JP6897638B2 - 磁石の評価方法および評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁石の評価方法および評価装置に関する。
近年、自動車のステアリングの回転位置の検出等の種々の用途で、磁気式の回転角度検出器が広く利用されている。磁気式の回転角度検出器としては、たとえば特許文献1に記載されている回転角度検出器が知られている。
上記回転角度検出器は、回転軸に設けられる磁石と、磁石による磁界を検出する磁気センサとを備え、磁気センサの検出出力に基づいて磁石の回転角度を検出するものである。
特開2016−153765号公報
上述した回転角度検出器では、磁気センサは磁石の軸上に配置されるのが理想的ではあるが、磁石と磁気センサとの組み付け時の誤差で、磁石の軸に対して磁気センサが偏心する。このような磁気センサの偏心が、実際の回転角度に対する検出された回転角度のズレである角度誤差の一因となる。
そこで、偏心量の最大値が定められた回転角度検出器において、角度誤差が許容値以下であることが保証された磁石が求められている。
このような磁石を求める場合、磁石の主面の全面を測定するか、交点を中心として組み付け誤差を半径とする円の全周を測定するかして、評価することになる。
しかしながら、磁石の全面や全周を測定するにはかなりの時間を要する。特に、自動車に採用される回転角度検出器のように、安全性を担保するための高い品質が求められる回転角度検出器であれば、磁石の全数検査をおこなうことが望ましく、この場合には多大な時間を要する。
発明者らは、鋭意研究の末、所定の偏心量以下であるときに磁石の角度誤差が許容値以下であるか否かの評価を短時間でおこなうことができる技術を新たに見出した。
本発明は、評価時間の短縮が図られた磁石の評価方法および評価装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る磁石の評価方法は、N極およびS極を有する磁石の主面に磁気センサを対向配置させて、磁石と磁気センサとの間の角度変化を検出する回転角度検出器に用いられる磁石の評価方法であって、磁石の主面から離間するとともに主面に対して平行な仮想平面上の、磁石の中心軸と仮想平面との交点を中心とした仮想円上であって、仮想平面上の交点における面内磁界の向きに対してなす角度が45°、135°、225°および315°となる位置の少なくとも一つに、プローブを配置するプローブ配置工程と、仮想平面上における磁石の磁束の向きを、プローブにより検出する検出工程と、プローブにより検出した磁束の向きと、仮想平面上におけるプローブの位置における角度との間の角度誤差を算出する算出工程と、算出された角度誤差に基づき、磁石を評価する評価工程とを含んでいる。
発明者らは、磁石の角度誤差について研究を重ねた結果、仮想平面上の交点における面内磁界の向きに対してなす角度が45°、135°、225°および315°となる位置付近において、角度誤差が極大になるとの知見を得た。すなわち、上記位置における角度誤差を算出しさえすれば、磁石全体を評価することができる。上記磁石の評価方法では、磁石の全面や全周を測定する必要がないため、評価時間の短縮を実現することができる。
他の態様に係る磁石の評価方法は、プローブ配置工程では、主面における面内磁界の向きに対してなす角度が45°、135°、225°および315°となる4つの位置のそれぞれにプローブを配置し、4つの位置それぞれについて検出工程および算出工程をおこなった後、評価工程をおこなう。この場合、4つの位置における角度誤差を同時または順次に算出することで評価時間の増加を抑えつつ、評価の精度および信頼性を高めることができる。
他の態様に係る磁石の評価方法は、プローブ配置工程では、仮想平面における面内磁界の向きに対してなす角度が45°、135°、225°および315°となる4つの位置のうちの1つにプローブを配置し、評価工程の後、プローブを4つの位置のうちの他の1つにプローブを移動して、検出工程、算出工程および評価工程を繰り返す。上記位置の複数において磁石の評価をおこなうことで、評価の精度および信頼性を高めることができる。この場合でも、磁石の全面や全周を測定する場合に比べて、評価時間の短縮が図られる。
