JP2001037192A - アクチュエータ - Google Patents

アクチュエータ

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JP2001037192A
JP2001037192A JP2000143321A JP2000143321A JP2001037192A JP 2001037192 A JP2001037192 A JP 2001037192A JP 2000143321 A JP2000143321 A JP 2000143321A JP 2000143321 A JP2000143321 A JP 2000143321A JP 2001037192 A JP2001037192 A JP 2001037192A
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pole teeth
rotor
yoke
magnetic
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Nobuyuki Sueyoshi
伸行 末吉
Hideji Ishimaru
英児 石丸
Kuniaki Muramatsu
久仁昭 村松
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FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単相のコイルとヨークからなる構成であって
も、一定の角度範囲内で正逆回転移動させることができ
るアクチュエータを提供すること 【解決手段】 基本的な構成はステッピングモータと類
似し、磁極歯部の配置パターンが異なる。つまり、両ヨ
ーク5,6を組み立てた際に円周方向で2個の磁極歯部
5bが連続し、続いて相手方の2個の磁極歯部6bが連
続する配置とする。さらに、異なるヨークに設けた磁極
歯部同士(5bと6b)の間隔がaで、同一ヨークに設
けた磁極歯部同士(5bと5b,6bと6b)の間隔が
bとすると、a<bに設定した。すると、無励磁状態で
は図(a)の状態が安定し、励磁時は励磁コイルから、
図(b)の状態になるようにトルクが発生するので、そ
のトルクと無励磁時に永久磁石からの磁界と磁極歯部と
の相関で決定されるコギングトルクの合成から所定の角
度位置まで回転して停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータに
関するもので、より具体的には、所定角度範囲で正逆
(往復)回転するアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば赤外線温度センサの場合、センサ
を容器内に密封するとともに、その容器の天面に窓孔
(窓孔は、赤外線透過フィルタなどにより封止されてい
る)を形成しておき、窓孔から容器内に進入してきた赤
外線をセンサで受光し、温度を検出するようになってい
る。そして、その容器の窓孔の外側にシャッターを設
け、シャッターを開いたときのみ赤外線を検出するよう
にしたものがある。
【0003】係るシャッターを開閉させる機構として
は、平行移動させるものと回転移動させるものがある。
そして、後者のものとしては正逆回転可能なステッピン
グモータを用い、そのステッピングモータの出力軸に直
接或いは適宜歯車等の動力伝達手段を介して接続し、ス
テッピングモータを所定角度正逆回転させることによ
り、シャッターを回転させ、窓孔を開閉するようにして
いる。さらに、使用するステッピングモータとしては、
制御が容易なPM型のものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】良く知られているよう
に、PM型ステッピングモータの場合、ステップ角度ご
とに精度良く回転角度が制御できるので、時計方向或い
は反時計方向に所定ステップ数だけ回転させることによ
り、所定の角度位置にシャッターを位置させることがで
き、これにより、特に位置決め用のストッパー機構など
設けることなく開閉させることができる。
【0005】しかしながら、PM型ステッピングモータ
で、正逆回転させるためには、少なくともコイルとヨー
クの一方を2相分用意する必要があり、軸方向に長くな
り、大型でかつ高価なものとなる。さらに、駆動制御も
煩雑となる。
【0006】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、コイルに対する制御が簡単で、しかも、一相(単
相)のコイルとヨークからなる簡単な構成であっても、
高精度に一定の角度範囲内で正逆回転移動させることが
できるアクチュエータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明(第1の発明)に係るアクチュエータで
は、回転自在に支持されるシャフトと一体化した円周方
向にN極とS極が順に着磁された永久磁石を有するロー
タと、前記ロータと同心円状に配置された一対のステー
タヨーク及び励磁コイルとを有し、前記一対のステータ
ヨークには、それぞれ磁極歯部が設けられるとともに、
前記磁極歯部の先端を互いに相手方のステータヨークに
対向するように配置し、その磁極歯部の外側に前記励磁
コイルを配置したアクチュエータを前提とする。そし
て、円周方向で隣接する前記磁極歯部のうち、少なくと
も一箇所が同一のステータヨークに形成された磁極歯部
が並ぶとともに、その並んだ同一のステータヨークの磁
極歯部同士の間の磁気抵抗が、他の隣接する磁極歯部同
士の間の磁気抵抗よりも大きくなるように構成した(請
求項1)。
【0008】また、別の解決手段としては、上記前提条
件の下で、円周方向で隣接する前記磁極歯部のうち、少
なくとも一箇所が同一のステータヨークに形成された磁
極歯部が並ぶとともに、その並んだ同一のステータヨー
