JP5086116B2 - 時計用ステップモータ - Google Patents

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Description

この発明は、アナログ電子時計の指針を駆動するための駆動源として使用される時計用ステップモータに関する。
アナログ電子時計の駆動源には、一般にステップモータ(ステッピングモータあるいはパルスモータとも称される)が採用されている。そのステップモータは、永久磁石からなるロータと、そのロータを回転自在に挿入させるロータ孔を有する軟磁性体のヨークとそのヨーク(磁心)と一体のコイル芯に導線を巻きつけたコイルとからなるステータとを備えており、そのコイルにパルス電流を流すことによって、ロータが一定角度だけ回転する。
そして、ステータのヨークにおけるロータ孔の周囲には、コイルによる磁界によってロータに駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリット又は磁束飽和部と、ロータに保持トルクを作用させために機能する一対の内ノッチとを設けている。
駆動トルクはロータを回転させるためのトルクであり、保持トルクはロータの回転方向を決めるとともに、コイルの非通電時にロータの位置を安定させるためのトルクである。この保持力によって、針が衝撃によって飛ぶのを抑える。
このようなステップモータを小さな腕時計のケース内に組み込み、小さな電池等の電源によって長期間に亘って指針を駆動できるようにするため、従来から小型化と高効率(低消費電力、高トルク)化を図る種々の工夫がなされている。
例えば特許文献1には、図34に簡略化して示すように、ステータ10のヨーク20に二つのロータ31,32を別々の回転軸で設け、磁気回路としては、1つのコイル25に二つのロータ31,32が並列につながった構成にして、コイルを鎖交するロータの磁石からの磁束量を増やすようにしたものが提案されている。
また、正逆回転が可能なステップモータとして、例えば特許文献2には、図35に簡略化して示すように、互いに直交し、磁気分離された二組のヨーク41,51とコイル42,52からなる4極のステータ40,50を、ロータ30に対して同一平面に配置したものが提案されている。このステップモータは二つのコイル42,52に印加するパルスの極性の同異によってロータを正回転又は逆回転させることができる。
特開昭54−94612号公報 特開平5−115167号公報
しかしながら、図34に示すステップモータは、ロータの磁石による磁束を増やしたことによりコイル芯が磁束飽和を起こし易くなる。そのため、コイル芯の幅もしくは厚さを増してその断面積を大きくする必要があるが、そうするとコイルの巻き径が大きくなり、コイルの線長が増加して電気抵抗が増えてしまい、実際には高効率(高トルク)の達成が困難になる。
また、二つのロータの各回線軸に設けた各小歯車(カナ)を一つの減速用歯車に噛み合わせて、その歯車の回転を指針駆動用輪列に伝達するが、二つの小歯車と一つの歯車とを各歯車の位相を合わせて正確に噛み合わせるのは困難である。仮に噛み合わせられたとしても、二つのロータが全く同じタイミングで回転しないと、互いの回転を止める負荷になってしまうという問題もある。
図35に示すステップモータは、ステータの二つのコイルによって発生して各ヨークの磁路を通る磁束は、二つの大きなギャップ(スリット又は磁束飽和部に相当する)を通過するため低下し、駆動トルクを効率的に発生させることができないという問題がある。
一般の時計用ステップモータは、消費電力を少なくするためコイルの巻き数を非常に多くしているが、その巻き数を減らしてコイルに流す電流を多くすれば、駆動トルクを増加させて高トルク駆動は可能にはなるが、常時消費電力が増加するため時計用には適さなくなる。
この発明は、上記のような問題を解決して、1個のロータで効率よく高トルクを発生させることができ、しかも常時は低消費電力駆動が可能であり、かつ製造が容易な時計用ステップモータを提供することを目的とする。
この発明による時計用ステップモータは上記の目的を達成するため、永久磁石からなる1個のロータと、それぞれ該ロータを回転自在に挿入させるロータ孔を有する軟磁性体のヨークと該ヨークと一体のコイル芯に導線を巻きつけたコイルとからなる2個のステータとを備えている。その2個のステータは、ロータ孔の位置を上記1個のロータに対して一致させてその軸方向に重ねて互いに絶磁して配置された第1のステータと第2のステータである。
その第1のステータは、上記ロータに駆動トルクを作用させる機能と、そのロータの回転方向を決めるとともに上記コイルの非通電時にロータの位置を安定させるための保持トルクを上記ロータに作用させる機能とを有し、上記第2のステータは、上記ロータに駆動トルクを作用させる機能は有するが、上記保持トルクを上記ロータに作用させる機能は有さない。
上記第1のステータのヨークにおけるロータ孔の周囲には、上記コイルによる磁界によって上記ロータに上記駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリット又は磁束飽和部と、上記保持トルクをロータに作用させるために機能する一対の内ノッチとを設け、上記第2のステータのヨークにおけるロータ孔の周囲には、上記コイルによる磁界によって上記ロータに上記駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリットと、該一対のスリットを設けたことによって生じる保持トルクを打ち消すための一対の内ノッチとを、互いにロータ孔の中心を通って直交する線上に設けるとよい。
あるいは、前記第2のステータに代えて、ヨークにおけるロータ孔の周囲には、コイルによる磁界によってロータに上記駆動トルクを作用させるために機能する一対の磁束飽和部を設け、一対の内ノッチは設けない第2のステータを備えてもよい。
