JP2003009504A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP2003009504A
JP2003009504A JP2001189269A JP2001189269A JP2003009504A JP 2003009504 A JP2003009504 A JP 2003009504A JP 2001189269 A JP2001189269 A JP 2001189269A JP 2001189269 A JP2001189269 A JP 2001189269A JP 2003009504 A JP2003009504 A JP 2003009504A
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input shaft
shaft
yoke
pole teeth
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Saburo Kusumi
三郎 楠美
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CKD Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造コストの低減を図るとともに、動力伝達精
度を高くすることが可能な動力伝達装置を提供する。 【解決手段】入力軸12の外周面に永久磁石14a,1
4bを設け、同入力軸12に磁気を持たせる。入力軸1
2と出力軸15との間のエアギャップに、中間ヨーク1
7を設ける。そして、出力軸15と中間ヨーク17とが
対峙する周面に、それぞれ歯位相をずらして配置した複
数の極歯15a,17aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力軸の回転力を
永久磁石の磁力によって出力軸に伝達する動力伝達装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の動力伝達装置としては、出力軸
の回転速度を入力軸の回転速度よりも遅くする、いわゆ
る減速機として使用される。減速機は産業用ロボット及
び一般産業機械用として種々な形態のものが提案されて
いる。例えば、ウォーム減速機やハーモニックドライブ
減速機等が知られている。ウォーム減速機は、入力軸に
設けられたウォームホイールが、出力軸に設けられたウ
ォームギヤに噛合されたものである。一方、ハーモニッ
クドライブ減速機は、真円状の固定リング内に、薄肉状
の金属弾性カップを介して楕円状カムを収容したもので
ある。金属弾性カップは、その外周面が固定リングの内
周面に噛合され、楕円状カムと一体的に回転可能であ
る。通常、楕円状カムには入力軸が固定され、金属弾性
カップには出力軸が固定されている。そして、入力軸が
回転すると、金属弾性カップは楕円状に変形しながら回
転するが、金属弾性カップと固定リングとに歯数差を持
たせてあるため、出力軸の回転数が入力軸よりも少なく
なる。
【0003】このようなウォーム減速機やハーモニック
ドライブ減速機は、いずれも歯車が機械的に噛合される
ことで構成されている。そのため、噛合部分の摩擦によ
って減速精度が低下したり、摩擦によって回転力の伝達
効率が低下したりするという不具合がある。又、噛合部
分にはバックラッシが存在するため、始動時には異音の
発生原因にもなっている。それに加え、減速機に過負荷
がかかると、それ自体、或いは減速機に連結されている
モータ等の装置が破損するおそれもある。
【0004】更に、ウォーム減速機やハーモニックドラ
イブ減速機は、機械的な摩擦を生じる部分を有している
ことから、その接触摩擦を低減するために潤滑油を使用
している。このことから、使用環境下が制限され、例え
ば超クリーンルームで製造される半導体関連装置の製造
工場、衛生管理の厳しい食品加工工場等で使用すること
に向かない。
【0005】そこで、このような不具合を解消する減速
機として、例えば特開平6−197520号公報に示さ
れるものがある。この減速機は、永久磁石の磁力を用い
て入力軸の回転力を出力軸に伝達するため、機械的な接
触部分がなく、理論上無音で回転力を伝達することがで
きる。この公報に記載されている減速機の構成をより詳
