JP2021085677A - 時計用ムーブメントおよび時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】指針の基準位置を検出できる時計用ムーブメントおよび時計において、消費電力の低減を図る。【解決手段】ムーブメント4は、1ステップずつ回転するロータ22を有し、ロータ22の回転により秒針を回転させる第3モータ20Cと、ロータ22の回転に基づいて回転する第2秒中間車38と、第2秒中間車38を回転可能に支持する地板14と、第2秒中間車38に対して固定的に配置された磁石50と、地板14に対して固定的に配置され、磁石50の回転位置に応じて磁石50の磁気ポテンシャルに差を発生させる磁気抵抗部62が形成された磁性体部60と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、時計用ムーブメントおよび時計に関するものである。
時計において、指針の位置を検出する手法として、指針が基準位置に位置する際にステッピングモータのロータに負荷変動を生じるように輪列を形成し、ロータの回転状態を誘起電圧により検出して指針の基準位置を判断する技術がある。指針の基準位置に対応する負荷変動をモータに発生させる機構の一例として、指針に連動して回転する所定の歯車の1つの歯を他の歯とは異なる特異形状に形成する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、前記1つの歯が他の歯車と噛み合う際にロータに負荷変動が生じる。
しかしながら、特異形状の歯が他の歯車と噛み合う場合には、標準の歯が他の歯車と噛み合う場合と比較して、ロータが受ける負荷が上昇する。このため、標準的な歯のみを有する歯車同士が噛み合う構成と比較して、運針時の消費電力が上昇する。
そこで本発明は、指針の基準位置を検出できる時計用ムーブメントおよび時計において、消費電力の低減を図ることを目的とする。
本発明の時計用ムーブメントは、1ステップずつ回転するロータを有し、前記ロータの回転により指針を回転させるステッピングモータと、前記ロータの回転に基づいて回転する歯車と、前記歯車を回転可能に支持する基板と、前記歯車に対して固定的に配置された磁石と、前記基板に対して固定的に配置され、前記磁石の回転位置に応じて前記磁石の磁気ポテンシャルに差を発生させる磁気抵抗部が形成された磁性体部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、歯車とともに磁石を回転させることで、磁石と磁性体部との間の磁力を変化させることができる。このため、歯車の回転位置に応じて歯車に作用する負荷が変化するので、ロータが受ける負荷に変動を与えることができる。ここで、磁石と磁性体部との間に作用する力が磁力であることから、回転する歯車に作用する負荷は、磁石の磁極が磁気抵抗部に近接する所定の位置を境に正負逆転する。さらに、回転する歯車に作用する負荷の極大値、および極小値の絶対値は、互いに等しくなる。このため、歯車の1回転に要するエネルギーは、歯車に負荷が作用しない場合と等しくなる。したがって、指針の基準位置を検出できる時計用ムーブメントにおいて、消費電力の低減を図ることができる。
また、歯車に作用する負荷は、歯車が1回転する間に特定の回転位置で極大および極小となる。このため、従来技術のように特異形状の歯を歯車に1個だけ設けた構成と比較して、歯車の回転位置を判定するための情報量を増加させることができる。これにより、歯車の回転位置を精度よく検出できる。したがって、歯車と同期して回転する指針の基準位置を精度よく検出できる。
また、歯車のいずれの回転位置においても、第1方向に回転する歯車に作用する負荷は、第2方向に回転する歯車に作用する負荷の反数となる。このため、歯車を第1方向に回転させた場合に負荷が極大となる位置は、歯車を第2方向に回転させた場合に負荷が極小となる位置である。よって、歯車をいずれの方向に回転させた場合であっても、歯車に作用する負荷が極大となる位置、および極小となる位置の少なくともいずれか一方を検出することで、歯車の回転位置を検出できる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記磁性体部における前記歯車の回転軸線上には、貫通孔が形成され、前記貫通孔の内側には、前記磁石が配置され、前記磁気抵抗部は、前記貫通孔の内周面に形成された切欠であってもよい。
本発明によれば、切欠の内側の透磁率は磁性体部における切欠の周囲よりも低くなる。このため、磁石の磁極が切欠に近接する歯車の回転位置で、磁石の磁気ポテンシャルが極大となる。また、磁石の磁極が磁性体部のうち周方向で切欠から離間した箇所に対向する歯車の回転位置で、磁石の磁気ポテンシャルが極小となる。これにより、磁気抵抗部は磁石の回転位置に応じて磁石の磁気ポテンシャルに差を発生させることができ、上述した作用効果を奏することができる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記指針が取り付けられ、前記ロータに対して第1減速比で回転する指針車を備え、前記歯車は、前記ロータに対して第2減速比で回転し、Mを自然数とし、NをMの約数として、前記第2減速比は、前記第1減速比のM倍であり、前記磁気抵抗部は、前記歯車の周方向に等間隔でN個配置されていてもよい。
