JP5085982B2 - エンコーダの着磁方法及び着磁装置 - Google Patents

エンコーダの着磁方法及び着磁装置 Download PDF

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Description

この発明は、例えば回転速度検出装置に組み込んで使用する、被検出面にN極とS極とを円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置したエンコーダの着磁方法及び着磁装置の改良に関する。
例えば、自動変速機の場合には、切り換えのタイミングを求める為、回転軸の回転速度を検出する必要がある。又、自動車の場合には、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を適切に制御すべく、車輪の回転速度を検出する必要がある。この為、この様な各種機械装置を構成する回転軸や車輪等の回転部分を、使用時にも回転しないハウジングや懸架装置等の固定部分に対して回転自在に支持すると共に、この回転部分の回転速度を検出する為の回転速度検出装置付回転支持装置が、従来から広く使用されている。
図4〜6は、この様な回転速度検出装置付回転支持装置の従来構造の第1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この従来構造の第1例は、使用時にも回転しないハウジング(図示せず)に内嵌固定する、静止部材である外輪1と、使用時に回転する回転軸(図示せず)に外嵌固定された状態で、この外輪1の内径側に、複数個の玉3を介して回転自在に支持された、回転部材である内輪2とを備える。又、この内輪2の外周面と上記外輪1の内周面との間に存在する、上記各玉3を設置した空間の開口端部に、密封装置である、組み合わせシールリング4を設けている。この組み合わせシールリング4は、軟鋼板、ステンレス鋼板等の金属板により、断面L字形で全体を円環状に形成した芯金5と、この芯金5の全周に結合固定した、ゴムの如きエラストマー等の弾性材6と、軟鋼板、ステンレス鋼板等の金属板により、断面L字形で全体を円環状に形成した別の芯金(スリンガ)7とを備える。そして、図4〜5に示す様に、上記芯金5を上記外輪1の端部に内嵌固定すると共に、上記別の芯金7を上記内輪2の端部に外嵌固定した状態で、上記弾性材6を構成する複数本のシールリップの先端縁を、それぞれ上記別の芯金7の表面に全周に亙り摺接させている。
又、上記別の芯金7を構成する、円筒部8と、支持板部である円輪部9とのうち、この円輪部9の外側面(図4〜5の右側面)に、上記別の芯金7と共にエンコーダ10を構成する円輪状のエンコーダ本体11を、この別の芯金7と同心に接合固定している。被検出面である、このエンコーダ本体11の外側面(図4〜5の右側面)には、図6に示す様に、N極とS極とを円周方向に関して交互に、且つ、中心角ピッチP(着磁ピッチ=2P)で、等間隔に形成している。又、同図に示す様に、この被検出面に配置したN極とS極との境界はそれぞれ、この被検出面の幅方向(放射方向)に対して平行である。又、この被検出面の円周方向一部には、上記ハウジング等の使用時にも回転しない部分に支持した、センサ12の検出部を近接対向させている。このセンサ12の検出部には、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子を組み込んでいる。
上述の様に構成する従来構造の第1例の場合、上記回転軸に外嵌固定した内輪2が回転すると、上記センサ12の検出部の近傍を、上記被検出面に配置したN極とS極とが交互に通過する。この結果、上記センサ12の出力が、上記回転軸の回転速度に比例した周波数で変化する。従って、このセンサ12の出力を図示しない制御器に送れば、上記回転軸の回転速度を検出して、この回転速度を利用した各種制御を適切に行なえる。
次に、図7は、回転速度検出装置付回転支持装置の従来構造の第2例として、やはり特許文献1に記載されたものを示している。この従来構造の第2例の場合、自動車の懸架装置を構成するナックル(図示せず)に結合固定した静止部材である外輪1aの内径側に、車輪(図示せず)を支持固定してこの車輪と共に回転する、回転部材であるハブ13を、複数個の玉3、3を介して回転自在に支持している。又、上記外輪1aの内周面と上記ハブ13の外周面との間に存在する、上記各玉3、3を設置した空間の軸方向内端部(軸方向に関して「内」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側を言い、図7〜10の右側。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる図7〜10の左側を、軸方向に関して「外」と言う。本明細書全体で同じ。)に、上述した従来構造の第1例の場合と同様の、組み合わせシールリング4及びエンコーダ10を組み付けている。更に、上記ナックル又は上記外輪1の一部に支持固定したセンサ12の検出部を、上記エンコーダ10の被検出面の円周方向一部に近接対向させている。この様に構成する従来構造の第2例の場合、自動車の運転時に、上記センサ12の出力を図示しない制御器に送れば、上記車輪の回転速度を検出して、ABSやTCSの制御を適切に行なえる。
次に、図8〜9は、回転速度検出装置付回転支持装置の従来構造の第3例として、やはり特許文献1に記載されたものを示している。この従来構造の第3例の場合には、上述した従来構造の第2例の場合との比較で、エンコーダ10aを構成する、円環状の芯金7aの断面形状が異なる。又、外輪1aの内周面とハブ13の外周面との間に存在する、複数個の玉3、3を設置した空間の軸方向内端部の組み合わせシールリング4(図7参照)を省略する代わりに、上記外輪1aの内端開口部に、当該空間と外部空間との間を遮断するカバー14を組み付けている。又、上記エンコーダ10aの被検出面にその検出部を近接対向させたセンサ12を、上記カバー14に支持している。その他の構成及び作用は、上述した従来構造の第2例の場合とほぼ同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
次に、図10は、回転速度検出装置付回転支持装置の従来構造の第4例として、やはり特許文献1に記載されたものを示している。この従来構造の第4例の場合、エンコーダ10bは、ハブ13の内端部に外嵌固定した、断面クランク形で全体を円環状に形成した芯金7bと、支持板部である、この芯金7bの大径側の円筒部8aの内周面の全周に添着固定した、円筒状のエンコーダ本体11bとから成る。被検出面である、このエンコーダ本体11bの内周面には、N極とS極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置している。尚、図示は省略するが、この被検出面に配置したN極とS極との境界は、この被検出面の幅方向(軸方向)に対して平行である。そして、この被検出面の円周方向一部に、外輪1aの内端部に組み付けたカバー14に支持したセンサ12の検出部を近接対向させている。その他の部分の構成及び作用は、上述した従来構造の第3例の場合とほぼ同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する図示並びに説明を省略する。
