JP2008092754A - 電動モータの休止時回転防止構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で外力の入力に対してブレーキ力を発生させることができると共に小型化し得るモータを実現する。
【解決手段】回転子5を外囲する永久磁石6に軸線方向に並ぶように補助磁石7を配設し、それぞれの軸線方向長さに対応する軸線方向長さを有する主コア部分5aと補助コア部分5bとを空隙Gを空けて配設したコアとする。モータの休止状態で補助磁石と補助コア部分との間にコギングトルクのための磁気結合力となる磁束が生じるが、空隙により磁束が拡がることが防止される。これにより、補助磁石を設けるという簡単な構造で外力の入力に対してブレーキ力を発生させることができ、漏れ磁束が生じないため、補助磁石を小型化でき、モータを小型化し得る。
【選択図】図1
【解決手段】回転子5を外囲する永久磁石6に軸線方向に並ぶように補助磁石7を配設し、それぞれの軸線方向長さに対応する軸線方向長さを有する主コア部分5aと補助コア部分5bとを空隙Gを空けて配設したコアとする。モータの休止状態で補助磁石と補助コア部分との間にコギングトルクのための磁気結合力となる磁束が生じるが、空隙により磁束が拡がることが防止される。これにより、補助磁石を設けるという簡単な構造で外力の入力に対してブレーキ力を発生させることができ、漏れ磁束が生じないため、補助磁石を小型化でき、モータを小型化し得る。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータケースの内周面に配設された永久磁石を備える電動モータの停止した位置を保持するための電動モータの休止時回転防止構造に関するものである。
従来、電動モータを駆動源として種々の被駆動部材を変位させるモータ装置が用いられている。そのモータの構造としては、回転子を外囲するモータケースの内周面に複数の永久磁石を配設したものがあり、そのようなモータを用いた場合にはモータの停止(休止)状態で被駆動部材側から外力が入力されることにより回転子が回転させられることが考えられる。例えばこのようなモータ装置を自動車のパワーウィンドウに用いた場合には、外側から窓を開閉することができてしまうため、防犯性の面から外力によるモータ回転を防止する必要がある。
そこで、例えば、モータの回転軸の軸線方向端面に樹脂製のスラスト軸受を固設し、スラスト軸受の接触先端面をモータケースの対向する部分である金属プレートに接触可能にして、外力により回転軸が軸線方向に変位した場合にスラスト軸受の先端とプレートとの接触面間に摩擦力が発生するため、それにより外側からの窓の開閉を防止する力(ブレーキ力)を発生させるようにしたものがあった(例えば特許文献1参照)。
上記構造のものでは、外側からの窓の開閉を防止することができるが、そのためのスラスト軸受による摩擦力が駆動時には抵抗となってしまうことから、所望のモータの駆動効率を得るためには出力の大きいモータにしなければならないという課題があった。
それに対して、ブレーキ力がモータの駆動力に影響を及ぼさないようにしたものとして、減速機構として設けたウォームギアのウォームとモータの回転軸との間に駆動回転体と従動回転体とを有するクラッチ機構を設け、さらに従動回転体の回転を選択的に許容及び阻止するロック部材を設けて、窓に対する外力に対してはロック部材により窓の開閉(外力によるモータの回転)を防止するようにしたものがある(例えば特許文献2)。
しかしながら、上記特許文献1のものにあっては、簡単な構造であることから安価にブレーキ力を発生させることができるが、上記したようにモータ駆動効率に影響を及ぼしてしまうという問題がある。また、上記特許文献2のものにあっては、モータ駆動効率に影響を及ぼすことを回避することができるが、クラッチ機構及びロック部材の構造が複雑であり、部品点数が多く、組み付けコストが高騰化してしまうという問題がある。
それに対して、本願出願人により、モータの主極となる主極用永久磁石の他にコギングトルクを大きくするための補助界磁用永久磁石を設け、モータ停止時には補助界磁用永久磁石によるコギングトルクを用いて外力によるモータの回転を防止することが提案されている。
特開昭61−36476号公報
再公表WO00/08350号公報