また、上記第1のステータと第2のステータとは、空隙もしくは非磁性体のスペーサを介して絶磁するとよい。
上記第1のステータのコイル芯は、上記ヨークの厚さ方向における中央より上記第2のステータのヨークに近い位置に設け、上記第2のステータのコイル芯は、上記ヨークの厚さ方向における中央より上記第1のステータのヨークに近い位置に設けるのが望ましい。
また、上記第1のステータと第2のステータとを、その各コイルのコイル芯の方向が平面上で互いに直交又は平行するか、もしくは同一方向になるように配置するとよい。
上記第1のステータと第2のステータとを、その各ヨークに設けた一対のスリット又は磁束飽和部を結ぶ直線が同一方向になるように、あるいは互いに直交するように配置するのが望ましい。
上記ロータを、上記第1のステータのロータ孔に挿入される磁石部と上記第2のステータのロータ孔に挿入される磁石部とが歯車部を挟んで同一軸線上で結合した構成にしたり、上記第1のステータのロータ孔に挿入される磁石部と上記第2のステータのロータ孔に挿入される磁石部とを一体に形成し、その軸方向の一端部に歯車部を設けた構成にすることもできる。
この発明による時計用ステップモータは、1個のロータに対してその軸方向に互いに絶磁された二つのステータを重ねて設け、その各ステータにコイルを設けているので、効率よく高トルクを発生させることができ、常時は低消費電力駆動が可能である。また、一方のステータはロータに保持トルクを作用させる機能を持たないため製造が容易である。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔第1実施例〕
図1〜図3はこの発明による時計用ステップモータの第1実施例の構成を示す図であり、図1はそのステップモータの斜視図、図2は図1に示したステップモータを時計回りに約90°回転させて、第1のステータと第2のステータとを分離させた状態を示す斜視図、図3はその第1のステータと第2のステータとを左右に並べて示す平面図である。
この第1実施例のステップモータは、1個のロータに対して2個のステータを備えている。すなわち、永久磁石からなる1個のロータ3と、そのロータ3を回転自在に挿入させるロータ孔11aを有する軟磁性体のヨーク(磁心)11とそのヨーク11と一体のコイル芯11bに導線を巻きつけたコイル12とからなる図1では下側の第1のステータ1と、その同じロータ3を回転自在に挿入させるロータ孔21aを有する軟磁性体のヨーク(磁心)21とそのヨーク21と一体のコイル芯21bに導線を巻きつけたコイル22とからなる図1では上側の第2のステータ2とを備えている。
その第1のステータ1と第2のステータ2は、各ロータ孔11a,21aの位置を1個のロータ3に対して一致させて、図1に示すようにその軸方向に重ねて互いに絶磁して配置される。この実施形態では、第1のステータ1と第2のステータ2とが重なる部分の間に樹脂等の非磁性体からなる薄板状のスペーサ4を介装して絶磁しているが、空隙によって絶磁してもよい。なお、図2および図3においてはスペーサの図示を省略している。
第1のステータ1は、ロータ3に駆動トルクを作用させる機能と、ロータ3の回転方向を決めるとともにコイル12の非通電時にロータ3の位置を安定させるための保持トルクをロータ3に作用させる機能とを有する。
そのため、この実施形態では図2に明示するように、第1のステータ1のヨーク11におけるロータ孔11aの周囲には、コイル12による磁界によってロータ3に駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリット11cと、保持トルクをロータ3に作用させために機能する一対の内ノッチ11dとを設けている。その一対のスリット11c及び一対の内ノッチ11dは、図3に示すように、互いにロータ孔11aの中心(ロータ3の軸心と一致する)を通って所定の角度α(この例では約60°)で交差する中心線aとbの各線上に設けられている。内ノッチ11dは、ロータ孔11aの内周からその径方向に形成された切り込みである。
一方、第2のステータ2は、ロータ3に駆動トルクを作用させる機能は有するが、保持トルクをロータ3に作用させる機能は有さない。そのため、この実施形態では、第2のステータ2のヨーク21におけるロータ孔21aの周囲には、コイル22による磁界によってロータ3に駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリット21cと、その一対のスリット21cを設けたことによって生じる保持トルクを打ち消すための一対の内ノッチ21dとを、図3に示すように、互いにロータ孔21aの中心を通って直交する中心線cとdの各線上に設けている。
さらに、この実施形態のステップモータは、第1のステータ1と第2のステータ2とが、その各ヨーク11,21に設けたそれぞれ一対のスリット11cを結ぶ直線と一対のスリット21cを結ぶ直線(図3に示す中心線aとc)が同一方向すなわち平行になるように、かつ各コイル12,22のコイル芯11b、21b(図3にその中心線e、fを示す)の方向が平面上で互いに直交するように配置されている。
また、第1のステータ1のコイル芯11bは、そのヨーク11の厚さ方向における中央より第2のステータ2のヨーク21に近い位置に設け、第2のステータ2のコイル芯21bは、そのヨーク21の厚さ方向における中央より第1のステータ1のヨーク11に近い位置に設けている。それによって、第1のステータ1と第2のステータ2とがスペーサ4を介して図1に示すように重ねられた状態で、各コイル12と22の高さ位置の差がなるべく少なくなるようにして、ステップモータの高さ寸法の増加を抑えるようにしている。
〔第2実施例〕
