JP2020136285A - 被着磁体の製造方法 - Google Patents

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Masaki Kuwabara
昌樹 桑原
雄太 植田
Yuta Ueda
雄太 植田
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Abstract

【課題】ノイズ成分がより低減された被着磁体を製造する。【解決手段】着磁装置によって着磁される被着磁体の製造方法では、着磁前の被着磁体に対して脱磁を施す。【選択図】図16

Description

本発明は、被着磁体の製造方法に関する。
導電線を被着磁体に対して近接させた状態で導電線に電流を流すことで被着磁体を磁化する被着磁体の製造方法が知られている。
特許第4846863号公報
単に被着磁体を磁化するだけでは、意図しないノイズ成分を含む状態で着磁されることがあった。ノイズ成分は、被着磁体を用いたセンサにおける誤検出の原因となりうる。このため、ノイズ成分を低減する方法が求められていた。
本発明は、ノイズ成分がより低減された被着磁体を製造することができる被着磁体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の被着磁体の製造方法は、着磁装置によって着磁される被着磁体の製造方法であって、前記被着磁体は、円周方向にN極とS極が交互に並ぶように着磁される被着磁体であり、着磁前の被着磁体に対して脱磁を施す。
従って、着磁前の被着磁体に残留する磁束密度をより低減することができるので、着磁後の磁束に対して着磁前の残留磁束が与える影響をより低減することができる。これによって、ノイズ成分がより低減された被着磁体を製造することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記被着磁体は、磁性粉が混入された未加硫ゴム材料のひも状生地を環状にして加硫成形したものである。
従って、円周方向にN極とS極が交互に並ぶように着磁される環状の被着磁体をより容易に製造することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記被着磁体は、磁性粉が混入された環状の未加硫ゴムシートである。
従って、円周方向にN極とS極が交互に並ぶように着磁される被着磁体をより容易に製造することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記被着磁体は、前記未加硫ゴムシートを環状に打ち抜いたものである。
従って、円周方向にN極とS極が交互に並ぶように着磁される環状の被着磁体をより容易に製造することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記磁性粉は、フェライトを含む。
従って、耐腐性、耐酸化性に優れ、磁気の保持力が高く着磁後に減磁しにくい被着磁体をより容易に製造することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、被着磁体の着磁面に対向して接触又は近接した状態で通電により前記被着磁体を着磁させる着磁ヘッド及び前記被着磁体の少なくとも一方を一方向に沿って移動可能に支持する支持部と、前記支持部により移動可能に支持された前記着磁ヘッド及び前記被着磁体の少なくとも一方を前記一方向に沿って移動させることで前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係を切り替える切替部と、前記一方向を径方向に含む円周方向に沿って前記被着磁体と前記着磁ヘッドとを相対移動させる駆動部と、着磁によって前記被着磁体に与えられる磁極を前記相対移動中に交互に切り替える制御部とを備える着磁装置を用い、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係をそれぞれ異なる第1位置関係、第2位置関係に順次切り替えて着磁する。
従って、2つの着磁部位を形成することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第1位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第1部分の一部と、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第2位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第2部分の一部とが重複するように、前記第1位置関係、前記第2位置関係を切り替える。
従って、互いに重複する2つの着磁部位を形成することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第1位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第1部分と、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第2位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第2部分とが重複しないように、前記第1位置関係、前記第2位置関係を切り替える。
従って、互いに重複しない2つの着磁部位を形成することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係を前記第1位置関係、第2位置関係に順次切り替えた後、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係を前記第1位置関係及び前記第2位置関係とは異なる第3位置関係に切り替えて着磁する。
