JP5083908B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成り、主面に銅箔から成る配線導体が埋入された絶縁基板の主面にエポキシ樹脂等の樹脂を含有する電気絶縁材料から成る絶縁樹脂層を被着させて成る配線基板の製造方法に関するものである。
従来、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、ガラス繊維やアラミド繊維等の耐熱繊維の織布または不織布から成る耐熱繊維基材に熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂を含浸させた電気絶縁材料から成る絶縁シートを複数積層して成る板状の絶縁基板における各絶縁シートの少なくとも一方の主面に銅箔から成る配線導体を埋入するとともに絶縁シートを挟んで上下に位置する配線導体における所定のもの同士を各絶縁シートに設けたビア孔内に充填されたビア導体を介して電気的に接続し、さらに前記絶縁基板の主面にエポキシ樹脂を含有する電気絶縁材料から成るソルダーレジスト層やビルドアップ樹脂層などの絶縁樹脂層を被着させたものが知られている。
このような配線基板は、以下のようにして製造される。まず、耐熱繊維基材に熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂の未硬化樹脂組成物を含浸させた未硬化の絶縁シートを複数枚準備する。次にこれらの未硬化の絶縁シートにレーザ加工によりビア孔を所定の配列に穿孔する。次にこれらのビア孔内に金属粉末および未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含有する導体ペーストを充填する。次にビア孔内に導体ペーストが充填された未硬化の絶縁シートにおける少なくとも一方の主面に銅箔から成る所定パターンの配線導体をその一部がビア孔内の導体ペーストと接するように配置するとともにプレスして絶縁シートの主面に埋入させる。次に、少なくとも一方の主面に配線導体が埋入された未硬化の絶縁シートの複数枚を積層してその主面および各絶縁シート間に配線導体が配設されるとともに各絶縁シートを貫通する導体ペーストに上下の配線導体が接する未硬化の絶縁基板を形成する。次にこの未硬化の絶縁基板をプレス装置により上下からプレスしながら加熱することにより、各絶縁シート中の未硬化樹脂組成物および導体ペースト中の未硬化樹脂組成物を熱硬化させて絶縁基板を製作する。次にこの絶縁基板の主面にバフロールを使用した機械的な研磨加工を互いに直角な方向に複数回ずつ施して溝状の微小な研磨痕を残すことにより絶縁基板の主面を粗化し、その上にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の未硬化樹脂組成物を含有する絶縁ペーストや絶縁フィルムを被着させた後、絶縁ペーストや絶縁フィルム中の熱硬化性組成物を熱硬化させることにより絶縁基板の主面にソルダーレジスト層やビルドアップ樹脂層等の絶縁樹脂層が被着された配線基板を得る。なお、絶縁基板の主面を粗化することにより絶縁基板とソルダーレジスト層やビルドアップ樹脂層等の絶縁樹脂層との密着を強固とすることができる。また、絶縁基板の主面に機械的な研磨加工を施して研磨痕を残すことにより絶縁基板の主面を粗化するのは、絶縁基板の各絶縁シートを構成するポリフェニレンエーテル樹脂が化学的研磨では粗化が困難なためである。
特開2003−258436号公報
しかしながら、絶縁基板の主面に機械的な研磨加工を施して溝状の微小な研磨痕を残すことにより絶縁基板の主面を粗化した場合、絶縁基板の主面に埋入された配線導体にも溝状の研磨痕が付くことになり、幅が20μm以下の極めて微細な配線導体においては溝状の研磨痕が付くことにより断線が発生する危険性が高くなるという問題点を有していた。
また、機械的な研磨加工を行なう場合、バフロールにおける砥粒の脱落や磨耗、目詰まりの影響で多数の絶縁基板に対して微小な研磨痕を一様に残すことが困難であり、かつ互いに直交する方向に複数回ずつ研磨する必要があり生産性が低いという問題点も有していた。
そこで、本願出願人は、先に特願2008−21187において、ポリフェニレンエーテル樹脂とトリアリルイソシアヌレートとを含有する未硬化の電気絶縁材料から成り、主面に金属から成る配線導体が埋入された未硬化の絶縁基板を準備する工程と、前記未硬化の絶縁基板を表面が平滑なプレス板で挟みながら加熱加圧することにより前記ポリフェニレンエーテル樹脂とトリアリルイソシアヌレートとを反応させて硬化した絶縁基板を得るとともに該硬化した絶縁基板の露出主面にトリアリルイソシアヌレートが偏析した表皮層および該表皮層の下にポリフェニレンエーテル樹脂を主成分とする樹脂塊が多数集合して成る樹脂団塊を形成する工程と、前記絶縁基板から前記表皮層を除去し、前記絶縁基板の主面に前記樹脂団塊を露出させる工程と、該樹脂団塊が露出した前記主面に、エポキシ樹脂を含有する電気絶縁材料から成る絶縁樹脂層を前記配線導体の少なくとも一部を被覆するように被着させる工程と、を備える配線基板の製造方法を提案した。
この特願2008−21187において提案した配線基板の製造方法によると、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成る絶縁基板とエポキシ樹脂を含有する電気絶縁材料から成る絶縁樹脂層とが樹脂団塊により形成される粗化面を介して強固に密着される。また、表皮層が除去されて現われる樹脂団塊により形成される粗化面は微細で一様であるとともに表皮層を除去する作業を一回行なうだけで絶縁基板の主面を粗化できるので生産性に優れている。さらに配線導体を傷つけることがなく、したがって配線導体に断線を発生させることがない。なお、この特願2008−21187において提案した配線基板の製造方法においては、前記絶縁基板から前記表皮層を除去する際に、いわゆるブラスト処理により砥粒を水とともに絶縁基板の主面に吹付けて表皮層を剥ぎ取る方法が採用されている。
