JP5082582B2 - ドアハーネスの配索構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ドアハーネスの配索構造に関し、詳しくは、サイドドアと車体間においてウエザーストリップより室内側で渡り配索されるドアハーネスにおいて、渡り部分におけるドアハーネスにドア開閉作動毎に生じる捩れによる疲労・損傷を発生させないようにするものである。
従来、自動車のサイドドアに電装品が取り付けられる場合、サイドドアに配索されて車体側へと引き出されるドアハーネスは、ドアアウターパネルとドアインナーパネルとで構成される空間内に配索し、車体への渡り部分にはグロメットを外装し、該グロメットの両端に設けた車体係止部をドアパネルの車体側端面に穿設した貫通孔と車体パネルに穿設した貫通孔に嵌合係止している。
前記ワイヤハーネスをパネルに穿設した貫通孔に貫通させる作業は非常に難作業となっている。また、従来のドアハーネスは車体とドアとの間でヒンジHの回転軸付近に配索し、ドア開閉時にはワイヤハーネスには曲げ捻りのみが生じ、伸縮は発生させない構成とするため、前記貫通穴はウエザーストリップよりも室外側に設けられている。よって、ワイヤハーネスの架け渡し部分に外装するグロメットは、貫通穴に防水状態で取り付ける必要があり、グロメットの貫通穴への装着作業に労力を要する等の問題もある。
前記問題を解決するため、本出願人は先に特開平10−934号公報(特許文献1)において、図6に示すワイヤハーネスの配索構造を提供している。このワイヤハーネスの配索構造では、ドア1のインナーパネル1aの室内側面に略三角形の空間1cを設けている一方、ワイヤハーネスW/Hにはドア開閉に追従できる余長部を設け、該余長部を前記空間1c内に収容すると共に空間1cの取出口から車体側へと引き出している。
前記構成とすると、ドアが開作動時にはワイヤハーネスW/Hは空間1cから引き出され、ドアが閉作動時にはワイヤハーネスW/Hの余長部は空間1cの中に収容され、ワイヤハーネスW/Hをドアの開閉作動に連動して追従させることができる。また、ワイヤハーネスW/Hをウエザーストリップ4よりも室内側に配索しているため、防水構造を設ける必要がない。
このように、特許文献1の構造では、ドア1側ではインナーパネル1aの貫通孔を通さずにワイヤハーネスW/Hを車体側に引き出すことができるが、ドアと車体との間の渡り部分でドアハーネスをドアの開閉動作に応じて捩り動作を生じさせる必要がある。そのため、渡り部分のドアハーネスに捩れを発生させる外装部材を取り付けることが提案されている。しかしながら、ドアの開閉に応じて捩り動作は繰り返されるため、前記外装部材が捩れ動作をする毎にドアハーネスと接触し、ドアハーネスに接触疲労が発生して損傷を生じる恐れがある。
特開平10−934号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、ドアと車体との渡り部分のドアハーネスの疲労の低減、損傷発生を防止することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、ドアインナーパネル側から車体側へとウエザーストリップより室内側を通して架け渡すドアハーネスを車体側において挿通保持する外装保護材を備え、
前記外装保護材は、前記ドアハーネスのドアと車体間の渡り部分に外装するグロメットの車体側先端に接続され、前記ドアハーネスを車体側において挿通保持し、車体のドア対向面から突出したフランジを乗り越えて車体インナーパネルの内面側へと配索するドアハーネスをガイドしており、
前記外装保護材は前記グロメットの車体側に連結すると共に車体取付側において前記ドア対向面に沿って上下方向に延在する部分を有し、該上下方向延在部分は上側部に固定部を設けた車体側固定部と、前記車体側固定部の下側部に連続し、車体アウターパネルと車体インナーパネルとの接合部のフランジに外嵌するフランジ外嵌部とを備え、