しく説明すると、入力軸と出力軸とは、その周方向に沿
ってN極、S極交互に着磁されている。入力軸に着磁さ
れているN・S極の数は、出力軸に着磁されている数よ
りも多くなっている。両軸の間のエアギャップには、磁
力を伝達するためのヨークが配置されている。そして、
入力軸が回転すると、その磁力がヨークを介して出力軸
に伝達されて回転力に変換されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術に示すような磁力を利用した減速機では、出力軸の回
転トルクを高める必要性から、両軸それぞれを着磁させ
ている。従って、入力軸及び出力軸それぞれの部品コス
トが高価になり、減速機の製造コスト高を招く。
【0007】又、減速比を大きくしようとすると、着磁
ピッチをできるだけ小さくする必要がある。つまり、極
数が多くなるほど、交互に着磁されている極性が異なる
N・S極の境界付近でそれぞれの極性を正確に得られな
くなるため、磁力が低下する。この結果、伝達トルクが
小さくなるとともに、入力軸の回転角度に応じた出力軸
の回転角度が低下することとなる。
【0008】本発明は、このような従来の技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的は、
入力軸及び出力軸のうちいずれか一方のみに磁気を持た
せることで、製造コストの低減を図ることが可能な動力
伝達装置を提供することにある。又、その他の目的とし
て、動力伝達精度の高い動力伝達装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、同じ軸線上に入力軸
と出力軸とを回転可能に設け、磁力によって入力軸の回
転力を非接触で出力軸に伝達し、入力軸の回転数に対す
る出力軸の回転数を異ならせる動力伝達装置において、
前記入力軸及び出力軸のうちいずれか一方の軸に磁気を
持たせるとともに、前記入力軸と出力軸との間のエアギ
ャップに、前記一方の軸の磁束を通すヨークを設け、前
記磁気を有しない他方の軸とヨークとが対峙する周面
に、それぞれ歯位相をずらして配置した複数の極歯を形
成したことを要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明では、同じ軸線上に
入力軸と出力軸とを回転可能に設け、磁力によって入力
軸の回転力を非接触で出力軸に伝達し、入力軸の回転数
に対する出力軸の回転数を異ならせる動力伝達装置にお
いて、前記入力軸のみに極性の異なる複数の永久磁気を
設け、前記入力軸と出力軸との間のエアギャップに、前
記永久磁石からの磁束を出力軸に通すヨークを設け、前
記入力軸とヨークとが対峙するそれぞれの面に、歯位相
をずらして配置した複数の極歯を形成したことを要旨と
する。
【0011】請求項3に記載の発明では、同じ軸線上に
入力軸と出力軸とを回転可能に設け、磁力によって入力
軸の回転力を非接触で出力軸に伝達し、入力軸の回転数
に対する出力軸の回転数を異ならせる動力伝達装置にお
いて、前記出力軸のみに極性の異なる複数の永久磁石を
設け、前記入力軸と出力軸との間のエアギャップに、前
記永久磁石からの磁束を入力軸に通すヨークを設け、前
記ヨークの周面に、出力軸に設けられた永久磁石と対峙
するように極歯を形成し、前記永久磁石と極歯とを配列
位相をずらして配置したことを要旨とする。
【0012】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によれば、入力軸が回転する
と、磁気を有する一方の軸の磁力バランスが同入力軸の
回転方向において変化する。そして、入力軸が回転する
方向に磁力が生じ、その磁力によって入力軸の回転力は
出力軸に伝達される。これは、他方の軸とヨークとにそ
れぞれ設けられた両極歯の歯位相がずれていることによ
る。ここで、入力軸及び出力軸のうちいずれか一方の軸
のみに磁気を持たせ、他方の軸は磁気を有しておらず極
歯が単に形成されているだけである。このような構成か
ら、動力伝達装置の低コスト化を図ることが可能にな
る。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、入力軸の
回転に伴って永久磁石が回転すると、その回転方向にお
いて永久磁石の磁力バランスが変化する。そして、入力