従って、3つの着磁部位の各々の一部と重なる1つの着磁部位とを形成することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第3位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の前記第3部分は、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第1位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第1部分の一部及び前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第2位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第2部分の一部の少なくとも一方と重複するように、前記第1位置関係、前記第2位置関係、前記第3位置関係を切り替える。
従って、2つの着磁部位の少なくとも一方の一部と重なる3つ目の着磁部位を形成することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第3位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の前記第3部分は、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第1位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第1部分及び前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第2位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第2部分と重複しないように、前記第1位置関係、前記第2位置関係、前記第3位置関係を切り替える。
従って、2つの着磁部位と重ならない3つ目つの着磁部位を形成することができる。
本発明の被着磁体の製造方法では、前記第1部分又は前記第2部分の一方の磁極対数は、2m+n−1であり、他方の磁極対数は、2(2−1)であり、前記第3部分の磁極対数は、2m+nであり、m,nは自然数である。
従って、第1部分、第2部分、第3部分のそれぞれの磁極対数を異ならせることができる。
本発明の被着磁体の製造方法によれば、2つ以上の着磁部位を形成することができる。
図1は、実施に用いられる着磁装置の概略構成例を示す図である。 図2は、電源部の構成例を示す模式的な回路図である。 図3は、インバータ回路の動作と導電線に印加される電圧との関係を示すタイミングチャートである。 図4は、支持部の構成例を示す図である。 図5は、磁化された被着磁体の一例を示す模式的な平面図である。 図6は、第3着磁列が形成される前に第1着磁列及び第2着磁列が形成された被着磁体の一例を示す模式的な平面図である。 図7は、回転角度の検出装置の構成例を示す模式図である。 図8は、図7に示す回転角度の検出装置の回路構成例を示す模式図である。 図9は、被着磁体と座金との関係の一例を示す模式図である。 図10は、加硫成形前の被着磁体の形態例を示す模式図である。 図11は、加硫成形前の被着磁体の形態例を示す模式図である。 図12は、加硫成形後であって脱磁前の被着磁体が示す磁束密度分布の一例を示すグラフである。 図13は、脱磁後の被着磁体が示す磁束密度分布の一例を示すグラフである。 図14は、加硫成形後に脱磁を施さずに着磁を行った比較例による被着磁体を用いた回転角度の検出装置の全周精度の測定結果の一例を示すグラフである。 図15は、脱磁後に着磁を行った実施形態による被着磁体を用いた回転角度の検出装置の全周精度の一例を示すグラフである。 図16は、実施形態による被着磁体の製造方法が含む工程の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
図1は、実施に用いられる着磁装置1の概略構成例を示す図である。着磁装置1は、環状の被着磁体5に対して、円周方向に極性が交互に変化する着磁列を複数列(例えば、3列)形成するように着磁する(図5参照)。被着磁体5は、例えば、大きな磁束密度が得られるよう考慮された、フェライトボンド磁石からなる環状の磁性体である。被着磁体5は、希土類焼結磁石など他の磁石であってもよい。被着磁体5は、着磁によって磁気エンコーダ等の多極磁化環状体として利用される。被着磁体5の用途はこれに限られるものでなく、任意である。
着磁装置1は、導電線10、ヘッド部15、電源部20、回転保持部30、制御部40等を備える。図1等では、被着磁体5の載置面(回転保持部30の板面)をX−Y平面とし、回転保持部30の板面に直交する方向をZ方向としている。
導電線10は、例えば銅線であり、被着磁体5を着磁させるため通電される。導電線10は、着磁部11及び接続部12を有する。着磁部11は、被着磁体5に対向する位置で着磁面に沿うよう設けられる。接続部12は、着磁部11と電源との間に介在する。
ヘッド部15は、着磁部11が固定される部材である。ヘッド部15は、例えばコバルト合金(例えばパーメンジュール)などの強磁性体で形成される。ヘッド部15は、ヘッド先端部16及び勾配部17を有する。ヘッド先端部16は、被着磁体5に対向するよう設けられる。ヘッド先端部16には、着磁部11が固定されている。ヘッド先端部16に固定された着磁部11は、着磁面に対して平行に設けられる。勾配部17は、ヘッド先端部16側に向かってヘッド部15を先細り形状とするよう設けられている。これによって、ヘッド先端部16と被着磁体5との位置関係を把握しやすくなる。なお、勾配部17は省略可能である。
