JP2019027499A - 歯車構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルク伝達時における騒音を低減でき、かつ小型化も実現できる歯車構造を得る。【解決手段】第1樹脂歯車20と、第1樹脂歯車20に噛合する第2樹脂歯車30と、第1樹脂歯車20と同軸上で、かつ第1樹脂歯車20に近接して設けられた第1磁化歯車26と、第2樹脂歯車30と同軸上で、かつ第1磁化歯車20と対向する状態に第2樹脂歯車30に近接して設けられ、第1磁化歯車20と軸方向で同極性に磁化された第2磁化歯車36と、を備えた歯車構造10とする。【選択図】図2
Description
本開示は、歯車構造に関する。
透磁率の高い鋼材製の歯車対の側面に永久磁石をN極(又はS極)同士が向き合うように挟んで配置し、噛合する歯面間に高い磁気斥力を発生させることにより、トルク伝達時において、各歯の接触面圧の低減又は非接触状態が得られるようにした構造は、従来に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、第1磁石が埋設された第1歯を有する樹脂製の第1回転体と、第2磁石が埋設された第2歯を有する樹脂製の第2回転体と、を第1磁石の磁極面と第2磁石の磁極面とが同じ磁極で対向するように配設し、トルク伝達時において、各歯の接触面圧の低減又は非接触状態が得られるようにした構造も、従来に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記のように、歯車対によるトルク伝達時において、各歯の接触面圧の低減又は非接触状態が得られるようになっていると、歯車対の駆動時における騒音が低減される。しかしながら、歯車対が鋼材製であると、歯車対の軽量化が阻害され、かつ製造コストが高価になる。また、歯車対が樹脂製であると、歯車対の軽量化が図れ、かつ製造コストが安価になるが、各歯に磁石が埋設される構成であると、歯車対の小型化が困難になる。
そこで、本開示は、トルク伝達時における騒音を低減でき、かつ小型化も実現できる歯車構造を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本開示に係る歯車構造は、第1樹脂歯車と、第1樹脂歯車に噛合する第2樹脂歯車と、第1樹脂歯車と同軸上で、かつ第1樹脂歯車に近接して設けられた第1磁化歯車と、第2樹脂歯車と同軸上で、かつ第1磁化歯車と対向する状態に第2樹脂歯車に近接して設けられ、第1磁化歯車と軸方向で同極性に磁化された第2磁化歯車と、を備えている。
なお、本開示における「近接」とは、微小な隙間を有して配置されている状態か、又は互いに接触して配置されている状態を指す。また、本開示における「噛合」とは、接触状態でトルクを伝達する場合だけではなく、非接触状態でトルクを伝達する場合も含む。
本開示によれば、歯車構造のトルク伝達時における騒音を低減させることができ、かつ小型化も実現することができる。
以下、本開示に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図に示す矢印UPを歯車構造10の上方向とするが、この方向に特に拘束されるものではない。また、この歯車構造10は、一例として、騒音規制が厳しいコンサート会場等で使用されるテレビカメラ(図示省略)に内蔵されているレンズを、その光軸方向に移動させるレンズ駆動部などに使用される。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係る歯車構造10について説明する。図1、図2に示されるように、歯車構造10は、第1樹脂歯車20と、第1樹脂歯車20に非接触状態で又は接触した状態で噛合する第2樹脂歯車30と、を有している。第1樹脂歯車20と第2樹脂歯車30とは、それぞれポリアセタール(POM)等の樹脂材により同一の大きさ及び形状に形成されている。
まず、第1実施形態に係る歯車構造10について説明する。図1、図2に示されるように、歯車構造10は、第1樹脂歯車20と、第1樹脂歯車20に非接触状態で又は接触した状態で噛合する第2樹脂歯車30と、を有している。第1樹脂歯車20と第2樹脂歯車30とは、それぞれポリアセタール(POM)等の樹脂材により同一の大きさ及び形状に形成されている。
詳細に説明すると、第1樹脂歯車20の周縁部には、複数個(例えば12個)の歯22が等間隔で一体に形成されており、第2樹脂歯車30の周縁部には、複数個(例えば12個)の歯32が等間隔で一体に形成されている。各歯22、32は、図3、図4に示される側面視で、両側部が互いに外側へ膨出するインボリュート曲線状に形成され、先端部が径方向と直交する直線状に形成されている。つまり、第1樹脂歯車20及び第2樹脂歯車30は、それぞれ所謂インボリュート歯車とされている。
