JP6433328B2 - ステッピングモータ - Google Patents
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Description
このため、腕時計に用いられるステップモータはロータの回転、非回転を正確に判断し、常に必要最小限のエネルギー量の通常運針パルスで駆動し、ロータが非回転の場合には、ただちにエネルギー量の大きな補正パルスで補正駆動する回転検出・負荷補償技術が多く用いられている。
しかしながら、特許文献1の2コイル式ステップモータの場合、2つのコイル5、6から出力される磁束を1個の回転子4(以降、「ロータ」と称する。 )に作用させるため、固定子1(以降「ステータ」と称する。)に設けられたロータ4を収納する孔周辺にはスリット2a、2b、2c又は、ノッチ41、42、43が3箇所必要である。
また、1コイル式ステップモータでは、特許文献2のように2箇所のエアギャップが必要となるが、エアギャップに非磁性体6で挟み、非磁性体6を溶接し、ステータ2、3の寸法のばらつきによるモータの特性のばらつきを防止できるステータ2、3が提案されている。
まず、コイル5,6によりロータ4を駆動する場合について説明する。
コイル5,6に駆動パルスを印加すると、ステータ1に磁束が発生する。この磁束は、ロータ4を駆動するのに充分な程強い。従って、3箇所のノッチ41、42、43を磁路の狭い狭窄部としておくと、狭窄部が磁束飽和することで磁気的に切断したとみなせ、特許文献1の図1と同様の状態となり、ロータ4を駆動させることが出来る。従って、ロータ駆動に関しては、スリットに代えてノッチとすることは問題無い。
しかしながら、図5bに示すようにロータ4から発生する磁束は、コイル5、6から出力
される磁束よりもはるかに小さいため、ノッチ41、42、43は磁気飽和を起こさない。そのため、ロータ4から発生した磁束の多くはコイル5、6を通過しないで、磁束Φ11a、Φ12aに示すように、ノッチ41、42、43を磁路として通過し、ロータ4から発生する磁束がロータ孔周辺で閉じてしまう。結果として、磁束Φ21a、Φ23a、Φ20aに示すような駆動コイル5、6を通過する磁束は少ないため、ロータ4の回転変化による磁束の変動が伝わらず、回転検出ができない。
従って、回転検出を行うには、図5aのステータ23の構造よりも特許文献1図1のようにスリット2a、2b、2cを設けたほうが望ましい。
以下、実施形態1について図面を用いて説明する。なお、実施形態1は時計に適用した場合を元にしているが、発明に関係のない構成、例えば、地板や受類、指針などの時計の構造部品については、説明や図示を省略している。
図1はステータ構造を説明するためのモータ部上面図である。
ステータ102はロータ孔1020周辺に2つのスリット部1022a、1022bと磁束飽和部1022cが設けられ、3つのステータ磁極1021a、1021b、1021cが形成されている。
駆動コイル103aに駆動パルスが印加されることで、ステータ磁極1021aと1021cの間に磁路が形成され、
駆動コイル103bに駆動パルスが印加されることで、ステータ磁極1021bと1021cの間に磁路が形成される。
2つのスリット部1022a、1022bは非磁性体を挟んだ状態で溶接して形成されているため、磁束飽和部1022cよりも磁力の流れを制限することができる。
「磁極間を空間(エアギャップ)で分離したもの」を「空隙部」、
「磁極間を狭窄部などで磁気飽和させ分離したもの」を「磁気飽和部」、
「空隙部に低透磁率材又は非磁性体を充填したもの」を「スリット部」と称する。
たとえば、特許文献1のスリットは「空隙部」に該当し、同文献のノッチは、「磁気飽和部」に該当する。また、特許文献2のエアギャップは「空隙部」に該当する。
ロータ101は1ステップで180[deg]回転するため、ロータ101の初期状態は図1に示す状態とロータ101の極性が図1とは逆(N極がS極、S極がN極)になる2
つの状態となる。
実施形態1における2コイル式ステップモータのステータ102は図2(a)から図2(f)の順に磁性体の帯材501からプレス加工により形成される。
図2(a)は磁性体の帯材501からプレス加工によって形成された図であり、ロータ孔1020やステータ102の外形を形成する。ステータ102は、つなぎ部503(4箇所)で帯材501と繋がっている。
また、カッターの切断方向D3と帯材501の移動方向D4を同一方向にすることによってカッター装置の位置は移動する必要がなくなるため、帯材501に対するD5方向のカッター切断位置が変化しない。
このため、カッターを固定治具とすることができるので、空隙部2000a、2000bの位置精度を向上することが出来る。
得る。
次に、実施形態1の変形例1について図4を用いて説明する。同一の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4は変形例1のステータ構造を説明するためのモータ部上面図であり、102bはロータ101を収納するロータ孔1020を有するステータである。
