JP5085235B2 - 電源システムおよび電動車 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質電池を備えた電源システムと、この電源システムを具備する電動車とに関するものである。
近年、エネルギーの有効利用、環境対策から回生エネルギーを有効活用するため、電池を搭載したハイブリッド自動車、二輪車、電車、エレベーター、風力発電などが検討され、一部は実用化されている。また、停電など非常用のバックアップ電源として二次電池が検討されている。これまでに実用化され、搭載されている電池は、鉛蓄電池やニッケル水素電池である。
しかしながら、例えば、ハイブリッド自動車に使用されているニッケル水素電池では、高出力時あるいは急速充電(回生)時に急激に発熱し、しかも熱劣化が大変に大きいという問題点がある。また、非常電源に使用されている鉛蓄電池は、重量エネルギー密度が小さく重量が大きいため設置場所の制約を受ける。
一方、大容量キャパシタを使用するハイブリッド自動車も開発が進められているが、キャパシタは二次電池に比べて瞬時に大電力を蓄電できる一方で、電気容量は非常に小さく、小型化できない問題点がある。
また、電気自動車の場合、ブレーキ時の回生エネルギーを効率良く回収できる電源システムがいまだ開発されていないため、大容量の電池を搭載しなければならない。
このようなことから、これらの問題点を克服するため高出力なリチウムイオン電池の開発が進められている。リチウムイオン電池は高電圧、軽量であるため高いエネルギー密度を有する一方、負極に炭素材料を使用するため、例えば、エネルギー回生時のような急速充電ではサイクル寿命劣化する問題点がある。このため、リチウムイオン電池への入力電力を制限する必要があり、効率良く回生エネルギーを蓄えることができない。また、リチウムイオン電池を高出力化すると、放電容量は低下するため、例えば電気自動車(EV)やハイブリッド自動車などの走行距離が短くなる。また、プラグインハイブリッド自動車においては、今後、ブレーキ時のエネルギー回生能力と加速能力の向上とともに、モータ駆動(EV走行)での走行距離を長くすることが求められるが、エネルギー回生能力と加速能力の向上とモータ駆動(EV走行)での走行性能向上を両立することは困難である。
特許文献1では、負極材としてカーボンまたはリチウムチタン酸化物を使用すると、負極の充電時における電位変化が少ないため、充電の終点の決定を正極電位で行わなければならず、急速充電性が劣るとしている。このため、特許文献1では、負極活物質をカーボン材と、リチウムを受け入れても電位が変化しないプラトー領域の電位がカーボン材よりも高い材料(例えばリチウムチタン酸化物)とから構成することによって、充電の終点を負極電位で制御することを試みている。
しかしながら、カーボン材のリチウム吸蔵電位がリチウムチタン酸化物と異なるため、カーボン材とリチウムチタン酸化物とを一つのセルで一緒に使用すると、カーボン材においてリチウムの吸蔵放出が起こり難くなり、高い放電容量を得られなくなる。
特開2000−348725
本発明は、急速充電でのサイクル性能に優れる電源システムと、この電源システムを具備する電動車とを提供することを目的とする。
本発明に係る電源システムは、正極と炭素質物を含む負極とを備えた第1の非水電解質電池から構成され、外部へ電気エネルギーを供給する第1の組電池と、
リチウム吸蔵電位が0.4V(vs.Li/Li+)以上で平均粒径1μm以下の負極活物質を含む負極と、LixCoy1-y2(MはNi、Mn、Al及びSnから選ばれる少なくとも1種以上の元素、0<x≦1.1、0≦y<1)で表されるリチウム金属酸化物を含む正極とを備えた第2の非水電解質電池から構成され、前記第2の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)が前記第1の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)よりも大となるように充電深度20%以上、80%以下の範囲で充電され、前記第1の組電池に電気エネルギーを供給する第2の組電池と
を具備することを特徴するものである。
本発明に係る電動車は、電源システムを備え、前記電源システムは、
正極と炭素質物を含む負極とを備えた第1の非水電解質電池から構成され、外部へ電気エネルギーを供給する第1の組電池と、
リチウム吸蔵電位が0.4V(vs.Li/Li+)以上で平均粒径1μm以下の負極活物質を含む負極と、LixCoy1-y2(MはNi、Mn、Al及びSnから選ばれる少なくとも1種以上の元素、0<x≦1.1、0≦y<1)で表されるリチウム金属酸化物を含む正極とを備えた第2の非水電解質電池から構成され、前記第2の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)が前記第1の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)よりも大となるように充電深度20%以上、80%以下の範囲で充電され、前記第1の組電池に電気エネルギーを供給する第2の組電池と
を具備することを特徴するものである。
本発明によれば、急速充電でのサイクル性能に優れる電源システムと、この電源システムを具備する電動車とを提供することができる。
本実施形態に係る電源システムでは、第1の組電池と第2の組電池の2種類の組電池を使用することにより、回生充電のような急速充電の際に効率良く充電でき、かつ電動車の走行時に長時間放電が可能となる。
すなわち、正極と炭素質物を含む負極とを備えた第1の非水電解質電池から構成される第1の組電池は、第2の組電池に比してエネルギー密度が高いため、電源システムの外部への電気エネルギー供給源として用いることにより、電動車の長時間駆動が可能となる。
一方、第2の組電池を構成する第2の非水電解質電池に用いられる負極活物質は、リチウム吸蔵電位が0.4V(vs.Li/Li+)以上であるため、回生充電のような急速充電時のリチウム金属の析出を抑制することができる。また、正極に、LixCo1−y(MはNi、Mn、Al及びSnから選ばれる少なくとも1種以上の元素、0<x≦1.1、0≦y<1)で表されるリチウム金属酸化物を用いることによって、充電初期の正極電位をLiCoO2のようなリチウムコバルト複合酸化物に比して低くすることができるため、回生充電のような急速充電時に正極電位が過充電領域に到達し難くなり、過充電による正極劣化を抑制することができる。負極活物質の平均粒径を1μm以下にすることによって、負極活物質のリチウムイオン吸蔵放出速度を高くすることができる。
さらに、第2の組電池を第2の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)が第1の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)よりも大きくなるように充電深度20%以上、80%以下の範囲で充電することにより、高入力となる電力回生時や急速充電時の充電効率を高めることができる。充電深度を20%未満にすると、第2の組電池が第1の組電池に電気エネルギーを供給した際に第2の組電池が過放電状態に陥りやすくなるため、急速充電でのサイクル性能が低下する。一方、充電深度が80%を超えると、第2の組電池による回生電力の受け入れ性が低下するため、第1の組電池を使用しているにも拘わらず放電持続時間が短くなる。また、第2の組電池が過充電状態に陥りやすくなるため、急速充電でのサイクル性能も低下する。充電深度のより好ましい範囲は、40%以上、60%以下である。第2の組電池は、例えば、モータ、発電機、または充電器から電気エネルギー供給を受けることができる。
なお、充電深度は、SOC(state of charge)とも呼ばれ、満充電容量に対する単電池の充電容量の比である。満充電容量には、単電池の公称容量が使用される。
第1の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)は、第1の非水電解質電池の最大充電電流値(A)を、第1の非水電解質電池の重量(kg)で除した値を言う。また、第2の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)は、第2の非水電解質電池の最大充電電流値(A)を、第2の非水電解質電池の重量(kg)で除した値を言う。
第1の組電池は、例えば、第2の組電池または充電器から電力供給を受けて充電される。その際の第1の組電池の充電深度は、40%以上、100%以下の範囲にすることが好ましい。これにより、第2の組電池の充電深度を20%以上、80%以下の範囲に制御することが容易となるため、第2の組電池の出入力性能を高く維持することができる。より好ましい範囲は60%以上、80%以下の範囲である。第2の組電池から第1の組電池への電気エネルギー供給の方式は定電流・定電圧の充電方式が好ましい。