図1、図2に示されるように、第1樹脂歯車20の中心部には、円柱状の回転軸12が挿通されて固定されており、第2樹脂歯車30の中心部には、円柱状の回転軸14が挿通されて固定されている。換言すれば、第1樹脂歯車20は、円柱状の回転軸12に一体回転可能に支持され、第2樹脂歯車30は、円柱状の回転軸14に一体回転可能に支持されている。
そして、第1樹脂歯車20と同軸上、即ち回転軸12上で、かつ第1樹脂歯車20に近接する位置には、永久磁石(又は電磁石)で構成された第1磁化歯車26が設けられている。第1磁化歯車26の周縁部には、第1樹脂歯車20の歯22と同数(この場合は12個)の歯28が等間隔で一体に形成されており、第1磁化歯車26は、第1樹脂歯車20よりも一回り小さい大きさ及び形状のインボリュート歯車とされている。
すなわち、第1磁化歯車26における各歯28は、図3、図4に示される側面視で、両側部が互いに外側へ膨出するインボリュート曲線状に形成され、先端部が径方向と直交する直線状に形成されている。そして、図1〜図4に示されるように、第1樹脂歯車20(各歯22を含む)は、第1磁化歯車26(各歯28を含む)よりも径方向外側へ張り出している。
同様に、第2樹脂歯車30と同軸上、即ち回転軸14上で、かつ第2樹脂歯車30に近接する位置には、永久磁石(又は電磁石)で構成された第2磁化歯車36が設けられている。第2磁化歯車36の周縁部には、第2樹脂歯車30の歯32と同数(この場合は12個)の歯38が等間隔で一体に形成されており、第2磁化歯車36は、第2樹脂歯車30よりも一回り小さい大きさ及び形状のインボリュート歯車とされている。
すなわち、第2磁化歯車36における各歯38は、図3、図4に示される側面視で、両側部が互いに外側へ膨出するインボリュート曲線状に形成され、先端部が径方向と直交する直線状に形成されている。そして、図1〜図4に示されるように、第2樹脂歯車30(各歯32を含む)は、第2磁化歯車36(各歯38を含む)よりも径方向外側へ張り出している。
なお、本実施形態における「近接」とは、微小な隙間を有して配置されている状態か、又は互いに接触して配置されている状態を指している。したがって、第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36が、それぞれ第1樹脂歯車20の軸方向を向く一方の壁面20A(図2参照)及び第2樹脂歯車30の軸方向を向く一方の壁面30A(図2参照)に、接着剤又はインサート成形などによって一体的に接合されている構成も、上記「近接」に含まれる。
また、図2に示されるように、第1磁化歯車26と第2磁化歯車36とは、互いに軸方向と直交する方向(径方向)で対向しており、第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36は、軸方向(厚み方向)で同極性に磁化(着磁)されている。すなわち、第1磁化歯車26は、第1樹脂歯車20に近い側がS極とされ、第1樹脂歯車20から遠い側がN極とされている。そして、第2磁化歯車36も、第2樹脂歯車30に近い側がS極とされ、第2樹脂歯車30から遠い側がN極とされている。
これにより、第1磁化歯車26のS極と第2磁化歯車36のS極とが対向して磁気斥力が発生し、第1磁化歯車26のN極と第2磁化歯車36のN極とが対向して磁気斥力が発生するようになっている。なお、以下においては、磁気斥力を単に「斥力」と表現する。また、図示のものとは反対に、第1磁化歯車26は、第1樹脂歯車20に近い側がN極とされ、第1樹脂歯車20から遠い側がS極とされてもよく、第2磁化歯車36も、第2樹脂歯車30に近い側がN極とされ、第2樹脂歯車30から遠い側がS極とされてもよい。
以上のような構成とされた第1実施形態に係る歯車構造10において、次にその作用について説明する。
図3に示されるように、第1樹脂歯車20(又は第2樹脂歯車30)から第2樹脂歯車30(又は第1樹脂歯車20)へ伝達するトルクが比較的小さいとき(低トルク時)には、第1樹脂歯車20の歯22と第2樹脂歯車30の歯32は、第1磁化歯車26の歯28と第2磁化歯車36の歯38の斥力Rによって、互いに非接触状態でトルクを伝達する。
すなわち、例えば図示のように、第1樹脂歯車20の歯22の位置が、第2樹脂歯車30の歯32の間の中央に寄せられた状態でトルクを伝達する(換言すれば、図示は省略するが、第2樹脂歯車30の歯32の位置が、第1樹脂歯車20の歯22の間の中央に寄せられた状態でトルクを伝達する)。
