JP2015095999A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速回転可能かつ低速回転域で高いトルクを出力可能な回転電機を提供する。【解決手段】回転電機1は、ティース12にコイル15が設けられたステータ3と、ロータコア22に永久磁石23が固定されたロータ4とを備える。ロータ4は、永久磁石23の極性に応じた極性が現れるマグネット磁極部31と、マグネット磁極部31と周方向に隣りあって形成されるコア磁極部32とを有する4個の磁極ブロック33に区分される。これら各磁極ブロック33は、極性の異なるマグネット磁極部31が周方向に隣り合うとともにコア磁極部32が隣り合うように並べられている。また、回転電機1は、ロータ4の内周側においてロータ4に相対回転可能に支持されるとともに、異なる極性の供給体磁極部34が周方向に交互に並んで形成された磁束供給体35を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機に関する。
従来、回転電機には、界磁となる永久磁石をロータに固定したものが広く知られている。こうしたロータとしては、ロータコアに永久磁石を埋め込む態様で固定した所謂埋込磁石型のもの(例えば、特許文献1)や、ロータコアの表面に永久磁石を固定した所謂表面磁石型のもの(例えば、特許文献2)等がある。
特開2001−352702号公報 特開2010−172195号公報
ところで、上記のような永久磁石界磁型の回転電機では、永久磁石で作られる磁束が略一定であるため、ステータのコイルに発生する誘起電圧(逆起電圧)はロータの回転速度に比例して大きくなる。そして、この誘起電圧が電源電圧の上限に達すると、それ以上ロータを高速で回転させることができなくなる。そこで、高速回転させることが要求される用途では、永久磁石で作られる磁束(コイルに対する鎖交磁束)をロータが十分に高速回転できるような量に抑える設計とすることが考えられるが、この場合には低速回転域で十分に高いトルクを得ることができなくなる。そのため、高速回転させることができるとともに、低速回転域では高いトルクを出力できる新たな技術の開発が求められていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、高速回転可能かつ低速回転域で高いトルクを出力可能な回転電機を提供することにある。
上記課題を解決する回転電機は、ステータコア、及び前記ステータコアのティースに設けられるコイルを有するステータと、回転軸に一体回転可能に固定されたロータコア、及び前記ロータコアに固定された永久磁石を有するロータとを備えたものにおいて、前記ロータは、前記永久磁石の極性に応じた極性が現れるマグネット磁極部、及び前記マグネット磁極部と周方向に隣り合って配置されるコア磁極部を有する複数の磁極ブロックに区分され、前記複数の磁極ブロックは、前記各マグネット磁極部のうちの極性の異なる前記マグネット磁極部が周方向において隣り合うとともに前記各コア磁極部が周方向において隣り合うように並んでおり、前記ロータに対して相対回転可能に支持されるとともに、異なる極性の供給体磁極部が周方向に並んで形成された磁束供給体と、前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を、高トルク角度と高速回転角度との間で調整する角度調整装置とを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、ロータと磁束供給体との相対回転角度を高トルク角度と高速回転角度との間で調整することで、高速回転させるとともに、低速回転域では高いトルクを出力することが可能になる。
上記回転電機において、前記高トルク角度は、一の前記磁極ブロック内における前記コア磁極部と対向する前記供給体磁極部が、該一の磁極ブロック内における前記マグネット磁極部の極性と反対の極性となる角度であり、前記高速回転角度は、一の前記磁極ブロック内における前記コア磁極部と対向する前記供給体磁極部が、該一の磁極ブロック内における前記マグネット磁極部の極性と同一の極性となる角度であることが好ましい。
上記構成によれば、磁束供給体から磁束が供給されない場合を想定すると、コア磁極部は、永久磁石で作られる磁束によりマグネット磁極部と反対の極性の磁極として機能する。つまり、各磁極ブロックはそれぞれ2つの磁極として機能する。ここで、ロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度とされた場合、コア磁極部は、同じ磁極ブロックのマグネット磁極部と反対の極性の供給体磁極部と対向する。そのため、磁束供給体からロータに供給される磁束は、ステータとコア磁極部との間を、永久磁石で作られる磁束と同方向に流れるようになる。一方、ロータと磁束供給体との相対回転角度が高速回転角度とされた場合、コア磁極部は、同じ磁極ブロックのマグネット磁極部と同一の極性の供給体磁極部と対向する。そのため、磁束供給体からロータに供給される磁束は、ステータとコア磁極部との間を、永久磁石で作られる磁束と逆方向に流れるようになる。このようにロータと磁束供給体との相対回転角度を調整することで、ステータとコア磁極部との間を通過する磁束(コイルに対する鎖交磁束)を調整できるため、高速回転させるとともに、低速回転域では高いトルクを出力することが可能になる。
上記回転電機において、前記磁束供給体は、前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を前記高速回転角度とした状態で、一の磁極ブロック内において、前記コア磁極部の極性が前記マグネット磁極部の極性と同一になるような量の磁束を供給可能に構成されることが好ましい。
上記構成によれば、ロータと磁束供給体との相対回転角度が高速回転角度とされた場合、コア磁極部は、同じ磁極ブロックのマグネット磁極部と同一の極性の磁極として機能するため、各磁極ブロックは1つの磁極として機能する。一方、ロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度とされた場合、コア磁極部は、同じ磁極ブロックのマグネット磁極部と反対の極性の磁極として機能するため、磁極ブロックは2つの磁極として機能する。つまり、ロータと磁束供給体との相対回転角度を調整することにより、ロータの磁極数が磁極ブロックの数と同一又は二倍に変化する。ここで、ロータの回転速度が同じ場合、ロータの磁極数が少ないと、コイルと対向する磁極が切り替わるのにかかる時間が長くなり、単位時間当たりの鎖交磁束の変化量が小さくなる。そして、誘起電圧は鎖交磁束の単位時間当たりの変化量に比例するため、ロータの磁極数が少ないと、誘起電圧が小さくなり、十分にロータを高速回転させることが可能になる。
上記回転電機において、前記ステータのスロット数が3N(ただし、Nは自然数)個であり、前記磁極ブロックの数が2N個であることが好ましい。
上記構成によれば、スロット数が3N個に対して、ロータの磁極数が2N個と4N個との間で切り替わることになる。このようにスロット数が3N個に対して、ロータの磁極数が2N個又は4Nの関係が成立する場合には、巻線係数が比較的高い値(「1」に近い値)となるため、ステータにおいて界磁磁束を有効に利用でき、効率良く回転電機を駆動できる。
上記回転電機において、隣り合う前記コア磁極部間には、磁気抵抗の高い磁気抵抗部が設けられることが好ましい。
上記構成によれば、隣り合うコア磁極部間で、ステータ側に流れない無駄な磁束が生じることを低減できる。
上記回転電機において、隣り合う前記コア磁極部間には、追加磁石が設けられ、前記追加磁石は、前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を前記高トルク角度とした状態で前記コア磁極部と対向する前記供給体磁極部の極性と同一の極性が該コア磁極部側に現れるように磁化されることが好ましい。