第1,第2の組電池は、第1,第2の非水電解質電池を単位セルとし、複数の単位セルを直列もしくは並列に接続したモジュールを備えるものである。第1,第2の非水電解質電池は、それぞれ、正極と、負極と、非水電解質とを備えるものである。まず、第2の非水電解質電池について説明する。
1)負極
この負極は、負極集電体と、負極集電体の片面もしくは両面に担持され、リチウム吸蔵電位が0.4V(vs.Li/Li+)以上で平均粒径1μm以下の負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極層とを有する。リチウム吸蔵電位の上限値は3V(vs.Li/Li+)にすることができる。
この負極活物質は、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物あるいは合金であることが望ましい。
金属酸化物としては、例えば、タングステン酸化物(WO3)、アモルファススズ酸化物、スズ珪素酸化物(SnSiO3)、酸化珪素(SiO)、チタン含有酸化物、リチウムチタン酸化物などが挙げられる。チタン含有酸化物としては、TiO2、TiとP、V、Sn、Cu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物などが挙げられる。TiO2はアナターゼ型で熱処理温度が300〜500℃の低結晶性のものが好ましい。TiとP、V、Sn、Cu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物としては、例えば、TiO2−P25、TiO2−V25、TiO2−P25−SnO2、TiO2−P25−MeO(MeはCu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)などを挙げることができる。この金属複合酸化物は、結晶性が低く、結晶相とアモルファス相が共存もしくは、アモルファス相単独で存在したミクロ構造であることが好ましい。このようなミクロ構造であることによりサイクル性能が大幅に向上することができる。
金属硫化物として、例えば、硫化リチウム(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2),硫化鉄(FeS、FeS2、LixFeS2)などが挙げられる。
金属窒化物として、例えば、リチウムコバルト窒化物(LixCoyN、0<x<4,0<y<0.5)などが挙げられる。
リチウム合金としては、リチウムアルミニウム合金、リチウム亜鉛合金、リチウムマグネシウム合金、リチウム珪素合金、リチウム鉛合金などが挙げられる。
特に、リチウムチタン酸化物を含むものが好ましい。リチウムチタン酸化物としては、例えば、スピネル型のチタン酸リチウム(例えばLi4+xTi512、xは-1≦x≦3で、好ましくは0≦x≦1)、Li2+yTi37(yは-1≦y≦3)などのラムスデライト型チタン酸リチウムなどを挙げることができる。特に、サイクル性能の点ではスピネル型のチタン酸リチウムが好ましい。これは、平均粒径を1μm以下にしても非水電解質の分解が起こり難く、負極の体積変化が小さいため、急速充電での長期サイクル寿命性能に非常に優れるためである。
負極活物質の平均粒径のより好ましい範囲は、0.3μm以下である。但し、平均粒径が小さいと、粒子の凝集が起こりやすくなり、負極の均質性の低下を招く恐れがあることから、下限値は0.001μmにすることが望ましい。
平均粒径1μm以下の負極活物質は、活物質原料を反応合成して活物質プリカーサーとして1μm以下の粉末を作製することが望ましく、焼成処理後の粉末をボールミルやジェトミルなどの粉砕機を用いて1μm以下に粉砕処理を施すことにより得られる。
負極活物質の粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津SALD−300)を用い、まず、ビーカーに試料を約0.1gと界面活性剤と1〜2mLの蒸留水を添加して十分に攪拌した後、攪拌水槽に注入し、2秒間隔で64回光強度分布を測定し、粒度分布データを解析するという方法にて測定される。
負極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔から形成されていることが望ましい。また、アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は50μm以下が好ましい。より好ましい平均結晶粒径は、10μm以下である。平均結晶粒径が小さいほど、負極集電体の化学的及び物理的強度が高くなるものの、優れた導電性を得るためには微細組織が結晶質であることが望ましいことから、平均結晶粒径の下限値は0.01μmにすることが望ましい。
平均結晶粒径を50μm以下にすることにより、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に向上することができる。この負極集電体強度の増大により、物理的および化学的耐性が強くなり、負極集電体の破断を少なくすることができる。とくに、高温環境下(40℃以上)での過放電長期サイクルで顕著であった負極集電体の溶解・腐食による劣化を防ぐことができ、電極抵抗の増大を抑制することができる。さらに、電極抵抗の増大の抑制によりジュール熱が低下し、電極の発熱を抑制することができる。
また、負極集電体強度の増大により、高いプレス圧を負極にかけても集電体が破断しなくなる。これにより、負極を高密度化することが可能となり、容量密度が向上する。
一般に、電極をプレスする際に、負極活物質の平均粒径が小さくなるほど負極集電体への負荷は大きくなる。平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム箔または平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム合金箔を負極集電体として用いることによって、平均粒径1μm以下の負極活物質により生じる、電極をプレスする際の強い負荷に負極集電体が耐えられるようになるため、プレス時の負極集電体の破断を回避することができる。
また、負極の高密度化により、熱伝導率が増加し、電極の放熱性を向上できる。さらに、電池の発熱の抑制と電極の放熱性向上の相乗効果により、電池温度の上昇を抑制することが可能になる。
平均結晶粒径の範囲が50μm以下のアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、材料組成、不純物、加工条件、熱処理履歴ならび焼なましの加熱条件および冷却条件など多くの因子に複雑に影響され、前記結晶粒子径は、製造工程の中で、前記諸因子を有機的に組み合わせて調整される。なお、日本製箔製PACAL21を用いることにより負極集電体を作製してもよい。
具体的には、平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム箔は、平均結晶粒径が90μmのアルミニウム箔を50〜250℃で焼鈍処理後、室温に冷却することにより作製することができる。一方、平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム合金箔は、平均結晶粒径が90μmのアルミニウム合金箔を50〜250℃で焼鈍処理後、室温に冷却することにより作製することができる。
アルミニウムおよびアルミニウム合金の平均結晶粒径は、以下に説明する方法で測定される。負極集電体表面の組織を金属顕微鏡観察し、1mm×1mmの視野内に存在する結晶粒子数nを測定し、下記(2)式より平均結晶粒子面積S(μm2)を算出する。
S=(1×106)/n (2)
ここで、(1×106)で表わされる値は1mm×1mmの視野面積(μm2)で、nは結晶粒子数である。
得られた平均結晶粒子面積Sを用いて下記(3)式から平均結晶粒径d(μm)を算出する。このような平均結晶粒径dの算出を5箇所(5視野)について行ない、その平均値を平均結晶粒径とする。なお、想定誤差は約5%である。
d=2(S/π)1/2 (3)
負極集電体の厚さは、20μm以下が好ましい。アルミニウム箔の純度は99.99%以上が好ましい。前記アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ケイ素などの元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属量は100ppm以下にすることが好ましい。
導電剤として、炭素材料を用いることができる。例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛等を挙げることができる。
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジェンゴムなどが挙げられる。
