JP5513739B2 - 電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、小型でかつ出力トルクが大きい電動機に関するものである。
一般に、小型の電動機は出力トルクが小さく、高速で回転するものであるから、サムターンを備える錠を開閉するための駆動力のように高トルクかつ低速回転が必要である用途に電動機の駆動力を用いる場合には、電動機の出力を減速する減速機が必要になる(たとえば、特許文献1参照)。
特公平6−39027号公報
この種の減速機は、薄型であることが要求されるから、電動機の出力軸の回転方向に対して回転方向を交差させる必要があり、減速機には傘歯車やウォーム歯車が含まれ、これらの歯車がコスト高の一つの要因になっている。また、減速比を大きくするには、複数個の歯車が必要であり、部品点数が多くなって組立に手間がかかったり、減速機が大型化するという問題を生じる。
電動機の出力軸と同じ向きの回転軸を備えるとともに、電動機と同程度の直径を持つ比較的小型の減速機としては、遊星歯車装置や波動減速装置が知られているが、構成する部品点数が多いという問題を有している。
さらに、歯車を噛み合わせる機構を用いずに、磁力を利用して回転力を伝達する磁気構造により、波動減速装置と同様の原理で減速機を実現することも考えられている。この減速機は、図6、図7に示すように、電動機の出力軸に結合される高速ロータ3′と、高速ロータ4′の外周を囲む低速ロータ4′と、高速ロータ3′と低速ロータ4′との間に介在する磁性体からなるステータ1′とを備える。
高速ロータ3′と低速ロータ4′との少なくとも一方は永久磁石(図示例は両方とも)32、42を備え、永久磁石32、42は電動機の出力軸の軸方向(アキシャル方向)に着磁されている(図6の矢印は着磁方向を示している)。低速ロータ4′とステータ1′とは外形が円筒形に形成されているが、高速ロータ3′は電動機の回転軸に直交する断面が長円形に形成されている。また、低速ロータ4′の内側面であってステータ1′と向き合う面には低速ロータ4′の回転方向に配列された磁極歯41′が列設され、ステータ1′には低速ロータ4′の磁極歯41′よりも少ない本数の磁極片11′が低速ロータ4′の回転方向に列設されている。
したがって、ステータ1′の各磁極片11′と低速ロータ4′の各磁極歯41′とが低速ロータ4′の回転方向において重なる程度(以下、「重複度」という)は、低速ロータ4′の回転位置に応じて異なることになる。たとえば、図7に示す例では、低速ロータ4′の上部と下部とにおいて重複度が大きく、低速ロータ4′の左部と右部とにおいて重複度が小さくなっている。ステータ1′の磁極片11′は高速ロータ3′の磁極として機能し、高速ロータ3′がステータ1′の内側で一方向に回転することにより、ステータ1′は回転磁界を発生させることになる。
ここに、重複度の大きい部位は高速ロータ3′と低速ロータ4′とを含む磁気回路の磁気抵抗が最小となる安定位置になるから高速ロータ3′にトルクが発生しないが、磁極歯41′と磁極片11′との一部同士が重複している部位は磁束が集中して磁束密度が大きくなるから、重複度を大きくする向きの磁力が生じ、この磁力によるトルクを発生させることができる(図7のドットとクロスは高速ロータ3′と低速ロータ4′との磁化の向きを示し、矢印は磁束を示している)。すなわち、低速ロータ4′は磁極歯41′と磁極片11′との重複度を大きくする向きに移動しようとしてトルクが生じる。
図7に示す構成例では、高速ロータ3′が反時計方向に回転すると低速ロータ4′には時計方向の回転力が生じる。この構成の減速機では、低速ロータ4′の磁極歯41′の歯数に対する高速ロータ3′のステータ1′への接触箇所の個数の比が減速比になる。たとえば、図7に示す例では高速ロータ3′のステータ1′への接触箇所が2箇所で、低速ロータ4′の磁極歯41′の歯数が20であるから、減速比は10分の1になる。また、ステータ1′の磁極片11′の個数は、磁極歯41′の歯数と接触箇所との和または差に設定される。
この構成により、波動減速装置と同様に、比較的小型ながらも高い減速比で大きな減速比を得ることができ、しかも高速ロータ3′と低速ロータ4′との回転中心は同軸上に配置されるものであって、歯車を用いる減速機に比較すると高い減速比を得ながらも部品点数を少なくすることができる点で優れている。しかしながら、この構成では駆動源となる電動機が減速機とは別体であるから、依然として十分な小型化は望めないという問題を有している。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、減速機と駆動源とを構成する磁回路の一部を共用することによって少ない部品点数で構成し、しかも小型化を可能にした電動機を提供することにある。
