JP5088945B2 - 光学用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
(1)フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)、平均粒子径が0.1μmから2μmの無機微粒子(B)及び/又は平均粒子径が0.1μmから5μmの有機微粒子(B’)、並びに光重合開始剤(C)を含む光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物;
(3)無機微粒子(B)が表面を疎水化処理した無機微粒子である上記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物;
(5)更に、フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)及び分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)以外の(メタ)アクリレート化合物(E)を含む上記(1)ないし(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物;
(7)上記(1)ないし(5)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を、基材フィルム上に成型することによってレンズ形状を付与した硬化物;
(8)上記(6)又は(7)に記載の硬化物を用いる光学レンズシート;
に関する。
本発明の樹脂組成物に含まれるフェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもo−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートが好ましい。
o−フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応物は公知の方法により得ることができ、市販品を使用することもできる。次いで、p−トルエンスルホン酸又は硫酸等のエステル化触媒、ハイドロキノン、フェノチアジン等の重合禁止剤の存在下に、好ましくは溶剤類(例えば、トルエン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等)の存在下、好ましくは70〜150℃の温度で(メタ)アクリル酸と反応させることによりo−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートが得られる。(メタ)アクリル酸の使用割合は、p−フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応物1モルに対して、1〜5モル、好ましくは1.05〜2モルである。エステル化触媒は使用する(メタ)アクリル酸に対して0.1〜15モル%、好ましくは1〜6モル%である。
成分(B)及び/又は成分(B’)の添加量は求められる光拡散性能によるが、成分(A)+成分(D)+成分(E)の総量100重量部に対して、0.1〜10重量部使用することが好ましく、特に好ましくは0.3〜7重量部である。
○・・・・金型からの離型が良好である
△・・・・離型がやや困難あるいは離型時に剥離音がある
×・・・・離型が困難あるいは型残りがある
(2)型再現性:硬化した紫外線硬化性樹脂層の表面形状と金型の表面形状を観察した。
○・・・・再現性良好である
×・・・・再現性が不良である
○・・・・分離や沈降等がなく安定である
×・・・・分離や沈降が確認される
(4)密着性:基材上に樹脂組成物を膜厚約40μmに塗布し、次いで高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で1000mJ/cm2の照射を行い硬化させたテストピースを作製し、JIS K5600−5−6に準じて密着性評価を行った。
評価結果は0〜2を○とし、3〜5を×とした。
(6)ガラス転移点温度(Tg):硬化した紫外線硬化性樹脂層のガラス転移点温度を粘弾性測定システム(DMS−6000:セイコー電子工業(株)製)にて、引っ張りモード、周波数1Hzで測定した。
(7)透過率、ヘイズ測定:密着性の評価で作製した、基材上に樹脂組成物を膜厚約40μmに塗布したサンプルの透過率とヘイズをヘイズメーターTC−HIIIDPK(東京電色製)で測定した。
合成例1
乾燥容器中に、o−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート94.7部、2,4−トリレンジイソシアネート139.3部を仕込み、ビスフェノールAポリ(n=2)プロポキシジオール(水酸基価312mgKOH/g)143.9部を、発熱を確認しながら3分割で仕込み、80℃で攪拌し、約10時間反応を行った。標準法に準拠した測定によるNCO価(ウレタン価といい、残存するイソシアネート基を反応生成物全体に対する重量%で表したもの)が11.9重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート95.7部とp−メトキシフェノール0.2部とジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.06部を仕込み、80℃で約12時間反応を行い、NCO価が0.1重量%以下になったところで反応を終了した。
成分(A)としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート51部、フェニルオキシエチルアクリレート5部、成分(D)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート25部、成分(E)として合成例1で得られたウレタンアクリレート19部、成分(C)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3部を60℃に加温、混合、溶解した。更に成分(B)としてコールターカウンターでの平均粒子径1.2μmの疎水性シリカ2部を攪拌しながら混合・分散し、本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を硬化させた膜の屈折率(25℃)は1.576であり、ガラス転移点温度(Tg)は70℃、透過率は91%、ヘイズ値は11%だった。
この樹脂組成物をプリズムレンズ金型の上に膜厚が50μmになるように塗布し、その上に基材として易接着処理ポリエステルフィルム(100μm厚)を接着させ、更にその上から高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させた後剥離して、プリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、保存安定性:○、密着性:○であった。
実施例1において、微粒子としての平均粒子径1.2μmの疎水性シリカ2部の代わりにコールターカウンターで平均粒子径2.2μmの架橋ポリメチルメタクリレート微粒子2部を用いる以外は実施例1と同様にして本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を硬化させた膜の屈折率(25℃)は1.577であり、ガラス転移点温度(Tg)は70℃、透過率は94%、ヘイズ値は37%だった。
この樹脂組成物をプリズムレンズ金型の上に膜厚が50μmになるように塗布し、その上に基材として易接着処理ポリエステルフィルム(100μm厚)を接着させ、更にその上から高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させた後剥離して、プリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、保存安定性:○、密着性:○であった。
実施例1において、微粒子としての平均粒子径1.2μmの疎水性シリカ2部の代わりにコールターカウンターでの平均粒子径3μmの疎水性シリカ2部を用いる以外は実施例1と同様にして本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を硬化させた膜の屈折率(25℃)は1.576であり、ガラス転移点温度(Tg)は70℃、透過率は89%、ヘイズ値は13%だった。
この樹脂組成物をプリズムレンズ金型の上に膜厚が50μmになるように塗布し、その上に基材として易接着処理ポリエステルフィルム(100μm厚)を接着させ、更にその上から高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させた後剥離して、プリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、保存安定性:×、密着性:○であった。
実施例1において、微粒子としての平均粒子径1.2μmの疎水性シリカ2部の代わりにコールターカウンターでの平均粒子径6μmの架橋アクリルビーズ(ポリメチルメタクリレート/スチレン)2部を用いる以外は実施例1と同様にして比較用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をプリズムレンズ金型の上に膜厚が50μmになるように塗布し、その上に基材として易接着処理ポリエステルフィルム(100μm厚)を接着させ、更にその上から高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させた後剥離して、プリズムレンズシートを得た。得られたシートは外観が不均一であり、光の透過の状態も不均一でレンズシートとしては不適切であった。離型性は○だったが、保存安定性が×であった。
Claims (7)
- フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)であるo−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、平均粒子径が0.1μmから2μmの無機微粒子(B)及び/又は平均粒子径が0.1μmから5μmの有機微粒子(B’)、並びに光重合開始剤(C)を含む光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 無機微粒子(B)が表面を疎水化処理した無機微粒子である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 更に、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)を含む請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 更に、フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)及び分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(D)以外の(メタ)アクリレート化合物(E)を含む請求項1ないし3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる25℃での屈折率が1.55以上である硬化物。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を、基材フィルム上に成型することによってレンズ形状を付与した硬化物。
- 請求項5又は6に記載の硬化物を用いる光学レンズシート。
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