しかしながら、主面に銅箔から成る配線導体が埋入された絶縁基板にブラスト処理を施すと、絶縁基板の露出する主面は前記表皮層が除去されて現われる樹脂団塊により形成される微細で一様な粗化面となり、絶縁樹脂層との密着性に優れるものの、絶縁基板の表面に埋入された銅箔から成る配線導体の露出面は、ブラスト処理で物理的に削られて大まかに粗化されるものの、微小な凹凸を有する緻密な粗化面は得られず、その結果、配線導体と絶縁樹脂層との密着は弱いものとなり、絶縁基板の表面に埋入された配線導体とその上に被着された絶縁樹脂層との間で剥がれやクラックが発生してしまうという問題点が現われた。
そこで、ブラスト処理が終わった後の配線導体の露出面を蟻酸等の有機酸を含有する粗化液により粗化して微細な粗化面を形成することにより絶縁基板の表面に埋入された配線導体とその上に被着された絶縁樹脂層との密着を強固なものとすることが考えられる。しかしながら、ブラスト処理が終わった後の配線導体の露出面を粗化液により粗化すると、露出面の粗化状態に大きな斑が発生し、配線導体とその上に被着された絶縁樹脂層とが部分的に強固に密着できないという事態が現われた。
本発明は、かかる問題点に鑑み案出されたものであり、その課題は、絶縁基板の主面に埋入された配線導体に断線を発生させることがなく、かつ絶縁基板の主面および該主面に埋入された銅箔から成る配線導体の露出表面に微細な粗化状態が一様に形成され、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成る絶縁基板および該絶縁基板の表面に埋入された配線導体とソルダーレジスト層やビルドアップ樹脂層等の絶縁樹脂層との密着強度に優れた配線基板を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究の結果、銅箔から成る配線導体の表面にブラスト処理を行なった後に蟻酸等の有機酸を含有する粗化液により銅箔表面の粗化処理を行なった場合、ブラスト処理により配線導体の露出面近傍の結晶粒界に歪が残り、その歪の影響により粗化液が配線導体の露出面近傍の結晶粒界中に良好に入り込むことができずに粗化状態に斑が発生するのではないかと推定し、本発明を完成するに至った。
本発明の配線基板の製造方法は、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成り、主面に銅箔から成る配線導体が埋入された絶縁基板を準備する工程と、前記絶縁基板の主面および該主面に埋入された前記配線導体の露出面をブラスト処理する工程と、該ブラスト処理された配線導体における前記露出面から2〜4μmの厚みの表層部をエッチング除去する工程と、前記表層部がエッチング除去された配線導体の露出表面を粗化液で粗化処理する工程と、前記絶縁基板の主面および前記配線導体の露出表面上に該露出表面を部分的に覆う絶縁樹脂層を被着させる工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の配線基板の製造方法によれば、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成り、主面に銅箔から成る配線導体が埋入された絶縁基板の主面および該主面に埋入された前記配線導体の露出面をブラスト処理することから、該ブラスト処理により絶縁基板の露出主面に形成される微細で一様な粗化面を介して絶縁基板と絶縁樹脂層とを強固に密着させることができる。さらに、ブラスト処理された後の配線導体における露出面から2〜4μmの厚みの表層部をエッチング除去した後、該表層部がエッチング除去された配線導体の露出表面を粗化液で粗化処理することにより配線導体の露出表面を微細かつ一様に粗化することができ、それにより配線導体と絶縁樹脂層とを強固に密着させることができる。したがって、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成る絶縁基板および該絶縁基板の表面に埋入された配線導体とソルダーレジスト層やビルドアップ樹脂層等の絶縁樹脂層との密着強度に優れた配線基板を提供することができる。
次に、本発明の配線基板の製造方法を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の製造方法における第一の実施形態により製造される配線基板の一例を示す概略断面図である。また、図2(a),(b)、図3(c),(d)、図4(e),(f)は、第一の実施形態例により配線基板を製造する方法を説明するための工程毎の概略断面図であり、図5〜9は、第一の実施形態例により配線基板を製造する方法を説明するための要部拡大摸式図である。図1において1は絶縁基板、2は配線導体、3はソルダーレジスト層であり、主としてこれらで本実施形態例による配線基板10が構成される。また図2(a),(b)、図3(c),(d)、図4(e),(f)において11aは未硬化の絶縁シート、11は未硬化の絶縁基板である。
第一の実施形態例による配線基板10は、上面に電子部品を搭載した状態で外部電気回路基板上に実装されるものであり、図1に示すように、複数(この例では8層)の絶縁シート1aが積層されて成る絶縁基板1における各絶縁シート1aの少なくとも一方の主面に銅箔から成る配線導体2が埋入されているとともに各絶縁シート1aを挟んで上下に位置する配線導体2の所定のもの同士が各絶縁シート1aに設けたビア孔1v内に充填されたビア導体4を介して互いに電気的に接続されている。さらに、絶縁基板1の両主面には、配線導体2の一部を露出させるソルダーレジスト層3が被着されている。