上記構成によれば、ロータと磁束供給体との相対回転角度を高トルク角度とした場合には、コア磁極部の極性と追加磁石の極性とが同一になるため、追加磁石で作られる磁束は、高トルク角度にある状態でステータとコア磁極部との間を通過する磁束と同方向に流れるようになる。これにより、ステータとコア磁極部との間を通過する磁束(鎖交磁束)が増加するため、より高いトルクが出力可能となる。一方、ロータと磁束供給体との相対回転角度を高速回転角度とした場合には、コア磁極部の極性と追加磁石の極性とが反対になるため、追加磁石で作られる磁束は、高速回転角度にある状態でステータとコア磁極部との間を通過する磁束と逆方向に流れるようになる。これにより、ステータとコア磁極部との間を通過する磁束が減少するため、誘起電圧を小さく抑えることが可能になり、より高速回転させることが可能になる。
上記回転電機において、前記角度調整装置は、前記ティースに設けられる調整コイルと、前記調整コイルへの通電により前記コア磁極部と対向する部位に調整磁極を発生させる制御装置とを備えることが好ましい。
上記構成によれば、調整コイルへの通電によって、コア磁極部と対向する部位に同じ磁極ブロックのマグネット磁極部と反対の極性の調整磁極を発生させることで、ロータと磁束供給体との相対回転角度が高速回転角度となる。一方、調整コイルへの通電によって、コア磁極部と対向する部位に同じ磁極ブロックのマグネット磁極部と同一の極性の調整磁極を発生させることで、ロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度となる。そのため、例えばロータと磁束供給体との間に該磁束供給体を相対回転させるための装置を組み込まずともよく、回転電機を簡素な構成とすることができる。
上記回転電機において、前記ロータ及び前記磁束供給体のいずれか一方と一体回転するとともに、第1係合部が形成された第1保持部材と、前記ロータ及び前記磁束供給体の他方と一体回転するとともに、前記第1係合部と係合することにより前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を前記高トルク角度で保持する第2係合部が形成された第2保持部材と、前記第1保持部材と前記第2保持部材側とを係合させる係合部材とを備え、前記第1及び第2係合部の少なくとも一方は、周方向に対して傾斜した傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度が前記高トルク角度にある状態から、前記ロータと前記磁束供給体とが相対回転することにより、該第1係合部と該第2係合部との係合を解除するように形成されることが好ましい。
上記構成によれば、磁束供給体が高トルク角度になると、第1係合部と第2係合部とが係合することにより、ロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度で保持される。そのため、ロータと磁束供給体との相対回転角度を高トルク角度でしっかりと保持できる。
上記回転電機において、前記角度調整装置は、前記ロータ及び前記磁束供給体のいずれか一方と一体回転する小型モータと、前記小型モータに駆動連結された駆動ギヤと、前記ロータ及び前記磁束供給体の他方と一体回転するとともに、前記駆動ギヤと噛合する従動ギヤとを備えることが好ましい。
上記構成によれば、小型モータにより駆動された駆動ギヤの回転が従動ギヤに伝達されることにより、磁束供給体がロータに対して相対回転し、ロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度と高速回転角度との間で調整される。そのため、ロータと磁束供給体との相対回転角度を、容易に高トルク角度と高速回転角度との間の任意の角度に調整することができる。
本発明によれば、ロータを高速回転させるとともに低速回転域で高いトルクを出力できる。
第1実施形態の回転電機の軸方向に沿った断面図。 (a)は第1実施形態の回転電機の軸方向と直交する断面図(図1のA−A断面図)、(b)は(a)のロータの部分断面図。 (a)は第1実施形態のロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度である場合における磁束の流れを示す模式図、(b)は同じく高速回転角度である場合における磁束の流れを示す模式図。 (a)は第1実施形態のロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度である場合の保持機構近傍を示す模式図(図3(a)のB矢視図)、(b)は同じく高速回転角度である場合の保持機構近傍を示す模式図(図3(b)のC矢視図)。 (a),(b)は第1実施形態のロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度である場合に、コア磁極部と対向する部位に隣り合うマグネット磁極部と反対の極性の調整磁極を発生させた際の磁束の流れを示す模式図。 (a),(b)は第1実施形態のロータと磁束供給体との相対回転角度が高速回転角度である場合に、コア磁極部と対向する部位に隣り合うマグネット磁極部と同一の極性の調整磁極を発生させた際の磁束の流れを示す模式図。 ステータのスロット数及びロータの磁極数と巻線係数との関係を示す表。 第2実施形態のロータの軸方向と直交する部分断面図。 (a)は第2実施形態のロータと磁束供給体との相対回転角度が高トルク角度である場合における磁束の流れを示す模式図、(b)は同じく高速回転角度である場合における磁束の流れを示す模式図。 第3実施形態の回転電機の軸方向に沿った断面図。 第3実施形態の角度調整装置近傍を示す出力ロータの断面図(図10のD−D断面図)。 第4実施形態の回転電機の軸方向に沿った断面図。 第4実施形態の回転電機の軸方向と直交する断面図(図12のE−E断面図)。 第4実施形態の磁束供給体の軸方向と直交する断面図(図12のF−F断面図)。 (a)〜(d)は別例のロータの軸方向と直交する断面図。
(第1実施形態)
以下、回転電機の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2(a),(b)に示す回転電機(電動モータ)1は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の走行用の駆動源として用いられるものである。同図に示すように、回転電機1は、筒状のハウジング2と、ハウジング2内に収容されたステータ3と、ステータ3の径方向内側(内周側)に間隔を空けて配置されたロータ4とを備えている。つまり、本実施形態の回転電機1は、インナロータ型のラジアルギャップモータとして構成されている。また、回転電機1は、ロータ4の回転角を検出するレゾルバ等の回転角センサ5と、ロータ4の回転角に応じて電力供給を行うことにより、ステータ3に回転磁界を発生させる制御装置6とを備えている。
詳しくは、ハウジング2は、一端側(図1中、右側)が開口した有底円筒状のハウジング本体7と、ハウジング本体7の開口端を閉塞するように設けられる円板状のカバー8とを備えている。ハウジング本体7の底部7aの中央には、軸方向に貫通した挿通孔7bが形成され、カバー8の中央には、軸方向に貫通した挿通孔8aが形成されている。
ステータ3は、ハウジング本体7の筒状部7cの内側に固定された円筒状の円筒部11、及び円筒部11から径方向内側に向かって放射状に延びる複数のティース12からなるステータコア13を備えている。本実施形態のステータコア13には、ティース12が6個形成されており、ティース12間に形成されるスロットの数も6個とされている。ステータコア13は、珪素鋼板等の電磁鋼板を複数枚積層することにより構成されている。そして、各ティース12には、コイル(電機子コイル)15が設けられている。なお、コイル15の接続端部15aは、ハウジング2の外部に引き出されて制御装置6に接続されている。
ロータ4は、回転軸21と一体回転可能に固定された円筒状のロータコア22と、ロータコア22に固定された複数(本実施形態では、4個)の永久磁石23とを備えている。回転軸21は、円柱状に形成されており、底部7aの挿通孔7b及びカバー8の挿通孔8aに設けられた軸受24a,24bを介して回転可能に支持されている。なお、回転軸21は、ステンレス鋼等の非磁性材料により構成されている。