図4〜図6はこの発明による時計用ステップモータの第2実施例の構成を示す図であり、図4はそのステップモータの斜視図、図5はその第1のステータと第2のステータとを分離させた状態を示す斜視図、図6はその第1のステータと第2のステータとを左右に並べて示す平面図である。これらの図において、上述した第1実施例の図1〜図3と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの同じ説明は省略する。
この第2実施例におけるロータ3および第1のステータ1と第2のステータ2の各構成は、上述した第1実施例のステップモータと殆ど同じである。しかし、第1のステータ1と第2のステータ2の各ヨーク11,21におけるロータ孔11a,21aの周囲に設けた、それぞれ一対のスリット11c,21cと内ノッチ11d,21dの形成位置が第1実施例と若干相違する。第1のステータ1のスリット11cと第2のステータ2のスリット21cは、その一対のスリット11cを結ぶ直線と一対のスリット21cを結ぶ直線(図6に示す中心線aとc)が互いに直交するように設けられている。
このようにすると、一方のステータのコイルによる磁界の他方のステータのコイルによる磁界への影響が少なくなる。つまり、相互インダクタンスが0に近くなる。
第1のステータ1におけるスリット11cと内ノッチ11dとの相対的な位置関係とその機能、および第2のステータ2におけるスリット21cと内ノッチ21dとの相対的な位置関係とその機能は、第1実施例と同じである。その第1のステータ1と第2のステータ2は、各コイル12,22のコイル芯11bと21bの方向が第1実施例と同じく平面上で互いに直交するように配置されている。
〔第3実施例〕
図7は、この発明による時計用ステップモータの第3実施例における第1のステータと第2のステータとを左右に並べて示す平面図である。この図において、上述した第2実施例の図6と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの同じ説明は省略する。
この第3実施例におけるロータ3および第1のステータ1の構成は、上述した第2実施例のステップモータと同じである。しかし、第2のステータ2′のヨーク21′におけるロータ孔21aの周囲には、コイル22による磁界によってロータ3に駆動トルクを作用させるために機能する一対の磁束飽和部21eを設け、一対の内ノッチは設けていない。
その一対の磁束飽和部21eは、ロータ孔21aの中心を通る径方向の中心線g上にヨーク21′の外側からロータ孔21aの中心方向に対称に形成した凹部によってヨーク21′の磁路を狭めて磁束を飽和させるようにした部分である。その第2のステータ2′における一対の磁束飽和部21eの中心線gは、第1のステータ1における一対のスリット11cの中心線aと互いに直交する。
しかし、第1実施例と同様に、第1のステータ1における一対のスリット11cの中心線aと、第2のステータ2′における一対の磁束飽和部21eの中心線gとが同一方向すなわち平行になるように、各スリット11cおよび磁束飽和部21eを形成するようにしてもよい。
〔第4実施例〕
図8は、この発明による時計用ステップモータの第4実施例における第1のステータと第2のステータとを左右に並べて示す平面図である。この図においても、上述した第2実施例の図6と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの同じ説明は省略する。
この第4実施例におけるロータ3および第2のステータ2′の構成は、上述した第3実施例のステップモータと同じである。しかし、第1のステータ1′のヨーク11′におけるロータ孔11aの周囲には、コイル12による磁界によってロータ3に駆動トルクを作用させるために、一対のスリットに代えて一対の磁束飽和部11eを設けている。その磁束飽和部11eは前述した第2のステータ2′の磁束飽和部21eと同様である。
また、第1のステータ1′のヨーク11′におけるロータ孔11aの周囲には、これまでの各実施例と同様に保持トルクをロータ3に作用させるために機能する一対の内ノッチ11dを設けている。その一対の内ノッチ11dと一対の磁束飽和部11eとは、図8に示すように、互いにロータ孔11aの中心(ロータ3の軸心と一致する)を通って所定の角度α(この例では約45°)で交差する中心線iとhの各線上に設けられている。
その第1のステータ1′における一対の磁束飽和部11eの中心線hは、第2のステータ2′における一対の磁束飽和部21eの中心線gと互いに直交する。
しかし、第1実施例と同様に、第1のステータ1′における一対の磁束飽和部11eの中心線hと、第2のステータ2′における一対の磁束飽和部21eの中心線gとが同一方向すなわち平行になるように、各磁束飽和部11e,21eを形成するようにしてもよい。
〔一般的なステップモータの機能説明〕
ここで、一般的な時計用ステップモータの構成とその保持トルクと駆動トルクについて、図9〜図12によって説明する。
図9はスリットを設けたタイプの時計用ステップモータを簡略化して示す平面図である。このステップモータはロータ70とステータ60とからなり、ステータ60はロータ70を回転自在に挿入させるロータ孔61aを有する軟磁性体のヨーク61とコイル芯61bに導線を巻きつけたコイル62とからなる。そのヨーク61におけるロータ孔61aの周囲には、一対のスリット61cと一対の内ノッチ61dとが所定の角度をなして設けられており、ロータ70に駆動トルクを作用させる機能と、ロータ70の回転方向を決めるとともにコイル62の非通電時にロータ70の位置を安定させるための保持トルクをロータ70に作用させる機能とを有する。
図10は磁束飽和部を設けたタイプの時計用ステップモータを簡略化して示す平面図である。このステップモータも図9に示したステップモータと略同様な構成であるが、ステータ60′のヨーク61′にスリットに代えて磁束飽和部(ヨークの磁路を狭くした部分)61eを設けている。