絶縁基板1を構成する各絶縁シート1aは、ガラス繊維やアラミド繊維等の耐熱繊維の織布または不織布から成る耐熱繊維基材に熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂を含浸させた厚みが50〜150μm程度の電気絶縁材料から成り、その少なくとも一方の主面に配線導体2を埋入した状態で互いに積層一体化されている。また、各絶縁シート1aには、上下に位置する所定の配線導体2同士を繋ぐ位置に直径が30〜200μm程度のビア孔1vが設けられており、このビア孔1v内に絶縁シート1aを挟んで上下に位置する前記所定の配線導体2同士を電気的に接続するビア導体4が充填されている。
絶縁シート1aの主面に埋入された配線導体2は、所定パターンにエッチングされた厚みが5〜50μm程度の銅箔から成り、配線基板10に搭載される電子部品を外部電気回路基板に電気的に接続するための導電路の一部として機能し、絶縁基板1の上面に埋入された配線導体2には電子部品の電極が半田バンプ等の電気的接続手段を介して電気的に接続される電子部品接続パッド2aが形成されており、絶縁基板1の下面に埋入された配線導体2には外部電気回路基板の配線導体に半田ボール等の電気的接続手段を介して電気的に接続される外部接続パッド2bが形成されている。
各絶縁シート1aのビア孔1v内に充填されたビア導体4は、例えば錫と銀とビスマスと銅との合金から成る金属粉末とトリアリルシアヌレートやトリアリルイソシアヌレート、トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン系の熱硬化性樹脂組成物とを含有している。そして、前記金属粉末同士および前記金属粉末と配線導体2との接触により導電性を呈する。
絶縁基板1の主面に配線導体2の一部を露出させるように被着されたソルダーレジスト層3は、エポキシ樹脂に酸化珪素粉末等の無機絶縁フィラーを含有させ電気絶縁材料から成り、絶縁基板1の主面に埋入された配線導体2における電子部品接続パッド2aおよび外部接続パッド2b以外の部分を被覆している。このソルダーレジスト層3は、電子部品接続パッド2aおよび外部接続パッド2bとしての領域を画定するとともに絶縁基板1の主面に埋入された配線導体2の他の部分を外部から保護する保護層として機能し、通常5〜50μm程度の厚みを有している。
次に、上述の配線基板10を製造する方法について説明する。先ず、図2(a)に示すように、ガラス繊維やアラミド繊維等の耐熱繊維の織布または不織布から成る耐熱繊維基材にポリフェニレンエーテル樹脂とトリアリルイソシアヌレートとを含有する未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させた未硬化の絶縁シート11aを複数枚(この例では8枚)準備する。なお、これらの絶縁シート11aは配線基板10における各絶縁シート1aとなるものである。
次に、図2(b)に示すように、各絶縁シート11aの所定の位置にその上面から下面にかけて直径が30〜200μm程度の複数の貫通孔11vを形成する。これらの貫通孔11vは、配線基板10におけるビア孔1vとなるものであり、各絶縁シート11aの所定の位置に炭酸ガスレーザやYAGレーザ等を用いたレーザ加工を施すことにより形成される。
次に、図3(c)に示すように、各絶縁シート11aの貫通孔11v内に金属粉末と未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含有する導体ペースト14を充填する。導体ペースト14は、配線基板10におけるビア導体4となるものであり、スクリーン印刷法を採用することにより貫通孔11v内に充填される。導体ペースト14に含有される金属粉末としては銅および錫を含有する合金、例えば錫−銀−ビスマス−銅合金が好適である。また熱硬化性樹脂組成物としてはトリアリルイソシアヌレートを含有することが好ましい。
次に図3(d)に示すように、各絶縁シート11aの片方または両方の主面に所定パターンにエッチングされた銅箔から成る配線導体2を貫通孔11v内の導体ペースト14と接するように埋入する。絶縁シート11aの主面に配線導体2を埋入するには、例えばポリエチレンテレフタレートから成る支持フィルム上に所定パターンにエッチングされた配線導体2が剥離可能な状態で保持された転写シートを準備するとともに、この転写シートをその配線導体2が絶縁シート11a側となるようにして絶縁シート11aの主面に積層した状態でそれらを上下からプレスして配線導体2を絶縁シート11aに埋入させた後、支持フィルムを剥離する方法が採用される。
次に図4(e)に示すように、上記のようにして配線導体2が埋入された未硬化の絶縁シート11aの複数枚を所定の順序で積層して未硬化の絶縁基板11を形成するとともに、この未硬化の絶縁基板11を平滑なプレス面を有する熱プレス装置により上下からプレスしながら加熱することにより、絶縁シート11aの熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および導体ペースト14中の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させ、その主面および各絶縁シート1a間に配線導体2が埋入されているとともにビア導体4により上下の配線導体2同士が電気的に接続された絶縁基板10を得る。