軸が回転する方向に磁力が生じ、その磁力によって入力
軸の回転力は出力軸に伝達される。これは、出力軸とヨ
ークとにそれぞれ設けられた両極歯の歯位相がずれてい
ることによる。ここで、入力軸のみに磁気を持たせ、出
力軸は極歯が単に形成されているだけである。このよう
な構成から、動力伝達装置の低コスト化を図ることも可
能になる。更に、極歯の数を多くすることにより、入力
軸の回転数に対する出力軸の回転数の比を大きくするこ
とが可能となる。従って、入力軸に設けられた永久磁石
の極性間のピッチを小さくする必要がないので、磁力低
下を招くことがない。この結果、入力軸から出力軸への
伝達トルクを十分に確保することができる。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、入力軸の
回転すると、永久磁石の磁力バランスが変化する。そし
て、入力軸が回転する方向に磁力が生じ、その磁力によ
って入力軸の回転力は出力軸に伝達される。これは、出
力軸に設けられた永久磁石とヨークに形成された極歯の
配列位相がずれていることによる。ここで、出力軸のみ
に永久磁石を設け、入力軸は極歯が単に形成されている
だけである。このような構成から、動力伝達装置の低コ
スト化を図ることも可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明の
動力伝達装置を減速機に具体化した一実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。
【0016】図1,図2に示すように、減速機11は、
図示しないベアリングを介して回転可能な入力軸12を
備えている。この入力軸12には図示しないモータ等が
連結されており、モータが回転すると入力軸12も一体
的に回転する。入力軸12の外周面には2つの永久磁石
14a,14bが固定され、それらの永久磁石14a,
14bは入力軸12と一体的に回転するようになってい
る。2つある永久磁石14a,14bは、その両端面の
間隔が等しくなるように配置されている。両永久磁石1
4a,14bのうち一方はN極に着磁され、他方はS極
に着磁されている。このことから、永久磁石14a,1
4bの磁束は、入力軸12のラジアル方向に沿って向い
ている。
【0017】前記入力軸12の外側には、それよりも径
が大きい出力軸15が入力軸12の外周面を囲むように
設けられ、この出力軸15は、図示しないベアリングを
介して回転可能に支持されている。この出力軸15の回
転中心は、入力軸12のそれと一致されている。出力軸
15の内周面には多数の極歯15aが形成されている。
各極歯15aは、その幅がいずれも同じに設定され、出
力軸15の円周方向において歯ピッチが等しくなるよう
に配置されている。ちなみに、入力軸12(出力軸1
5)の回転中心に対する極歯15aの配列角度θ1は、
4.5゜に設定されている。
【0018】前記入力軸12と出力軸15との間に形成
されたエアギャップには、回動不能なる中間ヨーク17
が複数(本実施形態では6つ)設けられ、各中間ヨーク
17は同一円周上に等間隔をおいて配置されている。そ
れぞれの中間ヨーク17は、図示しないフレームに回動
不能に固定されたものである。中間ヨーク17を設けた
理由は、両永久磁石14a,14bの両端部の間隔があ
る程度離れていても、磁力の強い部分と弱い部分との差
が大きくなるのを解消するためである。
【0019】各中間ヨーク17は、円弧状に形成され、
その長さが全て同じに設定されている。各中間ヨーク1
7の外周円弧面には、前記出力軸15に形成された極歯
15aと対峙する極歯17aが形成されている。中間ヨ
ーク17に形成された各極歯17aは、その幅がいずれ
も同じに設定され、中間ヨーク17の配列方向において
歯ピッチが同じとなるように配置されている。ちなみ
に、入力軸12(出力軸15)の回転中心に対する極歯
17aの配列角度θ2は、4.5゜に設定されている。
つまり、対峙する両極歯15a,17aの配列角度θ
1,θ2は同じである。
【0020】しかし、各中間ヨーク17の間には、その
極歯17aの歯ピッチと異なる隙間が存在することか
ら、両極歯15a,17aの歯位相が互いに120゜ず
れている。ここで言う、歯位相とは、出力軸15に形成
された極歯15aの1ピッチ分を360゜とした場合に