負極の活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、負極活物質80〜95重量%、導電剤3〜18重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
負極は、例えば、負極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を負極集電体に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製される。前記負極集電体の片面当りの負極層の厚さは5〜100μmであることが好ましい。特に5〜50μmの範囲であると大電流での充電放電時の熱伝導性が高く急激な発熱が抑制され好ましい。
2)正極
正極は、正極集電体と、前記正極集電体の片面もしくは両面に担持され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極層とを有する。
正極活物質には、急速充電性能に優位な材料が使用される。具体的には、LixCoy1-y2(MはNi、Mn、Al及びSnから選ばれる少なくとも1種以上の元素、0<x≦1.1、0<y<1)で表されるリチウム金属酸化物が挙げられる。この正極活物質を用いることにより正極抵抗成分の低減と充電時の正極電位をより低くすることができ、充電スピードを高めることができる。より好ましい正極活物質は、LixCoyNizMn1-y-z2(ただし、0<x≦1.1、0.1≦y≦0.6、0.1≦z≦0.8)である。この正極活物質を用いることにより急速充電性能が大幅に向上し、回生能力は大幅に向上する。
また、上記組成のリチウム金属酸化物を使用する代わりに、y=0を満たす組成のリチウム金属酸化物、すなわち、LixMO2(MはNi、Mn、Al及びSnから選ばれる少なくとも1種以上の元素、0<x≦1.1)で表されるリチウム金属酸化物を使用しても、急速充電における充電効率とサイクル性能とを向上することができる。
さらに、LixCoy1-y2(MはNi、Mn、Al及びSnから選ばれる少なくとも1種以上の元素、0<x≦1.1、0≦y<1)で表されるリチウム金属酸化物と合わせて、スピネル型のリチウムマンガン複合酸化物(例えばLiaMn24、0≦a≦1)、スピネル型のリチウムマンガンニッケル複合酸化物及びオリビン構造を有するリチウム金属リン酸化物のうち少なくとも一種類からなる第2のリチウム金属酸化物を正極活物質として使用することも可能である。この正極活物質の使用により、急速充電における充電効率及びサイクル性能の向上が可能である。スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物としては、例えば、LiaMn2-bNib4(0≦a≦1、0.1≦b≦0.6)などを挙げることができる。また、オリビン構造を有するリチウム金属リン酸化物としては、例えば、LicFePO4(0≦c≦1)、LidFe1-eMnePO4(0≦d≦1、0≦e≦1)、LifCoPO4(0≦f≦1)などを挙げることができる。
第2のリチウム金属酸化物としてスピネル型のリチウムマンガン複合酸化物やスピネル型のリチウムマンガンニッケル複合酸化物を使用することにより、正極電位が高くなるため、急速充電した際の出力をより向上することができる。また、第2のリチウム金属酸化物としてオリビン構造を有するリチウム金属リン酸化物を使用することにより、正極の熱安定性が向上されるため、急速充電でのサイクル性能をより向上することができる。これら効果を得るために、正極活物質中の第2のリチウム金属酸化物の割合は、50重量%以下にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は10重量%以上、50重量%以下で、最も好ましい範囲は10重量%以上、40重量%以下である。
正極活物質の平均粒径は、3μm以上にすることが望ましい。これにより、高温時の非水電解質との反応を抑制することができ、高温下(40℃以上)での駆動時や貯蔵時の電池の抵抗上昇劣化を大幅に改善することができる。より好ましい範囲は3μm以上、6μm以下である。
正極集電体としては、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が挙げられ、平均結晶粒径が50μm以下であることが好ましい。より好ましくは、10μm以下である。平均結晶粒径の範囲が50μm以下であることにより、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に増大することができ、正極を高いプレス圧で高密度化することが可能となり容量密度を向上することができる。平均結晶粒径が小さいほど、ピンポール及びクラックの発生を少なくすることが可能になると共に、正極集電体の化学的強度及び物理的強度を高くすることができる。集電体の微細組織を結晶質を有するものとして適度な硬さを確保するために、平均結晶粒径の下限値は0.01μmにすることが望ましい。正極集電体の厚さは、20μm以下が好ましい。
導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムなどが挙げられる。
正極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜18重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
正極は、例えば、正極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を正極集電体に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製される。前記正極集電体の片面当りの正極層の厚さは5〜250μmであることが好ましい。特に5〜200μmの範囲であると大電流での充電放電時の熱伝導性が高く急激な発熱が抑制され好ましい。
3)非水電解質
非水電解質としては、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質、前記液状非水電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質、またはリチウム塩電解質と高分子材料を複合化した固体非水電解質が挙げられる。また、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)を使用してもよい。
液状非水電解質は、電解質を0.5〜2mol/Lの濃度で有機溶媒に溶解することにより、調製される。
電解質としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22,Li(CF3SO23C、LiB[(OCO)22などが挙げられる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネートや、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などの鎖状カーボネートや、ジメトキシエタン(DME)、ジエトエタン(DEE)などの鎖状エーテルや、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン(DOX)などの環状エーテルや、γ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)−などの単独もしくは混合溶媒を挙げることができる。GBLを含む非水電解質によると、充電時のガス発生量をより低減することができる。GBLの他に、PC及びECよりなる群から選択される少なくとも一種類を含有させると、なお良い。
高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙げることができる。
また、常温溶融塩(イオン性融体)は、リチウムイオン、有機物カチオンおよび有機物アニオンから構成され、100℃以下、好ましくは室温以下でも液状である。
正極と負極の間には、セパレータを配置することができる。セパレータとしては、例えば、合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルムなどを挙げることができる。
正極、負極及び非水電解質は、容器内に収納される。容器としては、ラミネートフィルム製容器、金属製容器などが使用可能である。形状としては、扁平型、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、電気自動車等に積載される大型電池等が挙げられる。