図9に示すステップモータの場合、ロータ70の回転角度に対してスリット61cによる保持トルクが図11に細い実線で示すように作用し、内ノッチ61dによる保持トルクが点線で示すように作用するため、それらを合成した太い実線で示す保持トルクがロータ70に作用する。
スリット61cを設けた位置から時計回りに−90°戻した位置を絶対位置原点とし、その絶対位置原点から反時計回りにロータ70が回転する角度をΘとすると、ロータ70の回転角度による合成保持トルクTh(Θ)は数1で表わされる。図11における横軸はΘである。
Figure 0005086116
数1において、Tslit(Θ)はスリット61cによる保持トルク、Tnotch(Θ)は内ノッチ61dによる保持トルク、Tslitはスリット61cによる保持トルクの振幅(最大絶対値)、Tnotchは内ノッチ61dによる保持トルクの振幅(最大絶対値)、Thは合成保持トルクの振幅(最大絶対値)、θnは内ノッチ61dを設けた位置の絶対位置原点からの角度、θiはスリット61cによる保持トルクと合成保持トルクとの位相差である。
図10に示すステップモータの場合は、磁束飽和部61eによる保持トルクは殆ど発生しないので、図11に細い実線で示した内ノッチ61dによる保持トルクのみによって、ロータ70の回転角度に対する保持トルクが決まる。
時計用ステップモータは、図12に点線で示す保持トルクと、コイルに通電することによってスリット又は磁束飽和部が飽和した後に発生する同図に細い実線で示す駆動トルク(ロータの磁石の磁化とコイルからの磁界との積による)との合成トルクである太い実線で示すトルクがロータに作用して、ロータが180°ずつステップ回転する。なお、図12における横軸は、図11における横軸の回転角度Θを位相差θiだけ右へシフトした回転角度θである。図12に点線で示す保持トルクは、図11に太線で示した合成保持トルクTh(Θ)に相当する。
そのロータ回転時の運動方程式と電圧方程式は数2のようになり、この関係からステップ動作の過渡応答動作を推測することができる。
Figure 0005086116
数2において、Θ+θi=θとし、Th(Θ)=0となる位置を回転初期位置として、その回転初期位置から反時計回りにロータが回転する角度をθとする。なお、Nはコイルの巻き数、Φはコイルに鎖交する磁束、iはコイルに流れる電流値、Tは負荷、Lはコイルのインダクタンス、Rはコイルの抵抗値、ωはロータ回転の角速度である。
数2の運動方程式における左辺のJ・dω/dtはロータを回転させるトルク、右辺の第1項は駆動トルク、第2項は保持トルク、第3項は負荷である。電圧方程式における左辺のeはコイルの端子間電圧である。
〔この発明によるステップモータの機能説明〕
次に、この発明による時計用ステップモータの機能について、図13〜図15を参照して説明する。
時計用ステップモータは低消費電力駆動が必要であり、コイルの巻き数を限界まで多くしている。さらに高トルクで高効率の駆動を実現するためには、ロータの磁石を大きくして、その磁束を増やす必要がある。しかし、ロータの磁石の磁束を増やすとステータ側が磁束飽和してしまい、モータの寸法を大きくできない時計用ステップモータでは、更なる高効率化と高トルク化の実現は困難であった。また、仮にモータ寸法を大きくすることが許容できたとしても、コイル芯が太くなるため、そこに巻き付ける導線の長さも長くなってしまい、電気抵抗が増えてしまう。その様な構成にすると多くの電流を流せなくなり、高効率化が更に困難になる。
そこで、この発明による時計用ステップモータは、前述の各実施例に示したように、1個のロータに対して2個のステータを、その各ヨークのロータ孔の位置を一致させて軸方向に重ねて互いに絶磁して配置することによって、ロータの磁石を大きくして磁束を増やしてもステータ側が磁束飽和を起こしにくくなる。また、この発明の構成にすれば、コイル芯を太くする必要がないため導線長を短くでき、コイルの電気抵抗を極力抑えた形態にすることができる。その結果、コイルに通電したときにロータに作用する駆動トルクを増加して、高トルクで高効率の駆動を実現した。
また、第1のステータには、図9又は図10によって前述したようにヨークにおけるロータ孔の周囲に、一対のスリット又は磁束飽和部と一対の内ノッチとをその中心線が所定の角度(例えば約60°又は約45°)をなすように設け、ロータに駆動トルクを作用させる機能と、ロータの回転方向を決めるとともにコイルの非通電時にロータの位置を安定させるための保持トルクをロータに作用させる機能とを有する。
しかし、第2のステータには図13(A)に簡略化して示す第2のステータ80のように、そのヨーク81におけるロータ孔81aの周囲に、コイル82による磁界によってロータ70に駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリット81cと、その一対のスリット81cを設けたことによって生じる保持トルクを打ち消すためにスリット81cと略同じ大きさの一対の内ノッチ81dとを、互いにロータ孔81aの中心を通って直交する線上に設け、保持トルクを発生しないようにしている。
この場合、スリット81cによってロータ70に作用する保持力は図14に実線で示すようになり、内ノッチ81dによってロータに作用する保持力は図14に点線で示すようになる。すなわち、両保持力は大きさが略等しく位相が反転しているため、打ち消し合って0になる。
あるいは、図13(B)に簡略化して示すように、第2のステータ80′のヨーク81′におけるロータ孔81aの周囲には、コイル82による磁界によってロータ70に駆動トルクを作用させるために機能する一対の磁束飽和部81eを設けた場合には、内ノッチを設けなければ保持トルクは発生しない。
ここで、このように第2のステータに保持トルクを発生させないようにすることによる効果を説明する。