特願2005−371484号明細書
上記特許文献3の構造により、モータが停止して休止状態になった時には回転子の複数のティースの一部が補助界磁用永久磁石と磁気結合状態になり得るため、その磁気結合力により回転子を停止位置に保持することができ、補助界磁用永久磁石を設けるという簡単な構造で外力の入力に対してブレーキ力を発生させることができる、という利点がある。
しかしながら、例えば主極用永久磁石と補助界磁用永久磁石とを回転子の軸線方向に積み重ねるように配設した構造の場合には回転子のティースを設けた部分(コア)の軸線方向長さを両永久磁石の積層方向長さと略同一にすることが考えられるが、その場合には補助界磁用永久磁石とコアとの間に生じる磁束がコアの全長(軸線方向長さ)に渡るようになるため、補助界磁用永久磁石の範囲の磁束密度が低下し、磁束密度に比例するコギングトルクが低下してしまう。そのため逆転防止に必要なコギングトルクを得るためには補助界磁用永久磁石が大型化してしまうという問題があった。
このような課題を解決して、簡単な構造で外力の入力に対してブレーキ力を発生させることができると共に小型化し得る電動モータの休止時回転防止構造を実現するために本発明に於いては、回転軸に一体に設けられた回転子と、前記回転子を外囲するモータケースと、前記モータケースの内周面に配設された永久磁石とを備える電動モータの休止状態での位置を保持するための電動モータの休止時回転防止構造であって、前記モータケースの内周面に前記モータの休止状態で前記回転子に対して制動トルクを発生させるための補助界磁手段が設けられていると共に、前記回転子におけるコアが、前記永久磁石に対応する主コア部分と、前記補助界磁手段に対応する補助コア部分とを有し、前記主コア部分と前記補助コア部分との間に空隙が設けられているものとした。
特に、前記磁気抵抗増大手段が空隙であると良い。また、前記主コア部分と前記補助コア部分とは、互いに別体からなりかつ前記回転子の軸に同軸に組み付けられていると良い。また、前記補助界磁手段が、前記永久磁石の前記回転子の軸線方向に臨む軸線方向端面に突設された第2の永久磁石であると良く、さらに、前記第2の永久磁石が、前記永久磁石よりも大きな磁力を発生するものであると良く、また、前記第2の永久磁石が、前記永久磁石の前記回転子の軸線方向長さ内に前記永久磁石に埋設されるように配設されていると良い。
また、回転軸に一体に設けられた回転子と、前記回転子を外囲するモータケースと、前記モータケースの内周面に配設された永久磁石とを備える電動モータの休止状態での位置を保持するための電動モータの休止時回転防止構造であって、前記永久磁石により前記モータの休止状態で前記回転子に対して制動トルクを発生させるとともに、前記モータケースの内周面に前記モータの作動状態で前記制動トルクを打ち消す磁界を発生させる補助界磁手段が設けられていると共に、前記回転子におけるコアが、前記永久磁石に対応する主コア部分と、前記補助界磁手段に対応する補助コア部分とを有し、前記主コア部分と前記補助コア部分との間に磁気抵抗増大手段が設けられているものとした。
特に、前記補助界磁手段は前記永久磁石とは別体の第2の永久磁石であると良い。
このように本発明によれば、補助界磁手段をモータケースの内周面に配設することにより、モータが停止して休止状態になった時には回転子の複数のティースの一部が補助界磁手段と磁気結合状態になり得るため、その磁気結合力により回転子を停止位置に保持することができ、補助界磁手段を設けるという簡単な構造で外力の入力に対してブレーキ力を発生させることができる。さらに、永久磁石に対応する主コア部分と補助界磁手段に対応する補助コア部分との間に設けた磁気抵抗増大手段により補助界磁手段と回転子との間に生じる磁束が回転子の対応する部分(補助コア部分)から他の部分(主コア部分)に漏れ難くなるため、補助界磁手段と補助コア部分との間の磁束密度の低下を防止でき、補助界磁手段をコンパクト化できるため、モータを小型化し得る。
特に、磁気抵抗増大手段を空隙とすることにより、主コア部分と補助コア部分とを互いに離して配設するという簡単な構造とすることができ、モータを低廉化し得る。また、両コア部分を互いに別体として形成し、ロータ軸に同軸に配設する構造にとることにより、例えばロータ軸に外向フランジを設けるという単純な形状で上記空隙を確保することができ、簡単な構造で本発明のモータを構成できる。