制御装置6は、ロータ4の回転角に従う二相回転座標系(d/q座標系)におけるd軸電流及びq軸電流に基づいてコイル15に供給する三相(U,V,W)の駆動電力を制御し、ステータ3に回転磁界を発生させる。なお、d軸電流は、ステータ3に対してロータ4の磁極が作る磁束の方向(d軸方向)に磁極を発生させる電流であり、q軸電流は、ステータ3に対してd軸方向と電気角で90°ずれたq軸方向に磁極を発生させる電流である。そして、ロータ4は、ステータ3に発生する回転磁界と、該ロータ4で発生する磁束との関係に基づいて回転するようになっている。
(ロータ構造)
ここで、ロータ4は、永久磁石23の極性に応じた極性が常に現れるマグネット磁極部31と、マグネット磁極部31と周方向に隣りあって配置されるコア磁極部32とを有する複数(本実施形態では、4個)の磁極ブロック33に区分される。これら各磁極ブロック33は、各マグネット磁極部31のうち極性の異なるマグネット磁極部31が周方向において隣り合うとともに各コア磁極部32が周方向において隣り合うように並べられている。また、回転電機1は、ロータ4の内周側において該ロータ4(回転軸21)に相対回転可能に支持されるとともに、異なる極性の供給体磁極部34が周方向に交互に並んで形成された磁束供給体35を備えている。そして、本実施形態の回転電機1では、磁束供給体35のロータ4に対する相対回転角度を変更することで、ロータ4の磁極数を磁極ブロック33と同数又は二倍、すなわち4個又は8個に切り替え可能となっている。なお、上記のようにスロット数は6個であるため、本実施形態の回転電機1は、スロット数を3N(ただし、Nは自然数)個とした場合、ロータ4の磁極数が2N個又は4N個となる関係を満たす。
先ず、ロータの構成について詳細に説明する。
ロータ4のロータコア22は、永久磁石23が固定される円筒状のコア本体41と、コア本体41の両端に固定されてそれぞれ回転軸21と一体回転可能に連結される一対の連結部材42,43とを備えている。各連結部材42,43は、円環状に形成されるとともに、該連結部材42,43の中央に形成された嵌合孔42a,43aが回転軸21の外周に圧入されることにより、回転軸21と一体回転可能に連結されている。なお、コア本体41は、電磁鋼板を複数枚積層することにより構成され、連結部材42,43は、ステンレス鋼等の非磁性材料により構成されている。
図2(a),(b)に示すように、コア本体41には、永久磁石23が内部に配置される複数(本実施形態では、4つ)の空洞部44が形成されている。これら空洞部44は、2つの空洞部44が近接して並ぶとともに、2つ並んだ空洞部44の各ペアが周方向に等角度間隔を空けて配置されている。なお、各空洞部44は、軸方向に延びる断面長方形の孔状に形成されるとともに、断面のなす長方形の長手方向がその中央を通る径方向線に対して略直交するように形成されている。また、2つ並んだ空洞部44のペアの間には、空隙(フラックスバリア)45が形成されている。なお、空隙45は、軸方向に貫通するとともに、ロータコア22の内周面から径方向外側に延びる溝状に形成されている。
本実施形態の永久磁石23には、長方形板状に形成された焼結磁石やボンド磁石(例えばプラスチックマグネットやゴムマグネット)等からなるセグメント磁石が採用されている。永久磁石23におけるロータ4の軸方向と直交する断面形状は、上記空洞部44の断面形状に対応した長方形状とされており、永久磁石23は空洞部44内に挿入されることでコア本体41に固定されている。つまり、本実施形態のロータ4は、所謂埋込磁石型のロータとして構成されている。そして、永久磁石23は、ロータコア22の外周側に現れる極性が周方向に沿って交互に反対となるように、その板厚方向(ロータ4の径方向に略沿った方向)に磁化されている。これにより、コア本体41の外周面における空洞部44と対向する部位には、永久磁石23の外周側の極性が常に現れる。
したがって、コア本体41における空洞部44の形成された部分がそれぞれマグネット磁極部31として機能し、隣り合うマグネット磁極部31の極性は反対になる。また、コア本体41における空洞部44の形成された部分と空隙45との間がそれぞれコア磁極部32として機能し、空隙45が隣り合うコア磁極部32間に形成された磁気抵抗部として機能する。なお、本実施形態では、マグネット磁極部31及びコア磁極部32はそれぞれ略45°の周方向範囲に亘って延びており、磁極ブロック33は略90°の周方向範囲に亘って延びている。なお、磁束供給体35から磁束が供給されない場合を想定すると、コア磁極部32は、永久磁石23で作られる磁束によりマグネット磁極部31と反対の極性の磁極として機能し、各磁極ブロック33はそれぞれ2つの磁極として機能する。
次に、磁束供給体の構成について詳細に説明する。
図1及び図2(a),(b)に示すように、磁束供給体35は、円筒状の供給体コア51と、供給体コア51に固定される複数の補助磁石52とを備えており、磁束供給体35には、補助磁石52が供給体コア51に固定されることにより、異なる極性の供給体磁極部34が周方向に交互に並んで形成されている。なお、本実施形態の磁束供給体35には、磁極ブロック33と等しい数の補助磁石52が設けられている。
詳しくは、供給体コア51は、円筒状の支持部材53と、支持部材53の外周に固定される円筒状の磁石保持部材54とからなる。なお、支持部材53は、磁性材料により構成され、磁石保持部材54は、電磁鋼板を複数枚積層することにより構成されている。支持部材53の両端は、回転軸21の外周に設けられた軸受55a,55bを介してハウジング2及びロータ4に対して相対回転可能に支持されている。
図2(a),(b)に示すように、磁石保持部材54の外周面には、複数(本実施形態では、4個)の固定凹部56が周方向に間隔を空けて形成されている。固定凹部56は、軸方向と直交する断面が90°よりも僅かに狭い周方向範囲に亘って延びる略円弧状に形成されている。
補助磁石52には、円弧状に湾曲した板状のセグメント磁石が採用されている。補助磁石52におけるロータ4の軸方向と直交する断面形状は、上記固定凹部56の断面形状に対応した円弧状とされており、補助磁石52は固定凹部56に嵌合した状態で供給体コア51に固定されている。そして、補助磁石52は、磁束供給体35の外周側(ロータコア22の内周側)に現れる極性が周方向に沿って交互に反対となるように、その板厚方向(ロータ4の径方向に略沿った方向)に磁化されている。これにより、本実施形態では、補助磁石52自体が供給体磁極部34として機能する。なお、補助磁石52は、一の磁極ブロック33内におけるコア磁極部32と対向する供給体磁極部34の極性が、該一の磁極ブロック33内におけるマグネット磁極部31の極性と同一になる状態(後述する高速回転角度)で、コア磁極部32の極性が該マグネット磁極部31の極性と同一になるような量の磁束を供給可能な強さに磁化されている。また、供給体磁極部34(補助磁石52)は、その周方向中央位置がマグネット磁極部31とコア磁極部32との境界と径方向に対向した状態で、該マグネット磁極部31及び該コア磁極部32の略全体と径方向に対向し、これらと隣り合うマグネット磁極部31及びコア磁極部32とは径方向に対向しない。
次に、ロータの磁極数について詳細に説明する。なお、図面では、磁石の磁化方向を太線の矢印で示し、磁束の流れを破線の矢印で示している。
図3(a)に示すように、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を、一の磁極ブロック33内におけるコア磁極部32と径方向に対向する供給体磁極部34の極性が、該一の磁極ブロック33内におけるマグネット磁極部31の極性と反対になる角度(高トルク角度)とすると、各磁極ブロック33は、2つの磁極として機能する。つまり、ロータ4の磁極数が8個となる。
詳しくは、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が高トルク角度とされた場合には、コア磁極部32は、同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31と反対の極性の供給体磁極部34と対向する。そのため、磁束供給体35からロータ4に供給される磁束は、ステータ3とコア磁極部32との間を、永久磁石23で作られる磁束と同方向に流れるようになり、コア磁極部32には、磁束供給体35から磁束が供給されない場合と同様に、マグネット磁極部31と反対の極性がステータ3側に現れる。