ラミネートフィルムとしては、例えば、金属層と金属層を被覆する樹脂層とを含む多層フィルムを挙げることができる。軽量化のために、金属層はアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔であることが好ましい。樹脂層は、金属層を補強するためのものであり、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子から形成することができる。
ラミネートフィルム製容器は、例えば、ラミネートフィルムを熱融着により貼り合わせることで得られる。
ラミネートフィルムの厚さの好ましい範囲は、0.5mm以下である。また、ラミネートフィルムの厚さの下限値は、0.01mmにすることが望ましい。
金属製容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることが望ましい。アルミニウム及びアルミニウム合金それぞれの平均結晶粒径は50μm以下であることが好ましい。平均結晶粒径を50μm以下にすることにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属製容器の強度が増大し、容器の肉厚を薄くしても十分な機械的強度を確保することができる。これにより、容器の放熱性を向上させることができるため、電池温度の上昇を抑制することができる。また、エネルギー密度の向上により電池の軽量化および小型化も可能となる。なお、より好ましくは、10μm以下である。平均結晶粒径が小さいほど、容器の化学的及び物理的強度が高くなるものの、優れた導電性を得るためには微細組織が結晶質であることが望ましいことから、平均結晶粒径の下限値は0.01μmにすることが望ましい。
これらの特徴は、高温条件、高エネルギー密度等が求められる電池、例えば、車載用二次電池に好適である。
金属製容器の板厚の好ましい範囲は、0.5mm以下である。また、金属製容器の板厚の下限値は、0.05mmにすることが望ましい。
前記アルミニウム箔の純度は99.99%以上が好ましい。前記アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属は100ppm以下にすることが好ましい。
金属製容器の封口は、レーザーにより行うことができる。このため、ラミネートフィルム製容器に比べて封止部の体積を少なくすることができ、エネルギー密度を向上することができる。
次いで、第1の非水電解質電池について説明する。第1の非水電解質電池では、以下に説明する正極と負極を用いること以外は、第2の非水電解質電池で説明したのと同様な構成を用いることができる。
(負極)
この負極は、負極集電体と、負極集電体の片面もしくは両面に担持され、負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極層とを有する。
負極活物質には、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物が使用される。炭素質物は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素を挙げることができる。よりこのましい炭素質物は、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素が挙げられる。炭素質物のX線回折による(002)面の面間隔d002は0.340nm以下であることが好ましい。これにより、第1の組電池のエネルギー密度を向上することができるため、電源システムの放電時間をより長くすることができる。さらに好ましい炭素質物は、d002が0.337nm以下の黒鉛質材料であり、天然黒鉛を原料としたものが特に好ましい。炭素質物としてd002が0.337nm以下の黒鉛質材料を用いると共に、第2の組電池と同様な正極活物質を使用することによって、エネルギー密度の向上により放電持続時間をさらに長くすることができる。同時に、第1の非水電解質電池の放電カーブが第2の非水電解質電池の放電カーブと揃うようになるため、組電池の充電深度の制御が容易になり、組電池の残量管理がしやすくなる。さらに、第1の組電池と第2の組電池の制御を共通の充放電制御回路で行えるため、電源システムのコストとサイズを低減することができる。
炭素質物の形状は、鱗片状、粒状、球状が好ましい。
負極集電体は、銅箔から形成されていることが望ましい。負極集電体の厚さは、20μm以下が好ましい。
負極を構成する導電剤として、炭素材料を用いることができる。例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛等を挙げることができる。
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジェンゴムなどが挙げられる。
負極の活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、負極活物質80〜100重量%、導電剤3〜18重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
負極は、例えば、負極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を負極集電体に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製される。
負極集電体片面当りの負極層の厚さは30〜250μmであることが好ましい。特に、50〜200μmの範囲であると、低負荷放電時に高容量を取り出すことができる。
(正極)
正極には、第2の非水電解質電池で説明したのと同様な正極を使用することができるが、以下に説明する正極活物質を使用することも可能である。
正極活物質としては、酸化物、硫化物、ポリマーなどが挙げられる。
例えば、酸化物としては、例えばMnO2などの二酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、例えばLixMn24またはLixMnO2などのリチウムマンガン複合酸化物、例えばLixNiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、例えばLixCoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、例えばLiNi1-yCoy2などのリチウムニッケルコバルト複合酸化物、例えばLiMnyCo1-y2などのリチウムマンガンコバルト複合酸化物、例えばLixMn2-yNiy4などのスピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、例えばLixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4などのオリビン構造を有するリチウムリン酸化物、例えばFe2(SO43などの硫酸鉄、例えばV25などのバナジウム酸化物などが挙げられる。なお、x,yは、特に記載がない限り、0〜1の範囲であることが好ましい。
例えば、ポリマーとしては、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料などが挙げられる。その他に、イオウ(S)、フッ化カーボンなども使用できる。
好ましい正極活物質としては、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、リチウムリン酸鉄などが挙げられる。これらは、高い正極電圧を得られるからである。中でも、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物によると、高温環境下での非水電解質との反応を抑制することができ、電池寿命を大幅に向上することができる。
また、LiaNibCocMnd2(但し、モル比a,b,c及びdは0≦a≦1.1、b+c+d=1)で表されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の使用も好ましい。リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の使用により、高い電池電圧を得ることができる。モル比a,b,c及びdのより好ましい範囲は、0≦a≦1.1、0.1≦b≦0.5、0≦c≦0.9、0.1≦d≦0.5である。
本実施形態に係る電源システムは、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電動二輪車、電車などの電動車に搭載される。電源システムを搭載したハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車の第1〜第3の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1には、本実施形態に係る電源システム1を搭載したハイブリッド自動車2のブロック図が示されている。