請求項1の発明は、電機子巻線を備える複数極の電機子と、電機子との間に磁力を作用させる複数極の永久磁石を備え電機子巻線への通電タイミングが制御されることにより回転する高速ロータと、電機子が定位置に固定され高速ロータの回転方向において複数個の磁極片が一定の角度間隔で列設された磁性体のステータと、高速ロータと同軸の回転中心を有し高速ロータとは別に回転するロータであって磁極片とは異なる一定の角度間隔で配置された複数個の磁極歯を備える低速ロータとを有し、磁極歯と磁極片とは、各磁極歯の外側端を結ぶ仮想円環と各磁極片の先端を結ぶ仮想円環とが対向するように配置され、電機子と永久磁石とにより生成される磁束は、電機子の磁極部と高速ロータの永久磁石とが重複している部位において、低速ロータの磁極歯とステータの磁極片との重複度を大きくする向きに磁力を作用させることにより、低速ロータを回転させる磁力を作用させ、高速ロータの回転が減速されて低速ロータから出力されることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記低速ロータに設けた前記磁極歯は、低速ロータの回転方向に沿った断面の断面積について、前記磁極片に対向する外端部が低速ロータの回転中心側よりも大きくなる形状に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記磁極歯は、前記磁極片に対向する外端部における前記低速ロータのアキシャル方向の寸法が回転中心側のアキシャル方向の寸法よりも大きいことを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記磁極歯は、前記低速ロータのアキシャル方向の寸法が回転中心側から外端部に向かって連続的に大きくなることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項2の発明において、前記磁極歯は、前記磁極片に対向する外端部における前記低速ロータの回転方向の寸法が回転中心側の回転方向の寸法よりも大きいことを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項5の発明において、前記磁極歯は、前記低速ロータの回転方向の寸法が回転中心側から外端部に向かって連続的に大きくなることを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項1〜6のいずれかの発明において、前記電機子と前記永久磁石とが前記高速ロータのアキシャル方向に配列されることを特徴とする。
請求項8の発明では、請求項1〜6のいずれかの発明において、前記電機子と前記永久磁石とが前記高速ロータのアキシャル方向に直交する面内であって回転方向に直交する方向に配列されることを特徴とする。
請求項9の発明では、請求項8の発明において、前記磁極歯は、前記低速ロータのアキシャル方向に延長され前記永久磁石に対向する第1磁極歯と、第1磁極歯の一端部から低速ロータの外向きに延長され前記ステータに設けた前記磁極片との間に磁力が作用する第2磁極歯とを一体に備える形状に形成されていることを特徴とする。
請求項10の発明では、請求項1〜9の発明において、前記低速ロータは、回転方向において隣り合う各一対の前記磁極歯の間に非磁性材料からなる保持部材を介在させていることを特徴とする。
請求項11の発明では、請求項10の発明において、前記保持部材は導電性材料からなることを特徴とする。
請求項1の発明の構成によれば、電機子と高速ロータとにより構成され回転駆動力を発生させる構成(すなわち、電動機)と、高速ロータと低速ロータとステータとにより構成され回転を減速させる構成(すなわち、減速機)とが高速ロータを共用するとともに、電機子およびステータが共通の磁路に用いられているから、電動機と減速機との部品の一部を共用することになり、部品点数が低減され、かつ小型化が可能になる。また、低速ロータの外端部においてトルクを発生させるから比較的小型ながらも高出力トルクを得ることが可能である。
請求項2の発明の構成によれば、低速ロータに設けた磁極歯とステータに設けた磁極片との対向面積を大きくとることが可能になり、低速ロータを回転させるトルクを発生させる部位において大きい磁力を作用させることが可能になり、結果的に高出力トルクを得ることが可能になる。