尚、上述した各従来構造に組み込まれたエンコーダ10、10a、10bの場合には何れも、被検出面に存在するN極とS極との境界を、この被検出面の幅方向に対して平行にしている。これに対し、特許文献1には、図11〜12に示す様な、被検出面(外周面)に存在するN極とS極との境界を、この被検出面の幅方向(軸方向)に対して非平行にしたエンコーダ10c、10dも記載されている。これら各エンコーダ10c、10dは、回転支持装置に作用する荷重等を測定する為に使用されるものである(例えば特許文献2参照)。
ところで、上述した様な各従来構造に組み込むエンコーダ10(10a〜10d)は、芯金7(7a〜7d)を構成する支持板部の片側面の全周に、エンコーダ本体11(11b〜11d)の素材である未着磁の磁性部材の片側面(軸方向側面に限らず、一方の周面を含む場合もある。本明細書及び特許請求の範囲で同じ。)を接合固定した後、この磁性部材を着磁する事により造る。この際の着磁方法として従来から、一発着磁法とインデックス着磁法とが知られている。以下、これら一発着磁法とインデックス着磁法とに就いて説明する。
図13は、特許文献3等に記載されて従来から知られている、一発着磁法を実施する場合の概略構成図を示している。この一発着磁法で使用する着磁装置は、多数の着磁端子15、15を円周方向に関して等間隔に配置した着磁ヘッド16と、これら各着磁端子15、15同士の間を縫う様にして、円周方向に関して蛇行配置した、一繋がりの(連続した1本の)導線17とを含んで構成する、着磁ヨーク21を備える。この様な着磁装置を使用して、一発着磁法を実施する場合には、先ず、芯金を構成する支持板部(図示せず)の片側面の全周に磁性部材18の片側面を接合固定して成るエンコーダ中間体19を用意する。そして、図示の様に、上記磁性部材18の他側面(被検出面となるべき面)を、上記着磁ヘッド16の側面(上記各着磁端子15、15の先端面)に対し、全周に亙り同心に接触させる。そして、この状態で、上記導線17に着磁電流を流す事に基づき、上記各着磁端子15、15の先端面から出入りし、且つ、円周方向に隣り合う先端面同士で出入りの向きが互いに逆になる、磁束を発生させる。そして、これら各磁束を上記磁性部材18の側面に貫通させる事により、この磁性部材18の側面の全周に対して同時に、円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置されるN極とS極とを着磁形成する。尚、図示の例は、被着磁面を軸方向側面とする場合であるが、被着磁面を周面とする場合も、同様の方法で一発着磁を行なえる。
次に、図14は、特許文献4等に記載されて従来から知られている、インデックス着磁法の第1例を示している。本例で使用する着磁装置は、互いの先端面同士を向かい合わせに配置した第一、第二の着磁ヘッド16a、16bを有する芯材20と、これら第一、第二の各着磁ヘッド16a、16bの基端部に巻回した図示しないコイルとを含んで構成する、着磁ヨーク21aを備える。この様な着磁装置を使用して、本例のインデックス着磁法を実施する場合には、先ず、芯金7を構成する円輪部9の片側面(図14の上面)の全周に磁性部材18の片側面(図14の下面)を接合固定して成るエンコーダ中間体19を用意する。そして、上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bにより、上記磁性部材18の他側面(被検出面となるべき面、図14の上面)の全周にN極とS極とを1極ずつ、円周方向に関して交互に且つ等間隔に順次着磁形成する。
この為に具体的には、図示の様に、上記磁性部材18の他側面と、上記芯金7の他側面(図14の下面)とのうち、互いに整合する部分に、それぞれ上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bの先端面を近接対向させる。そして、この状態で、上記エンコーダ中間体19のみを(着磁ヨーク21aを静止したまま)円周方向に一定速度で回転させる。そして、この回転に基づき、上記磁性部材18の他側面及び上記芯金7の他側面に対する、上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bの先端面の近接対向位置を、円周方向に連続的に移動させる。これと共に、上記各コイルにそれぞれ、上記回転の速度に対応した周期で正逆の流れを交互に繰り返す、周期波状の着磁電流を流す。そして、この着磁電流に基づき、上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bの先端面同士の間に、上記磁性部材18及び芯金7の円周方向一部分を軸方向(図14の上下方向)に貫通し、且つ、その向きが周期的に交互に変化する、磁束αを発生させる。これにより、上記磁性部材18の他側面の全周にN極とS極とを1極ずつ、円周方向に関して交互に且つ等間隔に順次着磁形成する。尚、図示の例は、被着磁面を軸方向側面とする場合であるが、被着磁面を周面とする場合も、同様の方法でインデックス着磁を行なえる。
次に、図15は、特許文献4等に記載されて従来から知られている、インデックス着磁法の第2例を示している。本例で使用する着磁装置は、その両端部に第一、第二の着磁ヘッド16a、16bを設けた欠環状の芯材20aと、この芯材20aの中間部に巻回したコイル22とを含んで構成する、着磁ヨーク21bを備える。この様な着磁装置を使用して、本例のインデックス着磁法を実施する場合には、先ず、芯金7を構成する円輪部9の片側面(図15の上面)の全周に磁性部材18の片側面(図15の下面)を接合固定して成るエンコーダ中間体19を用意する。そして、上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bにより、上記磁性部材18の他側面(被検出面となるべき面で、図15の上面)の全周にN極とS極との組を1組ずつ、円周方向に関して順次着磁形成する。
この為に具体的には、図示の様に、上記磁性部材18の他側面のうち、円周方向に関して互いに隣り合う2個所位置に、それぞれ上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bの先端面を近接対向させる。そして、この状態で、上記エンコーダ中間体19のみを(着磁ヨーク21bを静止したまま)円周方向に一定速度で回転させる、そして、この回転に基づき、上記2個所位置を円周方向に連続的に移動させる。これと共に、上記コイル22に、上記回転の速度に対応した周期でONとOFFとを交互に繰り返す、パルス波状の着磁電流を流す。そして、この着磁電流に基づき、上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bの先端面同士の間に、この第一の着磁ヘッド16aの先端面が近接対向する1個所位置をN極に、上記第二の着磁ヘッド16bの先端面が近接対向する1個所位置をS極に、それぞれ着磁する磁束αを、間欠的に発生させる。これにより、上記磁性部材18の側面の全周にN極とS極との組を1組ずつ、円周方向に関して順次着磁形成する。尚、図示の例は、被着磁面を軸方向側面とする場合であるが、被着磁面を周面とする場合も、同様の方法でインデックス着磁を行なえる。
