JP2005352324A - 低屈折率樹脂組成物、レンズ用樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

低屈折率樹脂組成物、レンズ用樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】低屈折率で、耐溶剤性、離型性、型再現性、密着性等に優れた硬化物を与える樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(c)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、フッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)、必要により非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)を含むことを特徴とするレンズ用樹脂組成物を調製する。

Description

本発明は、紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。更に詳しくは、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズ類に特に適する樹脂組成物及び硬化物に関するものである。
近年、低屈折率高分子材料の光学用物品への進出は著しく、液晶ディスプレー用パネル、カラーフィルター用保護膜、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ、非球面レンズ、光ディスク、光ファイバー、光導波路、光学部材用接着剤等への検討が盛んに行われている。その中でも特に、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等に関する研究は近年盛んに行われている。
レンズを成形する方法としては、レンズ成形型と基材の間に活性エネルギー線硬化性樹脂を流し込み、これにエネルギー線を照射するPhoto polymer法(2P法)などが開発されている。
特許文献1は光学レンズ用途のフッ素原子含有樹脂組成物について記載している。該特許文献の樹脂組成物は、含フッ素化合物及び非フッ素多官能単量体を必須成分とし、粘度調整のためにフッ素系重合体を添加して用いることが好ましいとしている。しかしながら、フッ素系重合体を含有する樹脂組成物はゲル分率が低くなるという欠点がある。
特開2001−74912号公報
本発明の目的は、紫外線を照射することによって硬化物が得られ、さらにはその硬化物が耐溶剤性、離型性、型再現性、密着性に優れ、低屈折率であるレンズ用樹脂組成物及びこれらの硬化物を提供することである。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究の結果、ウレタン(メタ)アクリレートを含む特定の組成を有する感光性樹脂組成物が前記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(c)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、フッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物(B)と及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とするレンズ用樹脂組成物、
(2)更に、ウレタン(メタ)アクリレート(A)以外の構造を有する非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)を含むことを特徴とする1項に記載のレンズ用樹脂組成物、
(3)ポリオール(a)が分子中に芳香環を含まない化合物である1項または2項に記載のレンズ用樹脂組成物、
(4)ポリオール(a)が分子中にテトラメチレンエーテル構造を含む化合物である1項ないし3項のいずれか一項に記載のレンズ用樹脂組成物、
(5)1項ないし4項のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られるレンズ、
(6)25℃での膜屈折率が1.50以下である5項に記載のレンズ、
に関する。
本発明の樹脂組成物に紫外線を照射することにより硬化して得られる硬化物は、低屈折率で、耐溶剤性、離型性、型再現性、密着性に優れ、さらには本発明の樹脂組成物の硬化物が特にフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等に適していることが明らかになった。
本発明の樹脂組成物は、ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(c)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、フッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むものである。
ポリオール(a)としては、水酸基を複数個有する化合物であれば差し支えないが、本発明ではそのなかで分子中に芳香環を有しない化合物が好ましく、例えば、テトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール、テトラメチレンエーテルと側鎖を有する変性テトラメチレンエーテルのランダム共重合からなるポリエーテルジオール等のジオール化合物、及びこれらジオール化合物と二塩基酸又はその無水物(例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸あるいは、これらの無水物)との反応物であるポリエステルジオール等を挙げることができる。好ましくは、ポリテトラメチレングリコール、テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール、テトラメチレンエーテルと側鎖を有する変性テトラメチレンエーテルのランダム共重合からなるポリエーテルジオール等のジオール化合物を挙げることができる。
有機ポリイソシアネート(b)の具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、等を挙げることができる。好ましくは、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートを挙げることができる。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(c)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物で用いられる、ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(c)を用いて常法で合成することにより得ることができる。即ち、ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)とを付加することにより反応物(I)を得て、次いで反応物(I)に水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を付加することによりウレタン(メタ)アクリレート(A)が得られる。
反応物(I)の合成に際しては、ポリオール(a)の水酸基1当量に対して、有機ポリイソシアネート(b)のイソシアネート基1.1〜2.0当量を反応させることが好ましく、1.3〜2.0当量を反応させることが特に好ましい。反応温度は、60〜100℃が好ましい。
次にウレタン(メタ)アクリレート(A)への反応は、(a)成分と(b)成分との反応物(I)中のイソシアネート基1当量あたり、水酸基を有する(メタ)アクリレート(c)中の水酸基0.95〜1.1当量を反応させることが好ましい。反応温度は、60〜100℃が好ましい。なお、これら反応を促進するために、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチルスズラウリレート、ジオクチルスズラウリレート等のジラウリレート化合物を触媒として用いることができる。触媒の添加量は反応混合物全体に対して0.001〜5重量%であることが好ましく、0.01〜1重量%であることが特に好ましい。また、反応中の重合を防止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン等の重合禁止剤を用いることができる。重合禁止剤の添加量は反応混合物全体に対して0.001〜5重量%であることが好ましく、0.01〜1重量%であることが特に好ましい。
なお、本発明の樹脂組成物においては、ウレタン(メタ)アクリレート(A)は単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。
フッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物(B)としては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロ−n−ブチル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロ−n−ヘキシル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロ−n−オクチル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロ−n−デシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロイソブチル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロイソヘキシル(メタ)アクリレート1H,1H−パーフルオロイソオクチル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロイソデシル(メタ)アクリレート、1H,1H−パーフルオロイソドデシル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロイソプロピル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−2−メチルプロピル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,4H−パーフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−パーフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−パーフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−パーフルオロノニル(メタ)アクリレート、3,3,4,4−テトラフルオロブチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−ヘキサデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ジフルオロエチル)エーテル、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,6−ジオキサオクタン、1,11−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,6,9−トリオキサウンデカン、1,14−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,−テトラフルオロブタン、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタン、1,10−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン、1,12−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−イコサフルオロドデカン、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4−テトラフルオロヘキサン、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクタン、1,10−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロデカン、1,12−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−ヘキサデカフルオロドデカン、1,14−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−イコサフルオロテトラデカン等を挙げることができる。
好ましくは、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4−テトラフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−ヘキサデカフルオロデシル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
なお、これらフッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物は公知の製造方法(例えば、フッ素原子含有アルコール化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル反応)に準じて合成して得られるが、例えば、フルオレスター(東ソー・エフテック(株)製)、ビスコート8F(大阪有機化学工業(株)製)等として市場から入手することもできる。
また、本発明の樹脂組成物において、フッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物(B)は単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。
本発明の樹脂組成物を感光性樹脂組成物とするために光重合開始剤(C)を使用する。本発明で用いることのできる光重合開始剤(C)の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。
好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンを挙げることができる。
なお、本発明の樹脂組成物においては、光重合開始剤(C)は単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。
さらに、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)を配合することができる。非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)の成分としては、モノマー、オリゴマーを任意に用いても良く、オリゴマー成分としては、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なお、本発明の樹脂組成物においては、非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)は単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。
非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)の具体例としては、例えば、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフロフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620、等)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のモノマー類を挙げることができる。
好ましくは、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフロフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールジ(メタ)アクリレートを挙げることができる
非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)成分のオリゴマー成分としてのエポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。
非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)成分のオリゴマー成分としてのポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、前記のテトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール、テトラメチレンエーテルと側鎖を有する変性テトラメチレンエーテルのランダム共重合からなるポリエーテルジオール等のジオール化合物と二塩基酸(例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸あるいは、これらの無水物)との反応物であるポリエステルジオール等と(メタ)アクリル酸の反応物等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物で含有される各成分の使用割合は、(A)成分+(B)成分を100重量部とした場合、(A)成分は5〜80重量部使用することが好ましく、特に好ましくは5〜60重量部である。(B)成分は20〜95重量部使用することが好ましく、特に好ましくは40〜95重量部である。
また、本発明の樹脂組成物に(D)成分を用いる場合の各成分の使用割合は、(A)成分+(B)成分+(D)成分を100重量部とした場合、(A)成分は5〜80重量部使用することが好ましく、特に好ましくは5〜60重量部である。(B)成分は10〜95重量部使用することが好ましく、特に好ましくは30〜95重量部である。(D)成分は1〜60重量部使用することが好ましく、特に好ましくは3〜40重量部である。