本発明によれば、磁石の磁気ポテンシャルが極大となる歯車の回転位置が等角度間隔でNか所発生する。磁石の磁気ポテンシャルが極小となる歯車の回転位置についても同様である。歯車は指針車がM回転する毎に1回転するので、指針車が整数周回転する毎に磁石の磁気ポテンシャルが1回極大および極小となる。このため、指針車が基準位置にあるタイミングに対して、歯車に作用する負荷が極大または極小となるタイミングを固定的に1回設定することができる。よって、ロータが受ける負荷の変動によって、容易に指針の基準位置を判断することが可能となる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記磁石は、前記歯車とは別に形成され、前記歯車に組み付けられていてもよい。
本発明によれば、歯車を磁化させる工程、または磁化した部材から歯車を形成する工程を行わずに、磁石を歯車に対して固定的に配置できる。したがって、歯車の一部を磁石とする構成と比較して、歯車を精密かつ容易に形成できる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記基板は、樹脂材料により形成され、前記磁性体部は、前記基板に組み付けられていてもよい。
本発明によれば、基板と磁石との相互作用を抑制できるので、磁性体部によって磁石の磁気ポテンシャル等を調整できる。したがって、基板が磁性材料により形成されている構成と比較して、設計容易な時計用ムーブメントとすることができる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記ステッピングモータは、内側に前記ロータが配置されるロータ収容孔が形成されたステータヨークを備え、前記磁性体部は、前記ステータヨークと同一形状に形成されていてもよい。
本発明によれば、磁性体部とステータヨークとを共通化できるので、磁性体部として専用の部品を用いる場合と比較して、部品の種類を削減できる。したがって、ムーブメントの低コスト化を図ることができる。
本発明の時計は、上記の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明によれば、指針の基準位置を検出できる時計において、消費電力の低減を図ることができる。
本発明によれば、指針の基準位置を検出できる時計用ムーブメントおよび時計において、消費電力の低減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
[第1実施形態]
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。ムーブメントの両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側(すなわち、文字板のある方の側)をムーブメントの「裏側」と称する。また、ムーブメントの両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側(すなわち、文字板と反対の側)をムーブメントの「表側」と称する。
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。ムーブメントの両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側(すなわち、文字板のある方の側)をムーブメントの「裏側」と称する。また、ムーブメントの両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側(すなわち、文字板と反対の側)をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、第1実施形態を示す時計の外観図である。
図1に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋およびガラス3からなる時計ケース2内に、ムーブメント4(時計用ムーブメント)と、目盛りを有する文字板5と、時針6、分針7および秒針8(指針)と、を備えている。ムーブメント4は、文字板5とケース裏蓋との間に配置されている。ムーブメント4は、時針6、分針7および秒針8が取り付けられる機構モジュール10と、機構モジュール10の表側に配置され機構モジュール10を制御する回路ブロック(不図示)と、を備える。機構モジュール10は、時計本体に対して着脱可能の別体のユニットの形態として構成され、時計本体を完成品とした場合の半製品、中間製品として取り扱われるものである。
図1に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋およびガラス3からなる時計ケース2内に、ムーブメント4(時計用ムーブメント)と、目盛りを有する文字板5と、時針6、分針7および秒針8(指針)と、を備えている。ムーブメント4は、文字板5とケース裏蓋との間に配置されている。ムーブメント4は、時針6、分針7および秒針8が取り付けられる機構モジュール10と、機構モジュール10の表側に配置され機構モジュール10を制御する回路ブロック(不図示)と、を備える。機構モジュール10は、時計本体に対して着脱可能の別体のユニットの形態として構成され、時計本体を完成品とした場合の半製品、中間製品として取り扱われるものである。
図2は、第1実施形態の機構モジュールの内部構成を表側から見た平面図である。図3は、第1実施形態の機構モジュールの断面図である。