本発明の一態様に係る磁石の評価装置は、N極およびS極を有する磁石の主面に磁気センサを対向配置させて、磁石と磁気センサとの間の角度変化を検出する回転角度検出器に用いられる磁石の評価装置であって、磁石を保持可能な治具と、磁石の主面から離間するとともに主面に対して平行な仮想平面上の、磁石の中心軸と仮想平面との交点を中心とした仮想円上であって、仮想平面上の交点における面内磁界の向きに対してなす角度が45°、135°、225°および315°となる位置の少なくとも一つに配置され、かつ、仮想平面上における磁石の磁束の向きを検出するプローブと、プローブにより検出した磁束の向きと、仮想平面上におけるプローブの位置における角度との間の角度誤差を算出するとともに、算出された角度誤差に基づき、磁石を評価する制御部とを備えている。
上記磁石の評価装置は、仮想平面上の交点における面内磁界の向きに対してなす角度が45°、135°、225°および315°となる位置における角度誤差を算出することができ、算出した角度誤差から磁石全体を評価することができる。そのため、上記磁石の評価装置によれば、磁石の全面や全周を測定する場合に比べて、評価時間の短縮を図ることができる。
本発明によれば、評価時間の短縮が図られた磁石の評価方法および評価装置が提供される。
図1は、一実施形態にかかる磁石構造体の斜視図である。 図2は、図1の軸Cに沿う断面図である。 図3は、図1の磁石構造体が用いられる回転角度検出器の一例を示した斜視図である。 図4は、図1の磁石構造体の磁石を評価する評価装置を示した図である。 図5は、図4の評価装置においてプローブが配置される仮想平面P上の位置を示した図である。 図6は、図4の評価装置を用いて磁石を評価する評価方法を示したフローチャートである。 図7は、仮想平面P上の各位置における角度誤差についてシミュレーションをおこなった結果を示した図である。 図8は、図4とは異なる態様の評価装置を示した図である。 図9は、図1とは異なる態様の磁石構造体を示した図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
図1および図2に示すように、実施形態に係る磁石構造体10は、磁石12と、磁石保持体14とを備える。
磁石12は円柱形状を有し、上端面12aおよび下端面12bを有する。上端面12aおよび下端面12bは、磁石12の中心軸Cに対して垂直な面である。上端面12aは、後述する磁気センサ26に対向する対向面である。中心軸方向に関する磁石12の長さ(すなわち、高さ)Hは、センサの精度を高める観点から、たとえば1〜10mmとすることができ、本実施形態では2mmである。磁石12の直径Dは、たとえば5〜20mmとすることができ、本実施例では13mmである。磁石12は、圧縮成型や押出成型等で成形して得ることができ、または、大きな塊の磁石から切り出して得ることができる。磁石12は、円柱形状に限らず、角柱形状や楕円形状を有していてもよい。
磁石12は中心軸Cに対して直交する方向に磁化されており、図1に示すように、上端面12aにN極とS極とが形成されている。以下では、説明の便宜上、磁石12の中心軸Cの方向をZ方向、磁石12の磁化方向をX方向、Z方向およびX方向に垂直な方向をY方向と称す。
磁石12は、永久磁石である。磁石12は、多数の磁性粉末を用いて形成され得る。磁性粉末の例は、希土類磁石粉末及びフェライト磁石粉末などの硬磁性粉末である。小型化の観点から、磁性粉末は希土類磁石粉末であることが好ましい。希土類磁石粉末は、希土類元素を含む合金粉末である。
希土類元素は、長周期型周期表の3族に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイドからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む。遷移元素の例は、Fe、Co、CuおよびZrであるが、Feを必須とすることが好適である。希土類合金の具体例は、SmCo系合金、NdFeB系合金、SmFeN系合金である。これらのなかでも、NdFe14Bで表されるNdFeB系合金が好ましい。NdFeB系合金は、Nd、Fe、及び、ホウ素を含む。希土類磁石は、他の添加元素を含むことができる。
磁性粉末の平均粒径は、例えば、30〜250μmであることができる。磁石12は、1種類の磁性粉末を単独で含んでいてもよく、2種類以上の磁性粉末を含んでいてもよい。
各磁性粉末は、粒径に応じて1又は複数の磁性結晶粒を有し、各磁性結晶粒は磁化容易軸を有する。例えば、磁性結晶がNdFe14Bの場合、その磁化容易軸はc軸となる。図3の(a)は、磁石12の断面中の磁性結晶粒G及びそれぞれの磁化容易軸を示す模式図である。本実施形態において、磁石12に多数存在する磁性結晶粒Gの磁化容易軸の向きは等方的、すなわち、ランダムである。
このような磁石は、磁石12の成形時に実質的に磁界を印加させず、成形後の磁石に磁界を印加して着磁することにより、得ることができる。