図2は、電源部20の構成例を示す模式的な回路図である。電源部20は、着磁のための電力を供給する。具体的には、電源部20は、例えば、電力供給部21、スイッチング素子S1,S2,S3,S4等を有する。電力供給部21は、直流電流を供給する。スイッチング素子S1,S2,S3,S4は、例えばサイリスタ等である。スイッチング素子S1,S2,S3,S4は、導電線10と電力供給部21との接続経路上に設けられ、インバータ回路を構成する。スイッチング素子S1,S2は、電力供給部21の正極と導電線10との間に介在する。スイッチング素子S3,S4は、電力供給部21の負極と導電線10との間に介在する。スイッチング素子S1,S4は、導電線10の一端側に接続される。スイッチング素子S2,S3は、導電線10の他端側に接続される。
図3は、インバータ回路の動作と導電線10に印加される電圧との関係を示すタイミングチャートである。電源部20は、スイッチング素子S1,S2,S3,S4のON/OFF周期を制御することで、任意の周波数の交番電流を得ることができるよう設けられている。具体的には、スイッチング素子S1,S2とスイッチング素子S3,S4を交互にON/OFF動作させることで、導電線10に印加される電圧の正負が交互に入れ替わる。これによって、導電線10に流される電流の方向が交互に入れ替わる。具体的には、スイッチング素子S1,S2がONになり、スイッチング素子S3,S4がOFFになることで、導電線10にプラスの電圧が印加されて第1方向A1の電流が流される。また、スイッチング素子S3,S4がONになり、スイッチング素子S1,S2がOFFになることで、導電線10にマイナスの電圧が印加されて第2方向A2の電流が流される。第1方向A1の電流と第2方向A2の電流は、一方が被着磁体5にN極を形成する電流であり、他方が被着磁体5にS極を形成する電流である。このように、電源部20は、導電線10に流される電流の方向を切り替え可能に設けられている。
図1に示す構成では、電源部20は、電源制御部25の制御下で動作する。電源制御部25は、電源部20からの電力供給のON/OFF及び電流の向きを制御するインバータ制御回路等を有する。電源部20と電源制御部25は、一体的に設けられた電源装置の構成であってもよい。
着磁装置1は、導電線10に流される電流の向きの切り替えと連動するよう被着磁体5を回転させる構成を有する。具体的には、着磁装置1は、被着磁体5が載置された回転保持部30を回転させる。回転保持部30は、被着磁体5の載置面が所定形状(例えば、円状)である板状部材である。回転保持部30は、中心に回転軸31が固定されている。回転軸31は、被着磁体5の載置面の裏面に設けられており、回転保持部30の板面に直交する。回転保持部30は、回転軸31を介してモータ32と連結されている。モータ32は、第1モータドライバ45の制御下で駆動し、回転保持部30を回転させる。モータは、例えばブラシレスモータであるがこれに限られるものでなく、その具体的構成は適宜変更可能である。モータ32は、出力軸を上側にして台座60上に固定されている。モータ32は、円周方向に沿って被着磁体5と導電線10とを相対移動させる駆動部として機能する。
被着磁体5は、環の中心P(図5参照)が回転軸31の軸中心と重なるよう載置される。被着磁体5は、例えば図示されないチャックによって回転保持部30に固定される。
着磁装置1には、回転保持部30の回転角度を検出するための回転角センサ33が設けられている。回転角センサ33は、例えば回転軸31の回転角度に対応するパルス信号を出力するエンコーダである。回転角センサ33は、回転保持部30の回転角度を検出するように設けられてもよいし、モータ32の出力軸の回転角度を検出するように設けられてもよい。回転角センサ33の具体的構成は任意であり、磁気式、光学式、その他のいずれの方式のエンコーダであってもよい。また、回転角センサ33は、インクリメンタルエンコーダであってもよいし、アブソリュートエンコーダであってもよい。なお、回転角センサ33の分解能が高いほどピッチ誤差を小さくすることができるため、例えば、1回転当たり1万パルス以上のパルス信号を出力するものが好ましい。
制御部40は、回転保持部30の回転角度と導電線10に流される電流の向きとを統括的に制御する。具体的には、制御部40は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。制御部40は、所定の制御プログラムをCPUが実行することで動作制御処理を行う。制御部40は、導電線10に第1方向A1又は第2方向A2(図2参照)のいずれか一方の電流を流すための命令を電源制御部25に出力する。また、制御部40は、モータ32を所定の回転速度で駆動させるための命令を第1モータドライバ45に出力する。制御部40は、回転角センサ33により検出された回転角度に基づいて、所定周期で導電線10に流される電流の向きを切り替える命令を電源制御部25に出力する。これによって、被着磁体5は、円周方向に沿って極性が交互に変化するよう磁化する(図5参照)。このように、制御部40は、着磁によって被着磁体5に与えられる磁極を、駆動部(モータ32)の駆動による被着磁体5と導電線10の相対移動中に交互に切り替える。
着磁装置1は、固定されたヘッド部15に対して被着磁体5を回転させる構成であるが、被着磁体5の円周方向に沿ってヘッド部15を移動させる構成であってもよい。
着磁装置1は、被着磁体5が正常に着磁されたか否かを確認するための構成を有していてもよい。具体的には、着磁装置1は、例えば図1に示すように、ホール素子51及びガウスメータ52を有する磁気センサ50を備えていてもよい。ホール素子51は、ヘッド部15と異なる位置で被着磁体5と対向するよう設けられて被着磁体5の磁束密度を検出する。ガウスメータ52は、ホール素子51が検出した被着磁体5の磁束密度に対応した信号を制御部40に出力する。制御部40は、ガウスメータ52からの信号に基づいて着磁が正常に行われているか否かを判定する。制御部40は、着磁が正常に行われていない場合、所定のエラー処理を行う。エラー処理として、制御部40は、例えば着磁装置1による着磁動作の一時停止及び管理者に対する報知(表示、音声等)を行う。エラー処理の具体的内容はこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