このとき、本発明の製造方法においては、未硬化の絶縁基板11を平滑なプレス面を有する熱プレス装置により上下からプレスしながら加熱する際、図5に要部拡大模式図で示すように、絶縁基板1の露出する主面にトリアリルイソシアヌレートが偏析した厚みが0.3〜3μm程度の表皮層1Sとこの表皮層の下にポリフェニレンエーテル樹脂を主成分とする大きさが1〜10μm程度の樹脂塊が多数集合して成る樹脂団塊を形成する。このような表皮層1Sおよび樹脂団塊を形成するには、未硬化の絶縁基板11を平滑なプレス面を有する熱プレス装置により上下からプレスしながら加熱する際の圧力と時間および温度を所定の条件にコントロールすればよい。具体的には、絶縁シート11aに含有される樹脂組成物が最低溶融粘度となる温度よりも5〜10℃程度低い温度で圧力0.3〜5MPa程度を加えながら5〜30分間程度加熱加圧して未硬化の絶縁基板11の主面にトリアリルイソシアヌレートを滲出させた後、絶縁シート11aに含有される樹脂組成物の熱硬化温度で圧力5〜10MPa程度を加えながら30分〜2時間程度加熱加圧して絶縁シート11aの熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および導体ペースト14中の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させればよい。このような表皮層および樹脂団塊が形成されるメカニズムは明らかではないが、上記の条件でプレスしながら加熱すると、絶縁シート11a中に含有されるトリアリルイソシアヌレート成分が平滑なプレス面に当接する絶縁基板1の露出主面に滲出してトリアリルイソシアヌレートが偏析した表皮層を形成するとともにその下ではトリアリルイソシアヌレートが不足してポリフェニレンエーテル樹脂を主成分とする樹脂塊が多数集合して成る樹脂団塊が形成されるものと推察される。表皮層の厚みは0.3〜3μm程度であるのが好ましく、0.3μm未満であるとトリアリルイソシアヌレートが充分に偏析しないため十分な大きさの樹脂塊を形成することができなくなり、3μmを超えると表皮層を良好に除去することが困難となる。ここで、トリアリルイソシアヌレートを偏析させる温度が低い又は、時間が短いと表皮層は殆ど形成されず、逆にトリアリルイソシアヌレートを偏析させる時間が長いと表皮層が厚く形成される。なお、絶縁シート11aの主面に配線導体2を埋入させる際に絶縁シート11aの樹脂組成物が最低溶融粘度となる温度よりも5〜10℃程度低い温度で圧力0.3〜5MPa程度を加えながら5〜30分間程度加熱加圧することにより絶縁シート11aの主面にトリアリルイソシアヌレートを予め滲出させておいてもよい。この場合にも絶縁基板11の主面にトリアリルイソシアヌレートが偏析した表皮層とこの表皮層の下にポリフェニレンエーテル樹脂を主成分とする樹脂塊が多数集合して成る樹脂団塊を形成することができる。
次に、図6に示すように、この表皮層1Sおよび樹脂団塊が形成された絶縁基板1の主面から表皮層1Sを除去して樹脂団塊を露出させる。露出した樹脂団塊は大きさが1〜10μm程度の樹脂塊が集合してなり、露出する絶縁基板1の主面に算術平均粗さで0.1〜0.3μm程度の微小な凹凸を有する粗化面を形成する。なお、表皮層1Sを除去するには、いわゆるブラスト処理により砥粒を水とともに絶縁基板1の主面に吹付けて表皮層1Sを剥ぎ取る方法が好適に採用される。トリアリルイソシアヌレートが偏析した表皮層1Sは脆い性質を有しているので砥粒の吹付けにより容易に砕いて剥ぎ取ることができる。またこの表皮層1Sを除去するための砥粒の吹付けは絶縁基板1の主面に埋入された配線導体2を傷つけない程度の強さで行なうことができ、したがって配線導体2に傷による断線を発生させるようなことは一切ない。また、表皮層1Sに砥粒を吹付けて表皮層1Sを除去するだけで、その下にある樹脂団塊により絶縁基板1の表面に微細な凹凸を有する粗化面を形成することができるので極めて生産性に優れている。
次に、図7に示すように、ブラスト処理された配線導体2における露出面から2〜4μmの厚みの表層部を過酸化水素水および硫酸の混合液から成るエッチング液でエッチング除去する。このエッチングにより、ブラスト処理により結晶粒界に歪を受けた表層部が配線導体2の露出面から除去されて均一な結晶粒界を有する面が露出すると思われる。なお、ブラスト処理された配線導体2におけるエッチングされる表層部の厚みが2μm未満の場合、後述するように、エッチングされた配線導体2の露出表面を粗化液により粗化する際、その粗化に斑が発生する危険性が高くなり、逆に4μmを超えると、配線導体2の側面と絶縁基板1との間がエッチングにより侵食され、これらの間の密着強度が低下して配線導体2が絶縁基板1から剥離してしまう危険性が高いものとなる。したがって、ブラスト処理された配線導体2におけるエッチングされる表層部の厚みは、2〜4μmの範囲が好ましい。
次に、図8に示すように、エッチングされた配線導体2の露出表面を蟻酸等の有機酸から成る粗化液を用いて算術平均粗さRaが0.3〜0.7μmとなるように粗化する。このとき、配ブラスト処理された線導体2の表層部が粗化に先立って2〜4μmの厚みでエッチング除去されることにより、均一な結晶粒界を有する面が露出していることから、微細で均一な粗化面が得られる。なお、粗化された配線導体2の露出表面の算術平均粗さRaが0.3μm未満であると、後述するように、配線導体2が埋入された絶縁基板1の主面にソルダーレジスト層3を被着する際、配線導体2とソルダーレジスト層3とを強固に密着させることができずに、配線導体2とソルダーレジスト層3との間にクラックや剥がれが発生する危険性が高いものとなり、逆に0.7μmを超えると、ソルダーレジスト層3が配線導体2の露出表面に粗化により形成された凹凸に良好に追従することができずに両者間に空隙ができ、その空隙を起点としてソルダーレジスト層3と配線導体2との間で剥離が生じる危険性が高いものとなる。したがって、粗化された配線導体2の露出表面の算術平均粗さRaは0.3〜0.7μmの範囲であることが好ましい。
次に、図6(f)に示すように、絶縁基板1の主面にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する電気絶縁材料から成るソルダーレジスト層3を被着する。絶縁基板1の主面にソルダーレジスト層3を被着するには、感光性を有する未硬化のエポキシ樹脂組成物を含有する樹脂フィルムを絶縁基板1の両主面に積層するとともに周知のフォトリソグラフィ技術を採用して電子部品接続パッド2aおよび外部接続パッド2bを露出させる所定のパターンに露光および現像を行なった後、その樹脂フィルムを紫外線硬化および熱硬化させる方法が採用される。