算出される角度であって、例えばパルスモータで言えば
電気角(電気位相角)に相当する角度である。そして、
両極歯15a,17aの歯位相がずらして配置されるこ
とで、出力軸15の極歯15aと中間ヨーク17の極歯
17aとの間において、入力軸12が回転する方向に磁
力が生じ、その磁力によって入力軸12の回転力は出力
軸15に伝達される。
【0021】上述のように構成された減速機11によれ
ば、N極の永久磁石14aからS極の永久磁石14bに
向けて磁束が生じるが、その磁束による磁気回路は図1
の矢印Gに示すようになる。すなわち、N極の永久磁石
14aからの磁束は、中間ヨーク17の内周面からその
内部を通って外周面に形成された極歯17aを抜け、出
力軸15の極歯15aに入る。そして、出力軸15に流
れ込んだ磁束は、その円周方向に沿ってS極の永久磁石
14b側に向けて出力軸15内を通り、出力軸15の極
歯15aから中間ヨーク17を通ってS極の永久磁石1
4bに入る。以上のように形成される磁気回路上にある
中間ヨーク17の極歯17aに、出力軸15の極歯15
aが磁力によって両極歯15a,17aが引き寄せられ
る。
【0022】このことから、入力軸12の回転に伴って
永久磁石14bが所定の方向に回転移動すると、永久磁
石14a,14bによって形成される磁気回路もその回
転方向に沿って移動する。このとき磁界は、回転方向に
おいて隣接する中間ヨーク17へと連続して移り変わ
る。この移り変わりに伴って、多数ある極歯のうち、中
間ヨーク17の極歯17aと、出力軸15の極歯15a
とがずれた位置関係にあれば、両極歯15a,17a間
に働く磁気の吸引力が増加する。特に、出力軸15の極
歯15aが中間ヨーク17の極歯17aに近づくほど、
磁気の吸引力は次第に大きくなる。その一方で、多数あ
る極歯のうち極歯15a,17a同士が対峙した位置関
係にあれば、その間に働く磁気の吸引力は低下する。こ
のように、永久磁石14a,14bによる磁力のバラン
スが、入力軸12の回転方向に変化することで、入力軸
12と同じ方向に出力軸15が回転する。
【0023】例えば、入力軸12が60゜回転したとき
において、磁束が通る中間ヨーク17は、回転前の中間
ヨーク17から回転方向において隣接した位置にある中
間ヨーク17へと移る。このとき、その中間ヨーク17
に対して、歯位相角(電気角)で120゜ずれた位置に
ある出力軸15の極歯15aを対峙する位置まで引き寄
せる。機械角で言えば、120゜/N(Nは、出力軸1
5の極歯15aの総数であって、本実施形態において4
0である。)=3゜だけ回転する。ここで機械角とは、
入力軸12又は出力軸15が1回転する角度を360゜
とした場合の角度である。入力軸12が60゜回転する
のに対し出力軸は3゜しか回転しないことから、減速比
1/20でもって出力軸15が減速回転される。
【0024】なお、120゜/N<60゜の関係を満た
せば、入力軸12に対して出力軸15を減速回転させる
ことができる。従って、出力軸15の極歯15aが3つ
以上であれば、出力軸15を減速回転させることができ
減速機11としての機能を果たすことができる。
【0025】次に、有限要素法による磁気解析で技術確
認した結果を以下に示す。 1.確認項目 入力軸12を回転させたとき磁気吸引力によって位置の
規制されている出力軸15が減速回転し、減速機11と
して機能するか否かを確認する。
【0026】2.確認方法 (1)入力軸12を固定し、出力軸15を変位させて、
磁気吸引力による出力軸15のコギングトルクを算出
し、出力軸変位(出力軸角度)とコギングトルクとの関
係をグラフに示す。以下、このグラフのことを単に「出
力軸変位―トルクのグラフ」と言う。コギングトルクは
有限要素法によって算出する。又、出力軸変位(出力軸
角度)は機械角で表示する。
【0027】(2)機械角20゜の間隔で入力軸12を
回転させ、それぞれの角度における出力軸変位―トルク
のグラフを作成する。より詳しく言うと、0〜180゜
の範囲で入力軸12を20゜間隔で回転させ、それぞれ
の角度で入力軸12を固定した場合における出力軸変位
―トルクのグラフを作成する。
【0028】(3)出力軸変位−トルクのグラフから、
出力軸15が規制されるポイントを見出す。そして、入
力軸12の回転に伴い、出力軸15が減速比に見合った