又、図示は省略するが、エンコーダ中間体を構成する磁性部材の軸方向側面又は周面(被検出面となるべき面)にN極とS極とを3極ずつ、円周方向に関して順次着磁形成するインデックス着磁法も、従来から知られている(例えば、特許文献3参照)。
以上に説明した様な一発着磁法とインデックス着磁法とのうち、図13に示した一発着磁法の場合には、着磁ヘッド16を構成する各着磁端子15、15の先端面を、それぞれ磁性部材18の側面に接触させた状態で、この磁性部材18の着磁を行なう。この為、着磁電流の大きさを調節する(5〜10kA程度とする)事により、上記磁性部材18の着磁強度を十分に(飽和レベルまで)大きくできる。ところが、図13に示した一発着磁法の場合には、上記着磁ヘッド16の製造誤差(上記各着磁端子15、15の形状誤差及びピッチ誤差等)が、そのままN極及びS極の着磁ピッチ誤差に結び付く。この為、これらN極及びS極の総数が多い場合には特に、これらN極及びS極の着磁ピッチ精度を良好にする事が難しくなる。
これに対し、上述の図14〜15に示したインデックス着磁法の場合には、エンコーダ中間体19のみを円周方向に一定速度で回転させながら、第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bにより、磁性部材18の側面にN極とS極とを1極ずつ(図14)又は2極ずつ(図15)、円周方向に順次着磁形成する方法を採用している。この為、上記磁性部材18の回転速度と着磁電流の周期との関係を適切に制御しておけば、N極及びS極の総数が多い場合であっても、上記両着磁ヘッド16a、16bを備えた着磁ヨーク21a(21b)の製造誤差の影響を殆ど受ける事なく、上記N極及びS極の着磁ピッチ精度を良好にできる。
ところが、上述の図14〜15に示したインデックス着磁法の場合には、着磁を行なう際に、上記両着磁ヘッド16a、16bの先端面と、回転するエンコーダ中間体19(磁性部材18及び芯金7)の軸方向側面又は周面との間に、それぞれ干渉(擦れ合い)防止用の隙間を設ける必要がある。これと共に、着磁電流を1〜10A程度と低くせざるを得ない。この為、上記両着磁ヘッド16a、16bの形状を工夫する事により磁束αの流れを効率良く制御しても、上記磁性部材18の着磁強度を十分に(飽和レベルまで)大きくする事が難しい(通常は、最高でも飽和レベルの80〜90%程度のレベルまでしか着磁できない)。
又、上述の図13に示した一発着磁法、及び、上述の図14に示したインデックス着磁法の第1例の場合には、それぞれエンコーダを完成させた場合に、円周方向に関して正弦波状に変化する、このエンコーダの被検出面から出入りする磁束密度のデューティ比{当該磁束密度の1周期分の変化(1組のN極及びS極から出入りする磁束密度の円周方向に関する変化)を、零点を閾値として高位側と低位側とに振り分けた場合の、高位側(又は低位側)継続時間/1周期}が、50%からずれる傾向となる。即ち、上述の図13に示した一発着磁法の場合には、着磁ヘッド16の製造誤差が上記デューティ比にそのまま反映される為、このデューティ比が50%からずれる傾向になり易い。又、上述の図14に示したインデックス着磁法の第1例の場合には、上記磁性部材18に貫通させる磁束の向きを交互に反転させながら、この磁性部材18の他側面の全周にN極とS極とを1極ずつ、円周方向に関して順次着磁する為、どうしても上記デューティ比が50%からずれる傾向になり易い。これに対し、上述の図15に示したインデックス着磁法の第2例の場合には、磁性部材18の他側面の全周にN極とS極との組を1組ずつ、円周方向に関して順次着磁する為、上記デューティ比を50%に近づける事が可能となる。一方、上記エンコーダの被検出面から出入りする磁束密度のデューティ比が50%からずれる程、このエンコーダを利用した回転検出精度が低下する。この為、上述の図15に示したインデックス着磁法の第2例の場合と同程度に、上記デューティ比を50%に近づける事ができる着磁方法を実現する事が望まれる。
特開2007−3223号公報 特開2006−317420号公報 特開2003−59718号公報 特開2001−242187号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、上述した従来の一発着磁法と同程度に着磁強度を大きくできると共に、上述した従来の各インデックス着磁法と同程度に着磁ピッチ精度を良好にでき、しかも上述の従来のインデックス着磁法の第2例の場合と同程度に、完成後のエンコーダの被検出面から出入りする磁束密度のデューティ比を50%に近づける事ができる、エンコーダの着磁方法及び着磁装置を実現すべく発明したものである。
本発明の着磁方法及び着磁装置の対象となるエンコーダは、芯金とエンコーダ本体とを備える。このうちの芯金は、円輪状又は円筒状の支持板部を有する。又、上記エンコーダ本体は、上記支持板部の(軸方向又は径方向)片側面(一方の周面を含む)の全周に磁性部材の(軸方向又は径方向)片側面を接合固定した後、この磁性部材を着磁する事により、この磁性部材の(軸方向又は径方向)他側面に対応する面に、N極とS極とを円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置した被検出面を設けて成る。
そして、本発明のエンコーダの着磁方法及び着磁装置のうち、請求項1に記載したエンコーダの着磁方法は、上記芯金を構成する支持板部の片側面に上記磁性部材の片側面を全周に亙り接合固定して成るエンコーダ中間体を造った後、上記磁性部材の他側面(上記被検出面となるべき面)の一部で円周方向に関して互いに隣接する2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置に第一の着磁ヘッドの先端面を、円周方向他側の1個所位置に第二の着磁ヘッドの先端面を、それぞれ近接対向させると共に、上記支持板部の他側面の一部で円周方向に関して上記2個所位置と同位相の2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置に第三の着磁ヘッドの先端面を、円周方向他側の1個所位置に第四の着磁ヘッドの先端面を、それぞれ近接対向させる。そして、この状態で、これら第一〜第四の各着磁ヘッドに対して上記エンコーダ中間体を円周方向に連続的に回転(上記磁性部材の他側面及び上記支持板部の他側面に対する上記第一〜第四の各着磁ヘッドの先端面の近接対向位置を円周方向に連続的に移動)させながら、上記第一、第二の両着磁ヘッドを備えた第一の芯材の一部に巻回した第一のコイルにパルス波状の着磁電流を流す事に基づいて、上記第一、第二の両着磁ヘッドの先端面同士の間に、この第一の着磁ヘッドの先端面を近接対向させた上記1個所位置をN極に、上記第二の着磁ヘッドの先端面を近接対向させた上記1個所位置をS極に、それぞれ着磁する磁束を、上記第二の着磁ヘッドの先端面から出て上記第一の着磁ヘッドの先端面に入る態様で、間欠的に発生させる事により、上記磁性部材の他側面の全周に、N極とS極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁する。これと共に、上記第三、第四の両着磁ヘッドを備えた第二の芯材の一部に巻回した第二のコイルにパルス波状の着磁電流を流す事に基づいて、上記第三、第四の両着磁ヘッドの先端面同士の間に、この第三の着磁ヘッドの先端面を近接対向させた上記1個所位置をS極に、上記第四の着磁ヘッドの先端面を近接対向させた上記1個所位置をN極に、それぞれ着磁する磁束を、上記第三の着磁ヘッドの先端面から出て上記第四の着磁ヘッドの先端面に入る態様で、上記第一、第二の両着磁ヘッドの先端面同士の間に発生させる磁束と同位相で間欠的に発生させる事により、上記支持板部の他側面の全周に、(上記磁性部材の他側面と逆極性の)S極とN極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁する。