また、補助界磁手段を永久磁石よりも大きな磁力を有する第2の永久磁石とすることで構造を簡略化することができるとともに、大きな制動トルク(ブレーキ力)を発生させることができる。また、永久磁石の軸線方向端面に補助磁石が突設されていることにより、補助磁石の周方向位置に対する位置決めを容易に行うことができ、例えば組み付け時の微調整も可能であるため、モータの個々の仕様に合わせた自由な設計及び製造が可能となる。あるいは、永久磁石の軸線方向長さ内に補助磁石が埋設されるように配設されていることにより、永久磁石の軸線方向長さを回転子の軸線方向長さと同じにすることができ、それにより補助磁石を設けても永久磁石の軸線方向長さが短くなることがないため、トルクダウンを回避することができる。
また、永久磁石によりモータの休止状態で回転子に対して制動トルクを発生させるとともに、補助界磁手段をモータケースの内周面に設けることにより、モータが停止して休止状態になった時には回転子の複数のティースの一部が永久磁石と磁気結合状態になるため、その磁気結合力により回転子を停止位置に保持しつつ、モータの作動状態においては補助界磁手段によってその磁気結合状態を弱めることができるため、ブレーキ力の高い永久磁石を用いた場合でも、モータの作動時は回転子を円滑に回転させることができる。
特に、補助界磁手段を第2の永久磁石とすることで構造を簡略化することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明が適用された例えば自動車用パワーウィンドウに用いられる電動モータ装置を示す要部破断側断面図である。図に示される電動モータ装置にあっては、モータ1とそのモータケース2に一体的に設けられた減速装置3とにより構成されている。
モータ1は、モータケース2により軸線方向一端部を軸支された回転軸4と、回転軸4に同軸かつ一体に設けられた回転子5と、回転子5を外囲するようにモータケース2の対応する内周面に配設された複数の永久磁石6とを備える一般的なDCモータの構造であり、その詳しい説明は省略する。
図において、回転軸4のモータケース2から突出する側は減速装置3内に延在して2ヶ所で軸支されており、その突出した回転軸4の中間部分にウォーム4aが一体的に設けられている。ウォーム4aにはウォームホイール8がギア結合されており、これらウォームギアにより減速装置3が構成されている。なお、ウォームホイール8の軸が本モータ装置の出力軸として用いられ、その出力軸には図示されない窓を開閉するためのレギュレータ
のリンク機構が駆動される。
のリンク機構が駆動される。
本図示例の回転子5を構成する回転子コアには図2に示されるように例えば10個のティース5aが配設され、モータケース2の内周面には2極となる2個の永久磁石6が180度対向して配設されている。本発明は図示例に限られるものではないが、以下の実施の形態では2極10スロットのモータについて説明する。
図3は本発明に基づく永久磁石6及び補助磁石7を示す要部破断斜視図である。図3に示されるように、永久磁石6における回転子5の軸線方向に臨む一方(図における上側)の軸線方向端面に補助界磁手段(第2の永久磁石)としての補助磁石7が配設されている。補助磁石7は、永久磁石6と同じ曲率の内外周面を有するように形成され、かつ永久磁石6の周方向に対して略中央位置に配設されている。
なお、各位置関係について、特に断らない限り軸線方向は回転子5の軸線方向についてであり、周方向は回転子5の周方向(回転方向)について示すものとする。
図1に示されるように、回転子5にあっては、永久磁石6に対応する主コア部分5aと、補助磁石7に対応する補助コア部分5bとを有し、両コア部分5a・5b同士が磁気抵抗増大手段としての空隙Gを空けて配設されている。図示例では、主コア部分5aの軸線方向長さが永久磁石6の同方向長さと略同一であり、補助コア部分5bの軸線方向長さが補助磁石7の同方向長さと同一にされている。