図15に示す例は、前述した第1実施例のステップモータと同様な構成で、第1のステータ1Aのヨーク11Aと第2のステータ2Aのヨーク21Aの両方に、スリット11c,21cに対して所定角度(約60°)をなすように内ノッチ11d,21dを同相に設け、それぞれ保持力を発生するようにしたものである。この図15において、図3と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
この第1のステータ1Aと第2のステータ2Aを、図1に示したステップモータと同様に組み付けてステップモータを構成しても、コイル12,22に通電したときにロータ3に作用する駆動トルクを増加して、高トルクで高効率の駆動を行うことは可能である。
しかし、スリット11c,21c(または磁束飽和部)や内ノッチ11d,21dの寸法は精度が非常に厳しく、モータの性能に大きな影響を及ぼす保持トルクの値は、少しの精度のずれでも大きく変化してしまう。まして、2個のステータ1Aと2Aをロータ3の軸方向に積層する場合、それを精度よく組み上げることは非常に難しい。
これに対して、この発明による時計用ステップモータでは、前述のように第2のステータは駆動トルクのみを発生して保持トルクは発生しないので、第1のステータとの組み上げ状態によって全体の保持トルクが変化するようなことはない。そのため、高トルクで高効率の駆動を行うことが可能な時計用ステップモータを容易に製造することができる。
〔この発明の他の実施例〕
次に、この発明による時計用ステップモータの他の実施例を、図16〜図19によって説明する。図16および図17は、この発明による時計用ステップモータの他の異なる実施例の斜視図であり、図18および図19はロータの構成が異なる実施例の分解斜視図である。これらの図において、この発明の第1実施例である図1〜図3と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
図16に示す実施例は、前述した第1実施例と同様な第1のステータ1と第2のステータ2とが、その各コイル12,22のコイル芯11b,21bの方向が平面上で互いに平行するように配置されている。
図17に示す実施例は、同様な第1のステータ1と第2のステータ2とが、その各コイル12,22のコイル芯11b,21bの方向が平面上で互いに同一方向になるように配置されている。
図18に示す実施例は、永久磁石からなるロータ3′を、第1のステータ1のロータ孔11aに挿入する下部3aと第2のステータ2のロータ孔21aに挿入する上部3bとに分けその間に歯車部(カナ)3cを挟んでそれらを同軸上に設けて構成し、その歯車部3cを各指針(秒針、分針、時針)を回動させるための輪列5の平歯車5aに噛み合せるようにしたものである。
図19に示す実施例は、永久磁石からなるロータ3″を、第1のステータ1のロータ孔11aに挿入する部分と第2のステータ2のロータ孔21aに挿入する部分を一体の円柱部3dとして形成し、その上端面側に同軸の歯車部(カナ)3eを設けて構成し、その歯車部3eを各指針を回動させるための輪列5の平歯車5aに噛み合せるようにしたものである。
このようなロータの構成は、時計内の実装スペースやレイアウト等によって選択すればよい。
これらの各実施例におけるその他の構成は、前述した第1実施例と同じであり、第1のステータ1と第2のステータ2は、互いに平行なスリット11c,21cを有している。しかし、これに限るものではなく、第1のステータと第2のステータを前述した第2乃至第4実施例のいずれと同様に構成してもよい。また、その第1のステータと第2のステータのスリット又は磁束飽和部同士を互いに平行にしても、互いに直交させるようにしてもよい。
また、図18および図19に示した各実施例を変形して、その第1のステータ1と第2のステータ2とを、図16に示した実施例のように各コイル12,22のコイル芯11b,21bの方向が平面上で互いに平行するように配置してもよい。あるいは、図17に示した実施例のように各コイル12,22のコイル芯11b,21bの方向が平面上で互いに同一方向になるように配置してもよい。
さらに、前述した各実施例における第1のステータと第2のステータの各コイルは同じ大きさ(巻き数)に限るものではなく、その巻き数が異なってもよい。
第1、第2のステータのコイルの巻き数を変えることにより、一方のコイルにのみ通電して駆動したときのモータの特性が変わる。例えば、巻き数が多い方のコイル側だけで駆動すると、電流があまり流れず低消費電力駆動になるが、巻き数が少ない方のコイル側だけで駆動すると、電流が多く流れかつ電流の立ち上がりも早いため高速駆動が可能になる。
〔基本的な駆動回路とその各種駆動例〕
図20、図22、および図24はこの発明による時計用ステップモータの基本的な駆動回路による各種の駆動状態を示す回路図であり、この駆動回路によって駆動されるこの発明による時計用ステップモータは、第1のステータ1と第2のステータ2を分離して左右に並べて示している。これらの図では、第1実施例の図3に示した第1のステータ1と第2のステータ2の例で示しているが、他のいずれの実施例のものでもよい。
図21、図23、および図25はその各駆動状態における駆動回路の各スイッチのON/OFF制御を時間経過とともに示すタイミングチャートである。
この駆動回路は、図20に示すように4個のスイッチングトランジスタ(以下単に「スイッチ」という)Tr1〜Tr4によってブリッジ回路を構成し、その入力端子a,b間に直流電源6から電圧を印加し、出力端子c,d間に接続されたこの発明による時計用ステップモータにおける第1のステータ1のコイル12と第2のステータ2のコイル22にパルス電流を流す。そのコイル12とコイル22の接続状態がスイッチTr5,Tr6によって切り替えられる。
スイッチTr5,Tr6は切り替えスイッチであり、いずれもOFFのときは、図20に示す切り替え状態になり、出力端子c,d間に第1のステータ1のコイル12と第2のステータ2のコイル22を直列に接続する。