尚、本発明を実施する場合に、好ましくは、着磁作業時の着磁電流に対し、この着磁電流の大きさを、(着磁開始→)上昇→保持→下降(→着磁終了)の順に変化させる、台形制御を実施する。
又、上述の様な請求項1に記載したエンコーダの着磁方法を実施する場合に、上記第一、第二の各コイルに流すパルス波状の着磁電流としては、例えば請求項2に記載した様に、矩形波状、正弦波状、三角波状等の着磁電流を採用できる。但し、着磁効率を十分に高められる事から、好ましくは、上記第一、第二の各コイルに流すパルス波状の着磁電流として、矩形波状の着磁電流を採用する。
又、本発明のエンコーダの着磁方法及び着磁装置のうち、請求項3に記載したエンコーダの着磁装置は、上述の請求項1〜2に記載したエンコーダの着磁方法を実施する為の着磁装置であって、回転駆動装置と、着磁ヨークと、着磁電源装置とを備える。
このうちの回転駆動装置は、芯金を構成する支持板部の片側面に磁性部材の片側面を全周に亙り接合固定して成るエンコーダ中間体を支持した状態で、このエンコーダ中間体を円周方向に連続的に回転させる。
又、上記着磁ヨークは、第一の芯材と、この第一の芯材の一部に巻回した第一のコイルと、第二の芯材と、この第二の芯材の一部に巻回した第二のコイルとを備える。このうちの第一の芯材は、上記磁性部材の他側面の一部で円周方向に関して互いに隣接する2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置にその先端面を近接対向させる第一の着磁ヘッドと、円周方向他側の1個所位置にその先端面を近接対向させる第二の着磁ヘッドとを備える。又、上記第二の芯材は、上記支持板部の他側面の一部で円周方向に関して上記2個所位置と同位相の2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置にその先端面を近接対向させる第三の着磁ヘッドと、円周方向他側の1個所位置にその先端面を近接対向させる第四の着磁ヘッドとを備える。
又、上記着磁電源装置は、上記第一のコイルにパルス波状の着磁電流を流す事に基づいて、上記第一、第二の両着磁ヘッドの先端面同士の間に、この第一の着磁ヘッドの先端面を近接対向させる上記1個所位置をN極に、上記第二の着磁ヘッドの先端面を近接対向させる上記1個所位置をS極に、それぞれ着磁する磁束を、上記第二の着磁ヘッドの先端面から出て上記第一の着磁ヘッドの先端面に入る態様で、間欠的に発生させる事により、上記磁性部材の他側面の全周に、N極とS極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁可能とする。これと共に、上記第二のコイルにパルス波状の着磁電流を流す事に基づいて、上記第三、第四の両着磁ヘッドの先端面同士の間に、この第三の着磁ヘッドの先端面を近接対向させる上記1個所位置をS極に、上記第四の着磁ヘッドの先端面を近接対向させる上記1個所位置をN極に、それぞれ着磁する磁束を、上記第三の着磁ヘッドの先端面から出て上記第四の着磁ヘッドの先端面に入る態様で、上記第一、第二の両着磁ヘッドの先端面同士の間に発生させる磁束と同位相で間欠的に発生させる事により、上記支持板部の他側面の全周に、(上記磁性部材の他側面と逆極性の)S極とN極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁可能とする。
尚、上述した様な本発明のエンコーダの着磁方法及び着磁装置を実施する場合、第一の芯材と第二の芯材とは、互いに別体であっても良いし、一体であっても良い。又、第一の(第二の)コイルは、第一、第二の(第三、第四の)各着磁ヘッドの基端部同士の連結部の1個所にのみ巻回しても良いし、これら第一、第二の(第三、第四の)各着磁ヘッドのそれぞれの基端部に巻回しても良い。
上述した様な本発明のエンコーダの着磁方法及び着磁装置の場合には、前述の図15に示した従来のインデックス着磁法の第2例の場合と同様、エンコーダ中間体を連続的に回転させながら、磁性部材の他側面(被検出面となるべき面)の全周に、N極とS極との組を1組ずつ、円周方向に関して順次着磁する。この為、完成後のエンコーダの被検出面に設けるべき磁極の総数と、上記エンコーダ中間体の回転速度とに基づいて、第一、第二の各コイルに流すパルス波状の着磁電流の周波数及び位相を的確に制御すれば、第一〜第四の各着磁ヘッドを含んで構成する着磁ヨークの製造誤差の影響を殆ど受ける事なく、完成後のエンコーダの被検出面に設けるN極及びS極の着磁ピッチ精度を良好にできる。又、本発明の場合には、前述の図15に示した従来のインデックス着磁法の第2例の場合と同様、磁性部材の他側面の全周にN極とS極との組を1組ずつ、円周方向に関して順次着磁する為、完成後のエンコーダの被検出面から出入りする磁束密度のデューティ比を50%に近づける事が可能となる。
又、本発明の場合には、磁性部材の他側面の全周にN極とS極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁するのと同時に、支持板部の他側面の全周(支持板部を介して上記磁性部材の片側面の全周)に、この磁性部材の他側面の同位相の部分と逆極性のS極とN極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁する。従って、本発明の場合には、第一、第二の各コイルに流す着磁電流の大きさを、前述の図14〜15に示した従来のインデックス着磁法を実施する場合の着磁電流の大きさと同程度に小さくした場合でも、完成後のエンコーダの被検出面から出入りする磁束密度を、飽和に近いレベルまで大きくできる。
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、前述の図4〜7に示したエンコーダ10の中間体である、芯金7を構成する円輪部9の片側面(図1〜3の上面)の全周に未着磁の磁性部材18の片側面(図1〜3の下面)を接合固定して成るエンコーダ中間体19のうち、この磁性部材18を着磁する方法及び装置にある。図1に示す様に、本例のエンコーダの着磁装置は、回転駆動装置23と、着磁ヨーク24と、着磁電源装置25とを備える。