請求項3の発明の構成によれば、磁極歯のアキシャル方向の寸法を大きくすることによって磁極片との対向面積を大きくすることを可能にしているから、低速ロータの周方向において磁極歯間の距離を小さくことなく高出力トルクを得ることが可能になる。
請求項4の発明の構成によれば、永久磁石と磁極片との間に形成される磁路の磁気抵抗を小さくすることができるから、磁極片と磁極歯との間のギャップにおける磁束密度を増加させて高出力トルクを得ることが可能になる。
請求項5の発明の構成によれば、低速ロータの回転方向における磁極歯の寸法を大きくすることによって磁極片との対向面積を大きくすることを可能にしているから、アキシャル方向の寸法の大型化を伴わずに高出力トルクを得ることが可能になる。すなわち、アキシャル方向における薄型化が可能になる。
請求項6の発明の構成によれば、永久磁石と磁極片との間に形成される磁路の磁気抵抗を小さくすることができるから、磁極片と磁極歯との間のギャップにおける磁束密度を増加させて高出力トルクを得ることが可能になる。
請求項7の発明の構成によれば、高速ロータと低速ロータとを円板状に形成することが可能であるから、構造が簡単であり製造が容易になる。
請求項8の発明の構成によれば、限られた回転半径でアキシャル方向の寸法を大きくとることによって、電機子と高速ロータとの対向面積を増加させることができるから、小径で高出力トルクを実現することが可能になる。
請求項9の発明の構成によれば、永久磁石との間で磁力を作用させる第1磁極歯と、ステータの磁極片との間で磁力を作用させる第2磁極片とを磁極歯に設けていることにより、磁極歯と永久磁石との間の磁束の伝達を内周側で行い、磁極歯と磁極片との間の磁束の伝達を外端側で行うことにより、形状に制約されることなく磁束を効率よく伝達することが可能になる。
請求項10の発明の構成によれば、磁極歯の間に非磁性材料の保持部材を介在させているから磁極歯の位置決めを正確に行うことができる。
請求項11の発明の構成によれば、低速ロータの周方向に隣り合う磁極歯の間の磁気短絡を抑止するから、高効率な磁気回路を形成でき、小型で高出力トルクを得ることが可能になる。
(実施形態1)
本実施形態は、図1、図2に示すように、磁性体からなるカップ状(一方の底面が開放された有底円筒状)のステータ1を備え、ステータ1がケーシングに兼用されている。ステータ1において開放された前記一方の底面は合成樹脂のような非磁性材料のキャップ12により閉塞され、ステータ1とキャップ12とに囲まれた空間に、後述する電機子2と高速ロータ3と低速ロータ4とが収納される。以下では、図2の上下方向を用いてステータ1の口軸方向を上下方向として説明するが、この方向は実使用時の方向を規定するものではない。また、高速ロータ3および低速ロータ4はステータ1の口軸方向に直交する面に沿って回転する。つまり、図2の上下方向が高速ロータ3および低速ロータ4のアキシャル方向になる。
ステータ1の周壁内側面にはステータ1の周方向において等角度間隔で複数個(図示例では22個)の磁極片11が突設される。各磁極片11は、上下方向(ステータ1の口軸方向)においてステータ1の底面から一定距離Dの位置に設けられ、上下方向の幅寸法が互いに等しく形成されるとともに、ステータ1の周方向における幅寸法が互いに等しく形成されている。
ステータ1の底面には、複数極(図示例では3極)の電機子2が周方向において等角度間隔で配置される。すなわち、図示例ではステータ1の底面(円形)の中心の周りに120度の角度間隔で電機子2が配置されている。
各電機子2は、平面視においてステータ1の底面の中心を中心とした扇面形状を有する磁極部21aと、一端部が磁極部21aに磁気結合された軸部21bとを一体に備えるコア21を有し、コア21の軸部21bに電機子巻線22を巻回して形成されている。磁極部21aはステータ1の底面の中心の周りで約60度の角度幅を有している。ただし、磁極部21aの角度幅は適宜に設定することができる。また、扇面形状は、扇の扇面の形状を意味する。軸部21bの他端部はステータ1の底面に一体化され、電機子2とステータ1とが磁気結合されている。コア21は、磁極部21aと軸部21bとを別体に形成してもよいが、フェライトのような磁性体を用いて連続一体に形成することも可能である。
