JP2005042034A - 樹脂組成物、レンズ用樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Hideyuki Ota
英之 太田
Ritsuko Shidara
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Abstract

【課題】高屈折率で、耐擦傷性、復元性、離型性、型再現性、密着性に優れた硬化物を与える樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合物からなるポリエーテルジオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)及び任意成分として(a)成分以外のジオール(a−1)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、(A)成分以外の(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物。

Description

本発明は、紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。更に詳しくは、ビデオプロジェクター、プロジェクションテレビなどに使用するフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、液晶ディスプレーなどに使用するプリズムレンズシート等のレンズ類に特に適する樹脂組成物及び硬化物に関するものである。
従来、この種のレンズはプレス法、キャスト法等の方法により成形されていた。前者のプレス法は加熱、加圧、冷却サイクルで製造するため生産性が悪かった。また、後者のキャスト法は金型にモノマーを流し込んで重合するため製作時間が長くかかるとともに金型が多数個必要なため、製造コストが上がるという問題があった。このような問題を解決するために、紫外線硬化性樹脂組成物を使用することについて種々の提案がなされている(特許文献1、特許文献2等)。
しかし、これら従来の樹脂組成物は耐擦傷性、復元性が悪いという課題があった。耐擦傷性が悪いと、擦れにより得られたレンズに容易に傷がついてしまう。また、復元性が悪いと、得られたレンズにある期間外部から力を与えられた場合、その力を取り除いても元に復さずに、永久的なひずみが残ってしまうため、レンズ特性に不具合となっていた。
特開昭63−167301号公報 特開昭63−199302号公報
本発明の目的は、その硬化物が型からの耐擦傷性、復元性、離型性、型再現性、密着性等に優れ、高屈折率である樹脂組成物及びこれらの硬化物を提供するものである。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究の結果、特定の組成を有する感光性樹脂組成物が前記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合物からなるポリエーテルジオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c及び任意成分として(a)成分以外のジオール(a−1)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、(A)成分以外の(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物、
(2)テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合物からなるポリエーテルジオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)及び(a)成分以外のジオール(a−1)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、(A)成分以外の(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含む1項に記載の樹脂組成物、
(3)レンズ用である1または2項に記載の樹脂組成物、
(4)前記1または2項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、
(5)膜屈折率(25℃)が1.55以上である4項に記載の硬化物、
(6)前記4または5項に記載の硬化物からなるレンズ、
に関する。
本発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、高屈折率で耐擦傷性、復元性、離型性、型再現性、密着性に優れ特にフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズシート等に適していることが明らかになった。
本発明の樹脂組成物は、テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)及び任意成分として(a)成分以外のジオール(a−1)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)を含むものである。
テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール(a)としては、例えば、共重合ポリテトラメチレンエーテルグリコールを挙げることができる。上記ポリエーテルジオールの具体的市販品としては、PTXG−1000、PTXG−1800(いずれも旭化成(株)製)を挙げることができる。
有機ポリイソシアネート(b)としては、例えばトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジメリルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3、3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。好ましくは、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートを挙げることができる。
水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
前記(a)成分以外のジオール(a−1)としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリ(n≒2〜20)エトキシジオール、ビスフェノールAポリ(n≒2〜20)プロポキシジオール等のジオール化合物(a−1−1)、これらジオール化合物(a−1−1)と二塩基酸又はその無水物(例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸あるいは、これらの無水物)との反応物であるポリエステルジオール(a−1−2)等を挙げることができる。ジオール成分として好ましくは、ビスフェノールAポリ(n≒2〜20)プロポキシジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールを挙げることができる。
ウレタンアクリレート(A)は、ポリエーテルジオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)、若しくは更にジオール(a−1)とを用いて常法で合成することにより得ることができる。