被着磁体5は、回転保持部30の回転に応じて円周方向に沿って回転する。この回転に応じて着磁部11に流れる電流の方向が切り替わることで、磁化された被着磁体5の極性は、円周方向に沿ってN極とS極とが交互に入れ替わるようになる。
なお、図1における導電線10とヘッド部15の図示は、あくまで位置関係を示すための図示であり、実際の寸法(導電線10の太さとヘッド部15の大きさとの関係等)を示すものでない。導電線10の太さ、ヘッド部15の寸法等は任意である。
着磁装置1は、着磁部11及び被着磁体5の少なくとも一方を一方向に沿って移動可能に支持する支持部(図1では省略)を有する。
図4は、支持部の構成例を示す図である。以下、支持部の構成例として、図1における着磁部11が固定されたヘッド部15を一方向(Y方向)に沿って移動可能に支持する着磁ヘッド取付装置について説明する。着磁ヘッド取付装置は、ヘッド部15を位置決めする構成である。
ヘッド部15は、例えばY方向に沿って設けられたガイドレール71,72によってY方向に沿って移動可能に支持されている。ガイドレール71とガイドレール72の中心線は、径線R(図5参照)と重なるよう位置決めされている。ヘッド部15は、ガイドレール71に係止される被ガイド部73と、ガイドレール72に係止される被ガイド部74とを有する。
ヘッド部15には、動力伝達部材75が固定されている。動力伝達部材75には、例えばY方向に沿うよう設けられたピニオン76等、外部からの動力を伝達するための構成が設けられている。具体的には、ヘッド部15は、例えばピニオン76を介して歯車80の回転駆動力を直動動作に変換して伝達されることで、Y方向に沿って移動する。歯車80の回転軸81は、ブラシレスモータ等のモータ82の出力軸と連結されている。モータ82は、第2モータドライバ83の制御下で動作する。
制御部40の制御下で、第2モータドライバ83は、モータ82を駆動して第1位置P1、第2位置P2又は第3位置P3のいずれかにヘッド部15を移動させる。第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3は、ガイドレール71,72によるヘッド部15の移動可能範囲内でY方向の位置がそれぞれ異なる位置である。図4では、第1位置P1と第2位置P2とが重複せず、第3位置P3が第1位置P1と第2位置P2の中間位置である場合を例示している。図4に示す例は、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3の位置関係の一例であってこれに限られるものでなく、これらの具体的な位置関係は適宜変更可能である。
図4に示すピニオン76と歯車80は、あくまで支持部15を直動させるための具体的構成例であってこれに限られるものでなく、同様の機能を奏する他の動力伝達機構で置換可能である。また、支持部は、被着磁体5を移動させる構成であってもよい。具体的には、上記の図4を参照した記載における「ヘッド部15」を「台座60」に置換することで、被着磁体5が載置された回転保持部30をY方向に沿って移動させる構成とすることができる。着磁装置1は、着磁部11を移動させる支持部と被着磁体5を移動させる支持部の両方を備えていてもよい。
図5は、磁化された被着磁体5の一例を示す模式的な平面図である。被着磁体5には、着磁装置1によって第1着磁列C1、第2着磁列C2及び第3着磁列C3が形成される。第1着磁列C1、第2着磁列C2及び第3着磁列C3はそれぞれ、円周方向に極性が交互に変化する着磁列である。第1着磁列C1は、第2着磁列C2よりも径が大きい。第1着磁列C1は、第2着磁列C2の外側に位置する。第1着磁列C1と第2着磁列C2とは、互いの着磁列が重複しない。第3着磁列C3は、第2着磁列C2よりも径が大きく、第1着磁列C1よりも径が小さい。第3着磁列C3は、第1着磁列C1と第2着磁列C2の中間に位置する。
着磁装置1は、第1着磁列C1の磁極対W1の数と、第2着磁列C2の磁極対W2の数と、第3着磁列C3の磁極対W3の数がそれぞれ異なるよう着磁する。具体的には、第3着磁列C3の磁極対W3の数が2m+n(m,nは自然数)であるとすると、第1着磁列C1の磁極対W1の数と第2着磁列C2の磁極対W2の数のうちいずれか一方が2m+n−1、他方が2(2−1)である。図5では、m=2,n=3である場合の例として、第3着磁列C3の磁極対W3の数が2(3+2)=2=32であり、第1着磁列C1の磁極対W1の数が2(3+2)−1=2−1=31であり、第2着磁列C2の磁極対W2の数が2(2−1)=4×(8−1)=28である場合を例示している。このように、図5では、磁極対W3の数が磁極対W1の数よりも多く、磁極対W1の数が磁極対W2の数よりも多い場合を例示しているが、数の多少関係は変更可能である。例えば、図5を参照して例示している第1着磁列C1の磁極対W1の数と第2着磁列C2の磁極対W2の数は逆であってもよい。磁極対W1,W2,W3はそれぞれ、N極とS極を1つずつ含む。
図6は、第3着磁列C1が形成される前に第1着磁列C1及び第2着磁列C2が形成された被着磁体5の一例を示す模式的な平面図である。着磁装置1は、径線Rに沿う方向について、予め定められた幅Dの第1着磁列C1及び第2着磁列C2を形成した後、第1着磁列C1と第2着磁列C2の中間位置に第3着磁列C3を上書きして形成する。これによって、被着磁体5には、幅Dの第3着磁列C3が形成されるとともに、幅D未満の第1着磁列C1及び第2着磁列C2が形成される。幅Dは、着磁部11のY方向の幅である。すなわち、着磁部11の長さは、着磁面において着磁される領域の一方向(Y方向)の長さ(幅D)に対応する長さを有する。