このとき、絶縁基板1の露出した主面は図9に要部拡大模式断面図で示すように、樹脂団塊が露出した算術平均粗さRaが0.1〜0.3μm程度の粗化面となっていることから、この粗化面の微小な凹凸とソルダーレジスト層3とが噛み合うことにより絶縁基板1とソルダーレジスト層3とが強固に密着する。また上述したように、絶縁基板1の主面に埋入された配線導体2の露出表面は、ブラスト処理後、表面から2〜4μmの厚みの表層部がエッチング除去された後に、粗化液で粗化処理されることにより、算術平均粗さRaが0.3〜0.7μmの範囲の微細で均一な粗化面が形成されていることから、この微細で均一な粗化面の凹凸とソルダーレジスト層3とが噛み合うことにより配線導体2とソルダーレジスト層3とが強固に密着する。したがって、本例による配線基板の製造方法によれば、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成る絶縁基板1および該絶縁基板1の表面に埋入された配線導体2とソルダーレジスト層3との密着強度に優れた配線基板を提供することができる。
次に本発明の第二の実施形態例について説明する。図10は本発明の製造方法における第二の実施形態例により製造される配線基板の一例を示す概略断面図であり、図11(a)〜(e)、図12(f)〜(h)は、この第二の実施形態例により配線基板を製造法する方法を説明するための工程毎の概略断面図であり、図13〜17は、第二の実施形態例により配線基板を製造する方法を説明するための要部拡大摸式図である。図10において、21は絶縁基板、22は配線導体、23はビルドアップ樹脂層、24はビルドアップ配線層であり、主としてこれらで第二の実施形態例による配線基板20が構成される。また図11(a)〜(e)、図12(f)〜(h)において31aは未硬化の絶縁シート、31は未硬化の絶縁基板である。
第二の実施形態例による配線基板20は、図10に示すように、複数(この例では2層)の絶縁シート21aが積層されて成る絶縁基板21における各絶縁シート21aの少なくとも一方の主面に配線導体22が埋入されているとともに、配線導体22が埋入された絶縁基板21の両主面にビルドアップ樹脂層23とビルドアップ配線層24とを交互に複数層(この例では3層ずつ)積層し、さらにその上にソルダーレジスト層25を被着させて成る。なお、各絶縁シート21aを挟んで上下に位置する配線導体22の所定のもの同士が各絶縁シート21aに設けたビア孔21v内に充填されたビア導体26を介して互いに電気的に接続されている。
絶縁基板21を構成する各絶縁シート21aは、前述の第一の実施形態例における絶縁シート1aと同様にガラス繊維やアラミド繊維等の耐熱繊維の織布または不織布から成る耐熱繊維基材に熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂を含浸させた厚みが50〜150μm程度の電気絶縁材料から成り、その主面に配線導体22を埋入した状態で互いに積層一体化されている。また、各絶縁シート21aには、上下に位置する所定の配線導体22同士を繋ぐ位置に直径が30〜200μm程度のビア孔21vが設けられており、このビア孔21v内に前記所定の配線導体22同士を電気的に接続するビア導体26が充填されている。
絶縁基板21の主面および各絶縁シート21a間に配設された配線導体22は、前述の第一の実施形態例における配線導体2と同様に、所定パターンにエッチングされた厚みが5〜50μm程度の銅箔から成り、配線基板20に搭載される電子部品を外部電気回路基板に電気的に接続するための導電路の一部として機能し、後述するビルドアップ配線層24に電気的に接続されている。
各絶縁シート21aのビア孔21v内に充填されたビア導体26は、前述の第一の実施形態例におけるビア導体14と同様に、例えば錫と銀とビスマスと銅との合金から成る金属粉末とトリアリルシアヌレートやトリアリルイソシアヌレート、トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン系熱硬化性樹脂組成物とを含有している。そして、前記金属粉末同士および前記金属粉末と配線導体22との接触により導電性を呈する。
配線導体22が埋入された絶縁基板21の主面に積層された各ビルドアップ樹脂層23は、エポキシ樹脂に酸化珪素粉末等の無機絶縁フィラーを含有させた厚みが20〜40μm程度の電気絶縁材料から成り、その所定位置に上下に貫通する複数のビア孔23vを有するとともにその主面およびビア孔23v内にビルドアップ配線層24が被着されている。
各ビルドアップ樹脂層23の主面およびビア孔23v内に被着されたビルドアップ配線層24は、所定パターンに形成された厚みが5〜20μm程度の銅めっき膜から成り、配線基板20に搭載される電子部品を外部電気回路基板に電気的に接続するための導電路の一部として機能し、最内層のビルドアップ配線層24は絶縁基板21主面に埋入された配線導体22にビア孔23vを介して電気的に接続されており、最外層のビルドアップ配線層24には電子部品の電極が半田バンプ等の電気的接続手段を介して電気的に接続される電子部品接続パッド24aおよび外部電気回路基板の配線導体に半田ボール等の電気的接続手段を介して電気的に接続される外部接続パッド24bが形成されている。さらに、最外層のビルドアップ樹脂層23および最外層のビルドアップ配線層24の上には、電子部品接続パッド24aや外部接続パッド24bを露出させる開口部を有するソルダーレジスト層25が被着されている。
