JP2002090473A - 時計用ステップモータ - Google Patents

時計用ステップモータ

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JP2002090473A
JP2002090473A JP2000281518A JP2000281518A JP2002090473A JP 2002090473 A JP2002090473 A JP 2002090473A JP 2000281518 A JP2000281518 A JP 2000281518A JP 2000281518 A JP2000281518 A JP 2000281518A JP 2002090473 A JP2002090473 A JP 2002090473A
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stator
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step motor
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JP2000281518A
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Takanori Minamitani
孝典 南谷
Shigeyuki Takahashi
重之 高橋
Tadayasu Machida
任康 町田
Kazuo Suzuki
一男 鈴木
Atsushi Murakami
村上  淳
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来に比して大幅な低消費電力値で安定して
駆動可能なステップモータを簡便に得るための構造を提
供すること。 【解決手段】 時計用ステップモータにおいて、ロータ
磁石およびロータ軸からなるロータと、ロータを設置す
るためのロータ穴を有するステータ12と、高透磁率材
料からなる磁芯に導線が巻回され磁芯の両端がステータ
両端と磁気的に接続された励磁用コイルを備え、ロータ
穴の内側に異なる位置に所定の設置角度で配設される少
なくとも2つの保持トルク設定手段5g,5hを有し、
ステータと接触する部位が変形可能なロータ位置決め部
材13をステータに嵌合保持し。ロータ位置決め部材が
ロータ軸の軸受け部材を有することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子時計などに用い
られるステップモータに関し、さらに詳しくはなんら調
整することなく、つねに少ない消費電力で正確に駆動す
るステップモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアナログ式電子時計においては、
動力源として電池もしくは発電機構を内蔵しているが、
使用条件に左右されずに、つねに正確な時を刻みつづけ
るためには消費電力を極力少なくする必要がある。
【0003】アナログ式電子時計の機構を概略すると、
水晶振動子などにより発生させた基準信号に従って時計
用ステップモータを間欠駆動し、歯車を介してステップ
モータの運動を指針に伝えることにより時刻表示を行っ
ている。
【0004】電力は大別すると、水晶振動子などを含む
基準信号を発生させる回路部分と指針を運針させるステ
ップモータ部分とで消費され、さらには、消費電力の大
部分は指針運針のためのステップモータの駆動により消
費されている。このため、ステップモータの低消費電力
化が時計全体の低消費電力化に及ぼす効果は非常に大き
く、その対策が望まれている。
【0005】図5および図6は従来技術における時計用
ステップモータ、とくに2極式ステップモータの概略構
造を示す平面模式図および断面模式図である。
【0006】図5および図6に示すように、2極式ステ
ップモータは、高透磁率の材料よりなる磁芯7aに導線
7bが巻回された構造を有し、磁芯7aの両端はネジ8
によりそれぞれステータ1の両端と固定され磁気的に接
続されている励磁用のコイル7と、ロータ3を設置する
ためのロータ穴2が設けられたステータ1と、図面上の
垂直方向に回転軸をもちロータ磁石3aとロータ軸3b
とからなるロータ3を備え、ロータ磁石3aは強磁性材
料からなり回転軸に垂直な方向に2極に着磁され、形状
は中心にロータ軸3bをはめ込むための軸穴を有した扁
平な円柱形状となっている。
【0007】また図示はしていないが、ロータ穴2の内
周には初期位相角22と保持トルクを設定するための保
持トルク設定手段を有している。ここで、初期位相角2
2はロータを駆動するためにコイルで発生する磁束によ
りロータ穴内部に発生する磁界の方向21とロータ静止
位置におけるロータ磁石の磁極の方向23とのなす角と
定義される。
【0008】さらに、ロータ3は、ロータ穴2の中心に
位置するように、ロータ軸3bの両端を地板4に嵌合保
持された軸受け9(輪列側は図示せず)により支持さ