合成に際しては前記ポリエーテルジオール(a)と(a)成分以外のジオール(a−1)の混合物中の水酸基1当量に対して、有機ポリイソシアネート(b)のイソシアネート基1.1〜2.0当量を反応させることが好ましく、1.3〜2.0当量を反応させることが特に好ましい。(a)成分と(a−1)成分の使用割合は、(a)成分が1〜100モル%、(a−1)成分が0〜99モル%が好ましく、特に好ましくは(a)成分が15〜85モル%、(a−1)成分が0〜85モル%である。また、(a)成分と(a−1)成分とを必須とする場合は(a)成分と(a−1)成分の使用割合は、(a)成分が1〜99モル%、(a−1)成分が1〜99モル%が好ましく、特に好ましくは(a)成分が15〜99モル%、(a−1)成分が1〜85モル%である。反応温度は、60〜100℃が好ましい。
また、(a)成分と(b)成分との反応物(1)中のイソシアネート基1当量あたり、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)中の水酸基0.95〜1.1当量を反応させることが好ましい。反応温度は、60〜100℃が好ましい。
本発明においては(A)成分を添加することにより主として、本発明の樹脂組成物の耐擦傷性復元性が向上する。
次に(メタ)アクリレート(B)の成分としては、モノマー、オリゴマーを任意に使用出来る。
(メタ)アクリレート(B)成分としてのモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフロフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620、等)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のモノマー類を挙げることができる。好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを挙げることができる。特に好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
(メタ)アクリレート(B)成分としてのオリゴマー成分としてはエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテルを挙げることができる。
また、(メタ)アクリレート(B)成分としてのポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば前記のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリ(n≒2〜20)エトキシジオール、ビスフェノールAポリ(n≒2〜20)プロポキシジオール等のジオール化合物(a−1−1)、又は、これらジオール化合物(a−1−1)と二塩基酸又はその無水物(例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸あるいは、これらの無水物)との反応物であるポリエステルジオール(a−1−2)等と(メタ)アクリル酸の反応物等を挙げることができる。
本発明においては(B)成分を添加することにより、主として本発明の樹脂組成物の密着性、屈折性が向上する。
光重合開始剤(C)としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトンを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物で含有される成分の使用割合は、(A)成分+(B)成分を100重量部とした場合、(A)成分は、10〜60重量部使用することが好ましく、特に好ましくは20〜50重量部である。(B)成分は40〜90重量部使用することが好ましく、特に好ましくは50〜80重量部である。(C)成分は(A)+(B)の総量100重量部に対して、0.1〜10重量部使用することが好ましく、特に好ましくは0.3〜5重量部である。
本発明の樹脂組成物は、前記成分以外に離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、重合禁止剤、帯電防止剤、有機溶剤等を併用して含有することができる。さらに、必要に応じて、アクリルポリマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンポリマー及びニトリルゴム等のポリマー類も添加することができる。
本発明の樹脂組成物は、各成分を常法に従い混合溶解することにより調製することができる。具体的には撹拌装置、温度計のついた丸底フラスコに各成分を仕込み、40〜80℃にて0.5〜6時間撹拌することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物の硬化物は常法に従い紫外線の照射により硬化して得ることができる。具体的には本発明の樹脂組成物を、例えば、フレネルレンズ又はレンチキュラーレンズの形状を有するスタンパー上に塗布し、該紫外線硬化性樹脂組成物の層を設け、その層の上に硬質透明基板であるバックシート(例えば、ポリメタクリル、ポリカーボネート、ポリエステルからなる基板あるいはフィルム上のもの。)を接着させ、次いで該硬質透明基板側から高圧水銀灯などにより、紫外線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該スタンパーから剥離する。
この様にして屈折率(25℃)が1.55以上で耐擦傷性に優れ、優れた復元性を有したフレネルレンズあるいはレンチキュラーレンズ等のレンズを得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズシート等のレンズ類用として特に有用であるが、その他に各種コーティング剤接着剤としても有用である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の評価は次の方法で行った。
(1)耐擦傷性:
樹脂組成物を用いて製造したフレネルレンズにアクリル板(幅15mm、長さ100mm、厚さ2mm)を強く押しつけながら長さ100mmの間隔を1往復1秒のスピードで10往復させた後、レンズ表面についた傷を観察する。
◎・・・・傷が全く認められない
○・・・・スジ状の傷が数本認められる
△・・・・部分的に帯状の傷が認められる
×・・・・全体的に帯状の傷が認められる
(2)復元性:
樹脂組成物を用いて製造したフレネルレンズに直径10mmの金属丸棒を強く押しつけた後、レンズについた丸棒の跡が完全に消失するまでの時間を測定した。
◎・・・・瞬時に消失した
○・・・・60秒以内に消失した
△・・・・1〜60分以内に消失した
×・・・・60分以内では消失しない
(3)離型性:
硬化した樹脂を金型より離型させるときの難易
○・・・・金型からの離型が良好
△・・・・離型がやや困難
×・・・・離型が困難あるいは型のこりがある
(4)型再現性:
硬化した樹脂層の表面形状と金型の表面形状を観察した。
○・・・・再現性良好
×・・・・再現性が不良
(5)密着性:
硬質透明樹脂基板上に樹脂組成物を膜厚200μm、幅20mm、長さ150mmに塗布し、次いで高圧水銀灯(80w/cm、オゾンレス)で600mj/cm2の照射を行い硬化させたテストピースを作成し、剥離強度の測定を行った。剥離強度は引張試験機で硬質透明樹脂基板上の硬化した樹脂の90度剥離強度を測定した(剥離スピード、100mm/分)
◎・・・・2kg/cm以上
○・・・・1〜2kg/cm
△・・・・0.5〜1kg/cm
×・・・・0.5kg/cm以下
(6)屈折率(25℃):
硬化した紫外線硬化性樹脂層の屈折率(25℃)を測定した。
1.ウレタン(メタ)アクリレート(A)の合成例
合成例1−1
テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール(旭化成(株)製、品名PTXG−1800、水酸基価61.7mgKOH/g、数平均分子量1820)364.0gとトリレンジイソシアネート69.1gを仕込み、70℃で撹拌し、約6時間反応を行った。イソシアネート基が3.87重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート47.8gとメトキノン0.05gとジブチルスズラウリレート0.05gを仕込み80℃で約8時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了した。得られたウレタンアクリレートの屈折率(25℃)は1.475であった。