クの磁極歯部同士の間の間隔が、隣接する異なるステー
タヨークの磁極歯部同士の間の間隔よりも広くすること
である(請求項2)。
【0009】そして、好ましくは上記2つの構成を前提
とし、前記並んだ同一のステータヨークの磁極歯部の長
さを異なるように構成することである(請求項3)。
【0010】良く知られているように、励磁コイルに駆
動電流を通電すると、同一のステータヨークに形成され
た磁極歯部は同一磁極となる。その結果、永久磁石の磁
極と磁極歯部に発生する磁極が、異極同士が対向するよ
うな方向に回転するようなトルクが発生し、永久磁石
(ロータ)にかかるトルクが0になる角度位置で停止す
る。
【0011】一方、無励磁の場合には、磁極歯部は、永
久磁石から発生する磁界の通路となるが、この時、同一
ステータヨークに形成した磁極歯部の並んだ部分の磁気
抵抗が大きくなるので、その位置に永久磁石のN極とS
極の境界が来ると、永久磁石から発生する磁界が受ける
磁気抵抗が小さく、安定する。よって、無励磁と励磁
(駆動電流通電)を制御するだけで、上記した2つの位
置の間を正逆回転して往復移動する。その結果、一相の
コイルとヨークからなる簡単な構成であっても、高精度
に一定の角度範囲内で正逆回転移動させることができ
る。
【0012】また、上記2つの発明を前提とし、前記並
んだ同一のステータヨークの磁極歯部の長さを異なるよ
うに構成すると、無励磁時のロータ(永久磁石)の停止
位置を簡単に設計変更できるので好ましい。
【0013】一方、上記した目的を達成するための第2
の発明では、回転自在に支持されるシャフトと一体化し
た円周方向にN極とS極が順に着磁された永久磁石を有
するロータと、前記ロータと同心円状に配置された一対
のステータヨーク及び励磁コイルとを有し、前記一対の
ステータヨークには、それぞれ磁極歯部が設けられると
ともに、前記磁極歯部の先端を互いに相手方のステータ
ヨークに対向するように配置し、その磁極歯部の外側に
前記励磁コイルを配置したアクチュエータを前提とす
る。そして、前記励磁コイルに通電しないときに、前記
ロータに形成されたN極とS極の境界線が、前記磁極歯
部の中央に対向する位置で停止するように構成した。
【0014】また、別の解決手段としては、回転自在に
支持されるシャフトと一体化した円周方向にN極とS極
が順に着磁された永久磁石を有するロータと、前記ロー
タと同心円状に配置された一対のステータヨーク及び励
磁コイルとを有し、前記一対のステータヨークの一方に
磁極歯部が設けられるとともに、前記磁極歯部の先端を
互いに相手方のステータヨークに対向するように配置
し、その磁極歯部の外側に前記励磁コイルを配置したア
クチュエータを前提とする。そして、前記励磁コイルに
通電しないときに、前記ロータに形成されたN極とS極
の境界線が、前記磁極歯部の中央に対向する位置で停止
するように構成してもよい。
【0015】さらにまた、上記した各発明を前提とし、
前記一対のステータヨークと同軸上に、コイルを設けな
い一対の補助ステータヨークを設け、その補助ステータ
ヨークに設けた磁極歯部は、前記ステータヨークに設け
た磁極歯部と同位相にするとよい。
【0016】この発明によれば、実施の形態でも詳細に
説明した通り、無励磁の場合には、ロータのN極とS極
の境界線が、磁極歯部の中央に対向する位置で停止す
る。そして、通電すると、磁極歯部がS極或いはN極に
なり、永久磁石の磁極が引き寄せられて回転し、所定角
度で停止する。よって、第1の発明と同様に、ロータは
所定角度範囲で正逆回転させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1,図2は、第1の発明に係る
アクチュエータの第1の実施の形態を示している。同図
に示すように、シャフト1の周囲に筒状の永久磁石3が
固着一体化されてロータ4が形成されている。この永久
磁石3の外周囲は、円周方向に分割着磁されている。そ
して本形態では、2分割されており、半円部分の一方が
S極で、他方の半円部分がN極となっている(図3参
照)。
【0018】このロータ4の周囲には、カップヨーク5
と、そのカップヨーク5の開口部に嵌合されるステータ
ヨーク6が同心円状に配置される。そして、それらカッ
プヨーク5とステータヨーク6は、平板のリング状のフ
ランジ部5a,6aの内周囲を、所定方向に90度折り
曲げることにより、磁極歯部5b,6bを形成してい
る。そして、これら磁極歯部5b,6bの先端側を相手
方のヨークに向かい合わせるように配置する。
【0019】さらに、カップヨーク5は、フランジ部5
aの外周囲も立ち上げており、その立ち上がった外周囲
は、円筒状の外壁5cとなっている。そしてこの外壁5
cの高さは、永久磁石3の軸方向の長さよりも若干長く
設定している。
【0020】つまり、カップヨーク5は、図示のごとく
リング状のフランジ部5aの内周縁に設けた磁極歯部5
bがステータヨーク部を構成し、外壁5cがフレームヨ
ーク部を構成することになる。このように、本例では、
ステータヨーク部とフレームヨーク部とが同一部品(カ
ップヨーク5)で形成されているが、もちろんフレーム
ヨークを別途形成しても良い。
【0021】これら両ヨーク5,6により形成される磁
極歯部5b,6bの外側空間内に励磁コイル7を装着す
る。これにより、励磁コイル7は、フランジ部5a,6
a間に介在することになる。
【0022】さらに、上記ロータ4,ステータヨーク6
並びに励磁コイル7をカップヨーク5内に挿入配置した
状態で、カップヨーク5の開放側をキャップ8で被覆す
る。また、カップヨーク5の底面の外側には、アクチュ
エータを他の装置の所定位置に固定するための取付板
(フランジ)9が固定されている。そして、キャップ8
と取付板9の中央には、貫通孔8a,9aが形成される
とともに、その貫通孔8a,9a内に軸受け10が装着
されている。
【0023】上記したロータ4のシャフト1の両端は、