図2に示すように、機構モジュール10は、時針駆動機構11と、分針駆動機構12と、秒針駆動機構13と、を備える。また、図3に示すように、機構モジュール10は、時針駆動機構11、分針駆動機構12および秒針駆動機構13を支持する地板14および輪列受15と、地板14の裏側に配置され地板14に固定された筒車押さえ16と、地板14と輪列受15との間に配置された二番受17と、を備える。地板14は、機構モジュール10の基板を構成している。地板14は、非磁性の樹脂材料により形成されている。
図2に示すように、機構モジュール10は、時針駆動機構11と、分針駆動機構12と、秒針駆動機構13と、を備える。また、図3に示すように、機構モジュール10は、時針駆動機構11、分針駆動機構12および秒針駆動機構13を支持する地板14および輪列受15と、地板14の裏側に配置され地板14に固定された筒車押さえ16と、地板14と輪列受15との間に配置された二番受17と、を備える。地板14は、機構モジュール10の基板を構成している。地板14は、非磁性の樹脂材料により形成されている。
図2に示すように、時針駆動機構11は、時針6(図1参照)を回転させる。時針駆動機構11は、第1モータ20Aと、時輪列30Aと、を備える。
第1モータ20Aは、時針6を回転させる動力を発生させる。第1モータ20Aは、ステータ21およびロータ22を有するステッピングモータである。第1モータ20Aは、1ステップでロータ22を180°回転させる。ロータ22は、径方向に2極に着磁されることにより磁気的な極性を有する。ロータ22は、地板14および輪列受15(図3参照)によって回転可能に支持されている。ロータ22には、かなが形成されている。
ステータ21は、ステータヨーク23と、ステータヨーク23に接合された磁心24と、磁心24に巻回されたコイル25と、を備える。ステータヨーク23は、パーマロイ等の高透磁率材料(軟磁性材料)を用いた板材により形成されている。ステータヨーク23における磁心24との結合部間には、円形状のロータ収容孔26が形成されている。ロータ収容孔26は、ステータヨーク23をその厚さ方向に貫通している。ロータ収容孔26の内側には、ロータ22が配置される。
磁心24は、ステータヨーク23の両端部に磁気的に接続されている。磁心24には、コイル25が巻回されている。コイル25を励磁すると、磁心24およびステータヨーク23に沿って磁束が流れる。
時輪列30Aは、第1モータ20Aのロータ22の回転を時針6に伝達する。時輪列30Aは、第1モータ20Aのロータ22の回転に基づいて回転する歯車として、第1時中間車31と、第2時中間車32と、筒車33と、を有する。
第1時中間車31は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第1時中間車31は、第1時中間歯車31aと第1時中間かな31bとを有する。第1時中間歯車31aは、第1モータ20Aのロータ22のかなと噛み合っている。
第2時中間車32は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第2時中間車32は、第2時中間歯車32aと第2時中間かな32bとを有する。第2時中間歯車32aは、第1時中間車31の第1時中間かな31bと噛み合っている。
図3に示すように、筒車33は、地板14の裏側において中心パイプ18に回転可能に外挿されている。中心パイプ18は、地板14に保持されている。中心パイプ18は、地板14から裏側へ突出している。筒車33は、筒車押さえ16に裏側から針座を介して押さえられている。筒車33の裏側の端部には、時針6(図1参照)が取り付けられる。筒車33は、筒歯車33aを有する。筒歯車33aは、第2時中間車32の第2時中間かな32b(図2参照)と噛み合っている。
図2に示すように、分針駆動機構12は、分針7(図1参照)を回転させる。分針駆動機構12は、第2モータ20Bと、分輪列30Bと、を備える。第2モータ20Bは、分針7を回転させる動力を発生させる。第2モータ20Bは、第1モータ20Aと同じ構成を有する。
分輪列30Bは、第2モータ20Bのロータ22の回転を分針7に伝達する。分輪列30Bは、第2モータ20Bのロータ22の回転に基づいて回転する歯車として、第1分中間車34と、第2分中間車35と、分車36と、を有する。
第1分中間車34は、地板14および輪列受15(図3参照)に回転可能に支持されている。第1分中間車34は、第1分中間歯車34aと第1分中間かな34bとを有する。第1分中間歯車34aは、第2モータ20Bのロータ22のかなと噛み合っている。
第2分中間車35は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第2分中間車35は、第2分中間歯車35aと第2分中間かな35bとを有する。第2分中間歯車35aは、第1分中間車34の第1分中間かな34bと噛み合っている。
図3に示すように、分車36は、二番受17および中心パイプ18に回転可能に支持されている。分車36は、分車真36aと、分車真36aに組み付けられた分歯車36bと、を有する。分車真36aは、円筒状に形成され、中心パイプ18の内側に挿入されている。分車真36aは、筒車33よりも裏側へ突出している。分車真36aの裏側の端部には、分針7(図1参照)が取り付けられる。分歯車36bは、第2分中間車35の第2分中間かな35b(図2参照)と噛み合っている。