より詳しくは、例えば同図中左上に配置された磁極ブロック33では、S極のマグネット磁極部31を有しており、コア磁極部32は、N極の供給体磁極部34と対向する。そのため、永久磁石23のN極から出る磁束の一部、及び供給体磁極部34(補助磁石52)から出る磁束の一部が、コア磁極部32の外周面からステータ3側に流れ出るようになり、該コア磁極部32がN極として機能する。これにより、この磁極ブロック33のマグネット磁極部31とコア磁極部32には異なる極性が現れ、該磁極ブロック33は2つの磁極として機能する。また、例えば同図中右上に配置された磁極ブロック33では、N極のマグネット磁極部31を有しており、コア磁極部32は、S極の供給体磁極部34と対向する。そのため、永久磁石23のS極に入る磁束の一部、及び供給体磁極部34(補助磁石52)に入る磁束の一部が、コア磁極部32の外周面から流れ込むようになり、該コア磁極部32がS極として機能する。これにより、この磁極ブロック33のマグネット磁極部31とコア磁極部32には異なる極性が現れ、該磁極ブロック33は2つの磁極として機能する。
一方、図3(b)に示すように、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を、一の磁極ブロック33内におけるコア磁極部32と径方向に対向する供給体磁極部34の極性が、該一の磁極ブロック33内におけるマグネット磁極部31の極性と同一になる角度(高速回転角度)とすると、各磁極ブロック33は、1つの磁極として機能する。つまり、ロータ4の磁極数が4個となる。
詳しくは、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が高速回転角度とされた場合には、コア磁極部32は、同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31と同一の極性の供給体磁極部34と対向する。そのため、磁束供給体35からロータ4に供給される磁束は、ステータ3とコア磁極部32との間を、永久磁石23で作られる磁束と逆方向に流れるようになり、コア磁極部32には、マグネット磁極部31と同一の極性がステータ3側に現れる。
より詳しくは、例えば同図中左上に配置された磁極ブロック33では、S極のマグネット磁極部31を有しており、コア磁極部32は、S極の供給体磁極部34と対向する。そのため、供給体磁極部34には、永久磁石23のN極から出る磁束の一部が入るとともに、コア磁極部32の外周面から流れ込む磁束が入るようになり、該コア磁極部32がS極として機能する。これにより、この磁極ブロック33のマグネット磁極部31とコア磁極部32には同一の極性が現れ、該磁極ブロック33は1つの磁極として機能する。また、例えば同図中右上に配置された磁極ブロック33では、N極のマグネット磁極部31を有しており、コア磁極部32は、N極の供給体磁極部34と対向する。そのため、供給体磁極部34から出た磁束は、その一部が永久磁石23のS極に入るとともに、他の一部がコア磁極部32の外周面からステータ3側に流れ出るようになり、該コア磁極部32がN極として機能する。これにより、この磁極ブロック33のマグネット磁極部31とコア磁極部32には同一の極性が現れ、該磁極ブロック33は1つの磁極として機能する。
次に、ロータと磁束供給体との相対回転角度を保持する構成について説明する。
磁束供給体35は、その相対回転角度が高速回転角度とされた場合には、永久磁石23と供給体磁極部34(補助磁石52)との間に作用する磁気的な吸引力によって保持される。一方、磁束供給体35は、その相対回転角度が高トルク角度とされた場合には、ロータ4と磁束供給体35との間に設けられた保持機構61によって保持される。
詳しくは、図1及び図4に示すように、保持機構61は、ロータ4を構成する軸方向一方側(図1中、左側)の連結部材42に固定された有底円筒状のケース62を備えている。ケース62は、連結部材42において、一方の極性(例えばS極)のマグネット磁極部31とコア磁極部32との境界と径方向に対向する周方向位置に固定されている。ケース62内には、棒状の第1保持部材63、及び第1保持部材63を磁束供給体35側に付勢する係合部材としてのコイルバネ64が収容されている。第1保持部材63の先端には、凸形状とされた第1係合部65が形成されている。本実施形態の第1係合部65は、半球状に形成されており、第1係合部65の表面(外面)65aは、ロータ4の周方向(回転方向)に対して傾斜している。つまり、本実施形態では、表面65aが傾斜面に相当する。
一方、磁束供給体35の支持部材53における連結部材42と軸方向に対向する対向面には、第1係合部65が係合する凹形状とされた複数(本実施形態では、2個)の第2係合部66が形成されている。つまり、本実施形態では、支持部材53が第2保持部材として構成されている。各第2係合部66は、支持部材53において、他方の極性(例えばN極)の磁極が径方向外側を向くように配置された補助磁石52と径方向に対向する周方向位置に形成されている。また、各第2係合部66の表面(内面)66aは、第1係合部65の表面65aの略全体が接触する半球状に形成されており、ロータ4の周方向(回転方向)に対して傾斜している。つまり、本実施形態では、表面66aが傾斜面に相当する。
したがって、図4(a)に示すように、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が高トルク角度とされると、コイルバネ64の付勢力によって第1係合部65が第2係合部66に凹凸係合する。この状態では、保持機構61の係合力により、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が保持される。なお、コイルバネ64の付勢力(弾性係数)は、永久磁石23と補助磁石52との間に作用する磁気的な吸引力及び反発力によっては、ロータ4と磁束供給体35とが相対回転せず、第1係合部65と第2係合部66との係合が解除されないような強さに設定されている。一方、図4(b)に示すように、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が高速回転角度とされると、第1保持部材63の第1係合部65は、支持部材53の対向面における平坦な部位に接触する。この状態では、上記のように永久磁石23と補助磁石52との間に作用する磁気的な吸引力によってロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が保持される。
次に、磁束供給体の相対回転角度の変更について説明する。
図1及び図2(a),(b)に示すように、ステータ3の各ティース12には、上記コイル15とは別に調整コイル71が設けられている。なお、調整コイル71の接続端部71aは、ハウジング2の外部に引き出されて制御装置6に接続されている。そして、制御装置6は、調整コイル71への通電によりコア磁極部32と径方向に対向する部位に調整磁極を発生させることで、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を変更する。つまり、本実施形態では、調整コイル71及び制御装置6によって角度調整装置が構成されている。
詳しくは、制御装置6は、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度から高速回転角度に変更する際には、磁束供給体35が高トルク角度にある状態(図3(a)参照)で、コア磁極部32と対向する位置に同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31と反対の極性の調整磁極を発生させる。すると、図5(a)から同図(b)に示すように、N極が現れていたコア磁極部32からステータ3側に磁束が徐々に流れ出なくなるとともに、S極が現れていたコア磁極部32にステータ3側から磁束が徐々に流れ込まなくなる。そして、コア磁極部32内を通過する磁束の方向が、同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31内を通過する磁束の方向に徐々に近づく。その結果、S極のマグネット磁極部31に設けられた永久磁石23のN極から出る磁束の一部が、隣り合う磁極ブロック33と対向する供給体磁極部34に流れ込むとともに、N極のマグネット磁極部31に設けられた永久磁石23のS極に隣り合う磁極ブロック33と対向する供給体磁極部34から磁束が流れ込むようになる。これにより、永久磁石23と供給体磁極部34(補助磁石52)との間に磁気的な吸引力が作用することで、第1係合部65と第2係合部66との係合が解除されて磁束供給体35が相対回転し、供給体磁極部34の極性がマグネット磁極部31の極性と同一になる高速回転角度で、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が安定する(図3(b)参照)。