以下、一例として、支持部が図1に示すヘッド部15をY方向に沿って移動可能に支持する構成である場合について説明する。制御部40は、第1着磁列C1又は第2着磁列C2のいずれか一方に対応する位置で着磁部11と被着磁体5との位置決めを行う。具体的には、制御部40は、ヘッド部15を第1位置P1又は第2位置P2のいずれか一方で位置決めする命令を第2モータドライバ83に出力する(図4参照)。この例では、第1位置P1が第1着磁列C1に対応する位置で着磁部11を被着磁体5に対向させるヘッド部15の位置であるものとする。また、第2位置P2が第2着磁列C2に対応する位置で着磁部11を被着磁体5に対向させるヘッド部15の位置であるものとする(図4及び図6参照)。その後、制御部40は、被着磁体5が載置された回転保持部30を1回転させるようにモータ32を駆動するとともに、導電線10に対する電流の向きの切り替え周期を第1の所定周期として導電線10に電流を流す第1連動制御を行う。第1の所定周期は、磁極対W1の数又は磁極対W2の数のいずれか一方に対応する。これによって、第1着磁列C1又は第2着磁列C2の一方が形成される。その後、制御部40は、ヘッド部15を第1位置P1又は第2位置P2の他方で位置決めする命令を第2モータドライバ83に出力する。その後、制御部40は、被着磁体5が載置された回転保持部30を1回転させるようにモータ32を駆動するとともに、導電線10に対する電流の向きの切り替え周期を第2の所定周期として導電線10に電流を流す第1連動制御を行う。第2の所定周期は、磁極対W1の数又は磁極対W2の数の他方に対応する。これによって、第1着磁列C1又は第2着磁列C2の他方が形成される。
その後、制御部40は、ヘッド部15を第3位置P3で位置決めする命令を第2モータドライバ83に出力する。その後、制御部40は、被着磁体5が載置された回転保持部30を1回転させるようにモータ32を駆動するとともに、導電線10に対する電流の向きの切り替え周期を第3の所定周期として導電線10に電流を流す第1連動制御を行う。第3の所定周期は、磁極対W3の数に対応する。これによって、第3着磁列C3が形成される(図5参照)。このように、着磁装置1は、着磁部11と被着磁体5との位置関係を、着磁される領域(第1着磁列C1、第2着磁列C2)が互いに重複しない第1位置P1、第2位置P2ならびに第1位置P1及び第2位置P2に重複する第3位置P3に選択可能に設けられている。着磁部11は、被着磁体5においてそれぞれ異なる位置にある第1部分(第1着磁列C1)と第2部分(第2着磁列C2)と第3部分(第3着磁列C3)とに着磁する。ここで、第1部分と第2部分とは重複せず、第3部分は、第1部分の一部及び第2部分の一部と重複する。これによって、第1着磁列C1と第2着磁列C2が形成される範囲内、すなわち、幅Dの2倍の範囲内に、3列の着磁列を形成することができる。このように、実施形態によれば、互いに重複しない2つの着磁部位(第1部分、第2部分)と、当該2つの着磁部位の各々の一部と重なる1つの着磁部位(第3部分)とを形成することができる。この着磁方法において、モータ82は、着磁ヘッド(着磁部11)と被着磁体5との位置関係を切り替える切替部として機能する。また、切替部は、着磁ヘッド(着磁部11)と被着磁体5との位置関係をそれぞれ異なる第1位置関係、第2位置関係に順次切り替え、その後、着磁ヘッドと被着磁体5との位置関係を第1位置関係及び第2位置関係とは異なる第3位置関係に切り替えている。
また、実施形態によれば、着磁部11が固定されるヘッド部15を備える。これによって、被着磁体5に対する着磁部11の位置決めをより容易に行うことができる。
また、モータ32が、一方向を径方向に含む円周方向に沿って被着磁体5と導電線10とを相対移動させる駆動部として機能する。これによって、環状の被着磁体5に環状の着磁列を形成する工程をより容易に行うことができる。なお、一方向(例えば、Y方向)を径方向に含む円周方向とは、例えば被着磁体5の円周方向であり、すなわち、回転保持部30が回転駆動される円周方向である。ここで、Y方向は、径方向に沿う線である径線Rの方向と同一方向である。
以上、第1着磁列C1、第2着磁列C2及び第3着磁列C3を形成する場合について説明したが、第3着磁列C2の形成を省略してもよい。すなわち、互いに重複しない第1着磁列C1と第2着磁列C2を被着磁体5に形成するようにしてもよい。
また、被着磁体5に形成される2つの着磁部位の一部同士が重複していてもよい。例えば、図5に示す第1着磁列C1又は第2着磁列C2の一方と、第3着磁列C3とを被着磁体5に形成するようにしてもよい。
また、被着磁体5に形成される3つの着磁部位が重複しなくてもよい。例えば、図6に示す第1着磁列C1及び第2着磁列C2のさらに内側又は外側の少なくとも一方に、追加の着磁列が第1着磁列C1及び第2着磁列C2と重複せずに並ぶよう着磁してもよい。
また、被着磁体5に形成される3つの着磁部位のうち2つが重複しなくてもよい。例えば、図6に示す第1着磁列C1及び第2着磁列C2の一方と、第3着磁列C3とが重複し、他方が一方及び第3着磁列C3と重複しないよう形成してもよい。
次に、被着磁体5を用いた回転角度の検出装置に関する構成例について説明する。図5のように第1着磁列C1、第2着磁列C2及び第3着磁列C3が形成された被着磁体5の場合、回転角度の検出のために第1検出回路91及び第2検出回路92が設けられる。第1検出回路91及び第2検出回路92は、例えば基板101に設けられる。基板101は、被着磁体5の環と対向する位置で第1検出回路91及び第2検出回路92を支持する。基板101には、第1検出回路91及び第2検出回路92に接続される配線等が設けられる。基板101に設けられた第1検出回路91及び第2検出回路92は、被着磁体5の環と非接触の状態で支持され、被着磁体5の環の中心点Xを中心として回転するよう設けられた被着磁体5の回転角度に応じた磁場を検知し、検知された磁束密度(又は磁場の強さ)に応じた信号を出力する。第1検出回路91は、第2着磁列C2からの磁束と第3着磁列C3からの磁束が合成された磁場を対象とする。第2検出回路92は、第1着磁列C1からの磁束と第3着磁列C3からの磁束が合成された磁場を対象とする。