このうちの回転駆動装置23は、スピンドル装置(高精度軸受装置)26と、モータ27と、面振れ補正装置28と、回転角度検出装置29と、回転制御手段30とを備える。このうちのスピンドル装置26は、中心部に、上下方向に配設した図示しない主軸(回転軸)を備える。そして、この主軸の上端部に治具31を、固定用チャック32により同心に把持固定している。後述する着磁作業を行なう際に、上記治具31の外周面には、上記エンコーダ中間体19を構成する芯金7を同心に支持固定する。又、上記モータ27は、上記主軸を回転駆動する為のもので、上記スピンドル装置26の下方に設けている。又、上記面振れ補正装置28は、後述する着磁作業を行なう際に、上記エンコーダ中間体19を構成する磁性部材18の他側面(被検出面となるべき面で、図1〜3の上面)の面振れ(回転に伴うアキシアル方向振れ)を補正する為のもので、上記スピンドル装置26と上記モータ27との間に設けている。又、上記回転角度検出装置29は、上記主軸の回転角度を検出する為のもので、上記モータ27の下方に設けている。又、上記回転制御手段30は、上記モータ27により、上記主軸を所定速度で連続的に回転させる制御を実行するもので、この制御を実行する際に、上記回転角度検出装置29の検出信号(上記主軸の回転角度)をフィードバック信号として利用する。
又、上記着磁ヨーク24は、第一、第二の着磁ヘッド16a、16bを有する第一の芯材20aと、これら第一、第二の各着磁ヘッド16a、16bのそれぞれの基端部に巻回した第一のコイル22a、22aと、第三、第四の着磁ヘッド16c、16dを有する第二の芯材20bと、これら第三、第四の各着磁ヘッド16c、16dのそれぞれの基端部に巻回した第二のコイル22b、22bとを備える。この様な着磁ヨーク24は、この着磁ヨーク24の位置を、互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向に関して微調節可能とする、位置決め装置33により支持している。
又、上記着磁電源装置25は、上記第一、第二の各コイル22a、22bに流す矩形波状の着磁電流を発生させるものである。又、この様な着磁電源装置25は、完成後のエンコーダ10(図4〜7参照)の被検出面に設ける磁極(N極、S極)の総数と、上述したスピンドル装置26の主軸の回転速度とに基づいて、上記第一、第二の各コイル22a、22bに流す矩形波状の着磁電流の周波数及び位相を制御する機能を備える。又、本例の場合、この様な着磁電源装置25による制御と、上記回転制御手段30による制御とは、集中制御装置34(パソコン)により、互いに関連付けて実行する。又、本例のエンコーダの着磁装置の場合には、他の構成要素として、次述する着磁作業を行なう際に、上記エンコーダ中間体19を構成する磁性部材18の他側面のうちで、着磁が済んだ部分の着磁強度を測定する、品質検査用の磁気センサ35を備える。更に、本例の場合には、この磁気センサ35の検出信号を上記着磁電源装置25に入力する事により、この検出信号を、上述した着磁電流の制御を実行する際のフィードバック信号として利用できる様にしている。
次に、上述の様なエンコーダの着磁装置を使用して、上記エンコーダ中間体19を構成する磁性部材18を着磁する方法に就いて説明する。この磁性部材18の着磁作業を行なう際には、先ず、図1に示す様に、上記エンコーダ中間体19を治具31にセットする。具体的には、上記磁性部材18の他側面(被検出面となるべき面)を上に向けた状態で、上記エンコーダ中間体19を構成する芯金7の円筒部8を、上記治具31の外周面に同心に支持固定する。
そして、この状態で、図2に示す様に、着磁ヨーク24を構成する第一、第二の着磁ヘッド16a、16bの先端面を、それぞれ上記磁性部材18の他側面(上面)の一部で、円周方向に関して互いに隣接し且つ両者間の回転角ピッチがPである、2個所位置に近接対向させる。具体的には、これら2個所位置のうち、円周方向片側(図2〜3の左側)の1個所位置に上記第一の着磁ヘッド16aの先端面を、円周方向他側(図2〜3の右側)の1個所位置に上記第二の着磁ヘッド16bの先端面を、それぞれ近接対向させる。これと共に、上記着磁ヨーク24を構成する第三、第四の着磁ヘッド16c、16dの先端面を、それぞれ上記芯金7の円輪部9の他側面(図1〜3の下面)の一部で、円周方向に関して上記2個所位置と同位相の2個所位置に近接対向させる。具体的には、これら2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置に上記第三の着磁ヘッド16cの先端面を、円周方向他側の1個所位置に上記第四の着磁ヘッド16dの先端面を、それぞれ近接対向させる。尚、着磁効率を十分に確保する観点より、上記各2個所位置(合計4個所位置)と上記第一〜第四の各着磁ヘッド16a〜16dの先端面との間隔(近接対向距離)は、これら各2個所位置とこれら各先端面とが干渉しない範囲で、極力小さくする事が好ましい。本例の場合には、次述する上記エンコーダ中間体19の回転時に発生する、上記磁性部材18の他側面(上面)及び上記芯金7の円輪部9の他側面(下面)の面振れを考慮して、上記間隔を30〜100μm程度とする。又、上記磁性部材18の他側面のうち、円周方向に関して上記2個所位置から外れた位置に、前記磁気センサ35の検出部を近接対向させる。
そして、この状態で、集中制御装置34により、回転制御手段30による制御と、着磁電源装置25による制御とを、互いに関連付けて実行する。即ち、上記回転制御手段30による制御を実行する事により、スピンドル装置26を構成する主軸と共に、上記エンコーダ中間体19を、所定速度で連続的に回転させる。そして、この回転に基づき、図3の(A)→(B)→(C)の順に示す様に、上記磁性部材18の他側面に対する上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bの先端面の近接対向位置である2個所位置、並びに、上記芯金7の円輪部9の他側面に対する上記第三、第四の着磁ヘッド16c、16dの先端面の近接対向位置である2個所位置を、それぞれ円周方向に関して連続的に移動させる。
これと同時に、上記着磁電源装置25による制御を実行する。具体的には、第一のコイル22a、22aと、第二のコイル22b、22bとに、それぞれ完成後の被検出面に設ける磁極(N極、S極)の総数と上記主軸の回転速度とに対応した周波数及び位相を有する、1〜10Aの範囲内の大きさの矩形波状の着磁電流を流す。そして、この着磁電流に基づいて、図3の(A)→(B)→(C)の順に示す様に、上記第一、第二の両着磁ヘッド16a、16bの先端面同士の間に、この第一の着磁ヘッド16aの先端面を近接対向させた上記1個所位置をN極に、上記第二の着磁ヘッド16bの先端面を近接対向させた上記1個所位置をS極に、それぞれ着磁する磁束αを、上記第二の着磁ヘッド16bの先端面から出て上記第一の着磁ヘッド16aの先端面に入る態様で、間欠的に発生させる。これと共に、上記第二、第三の両着磁ヘッド16c、16dの先端面同士の間に、この第三の着磁ヘッド16cの先端面を近接対向させた上記1個所位置をS極に、上記第四の着磁ヘッド16dの先端面を近接対向させた上記1個所位置をN極に、それぞれ着磁する磁束βを、上記第三の着磁ヘッド16cの先端面から出て上記第四の着磁ヘッド16dの先端面に入る態様で、上記磁束αと同位相で間欠的に発生させる。これにより、上記磁性部材18の他側面の全周に、N極とS極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁すると共に、上記芯金7の円輪部9の他側面の全周に(この円輪部9を介して上記磁性部材18の片側面の全周に)、この磁性部材18の他側面の同位相の部分と逆極性のS極とN極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁する。この様な着磁作業は、上記エンコーダ中間体19を複数回、回転させた後に終了する。尚、本例の場合には、この様な着磁作業時の着磁電流に対し、この着磁電流の大きさを、(着磁開始→)上昇→保持→下降(→着磁終了)の順に変化させる、台形制御を実施する。又、本例の場合には、以上の様な着磁作業と並行して、磁気センサ35により、上記磁性部材18の他側面のうちで着磁が済んだ部分の着磁強度を測定する、品質検査を行なう。これにより、上述した着磁作業を行なった後に、別途、着磁強度の品質検査を実施せずに済む様にしている。