磁石12は、磁性粉末以外にバインダーを含む、いわゆるボンド磁石であってもよい。バインダーの例は、樹脂バインダーである。樹脂バインダーの例は、熱硬化性樹脂の硬化物又は熱可塑性樹脂である。硬化性樹脂の例は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂である。熱可塑性樹脂の例は、ナイロン(たとえば、PA12、PA6、PA66)等のポリアミド;ポリフェニレンサルファイドである。磁石12は、1種類の樹脂を単独で含んでいてもよく、2種類以上の樹脂を含んでいてもよい。磁石12が、ボンド磁石である場合、磁石中の樹脂の体積比率は30〜90%、磁性粉末の体積比率は10〜70%であることができる。
磁石12は、上記磁性粉末を用いて形成された磁石であれば、上述のボンド磁石に限らず、NdFeB系焼結磁石やフェライト焼結磁石のような焼結磁石であってもよく、いわゆる熱間加工によって製造された永久磁石であってもよい。
図1および図2に示すように、磁石保持体14は、磁石12の中心軸Cの方向に沿って延びる円筒形状のケースである。磁石保持体14は、その内側に磁石12を収容して固定できるように、磁石12の径と同一または磁石12の径よりわずかに大きい内径を有する。磁石保持体14は、たとえばプレス加工にて製造することができる。磁石保持体14の構成材料には非磁性体が採用され得る。たとえば、アルミニウムや銅、真鍮、ステンレス等の非磁性体が採用され得る。
本実施形態では、磁石保持体14の磁石12の上端面12a側の端部には、径方向外側に向かって延びる円環状のフランジ部14aが設けられている。本実施形態では、フランジ部14aは、磁石12の上端面12aと同一面を形成するように設けられている。磁石12の上端面12aとフランジ部14aとの間に、0.05〜0.5mm程度の段差があってもよい。磁石保持体14の高さは、磁石12の高さよりも高くなるように設計されている。そのため、磁石12の下端面12b側の磁石保持体14には、磁石保持体14の内側面と磁石12の下端面12bとにより円柱状の空洞14bが画成されている。
磁石12と磁石保持体14とは接着剤で固定されていてもよい。または、射出成型により磁石保持体14内に磁石12を一体に形成することもできる。具体的には、バインダー樹脂及び磁石粉末を含む原料組成物を加熱等により流動化し、磁石保持体内に射出し、冷却等により固化することにより、磁石保持体14内に磁石12を形成することができる。射出工程を無磁場で行うことにより、磁性結晶粒の磁化容易軸を等方的に配向させることができる。また、図示は省略するが、磁石12と磁石保持体14との接触面において、凹凸を設け、一方の凸部が他方の凹部に嵌まることにより、磁石12と磁石保持体14とが固定されていてもよい。磁石12の凹凸が磁石が形成する磁界を乱さない観点から、磁石12の外周面に対して、磁石の径方向の凹凸の大きさは±0.5mm以内であることが好適である。
磁石保持体14の形状は、磁石を保持できる形状であれば、円筒状のケースに限定されず、多角筒状や有底筒状のケースであってもよい。
続いて、磁石構造体10が用いられる回転角度検出器20について図3を参照しつつ説明する。回転角度検出器20は、たとえば自動車の電動パワーステアリング(EPS)に組み込まれ得る。
回転角度検出器20において、磁石構造体10は回動軸22の端部に取り付けられる。回動軸22は、円柱状の端部を有しており、磁石構造体10の空洞14bに嵌め込まれる。磁石構造体10の磁石12と回動軸22とは軸合わせされており、回動軸22の回動に応じて、磁石構造体10の磁石12も中心軸C回りに回動する。回動軸22には、電動パワーステアリング用の電動モータ24が接続されており、回動軸22の駆動は、電動モータ24を制御するECU(Electronic Control Unit)によって制御される。
回転角度検出器20は、磁界の向きを検出可能な磁気センサ26を備えている。磁気センサ26は、たとえばAMR素子、GMR素子、及び、TMR素子である。特に、TMR素子は感度が高いため、磁界の向きを高い精度で検出することができる。
磁気センサ26は、磁石構造体10の磁石12の上端面12aに対して対向するように配置されている。磁気センサ26は、理想的には磁石12の中心軸C上に配置される。磁気センサ26は、回動軸22の回動と連動しない固定治具Fの下面に、たとえば接着剤により固定されている。また、磁気センサ26は、固定治具Fの内部に埋め込まれていてもよい。回転角度検出器20において、磁石構造体10の磁石12と磁気センサ26との離間距離Gapは、たとえば1〜6mmとすることができる。TMR素子を有する磁気センサの場合、磁気センサ26は磁界の強さが20〜80mTとなる位置に配置することができる。