また、(C)成分は、(A)成分+(B)成分あるいは(A)成分+(B)成分+(D)成分の総量100重量部に対して0.1〜10重量部用いることが好ましく、特に好ましくは0.5〜8重量部である。
本発明の樹脂組成物は、前記成分以外に、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、重合禁止剤、帯電防止剤、カップリング剤、有機溶剤等を含有することができる。さらに、必要に応じて、アクリルポリマー、ウレタンポリマー及びニトリルゴム等のポリマー類も添加することができる。但し、これらポリマー類の配合量が多いと本発明で得られる樹脂組成物又はその硬化物の特性が損なわれる可能性があるため、これらポリマー類の配合比率は、(A)+(B)あるいは(A)+(B)+(D)の総量100重量部に対して、10重量部以下使用することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記の(A)、(B)及び(C)を、もしくは(A)、(B)、(C)及び(D)成分を混合溶解することにより調整することができる。具体的には撹拌装置、温度計のついた丸底フラスコに各成分を仕込み、40〜80℃にて0.5〜6時間撹拌することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物の硬化物は常法に従い紫外線等の照射により硬化して得ることができる。具体的には本発明のレンズ用樹脂組成物を、例えば、フレネルレンズ又はレンチキュラーレンズの形状を有するスタンパー上に塗布し、該紫外線硬化性樹脂組成物の層を設け、その層の上に硬質透明基板であるバックシート(例えば、ガラス、ポリメタクリル、ポリカーボネート、ポリエステルからなる基板あるいはフィルム)を接着させ、次いで該硬質透明基板側から高圧水銀灯などにより、紫外線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該スタンパーから剥離する。
この様にして膜屈折率が25℃で1.50以下で離型性に優れたフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズを得ることができる。なお、屈折率はアッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)等で測定することができる。
本発明の樹脂組成物は、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズ類用として有用であるが、その他に各種コーティング剤、接着剤等にも有用である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1.ウレタン(メタ)アクリレート(A)の合成例
合成例1
ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業(株)製、PTG−2000SN、水酸基価55.9mgKOH/g、数平均分子量2007.5)745.6gとイソホロンジイソシアネート165.1gを仕込み、90℃で撹拌し、約10時間反応を行った。イソシアネート基が3.71重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート88.8gとp−メトキシフェノール0.5gとジブチルスズラウリレート0.15gを仕込み90℃で約14時間反応を行い、イソシアネート基が0.1重量%以下になったところで反応を終了した。得られたウレタンアクリレートの屈折率(25℃)は1.475であった。なお、屈折率はアッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)で測定した(以下の合成例、実施例で屈折率の測定は上記アッベ屈折率計で測定した)。
合成例2
テトラメチレンエーテルとアルキレンエーテルとの共重合からなるポリエーテルジオール(旭化成(株)製、PTXG−1800、水酸基価62.3mgKOH/g、数平均分子量1800.13)724.8gとイソホロンジイソシアネート179.0gを仕込み、90℃で撹拌し、約18時間反応を行った。イソシアネート基が3.80重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート95.2gとp−メトキシフェノール0.5gとジブチルスズラウリレート0.15gを仕込み90℃で約12時間反応を行い、イソシアネート基が0.1重量%以下になったところで反応を終了した。得られたウレタンアクリレートの屈折率(25℃)は1.475であった。
合成例3
テトラメチレンエーテルと側鎖を有する変性テトラメチレンエーテルのランダム共重合からなるポリエーテルジオール(保土ヶ谷化学工業(株)製、PTG−L2000、水酸基価56.3mgKOH/g、数平均分子量1993.25)744.2gとイソホロンジイソシアネート166.0gを仕込み、90℃で撹拌し、約14時間反応を行った。イソシアネート基が3.51重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート87.8gとp−メトキシフェノール0.5gとジブチルスズラウリレート0.15gを仕込み90℃で約12時間反応を行い、イソシアネート基が0.1重量%以下になったところで反応を終了した。得られたウレタンアクリレートの屈折率(25℃)は1.475であった。
合成例4
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(東ソ−・エフテック(株)製、フルオレスター)100.9g、重合開始剤としてα,α‘−アゾビス(イソブチロニトリル)1.0gおよび溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート147.9gを仕込み、撹拌しながら15分間窒素ガスを封入した後、昇温して80℃にて5時間反応させ、さらに100℃で1時間反応させた。冷却後、得られた反応液に1,9−ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、ビスコート260)100.9gを加え、エバポレ−ターを用い、100℃にて6時間エアレーションし、溶媒を除去した。得られたポリマー液の屈折率は1.440(25℃)であった。
実施例1〜5、比較例1〜2
表1に示すような組成(数値は重量部を示す)の実施例及び比較例の紫外線硬化樹脂組成物をレンズ金型の上に塗布し、その上に2.5mm厚のアクリル樹脂板を接着させ紫外線を照射して硬化させることにより硬化物を得た。得られたそれぞれの硬化膜について、性能評価を行った。それらの結果も併せて表1に示す。
(1)離型性:硬化した樹脂を金型より離型させるときの難易
○・・・・金型からの離型が良好
△・・・・離型がやや困難
×・・・・離型が困難あるいは型のこりがある
(2)型再現性:硬化した紫外線硬化性樹脂層の表面形状と金型の表面形状を観察した。
○・・・・再現性良好
×・・・・再現性が不良
(3)密着性:透明メタクリル樹脂系基板上に樹脂組成物を膜厚200μm程度、幅20mm程度、長さ150mm程度に塗布し、高圧水銀灯(80w/cm、オゾンレス)で1000mj/cm2の照射を行い硬化させたテストピースを作成し、剥離強度の測定を行った。剥離強度は引張試験機で透明メタクリル樹脂系基板上の硬化した樹脂の90度剥離強度を測定した(剥離スピード、50mm/分)
◎・・・・2kg/cm以上
○・・・・1〜2kg/cm
△・・・・0.5〜1kg/cm
×・・・・0.5kg/cm以下
(4)耐溶剤性:メチルエチルケトンを浸し込ませたガーゼで硬化した紫外線硬化性樹脂層の表面を50回摩擦し、樹脂層表面の状況を観測した。
○・・・・樹脂層表面に全く変化がない
×・・・・樹脂層表面が曇り状になるか、または表面にスジムラがはいる
(5)屈折率(25℃):硬化した紫外線硬化性樹脂層の屈折率(25℃)を測定した。
(6)ゲル分率:チンフリー板上に樹脂組成物を膜厚200μm程度、幅70mm程度、長さ150mm程度に塗布し、高圧水銀灯(80w/cm、オゾンレス)で1000mj/cm2の照射を行い硬化させた。チンフリー板から剥離した硬化塗膜(重量:W1)をメチルエチルケトン中で80℃にて9時間還流した後、80℃で4時間乾燥後に秤量(重量:W2)し、ゲル分率(%)=W2×100/W1を求めた。
表1
実施例 比較例
1 2 3 4 5 1 2
(A)成分
合成例1で得たウレタンアクリレート 48 44 44
合成例2で得たウレタンアクリレート 44
合成例3で得たウレタンアクリレート 44
(B)成分
ビスコート8F 48 45 20
ビスコート8FM 52 48 48 48
(C)成分
1−ヒドロキシシクロフェニルケトン 3 3 3 3 3 3 3
(D)成分
ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコール 4 4 4 4 20
ジアクリレート
ネオペンチルグリコールジアクリレート 4 4 4 4
KAYARAD DPCA−20 55 18