この電源システム1は、電池パック3と、昇圧機構4とを備える。電池パック3は、第1の組電池(組電池A)と、第2の組電池(組電池B)と、電池制御ユニット(BMU;battery management unit)5とを備える。組電池Aは組電池Bとコントローラ6を介して並列に接続されている。コントローラ6は、DC/DCコンバータを具備しており、後述する図4に示す充放電制御回路26から信号を受けとると、組電池Bにより組電池Aを充電するために組電池Bの電流電圧特性を制御する役割をなしている。組電池Bによる組電池Aの充電は、定電流定電圧充電が望ましい。組電池A,Bは、それぞれ、昇圧機構4と接続されている。昇圧機構4は、入力された電気エネルギーの電圧値を設定値まで高めて出力するものである。
昇圧機構4にハイブリッド自動車2のモータ7と発電機8が連結されている。モータ7は、車輪9を駆動するためのものである。また、発電機8は、エンジン10に連結されている。また、電源システム1のBMU5の充放電制御回路26は、発電機8及びモータ7と接続されている。
組電池A,Bは、第1,第2の非水電解質電池を単位セルとし、複数の単位セルを直列もしくは並列に接続したモジュールを備えるものである。組電池A,Bは、それぞれ、例えば、図2に示すように、BMU5と一体化させた状態で筐体内に収納することが可能である。
単位セル21は、第1の非水電解質電池または第2の非水電解質電池から構成され、例えば図3に示す扁平型構造を有している。図3に示すように、電極群11は、正極12及び負極13をその間にセパレータ14を介在させて偏平形状となるように渦巻き状に捲回した構造を有する。電極群11は、例えば、正極12及び負極13をその間にセパレータ14を介在させて偏平形状となるように渦巻き状に捲回した後、加熱プレスを施すことにより作製される。電極群11における正極12、負極13及びセパレータ14は、接着性を有する高分子により一体化されていても良い。帯状の正極端子15は、正極12に電気的に接続されている。一方、帯状の負極端子16は、負極13に電気的に接続されている。この電極群11は、ラミネートフィルム製容器17内に正極端子15と負極端子16の端部を容器17から突き出させた状態で収納されている。なお、ラミネートフィルム製容器17は、ヒートシールにより封止がなされている。
単位セル21の定格容量は、2Ah以上、100Ah以下にすることが望ましい。定格容量のさらに好ましい範囲は3Ah以上、40Ah以下である。ここで、定格容量とは、0.2Cレートで放電した時の容量を意味する。
単位セル21の個数は、5個以上、500個以下が好ましい。個数のより好ましい範囲は、5個以上、200個以下である。また、車載用では、高電圧を得るために単位セル21を直列に接続することが望ましい。
図2,4に示す通りに、複数の単位セル21は、直列に接続された状態で厚さ方向に積層されている。得られた組電池A,Bは、粘着テープ23によって一体化されている。
正極端子15および負極端子16が突出する側面に対しては、プリント配線基板24が配置されている。プリント配線基板24には、図4に示すBMU5と、温度センサ25a,25bとが搭載されている。BMU5は、充放電制御回路26と、充電遮断回路27と、放電遮断回路28とを備えるものである。組電池A,Bが個々にBMU5を有していても良いが、図4の場合、BMU5は組電池A,B間で共通である。
電圧検出手段としての電圧検出回路46aは、組電池Aに含まれる全ての単位セル21の電圧を測定できるよう、単位セル21同士の各接続点にそれぞれ接続される。電圧検出手段である電圧検出回路46bは、組電池Bに含まれる全ての単位セル21の電圧を測定できるよう、単位セル21同士の各接続点にそれぞれ接続される。但し、組電池A,Bが並列接続を含む場合には、並列の組は電圧が等しいから、並列1組あたり電圧1箇所測定とすればよい。電圧検出回路46a,46bによる検知信号は、配線29を通して充放電制御回路26に送信される。
電流検出手段としての電流検出回路47a,47bは、組電池A,Bの正極側配線30に接続され、電流値を検出し、検出結果が充放電制御回路26に送信される。電流検出回路47a,47bは、組電池A,Bの負極側配線32に接続しても良い。電流検出回路47a,47bにより、第1、第2の非水電解質電池それぞれの充電電流および放電電流が検出される。
組電池A,Bそれそれが温度センサ25a,25bを備える。温度センサ25a,25bは、組電池A,Bそれぞれの単位セル21全ての温度を計測する。なお、温度センサ25a,25bは、複数の単位セル21のうちの任意の単位セルの温度を測定するように設置しても良い。一部の単位セル21の温度を測定する場合には、組電池A,Bの中段に位置する単位セル21の温度を測定することが望ましい。なお、温度センサ25a,25bの最大検出温度を組電池A,Bの温度とする。また、単位セル21の平面部の中央の温度を測定することが望ましい。温度センサ25a,25bによる測定結果は、検知信号として配線29を通して充放電制御回路26に送信される。
充放電制御回路26では、組電池A,Bの電圧、電流及び温度の情報が入力されると、入力信号に基づき、組電池A,Bの現在の充電深度を演算し、これを組電池A,Bの目標充電深度と比較する。現在の充電深度と目標充電深度との差が大きい時に、コントローラ6、モータ7あるいは発電機8に信号を送信するため、組電池A,Bの充放電がなされる。また、充放電制御回路26から充電遮断回路27あるいは放電遮断回路28に信号を送信することによって、組電池A,Bの充電または放電を停止する。このようにして組電池A,Bの充放電が制御される。
充放電制御回路26は、組電池A,Bの充電深度を制御する場合だけでなく、所定の条件に達した際に充電遮断回路27あるいは放電遮断回路28に信号を送信する。所定の条件とは、例えば、温度センサ25a,25bの検出温度が所定温度以上になったとき、単位セル21の過充電、過放電、過電流等を検知したとき等である。この検知方法は、個々の単位セル21もしくは単位セル21全体について行われる。個々の単位セル21を検知する場合、電池電圧を検知してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検知してもよい。後者の場合、個々の単位セル21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。
図2及び図4に示すように、組電池A,Bの正極側配線30は、プリント配線基板24の充放電制御回路26の正極側コネクタ31に電気的に接続されている。組電池A,Bの負極側配線32は、プリント配線基板24の充放電制御回路26の負極側コネクタ33に電気的に接続されている。
組電池A,Bそれぞれについて、正極端子15および負極端子16が突出する側面以外の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート34が配置される。正極端子15および負極端子16が突出する側面とプリント配線基板24との間には、ゴムもしくは樹脂からなるブロック状の保護ブロック35が配置される。
この組電池A,Bは、それぞれ、各保護シート34、保護ブロック35およびプリント配線基板24と共に収納容器36に収納される。すなわち、収納容器36の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート34が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池A,Bは、それぞれ、保護シート34及びプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。収納容器36の上面には、蓋37が取り付けられる。
なお、組電池A,Bの固定には、粘着テープ23に代えて、熱収縮テープを用いても良い。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮チューブを周回させた後、該熱収縮チューブを熱収縮させて組電池を結束させる。
なお、図2,4に示した単位セル21は直列に接続されているが、電池容量を増大させるためには並列に接続しても良い。無論、組み上がった組電池を直列、並列に接続することもできる。
このような電源システム1を備えたハイブリッド自動車2の動作を以下に説明する。
ハイブリッド自動車2のモータ7には、組電池Aの電気エネルギーが昇圧機構4を通して供給される。BMU5の充放電制御回路26では、組電池Aの充電深度が設定値を下回ると、放電遮断回路28に信号を送信し、組電池Aの放電が中断される。組電池Aからの出力が中断されると、エンジン10による走行駆動に切り替わる。