それら両軸受け10に軸受け支持され、回転可能となっ
ている。そして、取付板9側のシャフト1の一端1a
は、取付板9よりも大きく突出し、出力軸として機能す
る。
【0024】このように、上記した基本構成は、一般の
ステッピングモータと同様である。ここで本発明に係る
アクチュエータでは、カップヨーク5,ステータヨーク
6に設けた磁極歯部5b,6bの形成位置をステッピン
グモータと異ならせている。すなわち、この例では磁極
歯部5b,6bはそれぞれ2個ずつ設けるが、両ヨーク
5,6を対向配置して組み立てた際に、円周方向で見た
場合に、2個の磁極歯部5bが連続し、続いて2個の磁
極歯部6bが連続して配置されるようになっている。換
言すると、カップヨーク5の2個の磁極歯部5bは、半
円内に配置し、残りの半円側には磁極歯部を設けないよ
うにし、同様に、ステータヨーク6の2個の磁極歯部6
bも、半円内に配置し、残りの半円側には磁極歯部を設
けないようにする。
【0025】さらに、図3に示すように、異なるヨーク
に設けた磁極歯部同士(5bと6b)の間隔をaとし、
同一ヨークに設けた磁極歯部同士(5bと5b並びに6
bと6b)の間隔をbとした場合、a<bの関係になる
ようにしている。
【0026】係る構成にすると、励磁コイル7に通電し
ていない場合(電流I=0)には、永久磁石3の磁極
(N,S)間に発生する磁界は、各磁極歯部5b,6b
内を通過することになるが、このとき磁気的に最も安定
な位置になろうとする。つまり、異なるヨークの磁極歯
部同士(5bと6b)の間の磁気抵抗と、同一のヨーク
の磁極歯部同士(5bと5b,6bと6b)の間の磁気
抵抗では、距離の短い間隔aの方が小さいので、図3
(a)に示すように、ロータ4は、永久磁石3のN極と
S極の境界が、異なるヨークの磁極歯部同士(5bと6
b)の間になるような位置関係(コギングトルク=0の
位置)で安定する。
【0027】一方、励磁コイル7に電流(I=i)を通
電すると、電磁石となり同一のヨークに設けた磁極歯部
が同一の磁極となる。よって、同図(b)に示すような
方向に電流I=iを通電した場合、カップヨーク5の磁
極歯部5bがN極となり、ステータヨーク6の磁極歯部
6bがS極となる。
【0028】その結果、磁極歯部5b,6bの磁極と永
久磁石3の磁極は、同図(b)に示すような異極同士が
対向する位置までロータ4が回転するようなトルクが、
電流Iを通電することにより発生する。
【0029】そして、無励磁(I=0)の時の安定位置
(図3(a)の位置)の角度を0度とし、無励磁時と駆
動電流I=iの時のそれぞれに対するロータ4の角度位
置と発生するトルクの関係は、図4のようになる。ここ
で、Tは、無励磁のトルクであり、Tは駆動電流I
=iの時のトルク、−Tは駆動電流I=−iの時のト
ルクである。
【0030】よって、駆動電流を実際に通電した場合に
ロータ4にかかるトルクは、永久磁石の磁界と磁極歯部
の相関、つまり無励磁のときに発生するコギングトルク
と、通電により発生するトルクTの合成トルクと
なるので、図4中T+T或いはT+(−T)と
なる。そして、永久磁石3のN極とS極の境界が、上記
の合成トルクが0となる角度θ或いは(−θ)で停止す
る。つまり、駆動電流I=iのときは、図5(a)の状
態になるまでロータ4が回転して停止し、駆動電流I=
−iのときは、図5(b)の状態になるまでロータ4が
回転して停止する。
【0031】もちろん、図5の状態から通電を停止する
と、逆方向に回転して図3(a)の状態に戻る。従っ
て、駆動電流I=iのON/OFFにより、例えば図3
(a)の角度位置と、図5(a)の位置の角度範囲内で
正逆回転することができる。よって、例えばシャフト1
の一端1aにシャッターを取り付け、無励磁のときにシ
ャッターが赤外線センサの窓孔を覆う位置に来るととも
に、駆動電流を通電した場合にシャッターが窓孔を覆わ
ないような位置に来るように調整することにより、一相
分のコイルとロータによって開閉シャッターの駆動装置
として使用できる。
【0032】さらに、駆動電流の通電の制御を工夫する
ことにより、ロータ4(シャフト1)の回転動作を制御
できる。一例を示すと、図6(a)のような通電をする
と、上記のように図3(a)と図5(a)の2位置を交
互にとることになる。
【0033】そして、図6(b)のように駆動電流Iを
iと−iを交互に切り変えるようにすると、図5(a)
の状態(I=i)と、図5(b)の状態(I=−i)の
2位置を交互にとるようになる。つまり、回転する角度
範囲が図6(a)のものに比べて2倍になる。
【0034】また、図6(c)のようにすると、駆動電
流I=iとI=−iの途中に無励磁状態が発生するの
で、図3(a)→図5(a)→図3(a)→図5(b)
→図3(a)…というように3つの角度位置を適宜の順
番でとるようになる。
【0035】さらに、図6(d)のようにすると、励磁
電流Iの大きさが徐々に変化するので、その励磁電流に
より発生するトルクTiも変化する。よって、コギング
トルクとの合成トルクも変化するので、駆動電流の通電
時の停止角度位置θが駆動電流の変化に追従して変化す
る。つまり、駆動電流Iの振幅がiとすると、図5
(a)と図5(b)の角度範囲を往復回転移動するよう
になる。
【0036】また、励磁電流iの大きさを変えたり、
a,bの寸法を調整することにより、各トルクが変わる
ので、必要な回転角度になるように各値を適宜に設定す
る必要がある。
【0037】さらにまた、本実施の形態における磁極歯
部5b,6bのとらえ方であるが、上記したようにそれ
ぞれ2個の磁極歯部が存在するとしても良いし、同一ヨ
ーク状で連続する磁極歯部5bと5b,6bと6bをそ
れぞれ1つの磁極ととらえ、その磁極にスリットを設け
ることにより複数(この例では2つ)の磁極歯部に分割
されたととらえても良い。
【0038】そして、このようにスリットを設けること
