JP2007039482A - 樹脂組成物、レンズ用樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有する多官能(メタ)アクリレ−ト(a−1)と有機ポリイソシアネート(a−2)とを反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)、分子量1000以下のジオール化合物(b−1)と芳香族有機ポリイソシアネート(b−2)と水酸基含有(メタ)アクリレート(b−3)との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(B)、o−フェニルフェノールポリ(n=1〜3)エトキシアクリレート(C)及び光重合開始剤(D)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
Description
さらに、これら透過型スクリーン等に用いられるレンズ類は、近年の画像の高精細化などに伴いより微細な形状に加工されたり、より薄く加工されたりするために、力や温度変化にさらされた際に、形状が潰れたり変形したりするという問題がある。
上記のような問題は、紫外線硬化樹脂の軟化点や硬度を上げると解消は可能であるが、基板との密着性が低下する等の問題がおこり易くなり、また硬化収縮が大きくなることにより成型が難しくなる。
また、特に基板が薄いフィルム状のレンズシートなどの場合は、紫外線硬化樹脂の硬化収縮が大きいことによるカールが発生し、正確な形状を加工するのが困難になったり、その後の加工や、使用時の熱による変形で不備が生じたりする問題があった。
(1)分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有する多官能(メタ)アクリレ−ト(a−1)と有機ポリイソシアネート(a−2)とを反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)、分子量1000以下のジオール化合物(b−1)と芳香族有機ポリイソシアネート(b−2)と水酸基含有(メタ)アクリレート(b−3)との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(B)、o−フェニルフェノールポリ(n=1〜3)エトキシアクリレート(C)及び光重合開始剤(D)を含むことを特徴とする樹脂組成物、
(2)有機ポリイソシアネート(a−2)が、その分子中に芳香環をもたないことを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物、
(3)有機ポリイソシアネート(a−2)がその分子中に、芳香環ではない環状構造をもつことを特徴とする(1)又は(2)に記載の樹脂組成物、
(4)有機ポリイソシアネート(a−2)が、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート環化3量体、イソホロンジイソシアネート環化3量体から選択される少なくとも1種である、(1)ないし(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物、
(5)分子量1000以下のジオール化合物(b−1)がビスフェノールAポリ(n=2〜8)エトキシジオール及びビスフェノールAポリ(n=2〜6)プロポキシジオールから選択される1種以上である(1)ないし(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物、
(7)多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と任意成分の(メタ)アクリレートモノマー及び(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される1種以上が、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、組成物中に合計量として10〜40重量%含有することを特徴とする(6)に記載の樹脂組成物、
(8)レンズ用である(1)ないし(7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物、
(9)前記(1)ないし(8)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる膜屈折率(25℃)が1.55以上である硬化物、
(10)レンズ用である(9)に記載の硬化物、
に関する。
好ましい具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレ−トは単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。
中でも本発明の用途にはその分子中に芳香環をもたないものが好ましく、さらに芳香環ではない環状構造をもつものがより好ましい。好ましい具体例としては、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート環化3量体、イソホロンジイソシアネート環化3量体が挙げられる。これら有機ポリイソシアネートは単独で用いても又は2種以上混合して用いてもよい。
中でも分子量1000以下のジオール化合物(b−1)としてビスフェノールAポリ(n=2〜8)エトキシジオール、ビスフェノールAポリ(n=2〜6)プロポキシジオールが好ましい。
中でも2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネートが好ましい。
中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
反応物(I)の合成に際しては、前記ジオール(b−1)の水酸基1当量に対して、芳香族有機ポリイソシアネート(b−2)のイソシアネート基1.1〜2.0当量を反応させることが好ましく、1.3〜2.0当量を反応させることが特に好ましい。反応温度は、60〜100℃が好ましい。
なお、反応に際しては粘度を下げるために、反応に関与しない化合物を希釈剤として添加することも出来る。具体的には、後に具体例として挙げている(メタ)アクリレートモノマーのうち、単官能や2官能のモノマーで、水酸基を持たない構造のものを希釈剤として用いることができる。また、後述するo−フェニルフェノールポリ(n=1〜3)エトキシアクリレート(C)を用いることも可能である。
合成例1
乾燥容器中にペンタエリスリトールトリアクリレート1020部、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.6部、メトキノン0.6部を入れ、80℃まで加熱撹拌した。これにイソフォロンジイソシアネート177.8部を1時間かけて滴下し、1〜2時間撹拌後のイソシアネート値は0.3以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
乾燥容器中にペンタエリスリトールトリアクリレート1020部、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.6部、メトキノン0.6部を入れ、80℃まで加熱撹拌した。これにノルボルナンジイソシアネート165.0部を1時間かけて滴下し、1〜2時間撹拌後のイソシアネート値は0.3以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
合成例3
乾燥容器中に、o−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート94.7部、2,4−トリレンジイソシアネート139.3部を仕込み、ビスフェノールAポリ(n=2)プロポキシジオール(水酸基価312mgKOH/g)143.9部を発熱を確認しながら3分割で仕込み、80℃で攪拌し、約10時間反応を行った。イソシアネート基が11.9重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート95.7部とp−メトキシフェノール0.2部とジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.06部を仕込み80℃で約12時間反応を行い、イソシアネート基が0.1重量%以下になったところで反応を終了した。