組電池Aは、前述した通り、組電池Bによって充電される。組電池Bの充電は、モータ7の駆動によりハイブリッド自動車2が走行している場合、ブレーキ時のモータ7からの回生エネルギーが昇圧機構4を通して供給されることでなされる。エンジン10が駆動している場合、ブレーキ時のエンジン10からの回生エネルギーが発電機8及び昇圧機構4を通して組電池Bに供給される。BMU5の充放電制御回路26では、組電池Bの充電深度が設定値に達すると、充電遮断回路27に信号を送信し、組電池Bの充電が中断される。
このようなハイブリッド自動車2によれば、モータ7あるいはエンジン10からの回生エネルギーにより組電池Bを充電することで回生充電の効率を高めることができると共に、組電池Aからモータ7へ電気エネルギーを供給することで電源システムの長時間放電が可能となる。
なお、前述した図1に示す電源システムには冷却ファンは組み込まれていないが、冷却ファンを導入して組電池を冷却することも可能である。また、直流モータの代わりに交流モータを使用することも可能である。但し、その場合、整流器が必要になる。
また、組電池A,Bに使用する扁平型非水電解質電池は、前述した図3に示す構成のものに限らず、例えば、図5,6に示す構成にすることができる。
図5に示すように、ラミネートフィルム製の容器17内には、積層型電極群18が収納されている。積層型電極群18は、図6に示すように、正極12と負極13とをその間にセパレータ14を介在させながら交互に積層した構造を有する。正極12は複数枚存在し、それぞれが正極集電体12aと、正極集電体12aの両面に担持された正極活物質含有層12bとを備える。負極13は複数枚存在し、それぞれが負極集電体13aと、負極集電体13aの両面に担持された負極活物質含有層13bとを備える。それぞれの負極13の負極集電体13aは、一辺が正極12から突出している。正極12から突出した負極集電体13aは、帯状の負極端子16に電気的に接続されている。帯状の負極端子16の先端は、容器17から外部に引き出されている。また、ここでは図示しないが、正極12の正極集電体12aは、負極集電体13aの突出辺と反対側に位置する辺が負極13から突出している。負極13から突出した正極集電体12aは、帯状の正極端子15に電気的に接続されている。帯状の正極端子15の先端は、負極端子16とは反対側に位置し、容器17の辺から外部に引き出されている。
(第2の実施形態)
図7には、本実施形態に係る電源システム1を搭載したプラグインハイブリッド自動車41のブロック図が示されている。このプラグインハイブリッド自動車41は、充電器42を備えること以外は、前述した第1の実施形態と同様な構成を有する。充電器42は、プラグインハイブリッド自動車41が走行していない際に外部電源43と接続され、組電池A,Bの充電を行う。また、充電器42には、BMU5の充放電制御回路26が接続されている。
プラグインハイブリッド自動車41のモータ7には、組電池Aの電気エネルギーが昇圧機構4を通して供給される。BMU5の充放電制御回路26では、組電池Aの充電深度が設定値を下回ると、放電遮断回路28に信号を送信し、組電池Aの放電が中断される。組電池Aからの出力が中断されると、エンジン10による駆動に切り替わる。
組電池Aは、組電池Bもしくは充電器42によって充電される。組電池Bの充電は、モータ7の駆動によりプラグインハイブリッド自動車41が走行している場合、ブレーキ時のモータ7の制動エネルギーが昇圧機構4を通して供給されることでなされる。エンジン10が駆動している場合、ブレーキ時のエンジン10の制動エネルギーが発電機8及び昇圧機構4を通して組電池Bに供給される。プラグインハイブリッド自動車41が走行していない場合、充電器42により組電池Bの充電が行われる。BMU5の充放電制御回路26では、組電池Bの充電深度が設定値に達すると、充電遮断回路27に信号を送信し、組電池Bの充電が中断される。
このようなプラグインハイブリッド自動車41によれば、モータ7あるいはエンジン10からの回生エネルギーにより組電池Bを充電することから回生充電の効率を高めることができると共に、組電池Aからモータ7へ電気エネルギーを供給することで電源システムの長時間放電が可能となる。
(第3の実施形態)
図8には、本実施形態に係る電源システム1を搭載した電気自動車44のブロック図が示されている。この電気自動車44は、エンジン10と発電機8が搭載されておらず、かつ充電器42を備えること以外は、前述した第1の実施形態と同様な構成を有する。充電器42は、電気自動車44が走行していない際に外部電源43と接続され、組電池A,Bの充電を行う。また、充電器42には、BMU5の充放電制御回路26が接続されている。
電気自動車44のモータ7には、組電池Aの電気エネルギーが昇圧機構4を通して供給される。BMU5の充放電制御回路26では、組電池Aの充電深度が設定値を下回ると、放電遮断回路28に信号を送信し、組電池Aの放電が中断される。
組電池Aは、組電池Bもしくは充電器42によって充電される。組電池Bの充電は、モータ7の駆動により電気自動車44が走行している場合、ブレーキ時のモータ7の制動エネルギーが昇圧機構4を通して供給されることでなされる。電気自動車44が走行していない場合、充電器42により組電池Bの充電が行われる。BMU5の充放電制御回路26では、組電池Bの充電深度が設定値に達すると、充電遮断回路27に信号を送信し、組電池Bの充電が中断される。
このような電気自動車44によれば、モータ7からの回生エネルギーにより組電池Bを充電することから回生充電の効率を高めることができると共に、組電池Aからモータ7へ電気エネルギーを供給することで電源システムの長時間放電が可能となる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を、前述した図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
第2の非水電解質電池の負極作製方法について説明する。
活物質として平均粒径0.3μmで、リチウム吸蔵電位が1.55V(vs.Li/Li+)のスピネル型チタン酸リチウム(Li4Ti512)粉末と、導電剤として平均粒径0.4μmの炭素粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で90:7:3となるように配合してn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ12μmの平均結晶粒径50μmのアルミニウム合金箔(純度99.4%)に塗布、乾燥、プレス工程を経て電極密度2.4g/cm3の負極を作製した。
なお、リチウム吸蔵電位は以下に説明する方法で測定した。
負極を1cm×1cmの大きさに切り出し、作用極とした。作用極と2cm×2cmのリチウム金属箔からなる対極とをグラスフィルター(セパレータ)を介して対向させ、作用極と対極とに触れぬようにリチウム金属を参照極として挿入した。これら電極を3極式ガラスセルに入れ、作用極、対極、参照極の夫々をガラスセルの端子に接続し、ECとBLが体積比25:75で混合された混合溶媒にLiBF4を2mol/l溶解した電解液を50mL注ぎ、セパレータと電極に充分に電解液が含浸された状態にし、ガラス容器を密閉した。作製したガラスセルを25℃の恒温槽内に配置し、0.1mA/cm2の電流密度で充電した際の作用極のリチウムイオン吸蔵電位を測定した。
正極作製方法について説明する。
活物質として平均粒径3.3μmのリチウムコバルトニッケルマンガン酸化物(LiCo1/3Ni1/3Mn1/32)と、導電材として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で87:8:5となるように配合し、n−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ15μmの平均結晶粒径12μmのアルミニウム箔(純度99.99%)に塗布、乾燥、プレス工程を経て電極密度3.0g/cm3の正極を作製した。
容器には、厚さ0.1mmのアルミニウム含有ラミネートフィルムを使用した。このアルミニウム含有ラミネートフィルムのアルミニウム層は、厚さ約0.03mmであり、平均結晶粒径は約100μmである。アルミニウム層を補強する樹脂には、ポリプロピレンを使用した。容器は、ラミネートフィルムを熱融着することにより加工された。
次いで、正極に帯状の正極端子を電気的に接続すると共に、負極に帯状の負極端子を電気的に接続した。厚さ12μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを正極に密着させて被覆した。セパレータで被覆された正極に負極を対向するように重ね、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。この電極群をプレスして扁平状に成形した。容器に扁平状に成形した電極群を挿入した。
ECとGBLが体積比(EC:GBL)で1:2の割合で混合された有機溶媒に、リチウム塩のLiBF4を1.5mol/L溶解させ、液状の非水電解質を調製した。得られた非水電解質を容器内に注液し、前述した図3に示す構造を有し、厚さ6.5mm、幅70mm、高さ100mmの第2の非水電解質電池を作製した。電池重量90g、公称容量は3000mAhであった。