量だけシフトしていくか否かを確認する。
【0029】3.解析結果 出力軸変位―トルクのグラフを図3及び図4に示す。図
3は、入力軸12の角度が0゜、20゜、40゜、60
゜、80゜の場合における出力軸変位−トルクのグラフ
を示す。図4は、入力軸12の角度が100゜、120
゜、140゜、160゜、180゜の場合における出力
軸変位−トルクのグラフを示す。そして、各グラフ中に
示す丸印は、出力軸15の規制されるポイントを示して
いる。各グラフによれば、入力軸12が20゜回転する
毎に出力軸15が1゜の割合でシフトすることが確認で
きた。ここで、解析に用いた本実施形態の減速機11
は、歯数及び極数から1/20の減速機11である。従
って、その減速比通りに出力軸15が変位しており、減
速機11として正確に機能していることが確認できた。
【0030】本実施形態の特徴を以下に示す。 (1)入力軸12の外周面には磁極が異なる2つの永久
磁石14a,14bが設けられ、この永久磁石14a,
14bによって入力軸12は磁気を有している。それに
対して、出力軸15は磁気を有しておらず極歯15aが
単に形成されているだけである。つまり、両軸12,1
5のうち一方だけに永久磁石14a,14bが設けられ
ている。そして、入力軸12と出力軸15との間のエア
ギャップには、極歯17aを有する中間ヨーク17が配
置され、この中間ヨーク17を介して入力軸12の磁束
が出力軸15に通るようになっている。このような構成
としたことにより、例えば減速比を大きくするために、
極性の異なる多数の永久磁石14a,14bを交互に配
置したり、或いは着磁したりする必要がない。その結
果、磁力低下を招かないので、入力軸12から出力軸1
5への伝達トルクを十分に確保することができる。
【0031】(2)入力軸12の外周面のみに、N極の
永久磁石14aと、S極の永久磁石14bとがそれぞれ
1つずつ配置されている。そのため、両軸12,15に
それぞれ永久磁石14a,14bを配置する場合に比較
して製造コストを低減することができる。
【0032】(3)入力軸12、出力軸15、中間ヨー
ク17それぞれの間には僅かなエアギャップが存在して
おり、機械的な摩擦を生じる部分がない。そのため、作
動音を理論上は無音とすることができる。しかも、機械
的な摩擦を生じる部分がないことから、潤滑油を使用し
なくて済む。このことから、例えば超クリーンルームで
製造される半導体関連装置の製造工場、衛生管理の厳し
い食品加工工場等で使用することができる。それととも
に、潤滑油を使用しないことの利点として、メンテナン
スフリーとすることが可能になる。
【0033】(4)入力軸12、出力軸15、中間ヨー
ク17は非接触状態である。そのため、入力軸12に接
続されている図示しないモータに大きい負荷がかかるの
を防止することができる。
【0034】(第2実施形態)次に、この発明の第2実
施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明
する。
【0035】図5に示すように、N極の永久磁石14a
とS極の永久磁石14bとの両端面同士は接合されてい
る。つまり、入力軸12の外周面全体に沿って両永久磁
石14a,14bが設けられている。又、中間ヨーク1
7は3つ設けられ、各中間ヨーク17は同一円周上に等
間隔をおいて配置されている。各中間ヨーク17の間隔
は、前記実施形態よりも広く設定されている。この第2
実施形態においても、前述した第1実施形態とほぼ同様
の効果を発揮させることができる。
【0036】(第3実施形態)図6に示すように、中間
ヨーク17は、複数に分割するのではなく、1つの部品
で構成されている。中間ヨーク17は、その径方向の肉
厚が薄く、かつ環状に形成されている。そして、中間ヨ
ーク17の極歯17aの総数(40)と、出力軸15の
極歯15aの総数(38)との差が、永久磁石14a,
14bの極数(2)とされている。これにより、N極の
永久磁石14aからの磁束は、中間ヨーク17、出力軸
15を通り、再び中間ヨーク17からS極の永久磁石1
4bへと流れる。なお、中間ヨーク17の極歯17a
と、出力軸15の極歯15aとの歯ピッチはほぼ等しく
なっている。この第3実施形態においても、前述した第
1実施形態とほぼ同様の効果を発揮させることができ