回転角度検出器20では、磁石構造体10の磁石12により図3の破線Mに示すような磁界が生成され、回動軸22を磁石12の中心軸C回りにR方向に回転させたときに、回動軸22の回転角度に応じて中心軸C上において磁界の向きが中心軸C回りに回転して変化する。回転角度検出器20は、磁気センサ26により磁界の向きの変化を検出することで、回動軸22の回転角度(角度変化)を検出する。電動パワーステアリングでは、回転角度検出器20によって検出された回転角度に応じて電動モータ24の電流をフィードバック制御し、パワーアシストの量が調整される。
次に、上述した磁石構造体10の磁石12を評価する評価装置30について、図4を参照しつつ説明する。
評価装置30は、磁石構造体10を保持する治具32と、磁石12の磁界の向きを検出するプローブ34とを有する。
治具32は、円柱状の端部を有し、磁石構造体10の空洞14bに嵌め込まれている。治具32は、磁石構造体10の位置を固定することができる形状であれば、磁石構造体10を外周側から把持する形状や下側から支持する形状等であってもよい。
プローブ34は、評価装置30内において、磁石12の上端面12aに対して平行な仮想平面P上に配置される。磁石12の上端面12aと仮想平面Pとの離間距離Gapは、上述した磁石12と磁気センサ26との離間距離Gapと同じであってもよく異なっていてもよい。仮想平面P上には、磁石12の中心軸Cとの交点P0が存在している。図4には、仮想平面Pにおける基準線として、交点を通り、かつ、交点P0における面内磁界の向きに延びる基準線M1を示している。基準線M1は、磁石12の磁化の向き(X方向)に対して平行である。
プローブ34は、仮想平面P上であって、基準線M1に関して特定の角度θの位置に配置される。すなわち、図5に示すように、プローブ34は、仮想平面P上において基準線M1に関して45°の位置P1、135°の位置P2、225°の位置P3、315°の位置P4のいずれかに配置される。仮想平面P上における交点P0とプローブ34との距離(すなわち、図5における仮想円Qの半径)は、上述した磁気センサ26の偏心量から決定することができる。回転角度検出器20において磁気センサ26は、組み付け誤差等により磁石12の中心軸Cからズレることがあり、ある程度の量の偏心を想定して設計される。そして、組み付け時に実際に生じ得る偏心の最大値(最大偏心量)が、仮想平面P上における交点P0とプローブ34との距離として決定される。最大偏心量は、磁石構造体10を含む回転角度検出器20に求められる精度や目的によって変わり得る。本実施形態では、最大偏心量である仮想円Qの半径は0.6mmに設定されている。
プローブ34には、2つのホール素子34x、34yにより構成されている。一方のホール素子34xは仮想平面P上における磁束のX方向の成分を検出するように配向されており、他方のホール素子34yは、仮想平面P上における磁束のY方向の成分を検出するように配向されている。
評価装置30は、さらに、駆動部36と制御部38とを備えている。
駆動部36は、仮想平面P上の所定の位置までプローブ34を移動させることができるアクチュエータである。駆動部36として、プローブ34の微小変位を実現することができるリニアアクチュエータ等を採用することができる。
制御部38は、プローブ34および駆動部36に接続されている。制御部38は、2つのホール素子34x、34yが検出した磁束のX方向の成分およびY方向の成分を、プローブ34から受け付ける。制御部38は、駆動部36に対して制御可能に接続されており、駆動部36を介してプローブ34の位置検出および位置制御をおこなうことができる。また、制御部38は、プローブ34から受け付けた磁束のX方向の成分およびY方向の成分から、プローブ34の位置における磁束の向きを、基準線M1に対する磁束の傾き角θ’として算出する。
発明者らは、仮想平面P上の位置によって定まる角度θと当該位置における磁束の傾き角θ’との角度誤差Δθについてシミュレーションをおこない、図7に示すような結果を得た。
図7は、仮想平面P上における各位置における角度誤差Δθの大きさを、7つの範囲に分けて図示したグラフである。図7のグラフの横軸は、X方向に関する交点P0からのズレ量を示し、Y方向に関する交点P0からのズレ量を示している。図7のグラフ中に示した円は、交点P0を中心とした半径0.6mmの円であり、上述した仮想円Qに対応している。