この第2の非水電解質電池6本を直列接続したものをプラスチック板に固定して1モジュールとした。このモジュールを20直列に接続して電源システムの組電池B(定格電圧264V、定格容量3Ah)を作製した。
次に、第1の非水電解質電池の負極作製方法について説明する。
活物質としてd002が0.3356nmで、平均粒径10μmの粒状の天然黒鉛と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で95:5となるように配合してn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ12μmの銅箔(純度99.9%)に塗布、乾燥、プレス工程を経て電極密度1.3g/cm3の負極(片面の負極層厚さ150μm)を作製した。
炭素質物の(002)面の面間隔d002は、粉末X線回折スペクトルから半値幅中点法により求めた。この際、ローレンツ散乱等の散乱補正は、行わなかった。
正極作製方法について説明する。
活物質として平均粒径3μmのリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)と、導電材として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で87:8:5となるように配合し、n−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ15μmの平均結晶粒径12μmのアルミニウム箔(純度99.99%)に塗布、乾燥、プレス工程を経て電極密度3.5g/cm3の正極を作製した。
容器には、厚さ0.1mmのアルミニウム含有ラミネートフィルムを使用した。このアルミニウム含有ラミネートフィルムのアルミニウム層は、厚さ約0.03mmであり、平均結晶粒径は約100μmである。アルミニウム層を補強する樹脂には、ポリプロピレンを使用した。容器は、ラミネートフィルムを熱融着することにより加工された。
次いで、正極に帯状の正極端子を電気的に接続すると共に、負極に帯状の負極端子を電気的に接続した。厚さ12μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを正極に密着させて被覆した。セパレータで被覆された正極に負極を対向するように重ね、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。この電極群をプレスして扁平状に成形した。容器に扁平状に成形した電極群を挿入した。
ECとDECが体積比(EC:DEC)で1:3の割合で混合された有機溶媒に、リチウム塩のLiPFを1.5mol/L溶解させ、液状の非水電解質を調製した。得られた非水電解質を容器内に注液し、前述した図3に示す構造を有し、厚さ13mm、幅70mm、高さ150mmの第1の非水電解電池を作製した。電池重量400g、公称容量は12Ahであった。
この第1の非水電解質電池3本を直列接続したものをプラスチック板に固定して1モジュールとした。このモジュールを20直列に接続して電源システムの組電池A(定格電圧210V、定格容量20Ah)を作製した。
この組電池Bと組電池Aと電池制御ユニット(BMU)と昇圧機構とを用いて前述した図8に示す電源システムを作製した。
得られた電源システムを、45℃環境下で電気自動車に搭載し、組電池Aの充電深度(SOC)を20%に、組電池BのSOCを40%に設定した。モータの回生エネルギーにより組電池Bに100A(第2の非水電解質電池の充電電流密度は1111A/kg)、280V(28kW)で1分間の急速充電を施しつつ、SOCの値が40%に維持されるように組電池BからDC−DCコンバータを介して50A定電流(第1の非水電解質電池の充電電流密度は125A/kg)、最大電圧250Vで組電池AへSOCが60%になるまで充電を行った。その後、組電池Aから220V、4Aの出力(0.88kW)の定速走行相当でモータを駆動する時間を測定した。得られた初期モータ駆動時間を下記表1に示す。また、この一連の操作を繰り返し1000回行い、1000回後のモータ駆動時間を測定した。その結果を下記表1に示す。
(実施例2)
モータ駆動試験時の組電池BのSOCを20%に設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にし、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(実施例3)
モータ駆動試験時の組電池BのSOCを60%に設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にし、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(実施例4)
モータ駆動試験時の組電池BのSOCを80%に設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にし、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(実施例5)
第2の非水電解質電池の正極活物質に平均粒径3.0μmのLiCo0.97Sn0.032を用いた以外、実施例1と同様な電源システムおよび電気自動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(実施例6)
第2の非水電解質電池の正極活物質に平均粒径6μmのリチウムコバルトニッケルマンガン酸化物(LiCo1/3Ni1/3Mn1/32)を用いた以外、実施例1と同様な電源システムおよび電動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(実施例7)
第2の非水電解質電池の正極活物質に平均粒径5μmのLiNi0.8Co0.15Al0.052)を用いた以外、実施例1と同様な電源システムおよび電動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(実施例8)
第1の非水電解質電池の負極活物質に難黒鉛化性炭素(d002が0.37nmで、平均粒径10μm)を用いた以外、実施例1と同様な電源システムおよび電動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(比較例1)
図11に示すような組電池Bを除いた組電池Aからなる電源システム1を作製した以外、実施例1と同様な電源システムおよび電動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(比較例2)
第2の非水電解質電池の正極活物質に平均粒径1μmのLiCoO2を用いた以外、実施例1と同様な電源システムおよび電動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(比較例3)
モータ駆動試験時の組電池BのSOCを90%に設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にし、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(比較例4)
モータ駆動試験時の組電池BのSOCを10%に設定すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にし、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
表1には、初期モータ駆動時間に対する1000回後のモータ駆動時間の維持率を併記した。
Figure 0005085235
表1に示すように実施例1〜8の電源システムは、初期モータ駆動時間に対する1000回繰り返し後のモータ駆動時間の維持率が高く、急速充電でのサイクル劣化が少ないことが分かる。これは、組電池Bの高い急速充電性能から電源システムが入力特性に優れ、電源システムの充電時の劣化が少ないためである。
これに対し、組電池Bを用いない比較例1の電源システム、組電池Bの正極活物質としてLiCoO2を用いた比較例2の電源システム、組電池BのSOCを20%未満に設定する比較例4の電源システムでは、初期モータ駆動時間が長いものの、1000回繰り返し後のモータ駆動時間の低下率が大きかった。一方、組電池BのSOCが80%を超えている比較例3の電源システムでは、初期モータ駆動時間も実施例1〜8に比して短くなった。
また、実施例1〜4の比較により、組電池BのSOCを40%以上、60%以下にした実施例1,3において、初期モータ駆動時間に対する1000回繰り返し後のモータ駆動時間の維持率が高くなることがわかる。