一方、制御装置6は、高速回転角度から高トルク角度に変更する際には、磁束供給体35が高速回転角度にある状態(図3(b)参照)で、コア磁極部32と対向する位置に同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31と同一の極性の調整磁極を発生させる。すると、図6(a)から同図(b)に示すように、S極が現れていたコア磁極部32からステータ3側に磁束が徐々に流れ出るとともに、N極が現れていたコア磁極部32にステータ3側から磁束が徐々に流れ込むようになる。そして、コア磁極部32内を通過する磁束の方向が、同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31内を通過する磁束の逆方向に徐々に近づく。その結果、N極の供給体磁極部34から出る磁束の一部がS極の調整磁極72に流れ込むとともに、S極の供給体磁極部34にN極の調整磁極72から出る磁束の一部が流れ込むようになる。これにより、調整磁極72と供給体磁極部34(補助磁石52)との間に磁気的な吸引力が作用することで磁束供給体35が相対回転し、供給体磁極部34の極性がマグネット磁極部31の極性と反対になる高トルク角度になると、第1係合部65が第2係合部66に係合することで、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が安定する(図3(b)参照)。
なお、ロータ4に磁極数が多極化された状態と少極化された状態とでは、ロータ4の磁極位置とコイル15への通電によりステータ3に発生する磁極との相対位置が変化するため、該コイル15への通電方向が同一の場合、ロータ4の回転方向が逆になる。そのため、制御装置6は、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を変更する際には、併せてコイル15への通電方向を切り替えるようになっている。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度に応じてロータ4の磁極数を4個又は8個に変更可能とした。ここで、ロータ4の回転速度が同じ場合、ロータ4の磁極数が少ないと、コイル15と対向する磁極の極性が切り替わるのにかかる時間が長くなり、単位時間当たりの鎖交磁束の変化量が小さくなる。そして、誘起電圧は鎖交磁束の単位時間当たりの変化量に比例するため、ロータ4の磁極数が少ないと、誘起電圧が小さくなり、高速回転が可能となる。つまり、ロータ4の磁極数を多くした状態で高いトルクが出力可能な設計としても、ロータ4の磁極数を少なくした状態で高速回転させることが可能になる。したがって、ロータ4を高速回転させるとともに低速回転域で高いトルクを出力できる。
(2)スロット数を3N個とした場合、ロータ4の磁極数が2N個又は4N個となる関係を満たすように回転電機1を構成した。図7に示すように、スロット数が3N個に対して、ロータの磁極数が2N個又は4Nの関係が成立する場合には、コイル15に鎖交する磁束の有効性を示す巻線係数が比較的高い値(「1」に近い値)となるため、本実施形態では回転電機1を効率良く駆動することが可能となっている。なお、図7では、説明の便宜上、巻線係数が「0.8」よりも大きくなるスロット数とロータ4の磁極数の組み合わせの欄に○印を付している。
(3)隣り合うコア磁極部32間に空隙45を設けたため、これら隣り合うコア磁極部32間でステータ3側に流れない無駄な磁束が生じることを低減できる。
(4)調整コイル71への通電によりコア磁極部32と径方向に対向する部位に調整磁極72を発生させることでロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を変更するようにしたため、例えばロータ4と磁束供給体35との間に該磁束供給体35を相対回転させるための装置を組み込まずともよく、回転電機1を簡素な構成とすることができる。
(5)ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が高トルク角度になると、ロータ4と一体回転する第1保持部材63の第1係合部65と、磁束供給体35の第2係合部66とが凹凸係合することにより、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が高トルク角度で保持されるようにした。そのため、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度でしっかりと保持できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、コア磁極部間に追加磁石を設けた点である。このため、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態のコア本体41(ロータコア22)における隣り合うコア磁極部32間には、追加磁石75が固定されている。追加磁石75には、長方形板状に形成されたセグメント磁石が採用されている。追加磁石75におけるロータ4の軸方向と直交する断面形状は、上記空隙45の断面形状に対応した長方形状とされており、追加磁石75は空隙45内に挿入されることでコア本体41に固定されている。そして、追加磁石75は、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度とした状態でコア磁極部32と対向する供給体磁極部34の極性と同一の極性が、該コア磁極部32側に現れるように、該追加磁石75の板厚方向(ロータ4の周方向に略沿った方向)に磁化されている。
図9(a)に示すように、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度とした場合には、コア磁極部32の極性と対向する追加磁石75の極性とが同一になるため、追加磁石75で作られる磁束は、ステータ3とコア磁極部32との間を通過する磁束と同方向に流れるようになる。これにより、ステータ3とコア磁極部32との間を通過する磁束(鎖交磁束)が増加するため、より高いトルクが出力可能となる。
一方、図9(b)に示すように、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高速回転角度とした場合には、コア磁極部32の極性と対向する追加磁石75の極性とが反対になるため、追加磁石75で作られる磁束は、ステータ3とコア磁極部32との間を通過する磁束と逆方向に流れるようになる。これにより、ステータ3とコア磁極部32との間を通過する磁束が減少するため、誘起電圧を小さく押さえることが可能になり、より高速回転させることが可能になる。
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1),(2),(4),(5)の作用効果に加えて以下の作用効果を奏することができる。
(6)ロータ4に追加磁石75を設けたため、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度とした場合により高いトルクを出力できるとともに、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高速回転角度とした場合により高速回転させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、角度調整装置の構成である。このため、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図10及び図11に示すように、本実施形態の回転電機1には、小型モータ82を有する角度調整装置81が設けられている。なお、本実施形態の小型モータ82には、ブラシ付きの直流モータが採用されている。また、本実施形態のステータ3のティース12には、調整コイル71は設けられていない。