次に、上述の配線基板20を製造する方法について説明する。先ず、図11(a)に示すように、ガラス繊維やアラミド繊維等の耐熱繊維の織布または不織布から成る耐熱繊維基材にポリフェニレンエーテル樹脂とトリアリルイソシアヌレートとを含有する未硬化の樹脂組成物を含浸させた未硬化の絶縁シート31aを複数枚(本例では2枚)準備する。なお、これらの絶縁シート31aは第一の実施形態例における絶縁シート11aと同様のものであり、配線基板20における各絶縁シート21aとなるものである。
次に、図11(b)に示すように、絶縁シート31aの所定の位置にその上面から下面にかけて直径が30〜200μm程度の複数の貫通孔31vを形成する。これらの貫通孔31vは、配線基板20におけるビア孔21vとなるものであり、前述の第一の実施形態例の場合と同様に各絶縁シート31aの所定の位置に炭酸ガスレーザやYAGレーザ等を用いたレーザ加工を施すことにより形成される。
次に、図11(c)に示すように、各絶縁シート31aの貫通孔31v内に金属粉末と未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含有する導体ペースト36を充填する。導体ペースト36は、前述の第一の実施形態例における導体ペースト14と同様のものであり、配線基板20におけるビア導体26となるものである。そして、前述の第一の実施形態例の場合と同様にスクリーン印刷法を採用することにより貫通孔31v内に充填される。
次に図11(d)に示すように、各絶縁シート31aの片方または両方の主面に所定パターンにエッチングされた銅箔から成る配線導体22を貫通孔31v内の導体ペースト36と接するように埋入する。絶縁シート31aの主面に配線導体22を埋入するには、前述した第一の実施形態例の場合と同様に、例えばポリエチレンテレフタレートから成る支持フィルム上に所定パターンにエッチングされた配線導体22が剥離可能な状態で保持された転写シートを準備するとともに、この転写シートをその配線導体22が絶縁シート31a側となるようにして絶縁シート31aの主面に積層した状態でそれらを上下からプレスして配線導体22を絶縁シート31aに埋入させた後、支持フィルムを剥離する方法が採用される。
次に図11(e)に示すように、上記のようにして配線導体22が埋入された絶縁シート31aの複数枚を所定の順序で積層して未硬化の絶縁基板31を形成するとともに、前述の第一の実施形態例の場合と同様に、この未硬化の絶縁基板31を平坦なプレス面を有する熱プレス装置により上下からプレスしながら加熱することにより、絶縁シート31aの熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および導体ペースト36中の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させ、その主面および各絶縁層31a間に配線導体22が埋入された硬化した絶縁基板21を得る。
このとき、前述の第一の実施形態例の場合と同様に、未硬化の絶縁基板31を平滑なプレス面を有する熱プレス装置により上下からプレスしながら加熱する際、図13に要部拡大模式図で示すように、絶縁基板21の露出する主面にトリアリルイソシアヌレートが偏析した厚みが0.3〜3μm程度の表皮層21Sとこの表皮層の下にポリフェニレンエーテル樹脂を主成分とする大きさが1〜10μm程度の樹脂塊が多数集合して成る樹脂団塊を形成する。なお、加熱加圧の条件は前述の第一の実施形態例の場合と同様である。
次に、前述した第一の実施形態例の場合と同様に絶縁基板21の表面にブラスト処理により砥粒を水とともに吹付けて、図14に示すように、絶縁基板21の主面から表皮層21Sを除去して樹脂団塊を露出させる。露出した樹脂団塊は大きさが1〜10μm程度の樹脂塊が集合してなり、露出する絶縁基板21の主面に算術平均粗さで0.1〜0.3μm程度の微小な凹凸を有する粗化面を形成する。この場合も前述した第一の実施形態例の場合と同様に、配線導体2に傷による断線を発生させるようなことは一切ない。また、表皮層21Sに砥粒を吹付けて表皮層21Sを除去するだけで、その下にある樹脂団塊により絶縁基板1の表面に微細な凹凸を有する粗化面を形成することができるので極めて生産性に優れている。
次に、図15に示すように、前述した第一の実施形態例の場合と同様にして、ブラスト処理された配線導体22における露出面から2〜4μmの厚みの表層部を過酸化水素水および硫酸の混合液から成るエッチング液でエッチング除去する。このエッチングにより、均一な結晶粒界を有する面が露出する。なお、ブラスト処理された配線導体22におけるエッチングされる表層部の厚みが2μm未満の場合、後述するように、エッチングされた配線導体22の露出表面を粗化液により粗化する際、その粗化に斑が発生する危険性が高くなり、逆に4μmを超えると、配線導体22の側面と絶縁基板21との間がエッチングにより侵食され、これらの間の密着強度が低下して配線導体22が絶縁基板21から剥離してしまう危険性が高いものとなる。したがって、ブラスト処理された配線導体22におけるエッチングされる表層部の厚みは、2〜4μmの範囲が好ましい。
次に、図16に示すように、前述した第一の実施形態例の場合と同様にして、エッチングされた配線導体22の露出表面を蟻酸等の有機酸から成る粗化液を用いて算術平均粗さRaが0.3〜0.7μmとなるように粗化する。このとき、ブラスト処理された配線導体22の表層部が粗化に先立って2〜4μmの厚みでエッチング除去されることにより、均一な結晶粒界を有する面が露出することから、微細で均一な粗化面が得られる。なお、粗化された配線導体22の露出表面の算術平均粗さRaが0.3μm未満であると、後述するように、配線導体22が埋入された絶縁基板21の主面にビルドアップ樹脂層23を被着する際、配線導体22とビルドアップ樹脂層23とを強固に密着させることができずに、配線導体22とビルドアップ樹脂層23との間にクラックや剥がれが発生する危険性が高いものとなり、逆に0.7μmを超えると、ビルドアップ樹脂層23が配線導体222の露出表面に粗化により形成された凹凸に良好に追従することができずに両者間に空隙ができ、その空隙を起点としてビルドアップ樹脂層23と配線導体22との間で剥離が生じる危険性が高いものとなる。したがって、粗化された配線導体22の露出表面の算術平均粗さRaは0.3〜0.7μmの範囲であることが好ましい。