ステータ102bは実施形態1のステータ102と異なり、2箇所のスリット部1022a、1022bを結ぶ直線がロータ孔1020中心を通らないことを特徴としている。
スリット部1022aと1022bを結ぶ直線はロータ孔1020のステータ磁極1021c側からロータ孔1020の中心までの間に存在すれば、実施形態1と同様の効果を得ることが出来る。
また、変形例1では実施形態1のノッチ部1023aの代わりに、スリット部1022aにノッチ部の役割を兼用させている。これにより、スペースの効率化を図っている。
次に、実施形態1の変形例2について図6、7を用いて説明する。同一の構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
ステータ102cは実施形態1のステータ102と異なり、磁束飽和部1022cの代わりに空隙部1022dを有することを特徴としている。空隙部1022dはスリット部1022a、1022b同様に非磁性体を設けても良いが、本変形例2では非磁性体を設けず、エアギャップとしている。
変形例2における2コイル式ステップモータのステータ102cは図7(a)から図7(f)の順に磁性体の帯材501からプレス加工により形成される。
図7(a)から図7(d)までは実施形態1と同様の工程であるので説明は省略する。
以上のように変形例3における2コイル式ステップモータのステータ102cは実施形態1と同様にスリット部1022a、1022bを形成するカッターの切断工程、スリット部の溝に非磁性体片を挿入する工程の大幅な削減を行なえる上、カッターの切断精度を向上することが可能となる。
また、上記工程の後に空隙部1022dに非磁性体を溶接、接着してステータ102cの強度を上げても良い。
以上のように2コイル式ステップモータにおいてステータ102に磁束飽和部1022c又は空隙部1022d、スリット部1022a、1022bを設けることによってステータを1体に出来、回転検出時にロータ101から発生する磁束を効率的に駆動コイル103a、103bに誘導し、確実なロータ101の回転検出を行うことができるようになるため、負荷状況に応じたぎりぎりのエネルギーのパルスで運針できるため、低消電化できる。
また、スリット部1022a、1022bの切削方向を直線にすることによって切断の位置精度を向上し、生産の工数を削減することができる。
101 ロータ
1020 ロータ孔
1021a、1021b、1021c ステータ磁極
1022a、1022b スリット部
1022c 磁束飽和部
1022d 空隙部
1023a、1023b ノッチ部
103a 駆動コイル103a
103b 駆動コイル103b
Claims (7)
- 2極着磁された永久磁石からなるロータと、
該ロータを回動させる磁力を発生する第1駆動コイル及び第2駆動コイルと、
該第1駆動コイル及び該第2駆動コイルから発生した磁力を前記ロータに誘導するステータと、を有し、
該ステータは、前記ロータを収納するロータ孔を有し、
該ロータ孔の周囲に第1の磁極、第2の磁極及び第3の磁極を設け、
前記第1駆動コイルにより、前記第1の磁極と前記第3の磁極の間に磁路が形成され、
前記第2駆動コイルにより、前記第2の磁極と前記第3の磁極の間に磁路が形成される
ステッピングモータにおいて、
前記第1の磁極又は前記第2の磁極と、前記第3の磁極の間に、
低透磁率材又は非磁性体を設けたスリット部が形成され、
前記ステータは、前記ロータの静的安定点を決めるためのノッチ部を1つ有し、
前記スリット部は、該ノッチ部の前記ロータ孔と対向する位置に配置されている
ことを特徴とするステッピングモータ。 - 前記スリット部として、
前記第1の磁極と前記第3の磁極の間に形成された第1のスリット部と、
前記第2の磁極と前記第3の磁極の間に形成された第2のスリット部と、を有し、
該第1のスリット部と該第2のスリット部が直線状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。 - 前記第1のスリット部と前記第2のスリット部を結ぶ直線は、前記ロータ孔の前記第3の磁極側の位置から前記ロータ孔の中心までの間に存在する
ことを特徴とする請求項2に記載のステッピングモータ。 - 前記第1のスリット部又は前記第2のスリット部は、前記ノッチ部の役割を兼用する
ことを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。 - 前記第1の磁極と前記第2の磁極の間に磁束制限部を有する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のステッピングモータ。 - 前記磁束制限部は狭窄部によって形成される
ことを特徴とする請求項5に記載のステッピングモータ。 - 前記磁束制限部は空隙部によって形成される
ことを特徴とする請求項5に記載のステッピングモータ。
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