れ、同軸に歯車10を有し、その歯車を介してロータ3
の回転運動を指針(図示せず)に伝達するように構成さ
れている。
【0009】このような構成の時計用ステップモータに
おいては、駆動電圧を印加してコイル7に正、負の電流
を交互に流すことによって、ロータ穴2に電流の正、負
に従った向きの磁界を発生させて、着磁されたロータ磁
石3aを持つロータ3を角度180度づつ(1ステップ
づつ)回転させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ステップモータにおいては後述のように、つねに低消費
電力で駆動できているとは言い難い。
【0011】アナログ時計においては外観の美しさを損
なうことなく、つねに正確な時を刻み続けることが究極
の目標として掲げられているが、これに対して現状は、
はなはだ不満足な状況であり、たとえば発電機構付の時
計における持続時間(時計が正常に駆動可能な時間)に
ついて言えば数ヶ月程度が主である。
【0012】このことは、発電機構が機能しない状況で
数ヶ月間放置すれば時計は駆動を停止してしまうことを
意味しており、先の究極の目標には遥かに及ばない。こ
のため、動力源としての一次電池、二次電池もしくは発
電機構の能力アップとともに、ステップモータの低消費
電力化による持続時間の大幅延長の早急な実現が望まれ
ている。
【0013】ステップモータの低消費電力化の実現に向
けては地道な努力が続けられているが、まだつねに安定
して低消費電力駆動するステップモータを簡便に得るこ
とは非常に難しい。
【0014】この原因としては種々考えられるが、部品
公差や組み立て精度などに起因すると考えられるロータ
回転運動時の摩擦ロスのバラツキのために結果として1
ステップに要する消費電力値やそのバラツキが大きくな
る。そのために、従来の時計用ステップモータでは、ス
テップモータ性能としては期待値よりも大きな消費電力
値を採用せざるを得ず、本来の特性を充分に生かしきれ
ていないのが現状である。
【0015】これに対して、案内ブッシュをステータの
ロータ穴に圧入することによりロータ回転運動時の摩擦
ロスを減らそうという試みもあるが、ステータに発生す
るストレスに起因すると考えられる磁気特性の劣化によ
り、かえって消費電力値は増加してしまう。
【0016】〔発明の目的〕本発明の目的は、上記課題
を解決することにより、従来に比して大幅な低消費電力
値で安定して駆動可能なステップモータを簡便に得るた
めの構造を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の時計用ステップモータにおいては、下記記
載の手段を採用する。
【0018】本発明の時計用ステップモータにおいて
は、ロータ磁石およびロータ軸からなるロータと、ロー
タを設置するためのロータ穴を有するステータと、高透
磁率材料からなる磁芯に導線が巻回され磁芯の両端がス
テータ両端と磁気的に接続された励磁用コイルを備え、
ロータ穴の内側に異なる位置に所定の設置角度で配設さ
れる少なくとも2つの保持トルク設定手段を有し、ステ
ータと接触する部位が変形可能なロータ位置決め部材を
ステータに嵌合保持してなることを特徴としている。
【0019】また本発明の時計用ステップモータにおい
ては、ステータが、高透磁率材料からなる第1のステー
タ部品と、高透磁率材料からなる第2のステータ部品が
低透磁率材料または非磁性材料からなる連結部を介して
結合されるように構成され、連結部が保持トルク設定手
段の1つをなすことを特徴としている。
【0020】さらに本発明の時計用ステップモータにお
いては、他の保持トルク設定手段が一対の凹部を有する
ことを特徴としている。
【0021】加えて本発明の時計用ステップモータにお
いては、ロータ位置決め部材がロータ軸の軸受け部材を
有することを特徴としている。
【0022】〔作用〕ロータ回転運動時のロータ部の摩
擦ロスは、ロータ磁石が回転中心からズレることにより
生じる磁気的な引き力がロータ軸にかかることにより発
生するものと考えられる。ここで生じる摩擦ロスの増大
は消費電力の増加につながる。さらにズレ量が不確定な
ために消費電力のバラツキも大きくなってしまう。
【0023】このため、ロータ部の摩擦ロスをできる限
り小さく制御することは非常に重要なことと認識され
る。
【0024】本発明においては、2つの保持トルク設定
手段により形成される各々の保持トルクのベクトル合成
により小さな保持トルクが形成できることから消費電力
の低減が可能となり、加えてステータと接触する部位が
変形可能なロータ位置決め部材をステータに嵌合保持す
ることにより、ステータにストレスが発生することを防
止できることからステータの磁気特性を損なうことなく
部品公差や組み立て精度などに起因すると考えられるロ
ータズレを補正でき、ロータ回転運動時の摩擦ロスを大
幅に減少させることができる。
【0025】これにより本発明の時計用ステップモータ
においては、消費電力のバラツキが抑えられ、つねに低