により、その部分での磁気抵抗が高くなるため、コギン
グトルク=0の位置が磁極内のスリットの位置となり、
また通電によりそのスリットの両側の磁極歯部は同一極
となり本来の1つの磁極に近い作用を発揮し、永久磁石
の極を吸引することにより、上記した回転往復動作が可
能となる。
【0039】図7は、本発明の第2の実施の形態を示し
ている。本実施の形態では、上記した第1の実施の形態
と相違してロータ4の永久磁石3に設ける極数を2倍に
している。つまり、N極とS極を2つずつ設け、交互に
配置している。これに対応して、磁極歯部5b,6bも
4つずつ設け、その配置は、2つの磁極歯部5b(6
b)を所定間隔bをおいて配置し、それと径方向反対側
に2つの磁極歯部5bをやはり間隔bをおいて配置する
ようにしている。
【0040】そして、隣接する異なるヨークに形成され
た磁極歯部5bと6個の間隔をaとした場合、a<bに
なるように設定している。なお、その他の構成は、上記
した第1の実施の形態と同様であるので具体的な図示を
省略する。
【0041】このように構成することにより、無励磁状
態では同一ヨークに設けた磁極歯部(5bと5b,6b
と6b)の間の磁気抵抗が大きいため、同図(a)に示
すように係る間(間隔bとなる部分)に永久磁石3の各
磁極の境界が存在する位置で停止する。
【0042】そして、駆動電流Iを通電することによ
り、その通電に伴なうトルクと、コギングトルクとの合
成トルクが0になるような角度位置までロータ4が回転
し、停止する(同図(b)参照)。この停止するまでの
回転角θは、a,bの寸法や駆動電流により制御できる
のは、第1の実施の形態と同様である。このように、永
久磁石に複数の磁極を有するタイプでも本発明は有効に
機能する。
【0043】また、本形態の場合、1つの磁極の途中に
スリットを形成したというようにとらえた場合、連続す
る磁極歯部同士が1つの磁極を構成することになり、永
久磁石の磁極対(2対)にあわせて、同一ヨークには径
方向に対向する位置に2つの磁極が設けられ、各自極が
幅bのスリットにより2つの磁極歯部に分割されている
とみることもできる。
【0044】図8は、本発明の第3の実施の形態を示し
ている。本実施の形態は、第1の実施の形態を基本と
し、永久磁石3には一対の磁極(S極,N極が1つず
つ)を設けたタイプのものに適用した例を示している。
【0045】同図に示すように、本形態では、一方のヨ
ーク(この例ではカップヨーク5)に設ける磁極歯部5
bは、第1の実施の形態と同様に間隔bをおいて2個設
置したが、ステータヨーク6側の磁極歯部6bは、半円
弧状に1個形成している。この場合に、連続する磁極歯
部5b,5b(磁極歯部6bは1個であるので対象外)
の間隔bを、異なるヨークに設けた磁極歯部5b,6b
の間隔aよりも大きく設定した。
【0046】係る構成としても、磁極歯部5b,6bの
円周方向で見た場合、間隔bの部分の磁気抵抗が最も大
きいので、無励磁状態では図8に示すようにその間隔b
の位置に永久磁石3のN極,S極の境界が来る位置で安
定する。
【0047】そして、具体的な図示は省略するが、励磁
コイル7に駆動電流を通電した場合には、磁極歯部5
b,5bは同一の磁極となり、磁極歯部6bは異なる磁
極となるので、上記した各実施の形態と同様の動作原理
によりロータ4が所定角度回転し、コギングトルクと駆
動電流により発生するトルクの合成トルクが0になる角
度で停止する。
【0048】このように、本発明では各ヨークに形成す
る磁極歯部は必ずしも対称形にする必要はなく、要は、
無励磁状態におけるコギングトルクが0になる位置と、
励磁時に発生するトルクとコギングトルクの合成トルク
が0になる角度位置が異なるようになっていれば良い。
なお、その他の構成並びに作用効果は上記した各実施の
形態と同様であるので具体的な図示及び詳細な説明を省
略する。
【0049】また、本形態の構造を上記した磁極歯とス
リットの関係でとらえると、磁極歯部5b側は、1つの
磁極歯の中央に幅bのスリットを設けて2つの磁極歯部
を設け、磁極歯部6b側はスリットを設けることなく磁
極歯=磁極歯部としている。つまり、スリットは少なく
とも1つの磁極歯に設ければ良いといえる。
【0050】図9は、本発明の第4の実施の形態を示し
ている。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様
に、各ヨーク5,6に形成する磁極歯部はそれぞれ2個
ずつ設けているが、各磁極歯部の寸法形状を異ならせて
いる。
【0051】つまり、第1の実施の形態では、各磁極歯
部は同一寸法としたが、本形態では、小さい磁極歯部5
b′,6b′と、大きい磁極歯部5b″,6b″を設け
ている。そして、同一ヨークに設けた磁極歯部(5b′
と5b″,6b′と6b″)の間隔bの位置は、径方向
反対側に設けられている。さらに、異なるワークに設け
た磁極歯部(5b′と6b″,6b′と5b″)間の間
隔をaとすると、a<bになるように設定している。
【0052】係る構成にすると、磁極歯部5b′5
b″,6b′,6b″の円周方向で見た場合、間隔bの
部分の磁気抵抗が最も大きいので、無励磁状態では図9
に示すようにその間隔bの位置に永久磁石3のN極,S
極の境界が来る位置で安定する。つまり、この磁極歯部
の寸法比を適宜に設定することにより、無励磁時のロー
タ4の停止位置θ′を任意に変更できる。
【0053】また、具体的な図示は省略するが、励磁コ
イル7に駆動電流を通電した場合には、同一のヨークに
設けた磁極歯部は同一の磁極となるので、上記した各実
施の形態と同様の動作原理によりロータ4が所定角度回
転し、コギングトルクと駆動電流により発生するトルク
の合成トルクが0になる角度で停止する。よって、励磁
電流のON/OFFにより、所定角度範囲で正逆回転さ
せることができる。なお、その他の構成並びに作用効果
