたポリアミド酸溶液にニフェジピン2
5.6g(81.4mmol)、アセチル体17.1g(49.
3mmol)及びイミダゾール3.7g(53.9mmo
l)を加えて、感光性ポリアミド酸溶液を調製した。
【0215】実施例8におけると同様にして、厚み25
μmのステンレス(SUS304)箔上に上記感光性ポ
リアミド酸溶液を塗布し、加熱乾燥して、感光性ポリア
ミド酸の被膜を形成した後、パターニング処理して、パ
ターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層
(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。
【0216】実施例8におけると同様の測定の結果、こ
のポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張係数は17ppm
であり、誘電率は2.70であった。
【0217】次いで、この回路基板を用いて、実施例8
と同じ手順によって、実施例8によるものと同じく高性
能の回路付きサスペンション基板を得た。
【0218】実施例13 実施例6で得られたポリアミド酸溶液にニフェジピン2
2.2g(70.6mmol)、アセチル体14.8g(42.
7mmol)及びイミダゾール3.2g(46.7mmo
l)を加えて、感光性ポリアミド酸溶液を調製した。
【0219】実施例8におけると同様にして、厚み25
μmのステンレス(SUS304)箔上に上記感光性ポ
リアミド酸溶液を塗布し、加熱乾燥して、感光性ポリア
ミド酸の被膜を形成した後、パターニング処理して、パ
ターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層
(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。
【0220】実施例8におけると同様の測定の結果、こ
のポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張係数は15ppm
であり、誘電率は2.96であった。
【0221】次いで、この回路基板を用いて、実施例8
と同じ手順によって、実施例8によるものと同じく高性
能の回路付きサスペンション基板を得た。
【0222】実施例14 実施例7で得られたポリアミド酸溶液にニフェジピン2
0.4g(65.0mmol)、アセチル体13.6g(39.
3mmol)及びイミダゾール2.9g(43.0mmo
l)を加えて、感光性ポリアミド酸溶液を調製した。
【0223】実施例8におけると同様にして、厚み25
μmのステンレス(SUS304)箔上に上記感光性ポ
リアミド酸溶液を塗布し、加熱乾燥して、感光性ポリア
ミド酸の被膜を形成した後、パターニング処理して、パ
ターン化したポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁層
(膜厚6μm)を形成して、回路基板を得た。
【0224】実施例8におけると同様の測定の結果、こ
のポリイミド樹脂フィルムの熱線膨張係数は13ppm
であり、誘電率は2.93であった。
【0225】次いで、この回路基板を用いて、実施例8
と同じ手順によって、実施例8によるものと同じく高性
能の回路付きサスペンション基板を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明による回路付きサスペンション基板
の一例を示す斜視図である。
【図2】は、図1において、A−A線に沿う断面図であ
る。
【図3】は、図1において、B−B線に沿う断面図であ
る。
【図4】、
【図5】、
【図6】、
【図7】、
【図8】、
【図9】、
【図10】、
【図11】、
【図12】、
【図13】、
【図14】、
【図15】及び
【図16】は、本発明による回路付きサスペンション基
板の製造工程を示す要部部分断面図である。
【符号の説明】
1…回路付きサスペンション基板 2…ステンレス箔基材 3…導体層 4…ジンバル 5及び 6…端子 7…絶縁層 8…被覆層 21…感光性ポリアミド酸からなる被膜 22…ポリイミド樹脂からなる絶縁層 23…クロム薄膜 24…銅薄膜 25…導体層 26…フォトレジスト 27…導体パターン 28…ニッケル薄膜 29…ポリイミド樹脂 30…リード部 31…ポリイミド樹脂被覆層 33…電解金めっき薄膜 34…端子 35…フォトレジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福岡 孝博 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 近藤 隆 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J043 PA01 QB26 RA34 SA06 SA44 SA54 SA72 SB03 TA22 TB03 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UB011 UB021 UB061 UB062 UB131 UB401 UB402 XB11 XB27 XB28 ZA35 ZA42 ZB50 5E315 AA03 BB05 BB16 CC01 GG13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Xは式(a) 【化2】 又は式(b) 【化3】 又は式(c) 【化4】 で表される4価の有機基を示し、Yは式(d) 【化5】 (式中、Rはフッ素原子又はメトキシ基を示す。)、又
    は式(e) 【化6】 (式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示す。)、又は
    式(f) 【化7】 又は式(g) 【化8】 又は式(h) 【化9】 で表される2価の有機基を示す。)で表される繰返し単
    位からなり、Xのうち、式(a)又は式(b)で表され
    る有機基が20〜99モル%を占め、式(c)で表され
    る有機基が80〜1モル%を占め、Yのうち、式(d)
    で表される有機基が20〜99モル%を占め、式
    (e)、式(f)、式(g)又は式(h)で表される有
    機基が80〜1モル%を占め、重量平均分子量が200
    00〜100000の範囲にあるポリアミド酸。