空隙Gの空け方としては、例えば図4に示されるように、回転軸4に半径方向外向きの外向フランジ4aを一体的に設け、その外向フランジ4aの厚さ(軸線方向長さ)を空隙Gの間隔と同じにして、外向フランジ4aを挟んで両コア部分5a・5bを組み付けるものであって良い。また、外向フランジ4aを一体に形成する代わりに同じ厚さのカラーなどを介装したり、コア全体を形成後に空隙Gとなる部分を削り取るなどしたりすることができ、いずれにしても空間となる空隙Gを設けるようにする構造とするものであれば良い。なお、外向フランジ4aやカラーの外径にあっては、それらが強磁性材の場合には両コア部分5a・5bの外径に対して漏れ磁束が生じない程度に小径であれば良い。
このように回転子5のコア5a・5bを構成することにより、両者間に空隙Gが設けられ、それにより大きな磁気抵抗が存在することになるため、図5に示されるように、補助磁石7と補助コア部分5bとの間にのみ磁束MFが生じ、補助磁石7と主コア部分5aとの間には空隙Gによる大きな磁気抵抗が存在するため漏れ磁束が生じない。
上記構造のモータにあっては、モータが停止して非通電の休止状態で外力により回転子5を回転させようとすると、永久磁石6とティース5aとの間の磁気結合力によりコギングトルクが発生する。コギングトルクはモータ回転時の脈動(トルクリップル発生)の原因ともなるため、通常のモータ設計にあっては、できるだけ小さくするようにしている。
一方、本発明の好適な対象となるパワーウィンドウにあっては、外力(外側から窓を開閉する力)に対して回転子5が停止位置を保持できることが望まれる。本発明によれば、その保持力に補助磁石7の磁力を用いるものである。例えば図示例のものにあっては、ウォームギヤにおける伝達効率などを考慮し、通常使用状態においてウォームホイール8に加わる外部入力トルクに対して停止状態を保持し得る力が回転子5と補助磁石7との間の磁気結合力で得られるように設計する。その磁気結合力が得られる磁力を有する補助磁石7を用いると良い。
そして、上記したように補助磁石7に対する補助コア部分5bを設けかつ主コア部分5aとの間に空隙を設けることにより、漏れ磁束が防止され、上記停止状態保持のための磁気結合力すなわち補助磁石7の磁力を必要最小限の大きさに設定することができる。なお、コギングトルクの大きさは、両コア5a・5bを一体に形成した従来型のモータに対して約2倍になった。したがって、補助磁石7に大型のものを用いる必要が無く、モータ1の小型化を促進し得る。
なお、補助磁石7と補助コア部分5bとのエアギャップの間隔Aと空隙Gの間隔(G)とにあってはA<Gとすると良い。これにより、補助磁石7との間に生じる磁束の拡がりを好適に防止し得る。また、空隙Gによる空間の代わりに、両コア部分5a・5bの間に磁気抵抗増大手段としての常磁性体や低透磁率の材料(例えば合成樹脂材)で形成した部材(上記カラーに相当)を積層状態に設けるようにしても良い。
また、図示例では永久磁石6の上に補助磁石7を隙間無く載置した構造としたが、永久磁石6の補助磁石7側の端面(図における上面)の位置を主コア部分5aの補助コア部分5b側の端面の位置と合わせ、保持磁石7の永久磁石6側の端面の位置を空隙Gの範囲内に位置させるのであれば、永久磁石6との間に間隔を空けて補助磁石7を配設するようにしても良い。
補助磁石7による磁力は永久磁石6と同様にコギングトルクとして現れ、例えば図6に実線で示されるようになる。図において点線は永久磁石6だけによるコギングトルクの大きさである。図では、上記設計に基づく休止状態に必要なコギングトルクの大きさをTcとした場合を示している。すなわち、補助磁石7によるコギングトルクの大きさがTc以上となる磁力を発生する補助磁石7を用いれば良い。
なお、補助磁石7の周方向位置は、補助磁石7の周方向長さに応じて決めることができる。補助磁石7の周方向長さとしては、1つのティース5aの幅(周方向長さ)よりも大きく、両隣のティース5aの縁に至るまでよりは小さいと良い。ティース5aの周方向に延在する範囲として周方向角度(図2のα)で表すと、図示例の10ティースの場合には約36度である。また、隣り合うティース5aに跨ぐ大きさの場合には2ティースに渡る両端間の幅よりは小さいと良い。図示例の10ティースの場合には約43度である。
上記いずれの場合にもモータ1の休止状態の保持に必要なコギングトルクが得られる。それ以外の大きさでも大きなコギングトルクが得られるものがあるが、過剰な大きさとなる補助磁石7を追加する構造の場合にはコスト高となる補助磁石の大きさはできるだけ小さい方が好ましく、そのようなコンパクト化や低コスト化から、上記大きさの補助磁石7が適当である。