スイッチTr5がONで、スイッチTr6がOFFのときには図22に示す切り替え状態になり、出力端子c,d間に第1のステータ1のコイル12のみを接続し、第2のステータ2のコイル22はオープンにする。
スイッチTr5,Tr6がいずれもONのときは、図24に示す切り替え状態になり、出力端子c,d間に第1のステータ1のコイル12と第2のステータ2のコイル22を並列に接続する。
したがって、各スイッチTr1〜Tr6を図21に示すように制御して、図20に示す駆動回路で第1のステータ1のコイル12と第2のステータ2のコイル22を直列に接続して駆動すると、低消費電力で通常運針モードに適する。しかし、コイルのインダクタンスが大きくなるため、高速駆動には適さない。
各スイッチTr1〜Tr6を図23に示すように制御して、図22に示す駆動回路で第1のステータ1のコイル12のみに通電して駆動すると、コイルのインダクタンスと電気抵抗が小さくなり、電流も増加するので高速・高トルク駆動に適する。
時計用ステップモータの場合は、低消費電力が非常に要求されるため、コイルの巻き数が非常に多い。そのため、一方のステータのコイルにのみ通電しても駆動トルクの低下は少なく、インダクタンスと電気抵抗の減少により電流が増加し、ある程度の高トルク駆動は可能である。
各スイッチTr1〜Tr6を図25に示すように制御して、図24に示す駆動回路で第1のステータ1のコイル12と第2のステータ2のコイル22を並列に接続して駆動すると、2個のステータ1,2による駆動トルクが純粋に加算されて駆動できるので、一層高速・高トルク駆動に適する。
このように、この発明による時計用ステップモータは、低消費電力での通常運針モードや、目的に応じた高速・高トルク駆動モードなど種々の駆動が可能になる。
〔正逆回転可能な駆動回路とその各種駆動例〕
次に、正逆回転可能な駆動回路とそれによる各種の駆動例を図26〜図32によって説明する。
図26はこの発明による時計用ステップモータの正逆回転可能な駆動回路の例を示す回路図であり、直流電源6にスイッチTr1〜Tr4による第1のブリッジ回路B1とスイッチTr7〜Tr10による第2のブリッジ回路B2とが並列に接続されている。そして、その第1のブリッジ回路B1によって第1のステータ1のコイル12に通電し、第2のブリッジ回路B2によって第2のステータ2のコイル22に通電するように構成されている。
この駆動回路によって駆動されるこの発明による時計用ステップモータは、第1のステータ1と第2のステータ2を分離して左右に並べて示している。この図26では、第2実施例の図6に示した第1のステータと第2のステータの例で示しているが、2個のステータ1、2のスリット、又は磁束飽和部が直交しているものであれば、先に示したいずれの実施例のものでもよい。
図27はロータ3を正回転(反時計回り)方向に駆動する場合、図28はロータ3を逆回転(時計回り)方向に駆動する場合の、それぞれスイッチTr1〜Tr10のON/OFF制御を時間経過とともに示すタイミングチャートである。
図29は正回転方向の場合、図30は逆回転方向の場合のそれぞれ駆動動作を説明するための行程図である。
まず、正回転方向の場合の動作を説明する。時計用ステップモータの永久磁石からなるロータ3が、図29(A)に示すようにS極が左側でN極が右側の状態で停止して第1のステータ1による保持トルクによって保持されている状態から、図27に示すように図26の各スイッチTr1〜Tr10のON/OFFが制御されると、そのロータ3が正回転(反時計回り)方向、図29では左回転方向に1回転する。
図27に示すように、最初にスイッチTr1,Tr4をONにし、コイル12に通電して第1のステータ1のヨーク11を図29(A)に示すように励磁し、ロータ3を左回転させて同図(B)に示す回転位置にした状態で、スイッチTr8,Tr9もONにして、コイル22に通電して第2のステータ2のヨーク21を同図(B)に示すように励磁し、ロータ3をさらに左回転させて同図(C)に示すように、最初の状態から180°左回転した状態にする。このときロータ3はS極が右側でN極が左側の状態になっている。
その後、スイッチTr2,Tr3をONにし、コイル12に前述とは逆極性で通電して第1のステータ1のヨーク11を図29(A)とは逆の極性に励磁し、ロータ3を左回転させた後、スイッチTr7,Tr10もONにして、コイル22に前述とは逆極性で通電して第2のステータ2のヨーク21を同図(B)とは逆の極性に励磁し、ロータ3をさらに左回転させて最初の状態から360°左回転(1回転)した状態にする。これによって、ロータは最初の状態に戻る。
次に、逆回転方向の場合の動作を説明する。時計用ステップモータの永久磁石からなるロータ3が、図30(A)に示すようにS極が左側でN極が右側の状態で停止して第1のステータ1による保持トルクによって保持されている状態から、図28に示すように図26の各スイッチTr1〜Tr10のON/OFFが制御されると、そのロータ3が逆回転(時計回り)方向、図30では右回転方向に1回転する。
図28に示すように、最初にスイッチTr8,Tr9をONにし、コイル12に通電して第2のステータ2のヨーク21を図30(A)に示すように励磁し、ロータ3を右回転させて同図(B)に示す回転位置にした状態で、スイッチTr1,Tr4もONにして、コイル12に通電して第1のステータ1のヨーク11を同図(B)に示すように励磁し、ロータ3をさらに右回転させて同図(C)に示すように、最初の状態から180°右回転した状態にする。このときロータ3はS極が右側でN極が左側の状態になっている。
その後、スイッチTr7,Tr10をONにし、コイル22に前述とは逆極性で通電して第2のステータ2のヨーク21を図30(A)とは逆の極性に励磁し、ロータ3を右回転させた後、スイッチTr2,Tr3もONにして、コイル12に前述とは逆極性で通電して第1のステータ1のヨーク11を同図(B)とは逆の極性に励磁し、ロータ3をさらに右回転させて最初の状態から360°右回転(1回転)した状態にする。これによって、ロータは最初の状態に戻る。