図2および図3に示すように、秒針駆動機構13は、秒針8(図1参照)を回転させる。秒針駆動機構13は、第3モータ20Cと、秒輪列30Cと、を備える。第3モータ20Cは、秒針8を回転させる動力を発生させる。第3モータ20Cは、第1モータ20Aと同じ構成を有する。
秒輪列30Cは、第3モータ20Cのロータ22の回転を秒針8に伝達する。秒輪列30Cは、第3モータ20Cのロータ22の回転に基づいて回転する歯車として、第1秒中間車37と、第2秒中間車38と、秒車39(指針車)と、を有する。
第1秒中間車37は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第1秒中間車37は、第1秒中間歯車37aと第1秒中間かな37bとを有する。第1秒中間歯車37aは、第3モータ20Cのロータ22のかなと噛み合っている。第1秒中間車37は、第3モータ20Cのロータ22に対して減速比5で回転する。
第2秒中間車38は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第2秒中間車38は、第2秒中間歯車38aを有する。第2秒中間歯車38aは、第1秒中間車37の第1秒中間かな37bと噛み合っている。第2秒中間車38は、第1秒中間車37に対して減速比12で回転する。すなわち、第2秒中間車38は、第3モータ20Cのロータ22に対して減速比60で回転する。
秒車39は、輪列受15および分車真36aに回転可能に支持されている。秒車39は、秒車真39aと、秒車真39aに組み付けられた秒歯車39bと、を備える。秒車真39aは、分車真36aの内側に挿入されている。秒車真39aは、分車真36aよりも裏側へ突出している。秒車真39aの裏側の端部には、秒針8が取り付けられている。秒歯車39bは、第2秒中間車38の第2秒中間歯車38aに噛み合っている。秒車39は、第2秒中間車38に対して減速比0.5で回転する。すなわち、秒車39は、第3モータ20Cのロータ22に対して減速比30で回転する。
機構モジュール10は、磁石50と、磁性体部60と、を備える。磁石50は、第2秒中間車38に固定的に配置されている。磁石50は、第2秒中間歯車38aと地板14との間に配置されている。磁性体部60は、地板14に固定的に配置されている。磁性体部60は、地板14の表側の主面上に配置されている。磁性体部60は、表側から見て第2秒中間歯車38aと重なる位置に配置されている。磁性体部60は、表裏方向に直交する方向から見て磁石50に重なる位置に配置されている。
図4は、第1実施形態の第2秒中間車および磁石を示す斜視図である。図5は、第1実施形態の第2秒中間車および磁石を示す分解斜視図である。
図4および図5に示すように、磁石50は、円環状に形成され、径方向に2極に着磁されている。磁石50は、第2秒中間車38の軸部の外周面に装着されている。磁石50は、磁石50よりも地板14側で第2秒中間車38の軸部に固定された磁石枠51によって、第2秒中間車38に固定されている。磁石50の一対の磁極は、第2秒中間車38の周方向で180°ずれている。磁石50は、磁極軸が第2秒中間車38の回転軸線に直交するように配置されている。
図4および図5に示すように、磁石50は、円環状に形成され、径方向に2極に着磁されている。磁石50は、第2秒中間車38の軸部の外周面に装着されている。磁石50は、磁石50よりも地板14側で第2秒中間車38の軸部に固定された磁石枠51によって、第2秒中間車38に固定されている。磁石50の一対の磁極は、第2秒中間車38の周方向で180°ずれている。磁石50は、磁極軸が第2秒中間車38の回転軸線に直交するように配置されている。
図6は、第1実施形態の磁性体部を示す斜視図である。
図6に示すように、磁性体部60は、パーマロイ等の高透磁率材料(軟磁性材料)により形成されている。磁性体部60は、平板状に形成されている。磁性体部60は、磁石50よりも厚く形成されている。磁性体部60は、地板14から表側に突出したピンが磁性体部60の孔に挿入されることで地板14に固定される。
図6に示すように、磁性体部60は、パーマロイ等の高透磁率材料(軟磁性材料)により形成されている。磁性体部60は、平板状に形成されている。磁性体部60は、磁石50よりも厚く形成されている。磁性体部60は、地板14から表側に突出したピンが磁性体部60の孔に挿入されることで地板14に固定される。
図3に示すように、磁性体部60は、第2秒中間車38の径方向の外側から磁石50を全周にわたって囲んでいる。磁性体部60には、貫通孔61が形成されている。貫通孔61は、第2秒中間車38の回転軸線上に形成されている。貫通孔61の内側には、磁石50が相対回転可能に配置されている。貫通孔61は、表側から見て第2秒中間車38の回転軸線と同心の円形状に形成されている(図2参照)。貫通孔61の内周面は、第2秒中間車38の軸方向に一様に延びている。貫通孔61の内周面は、磁石50の磁極に対向している。
図6に示すように、貫通孔61の内周面には、一対の切欠62(磁気抵抗部)が形成されている。換言すると、貫通孔61の内周面の一部には、切欠62によって非磁性の空隙が形成されている。一対の切欠62は、第2秒中間車38の周方向に等間隔で設けられている。すなわち、一対の切欠62は、第2秒中間車38の回転軸線回りに180°間隔で設けられている。各切欠62は、磁性体部60の表面から裏面にわたって延びている。