  2. 【請求項2】一般式(II) 【化10】 (式中、Xは式(a) 【化11】 又は式(b) 【化12】 又は式(c) 【化13】 で表される4価の有機基を示し、Yは式(d) 【化14】 (式中、Rはフッ素原子又はメトキシ基を示す。)、又
    は式(e) 【化15】 (式中、Zは水素原子又はフッ素原子を示す。)、又は
    式(f) 【化16】 又は式(g) 【化17】 又は式(h) 【化18】 で表される2価の有機基を示す。)で表される繰返し単
    位からなり、Xのうち、式(a)又は式(b)で表され
    る有機基が20〜99モル%を占め、式(c)で表され
    る有機基が80〜1モル%を占め、Yのうち、式(d)
    で表される有機基が20〜99モル%を占め、式
    (e)、式(f)、式(g)又は式(h)で表される有
    機基が80〜1モル%を占め、重量平均分子量が200
    00〜100000の範囲にあるポリイミド樹脂。
  3. 【請求項3】金属箔基材上にポリイミド樹脂からなる絶
    縁層を有する回路基板において、上記ポリイミド樹脂が
    請求項2に記載のポリイミド樹脂であることを特徴とす
    る回路基板。
  4. 【請求項4】金属箔基材上にポリイミド樹脂からなる絶
    縁層を有し、その上に導体層からなるパターン回路を有
    する回路付きサスペンション基板において、上記ポリイ
    ミド樹脂が請求項2に記載のポリイミド樹脂であること
    を特徴とする回路付きサスペンション基板。
JP2001170664A 2001-06-06 2001-06-06 ポリアミド酸とそれより得られるポリイミド樹脂とそれらの回路基板への利用 Pending JP2002363283A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001170664A JP2002363283A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 ポリアミド酸とそれより得られるポリイミド樹脂とそれらの回路基板への利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001170664A JP2002363283A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 ポリアミド酸とそれより得られるポリイミド樹脂とそれらの回路基板への利用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002363283A true JP2002363283A (ja) 2002-12-18

Family

ID=19012548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001170664A Pending JP2002363283A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 ポリアミド酸とそれより得られるポリイミド樹脂とそれらの回路基板への利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002363283A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005042091A (ja) * 2003-07-04 2005-02-17 Nitto Denko Corp 電気絶縁材料用ポリイミド樹脂
JP2007109725A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Nitto Denko Corp 配線回路基板集合体シートおよびその製造方法
US7265181B2 (en) 2004-07-09 2007-09-04 E.I. Du Pont De Nemours And Company Polyimide cross-linked polymer and shaped article thereof
US7265182B2 (en) 2004-07-09 2007-09-04 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polyamic acid cross-linked polymer and formable composition therefrom
KR101292993B1 (ko) * 2007-11-20 2013-08-02 코오롱인더스트리 주식회사 폴리이미드 수지와 이를 이용한 액정 배향막 및 필름
CN104211963A (zh) * 2014-09-18 2014-12-17 吉林奥来德光电材料股份有限公司 聚酰亚胺树脂的制造方法及利用其所制造的聚酰亚胺薄膜
US9353222B2 (en) 2013-07-19 2016-05-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Composition, polymer film, and display device
KR20170108949A (ko) 2015-01-27 2017-09-27 도레이 카부시키가이샤 수지, 감광성 수지 조성물 및 그들을 사용한 전자 부품, 표시 장치
KR20180090787A (ko) 2015-12-09 2018-08-13 도레이 카부시키가이샤 수지, 슬러리 및 그들을 사용한 적층체와 그의 제조 방법
WO2019194389A1 (ko) * 2018-04-05 2019-10-10 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 연성금속박적층판 제조용 폴리이미드 필름 및 이를 포함하는 연성금속박적층판
WO2019194386A1 (ko) * 2018-04-05 2019-10-10 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 연성금속박적층판 제조용 폴리이미드 필름 및 이를 포함하는 연성금속박적층판

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005042091A (ja) * 2003-07-04 2005-02-17 Nitto Denko Corp 電気絶縁材料用ポリイミド樹脂