一方、図4に示されるように、第1樹脂歯車20(又は第2樹脂歯車30)から第2樹脂歯車30(又は第1樹脂歯車20)へ伝達するトルクが比較的大きいとき(高トルク時)には、第1樹脂歯車20の歯22と第2樹脂歯車30の歯32は、第1磁化歯車26の歯28と第2磁化歯車36の歯38の斥力Rに抗して、互いに接触状態でトルクを伝達する。しかしながら、その斥力Rにより、歯22と歯32の接触面圧Pが低減される(接触面圧Pと斥力Rとの合力でトルクが伝達される)。
したがって、第1樹脂歯車20の歯22と第2樹脂歯車30の歯32の接触面圧Pのみで(斥力Rによって低減されることのない接触面圧Pで)トルクを伝達する構成に比べて、第1樹脂歯車20と第2樹脂歯車30の駆動時(トルク伝達時)における騒音を低減させることができる(又は騒音を発生させないようにすることができる)。
しかも、第1樹脂歯車20と第2樹脂歯車30とは樹脂製であるため、歯車構造10の軽量化を図ることができ、かつ製造コストを安価にすることができる。また、低トルク時においては、歯22の位置が歯32の間の中央に寄せられる(歯32の位置が歯22の間の中央に寄せられる)ため、バックラッシュを低減させることができる。
そして、高トルク時においては、第2樹脂歯車30に対する第1樹脂歯車20の空回り(又は第1樹脂歯車20に対する第2樹脂歯車30の空回り)を抑制又は防止することができ、歯22と歯32が強く接触(噛合)することによる粉塵の発生及び各歯22、32における摩耗の発生も抑制又は防止することができる。
また、第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36は、それぞれ第1樹脂歯車20及び第2樹脂歯車30に埋設される構成ではないため、歯車構造10を小型化することができる。そのため、例えばコンサート会場等で使用されるテレビカメラに内蔵されているレンズを、その光軸方向に移動させるレンズ駆動部のような精密動作が要求される精密機器(特に小型精密機器)に対しても、本実施形態に係る歯車構造10を適用することができる。
なお、図5に示されるように、第1磁化歯車26は、第1樹脂歯車20に嵌合される構成とされてもよい。すなわち、第1樹脂歯車20の軸方向を向く一方の壁面20Aに、第1磁化歯車26と同一の大きさ及び形状の第1嵌合凹部24を形成し、その第1嵌合凹部24に第1磁化歯車26を嵌合して接合固定し、第1樹脂歯車20と第1磁化歯車26とを一体化してもよい。
換言すれば、第1樹脂歯車20の第1磁化歯車26よりも径方向外側へ張り出している部分(各歯22を含む)に、第1磁化歯車26側へ突出するオーバーラップ部25を形成し、そのオーバーラップ部25で、第1磁化歯車26の周縁部(各歯28を含む)の少なくとも一部を径方向外側から覆うようにしてもよい。
同様に、第2磁化歯車36も、第2樹脂歯車30に嵌合される構成とされてもよい。すなわち、第2樹脂歯車30の軸方向を向く一方の壁面30Aに、第2磁化歯車36と同一の大きさ及び形状の第2嵌合凹部34を形成し、その第2嵌合凹部34に第2磁化歯車36を嵌合して接合固定し、第2樹脂歯車30と第2磁化歯車36とを一体化してもよい。
換言すれば、第2樹脂歯車30の第2磁化歯車36よりも径方向外側へ張り出している部分(各歯32を含む)に、第2磁化歯車36側へ突出するオーバーラップ部35を形成し、そのオーバーラップ部35で、第2磁化歯車36の周縁部(各歯38を含む)の少なくとも一部を径方向外側から覆うようにしてもよい。
このような構成によれば、第1磁化歯車26(各歯28を含む)が第1樹脂歯車20(各歯22を含む)に対して、その回転方向にずれたり、第2磁化歯車36(各歯38を含む)が第2樹脂歯車30(各歯32を含む)に対して、その回転方向にずれたりすることを効果的に抑制又は防止することができる。
また、オーバーラップ部25により、第1樹脂歯車20に対する第1磁化歯車26の接合面積が増加し、オーバーラップ部35により、第2樹脂歯車30に対する第2磁化歯車36の接合面積が増加する。したがって、第1磁化歯車26が第1樹脂歯車20から離間したり、第2磁化歯車36が第2樹脂歯車30から離間したりすることも効果的に抑制又は防止することができる。
なお、第1磁化歯車26は、第1樹脂歯車20の第1嵌合凹部24に接着剤等によって接合固定されてもよいし、第1樹脂歯車20を成形するときに、第1磁化歯車26をインサート成形によって第1樹脂歯車20(第1嵌合凹部24)に一体的に接合固定するようにしてもよい。