は上記した各実施の形態と同様であるので具体的な図示
及び詳細な説明を省略する。
【0054】また、本形態の構造を上記した磁極歯とス
リットの関係でとらえると、今までの各実施の形態で
は、磁極歯に設けるスリットの位置は、各磁極歯の中央
であったが、本形態では、中央からずらした位置にスリ
ットを設けたといえる。
【0055】図10は、本発明の第5の実施の形態を示
している。本実施の形態では、永久磁石3の磁極は一対
のS極とN極である点では第1の実施の形態等と共通す
るが、磁極歯部の配置パターンを異ならせている。すな
わち、第1〜第4磁極歯部5b−1〜5b−4,6b
−1〜6b−4を適宜の位置に配置している。具体的に
は、第1,第2磁極歯部5b−1,5b−2,6
−1,6b−2は、所定の間隔bをおいて連続するよ
うに配置し、その両側にそれぞれ間隔a(a<b)をお
いて相手方のヨークの第3,第4磁極歯部5b−3,5
−4,6b−3,6b −4を配置している。
【0056】このようにすると、上記した各実施の形態
と同様に、無励磁状態では図10に示すように第1,第
2磁極歯部5b−1,5b−2,6b−1,6b−2
間の位置に永久磁石3のN極,S極の境界が来る位置で
安定する。
【0057】また、具体的な図示は省略するが、励磁コ
イルに駆動電流を通電した場合には、同一のヨークに設
けた磁極歯部は同一の磁極となるので、上記した各実施
の形態と同様の動作原理によりロータ4が所定角度回転
し、コギングトルクと駆動電流により発生するトルクの
合成トルクが0になる角度で停止する。よって、励磁電
流のON/OFFにより、所定角度範囲で正逆回転させ
ることができる。なお、その他の構成並びに作用効果は
上記した各実施の形態と同様であるので具体的な図示及
び詳細な説明を省略する。
【0058】なお、両ヨーク5,6の第3磁極歯部5b
−3,6b−3同士並びに第4磁極歯部5b−4,6b
−4は、駆動電流通電時には各磁極歯部で発生する磁界
は相殺され、第1,第2磁極歯部5b−1,5b−2
6b−1,6b−2で発生する磁界に基づくトルクとコ
ギングトルクの合成トルクによりロータ4の回転角度が
決定される。
【0059】なおまた、本形態の構造を上記した磁極歯
とスリットの関係でとらえると、同一ヨークに形成され
た第1〜第4磁極歯部5b−1〜5b−4,6b−1
6b −4がそれぞれ1つの磁極歯を構成し、3つのスリ
ットにより4つの磁極歯部に分離されたものとみなせ
る。
【0060】図11は、本発明の第6の実施の形態を示
している。本実施の形態では、第1の実施の形態の変形
例でもあり、まず、実線で示した形態では同一ヨークに
形成した2つの磁極歯部5bと5b,6bと6bの間隔
bを大きくとったものである。つまり、この実線の状態
では実質的に第1の実施の形態と等価である。そして、
係る状態から図中破線で示すように一対の磁極歯部5b
と5b,6bと6bの間に、それぞれ磁極歯部5b,6
bを設け、計3つの磁極歯部を設けても、やはり同様の
動作を発揮することができる。なお、図示の例では破線
の磁極歯部5b,6bの有無に関係なく無励磁時のロー
タ4の停止位置は、図示した状態となる。
【0061】上記した各実施の形態では、それぞれ基本
構成を説明したが、各実施の形態を適宜組み合わせた
り、さらには永久磁石3の磁極数を増やすとともに、そ
れに応じて磁極歯(磁極歯部)の数を増やすようにして
ももちろん良い。
【0062】図12は、第2の発明の実施の形態を示し
ている。同図に示すように、本実施の形態でも、シャフ
ト11の周囲に筒状の永久磁石13が固着一体化されて
ロータ14が形成されている。この永久磁石13の外周
囲は、円周方向に分割着磁されている。そして本形態で
は、4分割されており、N極とS極が交互に配置されて
いる(図13等参照)。
【0063】このロータ14の周囲には、カップヨーク
15と、そのカップヨーク15の開口部に嵌合されるス
テータヨーク16が同心円状に配置される。そして、そ
れらステータヨーク16とカップヨーク15は、平板の
リング状のフランジ部15a,16aの内周囲を、所定
方向に90度折り曲げることにより、磁極歯部15b,
16bを形成している。
【0064】そして、これら磁極歯部15b,16bの
先端側を相手方のヨークに向かい合わせるように配置す
る。磁極歯部15b,16bは、それぞれ180度間隔
に2個ずつ設け、カップヨーク15とステータヨーク1
6を嵌合させた場合に、磁極歯部15bと磁極歯部16
bが円周方向に交互に90度間隔で配置されるように設
定している。
【0065】さらに、カップヨーク15は、フランジ部
15aの外周囲も立ち上げており、その立ち上がった外
周囲は、円筒状の外壁15cとなっている。そしてこの
外壁15cの高さは、永久磁石13の軸方向の長さより
も若干長く設定している。
【0066】つまり、カップヨーク15は、図示のごと
くリング状のフランジ部15aの内周縁に設けた磁極歯
部15bがステータヨーク部を構成し、外壁15cがフ
レームヨーク部を構成することになる。このように、本
例では、ステータヨーク部とフレームヨーク部とが同一
部品(カップヨーク15)で形成されているが、もちろ
んフレームヨークを別途形成しても良い。
【0067】これら両ヨーク15,16により形成され
る磁極歯部15b,16bの外側空間内に励磁コイル1
7を装着する。これにより、励磁コイル17は、フラン
ジ部15a,16a間に介在することになる。
【0068】さらに、上記ロータ14,ステータヨーク
16並びに励磁コイル17をカップヨーク15内に挿入
配置した状態で、カップヨーク15の開放側をキャップ
18で被覆する。また、カップヨーク15の底面の外側
には、アクチュエータを他の装置の所定位置に固定する
ための取付板(フランジ)19が固定されている。キャ
ップ18と取付板19の中央には、貫通孔18a,19
aが形成されるとともに、その貫通孔18a,19a内