US7265181B2 (en) 2004-07-09 2007-09-04 E.I. Du Pont De Nemours And Company Polyimide cross-linked polymer and shaped article thereof
US7265182B2 (en) 2004-07-09 2007-09-04 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polyamic acid cross-linked polymer and formable composition therefrom
JP2007109725A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Nitto Denko Corp 配線回路基板集合体シートおよびその製造方法
JP4640815B2 (ja) * 2005-10-11 2011-03-02 日東電工株式会社 配線回路基板集合体シートおよびその製造方法
KR101292993B1 (ko) * 2007-11-20 2013-08-02 코오롱인더스트리 주식회사 폴리이미드 수지와 이를 이용한 액정 배향막 및 필름
US9353222B2 (en) 2013-07-19 2016-05-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Composition, polymer film, and display device
CN104211963A (zh) * 2014-09-18 2014-12-17 吉林奥来德光电材料股份有限公司 聚酰亚胺树脂的制造方法及利用其所制造的聚酰亚胺薄膜
KR20170108949A (ko) 2015-01-27 2017-09-27 도레이 카부시키가이샤 수지, 감광성 수지 조성물 및 그들을 사용한 전자 부품, 표시 장치
KR20180090787A (ko) 2015-12-09 2018-08-13 도레이 카부시키가이샤 수지, 슬러리 및 그들을 사용한 적층체와 그의 제조 방법
WO2019194389A1 (ko) * 2018-04-05 2019-10-10 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 연성금속박적층판 제조용 폴리이미드 필름 및 이를 포함하는 연성금속박적층판
WO2019194386A1 (ko) * 2018-04-05 2019-10-10 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 연성금속박적층판 제조용 폴리이미드 필름 및 이를 포함하는 연성금속박적층판

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002060490A (ja) ポリアミド酸とそれより得られるポリイミド樹脂とそれらの回路基板への利用
US6100582A (en) Circuit substrate, circuit-formed suspension substrate, and production method thereof
US5858518A (en) Circuit substrate, circuit-formed suspension substrate, and production method thereof
JP5199950B2 (ja) ネガ型感光性材料およびそれを用いた感光性基材、ならびにネガ型パターン形成方法
JP2010266843A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた回路形成用基板
JP5814749B2 (ja) ポリイミド前駆体組成物およびそれを用いた配線回路基板
JP2002363283A (ja) ポリアミド酸とそれより得られるポリイミド樹脂とそれらの回路基板への利用
US6746816B2 (en) Photosensitive resin composition and circuit board
JP4031756B2 (ja) 配線回路基板
TWI293044B (ja)
JPH10265572A (ja) 回路基板、回路付きサスペンション基板及びそれらの製造方法
US7642018B2 (en) Photosensitive resin composition, pattern forming method and electronic parts using the photosensitive resin composition
JP2008122889A (ja) 感光性樹脂組成物、この感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法及び電子部品
JPH1012983A (ja) 回路基板、回路付きサスペンション基板及びそれらの製造方法
JP4491574B2 (ja) Hdd用サスペンション及びその製造方法
KR100426511B1 (ko) 회로-형성기판및회로기판
JP4227461B2 (ja) 感光性ポリアミド酸組成物とそれより得られるパターン化したポリイミド樹脂フィルムとそれらの回路基板への利用
JP5592740B2 (ja) ハードディスクドライブのスライダ用回路付きサスペンション基板
US6245432B1 (en) Circuit substrate, circuit-formed suspension substrate, and production methods therefor
JP3502502B2 (ja) 回路形成用基板および回路基板
JPH10270817A (ja) 回路基板、回路付きサスペンション基板及びそれらの製造方法
JPH11121888A (ja) 回路基板、回路付きサスペンション基板及びそれらの製造方法
JPH1012984A (ja) 回路基板、回路付きサスペンション基板及びそれらの製造方法
JP4840045B2 (ja) ポリイミドパターンの形成方法、物品、及びハードディスク用サスペンション
JP5092656B2 (ja) 電子回路部品、及びハードディスクドライブ用サスペンション