同様に、第2磁化歯車36は、第2樹脂歯車30の第2嵌合凹部34に接着剤等によって接合固定されてもよいし、第2樹脂歯車30を成形するときに、第2磁化歯車36をインサート成形によって第2樹脂歯車30(第2嵌合凹部34)に一体的に接合固定するようにしてもよい。
また、オーバーラップ部25、35の軸方向への突出長さは、特に限定されないが、高トルク時において、第1樹脂歯車20の歯22と第2樹脂歯車30の歯32とが噛合しても(斥力Rによって低減された接触面圧Pで接触したときはもちろん、斥力Rによって低減されることのない接触面圧Pで接触したときでも)、破損しない程度の長さに突出されることが好ましい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る歯車構造10について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には、同じ符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
次に、第2実施形態に係る歯車構造10について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には、同じ符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図6、図7に示されるように、第2実施形態に係る歯車構造10は、第1樹脂歯車20と同じ回転軸12上で、かつ第1磁化歯車26とは反対側で第1樹脂歯車20に近接して設けられた平板状の第1磁化円板16と、第2樹脂歯車30と同じ回転軸14上で、かつ第2磁化歯車36とは反対側で第2樹脂歯車30に近接して設けられた平板状の第2磁化円板18と、を有している。
第1磁化円板16と第2磁化円板18とは互いに軸方向と直交する方向(径方向)で対向しており、その軸方向(厚み方向)で逆極性に磁化(着磁)されている。すなわち、第1磁化円板16は、第1樹脂歯車20に近い側がN極とされ、第1樹脂歯車20から遠い側がS極とされている。そして、第2磁化円板18は、第2樹脂歯車30に近い側がS極とされ、第2樹脂歯車30から遠い側がN極とされている。
なお、図示のものとは反対に、第1磁化円板16は、第1樹脂歯車20に近い側がS極とされ、第1樹脂歯車20から遠い側がN極とされてもよい。そして、第2磁化円板18は、第2樹脂歯車30に近い側がN極とされ、第2樹脂歯車30から遠い側がS極とされてもよい。
また、第1磁化円板16及び第2磁化円板18は、それぞれ第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36と同様に、永久磁石(又は電磁石)で構成されている。そして、第1磁化円板16及び第2磁化円板18は、それぞれ第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36とは異なり、歯を有していない構成になっている。
以上のような構成とされた第2実施形態に係る歯車構造10において、次にその作用について説明する。なお、上記第1実施形態と共通する作用については適宜省略する。
図3、図4に示したように、第1磁化歯車26の各歯28と第2磁化歯車36の各歯38との間には斥力Rが作用する。そのため、回転軸12と回転軸14との間にも僅かながら斥力が作用する。この軸間に作用する斥力は、トルク(動力)の伝達に不要であるだけではなく、バックラッシュの増大及び回転軸12、14に対する回転方向の負荷の原因となり、歯車構造10の短寿命化及び騒音の増大などにつながる。
しかしながら、図6、図7に示される第2実施形態に係る歯車構造10では、第1磁化円板16と第2磁化円板18との間の引力により、第1磁化歯車26の各歯28と第2磁化歯車36の各歯38との間の斥力Rによって生じた回転軸12と回転軸14との間の斥力を調整(適宜キャンセル)することができる。
したがって、バックラッシュの増大を抑制することができ、かつ回転軸12、14に対する回転方向の負荷を低減させることができる。よって、歯車構造10の長寿命化を図ることができ、かつ騒音を低減させる(静音性を向上させる)ことができる。
なお、第1磁化歯車26の各歯28と第2磁化歯車36の各歯38との間の斥力Rによって生じた回転軸12と回転軸14との間の斥力の調整(第1磁化円板16と第2磁化円板18との間の引力による調整)は、第1磁化円板16及び第2磁化円板18の厚み及び直径などを適宜変更することで行える。