に軸受け20が装着されている。
【0069】上記したロータ14のシャフト11の両端
は、それら両軸受け20に軸受け支持され、回転可能と
なっている。そして、取付板19側のシャフト11の一
端11aは、取付板19よりも大きく突出し、出力軸と
して機能する。
【0070】このように、上記した基本構成は、一般の
ステッピングモータと同様である。ここで本発明に係る
アクチュエータでは、カップヨーク15,ステータヨー
ク16に設けた磁極歯部15b,16bの寸法形状を、
通常のステッピングモータと異ならせることにより、無
励磁におけるロータ14の停止位置と異ならせている。
【0071】つまり、停止位置は、励磁コイル17に通
電しないときに、ロータ14に形成されたN極とS極の
境界線が、磁極歯部15b,16bの中央に対向する位
置で停止するようにした(図13参照)。また、磁極歯
部の形状は、通常のステッピングモータの磁極歯部に比
べ、高さを低く、幅を広く設定した(図13参照)。な
お、図13(b)では、ステータヨーク15,カップヨ
ーク16並びにぞれらに設けられる磁極歯部15b,1
6bは、便宜上平坦面で表記したが、各図(a)からも
明らかなように、実際には湾曲している。
【0072】次に、動作原理を説明する。図14(a)
に示すように多極着磁された円筒状磁石(ロータ14)
の表面磁束密度は、円周方向に沿って同図(b)に示す
ようになり、各磁極の中央が最大となり、隣接する磁極
の境界線付近は小さくなる。このロータの各磁極から発
生する磁界の磁路は、以下の2種類がある。
【0073】まず、ロータ14の各磁極から発生する磁
界の磁路は、図15に示すように、N極から出た磁束
は、対向する一方のヨークの磁極歯部から、一方のヨー
ク(15または16)のフランジ部→ヨークの外側(カ
ップヨーク15の外壁15c)→他方のヨーク(16ま
たは15)のフランジ部→他方のヨークの磁極歯部を経
由して隣接するS極に至る磁路がある。また、別の磁
路は、図13に示すように、ロータ14のN極から出た
磁束が、1つの磁極歯部内を通過して隣接するS極に至
る磁路である。
【0074】磁路の磁束は、ヨークの磁極歯部の正面
にロータ14の磁極が対向したときに磁束が最大とな
る。また、磁路の磁束は、ロータ14に設けられた磁
極の境界線が、1枚の磁極歯部の中央に対向したときが
磁束が最大となる。そして、それぞれその最大位置より
もロータが回転した場合には、磁束が減少する。
【0075】磁路,磁路のコギングトルクを、それ
ぞれT,Tとすると、全体のコギングトルクは各成
分のコギングトルク成分を合成したものとなる。そし
て、コギングトルクが0となる位置が、ロータ14の停
止点となる。
【0076】具体的には、Tの方が大きい場合には、
ロータの回転角度(電気角)に対するT,T並びに
コギングトルクは、図16(a)に示すようになり、T
の方が大きい場合には、電気角θに対するT,T
並びにコギングトルクは、図16(b)に示すようにな
る。各図から明らかなように、TとTの大小関係に
より、停止位置が異なる。
【0077】通常のPM型のステッピングモータの場
合、1枚の磁極歯部の平均幅は、ロータの磁極ピッチよ
りも狭く(Tが小さくなる)、磁極の高さは比較的大
きい(Tが大きくなる)。すると、磁路のコギング
トルクTの方が大きくなり、図16(a)に示す特性
となるので、無励磁状態で図15に示す位置でロータが
停止する。
【0078】これに対し、本形態のアクチュエータで
は、図17(a)に示すように、各磁極歯部15b,1
6bの幅Wは、ロータの磁極ピッチPよりも広くしてい
るので、ロータ表面の磁束密度が最大となる各磁極の中
央付近まで磁極歯部15b,16bが位置するので(同
図(b)参照)、磁路のコギングトルクTは大きく
なる。そして、磁極歯部15b,16bの高さを低くし
たため、ロータ14の磁極との対向面積が小さく、磁束
が小さくなるので、Tも小さくなる。従って、磁路
のコギングトルクTの方が大きくなり、図16(b)
に示す特性となるので、無励磁状態で図13に示す位置
でロータ14が停止する。
【0079】さらに、図13に示すような無励磁(駆動
電流I=0)の状態から、励磁コイル17に電流(I=
i)を通電すると、電磁石となり同一のヨークに設けた
磁極歯部が同一の磁極となる。よって、図18(a)に
示すような方向に電流I=iを通電した場合、カップヨ
ーク15の磁極歯部15bがN極となり、ステータヨー
ク16の磁極歯部16bがS極となる。
【0080】その結果、磁極歯部15b,16bの磁極
と永久磁石3の磁極は、図18(a)に示すような異極
同士が対向する位置までロータ14が回転させるような
トルクが発生する。
【0081】そして、電流により発生するトルクとコギ
ングトルクが合成された合成トルクがロータにかかる。
ロータが所定角度回転し、合成トルクが0となる位置で
停止する。つまり、無励磁(I=0)の時の安定位置
(図13(b)の位置)の角度を0度とした場合、合成
トルクが0となる角度θで停止する。同様に、駆動電流
I=−iのときは、図18(b)に示すように、角度
(―θ)だけロータ14が回転して停止する。
【0082】従って、駆動電流のON/OFFや、駆動
電流を「i」と「−i」を交互に切り替えることなどに
よって、ロータ14ひいてはシャフト11を所定角度範
囲内で正逆回転させることができる。よって、このシャ
フト11の先端にシャッターを取り付けることにより、
赤外線センサ用の開閉シャッターの駆動源として使用で
きる。なお、駆動方法その他の利用態様は、上記した図
1〜図11に示す第1の発明の各実施の形態並びに変形
例と同様のものが適用できるので、その詳細な説明を省
略する。
【0083】なお、上記した実施の形態では、ロータ1
4の永久磁石13の外周囲は、円周方向に4分割した
が、本発明はこれに限ることは無く、分割数は任意(偶
数)であり、例えば図19に示すように6分割とした