なお、図27および図28から分かるように、ロータを180°ステップ回転させる際にその回転の前半だけしかコイルに通電していない。それは図12から明らかなように、その回転の前半は保持トルク(図12に点線で示す)に打ち勝つ駆動トルク(図12に細い実線で示す)が必要であるが、後半は保持トルクが回転方向に作用するので、コイルに通電して駆動トルクを発生させなくても回転するためである。そこで、消費電力を抑えるために後半はコイルに通電しないのである。
さらに、回転速度を速めるために、図31に示すように図26の各スイッチTr1〜Tr10のON/OFFを制御し、ロータを180°ステップ回転させるごとにその初期の短時間だけ第1、第2のステータのコイル12,22の両方に同一回転方向に駆動トルクを発生させるように通電して、駆動トルクを増加させるようにすることができる。
図31は、正回転方向の場合における各スイッチTr1〜Tr10の図27に示したON/OFF制御に、ロータの各ステップ回転駆動の初期に短時間だけ第2のステータのコイル22にも、その後の通電とは逆極性の通電をするための制御(幅の狭いONパルス)を加えた例である。
逆回転方向の場合には、各スイッチTr1〜Tr10の図28に示したON/OFF制御に、ロータの各ステップ回転駆動の初期に短時間だけ第1のステータのコイル12にも、その後の通電とは逆極性の通電をするための制御を加えればよい。
図32は、通常の2相励磁駆動と同様に駆動する場合における図26の各スイッチTr1〜Tr10のON/OFF制御を示すタイミングチャートである。このように駆動すると、最も高トルクで滑らかな駆動が可能になる。
〔ロータの回転を検出可能な駆動回路〕
図33は、ロータの回転を検出可能な駆動回路の例を示す回路図であり、図22に示した第1のステータ1のコイル12にのみ通電して駆動する回路を、スイッチTr5,Tr6を省略して構成し、第2のステータ2のコイル22をロータ3の回転検出用センサとして使用する。
そのため、コイル22の端子間に抵抗Rを接続し、ロータ3の回転によってコイル22に誘起される電流を電圧に変換して検出手段(回路)7に入力させ、検出手段7がその電圧の有無によってロータ3の回転/非回転を検出して、その検出結果を制御手段(回路)8に知らせ、非回転の場合には制御手段8が駆動パルスの修正などの補償動作を行なってロータ3を確実に回転させ、時計における指針の運針を確実にすることができる。
この発明は、腕時計をはじめとする各種の指針を備えた電子時計の駆動源として利用できる。一次電池を電源とするもののほか、太陽電池や熱発電素子あるいは機械式発電ユニットなどと二次電池の組み合わせを電源とするものにも適用することができる。
この発明による時計用ステップモータの第1実施例の構成を示す斜視図である。 図1に示したステップモータを時計回りに約90°回転させて第1のステータと第2のステータとを分離させた状態を示す斜視図である。 その第1のステータと第2のステータとを左右に並べて示す平面図である。 この発明による時計用ステップモータの第2実施例の構成を示す斜視図である。 図4に示したステップモータの第1のステータと第2のステータとを分離させた状態を示す斜視図である。
その第1のステータと第2のステータとを左右に並べて示す平面図である。 この発明による時計用ステップモータの第3実施例における第1のステータと第2のステータとを左右に並べて示す平面図である。 この発明による時計用ステップモータの第4実施例における第1のステータと第2のステータとを左右に並べて示す平面図である。 スリットを設けたタイプの一般的な時計用ステップモータを簡略化して示す平面図である。 磁束飽和部を設けたタイプの一般的な時計用ステップモータを簡略化して示す平面図である。
図9に示した時計用ステップモータにおいてロータに作用するスリットと内ノッチによる保持トルクとロータの回転角度との関係を示す曲線図である。 図9に示した時計用ステップモータにおいて保持トルクとコイルに通電した後に発生する駆動トルクによりロータに作用するトルクとロータの回転角度との関係を示す曲線図である。 この発明による時計用ステップモータにおける保持力を発生しないようにした第2のステータの異なる例を簡略化して示す平面図である。 図13の(A)に示したステータにおいて保持力が発生しない理由を説明するための曲線図である。 2個のステータが両方とも保持力を発生するようにした場合の例を示す図3と同様な平面図である。
この発明による時計用ステップモータの他の実施例の斜視図である。 この発明による時計用ステップモータの他の異なる実施例の斜視図である。 この発明による時計用ステップモータの第1実施例とロータの構成が異なる実施例の分解斜視図である。 図18に示した実施例とロータの構成が異なる実施例の分解斜視図である。 この発明による時計用ステップモータの基本的な駆動回路による2コイル直列接続での駆動状態を示す回路図である。
図20に示す駆動状態の場合の各スイッチのON/OFF制御を示すタイミングチャートである。 この発明による時計用ステップモータの基本的な駆動回路による1コイルのみでの駆動状態を示す回路図である。 図22に示す駆動状態の場合の各スイッチのON/OFF制御を示すタイミングチャートである。 この発明による時計用ステップモータの基本的な駆動回路による2コイル並列接続での駆動状態を示す回路図である。 図24に示す駆動状態の場合の各スイッチのON/OFF制御を示すタイミングチャートである。
この発明による時計用ステップモータの正逆回転可能な駆動回路の例を示す回路図である。 ロータを正回転方向に駆動する場合の図26における各スイッチのON/OFF制御を示すタイミングチャートである。 ロータを逆回転方向に駆動する場合の図26における各スイッチのON/OFF制御を示すタイミングチャートである。 正回転方向の場合の駆動動作を説明するための行程図である。 逆回転方向の場合の駆動動作を説明するための行程図である。