また、第1樹脂歯車20の軸方向を向く他方の壁面20Bに、第1磁化円板16と同一の大きさ及び形状の第3嵌合凹部(図示省略)を形成し、その第3嵌合凹部に第1磁化円板16を嵌合して接合固定し、第1樹脂歯車20と第1磁化円板16とを一体化してもよい。その際、接着剤等によって接合固定してもよいし、インサート成形によって一体的に接合固定するようにしてもよい。
同様に、第2樹脂歯車30の軸方向を向く他方の壁面30Bに、第2磁化円板18と同一の大きさ及び形状の第4嵌合凹部(図示省略)を形成し、その第4嵌合凹部に第2磁化円板18を嵌合して接合固定し、第2樹脂歯車30と第2磁化円板18とを一体化してもよい。その際、接着剤等によって接合固定してもよいし、インサート成形によって一体的に接合固定するようにしてもよい。
また、図8に示されるように、第1磁化円板16は、第1樹脂歯車20に近接して設けられる構成ではなく、第1磁化歯車26に近接して設けられる構成とされてもよい。同様に、第2磁化円板18は、第2樹脂歯車30に近接して設けられる構成ではなく、第2磁化歯車36に近接して設けられる構成とされてもよい。
また、図示は省略するが、第1磁化円板16は、2枚設けられてもよく、それぞれ第1樹脂歯車20と第1磁化歯車26とに近接して設けられてもよい。同様に、第2磁化円板18は、2枚設けられてもよく、それぞれ第2樹脂歯車30と第2磁化歯車36とに近接して設けられてもよい。
つまり、第1樹脂歯車20及び第2樹脂歯車30に対する第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36と第1磁化円板16及び第2磁化円板18の軸方向における配設位置は、図示のものに特に限定されるものではない。
<第3実施形態>
最後に、第3実施形態に係る歯車構造10について説明する。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態と同等の部位には、同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
最後に、第3実施形態に係る歯車構造10について説明する。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態と同等の部位には、同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
図9、図10に示されるように、この第3実施形態に係る歯車構造10では、第1磁化歯車26の歯28の形状と第2磁化歯車36の歯38の形状とがそれぞれ側面視で(軸方向から見て)円弧形状になっている点が、上記第1実施形態及び第2実施形態と異なっている。詳細に説明すると、各歯28、38は、第1樹脂歯車20の歯22及び第2樹脂歯車30の歯32と同じ高さに形成されている。
そして、各歯28、38は、歯28と歯38の間に生じる磁力線が均一かつ直線になる円弧形状とされている。換言すれば、各歯28、38は、歯28と歯38の周方向に対向する側部における接線T1、T2(図10参照)が、側面視で平行になる円弧形状とされている。また、第1樹脂歯車20の歯22と第2樹脂歯車30の歯32との間の最小クリアランスCが、可能な限り小さくされている。
このような構成にすれば、歯28と歯38の間の斥力Rを最も有効に作用させる(斥力Rを増加させる)ことができるため、第1樹脂歯車20の歯22と第2樹脂歯車30の歯32との接触をより効果的に阻止することができる。つまり、第1実施形態及び第2実施形態の場合よりも、騒音を更に低減させる(静音性を更に向上させる)ことができる。
以上、本実施形態に係る歯車構造10について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る歯車構造10は、図示のものに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36は、それぞれ第1樹脂歯車20及び第2樹脂歯車30に接合されていなくてもよい。
また、第1樹脂歯車20(第1磁化歯車26を含む)と第2樹脂歯車30(第2磁化歯車36を含む)とが同じ大きさ(歯数)に形成されていなくてもよい。更に、第1樹脂歯車20及び第2樹脂歯車30は、それぞれ軸受(図示省略)を介して、回転軸12及び回転軸14に支持されていてもよい。
また、第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36を、それぞれ第1樹脂歯車20及び第2樹脂歯車30にインサート成形によって設ける場合に、それぞれ磁化(着磁)後にインサート成形する態様に限定されるものではなく、インサート成形後に磁化(着磁)する態様にしてもよい。これによれば、キュリー温度が低い磁石で構成された第1磁化歯車26及び第2磁化歯車36であっても、第1樹脂歯車20及び第2樹脂歯車30との一体成形が可能となる。