ステータ1の底面には軸受13を介して回転軸14が軸支されており、回転軸14には円板状に形成された高速ロータ3の中心部が結合される。したがって、高速ロータ3は回転軸14とともにステータ1に対して回転可能に保持される。高速ロータ3は、電機子2の極数とは異なる極数(図示例では2極)の永久磁石31を備えており、永久磁石31は上下方向(つまり、アキシャル方向)に着磁されている。高速ロータ3は、個別の永久磁石31を合成樹脂のような非磁性材料の保持部材によって保持するか、円板状の磁性体に部分的に着磁を施すことによって形成する。
高速ロータ3の回転中心の周りにおいて永久磁石31の磁極の角度幅は、電機子2の磁極部21aの角度幅と略等しく設定される。したがって、上述した電機子2に対応する永久磁石31の磁極の角度幅は約60度になる。ただし、永久磁石31と磁極部21aとの角度幅を略等しく設定することは必須ではなく、磁極部21aと永久磁石31との一部が重複するように磁極部21aと永久磁石31との角度幅を設定してあればよい。
各電機子2における磁極部21aの上面を含む平面と、高速ロータ3の永久磁石31の下面を含む平面とは互いに平行であって、微小ギャップを挟んで互いに対向する。したがって、電機子2の磁極部21aを適当なタイミングで励磁すると、高速ロータ3の永久磁石31との間の磁力によって高速ロータ3をステータ1に対して回転させることができる。
電機子巻線22に通電するタイミングは、同期モータあるいはブラシレスモータと同様に規定すればよい。つまり、脱調しない周波数で各電機子巻線22に異なる位相で通電することにより回転磁界を形成すれば、高速ロータ3を回転させることができる。また、高速ロータ3の永久磁石31の位置をホールICのような磁気センサで検出するか、電機子巻線22への励磁電流の監視により検出し、永久磁石31の位置に応じて電機子巻線22に通電するタイミングを制御すれば、ブラシレスモータと同様に高速ロータ3を回転させることができる。
なお、ブラシレスモータと同様の動作とする場合には、高速ロータ3の回転速度が規定した速度に達するまでは同期モータとして駆動し、その後、永久磁石31の位置を検出してフィードバック制御するようにしてもよい。ただし、電気錠などの駆動に用いる場合には同期モータと同様の動作を行えばよく、この動作を行えば、磁気センサが不要である上に駆動回路も簡単になる。
ところで、キャップ12にはステータ1とは別に軸受15が設けられ、この軸受15によりキャップ12に出力軸16が軸支されている。出力軸16は回転軸14と同軸上に配置されている。つまり、高速ロータ3と低速ロータ4との回転中心は同一軸線上に並ぶことになる。出力軸16には低速ロータ4が結合され、低速ロータ4がキャップ12(つまり、ステータ1)に対して回転可能に保持されている。低速ロータ4は出力軸16の周りに等角度間隔で複数個(図示例では24個)の磁極歯41を備える。各磁極歯41はそれぞれ棒状に形成されており、各磁極歯14の下面を含む平面は、高速ロータ3における永久磁石31の上面を含む平面と平行であって、微小ギャップを挟んで互いに対向する。磁極歯41の個数についてとくに制限はないが、通常は磁極片11の個数よりも少なくする。なお、棒状とは長手方向の断面形状が矩形状であることを意味している。
低速ロータ4は、個別の磁極歯41を合成樹脂のような非磁性材料の保持部材によって保持するか、円板状の磁性体の厚み方向の一面に磁極歯41となる複数本の突条を設けることにより形成する。後者の形状の低速ロータ4では、円板の厚み方向の一面に、磁極歯41となる突条が放射状に並ぶ形に形成される。ここに、非磁性材料の保持部材として、Al、Cu、Au、Agのような導電性材料を用いると、隣り合う磁極歯41の間の磁束の短絡を抑止する効果を高めることができる。
各磁極歯41において出力軸16から遠い一端(外側端)の端面はステータ1の周壁内側面に対向する。すなわち、各磁極歯41の外側端を結ぶ仮想円環は、ステータ1に設けた磁極片11の先端を結ぶ仮想円環よりも小径であって、両仮想円環は微小ギャップを挟んで互いに対向する。
ここに、磁極片11と磁極歯41とは極数が異なっているから、磁極片11と磁極歯41とは低速ロータ4の回転方向において重なる程度(以下、「重複度」という)が低速ロータ4の回転位置に応じて異なることになる。言い換えると、磁極片11と磁極歯41との間の磁気抵抗は、低速ロータ4の回転位置により異なっている。
電機子2と永久磁石31とを起磁力として生成される磁束が通る磁路について考察すると、電機子2の磁極部21aに高速ロータ3の永久磁石31が重複し、かつ当該永久磁石31に重複する磁極歯41といずれかの磁極片11との重複度が大きい位置(図1の右端の位置)において、磁気抵抗が最小になることがわかる。