合成例1−2
テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール(旭化成(株)製、品名PTXG−1800、水酸基価61.7mgKOH/g、数平均分子量1820)221.6g、ビスフェノールAポリ(n≒3)プロポキシジオール(水酸基価276、数平均分子量406.6)68.4gとトリレンジイソシアネート75.8gを仕込み、70℃で撹拌し、約7時間反応を行った。イソシアネート基が3.33重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート34.7gとメトキノン0.04gとジブチルスズラウリレート0.04gを仕込み80℃で約7時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了した。得られたウレタンアクリレートの屈折率(25℃)は1.508であった。
合成例1−3
テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール(旭化成(株)製、品名PTXG−1800、水酸基価61.7mgKOH/g、数平均分子量1820)168.7g、ビスフェノールAポリ(n≒3)プロポキシジオール(水酸基価276mgKOH/g、数平均分子量406.6)97.9gとトリレンジイソシアネート87.1gを仕込み、70℃で撹拌し、約5時間反応を行った。イソシアネート基が3.96重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート39.9gとメトキノン0.04gとジブチルスズラウリレート0.04gを仕込み80℃で約11時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了した。得られたウレタンアクリレートの屈折率(25℃)は1.523であった。
2.比較例のためのウレタン(メタ)アクリレート(A)の合成
合成例2−1
ポリプロピレングリコール(水酸基価57.5mgKOH/g、数平均分子量1950)390.0gとトリレンジイソシアネート69.8gを仕込み、70℃で撹拌し、約8時間反応を行った。イソシアネート基が3.65重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4gとメトキノン0.05gとジブチルスズラウリレート0.05gを仕込み80℃で約8時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了した。得られたウレタンアクリレートの屈折率(25℃)は1.477であった。
合成例2−2
ポリプロピレングリコール(水酸基価57.5mgKOH/g、数平均分子量1950)247.0g、ビスフェノールAポリ(n≒3)プロポキシジオール(水酸基価276mgKOH/g、数平均分子量406.6)84.0gとトリレンジイソシアネート87.3gを仕込み、70℃で撹拌し、約9時間反応を行った。イソシアネート基が3.35重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート38.7gとメトキノン0.04gとジブチルスズラウリレート0.04gを仕込み80℃で約10時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了した。得られたウレタンアクリレートの屈折率(25℃)は1.511であった。
実施例1〜4、及び比較例1、2
表1に示すような組成(数値は重量部を示す)の実施例及び比較例の紫外線硬化樹脂組成物をフレネルレンズ金型の上に塗布し、その上に2.5mm厚のアクリル樹脂板を接着させ紫外線を照射して硬化させフレネルレンズを得た。
表1
実施例 比較例
1 2 3 4 1 2
(A)成分
合成例1−1で得たウレタンアクリレート 28 16
合成例1−2で得たウレタンアクリレート 28
合成例1−3で得たウレタンアクリレート 28
合成例2−1で得たウレタンアクリレート 28
合成例2−2で得たウレタンアクリレート 28
(B)成分
KAYARAD R−310 12
フェニルオキシエチルアクリレート 6 6 6 6 10 10
o−フェニルフェノールポリエトキシ 46 36 36 36 22 22
アクリレート
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 6 10 10 10 16 16
ビスフェノールAポリ(n≒10)エト 14 20 20 20 14 14
キシジアクリレート
(C)成分
1−ヒドロキシシクロフェニルケトン 3 3 3 3 3 3
(評価結果)
耐擦傷性 ◎ ◎ ◎ ◎ × ×
復元性 ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○
離型性 ○ ○ ○ ○ × ×
型再現性 ○ ○ ○ ○ × ×
密着性 ○ ○ ○ ○ × ×
屈折率 1.551 1.552 1.556 1.553 1.533 1.542
注)R−310:日本化薬(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1004)のエポキシアクリレートのフェニルグリシジルエーテルのアクリル酸エステル50%希釈品。
表1の評価結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物の硬化物は、高屈折率で耐擦傷性、離型性、復元性、型再現性、密着性に共に優れている。
本発明の紫外線硬化性の樹脂組成物及びその硬化物は、主にビデオプロジェクター、プロジェクションテレビなどに使用するフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、液晶ディスプレーなどに使用するプリズムレンズシート等のレンズ類に特に適するものである。

Claims (6)

  1. テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合物からなるポリエーテルジオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)及び任意成分として(a)成分以外のジオール(a−1)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、(A)成分以外の(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合物からなるポリエーテルジオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)及び(a)成分以外のジオール(a−1)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、(A)成分以外の(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含む請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. レンズ用である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
  5. 膜屈折率(25℃)が1.55以上である請求項4に記載の硬化物。
  6. 請求項4または5に記載の硬化物からなるレンズ。
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