消費電力で駆動するステップモータが実現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に図面を用いて本発明の時計
用ステップモータにおける最適な実施の形態について説
明する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明するス
テップモータにおけるステータの概略構造を示す平面模
式図であり、図2はステップモータの概略構造を示す断
面模式図である。
【0027】〔実施の形態1における時計用ステップモ
ータ説明:図1および図2〕本発明の実施の形態におけ
るステップモータは、ステータの構造以外は従来技術の
ステップモータ構造と概略同じためステップモータ自体
の説明は省略する。
【0028】図1および図2に示すように、ステータ1
2は、高透磁率材料よりなる第1のステータ部品12a
と高透磁率材料よりなる第2のステータ部品12bとが
低透磁率もしくは非磁性材料よりなる連結部12c、1
2dを介して結合されるように構成されている。さら
に、ロータ穴2dの内周には保持トルク設定手段として
一対の凹部5g、5hをロータ穴2dの中心軸に対称と
なる方向に設ける。
【0029】また、軸受け部材9を有するロータ位置決
め部材13をロータ穴2dに圧入することにより嵌合保
持した。
【0030】ここで、本実施の形態においては、ロータ
位置決め部材13はロータ穴内周に沿って配置され、変
形可能な部位14を有している。図1においてはロータ
位置決め部材は円周方向に設けられた切り欠き部15に
より3分割されることにより、ステータとの接触部にお
いて変形しやすい構造となっている。
【0031】具体的には、ステータとしては厚さ500
μmの高透磁率材料であるパーマロイを用い、幅200
μmの連結部には低透磁率もしくは非磁性材料を用い、
レーザー溶接を行った。ついで、直径1400μmのロ
ータ穴と幅290μmの凹部を打ち抜くことにより目的
の形状を得た。その後、磁気焼鈍を行うことによりステ
ップモータのステータを得た。
【0032】軸受け部材を有し、リン青銅からなるロー
タ位置決め部材をステータに設けられたロータ穴に圧入
した後、ロータ穴の中心に位置するようにロータを設置
してステップモータを構成した。この際、ロータ位置決
め部材の変形可能な部位における外形寸法をロータ穴寸
法に対して平均10μm大きくすることにより、組み込
み時にしっかり保持固定されるようにした。また、ロー
タ磁石としては外径800μm、厚さ420μmのサマ
リウムコバルト磁石を用いた。
【0033】上記のステータ構造においては、低透磁率
もしくは非磁性材料からなる連結部は、プレス加工によ
り高透磁率材料を切り欠いた形状となっているため、1
対の凹部と同様の働きをし保持トルクを形成する。本実
施の形態においては、連結部の形成する保持トルクと凹
部の形成する保持トルクのベクトル合成の結果として1
25nNmの保持トルクを有するステップモータを用い
て消費電力などを測定した。
【0034】ついで、本発明の第2の実施の形態につい
て説明する。図3は第2の実施の形態を説明するステッ
プモータにおけるステータの概略構造を示す平面模式図
であり、図4はステップモータの概略構造を示す断面模
式図である。
【0035】〔実施の形態2における時計用ステップモ
ータ説明:図3および図4〕図3および図4に示すよう
に、ステータ32は、第1の実施の形態とは異なり1枚
の高透磁率材料により構成されている。
【0036】また、ロータ穴2dの内周には保持トルク
設定手段として二対の凹部(25gと25h、25mと
25n)を設ける。それぞれの対の保持トルク設定手段
は、ロータ穴の中心軸に対称となる方向に設けられてい
る。
【0037】さらに、中心部に軸受け部材ではなく、ロ
ータ軸を支持するための穴を有するロータ位置決め部材
33をロータ穴2dに圧入することにより嵌合保持し
た。
【0038】本実施の形態においては、ロータ位置決め
部材33はロータ穴内周に沿って配置され、変形可能な
部位34を有している。図3においてはロータ位置決め
部材は円周方向に設けられた切り欠き部35により4分
割されることにより、ステータとの接触部において変形
しやすい構造となっている。
【0039】具体的なステータ構造としては、1枚の高
透磁率材料から構成されていることと、保持トルク設定
手段として二対の凹部を設けたこと以外は基本的には第
1の実施の形態と同様である。
【0040】ステップモータ構造としては、ロータ位置
決め部材が軸受け部材を有していないこと、およびロー
タ位置決め部材の高さ位置決め方法が第1の実施の形態
とは異なっている。本実施の形態においても、それぞれ
の対の凹部が形成する保持トルクのベクトル合成の結果
として125nNmの保持トルクを有するステップモー
タを用いて消費電力などを測定した。
【0041】〔比較例1〕構成部材および保持トルクは
上記ステップモータと同一とし、図6に見られるよう
に、地板に嵌合保持された軸受け部材を有するがロータ
位置決め部材を用いない従来構造を比較例1として消費
電力などを測定した。