図2に示すように、磁石50の周囲のうち切欠62が形成された位置は、磁気抵抗が局所的に高くなっている。これにより、一対の切欠62は、磁性体部60に対する磁石50の回転位置に応じて磁石50の磁気ポテンシャルに差を発生させる。磁石50の磁気ポテンシャルは、磁石50の磁極軸が表側から見て一対の切欠62を通る直線と平行となる位置にあるときに極大になる。また、磁石50の磁気ポテンシャルは、磁石50の磁極軸が表側から見て一対の切欠62を通る直線と直交する位置にあるときに極小になる。これにより、磁性体部60は、第2秒中間車38の周方向における磁石50との相対位置に応じて、磁石50との間の磁力が変化するように形成されている。磁性体部60と磁石50との間の磁力が変化することで、磁石50が固定された第2秒中間車38に作用する負荷が変化する。第2秒中間車38に作用する負荷が変化することで、第2秒中間車38を含む秒輪列30Cを駆動する第3モータ20Cのロータ22が受ける負荷が変動する。
図7は、第1実施形態に係る第2秒中間車に作用する負荷を示すグラフである。図7の横軸は、第2秒中間車38の回転角度である。図7の縦軸は、第2秒中間車38に作用する負荷(トルク)である。なお、図7では、第2秒中間車38の回転方向とは反対方向に作用する負荷を正とし、第2秒中間車38の回転方向に作用する負荷を負としている。
図7に示すように、第2秒中間車38に作用する負荷は、1回転する毎に2回ずつ極大および極小となる。第2秒中間車38に作用する負荷が極大となる点、および極小となる点は、交互かつ等角度間隔に位置している。第2秒中間車38に作用する負荷の極大値、および極小値の絶対値は、いずれも互いに同等になっている。なお、第2秒中間車38に作用する負荷が0となる点のうち、負荷の勾配が正の点は、磁石の磁気ポテンシャルが極小の点である。また、第2秒中間車38に作用する負荷が0となる点のうち、負荷の勾配が負の点は、磁石の磁気ポテンシャルが極大の点である。
図7に示すように、第2秒中間車38に作用する負荷は、1回転する毎に2回ずつ極大および極小となる。第2秒中間車38に作用する負荷が極大となる点、および極小となる点は、交互かつ等角度間隔に位置している。第2秒中間車38に作用する負荷の極大値、および極小値の絶対値は、いずれも互いに同等になっている。なお、第2秒中間車38に作用する負荷が0となる点のうち、負荷の勾配が正の点は、磁石の磁気ポテンシャルが極小の点である。また、第2秒中間車38に作用する負荷が0となる点のうち、負荷の勾配が負の点は、磁石の磁気ポテンシャルが極大の点である。
以上に説明したように、本実施形態のムーブメント4は、第2秒中間車38に対して固定的に配置された磁石50と、地板14に対して固定的に配置された磁性体部60と、を備える。磁性体部60には、磁石50の回転位置に応じて磁石50の磁気ポテンシャルに差を発生させる切欠62が形成されている。この構成によれば、第2秒中間車38とともに磁石50を回転させることで、磁石50と磁性体部60との間の磁力を変化させることができる。このため、第2秒中間車38の回転位置に応じて第2秒中間車38に作用する負荷が変化するので、第3モータ20Cのロータ22が受ける負荷に変動を与えることができる。
ここで、磁石50と磁性体部60との間に作用する力が磁力であることから、回転する第2秒中間車38に作用する負荷は、磁石50の磁極が切欠62に近接する所定の位置を境に正負逆転する。さらに、回転する第2秒中間車38に作用する負荷の極大値、および極小値の絶対値は、互いに等しくなる。このため、第2秒中間車38の1回転に要するエネルギーは、第2秒中間車38に負荷が作用しない場合と等しくなる。したがって、秒針8の基準位置を検出できるムーブメント4および時計1において、消費電力の低減を図ることができる。
また、第2秒中間車38に作用する負荷は、第2秒中間車38が1回転する間に特定の回転位置で極大および極小となる。このため、従来技術のように特異形状の歯を歯車に1個だけ設けた構成と比較して、第2秒中間車38の回転位置を判定するための情報量を増加させることができる。これにより、第2秒中間車38の回転位置を精度よく検出できる。したがって、第2秒中間車38と同期して回転する秒針8の基準位置を精度よく検出できる。
また、第2秒中間車38のいずれの回転位置においても、第1方向に回転する第2秒中間車38に作用する負荷は、第2方向に回転する38に作用する負荷の反数となる。このため、第2秒中間車38を第1方向に回転させた場合に負荷が極大となる位置は、第2秒中間車38を第2方向に回転させた場合に負荷が極小となる位置である。よって、第2秒中間車38をいずれの方向に回転させた場合であっても、第2秒中間車38に作用する負荷が極大となる位置、および極小となる位置のうち少なくともいずれか一方を検出することで、第2秒中間車38の回転位置を検出できる。
また、切欠62は、磁性体部60の貫通孔61の内周面に形成されている。この構成によれば、切欠62の内側の透磁率は磁性体部60における切欠62の周囲よりも低くなる。このため、磁石50の磁極が切欠62に近接する第2秒中間車38の回転位置で、磁石50の磁気ポテンシャルが極大となる。また、磁石50の磁極が磁性体部60のうち周方向で一対の切欠62から離間した箇所に対向する第2秒中間車38の回転位置で、磁石50の磁気ポテンシャルが極小となる。これにより、切欠62は磁石50の回転位置に応じて磁石50の磁気ポテンシャルに差を発生させることができ、上述した作用効果を奏することができる。