ロータをより高速で正回転方向に駆動する場合の図26における各スイッチのON/OFF制御を示すタイミングチャートである。 通常の2相励磁駆動と同様に駆動する場合の図26における各スイッチのON/OFF制御を示すタイミングチャートである。 ロータの回転を検出可能な駆動回路の例を示す回路図である。 高トルクを得ようとする従来のステップモータの一例を簡略化して示す平面図である。 高トルクを得ようとする従来のステップモータの他の例を簡略化して示す平面図である。
符号の説明
1,1′:第1のステータ 2,2′:第2のステータ
3,3′,3″:ロータ 4:スペーサ
5:輪列 5a:平歯車
6:直流電源 7:検出手段 8:制御手段
11,11′,21,21′:ヨーク 11a,21a:ロータ孔
11b,21b:コイル芯 11c,21c:スリット
11d,21d:内ノッチ 11e,21e:磁束飽和部
12,22:コイル R:抵抗
Tr1〜Tr10:スイッチングトランジスタ(スイッチ)

Claims (10)

  1. 永久磁石からなる1個のロータと、それぞれ該ロータを回転自在に挿入させるロータ孔を有する軟磁性体のヨークと該ヨークと一体のコイル芯に導線を巻きつけたコイルとからなる2個のステータとを備え、
    該2個のステータは、前記ロータ孔の位置を前記1個のロータに対して一致させてその軸方向に重ねて互いに絶磁して配置された第1のステータと第2のステータであり、
    前記第1のステータは、前記ロータに駆動トルクを作用させる機能と、該ロータの回転方向を決めるとともに前記コイルの非通電時に前記ロータの位置を安定させるための保持トルクを前記ロータに作用させる機能とを有し、
    前記第2のステータは、前記ロータに駆動トルクを作用させる機能は有するが、前記保持トルクを前記ロータに作用させる機能は有さない
    ことを特徴とする時計用ステップモータ。
  2. 前記第1のステータの前記ヨークにおける前記ロータ孔の周囲には、前記コイルによる磁界によって前記ロータに前記駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリット又は磁束飽和部と、前記保持トルクを前記ロータに作用させるために機能する一対の内ノッチとを設け、
    前記第2のステータの前記ヨークにおける前記ロータ孔の周囲には、前記コイルによる磁界によって前記ロータに前記駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリットと、該一対のスリットを設けたことによって生じる保持トルクを打ち消すための一対の内ノッチとを、互いに前記ロータ孔の中心を通って直交する線上に設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の時計用ステップモータ。
  3. 前記第1のステータの前記ヨークにおける前記ロータ孔の周囲には、前記コイルによる磁界によって前記ロータに前記駆動トルクを作用させるために機能する一対のスリット又は磁束飽和部と、前記保持トルクを前記ロータに作用させるために機能する一対の内ノッチとを設け、
    前記第2のステータの前記ヨークにおける前記ロータ孔の周囲には、前記コイルによる磁界によって前記ロータに前記駆動トルクを作用させるために機能する一対の磁束飽和部を設け、前記一対の内ノッチは設けない
    ことを特徴とする請求項1に記載の時計用ステップモータ。
  4. 前記第1のステータと第2のステータとは、空隙もしくは非磁性体のスペーサを介して絶磁されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の時計用ステップモータ。
  5. 前記第1のステータの前記コイル芯は、前記ヨークの厚さ方向における中央より前記第2のステータのヨークに近い位置に設け、前記第2のステータの前記コイル芯は、前記ヨークの厚さ方向における中央より前記第1のステータのヨークに近い位置に設けたことを特徴とする請求項4に記載の時計用ステップモータ。
  6. 前記第1のステータと前記第2のステータとが、その各前記コイルのコイル芯の方向が平面上で互いに直交又は平行するか、もしくは同一方向になるように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の時計用ステップモータ。
  7. 前記第1のステータと前記第2のステータとが、その各前記ヨークに設けた一対のスリット又は磁束飽和部を結ぶ直線が同一方向になるように配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の時計用ステップモータ。
  8. 前記第1のステータと前記第2のステータとが、その各前記ヨークに設けた一対のスリット又は磁束飽和部を結ぶ直線が互いに直交するように配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の時計用ステップモータ。
  9. 前記ロータが、前記第1のステータの前記ロータ孔に挿入される磁石部と前記第2のステータの前記ロータ孔に挿入される磁石部とが歯車部を挟んで同一軸線上で結合して構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の時計用ステップモータ。
  10. 前記ロータが、前記第1のステータの前記ロータ孔に挿入される磁石部と前記第2のステータの前記ロータ孔に挿入される磁石部とが一体に形成され、その軸方向の一端部に歯車部が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の時計用ステップモータ。
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