前記車体側固定部およびフランジ外嵌部に設けた配線用中空部内において、前記ドアハーネスを前記車体側固定部内で上下方向に配線した後に前記フランジ外嵌部を通し、該フランジ外嵌部の先端から車体インナーパネルの室内面側に配索しており、前記ドアの開閉時に前記上下方向の配線用中空部内でドアハーネスを捩り回転させて開閉作動に追従させる構成としているドアハーネスの配索構造を提供している。
このように、ウエザーストリップより室内側にドアハーネスを渡り配索する場合に、ドア開閉動作に追従させるためにドアハーネスに生じるねじり動作を、渡り部分で行うのではなく、車体側に固定した外装保護材の内部にドアハーネスを上下方向に配線し、垂直方向の軸線回りに回転可能とし、ドア開閉動作に追従してドアハーネスがねじり動作させるようにしている。よって、ドアハーネスは外装保護材の配線用中空部内でねじれるだけであるため、他部材と接触して摩耗し、損傷が発生するのを防止できる。
前記外装保護材は、前記のように、前記ドアハーネスのドアと車体間の渡り部分に外装するグロメットの車体側先端に接続され、前記ドアハーネスを車体側において挿通保持し、車体のドア対向面から突出したフランジを乗り越えて車体インナーパネルの内面側へと配索するドアハーネスをガイドしており、
前記外装保護材は、
前記グロメットの車体側に連結すると共に前記ドア対向面に沿って上下方向に延在し、上側部に固定部を設けた車体側固定部と、
前記車体側固定部の下側部に連続し、車体アウターパネルと車体インナーパネルとの接合部のフランジに外嵌するフランジ外嵌部とを備え、
前記車体側固定部およびフランジ外嵌部に設けた配線用中空部内において、前記ドアハーネスを前記車体固定部内で上下方向に配線した後に前記フランジ外嵌部を通し、該フランジ外嵌部の先端から車体インナーパネルの室内面側に配索しており、
前記ドアの開閉作動に前記上下方向の配線用中空部内でドアーネスをねじらせて追従させる構成としている。
前記した外装保護材を備えたドアハーネスの配索構造では、ドアハーネスをドアから引き出して車体へと架け渡すと共に車体パネル側においてドア対向面に沿って車体インナーパネルの内面側までドアハーネスを外装保護材でガイドするものとし、該外装保護材を車体パネルに固定する車体側固定部は上下方向に延在させた形状とし、この上下方向の部分に挿通するドアハーネスをドア開閉時に捩り作動させることで、ドアの開閉動作にドアハーネスを追従させている。
このように、車体側に取り付ける外装保護材にドアハーネスのねじり動作許容部を設けているため、ドアと車体との渡り部分においてドアハーネスをねじり可能とする機構を設ける必要はなくなり、ドアハーネスの配索構造を簡単なものとすることができる。
かつ、該車体側固定部の下端側にフランジ外嵌部を連続して設け、該フランジ外嵌部の中空部にドアハーネスを挿通させることで、ドアハーネスを保護しながら、車体インナーバネルの室内面側へと配索することが出来る。
ドアハーネスをドアと車体の渡り部分はウエザーストリップより室内面側を配索し、ドアと車体とのヒンジ位置より室内側に位置することによりドア開閉作動とに発生するドアハーネスの伸縮機構はドア側に持たせている。
前記ドアハーネスの配索構造では、ドアと車体との間に架け渡すドア用ワイヤハーネスを車体側のパネルに穿設した貫通孔に通す必要がなく、ドアハーネスの配線作業を従来と比較して非常に容易となり、ドアハーネスの組みつけ作業性を大幅に向上させることができる。かつ、従来は、車体パネルの貫通穴にドアハーネスの渡り部分を外装するグロメットの先端を係止するため、グロメットに樹脂インナーを組みつけ、該樹脂インナーに設けた係止部で貫通穴に係止していたが、本発明では車体パネルの貫通孔にグロメット先端を挿入係止しないため、前記樹脂インナーを設ける必要はない。