詳しくは、支持部材53におけるカバー8側(図10中、右側)の端部には、周方向の所定範囲に亘って径方向外側に突出する歯部83が形成されている。小型モータ82は、カバー8側に設けられた連結部材43(ロータ4)と一体回転可能に固定されている。連結部材43におけるコア本体41との連結部分には、その内外周に貫通した設置溝84が形成されており、この設置溝84に小型モータ82が設置されている。また、連結部材43の外周には、スリップリング85が固定されるとともに、スリップリング85には、カバー8に固定されたブラシ86が摺接している。そして、小型モータ82は、これらスリップリング85及びブラシ86を介して制御装置6に接続されている。
小型モータ82には、駆動ギヤとしてのウォームギヤ87が駆動連結されている。そして、ウォームギヤ87の歯部88は、上記供給体コア51の支持部材53に形成された歯部83と噛合している。これにより、小型モータ82によって回転駆動されたウォームギヤ87の回転が支持部材53に伝達されることで、磁束供給体35がロータ4に対して相対回転する。つまり、本実施形態では、支持部材53が従動ギヤに相当する。そして、小型モータ82の作動によりロータ4と磁束供給体35との相対回転角度が、高トルク角度と高速回転角度との間で調整される。なお、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度は、上記のように支持部材53の歯部83がウォームギヤ87を介して連結されていることから、小型モータ82の保持トルク(コギングトルク)によって保持される。
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3)の作用効果に加えて以下の作用効果を奏することができる。
(7)小型モータ82により回転駆動されたウォームギヤ87の回転を磁束供給体35の支持部材53に伝達することで、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を変更するようにした。そのため、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を、容易に高トルク角度と高速回転角度との間の任意の角度に調整することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を図面に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、ロータ及び磁束供給体の構成である。このため、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図12及び図13に示すように、本実施形態のロータ4は、円柱状に形成されたロータコア91と、上記永久磁石23とを備えている。ロータコア91の中央には、軸方向に貫通した嵌合孔92が形成されており、この嵌合孔92が回転軸21の外周に圧入されることにより、回転軸21と一体回転可能に設けられている。なお、ロータコア91は、電磁鋼板を複数枚積層することにより構成されている。
ロータコア91には、上記第1実施形態と同様に、複数の空洞部93及び空隙94が形成されている。なお、空隙94は、軸方向に延びる断面長方形の孔状に形成されている。そして、永久磁石23が空洞部93に挿入されてロータコア91に固定されることで、マグネット磁極部31とコア磁極部32とが構成されている。また、各磁極ブロック33の内周側には、永久磁石23で作られる磁束が内周側に流れることを抑制するための空隙95が形成されている。なお、各空隙95は、略半円形状に形成されている。
図12及び図14に示すように、本実施形態の磁束供給体35は、ロータ4の軸方向一端側(図12中、左側)に軸方向に間隔を空けて配置されるとともに、ロータ4に対して相対回転可能に設けられている。磁束供給体35は、円板状の供給体コア101と、供給体コア101に固定される複数の補助磁石102とを備えている。
詳しくは、供給体コア101の中央には、軸方向に貫通した貫通孔103が形成されている。そして、供給体コア101は、貫通孔103に設けられた軸受104を介して回転軸21に相対回転可能に支持されている。また、供給体コア101のロータ4との対向面には、円環状の固定溝105が形成されている。なお、供給体コア101は、磁性材料により構成されている。
補助磁石102には、ロータ4の軸方向と直交する断面形状が扇形の板状に形成されたセグメント磁石が採用されている。補助磁石102の周方向に沿った幅は、磁極ブロック33の周方向に沿った幅よりも僅かに小さく形成されている。また、補助磁石102は、隣り合う補助磁石102との間に隙間を空けるとともに、固定溝105の内周側の側面との間に間隔を空けて固定溝105に挿入されている。そして、補助磁石102は、ロータ4側に現れる極性が周方向に沿って交互に反対になるように、その板厚方向(ロータ4の軸方向)に磁化されている。これにより、本実施形態では、補助磁石102自体が供給体磁極部34として機能する。
なお、磁束供給体35は、その相対回転角度が高速回転角度とされた場合には、永久磁石23と供給体磁極部34(補助磁石102)との間に作用する磁気的な吸引力によって保持される。一方、ロータ4と磁束供給体35との間には、保持機構61が設けられており、磁束供給体35は、その相対回転角度が高トルク角度とされた場合には、保持機構61によって保持される。また、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度は、上記第1実施形態と同様に調整コイル71への通電により、コア磁極部32と径方向に対向する部位に調整磁極72を発生させることで変更される。
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(5)と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1、第2及び第4実施形態において、例えば永久磁石23の配置や形状等を変更することにより、ロータ4と磁束供給体35との間に作用する磁気的な力の釣り合いによって、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度及び高速回転角度のそれぞれで保持できれば、保持機構61を省略してもよい。
・上記第1、第2及び第4実施形態では、第1係合部65を凸形状とし、第2係合部66を凹形状としたが、これに限らず、第1係合部65を凹形状とし、第2係合部66を凸形状としてもよい。
・上記第1、第2及び第4実施形態では、第1及び第2係合部65,66の表面65a,66aをそれぞれ半球状に形成したが、これに限らず、例えば円錐状等に形成してもよい。要は、表面65a,66aが周方向に対して傾斜しており、ロータ4と磁束供給体35とが相対回転することにより、第1保持部材63にコイルバネ64の付勢方向と反対方向の押圧力が作用し、第1係合部65と第2係合部66との凹凸係合を解除するような形状であれば、表面65a,66aの形状は適宜変更可能である。また、第1及び第2係合部65,66のいずれか一方が周方向に対して傾斜した傾斜面を有していない構成としてもよい。
・上記第1、第2及び第4実施形態では、コイルバネ64を用いて第1保持部材63の第1係合部65と支持部材53の第2係合部66とを係合させたが、これに限らず、例えば皿バネ等の他のバネ部材やゴム等の弾性体を用いて第1係合部65と第2係合部66とを係合させてもよい。
・上記第1及び第2実施形態において、例えば磁束供給体35に第1保持部材63及びコイルバネ64を設け、ロータ4の連結部材42に第2係合部66を形成してもよい。なお、この場合、連結部材42が第2保持部材となる。同様に、上記第4実施形態において、磁束供給体35に第1保持部材63及びコイルバネ64を設け、ロータコア91に第2係合部66を形成してもよい。なお、この場合、ロータコア91が第2保持部材となる。