第2秒中間車38の減速比は、秒車39の減速比の2倍である。切欠62は、第2秒中間車38の周方向に2個設けられている。この構成によれば、磁石50の磁気ポテンシャルが極大となる第2秒中間車38の回転位置が等角度間隔で2か所発生する。第2秒中間車38は秒車39が2回転する毎に1回転するので、秒車39が1回転する毎に磁石50の磁気ポテンシャルが1回極大となる。このため、秒針8が基準位置にあるタイミングに対して、第2秒中間車38に作用する負荷が極大となるタイミングを固定的に1回設定することができる。よって、第3モータ20Cのロータ22が受ける負荷の変動によって、容易に秒針8の基準位置を判断することが可能となる。
磁石50は、第2秒中間車38とは別に形成され、第2秒中間車38に組み付けられている。この構成によれば、第2秒中間車を磁化させる工程、または磁化した部材から第2秒中間車を形成する工程を行わずに、磁石50を第2秒中間車38に対して固定的に配置できる。したがって、第2秒中間車の一部を磁石とする構成と比較して、第2秒中間車38を精密かつ容易に形成できる。
地板14は樹脂材料により形成されている。磁性体部60は、地板14に組み付けられている。この構成によれば、地板14と磁石50との相互作用を抑制できるので、磁性体部60によって磁石50の磁気ポテンシャル等を調整できる。したがって、地板が磁性材料により形成されている構成と比較して、設計容易なムーブメント4とすることができる。
磁石50の一対の磁極は、第2秒中間車38の周方向で180°ずれている。この構成によれば、第2秒中間車38における片側のみに磁力が作用することを抑制できる。これにより、第2秒中間車38が傾く方向に力がかかることを抑制でき、第2秒中間車38を含む秒輪列30Cの駆動を安定させることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、磁性体部160がステータヨーク23と同一の形状を有する点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態は、磁性体部160がステータヨーク23と同一の形状を有する点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
図8は、第2実施形態の機構モジュールの内部構成を表側から見た平面図である。図9は、第2実施形態の機構モジュールの断面図である。
図8および図9に示すように、機構モジュール110は、第1実施形態の分針駆動機構12および秒針駆動機構13に代えて、分秒針駆動機構113を備える。
図8および図9に示すように、機構モジュール110は、第1実施形態の分針駆動機構12および秒針駆動機構13に代えて、分秒針駆動機構113を備える。
分秒針駆動機構113は、第3モータ20Cと、分秒輪列130Cと、を備える。第3モータ20Cは、分針7および秒針8(いずれも図1参照)を回転させる動力を発生させる。分秒輪列130Cは、第3モータ20Cのロータ22の回転を分針7および秒針8に伝達する。分秒輪列130Cは、第3モータ20Cのロータ22の回転に基づいて回転する歯車として、第1中間車137と、第2中間車138と、秒車139と、第3中間車135と、分車36と、第4中間車141と、負荷車142と、を有する。
第1中間車137は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第1中間車137は、第1中間歯車137aと第1中間かな137bとを有する。第1中間歯車137aは、第3モータ20Cのロータ22のかなと噛み合っている。
第2中間車138は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第2中間車138は、第2中間歯車138aを有する。第2中間歯車138aは、第1中間車137の第1中間かな137bと噛み合っている。
秒車139は、輪列受15および分車真36aに回転可能に支持されている。秒車139は、秒車真139aと、秒車真139aに組み付けられた秒歯車139bと、秒車真139aに形成された秒かな139cと、を備える。秒車真139aは、分車36の分車真36aの内側に挿入されている。秒歯車139bは、第2中間車138の第2中間歯車138aに噛み合っている。秒車139は、第3モータ20Cのロータ22に対して減速比30で回転する。
第3中間車135は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第3中間車135は、第3中間歯車135aと第3中間かな135bとを有する。第3中間歯車135aは、秒車139の秒かな139cと噛み合っている。第3中間車135は、秒車139に対して減速比20/3で回転する。すなわち、第3中間車135は、第3モータ20Cのロータ22に対して減速比200で回転する。第3中間かな135bは、分車36の分歯車36bと噛み合っている。
第4中間車141は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。第4中間車141は、第4中間かな141aと第4中間歯車141bとを有する。第4中間かな141aは、第3中間車135の第3中間歯車135aと噛み合っている。第4中間車141は、第3中間車135に対して減速比3/20で回転する。すなわち、第4中間車141は、第3モータ20Cのロータ22に対して減速比30で回転する。