【0042】〔比較例2〕同じく、構成部材および保持
トルクは上記ステップモータと同一とし、変形可能な部
位を有しないロータ位置決め部材をステータに圧入する
ことにより嵌合保持する構造を比較例2として消費電力
などを測定した。この際、ロータ穴寸法に対して平均1
0μm大きな外形寸法を有するロータ位置決め部材を圧
入した。本発明の実施の形態1,2および比較例1,2
の結果を図7に示す。
【0043】図7において、比較例1は地板に嵌合保持
された軸受け部材を有するがロータ位置決め部材を用い
ない従来構造の場合のロータ中心とロータ穴中心との最
大ズレ量、秒針を1ステップ駆動する際のステップモー
タの平均消費電力値および通常駆動時の消費電力値の最
大バラツキ量を示している。
【0044】これより、従来技術の構造においてはロー
タ中心とロータ穴中心とのズレ量が大きく、これが平均
消費電力値およびバラツキの増大を引き起こしているこ
とが伺われる。最適駆動時の消費電力値としては280
nJという非常に小さな値で駆動できる可能性を持ちな
がら、実際には駆動時のバラツキが大きいために、平均
的には450nJ必要となってしまうことを表してい
る。
【0045】これに対して、本発明による実施の形態1
においては軸受け部材を有し、ステータと接触する部位
の変形が可能なロータ位置決め部材をステータに圧入す
ることにより、ロータ中心とロータ穴中心とのズレ量を
大幅に減少させることができる。
【0046】その結果、通常駆動時の消費電力値のバラ
ツキが10nJ程度に抑えられ、平均消費電力値として
290nJが得られた。この290nJという値は、さ
きの従来構成の場合のおよそ2/3であり、大幅な低消
費電力化が達成できることが示された。
【0047】実施の形態2においては、軸受け部材を用
いないことから、ロータ中心とロータ穴中心とのズレ量
としては最も小さくできる可能性を有しているが、反
面、ロータ回転運動時の摩擦ロス増加による消費電力値
の若干の増加が認められた。しかしながら、消費電力値
のバラツキは実施の形態1と同様10nJ程度に抑えら
れるため充分に低消費電力で駆動可能である。この構造
においては軸受け部材が不用となるためコスト的に有利
である。
【0048】比較例2は軸受け部材を有するが、ステー
タとの接触部において変形可能な部位を有しないロータ
位置決め部材をステータに圧入した時の到達性能を表し
ている。
【0049】ロータ中心とロータ穴中心とのズレは軸受
け公差および組み立て公差などに起因すると考えられ、
最大ズレ量は実施の形態1と同様6μm程度が得られて
いるが、平均消費電力値およびバラツキはそれぞれ33
0nJ、50nJと実施の形態1および2に比して大き
くなってしまった。原因詳細については未だ不明だが、
ロータ位置決め部材が変形可能な部位を有しないために
ステータに圧入する際にステータにストレスが発生して
磁気特性が劣化し、位相差や鉄損が増加した可能性が大
きい。
【0050】比較例2の構成において、ステータにスト
レスを発生させず、かつ、正しい位置にロータ位置決め
部材を嵌合保持することは作成時の公差などを考慮する
と非常に困難であると考えられる。ステータ穴に対して
ロータ位置決め部材の外形寸法が大きくなれば、上記の
ようにストレスが発生してしまい、逆に、外形寸法が小
さくなればしっかりと嵌合保持できなくなってしまう。
【0051】一方、本発明による実施の形態1および2
においては、ロータ位置決め部材に設けられた変形可能
な部位により公差を吸収することで、従来に比して充分
広い条件範囲で、ステータの磁気特性を劣化させること
なく、ロータ位置決め部材をステータに嵌合保持するこ
とが可能となる。また、上記においてはロータ穴寸法と
ロータ位置決め部材の有する変形可能な部位の外形寸法
との差を10μmとして嵌合保持したが、これに限定さ
れるものでないことは明らかである。
【0052】構成部材に悪影響を及ぼすことなくズレ量
を限りなくゼロに近づけられれば、通常駆動時の消費電
力値のバラツキも限りなくゼロに近づき最も低消費電力
で駆動できることになるが、現状では初期位相角、保持
トルクなどの微小なバラツキにより結果として消費電力
値に20nJ程度のバラツキが生じてしまうため、これ
より小さな値に制御できれば充分有効である。
【0053】本発明による実施の形態においてはロータ
位置決め部材としてリン青銅を用いたが、材料はこれに
限るものではなく任意の材料が使用可能であり、ステー
タとロータ位置決め部材との相対位置をしっかり保持
し、かつステータの磁気特性を劣化させないためにはロ
ータ位置決め部材の少なくともステータと接触する部位
が弾性変形することが望ましい。
【0054】実施の形態1および2において、ステータ
と接触する部位が変形可能なロータ位置決め部材とし
て、3ケ所あるいは4ケ所からなる切り欠き部を用いた
が、切り欠き個所、形状、および変形可能な手段は任意
でよい。さらに、変形可能なロータ位置決め部材を例と
して示したが、変形可能な部分と他の部分とは必ずしも