そして図2に示されるように、上記したようにして設定した補助磁石7を、永久磁石6の中心位置に対して振り角度θだけずらした位置に中心位置がくるように配置する。本図示例の場合、上記条件の補助磁石7を用いると振り角度θは18度にすると良い。なお、振り角度θにあっては、例えば永久磁石6の形状に応じて変えると良く、図2の二点鎖線に示されるような偏心マグネット6aを用いた場合には振り角度θを18度などにすると良い。当然、この振り角度θは磁石の形状に応じて変えると良く、上記各値に限定されるものではなく、設計時のFEM解析などで決定すると良い。
モータ回転時にはトルクリップルが生じ、上記モータ1において永久磁石6のみの場合には例えば図5の点線のように現れる。それに対して、補助磁石7の大きさ及び周方向位置(回転子5の回転方向に対する位置)を上記したように適切化することにより、図7の実線で表されるようにトルクリップルを小さくすることができる。
これにより、永久磁石6だけの従来のモータ構造のものよりも大きな磁気結合力(コギングトルク)によりモータ1の休止状態の停止位置を保持することができるため、外力によりモータ1が回転しないようにするために従来用いていたスラスト受けのような回転時抵抗負荷となるような部材を用いる必要が無く、モータ効率の低下を回避することができる。さらに、補助磁石7の大きなコギングトルクの発生位置が永久磁石6によるトルクリップルを低減させる位置になるように補助磁石7の周方向位置を設定することにより、モータ1のトルクリップル低減効果もあり、より一層好適なモータ装置を実現し得る。
上記作用効果により、図示例のようにウォームギアを用いた装置にあっては、外力によりモータ1が回転しないようにするためウォームギアのリード角を小さくすると、駆動効率が悪化するという問題が生じるのに対して、ウォームギアのリード角を大きくしても充分な休止状態における停止位置を確保する保持力が得られる。したがって、ウォームギアのリード角をできるだけ大きくして駆動効率を高めることができる。
また、上記図示例では永久磁石6と補助磁石7とを軸線方向に並べるように重ねた配置としたが、補助磁石7の配置形態にあってはそれに限られるものではない。例えば図8に示されるように、永久磁石6を、通常のモータ構造と同様に回転子5の軸線方向長さと同じ軸線方向長さとし、その軸線方向長さ内に補助磁石7を埋没させるように配設することができる。なお、この場合の補助磁石7の大きさ(周方向長さ)及び周方向位置は上記図示例と同じであって良い。このようにすることにより、回転子5に対する永久磁石6による磁束が図3のものに対してより多くなるため、トルクダウンとなることを防止し得る。
なお、上記図示例ではコア(5a・5b)がストレートであり、コギングトルクが大きなものとなっているが、コアをスキューしたものに対しても適用できることはいうまでもない。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、構造的には上記した第1の実施の形態と同じであるので、図面は省略する。
モータが停止して非通電の休止状態で外力により回転子5を回転させようとすると、永久磁石6とティース5aとの間の磁気結合力によりコギングトルクが発生するが、このコギングトルクを大きくする、つまり大きな磁力を有する永久磁石6を用いることで、外力の入力に対するブレーキ力を制御することができる。一方、このように構成したモータにおいては、モータケース2の内周面にモータの作動状態でブレーキ力を打ち消すような磁界を発生させる補助磁石(第2の永久磁石)7を設けることで、モータ回転時の磁気結合状態を弱め、モータ回転時の脈動を低減させることができる。
なお、この実施の形態においても、上記したようにして設定した補助磁石7を、永久磁石6の中心位置に対して振り角度θだけずらした位置に中心位置がくるように配置するように適宜設定しても良い。
本発明にかかる電動モータの休止時回転防止構造は、外力の入力に対するモータの休止状態における停止位置を確保することができ、自動車のパワーウィンドウに限られず、外力の入力対してモータが回転しないように停止位置に保持する必要がある種々のモータ装置に有用である。
1 モータ
2 モータケース
3 減速装置