次に、図12(f)に示すように、絶縁基板21の主面にエポキシ樹脂を含有する電気絶縁材料から成る第一層目のビルドアップ樹脂層23を積層する。このとき、絶縁基板21の露出した主面は図17に示すように、樹脂団塊が露出した算術平均粗さRaが0.1〜0.3μm程度の粗化面となっていることから、この粗化面の微小な凹凸とビルドアップ樹脂層23とが噛み合うことにより絶縁基板21とビルドアップ樹脂層23とが強固に密着する。また上述したように、絶縁基板21の主面に埋入された配線導体22の露出表面は、ブラスト処理後、表面から2〜4μmの厚みの表層部がエッチング除去された後に、粗化液で粗化処理されることにより、算術平均粗さRaが0.3〜0.7μmの範囲の微細で均一な粗化面が形成されていることから、この微細で均一な粗化面の凹凸とビルドアップ樹脂層23とが噛み合うことにより配線導体22とビルドアップ樹脂層23とが強固に密着する。したがって、本例による配線基板の製造方法によれば、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成る絶縁基板21および該絶縁基板21の表面に埋入された配線導体22とビルドアップ樹脂層23との密着強度に優れた配線基板を提供することができる。なお、絶縁基板21の主面にビルドアップ樹脂層23を積層するには、未硬化のエポキシ樹脂組成物を含有する樹脂フィルムを絶縁基板21の両主面に積層するとともに熱硬化させた後、その所定の位置に炭酸ガスレーザやYAGレーザ等を用いたレーザ加工によりビア孔23vを形成すればよい。
次に、図12(g)に示すように、第一層目のビルドアップ樹脂層23の主面およびビア孔23v内に周知のセミアディティブ法を用いて無電解銅めっきおよび電解銅めっきから成る第一層目のビルドアップ配線層24を所定のパターンに形成する。
次に、図12(h)に示すように、次層のビルドアップ樹脂層23およびビルドアップ配線層24を上記と同様にして形成した後、最表層のビルドアップ樹脂層23およびビルドアップ配線層24の上に電子部品接続パッド24aおよび外部接続パッド24bを露出させるようにしてソルダーレジスト層25を被着する。ソルダーレジスト層25を被着するには、前述の第一の実施形態例の場合と同様に、感光性を有する未硬化のエポキシ樹脂組成物を含有する樹脂フィルムを最表層のビルドアップ樹脂層23およびビルドアップ配線層24の上に積層するとともに周知のフォトリソグラフィ技術を採用して電子部品接続パッド24aおよび外部接続パッド24bを露出させる所定のパターンに露光および現像を行なった後、その樹脂フィルムを紫外線硬化および熱硬化させる方法が採用される。
まず、ガラスクロスから成る耐熱性繊維基材にアリル変性ポリフェニレン樹脂が100重量部と、トリアリルイソシアヌレートが20重量部と、パーヘキシン25Bが3重量部とから成る熱硬化性樹脂組成物を含浸させることにより幅が325mm、長さが510mmで厚みが100μmの未硬化の絶縁シートを多数枚準備した。
次に、これらの絶縁シートの上下面にポリエチレンテレフタレートから成る厚みが12μmの保護フィルムを貼着した後、保護フィルム上から炭酸ガスレーザを照射して保護フィルムおよび絶縁シートを貫通する直径が100μmの貫通孔を200μmのピッチで80000個ずつ各絶縁シートの同じ位置に穿孔した。
次に、この貫通孔が穿孔された保護フィルム付きの絶縁シート上に銅と低融点金属およびトリアリルイソシアヌレートから成る導体ペーストを供給するとともに保護フィルム上にスキージを摺動させることにより各貫通孔内に前記導体ペーストを摺り込んで充填した後、絶縁シート上から保護フィルムを剥して除去した。
一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂から成る支持フィルムの表面に厚みが12μmで直径が160μmの銅箔から成る円形パッドを前記貫通孔に対応する200μmのピッチで剥離可能な状態で被着形成した転写シートを準備した。
次に、前記絶縁シート上に、前記転写シートを、前記各貫通孔を前記各円形パッドが覆うように位置合わせして重ね合わせ、これらを熱プレス機を用いて120℃の温度で数分間上下からプレスすることにより互いに圧接して、円形パッドを絶縁シートの主面に埋入させ後、支持フィルムを絶縁シートから剥離した。
次に、前記円形パッドが埋入された10枚の絶縁シートを上下に重ねて評価用の絶縁基板となる積層体を形成するとともに、上下から0.5MPaの圧力を加えながら155℃の温度で15分間プレスして積層体の主面にトリアリルイソシアヌレートを滲出させた後、絶縁シートに含有される樹脂組成物の熱硬化温度である240℃の温度で圧力7.5MPaを加えながら2時間加熱加圧して絶縁シートの熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および導体ペースト中の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて評価用の絶縁基板を得た。なお、155℃は本実施例に用いた絶縁シートに含有される熱硬化性樹脂組成物が最低溶融粘度となる温度よりも5℃低い温度である。