上述した様な本例のエンコーダの着磁方法及び着磁装置の場合には、前述の図15に示した従来のインデックス着磁法の第2例の場合と同様、エンコーダ中間体19を連続的に回転させながら、磁性部材18の他側面(被検出面となるべき面)の全周に、N極とS極との組を1組ずつ、円周方向に関して順次着磁する。この為、完成後のエンコーダ10(図4〜7参照)の被検出面に設けるべき磁極の総数と、上記エンコーダ中間体19の回転速度とに基づいて、第一、第二の各コイル22a、22bに流す矩形波状の着磁電流の周波数及び位相を的確に制御すれば、第一〜第四の各着磁ヘッド16a〜16dを含んで構成する着磁ヨーク24の製造誤差の影響を殆ど受ける事なく、完成後のエンコーダ10の被検出面に設けるN極及びS極の着磁ピッチ精度を良好にできる。又、本例の場合には、前述の図15に示した従来のインデックス着磁法の第2例の場合と同様、上記磁性部材18の他側面の全周にN極とS極との組を1組ずつ、円周方向に関して順次着磁する為、完成後のエンコーダ10の被検出面から出入りする磁束密度のデューティ比を50%に近づける事が可能となる。
又、本例の場合には、上記磁性部材18の他側面の全周に、N極とS極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁するのと同時に、芯金7の円輪部9の他側面の全周に、上記磁性部材18の他側面の同位相の部分と逆極性のS極とN極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁する。従って、本例の場合には、上記第一、第二の各コイル22a、22bに流す着磁電流の大きさを、前述の図14〜15に示した従来のインデックス着磁法を実施する場合の着磁電流の大きさと同程度に小さくした場合でも、完成後のエンコーダ10の被検出面から出入りする磁束密度を、飽和に近いレベルまで大きくできる。尚、本例を実施する場合、上記着磁電流を大きくすると、その分だけ着磁ヨーク24の耐久性が損なわれる為、上記着磁電流の大きさは、上記磁束密度を飽和に近いレベルまで大きくできる条件を満たした上で、極力小さくする事が好ましい。又、上記着磁ヨーク24の耐久性を向上させる為に、この着磁ヨーク24に関しては、内部に冷却水を循環させる冷却ジャケット構造を採用するのが好ましい。
尚、上述した実施の形態では、前述の図4〜7に示したエンコーダ10を対象として、製造時の着磁作業を実施した。但し、本発明はこれに限らず、例えば前述の図8〜12に示したエンコーダ10a〜10dを対象として、製造時の着磁作業を実施する事もできる。
尚、本発明のエンコーダの着磁方法及び着磁装置を実施する場合に、着磁対象となる、エンコーダ中間体を構成する磁性部材(エンコーダ本体の素材)は、特に限定される事はない。但し、このエンコーダ中間体を構成する芯金の支持板部の片側面への接合性を考慮すると、上記磁性部材としては、磁性粉を70〜92重量%程度含有し、且つ、熱可塑性樹脂或はゴムをバインダーとした、磁石コンパウンドを好適に採用できる。
この場合に、上記磁性粉としては、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト等のフェライト系の磁性粉や、ネオジウム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト、サマリウム−鉄等の希土類系の磁性粉を採用する事ができ、更に、フェライトの磁気特性を向上させる為に、ランタン等の希土類元素を混入させた磁性粉を採用する事もできる。尚、上記磁性粉の含有量を70〜92重量%にするのが好適である理由は、当該含有量を70重量%未満にすると、磁気特性が劣ると共に、細かいピッチで円周方向に多極磁化させる事が困難になる為であり、又、当該含有量を92重量%よりも多くすると、上記バインダーの量が少なくなり過ぎて、上記磁性部材全体の強度が低くなると共に、この磁性部材の成形が困難になり、実用性が低下する為である。
又、上記バインダーとして、上記熱可塑性樹脂を採用する場合は、射出成形可能なものを採用するのが好適である。具体的には、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12等のポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、上記ポリアミド樹脂から成るハードセグメントと、ポリエステル成分とポリエーテル成分とのうちの少なくとも一方のソフトセグメントとを有する、ブロック共重合体である変性ポリアミド樹脂や、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂をハードセグメントとする、同様のブロック共重合体である変性ポリエステル系樹脂等を採用するのが好適である。又、使用環境で、融雪剤として使用される塩化カルシウムと水とが一緒にかかる可能性がある場合には、吸水性が少ない、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリアミド12樹脂、変性ポリエステル系樹脂を、樹脂バインダーとする事が、より好適である。更に、使用環境で想定される急激な温度変化(熱衝撃)による亀裂発生を防止するバインダーとして、添加する事で、曲げたわみ性、耐亀裂性が向上する、変性ポリアミド12樹脂、変性ポリエステル系樹脂、変性ポリアミド12樹脂のうちの何れかの樹脂とポリアミド12との混合物や、変性ポリエステル系樹脂とポリエステル樹脂との混合物を、好適に採用できる。又、亀裂発生を防止するバインダーとして、上記熱可塑性樹脂と、ニトリルゴム、アクリルゴム等の加硫ゴム微粒子等の耐衝撃性向上剤とを組み合わせのものを採用しても良い。
又、上記バインダーとして、上記ゴムを用いる場合は、耐油性と耐熱性とを兼ね備えた、ニトリルゴム、アクリルゴム、水素添加ニトリルゴム、フッ素ゴム等を用いるのが好適である。
又、上記磁性粉としては、コストや耐酸化性を考慮すると、フェライト系の磁性粉を採用するのが最も好適である。これに対して、磁気特性を優先して、希土類系の磁性粉を使用する場合には、フェライト系の磁性粉に比べて耐酸化性が低いので、長期間に亙って安定した磁気特性を維持させる為に、上記磁性部材の表面のうち周囲に露出した部分に、表面処理層を設けるのが好適である。尚、この表面処理層としては、例えば、電気或は無電解ニッケルメッキ、エポキシ樹脂塗膜、シリコン樹脂塗膜、フッ素樹脂塗膜等を採用できる。