図6のように第1着磁列C1及び第2着磁列C2が形成された被着磁体5の場合、回転角度の検出のために検出回路93が設けられる。検出回路93は、例えば基板102に設けられる。基板102は、被着磁体5の環と対向する位置で検出回路93を支持する。基板102には、検出回路93に接続される配線等が設けられる。基板102に設けられた検出回路93は、被着磁体5の環と非接触の状態で支持され、中心点Xを中心として回転するよう設けられた被着磁体5の回転角度に応じた磁場を検知し、検知された磁束密度(又は磁場の強さ)に応じた信号を出力する。検出回路93は、第1着磁列C1からの磁束と第2着磁列C2からの磁束が合成された磁場を対象とする。
図7は、回転角度の検出装置の構成例を示す模式図である。着磁済みの被着磁体5(図5、図6参照)は、電動機の出力軸等、回転体の回転又は回動動作と連動して回転又は回動する。被着磁体5の回転角度の検出のために主検出回路94a、副検出回路94b及び信号処理回路95が設けられる。主検出回路94a、副検出回路94b及び信号処理回路95は、例えば基板103に設けられる。基板103は、被着磁体5の環と対向する位置で主検出回路94a及び副検出回路94bを支持する。基板103には、主検出回路94a及び副検出回路94bに接続される配線等が設けられる。基板103に設けられた主検出回路94a及び副検出回路94bは、被着磁体5の環と非接触の状態で支持され、被着磁体5の回転角度に応じた磁場を検知し、検知された磁束密度(又は磁場の強さ)に応じた信号を出力する。
主検出回路94aと副検出回路94bは、中心点Xを挟んで主検出回路94aと副検出回路94bとが中心点Xを基準とした点対称の位置関係になるよう設けられている。
なお、主検出回路94aと副検出回路94bの具体的構成は適宜変更可能である。例えば、図7における被着磁体5が図5の被着磁体5と同様の構成である場合、主検出回路94aと副検出回路94bのうち一方(例えば、主検出回路94a)を第1検出回路91とし、他方を第2検出回路92とすることができる。主検出回路94aと副検出回路94bがそれぞれ第1検出回路91と第2検出回路92の両方を具備していてもよい。また、図7における被着磁体5が図6の被着磁体5と同様の構成である場合、主検出回路94a及び副検出回路94bは、検出回路93である。
図8は、図7に示す回転角度の検出装置の回路構成例を示す模式図である。信号処理回路95は、主検出回路94aが出力する信号Si1及び副検出回路94bが出力する信号Si2に基づいた出力信号OPを出力する。信号処理回路95は、比較回路95aと出力信号生成回路95bを含む回路である。比較回路95aには、信号Si1と信号Si2が入力される。比較回路95aは、信号Si1が示す情報と信号Si2が示す情報との比較結果に応じた診断信号Diを出力する。出力信号生成回路95bには、信号Si1又は信号Si2のうち一方の信号(例えば、信号Si1)及び診断信号Diが入力される。出力信号生成回路95bは、当該一方の信号に基づいて特定された被着磁体5の回転角度を示す情報と、診断信号Diが示す付加的な情報(付加情報)とを含む出力信号OPを出力する。
より具体的には、比較回路95aは、例えばコンパレータである。信号Si1と信号Si2は、例えば被着磁体5の回転角度に応じた電圧による信号である。比較回路95aは、信号Si1と信号Si2の電圧の高低差に応じた診断信号Diを出力する。ここで、信号Si1と信号Si2の電圧の高低差は、設計及び組み立てによって定められた主検出回路94aと副検出回路94bの位置関係(当初の位置関係)及び被着磁体5の回転角度によって、理想的には一意に定まる。ただし、組み立て後に主検出回路94aと副検出回路94bの位置関係のずれ、基板103と被着磁体5の位置関係のずれ等が生じることがある。このようなずれ等によって、信号Si1又は信号Si2のうち一方の信号(例えば、信号Si1)に基づいて特定された被着磁体5の回転角度と、被着磁体5の回転角度に応じた信号Si1と信号Si2の電圧の高低差との対応関係が組み立て後に変化することがある。出力信号生成回路95bは、当初の位置関係が維持されている場合の被着磁体5の回転角度と信号Si1と信号Si2の電圧の高低差との対応関係を示す情報を保持している。出力信号生成回路95bは、当該一方の信号と診断信号Diに基づいて、当該対応関係が当初の位置関係による対応関係と一致するかを判定する。出力信号生成回路95bは、この判定結果に応じた情報を、付加情報として出力信号OPに含める。すなわち、付加情報は、主検出回路94aと副検出回路94bの2系統による回転角度の検出結果を比較監視するために利用可能な情報である。
出力信号OPは、例えば回転角度の検出装置が設けられる回転体の回転制御を行う図示しないコントローラに出力される。当該コントローラは、出力信号OPに含まれる付加情報に基づいて、上述の一方の信号が示す被着磁体5の回転角度に誤差が生じている可能性及び誤差の度合いを判定することができる。すなわち、出力信号OPは、回転角度の検出装置により検出された被着磁体5の回転角度の確からしさを判定するための情報として利用することができる。なぜならば、当初の位置関係からのずれの度合いが大きくなるほど、信号Si1と信号Si2の電圧の高低差も、当初の位置関係に応じた高低関係から逸脱した状態になる被着磁体5の回転角度範囲が大きくなる傾向を示すからである。このため、付加情報を含む出力信号OPに基づいて、回転角度の検出装置の調整、交換等の必要性を判定することができるようになる。
次に、被着磁体5の着磁前の製造工程について説明する。図9は、被着磁体5と座金110との関係の一例を示す模式図である。実施形態の被着磁体5は、上述のように、例えばフェライトボンド磁石である。加硫成形前の被着磁体5は、磁性粉が混入された樹脂である。磁性体は、例えばフェライトである。樹脂は、例えばゴム生地である。被着磁体5は、加硫成形前に環状の座金110に載置される。被着磁体5は、座金110と一体的に加硫成形工程を受け、フェライトボンド磁石として機能するよう加工される。