る。
【0037】(第4実施形態)図7〜図9に示すよう
に、中間ヨーク17は、入力軸12のアキシャル方向に
沿って延びる円筒状に形成され、その内部には入力軸1
2及び中間ヨーク17が収容されている。そして、中間
ヨーク17の一端部に入力軸12が配置され、他端部に
出力軸15が配置されている。このような構成では、中
間ヨーク17の内周面と出力軸15の外周面とが対峙し
ている面となっており、それぞれの面には極歯15a,
17aが形成されている。この第4実施形態において
も、前述した第1実施形態とほぼ同様の効果を発揮させ
ることができる。特に、中間ヨーク17の内部に入力軸
12及び出力軸15が収容されている。そのため、本実
施形態の減速機11は、両軸12,15のラジアル方向
の小型化が図られている。
【0038】(第5実施形態)この実施形態の減速機1
1は、第4実施形態の変更例を示す。図10,図11に
示すように、出力軸15の外周面には、極歯15aの代
わりに複数の永久磁石14a,14bが設けられてい
る。この永久磁石14a,14bは、S極とN極とを交
互に多数配置したものである。そして、永久磁石14
a,14bを出力軸15に配置したため、入力軸12に
設けられている永久磁石14a,14bは省略されてい
る。入力軸12の外周面には4つの極歯12aが形成さ
れている。各極歯12aは、その幅がいずれも同じに設
定され、出力軸15の円周方向において歯ピッチが等し
くなるように配置されている。ちなみに、入力軸12の
回転中心に対する極歯12aの配列角度θ1は、90゜
に設定されている。従って、本実施形態によれば、永久
磁石14a,14bが省略されているため、両軸12,
15のラジアル方向における減速機11の小型化を図る
ことができる。
【0039】(第6実施形態)この実施形態の減速機1
1は、第3実施形態の変更例を示す。図11に示すよう
に、入力軸12に設けられた永久磁石14a,14bが
省略されている。そして、入力軸12の外周面には4つ
の極歯12aが形成されている。各極歯12aは、その
幅がいずれも同じに設定され、出力軸15の円周方向に
おいて歯ピッチが等しくなるように配置されている。ち
なみに、入力軸12の回転中心に対する極歯12aの配
列角度θ1は、90゜に設定されている。
【0040】入力軸12に設けられた永久磁石14a,
14bを無くした代わりに、出力軸15の内周面には永
久磁石14a,14bが設けられている。この永久磁石
14a,14bは、S極とN極とを交互に多数配置した
ものである。
【0041】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 第1実施形態の別例として図13に示す構成に具体
化してもよい。すなわち、回動不能な中間ヨーク17を
環状に形成し、その内周面にベアリング21を介して入
力軸12を回転可能に支持する。それとともに、中間ヨ
ーク17の外周面にベアリング22を介して出力軸15
を回転可能に支持する。
【0042】・ 第1〜第4実施形態の別例として、前
記入力軸12に設けられた永久磁石を省略し、その代わ
りとして、入力軸12を着磁させることで、入力軸12
自体を磁性体としてもよい。入力軸12を着磁する場合
には、極数はできるだけ少ない方がよい。すなわち、第
1〜第4実施形態に示すように、N極の永久磁石14a
とS極の永久磁石14bとを1つずつ着磁させる方がよ
い。なぜなら、着磁ピッチを小さくし過ぎると、N・S
極の境界付近でそれぞれの極性を正確に得られなくなる
ため、磁力が低下するからである。
【0043】・ 各実施形態では、動力伝達装置を減速
機11として利用したが、入力軸12を出力軸とし、出
力軸15を入力軸とすれば、増速機とすることができ
る。 ・ 入力軸12、出力軸15、中間ヨーク17のうちい
ずれか1つを回動不能に固定するとともに残りの2つを
回動可能とし、その回動可能なものを入力軸或いは出力
軸として使用してもよい。
【0044】・ 入力軸12、出力軸15、中間ヨーク
17それぞれを相対回動可能に設けてもよい。この場合
には、入力軸12、出力軸15、中間ヨーク17のうち
いずれか1つを出力軸とし、残りの2つを異なる回転速
度で回転する入力軸としてもよい。
【0045】・ 前記実施形態では、中間ヨーク17の