図7のグラフから明らかなように、X方向に関する交点P0からのズレが少ないほど角度誤差Δθが小さく、また、Y方向に関する交点P0からのズレが少ないほど角度誤差Δθが小さくなる。反対に、X方向に関する交点P0からのズレおよびY方向に関する交点P0からのズレが大きいグラフの四隅領域では、角度誤差Δθが大きくなる傾向がわかる。仮想円Qで考えた場合には、45°、135°、225°および315°の領域において角度誤差Δθが大きくなることがわかる。
発明者らは、上記シミュレーション結果から、角度誤差Δθが大きい45°、135°、225°および315°の領域において角度誤差Δθを得れば、磁石12全体の角度誤差Δθの状況をおおよそ推測することができ、その推測に基づいて磁石の評価をおこなうことができるとの知見を得た。
続いて、上述した評価装置30を用いて磁石12を評価する評価方法について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
磁石12を評価する際には、まず、ステップS1として、磁石12を治具32にセットするとともにプローブ34を仮想平面P上の位置P1に配置して、磁石12とプローブ34との相対位置合わせをおこなう(プローブ配置工程)。
次に、ステップS2として、プローブ34が仮想平面P上の位置P1において、磁束のX方向の成分およびY方向の成分をプローブ34により検出し、制御部38が位置P1における磁束の向きを、基準線M1に対する磁束の傾き角θ’として算出する(検出工程)。
さらに、ステップS3として、制御部38が、ステップS2において算出した磁束の傾き角θ’と位置P1の傾き角θとの間の角度誤差Δθを算出する(算出工程)。
そして、ステップS4として、制御部38が、ステップS3において算出した角度誤差Δθに基づき、磁石12を評価する(評価工程)。磁石12の評価として、たとえば、角度誤差Δθが許容値(たとえば、±0.20°)以下であるか否かを評価し、許容値以下であれば良品、許容値を超えていれば不良品と判定することができる。換言すると、良品と判定された磁石12を、磁石12の中心軸Cに対する磁気センサ26の偏心量(組み付け誤差)が上述の最大偏心量以下である回転角度検出器20に用いる場合に、磁石12の全面において角度誤差Δθが許容値以下であることが保証される。また、磁石12の評価として、角度誤差Δθの大きさに応じて磁石12を等級分けすることもできる。
以上において説明したとおり、本実施形態に係る磁石12の評価装置30および評価方法では、仮想平面Pの仮想円Q上において基準線M1に対してなす角度θが45°となる位置において磁束の向きを検出して角度誤差Δθを算出し、その角度誤差Δθに基づいて磁石12の評価をおこなう。そのため、磁石12の全面や全周について磁束の向きを検出したり角度誤差を算出したりする必要がなく、評価時間の短縮が実現されている。
なお、磁束の向きを検出して角度誤差Δθを算出する位置は、仮想平面P上の位置P1に限らず、位置P2〜P4のいずれかであってもよい。
また、磁束の向きを検出して角度誤差Δθを算出する位置は、仮想平面P上の位置P1〜P4のうちの複数位置であってもよい。この場合、プローブ34を仮想平面P上の位置P1〜P4のいずれかに配置して角度誤差Δθを算出した後、駆動部36によりプローブ34を他の位置に移動させて角度誤差Δθを算出し、その位置での角度誤差Δθに基づいて磁石12の評価がおこなわれる。具体的には、図6のフローチャートにおいて、プローブ34の位置を順次変えつつステップS1〜S4を繰り返す。このように複数位置において評価をおこなうことで、評価の精度や信頼性が高まる。なお、位置P1〜P4のいずれかの位置での評価工程において角度誤差Δθが許容値を超えていた場合には、その時点で磁石12が不良品であると判定して、処理を終えてもよい。
さらに、位置P1〜P4の少なくとも1つの位置において磁束の向きを検出して角度誤差Δθを算出するとともに、交点P0において磁束の向きを検出して角度誤差Δθを算出することもできる。交点P0では角度誤差Δθは理論上生じないが、較正の目的で、角度誤差Δθを算出してもよい。
磁束の向きを検出して角度誤差Δθを算出する位置が複数である場合、評価装置が複数のプローブを備えることができる。図8に、4つのプローブ34A〜34Dを備えた評価装置30Aを示す。4つのプローブ34A〜34Dは、仮想平面P上における位置P1〜P4のそれぞれに固定配置されている。この場合、上述した評価装置30の駆動部36を省略することができる。
評価装置30Aでは、プローブ34A〜34Dが装置内に固定配置されているため、磁石12を治具32にセットすることで、図6のフローチャートのステップS1における磁石12とプローブ34A〜34Dとの相対位置合わせが完了する。