一体である必要はなく、それぞれの機能を有する部材の
組み合わせであっても良い。
【0055】さらに、実施の形態1および2において、
保持トルク設定手段として連結部と一対の凹部あるいは
二対の凹部の組み合わせを用いたが、他にも凸部やギャ
ップ型など任意の手段の組み合わせが可能である。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明かなように本発明によ
れば、ステータと接触する部位が変形可能なロータ位置
決め部材をステータに圧入して嵌合保持することによ
り、ステップモータの通常駆動時の消費電力値のバラツ
キを10nJ程度にできる。
【0057】このことにより、125nNmの保持トル
クを有するステップモータを290〜300nJという
従来にない小さな平均消費電力値で安定して駆動でき、
持続時間の大幅な増加に繋がる。また、電池の小型化に
よる時計の薄型化、デザインバリエーションの増加ある
いは他機能の搭載など低消費電力化のもたらす効果は大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態1を説明する時計用ス
テップモータにおけるステータの概略構造を示す平面模
式図である。
【図2】本発明による実施の形態1を説明する時計用ス
テップモータの概略構造を示す断面模式図である。
【図3】本発明による実施の形態2を説明する時計用ス
テップモータにおけるステータの概略構造を示す平面模
式図である。
【図4】本発明による実施の形態2を説明する時計用ス
テップモータの概略構造を示す断面模式図である。
【図5】従来技術の2極式ステップモータの概略構造を
示す平面模式図である。
【図6】従来技術の2極式ステップモータの概略構造を
示す断面模式図である。
【図7】本発明の実施の形態1および2の時計用ステッ
プモータと比較例1および2との特性を比較して表す図
面である。
【符号の説明】
1、12、32:ステータ 2、2d:ロ
ータ穴 3:ロータ 3a:ロータ磁石
3b:ロータ軸 4:地板 5g、5h、25g、25h、2
5m、25n:凹部 7:コイル 7a:磁芯 7b:
導線 8:ネジ 9:軸受け部材 1
0:歯車 12a:第1のステータ部品 12b:第
2のステータ部品 12c、12d:連結部 13、33:ロ
ータ位置決め部材 14、34:変形可能な部位 15、3
5:切り欠き部 21:磁界の方向 22:初期位相角 23:磁極の方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 一男 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 村上 淳 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2F001 AA05 AG02 AG12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータ磁石およびロータ軸からなるロー
    タと、該ロータを設置するためのロータ穴を有するステ
    ータと、高透磁率の材料よりなる磁芯に導線が巻回され
    た構造を有し前記磁芯の両端が前記ステータの両端と磁
    気的に接続された励磁用のコイルとを備え、 ロータ穴の内側に異なる位置に所定の設置角度で配設さ
    れる少なくとも2つの保持トルク設定手段を有し、 ロータ軸を支持しかつ前記ステータと接触する部位が変
    形可能なロータ位置決め部材を前記ステータに嵌合保持
    してなることを特徴とする時計用ステップモータ。
  2. 【請求項2】 前記ステータが、 高透磁率材料よりなる第1のステータ部品と、高透磁率
    材料よりなる第2のステータ部品と、低透磁率材料もし
    くは非磁性材料よりなる連結部とを有し、 前記第1のステータ部品と前記第2のステータ部品とが
    前記連結部を介して結合されるように構成され、 前記連結部が保持トルク設定手段の1つをなす請求項1
    に記載の時計用ステップモータ。
  3. 【請求項3】 前記連結部以外の保持トルク設定手段
    が、 一対の凹部である請求項2に記載の時計用ステップモー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記ロータ位置決め部材が、 前記ロータ軸の軸受け部材を有する請求項1、2、また
    は3に記載の時計用ステップモータ。
  5. 【請求項5】 前記ロータ位置決め部材と軸受け部材
    が、 別体の組み合わせからなる請求項4に記載の時計用ステ
    ップモータ。
  6. 【請求項6】 前記ロータ位置決め部材と軸受け部材
    が、 一体である請求項4に記載の時計用ステップモータ。
  7. 【請求項7】 前記ロータ位置決め部材は、 切り欠き部を有する請求項1、2、3、4、5、または
    6に記載の時計用ステップモータ。
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