又、前記エンコーダ中間体を構成する芯金の材料としては、上記磁性部材の磁気特性を低下させず、且つ、使用環境との関係で、一定レベル以上の耐食性を有する、フェライト系ステンレス(SUS430等)、マルテンサイト系ステンレス(SUS410等)等の他、Mo等を添加して耐食性を向上させた、SUS434、SUS444等の高耐食性フェライト系ステンレス等を採用するのが好適である。
又、上記芯金の表面のうち、上記磁性部材との接合面である、支持板部の片側面には、接着剤との接合力を向上させる為に、微細な凹凸を設けるのが好適である。この凹凸を設ける方法としては、ショットブラスト処理による方法、プレス成形時の金型表面の凹凸の転写による方法等の機械的な方法の他、一度表面処理した表面を酸等によって化学エッチングする方法も採用できる。又、上記磁性部材のバインダーをゴムとする場合には、この磁性部材の表面のうち、上記芯金との接合面に凹凸を設ければ、この凹凸の凹部に接着剤が入り込み、アンカー効果により、上記磁性部材と上記芯金との接合力が強固になる為、より好適である。
又、上記磁性部材のバインダーを、射出成形可能な熱可塑性樹脂とする場合、上記エンコーダ中間体は、金型内で、接着剤を塗布された上記芯金の一部に上記磁性部材を射出成形(インサート成形)する事により造る。この場合に、上記接着剤は、溶融した高圧の上記磁性部材の材料(プラスチック磁石材料、ゴム磁石材料等)の流動物によって脱落して流失しない程度まで半硬化状態になっており、溶融樹脂・流動ゴムからの熱、或はそれに加えて成形後の2次加熱によって完全に硬化状態となる。この場合に使用可能な接着剤としては、溶剤での希釈が可能で、2段階に近い硬化反応が進む、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等が、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を十分に確保できる点で好適である。
又、上記エンコーダ中間体を上述したインサート成形により造る場合で、上記磁性部材を、熱可塑性プラスチックをバインダーとするプラスチック磁石とする場合、この磁性部材の成形は、内径厚み部から溶融したプラスチック磁石材料が同時に金型中に高圧で流れ込み、この金型中で急冷され固形化する、ディスクゲート方式の射出成形とするのが好ましい。この様なディスクゲート方式の射出成形を採用すれば、溶融樹脂はディスク状に広がってから、内径厚み部に該当する部分の金型に流入する事で、中に含有する燐片状の磁性粉が面に対して平行に配向する。特に、内径厚み部近傍の、センサの検出部が対向する内径部と外径部との間の部分は、より配向性が高く、厚さ方向に配向させたアキシアル異方性に非常に近い状態になる。成形時に金型に、厚さ方向に磁場をかける様にすると、異方性はより完全に近いものとなる。尚、この様な磁場成形を行なっても、ゲートをディスクゲート以外の、例えばピンゲートとした場合、徐々に固形化に向って樹脂粘度が上がって行く過程で、ウェルド部での配向を完全に異方化するのは困難であり、それによって、磁気特性が低下すると共に、機械的強度が低下するウェルド部に長期間の使用によって、亀裂等が発生する可能性があり、好ましくない。
又、上記磁性部材のバインダーをゴムとする場合、この磁性部材の成形は、射出成形で行なうのであれば、やはり上述したディスクゲート方式の射出成形で造るのが好ましい。これに対し、上記磁性部材の成形を、圧縮成形で行なうのであれば、金型中(下型)にスリンガを配設した状態で、その上にシート状にした未加硫の上記磁性部材の材料を置き、、その上から金型(上型)を被せる事で、上記スリンガに上記磁性部材を加硫接着する。
次に、本発明の効果を確認する為に行なった実験に就いて説明する。実験では、以下の表1に示す様な各種の着磁方法[実施例{本発明の着磁方法(図1〜3参照)}、比較例1{従来の一発着磁法(図13参照)}、比較例2{従来の挟み込み着磁ヘッド方式のインデックス着磁法(図14参照)}、比較例3{従来の片側1対着磁ヘッド方式のインデックス着磁法(図15参照)}]により、それぞれエンコーダ中間体19(図1〜3参照)を構成する磁性部材18の着磁を行なう事で、エンコーダ10{図4〜7参照。被検出面の寸法:内径60mm、外径72mm。被検出面に設ける磁極(N極、S極)の総数:86個}を完成させた後、このエンコーダ10の被検出面の磁気特性を調べた。
Figure 0005085982
尚、比較例1では、東洋磁気工業株式会社製の着磁ヨーク及び着磁電源を使用し、比較例2では、東洋磁気工業株式会社製の多極着磁装置に挟み込み着磁ヘッド16a、16bを取り付けたものを使用し、比較例3では、東洋磁気工業株式会社製の多極着磁装置に片側1対着磁ヘッド16a、16bを取り付けたものを使用した。又、実施例及び比較例2、3で使用する着磁装置を構成する各コイルの導線の巻数は、それぞれ100巻とした。更に、実施例及び比較例2、3で流す着磁電流に対しては、この着磁電流の大きさを、(着磁開始→)上昇→保持→下降(→着磁終了)の順に変化させる、台形制御を実施した。又、上記表1中のトリガーとは、着磁タイミングを表し、着磁パルス数÷着磁極数の値を%表示したものである。
又、実験で使用した、上記エンコーダ中間体19の仕様は、以下の通りである。
<芯金7の仕様>
板厚0.6mm。No.2仕上げ(JIS G 4305、算術平均粗さRa0.06μm程度)のSUS430を母材に使用。上記磁性部材18の接合面のみを、ショットブラスト加工により算術平均粗さRa1.3μmに粗らしてある。
<芯金7と磁性部材18とを接合する接着剤の仕様>
ノボラック型フェノール樹脂を主成分とする固形分30%のフェノール樹脂系接着剤(東洋化学研究所製のメタロックN−15)を、更にメチルエチルケトンで3倍に希釈し、浸漬処理でスリンガ表面に塗布。その後、室温で30分乾燥してから、120℃で30分乾燥器中に放置する事で半硬化状態とした。
<磁性部材18の仕様>
材料(成形試験用磁石材料):戸田工業株式会社製のストロンチウムフェライト含有12ナイロン系異方性プラスチック磁石コンパウンド「FEROTOP TP−A27N」(ストロンチウムフェライトの含有量90重量%)。磁場成形を行なう事で、最大エネルギー積:2.1MGOe。
成形方法:成形時に厚み方向(軸方向)に磁場をかけて、ディスクゲート方式で射出成形。金型内での冷却時に反転脱磁を行ない、磁石を完全に脱磁。上記接着剤を完全に硬化させる為に、150℃で1時間加熱した。完成後の厚さ0.9mm。
又、実験では、上述した完成後のエンコーダ10の被検出面の磁気特性として、この被検出面に近接対向する部分(測定径66mm、エアギャップ1mmの部分)の磁束密度(平均)と、この被検出面に設けた磁極(N極、S極)の単一ピッチ誤差(下降時の最大値)と、この被検出面から出入りする磁束密度のデューティ比とを調べた。実験結果を、以下の表2に示す。
Figure 0005085982
この表2に示した実験結果から、本発明の着磁方法(実施例)によれば、従来の一発着磁法(実施例1)に近い大きさの磁束密度を得られると共に、従来の挟み込み着磁ヘッド方式のインデックス着磁法(実施例2)と同程度に単一ピッチ誤差を小さくする事ができ、しかも従来の片側1対着磁ヘッド方式のインデックス着磁法(実施例3)と同程度にデューティ比を良好にできる事が分かる。