また、評価装置30Aでは、4つのプローブ34A〜34Dが同時または順次に磁束のX方向の成分およびY方向の成分を検出することができるため、図6のフローチャートのステップS2において、制御部38は位置P1〜P4における磁束の傾き角θ’を効率良く算出することができる。
さらに、評価装置30Aでは、4つの位置P1〜P4において算出した角度誤差Δθに基づいて、図6のフローチャートのステップS4における評価をおこなうため、評価の精度や信頼性の向上が図られている。
磁石構造体の形態については、上述した形態に限らず、図9に示す磁石構造体10Aのような形態であってもよい。磁石構造体10Aは、円柱状の磁石12Aとシャフト状の磁石保持体14Aとを備えて構成されている。磁石保持体14Aは、磁石12Aの中心軸Cに沿って延びる長尺状の部材であり、略円柱状の外形を有している。磁石保持体14Aは、上述した磁石保持体14A同様、非磁性体で構成され得る。磁石保持体14Aの一方端は、たとえば磁石12Aの下端面に設けられた図示しない丸穴に嵌め込まれており、それにより磁石12Aと磁石保持体14Aとが結合されている。磁石保持体14Aの他方端は、回動軸22が圧入される穴が磁石12Aの中心軸Cに沿って設けられており、磁石保持体14Aと回動軸22とが同軸配置できるようになっている。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変更をおこなうことができる。
たとえば、上記実施形態ではホール素子で構成されたプローブを示したが、プローブはTMR素子で構成されたものであってもよい。
10、10A…磁石構造体、12、12A…磁石、12a…上端面、14、14A…磁石保持体、20…回転角度検出器、30、30A…評価装置、32…治具、34、34A〜34D…プローブ、34x、34y…ホール素子、36…駆動部、38…制御部、P…仮想平面、P0…交点。

Claims (4)

  1. N極およびS極を有する磁石の主面に磁気センサを対向配置させて、前記磁石と前記磁気センサとの間の角度変化を検出する回転角度検出器に用いられる磁石の評価方法であって、
    前記磁石の前記主面から離間するとともに前記主面に対して平行な仮想平面上の、前記磁石の中心軸と前記仮想平面との交点を中心とした仮想円上であって、前記仮想平面上の前記交点における面内磁界の向きに対してなす角度が45°、135°、225°および315°となる位置の少なくとも一つに、プローブを配置するプローブ配置工程と、
    前記仮想平面上における前記磁石の磁束の向きを、前記プローブにより検出する検出工程と、
    前記プローブにより検出した前記磁束の向きと、前記仮想平面上における前記プローブの位置における前記角度との間の角度誤差を算出する算出工程と、
    算出された前記角度誤差に基づき、前記磁石を評価する評価工程と
    を含む、磁石の評価方法。
  2. 前記プローブ配置工程では、前記主面における面内磁界の向きに対してなす前記角度が45°、135°、225°および315°となる4つの位置のそれぞれにプローブを配置し、4つの位置それぞれについて前記検出工程および前記算出工程をおこなった後、前記評価工程をおこなう、請求項1に記載の磁石の評価方法。
  3. 前記プローブ配置工程では、前記仮想平面における面内磁界の向きに対してなす前記角度が45°、135°、225°および315°となる4つの位置のうちの1つにプローブを配置し、
    前記評価工程の後、前記プローブを4つの位置のうちの他の1つにプローブを移動して、前記検出工程、前記算出工程および前記評価工程を繰り返す、請求項1に記載の磁石の評価方法。
  4. N極およびS極を有する磁石の主面に磁気センサを対向配置させて、前記磁石と前記磁気センサとの間の角度変化を検出する回転角度検出器に用いられる磁石の評価装置であって、
    前記磁石を保持可能な治具と、
    前記磁石の前記主面から離間するとともに前記主面に対して平行な仮想平面上の、前記磁石の中心軸と前記仮想平面との交点を中心とした仮想円上であって、前記仮想平面上の前記交点における面内磁界の向きに対してなす角度が45°、135°、225°および315°となる位置の少なくとも一つに配置され、かつ、前記仮想平面上における前記磁石の磁束の向きを検出するプローブと、
    前記プローブにより検出した前記磁束の向きと、前記仮想平面上における前記プローブの位置における前記角度との間の角度誤差を算出するとともに、算出された前記角度誤差に基づき、前記磁石を評価する制御部と
    を備えた、磁石の評価装置。

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