前記外装保護材は、具体的には、外カバーと内カバーとを組み合わせて、前記ドアハーネスを挿通する偏平な前記配線用中空部を設け、前記車体側固定部を構成する内カバーの上側部に前記固定部となる車体係止用のクリップを突設し、車体側パネルの係止孔に挿入係止する一方、前記外カバーには前記クリップ突設部と対向位置に前記グロメットの係止孔を設け、かつ、前記配線用中空部に前記ドアハーネスの電線群を並列配線して挿通している。
前記外装保護材の外カバーと内カバーとは夫々樹脂成形品とすることが好ましい。
前記構成によれば、外装保護材を別体の外カバー材と内カバー材により構成しているため、外カバー材あるいは内カバー材の内面にドアハーネスを配線した状態で外カバー材と内カバー材を組み付けて、外カバー材と内カバー材の間の偏平な配線用中空部にドアハーネスを容易に配線することができる。
また、外装保護材のフランジ外嵌部でドアハーネスを屈曲させて配線しているため、ドアを開閉したときにドアハーネスに揺動が生じても、この揺動がドアハーネスの屈曲部分で吸収することができる。
また、前記外カバーと内カバーの内部に前記ドアハーネスの電線群を並列配線して挿通しているため、外装保護材を偏平にでき、突出量を低減できる。このように、突出量を低減することで、乗員との接触の発生を抑制出来、かつ、外観上で目に付きにくくできる。
ドアと車体間の渡り部のドアハーネスに外嵌するグロメットには蛇腹筒部を設けており、該グロメットはドアインナーパネルの室内面側より引き出し、ウエザーストリップより室内側を通して車体パネルへと架け渡し、車体側ではウエザーストリップとの当接位置より車室側のドア対向面に位置させ、該蛇腹筒部の車体側先端に前記外装保護材の車体側固定部に連結係止し、ドア側パネルの貫通孔および車体側パネルの貫通孔の両方を貫通させずに配索している。
このように、ドアと車体のいずれにでも貫通穴に貫通させずにワイヤハーネスを配索すると、ドアハーネスの配索作業は非常に簡単となり、かつ、ドアハーネスの車体側への固定をクリップを用いてワンタッチで行うことができる。
さらに、グロメットを外装したドアハーネスをウエザーストリップよりも室内側を通しているため、防水対策を不要とできる。
前記グロメットを外装した渡り部のワイヤハーネスを、ドアチェッカの下方(約50〜100mm)に配索すると、ドアチェッカに阻まれてグロメットが保護され、乗員がグロメットと接触するのを防止することができる。
前述したように、本発明のドアハーネスの配索構造によれば、ドアから車体へと架け渡すワイヤハーネスを車体側において挿通させる外装保護材に上下方向の配線部を設け、上下方向の配線部分でドアハーネスをドアの開閉動作に追従して捩り動作させることができる。よって、ドアと車体との間の渡り部のドアハーネスに捩り動作を発生させる必要はなく、かつ、ドアハーネスのねじり動作に追従できる外装保護材をドアハーネスに外装する必要はなく、渡り部分におけるドアハーネスの疲労や損傷発生を防止することが出来る。
また、車体側の外装保護材として、ドア対向面に沿ってガイドし、該ドア対向面に突出するフランジを乗り越えて車体インナーパネルの内面へと配索する外装保護材を用いると、車体側とドア側に両方でドアハーネスを貫通レスとすることができ、ドアハーネスの配索作業を容易にすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3に本発明の第一実施形態を示す。
自動車のサイドドア10(以下、ドア10と称す)に配索されるドアハーネスW/Hを車体20側へと配索し、サイドドア10と車体20との間に架け渡した部位から車体20のドア対向面に沿って配線するドアハーネスW/Hにグロメット30を外装すると共に、車体20側において前記グロメット30に外装保護材40を連結し、ドアハーネスW/Hをドアの室内面側へと配索している。