り、それ以上でもよいし、2分割でも良い。
【0084】図20は、第2の発明の第2の実施の形態
の要部を示している。上記した第1の実施の形態並びに
その変形例では、いずれも、一対のヨーク15,16の
両方の内周縁を折り曲げて磁極歯部15b,16bを形
成したが、本発明では、一方のヨーク(図では、カップ
ヨーク15)側の磁極歯部を無くし、他方のヨーク(図
では、ステータヨーク16)のみ磁極歯部16bを設け
ている。もちろん、磁極歯部をカップヨーク側にのみ設
けても良い。特に、ステータヨーク側に磁極歯部を設け
ないようにすると、磁極歯部のための折り曲げ加工が不
要となるので、製造が容易となる。
【0085】このようにすると、無励磁時には、磁極歯
部16bの中央位置に、ロータ14の磁極の境界線が位
置する状態で停止する。このとき、磁極歯部の内カップ
ヨーク15側でも、N極から出た磁束がそのヨーク内を
通過し隣接するS極に至る磁路の一部を構成する。そし
て、通電した場合には、その電流の向きにより、磁極歯
部16bがS極/N極になるので、それに応じてロータ
14の永久磁石13の所定の磁極が引き寄せられ、所定
角度で停止する。なお、その他の構成並びに作用効果は
上記した第1の実施の形態並びに変形例と同様であるの
で、その詳細な説明を省略する。
【0086】また、本実施の形態のように、一方に磁極
歯部を設けるタイプにおいても、永久磁石13の磁極数
は任意であり、図21に示すように、6分割(磁極は3
対)その他任意の磁極数に分割できる。
【0087】図22は、第2の発明の第3の実施の形態
の要部を示している。上記した第1の実施の形態並びに
その変形例では、いずれも、カップヨーク15とステー
タヨーク16は一対(単相)で形成(これに伴ないコイ
ルも単相)したが、本形態では、ヨークを2相とし、2
相のうちの一方のみにコイル装着(コイルは単相)した
構成をとる。
【0088】つまり、一対のヨークを備えたA相にはコ
イルを装着し、他の一対のヨークを備えたB相にはコイ
ルを装着しない。そして、第1の実施の形態と同様に、
A相を構成する各ヨークには、幅が広く高さの低い磁極
C1,C2を交互に配置する。そして、磁極C1,C2
の位置は、無励磁において、ロータの永久磁石の磁極の
境界線が各磁極C1,C2の中央に対向する位置で停止
するように設定している。
【0089】そして、通常のステッピングモータでは、
B相に設ける磁極C3,C4は、A相の磁極C1,C2
と位相をずらすが、本形態では、同位相にしている。つ
まり、同図(a)に示すように、軸方向で、磁極C1,
C4が同一位置、磁極C2,C3が同一位置になるよう
にしている。また同図(b)に示すように、軸方向で、
磁極C1,C3が同一位置、磁極C2,C4が同一位置
になるようにしてもよい。係る構成にすると、コイルの
無いB相の磁極C3,C4も無励磁のときにロータを所
定位置で停止させるために寄与する。なお、その他の構
成並びに作用効果は上記した第1の実施の形態並びに変
形例と同様であるので、その詳細な説明を省略する。ま
た、ヨークを2相にする構成は、磁極の位置(位相)が
異なるものの、基本的にはステッピングモータと同様で
ある。
【0090】また、このように、ヨークを2相に構成し
た場合においても、第2の実施の形態と同様に、一方の
ヨークに磁極を設けないようにしても良い。一例を示す
と、図23(a),(b)は、それぞれ図22(a),
(b)に示すタイプから磁極歯部C3を省略した構成で
ある。また、図24(a),(b)は、それぞれ図22
(a),(b)に示すタイプから磁極歯部C4を省略し
た構成である。さらにまた、図示省略するが、コイルを
設けたA相の一方の磁極を省略するようにしてももちろ
ん良い。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るアクチュエ
ータでは、円周方向で隣接する前記磁極歯部のうち、少
なくとも一箇所が同一のステータヨークに形成された磁
極歯部が並ぶとともに、その並んだ同一のステータヨー
クの磁極歯部同士の間隔を適宜に設定したり、励磁コイ
ルに通電しないときに、ロータに形成されたN極とS極
の境界線が、磁極歯部の中央に対向する位置で停止する
ように構成したため、コイルに対する制御は、駆動電流
の通電の有無という簡単なものであり(もちろんそれ以
外の制御をしても構わないが)、しかも、一相(単相)
のコイルとヨークからなる簡単な構成であって、高精度
に一定の角度範囲内で正逆回転移動させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係るアクチュエータの第1の実施
の形態を示す分解図である。
【図2】その組み立てた状態を示す断面図である。
【図3】動作原理を説明する図である。
【図4】動作原理を説明する図である。
【図5】駆動電流通電(励磁時)のロータ(永久磁石)
の回転角度位置を示す図である。
【図6】駆動電流の一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の要部を示す図である。
【図8】第3の実施の形態の要部を示す図である。
【図9】第4の実施の形態の要部を示す図である。
【図10】第5の実施の形態の要部を示す図である。
【図11】第6の実施の形態の要部を示す図である。
【図12】第2の発明に係るアクチュエータの第1の実
施の形態を示す分解図である。
【図13】ヨーク(磁極歯部)とロータ(永久磁石)の
磁極の関係を示す図である。
【図14】ロータと、その表面磁束密度分布を示す図で
ある。
【図15】ヨーク(磁極歯部)とロータ(永久磁石)の
磁極の関係(図13と異なる位置)を示す図である。
【図16】コギングトルクの特性を示す図である。
【図17】ヨークに設けた磁極歯部と、ロータ(永久磁
石)の磁極の関係を示す展開図である。
【図18】電流通電時のロータの停止位置を示す図であ