実施例1の組電池Aの単電池(第1の非水電解質電池)、実施例1の組電池Bの単電池(第2の非水電解質電池)および実施例8のAの単電池(第1の非水電解質電池)の放電曲線を測定し、その結果を図9に示す。図9における縦軸は単電池電圧(V)、横軸は単電池の放電容量深度(%)を示す。
図9から明らかな通りに、実施例1の組電池Aの単電池放電曲線は、その傾きと電圧平坦部の長さが実施例1の組電池Bの単電池放電曲線と良く似ていることがわかる。これにより、組電池A,BのSOCの制御が容易になり、組電池A,Bの残存容量を正確に検出することが可能となる。また、SOCの制御によって単電池の過充電及び過放電を確実に抑えられるため、サイクル性能も向上する。一方、実施例8の組電池Aの単電池放電曲線は、実施例1の組電池Bの単電池放電曲線に比して電圧平坦性が低かった。
さらに、実施例1,5,6の組電池Bの単電池(第2の非水電解質電池)の放電曲線を測定し、その結果を図10に示す。図10における縦軸は単電池電圧(V)、横軸は単電池の放電容量深度(%)を示す。
図10から明らかな通りに、LixCoy1-y2の元素MにNi,Mn及びSnから選択される少なくとも1種類を使用した正極活物質を用いる実施例1,5は、元素MにAlを用いる実施例6に比して電圧平坦性に優れており、組電池のSOCの制御がより容易であることがわかった。
(実施例9)
第2の非水電解質電池の正極活物質に平均粒径3.3μmのLiNi0.5Mn0.52粒子を用いた以外、実施例1と同様な電源システムおよび電動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を前述した表1に併記する。
(実施例10)
第2の非水電解質電池の正極活物質に、平均粒径3.3μmのリチウムコバルトニッケルマンガン酸化物(LiCo1/3Ni1/3Mn1/32)粒子を50重量%と、平均粒径4μmのLiMn24粒子を50重量%とからなる混合物を用いた以外、実施例1と同様な電源システムおよび電動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を前述した表1に併記する。
(実施例11)
第2の非水電解質電池の正極活物質に、平均粒径3.3μmのリチウムコバルトニッケルマンガン酸化物(LiCo1/3Ni1/3Mn1/32)粒子を50重量%と、平均粒径2μmのLiFePO4粒子を50重量%とからなる混合物を用いた以外、実施例1と同様な電源システムおよび電動車を作製し、初期モータ駆動時間及び1000回後のモータ駆動時間を測定した。これらの結果を前述した表1に併記する。
また、実施例9〜11の組電池Bの単電池の放電曲線を測定し、その結果を図12に示す。図12における縦軸は単電池電圧(V)、横軸は単電池の放電容量深度(%)を示す。
表1の結果から明らかな通りに、実施例9〜11の電源システムは、初期モータ駆動時間に対する1000回繰り返し後のモータ駆動時間の維持率が高く、急速充電でのサイクル劣化が少ないことが分かる。図12から、実施例9の組電池Bの単電池の放電曲線は、実施例1の組電池Bの単電池の放電曲線と近似しており、リチウム金属酸化物の組成式におけるyがゼロの際にも、組電池A,BのSOCの制御が容易になることを確認することができた。また、この図12から、実施例10の組電池Bの単電池の電圧は、実施例1の組電池Bの単電池の電圧に比して高いことと、実施例11の組電池Bの単電池では、実施例1の組電池Bの単電池に比して電圧降下が急峻に生じることがわかった。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1の実施形態に係る電源システムおよび電動車を示すブロック図。 図1の電源システムで使用されるBMU一体化組電池の分解斜視図。 図2の組電池に使用される扁平型非水電解質電池を模式的に示す部分切欠斜視図。 図1の電源システムにおける電池制御ユニットを示すブロック図。 図2の組電池に使用される別な扁平型非水電解質電池を模式的に示す部分切欠斜視図。 図5の電極群と負極端子の要部の拡大断面図。 第2の実施形態に係る電源システムおよび電動車を示すブロック図。 第3の実施形態に係る電源システムおよび電動車を示すブロック図。 実施例1の組電池Aの単電池、実施例1の組電池Bの単電池および実施例8の組電池Aの単電池の放電曲線を示す特性図。 実施例1,5,6の組電池Bの単電池の放電曲線を示す特性図。 比較例1の電源システムおよび電動車を示すブロック図。 実施例1,5,6,9〜11の組電池Bの単電池の放電曲線を示す特性図。
符号の説明
1…電源システム、2…ハイブリッド自動車、3…電池パック、4…昇圧機構、5…電池制御ユニット、6…コントローラ、7…モータ、8…発電機、9…車輪、10…エンジン、11…電極群、12…正極、12a…正極集電体、12b…正極活物質含有層、13…負極、13a…負極集電体、13b…負極活物質含有層、14…セパレータ、15…正極端子、16…負極端子、17…容器、18…積層電極群、21…電池単体、23…粘着テープ、24…プリント配線基板、25a,25b…温度センサ、26…充放電制御回路、27…充電遮断回路、28…放電遮断回路、30…正極側配線、31…正極側コネクタ、32…負極側配線、33…負極側コネクタ、34…保護シート、35…保護ブロック、36…収納容器、37…蓋、41…プラグインハイブリッド自動車、42…充電器、43…外部電源、44,45…電気自動車、A,B…組電池。

Claims (11)

  1. 正極と炭素質物を含む負極とを備えた第1の非水電解質電池から構成され、外部へ電気エネルギーを供給する第1の組電池と、
    リチウム吸蔵電位が0.4V(vs.Li/Li+)以上で平均粒径1μm以下の負極活物質を含む負極と、LixCoy1-y2(MはNi、Mn、Al及びSnから選ばれる少なくとも1種以上の元素、0<x≦1.1、0≦y<1)で表されるリチウム金属酸化物を含む正極とを備えた第2の非水電解質電池から構成され、前記第2の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)が前記第1の非水電解質電池の充電電流密度(A/kg)よりも大となるように充電深度20%以上、80%以下の範囲で充電され、前記第1の組電池に電気エネルギーを供給する第2の組電池と
    を具備することを特徴する電源システム。
  2. 前記yの値は、0<y<1を満たすことを特徴とする請求項1記載の電源システム。
  3. 前記リチウム金属酸化物はLixCoyNizMn1-y-z2(ただし、0<x≦1.1、0.1≦y≦0.6、0.1≦z≦0.8)で表されることを特徴とする請求項1記載の電源システム。
  4. 前記第2の非水電解質電池の前記正極は、スピネル型のリチウムマンガン複合酸化物、スピネル型のリチウムマンガンニッケル複合酸化物及びオリビン構造を有するリチウム金属リン酸化物のうちの少なくとも一種類からなる第2のリチウム金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の電源システム。
  5. 前記第2の非水電解質電池において、前記負極活物質はスピネル型リチウムチタン酸化物であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の電源システム。
  6. 前記第1の非水電解質電池において、前記炭素質物は(002)面の面間隔d002が0.337nm以下の黒鉛質材料で、かつ前記正極は前記リチウム金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載の電源システム。
  7. 前記第1の非水電解質電池において、前記炭素質物は(002)面の面間隔d002が0.337nm以下の黒鉛質材料で、かつ前記正極は前記リチウム金属酸化物を含み、
    前記第2の非水電解質電池において、前記負極活物質はスピネル型リチウムチタン酸化物であることを特徴とする請求項1記載の電源システム。
  8. 前記第1の組電池及び前記第2の組電池に共通の充放電制御回路を具備することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の電源システム。
  9. 前記第2の組電池の充電深度は、40%以上、60%以下であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の電源システム。
  10. 前記第1の組電池の充電深度は、40%以上、100%以下であることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の電源システム。
  11. 請求項1〜10いずれか1項記載の電源システムを具備することを特徴する電動車。
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