前記ドアハーネスW/Hは、図1に示すように、サイドドア10側ではドアアウターパネル11と接合するドアインナーパネル12の室内面側に配索し、ドアインナーパネル12と、該ドアインナーパネル12の室内面側に被せて取り付けるトリム13との間に収容し、トリム13に設けた開口13aより車体20側へ引き出している。ドア10と車体20との間では、ドアハーネスW/Hをドア10に設けたウエザーストリップ14よりも室内側を通して架け渡している。
さらに、車体20側では、車体アウターパネル21のウエザーストリップ14との接触位置Pより室内側へと配索し、車体インナーパネル22との接合部のフランジ23を乗り越えさせ、車体インナーパネル22の室内面側に沿って配索し、車体20に配索したワイヤハーネス(図示せず)と接続している。
また、車体20側では、図2に示すように、フランジ23に被覆しているオープニングトリム24を切り欠き、該切り欠き部分にドアハーネスW/Hを内部に挿通している外装保護材40を外嵌固定して直接取り付けている。
前記ドアハーネスW/H1の渡り部分に外装するグロメット30は、ゴムまたはエラストマーからなり、該グロメット30の蛇腹筒部30aの車体側先端に設けた係止部30bを外装保護材40と連結している。
前記外装保護材40は、図3に示すように、樹脂成形品からなる外カバー41と内カバー42とで構成し、該外カバー41と内カバー42とを組み合わせて偏平は配索用中空部Sを設けている。
該外装保護材40は前記グロメット30と連結する車体側固定部43と、該車体側固定部43に連続するフランジ外嵌部44とからなる。
前記車体側固定部43は、車体アウターパネル21のウエザーストリップ接触位置Pより室内側に固定するものとし、上下方向に延在させている。前記外カバー41の上側部にグロメット係止孔45を設けていると共に対向位置の内カバー42の上側部の外面に車体係止用のクリップ46を突設している。車体アウターパネル21の対向位置にはクリップ係止孔(図示せず)を設けている。
該車体側固定部43の下側部に、室内側に向けて水平方向に屈折させた前記フランジ外嵌部44を連続させている。該フランジ外嵌部44は車体インナーパネル22との接合部のフランジ23に外嵌するU形状に屈曲させた形状とし、該フランジ外嵌部44の室内側部を車体インナーパネル22の室内側に位置させている。
前記外装保護材40の外カバー41は、図3に示すように、所要形状に屈曲した外側壁41aと、該外側壁41aの両側端縁から突出する両側壁41bからなる一方、内カバー42は外カバー41の外側壁41と同様に屈曲した内側壁42aと、該内側壁42aの両側端縁より突出する両側壁42bとからなる。前記外カバー材41の両側壁41bに係止孔41cを設けると共に、内カバー材42の両側壁42bに前記係止孔1cとロック結合する係止爪(図示せず)を設けている。
前記グロメット30の内部を挿通させたドアハーネスW/Hは、車体側において、外装保護材40の車体側固定部44の内部に引き出し、該車体側固定部44の配索空間S内を下向きに配線し、下端側でフランジ外嵌部44内の配索空間S内を通して配線し、車体インナーパネル22の室内側に引き出している。該外装保護材40の偏平は配索空間S内にドアハーネスW/Hの電線群を並列に配線している。
前記グロメット30はドア10側において、ドアインナーパネル12とトリム13との間の空間内に屈曲可能な状態で収容されており、ドア10を開けると蛇腹筒部31が略直線状でトリム13の開口13aから引き出される一方、ドア10を閉じると蛇腹筒部30aが屈曲した状態でドアインナーパネル12とトリム13との間の空間内に収容され余長が吸収される構成としている。
次に、ドアと車体との間に渡り配索するドアハーネスW/Hの配索方法について説明する。