次に、評価用の絶縁基板の主面にブラスト処理を施して絶縁基板の主面の算術平均粗さRaを0.1〜0.3μmの範囲に粗化した後、絶縁基板の表面に埋入された円形パッドの露出面から表1に示す厚みの表層部をエッチング除去した。エッチングには過酸化水素および硫酸を含有するエッチング液を用いた。しかる後、蟻酸等の有機酸を含有する粗化液により、前記表層部が除去された円形パッドの露出表面を表1に示す算術平均粗さRaに粗化し、本発明による試料(No.3〜10)および比較のための試料(No.1,2,11)を得た。次に、これらの試料の円形パッドにおける粗化された露出表面の斑の状態を200倍の金属顕微鏡を用いて観察した。次に、各試料における絶縁基板の主面および該主面に埋入された円形パッド上に、アクリル変性エポキシ樹脂に酸化珪素粉末から成るフィラーを70質量%含有する厚みが30μmのソルダーレジスト層を円形パッドの中央部を100μmの直径を有する円形に露出させるようにして被着させた。ソルダーレジスト層の被着には、感光性を有するアクリル変性エポキシ樹脂組成物および酸化珪素粉末フィラーを含有する樹脂ペーストを絶縁基板の主面全面にスクリーン印刷により25μmの厚みに塗布するとともに、所定の開口パターン有するように露光および現像した後、紫外線硬化および熱硬化させる方法を用いた。次に、ソルダーレジスト層が被着された各試料を高温高湿(85℃,85%)環境下で48時間放置後、リフロー炉(ピーク温度=260℃)による加熱を3回繰り返した後、円形パッドと絶縁基体および円形パッドとソルダーレジスト層との剥離の有無を観察した。その結果を表1に示す。
Figure 0005083908
表1から分かるように、本発明の範囲内の試料(No.3〜10)では、粗化された後の円形パッドの表面に粗化の斑は確認されないとともに、ソルダーレジスト層と円形パッドとの密着も良好なものであった。これと比較して、ブラスト処理後のエッチング処理における円形パッドのエッチング厚みが2μm未満の比較のための試料(No.1,2)では、粗化された後の円形パッドの表面に粗化の斑が認められるとともに、ソルダーレジスト層と円形パッドの密着強度が低いものとなった。またブラスト処理後のエッチング処理における円形パッドのエッチング厚みが4μmを超える比較のための試料(No.10)では、粗化の斑は確認されないが、配線導体の端面と絶縁基板の樹脂との間が過剰にエッチングされ、そこの密着強度が低下して配線導体が絶縁基板1から剥離してしまった。
本発明の配線基板の製造方法における第一の実施形態例により製造される配線基板の一例を示す概略断面図である。 (a),(b)は、図1に示す配線基板を本発明の第一の実施形態例により製造する方法を説明するための概略断面図である。 (c),(d)は、図1に示す配線基板を本発明の第一の実施形態例により製造する方法を説明するための概略断面図である。 (e),(f)は、図1に示す配線基板を本発明の第一の実施形態例により製造する方法を説明するための概略断面図である。 図1に示す配線基板を本発明の第一の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 図1に示す配線基板を本発明の第一の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 図1に示す配線基板を本発明の第一の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 図1に示す配線基板を本発明の第一の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 図1に示す配線基板を本発明の第一の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 本発明の配線基板の製造方法における第二の実施形態例により製造される配線基板の一例を示す概略断面図である。 (a)〜(e)は、図10に示す配線基板を本発明の第二の実施形態例により製造する方法を説明するための概略断面図である。 (f)〜(h)は、図10に示す配線基板を本発明の第二の実施形態例により製造する方法を説明するための概略断面図である。 図10に示す配線基板を本発明の第二の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 図10に示す配線基板を本発明の第二の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 図10に示す配線基板を本発明の第二の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 図10に示す配線基板を本発明の第二の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。 図10に示す配線基板を本発明の第二の実施形態例により製造する方法を説明するための要部拡大模式である。
符号の説明
1,21:絶縁基板
2,22:配線導体
3,23:絶縁樹脂層
11,31:未硬化の絶縁シート

Claims (3)

  1. ポリフェニレンエーテル樹脂を含有する電気絶縁材料から成り、主面に銅箔から成る配線導体が埋入された絶縁基板を準備する工程と、前記絶縁基板の主面および該主面に埋入された前記配線導体の露出面をブラスト処理する工程と、該ブラスト処理された配線導体における前記露出面から2〜4μmの厚みの表層部をエッチング除去する工程と、前記表層部がエッチング除去された配線導体の露出表面を粗化液で粗化処理する工程と、前記絶縁基板の主面および前記配線導体の露出表面上に該露出表面を部分的に覆う絶縁樹脂層を被着させる工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 前記主面の算術平均粗さRaが0.1〜0.3μmの範囲となるように前記ブラスト処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記露出表面の算術平均粗さRaが0.3〜0.7μmの範囲となるように前記粗化処理を行なうことを特徴とする請求項1または2記載の配線基板の製造方法。
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