4 回転軸、4a ウォーム
5 回転子、5a ティース
6 永久磁石
7 補助磁石
8 ウォームホイール
5a 主コア部分
5b 補助コア部分
G 空隙
2 モータケース
3 減速装置
4 回転軸、4a ウォーム
5 回転子、5a ティース
6 永久磁石
7 補助磁石
8 ウォームホイール
5a 主コア部分
5b 補助コア部分
G 空隙
Claims (8)
- 回転軸に一体に設けられた回転子と、前記回転子を外囲するモータケースと、前記モータケースの内周面に配設された永久磁石とを備える電動モータの休止状態での位置を保持するための電動モータの休止時回転防止構造であって、
前記モータケースの内周面に前記モータの休止状態で前記回転子に対して制動トルクを発生させるための補助界磁手段が設けられていると共に、
前記回転子におけるコアが、前記永久磁石に対応する主コア部分と、前記補助界磁手段に対応する補助コア部分とを有し、
前記主コア部分と前記補助コア部分との間に磁気抵抗増大手段が設けられていることを特徴とする電動モータの休止時回転防止構造。 - 前記磁気抵抗増大手段が空隙であることを特徴とする請求項1記載の電動モータの休止時回転防止構造。
- 前記主コア部分と前記補助コア部分とは、互いに別体からなりかつ前記回転子の軸に同軸に組み付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動モータの休止時回転防止構造。
- 前記補助界磁手段が、前記永久磁石の前記回転子の軸線方向に臨む軸線方向端面に突設された第2の永久磁石であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動モータの休止時回転防止構造。
- 前記第2の永久磁石が、前記永久磁石よりも大きな磁力を発生するものであることを特徴とする請求項4に記載の電動モータの休止時回転防止構造。
- 前記第2の永久磁石が、前記永久磁石の前記回転子の軸線方向長さ内に前記永久磁石に埋設されるように配設されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電動モータの休止時回転防止構造。
- 回転軸に一体に設けられた回転子と、前記回転子を外囲するモータケースと、前記モータケースの内周面に配設された永久磁石とを備える電動モータの休止状態での位置を保持するための電動モータの休止時回転防止構造であって、
前記永久磁石により前記モータの休止状態で前記回転子に対して制動トルクを発生させるとともに、前記モータケースの内周面に前記モータの作動状態で前記制動トルクを打ち消す磁界を発生させる補助界磁手段が設けられていると共に、
前記回転子におけるコアが、前記永久磁石に対応する主コア部分と、前記補助界磁手段に対応する補助コア部分とを有し、
前記主コア部分と前記補助コア部分との間に磁気抵抗増大手段が設けられていることを特徴とする電動モータの休止時回転防止構造。 - 前記補助界磁手段は前記永久磁石とは別体の第2の永久磁石であることを特徴とする請求項7記載の電動モータの休止時回転防止構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006273789A JP2008092754A (ja) | 2006-10-05 | 2006-10-05 | 電動モータの休止時回転防止構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016069986A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | アイシン精機株式会社 | クローザ装置及び車両用ドアロック装置 |
JP2021083272A (ja) * | 2019-11-22 | 2021-05-27 | ツカサ電工株式会社 | ギヤードモータの駆動制御機構 |
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2006
- 2006-10-05 JP JP2006273789A patent/JP2008092754A/ja active Pending
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