る。
【図19】変形例を示す図である。
【図20】第2の発明に係るアクチュエータの第2の実
施の形態の要部を示す図である。
【図21】変形例を示す図である。
【図22】第2の発明に係るアクチュエータの第3の実
施の形態の要部を示す図である。
【図23】変形例を示す図である。
【図24】変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 シャフト 3 永久磁石 4 ロータ 5 カップヨーク(ステータヨーク) 5a フランジ部 5b,5b′,5b″ 磁極歯部 5b−1〜5b−4 第1〜第4磁極歯部 5c 外壁 6 ステータヨーク 6a フランジ部 6b,6b′,6b″ 磁極歯部 6b−1〜6b−4 第1〜第4磁極歯部 7 励磁コイル 8 キャップ 9 取付板 10 軸受け 11 シャフト 13 永久磁石 14 ロータ 15 カップヨーク(ステータヨーク) 15a フランジ部 15b 磁極歯部 15c 外壁 16 ステータヨーク 16a フランジ部 16b 磁極歯部 17 励磁コイル 18 キャップ 19 取付板 20 軸受け A相 一対のヨーク(コイル有り) B相 一対のヨーク(コイル無し) C1〜C4 磁極歯部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 久仁昭 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 Fターム(参考) 5H633 BB03 GG02 GG04 GG09 GG17 HH03 HH06 HH08 HH24 JA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に支持されるシャフトと一体化
    した円周方向にN極とS極が順に着磁された永久磁石を
    有するロータと、 前記ロータと同心円状に配置された一対のステータヨー
    ク及び励磁コイルとを有し、 前記一対のステータヨークには、それぞれ磁極歯部が設
    けられるとともに、前記磁極歯部の先端を互いに相手方
    のステータヨークに対向するように配置し、 その磁極歯部の外側に前記励磁コイルを配置したアクチ
    ュエータであって、 円周方向で隣接する前記磁極歯部のうち、少なくとも一
    箇所が同一のステータヨークに形成された磁極歯部が並
    ぶとともに、その並んだ同一のステータヨークの磁極歯
    部同士の間の磁気抵抗が、他の隣接する磁極歯部同士の
    間の磁気抵抗よりも大きくしたことを特徴とするアクチ
    ュエータ。
  2. 【請求項2】 回転自在に支持されるシャフトと一体化
    した円周方向にN極とS極が順に着磁されたロータと、 前記ロータと同心円状に配置された一対のステータヨー
    ク及び励磁コイルとを有し、 前記一対のステータヨークには、それぞれ磁極歯部が設
    けられるとともに、前記磁極歯部の先端を互いに相手方
    のステータヨークに対向するように配置し、 その磁極歯部の外側に前記励磁コイルを配置したアクチ
    ュエータであって、 円周方向で隣接する前記磁極歯部のうち、少なくとも一
    箇所が同一のステータヨークに形成された磁極歯部が並
    ぶとともに、その並んだ同一のステータヨークの磁極歯
    部同士の間の間隔が、隣接する異なるステータヨークの
    磁極歯部同士の間の間隔よりも広くしたことを特徴とす
    るアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記並んだ同一のステータヨークの磁極
    歯部の長さを異ならせたことを特徴とする請求項1また
    は2に記載のアクチュエータ。
  4. 【請求項4】 回転自在に支持されるシャフトと一体化
    した円周方向にN極とS極が順に着磁された永久磁石を
    有するロータと、 前記ロータと同心円状に配置された一対のステータヨー
    ク及び励磁コイルとを有し、 前記一対のステータヨークには、それぞれ磁極歯部が設
    けられるとともに、前記磁極歯部の先端を互いに相手方
    のステータヨークに対向するように配置し、 その磁極歯部の外側に前記励磁コイルを配置したアクチ
    ュエータであって、 前記励磁コイルに通電しないときに、前記ロータに形成
    されたN極とS極の境界線が、前記磁極歯部の中央に対
    向する位置で停止するように構成したことを特徴とする
    アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 回転自在に支持されるシャフトと一体化
    した円周方向にN極とS極が順に着磁された永久磁石を
    有するロータと、 前記ロータと同心円状に配置された一対のステータヨー
    ク及び励磁コイルとを有し、 前記一対のステータヨークの一方に磁極歯部が設けられ
    るとともに、前記磁極歯部の先端を互いに相手方のステ
    ータヨークに対向するように配置し、 その磁極歯部の外側に前記励磁コイルを配置したアクチ
    ュエータであって、 前記励磁コイルに通電しないときに、前記ロータに形成
    されたN極とS極の境界線が、前記磁極歯部の中央に対
    向する位置で停止するように構成したことを特徴とする
    アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記一対のステータヨークと同軸上に、
    コイルを設けない一対の補助ステータヨークを設け、 その補助ステータヨークに設けた磁極歯部は、前記ステ
    ータヨークに設けた磁極歯部と同位相にしたことを特徴
    とする請求項4または5に記載のアクチュエータ。
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