本発明の実施の形態の1例を示す、エンコーダの着磁装置の概略構成図。 図1のA部を、この図1の右方から見た拡大図。 図2のB部拡大図。 回転速度検出装置付回転支持装置の第1例を示す半部断面図。 図4のC部拡大図 この第1例に組み込むエンコーダの被検出面を示す図。 回転速度検出装置付回転支持装置の第2例を示す断面図。 同第3例を示す断面図。 図8のD部拡大図。 回転速度検出装置付回転支持装置の第4例を示す要部断面図。 回転支持装置の荷重測定装置に組み付けて使用可能なエンコーダの第1例を示す斜視図。 同第2例を示す斜視図。 従来から知られている一発着磁法を説明する為の図。 従来から知られているインデックス着磁法の第1例を説明する為の図。 同第2例を説明する為の図。
符号の説明
1、1a 外輪
2 内輪
3 玉
4 組み合わせシールリング
5 芯金
6 弾性材
7、7a〜7d 芯金
8、8a 円筒部
9 円輪部
10、10a〜10d エンコーダ
11、11b〜11d エンコーダ本体
12 センサ
13 ハブ
14 カバー
15 着磁端子
16、16a〜16d 着磁ヘッド
17 導線
18 磁性部材
19 エンコーダ中間体
20、20a、20b 芯材
21、21a、21b 着磁ヨーク
22、22a、22b コイル
23 回転駆動装置
24 着磁ヨーク
25 着磁電源装置
26 スピンドル装置
27 モータ
28 面振れ補正装置
29 回転角度検出装置
30 回転制御手段
31 治具
32 固定用チャック
33 位置決め装置
34 集中制御装置
35 磁気センサ

Claims (3)

  1. 芯金とエンコーダ本体とを備え、このうちの芯金は、円輪状又は円筒状の支持板部を有するものであり、上記エンコーダ本体は、上記支持板部の片側面の全周に磁性部材の片側面を接合固定した後、この磁性部材を着磁する事により、この磁性部材の他側面に対応する面に、N極とS極とを円周方向に関して交互に且つ等間隔に配置した被検出面を設けて成るものであるエンコーダの着磁方法であって、上記芯金を構成する支持板部の片側面に上記磁性部材の片側面を全周に亙り接合固定して成るエンコーダ中間体を造った後、上記磁性部材の他側面の一部で円周方向に関して互いに隣接する2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置に第一の着磁ヘッドの先端面を、円周方向他側の1個所位置に第二の着磁ヘッドの先端面を、それぞれ近接対向させると共に、上記支持板部の他側面の一部で円周方向に関して上記2個所位置と同位相の2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置に第三の着磁ヘッドの先端面を、円周方向他側の1個所位置に第四の着磁ヘッドの先端面を、それぞれ近接対向させた状態で、これら第一〜第四の各着磁ヘッドに対して上記エンコーダ中間体を円周方向に連続的に回転させながら、上記第一、第二の両着磁ヘッドを備えた第一の芯材の一部に巻回した第一のコイルにパルス波状の着磁電流を流す事に基づいて、上記第一、第二の両着磁ヘッドの先端面同士の間に、この第一の着磁ヘッドの先端面を近接対向させた上記1個所位置をN極に、上記第二の着磁ヘッドの先端面を近接対向させた上記1個所位置をS極に、それぞれ着磁する磁束を、上記第二の着磁ヘッドの先端面から出て上記第一の着磁ヘッドの先端面に入る態様で、間欠的に発生させる事により、上記磁性部材の他側面の全周にN極とS極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁すると共に、上記第三、第四の両着磁ヘッドを備えた第二の芯材の一部に巻回した第二のコイルにパルス波状の着磁電流を流す事に基づいて、上記第三、第四の両着磁ヘッドの先端面同士の間に、この第三の着磁ヘッドの先端面を近接対向させた上記1個所位置をS極に、上記第四の着磁ヘッドの先端面を近接対向させた上記1個所位置をN極に、それぞれ着磁する磁束を、上記第三の着磁ヘッドの先端面から出て上記第四の着磁ヘッドの先端面に入る態様で、上記第一、第二の両着磁ヘッドの先端面同士の間に発生させる磁束と同位相で間欠的に発生させる事により、上記支持板部の他側面の全周にS極とN極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁するエンコーダの着磁方法。
  2. 第一、第二の各コイルに流すパルス波状の着磁電流を、それぞれ矩形波状、正弦波状、三角波状から選択される何れか1つの波状の着磁電流とする、請求項1に記載したエンコーダの着磁方法。
  3. 請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したエンコーダの着磁方法を実施する為の着磁装置であって、回転駆動装置と、着磁ヨークと、着磁電源装置とを備え、
    このうちの回転駆動装置は、芯金を構成する支持板部の片側面に磁性部材の片側面を全周に亙り接合固定して成るエンコーダ中間体を支持した状態で、このエンコーダ中間体を円周方向に連続的に回転させるものであり、
    上記着磁ヨークは、第一の芯材と、この第一の芯材の一部に巻回した第一のコイルと、第二の芯材と、この第二の芯材の一部に巻回した第二のコイルとを備え、このうちの第一の芯材は、上記磁性部材の他側面の一部で円周方向に関して互いに隣接する2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置にその先端面を近接対向させる第一の着磁ヘッドと、円周方向他側の1個所位置にその先端面を近接対向させる第二の着磁ヘッドとを備えたものであり、上記第二の芯材は、上記支持板部の他側面の一部で円周方向に関して上記2個所位置と同位相の2個所位置のうち、円周方向片側の1個所位置にその先端面を近接対向させる第三の着磁ヘッドと、円周方向他側の1個所位置にその先端面を近接対向させる第四の着磁ヘッドとを備えたものであり、
    上記着磁電源装置は、上記第一のコイルにパルス波状の着磁電流を流す事に基づいて、上記第一、第二の両着磁ヘッドの先端面同士の間に、この第一の着磁ヘッドの先端面を近接対向させる上記1個所位置をN極に、上記第二の着磁ヘッドの先端面を近接対向させる上記1個所位置をS極に、それぞれ着磁する磁束を、上記第二の着磁ヘッドの先端面から出て上記第一の着磁ヘッドの先端面に入る態様で、間欠的に発生させる事により、上記磁性部材の他側面の全周にN極とS極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁可能とすると共に、上記第二のコイルにパルス波状の着磁電流を流す事に基づいて、上記第三、第四の両着磁ヘッドの先端面同士の間に、この第三の着磁ヘッドの先端面を近接対向させる上記1個所位置をS極に、上記第四の着磁ヘッドの先端面を近接対向させる上記1個所位置をN極に、それぞれ着磁する磁束を、上記第三の着磁ヘッドの先端面から出て上記第四の着磁ヘッドの先端面に入る態様で、上記第一、第二の両着磁ヘッドの先端面同士の間に発生させる磁束と同位相で間欠的に発生させる事により、上記支持板部の他側面の全周にS極とN極との組を1組ずつ、円周方向に順次着磁可能とするものである、
    エンコーダの着磁装置。
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