・上記第3実施形態では、駆動ギヤとしてウォームギヤ87を用いたが、これに限らず、例えばスパーギヤ等を用いてもよい。また、供給体コア51に対してウォームギヤ87と噛合する歯部83を有する従動ギヤ(ウォームホイール等)を別途固定してもよい。
・上記第3実施形態では、小型モータ82にブラシ付きの直流モータを用いたが、これに限らず、例えばブラシレスモータやステッピングモータ等を用いてもよい。
・上記第3実施形態において、小型モータ82を磁束供給体35と一体可能に固定し、小型モータ82に連結された駆動ギヤと噛合する従動ギヤをロータ4と一体回転可能に固定してもよい。
・上記第4実施形態において磁束供給体35をロータ4の軸方向両側に設けてもよい。
・上記第1、第2及び第4実施形態では、調整コイル71への通電により、コア磁極部32と径方向に対向する部位に調整磁極72を発生させることでロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を変更した。しかし、これに限らず、例えばステータ3に調整コイル71を設けず、コイル15に供給するd軸電流を制御することで、コア磁極部32と径方向に対向する部位に磁極を発生させてロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を変更してもよい。なお、この構成では、コイル15が調整コイルとしても機能することになるため、回転電機1をより簡素な構成とすることができる。
・上記各実施形態において、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を変更するための構成(角度調整装置)は適宜変更可能である。例えば磁束供給体35の内周側に補助ステータを設け、補助ステータに供給体磁極部34に対して作用する回転磁界を発生させることで、磁束供給体35をロータ4に対して相対回転させてもよい。また、例えばロータ4の軸端面に周方向に沿って傾斜した傾斜面を設け、該傾斜面にソレノイドにより軸方向に沿って往復動するピンを押し付けることで、磁束供給体35をロータ4に対して相対回転させてもよい。
・上記各実施形態では、マグネット磁極部31に永久磁石23を1つだけ設けたが、これに限らず、例えば、図15(a)に示すように、周方向において同一の極性(N極又はS極)が対向する一対の永久磁石23a,23bを設けてもよい。なお、永久磁石23の形状を、長方形板状以外の形状としてもよいことはいうまでもない。
・上記第1〜第3実施形態では、永久磁石23をロータコア22の空洞部44に埋め込む態様で固定したが、これに限らず、例えば図15(b)に示すように永久磁石23をロータコア22の表面に固定してもよい。つまり、ロータ4を所謂表面磁石型のロータとして構成してもよい。同様に、上記第4実施形態において、永久磁石23をロータコア91の表面に固定してもよい。
・上記各実施形態では、補助磁石52,102を供給体コア51,101の表面に固定したが、これに限らず、供給体コア51,101に空洞部を形成し、該空洞部に埋め込む態様で固定してもよい。また、供給体コア51に固定する補助磁石52の数を半分とし、磁束供給体35を所謂ハーフマグネット型(コンシクエントポール型)のロータと同様の構成としてもよい。
・上記各実施形態おいて、例えば補助磁石52,102として環状のリング磁石を用いてもよい。なお、この場合において、磁束供給体35に供給体コア51,101を設けず、補助磁石52,102自体をロータ4の径方向内側に回転可能に支持してもよい。つまり、磁束供給体35が補助磁石52,102のみからなる構成としてもよい。
・上記第1実施形態において、例えば図15(c)に示すように、コア本体41における隣り合うマグネット磁極部31間に空隙111を形成してもよい。このように構成することで、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度とした状態で、永久磁石23で作られる磁束が隣り合うマグネット磁極部31側に流れることが低減され、コア磁極部32側に流れるようになるため、ステータ3とコア磁極部32との間を通過する磁束を増加させることができる。
また、例えば図15(d)に示すように、マグネット磁極部31間に追加磁石112を設けてもよい。追加磁石112は、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度とした状態でマグネット磁極部31と対向する供給体磁極部34の極性と同一の極性が、該マグネット磁極部31側に現れるように、該追加磁石112の板厚方向(ロータ4の周方向に略沿った方向)に磁化されている。ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度とした状態で、追加磁石112で作られる磁束がコア磁極部32側に流れるようになるため、ステータ3とコア磁極部32との間を通過する磁束を効果的に増加させることができる。
なお、上記第2〜第4実施形態においても同様に、マグネット磁極部31間に空隙又は追加磁石を設けてもよい。
・上記各実施形態では、隣り合うコア磁極部32間に空隙45を形成したが、これに限らず、ステンレス鋼等の非磁性材料を設けてもよい。また、隣り合うコア磁極部32間に空隙45等の磁気抵抗部を設けなくてもよい。
・上記各実施形態において、各マグネット磁極部31とコア磁極部32との間に空隙を形成してもよい。
・上記各実施形態では、ステータ3のスロット数を6個とし、ロータ4の磁極数を4個又は8個に変更可能とした。しかし、これに限らず、スロット数を3N個とした場合、ロータ4の磁極数が2N個又は4N個となる関係を満たさなくともよく、スロット数及び磁極数は適宜変更可能である。
・上記各実施形態では、回転電機1をインナロータ型のラジアルギャップモータとして構成したが、これに限らず、アウタロータ型のラジアルギャップモータとして構成してもよい。また、回転電機1をアキシャルギャップモータとして構成してもよい。なお、この場合には、上記第4実施形態に示すロータ4及び磁束供給体35の構造を採用することが好ましい。
・上記各実施形態では、磁束供給体35の相対角度を高トルク角度とした場合及び高速回転角度とした場合のそれぞれにおいて、供給体磁極部34の周方向中央位置がマグネット磁極部31とコア磁極部32との境界と径方向に対向するようにした。しかし、これに限らず、供給体磁極部34の周方向中央位置が前記境界と対向しなくてもよく、磁束供給体35を高トルク角度とした場合には、同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31と反対の極性の供給体磁極部34が、コア磁極部32と対向していればよい。同様に、磁束供給体35を高速回転角度とした場合には、同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31と同一の極性の供給体磁極部34が、コア磁極部32と対向していればよい。
また、ロータ4と磁束供給体35との相対角度を高トルク角度とした場合において、コア磁極部32と対向する全ての供給体磁極部34が、該コア磁極部32と同じ磁極ブロック33内におけるマグネット磁極部31の極性と反対の極性とならずともよく、例えば1つの供給体磁極部34が同じ磁極ブロック33内におけるマグネット磁極部31の極性と反対の極性になっていなくてもよい。同様に、ロータ4と磁束供給体35との相対角度を高速回転角度とした場合において、コア磁極部32と対向する全ての供給体磁極部34が、該コア磁極部32と同じ磁極ブロック33内におけるマグネット磁極部31の極性と同一の極性とならずともよく、例えば1つの供給体磁極部34が同じ磁極ブロック33内におけるマグネット磁極部31の極性と同一の極性となっていなくてもよい。