図10及び図11は、加硫成形前の被着磁体5の形態例を示す模式図である。図10に示す加硫成形前の未加硫体5Rは、磁性粉が混入された未加硫ゴム材料のひも状生地の両端を近接させるように湾曲させることで環状にしたものである。図11に示す加硫成形前の未加硫体5Sは、磁性粉が混入された環状の未加硫ゴムシートである。具体的には、未加硫体5Sは、例えば未加硫ゴムシートの外形を円状にするとともに中心に孔Hをあけるパンチ工程によって環状に打ち抜いたものである。未加硫体5R又は未加硫体5Sが座金110に載置され、座金110と一体的に加硫成形工程を受けることで加硫成形された被着磁体5になる。ただし、加硫成形直後の被着磁体5には、まだ着磁が施されていない。加硫成形後の被着磁体5には、着磁前に脱磁が施される。
次に、脱磁について説明する。実施形態では、加硫成形後の被着磁体5に、残留磁束密度レベルを±0.1mT以下にする脱磁を施す。これによって、着磁後の被着磁体5のノイズ成分を低減することができる。
図12は、加硫成形後であって脱磁前の被着磁体5が示す磁束密度分布の一例を示すグラフである。図12及び後述する図13から図15における「機械角度」は、中心点Xを中心として、ある1箇所の径線Rと重なる位置を0°(360°)とした角度を示す。図12に示すように、脱磁前の被着磁体5からは、±0.6mT(ミリテスラ)程度の磁束密度を有する。
図13は、脱磁後の被着磁体5が示す磁束密度分布の一例を示すグラフである。実施形態では、脱磁によって、図13に示すように、脱磁後の被着磁体5から測定される残留磁束密度レベルが、±0.1mTになっている。脱磁は、例えば、脱磁装置によって行われる。係る脱磁装置は、被着磁体5を内側に収納可能なコイル、コイルに電荷を与えるコンデンサ等を有する。コンデンサに充電した電荷をコイルに流すと共振磁場が発生し、被着磁体5上の磁極の向きを反転させる。しかし、コイルの電気抵抗により、共振は自然に減衰していくので、被着磁体5の磁化も反転を繰り返しながら減衰し、ついには被着磁体5が脱磁されて実質的に未磁化状態になる。但し、脱磁方法は、これに限定されるものではない。
なお、±0.1mT以下の「残留磁束密度レベル」は、被着磁体5の環の全周(0°〜360°)における残留磁束密度が例外なく±0.1mT以下であることに限られない。例えば、ごく一部の角度範囲において±0.1mTを上回る残留磁束密度が測定されるものの、全周を平均した残留磁束密度が±0.1mTであること、全周のうち所定の割合以上の角度範囲において残留磁束密度が±0.1mT以下であることを以て±0.1mT以下の「残留磁束密度レベル」が満たされたものとしてもよい。また、残留磁束密度の最小値と最大値との間の幅が0.1mT分であることを以て±0.1mT以下の「残留磁束密度レベル」が満たされたものとしてもよい。無論、図13に示すように、被着磁体5の全周における残留磁束密度が例外なく±0.1mT以下であることがより望ましい。
なお、±0.1mT以下の「残留磁束密度レベル」に限らず、実施形態のように脱磁を施すことで、脱磁を施さない場合に比してノイズ成分が低減された被着磁体を製造することができる。また、円周方向にN極とS極が交互に並ぶように着磁される被着磁体5に対して当該円周の全周に脱磁を施すことで、ノイズ成分がより低減された被着磁体を製造することができる。
図14は、加硫成形後に脱磁を施さずに着磁を行った比較例による被着磁体を用いた回転角度の検出装置の全周精度の測定結果の一例を示すグラフである。図15は、脱磁後に着磁を行った実施形態による被着磁体5を用いた回転角度の検出装置の全周精度の一例を示すグラフである。図14の縦軸方向に付された絶対精度(秒)の目盛と図15の縦軸方向に付された絶対精度(秒)の目盛は共通である。図14と図15の比較から明らかなように、脱磁が施された実施形態によれば、脱磁が施されない比較例に比して測定結果が描くノイズ成分の突出頻度が低減されている。このように、実施形態によれば、ノイズ成分がより低減された被着磁体を製造することができる。これは、被着磁体の回転角度に応じた第1検出回路91、第2検出回路92、検出回路93等の回路の出力に対する補正による回転角度の検知精度向上がより容易であることを示す。従って、実施形態のように着磁前に脱磁を施すことで、回転角度の検出装置の精度をより高めることができる。
図16は、実施形態による被着磁体5の製造方法が含む工程の流れを示すフローチャートである。まず、被着磁体5の環が形成される(ステップS1)。具体的には、図10、図11を参照して説明したように、未加硫ゴム材料のひも状生地を環状にする工程又は未加硫ゴムシートの外形を環状に打ち抜くことが行われる。環状に形成された未加硫材料は、例えば座金110に載置される。次に、加硫成形が行われる(ステップS2)。具体的には、環状に形成された未加硫材料が座金110と一体的に加硫成形工程を経る。次に、加硫成形後であって着磁前の被着磁体5に対して残留磁束密度レベルを±0.1mT以下にする脱磁が施される(ステップS3)。具体的には、脱磁装置による脱磁が着磁前の被着磁体5に対して施される。脱磁後に、着磁が行われる(ステップS4)。具体的には、例えば着磁装置1を用い、円周方向にN極とS極を交互に着磁することが行われる。
なお、上記の実施形態では、被着磁体5が環状であり、内側に孔が設けられているが、孔は必須でない。被着磁体5は、円周方向にN極とS極が交互に着磁される構成であればよく、例えば円盤状であってもよい。
1 着磁装置
5 被着磁体
10 導電線
11 着磁部
12 接続部
15 ヘッド部
16 ヘッド先端部
17 勾配部
20 電源部
30 回転保持部
32,82 モータ
33 回転角センサ
40 制御部
71,72 ガイドレール
76 ピニオン