まず、ワイヤハーネス組立ラインで、ドアハーネスW/Hへグロメット30および外装保護材40を取り付けておく。その際、グロメット30の車体側先端に設けた係止部30bを外装保護材40の外カバー41の車体側固定部43のグロメット係止孔45に嵌合係止して、グロメット30から引き出したドアハーネスW/Hを外カバー41の内面に沿って配線し、その後、内カバー42を外カバー41に被せてロック結合する。この状態で、グロメット30を通して略水平方向に配索されてくるドアハーネスW/Hは上下方向に延在する車体側固定部43で上下方向配線部W/H−1となり、フランジ外嵌部44で水平方向に屈曲して車体室内面側に水平方向で引き出された状態としている。
自動車組立ラインで、ドアハーネスW/Hをドア内部に配索した後に、ドアインナーパネル12とドアトリムとの間から車体側へと架け渡す。この架け渡し部分ではドアハーネスW/Hはグロメット30の蛇腹筒部で外装されている。
車体20側において、外装保護材40を車体パネルのドア対向面のウエザーストリップとの接触点より室内側に向けてドア対向面に沿って配置させる。その際、フランジ外嵌部44をフランジ23に被せて外嵌すると共に、車体側固定部43の内カバー42より突出させたクリップ46を車体アウターパネル21に設けた係止孔に挿入係止し、外装保護材40を車体20のドア対向面に固定する。
この状態で、外装保護材40の内部を挿通するドアハーネスW/Hは車体インナーパネル22の室内面側へと引き出される。
これにより、ドア10から車体20側へ架け渡したドアハーネスW/Hは車体パネルに穿設した貫通孔を通すことなく、車体インナーパネル22の室内面側へ配索している。
前記構成によれば、ドアハーネスW/Hを挿通した外装保護材40を車体20に固定し、該外装保護材40の上下方向に延在する車体側固定部43内においてドアハーネスW/Hは上下方向に配線される。この上下方向の配線部分W/H−1は、ドア10が開閉動作した時に、配線用空間S内で上下方向の回転軸回りに回転して捩り動作を行い、ドア開閉動作にドアハーネスW/Hを追従させることができる。よって、ドアハーネスW/Hはドアと車体との渡り部分でねじれ動作を行う必要はなく、該渡り部分でのドアハーネスの疲労や損傷の発生を防止できる。
また、前記外装保護材40は、車体アウターパネル21と車体インナーパネル22とを接合したフランジ23を乗り越えてドアハーネスW/Hを車体20の車体アウターパネル21側から車体インナーパネル22側へ配索することができ、車体インナーパネル21側で車体20に配索されたワイヤハーネスと接続することができる。
よって、ドア10と車体20との両方でドア用ワイヤハーネスW/Hを車体側パネルおよびドア側パネルに穿設した貫通孔に通す必要がなく、作業性よくドアハーネスをドアと車体との間に架け渡すことができる。
図4および図5に参考実施形態を示す。
参考実施形態では、ドアハーネスW/Hのドアと車体間の渡り部分に外装するグロメット60に車体アウターパネル21に穿設した貫通孔70に挿入係止して貫通する貫通孔挿通部61を設け、該貫通孔挿通部61は上下方向に延在する配線用中空部61aを備えた形状としている。
即ち、参考実施形態は車体側ではドアハーネスをパネル貫通孔に貫通させるタイプとする点で第一実施形態と相違する。また、ドアハーネスの渡り部分に外装するグロメットを車体側の外装保護材として用い、車体側に別体の外装保護材を取り付けていない点でも第一実施形態と相違させている。
前記グロメット60は蛇腹筒部62からなる渡り部分の車体側先端側に上下方向に長い長円形状に拡径した前記貫通孔挿通部61を設けている。該貫通孔挿通部61の外周に環状の車体係止凹部61bを設け、該車体係止凹部61bより車体内部に突出する部分を前記上下方向に延在する配線用中空部61aとしている。
前記蛇腹筒部62との連続側の貫通孔挿通筒部61の上部にドアハーネスの挿入口61cを設ける一方、車体内部側の配線用中空部61aの対向側壁61dの下端部にドアハーネスの引出口61eを設け、ドアハーネスW/Hを車体内部へと引き出している。