合成例4で得たポリマー液 42

(評価結果)
離型性 ○ ○ ○ ○ ○ × ○
型再現性 ○ ○ ○ ○ ○ × ○
密着性 ○ ○ ○ ○ ○ × ×
耐溶剤性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×
屈折率 1.451 1.454 1.454 1.448 1.454 1.464 1.457
ゲル分率 97 98 98 98 97 98 86
注)ビスコート8F:大阪有機化学工業(株)製、1H,1H,5H−パーフルオロペンチルアクリレート
ビスコート8FM:大阪有機化学工業(株)製、1H,1H,5H−パーフルオロペンチルメタアクリレート
KAYARAD DPCA−20:日本化薬(株)製、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
表1の評価結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物の硬化物は、低屈折率で、離型性、型再現性、密着性に優れている。更には、本発明の樹脂組成物の硬化物は、ゲル分率が高く耐溶剤性においても優れている。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物は、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズ類に特に適するものである。

Claims (6)

  1. ポリオール(a)と有機ポリイソシアネート(b)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(c)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)と、フッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とするレンズ用樹脂組成物。
  2. 更に、ウレタン(メタ)アクリレート(A)以外の構造を有する非フッ素(メタ)アクリレート化合物(D)を含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ用樹脂組成物。
  3. ポリオール(a)が分子中に芳香環を含まない化合物である請求項1または2に記載のレンズ用樹脂組成物。
  4. ポリオール(a)が分子中にテトラメチレンエーテル構造を含む化合物である請求項1ないし3のいずれか一項に記載のレンズ用樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られるレンズ。
  6. 25℃での膜屈折率が1.50以下である請求項5に記載のレンズ。
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