負荷車142は、地板14および輪列受15に回転可能に支持されている。負荷車142は、表側から見て第1実施形態の第2モータ20Bのロータ22と同じ位置に配置されている。負荷車142は、負荷歯車142aを有する。負荷歯車142aは、第4中間車141の第4中間歯車141bと噛み合っている。負荷車142は、第4中間車141に対して減速比2で回転する。すなわち、負荷車142は、第3モータ20Cのロータ22に対して減速比60で回転する。
機構モジュール110は、磁石150と、磁性体部160と、を備える。
磁石150は、負荷車142に固定的に配置されている。磁石150は、負荷歯車142aと地板14との間に配置されている。磁石150は、円環状に形成され、径方向に2極に着磁されている。磁石150は、負荷車142の軸部の外周面に装着されている。磁石150は、磁石150よりも地板14側で負荷車142の軸部に固定された磁石枠151によって、負荷車142に固定されている。磁石150の一対の磁極は、負荷車142の周方向で180°ずれている。磁石150は、磁極軸が負荷車142の回転軸線に直交するように配置されている。
磁石150は、負荷車142に固定的に配置されている。磁石150は、負荷歯車142aと地板14との間に配置されている。磁石150は、円環状に形成され、径方向に2極に着磁されている。磁石150は、負荷車142の軸部の外周面に装着されている。磁石150は、磁石150よりも地板14側で負荷車142の軸部に固定された磁石枠151によって、負荷車142に固定されている。磁石150の一対の磁極は、負荷車142の周方向で180°ずれている。磁石150は、磁極軸が負荷車142の回転軸線に直交するように配置されている。
磁性体部160は、第1実施形態の第2モータ20Bのステータヨーク23と同一部材である。つまり、磁性体部160は、第1モータ20Aおよび第3モータ20Cそれぞれのステータヨーク23と同一形状に形成されている。磁性体部160は、地板14に固定的に配置されている。磁性体部160は、地板14の表側の主面上に配置されている。磁性体部160は、地板14に締結されている。磁性体部160は、表側から見て負荷歯車142aと重なる位置に配置されている。磁性体部160は、表裏方向に直交する方向から見て磁石150に重なる位置に配置されている。
図9に示すように、磁性体部160は、負荷車142の径方向の外側から磁石150を全周にわたって囲んでいる。磁性体部160には、貫通孔161が形成されている。貫通孔161は、ステータヨーク23のロータ収容孔26に相当する。貫通孔161の内側には、地板14から表側に突出した円筒部14aが嵌入している。円筒部14aの内側には、磁石150が相対回転可能に配置されている。貫通孔161は、表側から見て負荷車142の回転軸線と同心の円形状に形成されている。貫通孔161の内周面は、負荷車142の軸方向に一様に延びている。貫通孔161の内周面は、磁石150の磁極に対向している。
図10は、第2実施形態の磁性体部を示す平面図である。
図10に示すように、貫通孔161の内周面には、一対の切欠162(磁気抵抗部)が形成されている。一対の切欠162は、負荷車142の周方向に等間隔で設けられている。各切欠162は、磁性体部160の表面から裏面にわたって延びている。一対の切欠162は、第1実施形態の磁性体部60の切欠62と同様に、磁性体部160に対する磁石150の回転位置に応じて磁石150の磁気ポテンシャルに差を発生させる。これにより、磁性体部160は、負荷車142の周方向における磁石150との相対位置に応じて、磁石150との間の磁力が変化するように形成されている。
図10に示すように、貫通孔161の内周面には、一対の切欠162(磁気抵抗部)が形成されている。一対の切欠162は、負荷車142の周方向に等間隔で設けられている。各切欠162は、磁性体部160の表面から裏面にわたって延びている。一対の切欠162は、第1実施形態の磁性体部60の切欠62と同様に、磁性体部160に対する磁石150の回転位置に応じて磁石150の磁気ポテンシャルに差を発生させる。これにより、磁性体部160は、負荷車142の周方向における磁石150との相対位置に応じて、磁石150との間の磁力が変化するように形成されている。
以上に説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、磁性体部160は、第3モータ20Cのステータヨーク23と同一形状に形成されている。これにより、磁性体部160とステータヨーク23とを共通化できるので、磁性体部として専用の部品を用いる場合と比較して、部品の種類を削減できる。したがって、ムーブメント4の低コスト化を図ることができる。
本実施形態では、磁性体部160は、第3モータ20Cのステータヨーク23と同一形状に形成されている。これにより、磁性体部160とステータヨーク23とを共通化できるので、磁性体部として専用の部品を用いる場合と比較して、部品の種類を削減できる。したがって、ムーブメント4の低コスト化を図ることができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、磁石50,150が秒針8を駆動する秒輪列30Cおよび分秒輪列130Cの歯車に配置されているが、磁石が時輪列30Aおよび分輪列30Bの歯車に配置されていてもよい。