80 歯車

Claims (12)

  1. 着磁装置によって着磁される被着磁体の製造方法であって、
    前記被着磁体は、円周方向にN極とS極が交互に並ぶように着磁される被着磁体であり、
    着磁前の被着磁体に対して脱磁を施す
    被着磁体の製造方法。
  2. 前記被着磁体は、磁性粉が混入された未加硫ゴム材料のひも状生地を環状にして加硫成形したものである
    請求項1に記載の被着磁体の製造方法。
  3. 前記被着磁体は、磁性粉が混入された環状の未加硫ゴムシートである
    請求項1に記載の被着磁体の製造方法。
  4. 前記被着磁体は、前記未加硫ゴムシートを環状に打ち抜いたものである
    請求項3に記載の被着磁体の製造方法。
  5. 前記磁性粉は、フェライトを含む
    請求項2から4のいずれか一項に記載の被着磁体の製造方法。
  6. 被着磁体の着磁面に対向して接触又は近接した状態で通電により前記被着磁体を着磁させる着磁ヘッド及び前記被着磁体の少なくとも一方を一方向に沿って移動可能に支持する支持部と、前記支持部により移動可能に支持された前記着磁ヘッド及び前記被着磁体の少なくとも一方を前記一方向に沿って移動させることで前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係を切り替える切替部と、前記一方向を径方向に含む円周方向に沿って前記被着磁体と前記着磁ヘッドとを相対移動させる駆動部と、着磁によって前記被着磁体に与えられる磁極を前記相対移動中に交互に切り替える制御部とを備える着磁装置を用い、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係をそれぞれ異なる第1位置関係、第2位置関係に順次切り替えて着磁する
    請求項1から5のいずれか一項に記載の被着磁体の製造方法。
  7. 前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第1位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第1部分の一部と、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第2位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第2部分の一部とが重複するように、前記第1位置関係、前記第2位置関係を切り替える
    請求項6に記載の被着磁体の製造方法。
  8. 前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第1位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第1部分と、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第2位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第2部分とが重複しないように、前記第1位置関係、前記第2位置関係を切り替える
    請求項6に記載の被着磁体の製造方法。
  9. 前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係を前記第1位置関係、第2位置関係に順次切り替えた後、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係を前記第1位置関係及び前記第2位置関係とは異なる第3位置関係に切り替えて着磁する
    請求項6から8のいずれか一項に記載の被着磁体の製造方法。
  10. 前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第3位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の前記第3部分は、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第1位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第1部分の一部及び前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第2位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第2部分の一部の少なくとも一方と重複するように、前記第1位置関係、前記第2位置関係、前記第3位置関係を切り替える
    請求項9に記載の被着磁体の製造方法。
  11. 前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第3位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の前記第3部分は、前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第1位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第1部分及び前記着磁ヘッドと前記被着磁体との位置関係が前記第2位置関係である場合に着磁される前記被着磁体の第2部分と重複しないように、前記第1位置関係、前記第2位置関係、前記第3位置関係を切り替える
    請求項9に記載の被着磁体の製造方法。
  12. 前記第1部分又は前記第2部分の一方の磁極対数は、2m+n−1であり、他方の磁極対数は、2(2−1)であり、
    前記第3部分の磁極対数は、2m+nであり、
    m,nは自然数である
    請求項10又は11に記載の被着磁体の製造方法。
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