極歯17aの総数を、出力軸15のそれよりも多くした
が、この関係を逆にしてもよい。すなわち、中間ヨーク
17の極歯17aの総数を、出力軸15のそれよりも少
なくしてもよい。
【0046】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に示す。 (1)請求項1において、前記一方の軸に生じる磁気
は、その周面に配置された永久磁石によるものであるこ
とを特徴とする動力伝達装置。この構成にすれば、一方
の軸自体を着磁させるよりも、永久磁石を設けた方がコ
スト低減できる。
【0047】(2)請求項1において、前記一方の軸に
生じる磁気は、それ自体を着磁したことによるものであ
ることを特徴とする動力伝達装置。この構成にすれば、
永久磁石を用いて一方の軸に磁気を持たせる場合に比べ
て、動力伝達装置を小型にすることができる。又、一方
の軸に永久磁石を取り付けたりする手間を省くことがで
きるので、製造コストの低減を図ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、製造コストの低減を図ることができ
る。特に、請求項2に記載の発明によれば、動力伝達精
度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における減速機の正面図。
【図2】図1の2−2断面図。
【図3】有限要素法による磁気解析で技術確認した結果
を示すグラフ。
【図4】有限要素法による磁気解析で技術確認した結果
を示すグラフ。
【図5】第2実施形態における減速機の正面図。
【図6】第3実施形態における減速機の正面図。
【図7】第4実施形態における減速機の断面図。
【図8】同じく、減速機の正面図。
【図9】同じく、減速機の背面図。
【図10】第5実施形態における減速機の正面図。
【図11】同じく、減速機の背面図。
【図12】第6実施形態における減速機の正面図。
【図13】別の実施形態における減速機の断面図。
【符号の説明】
11…動力伝達装置(減速機)、12…入力軸、14
a,14b…永久磁石、15…出力軸、15a…極歯、
17…中間ヨーク、17a…極歯。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同じ軸線上に入力軸と出力軸とを回転可
    能に設け、磁力によって入力軸の回転力を非接触で出力
    軸に伝達し、入力軸の回転数に対する出力軸の回転数を
    異ならせる動力伝達装置において、 前記入力軸及び出力軸のうちいずれか一方の軸に磁気を
    持たせるとともに、前記入力軸と出力軸との間のエアギ
    ャップに、前記一方の軸の磁束を通すヨークを設け、前
    記磁気を有しない他方の軸とヨークとが対峙する周面
    に、それぞれ歯位相をずらして配置した複数の極歯を形
    成したことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 同じ軸線上に入力軸と出力軸とを回転可
    能に設け、磁力によって入力軸の回転力を非接触で出力
    軸に伝達し、入力軸の回転数に対する出力軸の回転数を
    異ならせる動力伝達装置において、 前記入力軸のみに極性の異なる複数の永久磁気を設け、
    前記入力軸と出力軸との間のエアギャップに、前記永久
    磁石からの磁束を出力軸に通すヨークを設け、前記入力
    軸とヨークとが対峙するそれぞれの面に、歯位相をずら
    して配置した複数の極歯を形成したことを特徴とする動
    力伝達装置。
  3. 【請求項3】 同じ軸線上に入力軸と出力軸とを回転可
    能に設け、磁力によって入力軸の回転力を非接触で出力
    軸に伝達し、入力軸の回転数に対する出力軸の回転数を
    異ならせる動力伝達装置において、 前記出力軸のみに極性の異なる複数の永久磁石を設け、
    前記入力軸と出力軸との間のエアギャップに、前記永久
    磁石からの磁束を入力軸に通すヨークを設け、前記ヨー
    クの周面に、出力軸に設けられた永久磁石と対峙するよ
    うに極歯を形成し、前記永久磁石と極歯とを配列位相を
    ずらして配置したことを特徴とする動力伝達装置。
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