例えば、上記実施形態では、磁石50,150が秒針8を駆動する秒輪列30Cおよび分秒輪列130Cの歯車に配置されているが、磁石が時輪列30Aおよび分輪列30Bの歯車に配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、磁石50,150の磁気ポテンシャルに差を発生させる磁気抵抗部として、切欠62,162が磁性体部60,160に形成されている。しかしながら磁気抵抗部は切欠に限定されず、例えば貫通孔61の内周面に形成された段差であってもよい。また、磁気抵抗部は、貫通孔から独立した孔であってもよい。この場合、磁石の磁極が孔に近接する歯車の回転位置で、磁石の磁気ポテンシャルが極大となる。よって、磁気抵抗部としての孔は、磁石の回転位置に応じて磁石の磁気ポテンシャルに差を発生させることができる。また、磁気抵抗部は、磁性体部の一部の材質を変化させて透磁率を局所的に小さくすることにより形成されていてもよい。例えば、磁性体部をNi−Fe合金により形成し、磁性体部の一部でCrの含有率を局所的に大きくして透磁率を小さくすることにより磁気抵抗部を形成してもよい。すなわち、磁石の磁界が十分に及び範囲内で磁性体部を歯車の周方向に不均一に形成すれば、磁石の磁気ポテンシャルに差を発生させることができる。
また、上記第1実施形態では、第2秒中間車38の減速比は秒車39の減速比の2倍であり、切欠62は第2秒中間車38の周方向に2個設けられている。しかしながら、Mを自然数とし、NをMの約数として、第2秒中間車の減速比は秒車の減速比のM倍(例えば4倍)であり、切欠は第2秒中間車の周方向にN個(例えば2個)設けられていればよい。この場合、磁石の磁気ポテンシャルが極大となる第2秒中間車の回転位置が等角度間隔でNか所発生する。第2秒中間車は秒車がM回転する毎に1回転するので、秒車が整数周回転する毎に磁石の磁気ポテンシャルが1回極大および極小となる。よって、秒針が基準位置にあるタイミングに対して、第2秒中間車に作用する負荷が極大となるタイミングを固定的に1回設定することができる。第2実施形態の負荷車についても同様である。
また、切欠は、磁性体部に1個だけ形成されていてもよい。この構成であっても、磁石50,150が一対の磁極を有するので、第2秒中間車に作用する負荷は、1回転する毎に2回ずつ極大および極小となる。よって、上述した作用効果を奏することができる。
また、上記第1実施形態では、第2秒中間車38に磁石50が1個配置されているが、これに限定されない。例えば、第2秒中間車38に複数の磁石を配置してもよい。この場合、各磁石を第2秒中間車38の周方向に2極に着磁し、複数の磁石の磁極を交互に周方向に並べることが望ましい。第2実施形態の負荷車142に配置される磁石についても同様である。
また、上記実施形態では、磁性体部60,160が地板14に固定されているが、例えば輪列受15や二番受17に固定されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…時計 4…ムーブメント(時計用ムーブメント) 8…秒針(指針) 14…地板(基板) 20C…第3モータ(ステッピングモータ) 22…ロータ 23…ステータヨーク 26…ロータ収容孔 30C…秒輪列 38…第2秒中間車(歯車) 39,139…秒車(指針車) 50,150…磁石 60,160…磁性体部 61,161…貫通孔 62,162…切欠 142…負荷車(歯車)
Claims (7)
- 1ステップずつ回転するロータを有し、前記ロータの回転により指針を回転させるステッピングモータと、
前記ロータの回転に基づいて回転する歯車と、
前記歯車を回転可能に支持する基板と、
前記歯車に対して固定的に配置された磁石と、
前記基板に対して固定的に配置され、前記磁石の回転位置に応じて前記磁石の磁気ポテンシャルに差を発生させる磁気抵抗部が形成された磁性体部と、
を備えることを特徴とする時計用ムーブメント。 - 前記磁性体部における前記歯車の回転軸線上には、貫通孔が形成され、
前記貫通孔の内側には、前記磁石が配置され、
前記磁気抵抗部は、前記貫通孔の内周面に形成された切欠である、
ことを特徴とする請求項1に記載の時計用ムーブメント。 - 前記指針が取り付けられ、前記ロータに対して第1減速比で回転する指針車を備え、
前記歯車は、前記ロータに対して第2減速比で回転し、
Mを自然数とし、
NをMの約数として、
前記第2減速比は、前記第1減速比のM倍であり、
前記磁気抵抗部は、前記歯車の周方向に等間隔でN個配置されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計用ムーブメント。 - 前記磁石は、前記歯車とは別に形成され、前記歯車に組み付けられている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の時計用ムーブメント。 - 前記基板は、樹脂材料により形成され、
前記磁性体部は、前記基板に組み付けられている、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の時計用ムーブメント。 - 前記ステッピングモータは、内側に前記ロータが配置されるロータ収容孔が形成されたステータヨークを備え、
前記磁性体部は、前記ステータヨークと同一形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の時計用ムーブメント。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする時計。
Priority Applications (1)
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