・上記各実施形態では、補助磁石52を、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高速回転角度とした状態で、コア磁極部32の極性が同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31と同一になるような量の磁束を供給可能な強さに磁化した。しかし、これに限らず、補助磁石52を、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高速回転角度とした状態で、コア磁極部32の極性が同じ磁極ブロック33のマグネット磁極部31の極性と反対のままになるような量の磁束しか供給できない強さに磁化してもよい。この場合でも、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高速回転角度にすると、磁束供給体35からロータ4に供給される磁束は、ステータ3とコア磁極部32との間を、永久磁石23で作られる磁束と逆方向に流れるようになる。そのため、ロータ4と磁束供給体35との相対回転角度を高トルク角度にした場合に比べ、ステータ3とコア磁極部32との間を通過する磁束が減少する。これにより、誘起電圧を小さく抑えることが可能になり、ロータ4を高速回転させることが可能になる。
・上記各実施形態では、回転電機1を電気自動車やハイブリッド自動車の駆動源として用いたが、これに限らず、例えば電動パワーステアリング装置等の他の装置の駆動源として用いてもよく、また、発電機として用いてもよい。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)隣り合う前記マグネット磁極部間には、磁気抵抗の高い磁気抵抗部が設けられたことを特徴とする回転電機。上記構成によれば、ロータと磁束供給体との相対回転角度を高トルク角度とした状態で、永久磁石で作られる磁束が隣り合うマグネット磁極部側に流れることを低減し、コア磁極部側に流れるようにすることで、ステータとコア磁極部との間を通過する磁束を増加させることができる。
(ロ)隣り合う前記マグネット磁極部間には、追加磁石が設けられ、前記追加磁石は、前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を前記高トルク角度とした状態で前記マグネット磁極部と対向する前記供給体磁極部の極性と同一の極性が該マグネット磁極部側に現れるように磁化されたことを特徴とする回転電機。上記構成によれば、ロータと磁束供給体との相対回転角度を高トルク角度とした状態で、追加磁石で作られる磁束がコア磁極部側に流れるようになるため、ステータとコア磁極部との間を通過する磁束を効果的に増加させることができる。
1…回転電機、3…ステータ、4…ロータ、6…制御装置、12…ティース、13…ステータコア、15…コイル、21…回転軸、22,91…ロータコア、23,23a,23b…永久磁石、31…マグネット磁極部、32…コア磁極部、33…磁極ブロック、34…供給体磁極部、35…磁束供給体、41…コア本体、44,93…空洞部、45,94,95,111…空隙、51,101…供給体コア、52,102…補助磁石、61…保持機構、63…第1保持部材、64…コイルバネ、65…第1係合部、66…第2係合部、71…調整コイル、72…調整磁極、75,112…追加磁石、81…角度調整装置、82…小型モータ、87…ウォームギヤ。

Claims (9)

  1. ステータコア、及び前記ステータコアのティースに設けられるコイルを有するステータと、
    回転軸に一体回転可能に固定されたロータコア、及び前記ロータコアに固定された永久磁石を有するロータとを備えた回転電機において、
    前記ロータは、前記永久磁石の極性に応じた極性が現れるマグネット磁極部、及び前記マグネット磁極部と周方向に隣り合って配置されるコア磁極部を有する複数の磁極ブロックに区分され、
    前記複数の磁極ブロックは、前記各マグネット磁極部のうちの極性の異なる前記マグネット磁極部が周方向において隣り合うとともに前記各コア磁極部が周方向において隣り合うように並んでおり、
    前記ロータに対して相対回転可能に支持されるとともに、異なる極性の供給体磁極部が周方向に並んで形成された磁束供給体と、
    前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を、高トルク角度と高速回転角度との間で調整する角度調整装置とを備えたことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記高トルク角度は、一の前記磁極ブロック内における前記コア磁極部と対向する前記供給体磁極部が、該一の磁極ブロック内における前記マグネット磁極部の極性と反対の極性となる角度であり、
    前記高速回転角度は、一の前記磁極ブロック内における前記コア磁極部と対向する前記供給体磁極部が、該一の磁極ブロック内における前記マグネット磁極部の極性と同一の極性となる角度であることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機において、
    前記磁束供給体は、前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を前記高速回転角度とした状態で、一の磁極ブロック内において、前記コア磁極部の極性が前記マグネット磁極部の極性と同一になるような量の磁束を供給可能に構成されたことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機において、
    前記ステータのスロット数が3N(ただし、Nは自然数)個であり、前記磁極ブロックの数が2N個であることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転電機において、
    隣り合う前記コア磁極部間には、磁気抵抗の高い磁気抵抗部が設けられたことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転電機において、
    隣り合う前記コア磁極部間には、追加磁石が設けられ、
    前記追加磁石は、前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を前記高トルク角度とした状態で前記コア磁極部と対向する前記供給体磁極部の極性と同一の極性が該コア磁極部側に現れるように磁化されたことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転電機において、
    前記角度調整装置は、
    前記ティースに設けられる調整コイルと、
    前記調整コイルへの通電により前記コア磁極部と対向する部位に調整磁極を発生させる制御装置とを備えたことを特徴とする回転電機。
  8. 請求項7に記載の回転電機において、
    前記ロータ及び前記磁束供給体のいずれか一方と一体回転するとともに、第1係合部が形成された第1保持部材と、
    前記ロータ及び前記磁束供給体の他方と一体回転するとともに、前記第1係合部と係合することにより前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度を前記高トルク角度で保持する第2係合部が形成された第2保持部材と、
    前記第1保持部材と前記第2保持部材側とを係合させる係合部材とを備え、
    前記第1及び第2係合部の少なくとも一方は、周方向に対して傾斜した傾斜面を有し、
    前記傾斜面は、前記ロータと前記磁束供給体との相対回転角度が前記高トルク角度にある状態から、前記ロータと前記磁束供給体とが相対回転することにより、該第1係合部と該第2係合部との係合を解除するように形成されたことを特徴とする回転電機。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転電機において、
    前記角度調整装置は、
    前記ロータ及び前記磁束供給体のいずれか一方と一体回転する小型モータと、
    前記小型モータに駆動連結された駆動ギヤと、
    前記ロータ及び前記磁束供給体の他方と一体回転するとともに、前記駆動ギヤと噛合する従動ギヤとを備えたことを特徴とする回転電機。
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