また、永久磁石31は複数個の磁極歯41に跨っており、電機子2の磁極部21aと永久磁石31との位置関係が同位置であっても、磁極片11と磁極歯41とは場所によって重複度が異なっており、一部のみが重複している重複度の小さい部位では磁束密度が大きくなり、重複度を大きくする向きに磁力が作用する。つまり、低速ロータ4をステータ1に対して相対的に回転させるように磁力が作用する。
電機子2の磁極部21aに高速ロータ3の永久磁石31が重複していない部位では、磁極片11と磁極歯41との重複度にかかわらず磁束密度が小さいから(磁路に含まれる起磁力が小さいから)、低速ロータ4を回転させる磁力は作用しない。
したがって、電機子2の磁極部21aが配置されている位置において、高速ロータ3の永久磁石が通過するときに、磁極片11と磁極歯41との重複度が適切な関係であるときに、ステータ1に対して低速ロータ4を回転させる磁力が作用し、結果的に高速ロータ3の回転を減速した回転出力を出力軸16から取り出すことができる。高速ロータ3と低速ロータ4との減速の原理は波動減速装置と同様であり、減速比Nは、高速ロータ3の永久磁石31の極数Nhと低速ロータ4の磁極歯41の個数Nlとを用いて、N=Nl/Nhで表すことができる。
上述の例では、低速ロータ4の磁極歯41を棒状に形成した例を示したが、図3に示すように、磁極歯41の形状を変更することにより、磁極歯41の磁気抵抗を低減したり磁極歯41と磁極片11との間を通る磁束を増加させることができ、磁極歯41と磁極片11との間に作用する磁力を高めて高トルク化ないし高減速比化が可能になる。図3(a)に示す例は、磁極歯41を出力軸16と各磁極歯41とを含む面内でL字状に形成したものであり、磁極片11と対向する部位の面積を大きくしたものである。また、図3(b)に示す例は、各磁極歯41について、低速ロータ4の回転中心から外側に向かって上下方向の幅をしだいに大きくして台形状(ないし扇面状)としたものであり、永久磁石31から磁極片11までの磁路に関与する部位の体積を大きくすることにより、図3(a)の形状よりもさらに磁気抵抗を低減したものである。
図3(c)(d)は低速ロータ4の回転方向において磁極片11の寸法を拡大したものであり、図3(a)(b)の構成例では磁極片11の上下方向の幅寸法が低速ロータ4の回転方向の幅寸法よりも大きいのに対して、図3(c)(d)の構成例では磁極片11の上下方向の幅寸法を低速ロータ4の回転方向の幅寸法よりも小さくしている。また、磁極片11のこの配置に伴って、磁極歯41も低速ロータ4の回転方向において中心部よりも外端部の寸法が大きくなるように、L字状または台形状に形成してある。
図3に示す各形状はいずれも図1、図2に示した形状に比較して磁極片11と永久磁石31との間に形成される磁路の磁気抵抗を小さくすることができるから、磁極片11と磁極歯41との間に作用する磁力を大きくし、結果的に高出力トルクが得られることになる。
(実施形態2)
実施形態1では、ステータ1の底面に電機子2を配置する構成を採用していたのに対して、本実施形態では、図4に示すように、ステータ1の周壁内側面に電機子2を配置した例を示す。この構成では、電機子2の磁極部21aの形状が円筒の周壁の一部ないし円環の一部をなす形状に形成される。
また、高速ロータ3は円板状ではなくカップ状ないし有底円筒状に形成される。低速ロータ4の磁極歯41は、高速ロータ3に対向する第1磁極歯41aと、ステータ1の磁極片11に対向する第2磁極歯41bとを一体に備える形状に形成される。第1磁極歯41aは、出力軸16の軸方向に沿って延長され、第2磁極歯41bは実施形態1において説明した磁極子41と同様の形状を採用することができる。つまり、第1の磁極歯41aと第2の磁極歯41bとの連結部位は互いに直交する方向に延長される。
本実施形態は、電機子2、高速ロータ3、低速ロータ4の配置と形状が実施形態1とは相違するが、動作原理は同じであり、電機子2の励磁タイミングについても同様である。
また、実施形態1と同様に、磁極片11および磁極歯41の形状を図5(a)〜(d)に示す形状に変形することで、永久磁石31と磁極片11との間に形成される磁路の磁気抵抗を低減することができる。具体的には、第2磁極歯41bの形状を図3に示した形状と同様としてあり、この構成により高出力トルクを得ることが可能になる。なお、図5(a)〜(d)は図3(a)〜(d)に対応する形状を示している。
さらに、第1磁極歯41aと第2磁極歯41bとの連結部位において互いに直交させず、図5(d)に示すように、第1磁極歯41aと第2磁極歯41bとを一直線上に形成することも可能である。この場合、第2磁極歯41bと磁極片11との間のギャップが大きくなる可能性があるから、ステータ1の周壁内側面からの磁極片11の突出寸法の設計により、磁極片11と第2磁極歯41bとの間のギャップを適当な寸法に設定するのが望ましい。