乾燥容器中に、o−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート99.4部、2,4−トリレンジイソシアネート139.3部を仕込み、ビスフェノールAポリ(n=4)エトキシジオール(水酸基価276mgKOH/g)162.6部を発熱を確認しながら3分割で仕込み、80℃で攪拌し、約10時間反応を行った。イソシアネート基が11.1重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート95.7部とp−メトキシフェノール0.2部とジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.06部を仕込み80℃で約12時間反応を行い、イソシアネート基が0.1重量%以下になったところで反応を終了した。
表1に示すような組成(数値は重量部を示す)の実施例及び比較例の紫外線硬化性樹脂組成物を得た。レンズ金型の上に膜厚が約50μmになるように該組成物を塗布し、その上に易接着PETフィルム(東レルミラー100μm厚)を接着させ、さらにその上から高圧水銀ランプで600mj/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させた後剥離して、プリズムレンズを得た。樹脂組成物及び得られたそれぞれの硬化膜について、以下の性能評価を行った。それらの結果も併せて表1に示した。
○・・・・金型からの離型が良好
△・・・・離型がやや困難あるいは、離型時に剥離音がある
×・・・・離型が困難あるいは型のこりがある
(2)型再現性:硬化した紫外線硬化性樹脂層の表面形状と金型の表面形状を観察した。
○・・・・再現性良好
×・・・・再現性が不良
(4)カール:(3)の密着性評価と同様に硬化膜を作製したテストピースを5cm角に切り取り、80℃乾燥機中で1時間加熱した。取り出してから10分間静置したのち、水平な台上で4角の高さを測定し、平均値を求めた。
(6)ガラス転移点温度(Tg):硬化した紫外線硬化性樹脂層のTg点を粘弾性測定システムDMS−6000(セイコー電子工業製)、引っ張りモード、周波数1Hzにて測定した。
実施例 比較例
1 2 1
(A)成分
合成例1で得たウレタンアクリレート 25
合成例2で得たウレタンアクリレート 25
(B)成分
合成例3で得たウレタンアクリレート 19 19
合成例4で得たウレタンアクリレート 19
(C)成分
o−フェニルフェノールモノエトキシ 51 51 51
アクリレート
(D)成分
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 3 3 3
(その他成分)
フェニルオキシエチルアクリレート 5 5 5
ペンタエリスリトールトリアクリレート 25
(評価結果)
離型性 ○ ○ △
型再現性 ○ ○ ○
密着性 ○ ○ ○
カール(mm) 7.5 7.5 9.6
屈折率 1.583 1.582 1.577
Tg(℃) 81 72 82
(A)成分として合成例1で得たウレタンアクリレート33部、(B)成分として合成例3で得たウレタンアクリレート15部、(C)成分としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート1部、(D)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 3部、その他成分としてフェニルオキシエチルアクリレート31部、ビスフェノールAポリ(n=10)エトキシジアクリレート20部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート15部を混合し、本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を硬化させた膜の屈折率(25℃)は1.576であった。
この樹脂組成物をレンズ金型の上に膜厚が100〜150μmになるように塗布し、その上に2.5mm厚のMS(メチルメタクリレート・スチレン)板を接着させ、さらにその上から高圧水銀ランプで600mj/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させた後剥離して、フレネルレンズを得た。
離型性、型再現性は良好で、硬化膜とMS板との密着性をJIS K5600−5−6に準じて評価したところ、密着性良好だった。
また、実施例3の結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物の硬化物は、高屈折率で、離型性、型再現性に優れており、MS板への密着性が良好であった。
Claims (10)
- 分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有する多官能(メタ)アクリレ−ト(a−1)と有機ポリイソシアネート(a−2)とを反応させた多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)、分子量1000以下のジオール化合物(b−1)と芳香族有機ポリイソシアネート(b−2)と水酸基含有(メタ)アクリレート(b−3)との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(B)、o−フェニルフェノールポリ(n=1〜3)エトキシアクリレート(C)及び光重合開始剤(D)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 有機ポリイソシアネート(a−2)が、その分子中に芳香環をもたないことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 有機ポリイソシアネート(a−2)がその分子中に、芳香環ではない環状構造をもつことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 有機ポリイソシアネート(a−2)が、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート環化3量体、イソホロンジイソシアネート環化3量体から選択される少なくとも1種である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 分子量1000以下のジオール化合物(b−1)がビスフェノールAポリ(n=2〜8)エトキシジオール及びビスフェノールAポリ(n=2〜6)プロポキシジオールから選択される1種以上である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- さらに、(A),(B)、(C)以外の(メタ)アクリレートモノマー及び(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と任意成分の(メタ)アクリレートモノマー及び(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される1種以上が、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、組成物中に合計量として10〜40重量%含有することを特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
- レンズ用である請求項1ないし7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる膜屈折率(25℃)が1.55以上である硬化物。
- レンズ用である請求項9に記載の硬化物。
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