また、本実施形態に係る歯車構造10は、コンサート会場等で使用されるテレビカメラに内蔵されているレンズを、その光軸方向に移動させるレンズ駆動部に使用される態様に限定されるものではない。本実施形態に係る歯車構造10は、例えば録音マイクが設置されている場所など、騒音規制が厳しい環境下での駆動部又は精密動作が要求される精密機器(特に小型精密機器)の駆動部などにおいて、特に好適に使用することができる。
10 歯車構造
12 回転軸
14 回転軸
16 第1磁化円板
18 第2磁化円板
20 第1樹脂歯車
20A 壁面
20B 壁面
22 歯
24 第1嵌合凹部
25 オーバーラップ部
26 第1磁化歯車
28 歯
30 第2樹脂歯車
30A 壁面
30B 壁面
32 歯
34 第2嵌合凹部
35 オーバーラップ部
36 第2磁化歯車
38 歯
C 最小クリアランス
P 接触面圧
R 斥力
T1 接線
T2 接線
12 回転軸
14 回転軸
16 第1磁化円板
18 第2磁化円板
20 第1樹脂歯車
20A 壁面
20B 壁面
22 歯
24 第1嵌合凹部
25 オーバーラップ部
26 第1磁化歯車
28 歯
30 第2樹脂歯車
30A 壁面
30B 壁面
32 歯
34 第2嵌合凹部
35 オーバーラップ部
36 第2磁化歯車
38 歯
C 最小クリアランス
P 接触面圧
R 斥力
T1 接線
T2 接線
Claims (6)
- 第1樹脂歯車と、
前記第1樹脂歯車に噛合する第2樹脂歯車と、
前記第1樹脂歯車と同軸上で、かつ該第1樹脂歯車に近接して設けられた第1磁化歯車と、
前記第2樹脂歯車と同軸上で、かつ前記第1磁化歯車と対向する状態に該第2樹脂歯車に近接して設けられ、前記第1磁化歯車と軸方向で同極性に磁化された第2磁化歯車と、
を備えた歯車構造。 - 前記第1樹脂歯車と同軸上で、かつ該第1樹脂歯車又は前記第1磁化歯車に近接して設けられた第1磁化円板と、
前記第2樹脂歯車と同軸上で、かつ前記第1磁化円板と対向する状態に該第2樹脂歯車又は前記第2磁化歯車に近接して設けられ、前記第1磁化円板と軸方向で逆極性に磁化された第2磁化円板と、
を備えた請求項1に記載の歯車構造。 - 前記第1磁化歯車が前記第1樹脂歯車に接合され、前記第2磁化歯車が前記第2樹脂歯車に接合されている請求項1又は請求項2に記載の歯車構造。
- 前記第1樹脂歯車の軸方向を向く壁面に前記第1磁化歯車が嵌合する第1嵌合凹部が形成され、前記第2樹脂歯車の軸方向を向く壁面に前記第2磁化歯車が嵌合する第2嵌合凹部が形成されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の歯車構造。
- 前記第1磁化歯車の歯及び前記第2磁化歯車の歯が、それぞれ軸方向から見て円弧形状に形成されている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の歯車構造。
- 前記第1樹脂歯車及び前記第2樹脂歯車は、レンズを光軸方向に移動させるレンズ駆動部を構成する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の歯車構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017146691A JP2019027499A (ja) | 2017-07-28 | 2017-07-28 | 歯車構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019027499A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2586051A (en) * | 2019-07-31 | 2021-02-03 | Airbus Operations Ltd | A landing gear drive system |
-
2017
- 2017-07-28 JP JP2017146691A patent/JP2019027499A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2586051A (en) * | 2019-07-31 | 2021-02-03 | Airbus Operations Ltd | A landing gear drive system |
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