なお、上記構成例では、磁極片11の内側に磁極歯41を配置しているが、磁極片11をステータ1の周壁外側面に設け、カップ状ないしリング状の低速ロータ4に磁極歯41を設けた形状とすることも可能である。
実施形態1を示し、(a)は水平断面図、(b)は縦断面図である。 同上の分解斜視図である。 同上に用いる磁極片および磁極歯の他形状を示す斜視図である。 実施形態2を示す縦断面図である。 同上に用いる磁極片および磁極歯の他形状を示す斜視図である。 波動減速装置を示す一部破断した斜視図である。 波動減速装置の原理説明図である。
符号の説明
1 ステータ
2 電機子
3 高速ロータ
4 低速ロータ
11 磁極片
21 コア
21a 磁極部
21b 軸部
22 電機子巻線
31 永久磁石
41 磁極歯
41a 第1磁極歯
41b 第2磁極歯

Claims (11)

  1. 電機子巻線を備える複数極の電機子と、電機子との間に磁力を作用させる複数極の永久磁石を備え電機子巻線への通電タイミングが制御されることにより回転する高速ロータと、電機子が定位置に固定され高速ロータの回転方向において複数個の磁極片が一定の角度間隔で列設された磁性体のステータと、高速ロータと同軸の回転中心を有し高速ロータとは別に回転するロータであって磁極片とは異なる一定の角度間隔で配置された複数個の磁極歯を備える低速ロータとを有し、磁極歯と磁極片とは、各磁極歯の外側端を結ぶ仮想円環と各磁極片の先端を結ぶ仮想円環とが対向するように配置され、電機子と永久磁石とにより生成される磁束は、電機子の磁極部と高速ロータの永久磁石とが重複している部位において、低速ロータの磁極歯とステータの磁極片との重複度を大きくする向きに磁力を作用させることにより、低速ロータを回転させる磁力を作用させ、高速ロータの回転が減速されて低速ロータから出力されることを特徴とする電動機。
  2. 前記低速ロータに設けた前記磁極歯は、低速ロータの回転方向に沿った断面の断面積について、前記磁極片に対向する外端部が低速ロータの回転中心側よりも大きくなる形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電動機
  3. 前記磁極歯は、前記磁極片に対向する外端部における前記低速ロータのアキシャル方向の寸法が回転中心側のアキシャル方向の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の電動機
  4. 前記磁極歯は、前記低速ロータのアキシャル方向の寸法が回転中心側から外端部に向かって連続的に大きくなることを特徴とする請求項3記載の電動機
  5. 前記磁極歯は、前記磁極片に対向する外端部における前記低速ロータの回転方向の寸法が回転中心側の回転方向の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の電動機
  6. 前記磁極歯は、前記低速ロータの回転方向の寸法が回転中心側から外端部に向かって連続的に大きくなることを特徴とする請求項5記載の電動機
  7. 前記電機子と前記永久磁石とが前記高速ロータのアキシャル方向に配列されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動機
  8. 前記電機子と前記永久磁石とが前記高速ロータのアキシャル方向に直交する面内であって回転方向に直交する方向に配列されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動機
  9. 前記磁極歯は、前記低速ロータのアキシャル方向に延長され前記永久磁石に対向する第1磁極歯と、第1磁極歯の一端部から低速ロータの外向きに延長され前記ステータに設けた前記磁極片との間に磁力が作用する第2磁極歯とを一体に備える形状に形成されていることを特徴とする請求項8記載の電動機
  10. 前記低速ロータは、回転方向において隣り合う各一対の前記磁極歯の間に非磁性材料からなる保持部材を介在させていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動機
  11. 前記保持部材は導電性材料からなることを特徴とする請求項10記載の電動機
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