前記車体内部へ引き出されたドアハーネスW/Hの先端にコネクタ65を接続し、該コネクタ65を車体内部に配索するワイヤハーネス(図示せず)と接続している。
前記コネクタ65の上下寸法をL1とすると、グロメット60の前記挿入口61cと引出口61e間の上下寸法L2は、L2>L1に設定し、該上下寸法L2間でドアハーネスW/Hを上下方向に配線している。
前記構成とすると、ドアハーネスW/Hはドアの開閉動作に応じて、グロメット60の上下延在部分61a内の上下方向配線部W/H−1でねじれ動作して追従する。
このように、第一実施形態と同様に、車体側に固定したグロメット60の内部でドアハーネスをねじり作動させることができるため、ドアと車体との渡り部分でドアハーネスにねじれを発生させる必要はなく、ドアハーネスの渡り部分における疲労・損傷発生を防止することができる。
また、車体側に固定する別部材の外装保護材を必要とせず、渡り部分の外装保護材のグロメットをそのまま利用できるため、部品点数を削減できる等の利点を有する。
本発明の第一実施形態のワイヤハーネスの配索構造を示す斜視図である。 車体パネルのフランジへの外装保護材の取付方法を示す図面である。 外装保護材の分解斜視図である。 参考実施形態の斜視図である。 参考実施形態の要部断面図である。 従来例を示す図面である。
符号の説明
10 ドア
11 ドアアウターパネル
12 ドアインナーパネル
14 ウエザーストリップ
20 車体
21 車体アウターパネル
22 車体インナーパネル
23 フランジ
24 オープニングトリム
30 グロメット
31 蛇腹筒部
40 外装保護材
41 外カバー
42 内カバー
43 上下延在部分を備えた車体側固定部
44 フランジ外嵌部
45 グロメット係止孔
46 クリップ
60 グロメット
61 貫通孔挿通部
61a 上下方向の配線用中空部
W/H ドアハーネス
W/H−1 上下方向配線部分

Claims (2)

  1. ドアインナーパネル側から車体側へとウエザーストリップより室内側を通して架け渡すドアハーネスを車体側において挿通保持する外装保護材を備え、
    前記外装保護材は、前記ドアハーネスのドアと車体間の渡り部分に外装するグロメットの車体側先端に接続され、前記ドアハーネスを車体側において挿通保持し、車体のドア対向面から突出したフランジを乗り越えて車体インナーパネルの内面側へと配索するドアハーネスをガイドしており、
    前記外装保護材は前記グロメットの車体側に連結すると共に車体取付側において前記ドア対向面に沿って上下方向に延在する部分を有し、該上下方向延在部分は上側部に固定部を設けた車体側固定部と、前記車体側固定部の下側部に連続し、車体アウターパネルと車体インナーパネルとの接合部のフランジに外嵌するフランジ外嵌部とを備え、
    前記車体側固定部およびフランジ外嵌部に設けた配線用中空部内において、前記ドアハーネスを前記車体側固定部内で上下方向に配線した後に前記フランジ外嵌部を通し、該フランジ外嵌部の先端から車体インナーパネルの室内面側に配索しており、前記ドアの開閉時に前記上下方向の配線用中空部内でドアハーネスを捩り回転させて開閉作動に追従させる構成としているドアハーネスの配索構造。
  2. 前記外装保護材は外カバーと内カバーとを組み合わせて、前記ドアハーネスを挿通する偏平な前記配線用中空部を設け、前記車体側固定部を構成する内カバーの上側部に前記固定部となる車体係止用のクリップを突設し、車体側パネルの係止孔に挿入係止する一方、前記外カバーには前記クリップ突設部と対向位置に前記グロメットの係止孔を設けている請求項1に記載のドアハーネスの配索構造。
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