JP5082444B2 - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物半導体を発光層の材料として構成される、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)等の、窒化物半導体発光素子に関し、とりわけ、該発光素子構造中のp型半導体部分の構成に関するものである。
窒化物半導体とは、式AlαInβGaγN(0≦α≦1、0≦β≦1、0≦γ≦1、α+β+γ=1)で決定される3族窒化物からなる化合物半導体であって、例えば、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN、AlN、InNなど、任意の組成のものが例示される。本発明では、上式のα、β、γなど、窒化物半導体を構成する3族元素の組成比を、それぞれ、Al比率、In比率、Ga比率ともいう。発光層に用いられる窒化物半導体の材料組成を選択することによって、青色〜紫外に至る短波長光を発生させることが可能となる。
以下、「窒化物半導体」を「GaN系」とも呼び、例えば「窒化物半導体発光素子」であれば「GaN系発光素子」などとも呼んで、従来技術および本発明を説明する。
図3は、GaN系発光素子の1つであるGaN系LEDの一般的な素子構造の一例を示した図であって、サファイア基板などの結晶基板100上に、GaN系低温成長バッファ層100bを介して、GaN系結晶層からなる積層体S1が形成されている。該積層体S1は、n型層とp型層からなるpn接合構造を構成しており、接合部分に発光層120が形成されている。具体的には、下側(結晶基板側)から順に、n型クラッド層110(この例ではn型コンタクト層を兼用している)、発光層(多重量子井戸などの積層構造であってもよい)120、p型クラッド層130、p型コンタクト層140が気相成長によって積層されたものである。P10、P20は、それぞれ、n側電極、p側電極である。ダブルヘテロ構造の発光素子では、発光層120が、n型クラッド層110、p型クラッド層130よりもバンドギャップの小さい結晶からなる。ダブルヘテロ構造の発光素子はホモ接合の発光素子に比較して10倍以上発光出力が高いと言われている(例えば、参照文献1:特開平8−330629号公報)。
n型クラッド層110はn型不純物の添加によりn型伝導性に形成される。p型クラッド層130とp型コンタクト層140は、p型不純物が添加されるとともに、必要に応じてp型化アニーリング処理等の低抵抗化処理が行われることにより、p型伝導性に形成される。発光層120はn型導電性にもp型導電性にも、またこれらの導電性の層が混在した態様にも形成し得る。また、不純物を意図的に添加しないアンドープの層とされる場合もある(不純物を何ら含まないアンドープの層は通常、弱いn型伝導性を示す)。
GaN系結晶層をp型伝導性とするために好ましいp型不純物としては、Mgが用いられる。
発光素子の動作電圧は低ければ低い程、実用上は望ましい。動作電圧を低下させるには、p型層の直列抵抗が低い方がよいので、p型層の正孔濃度を高くすることが好ましいが、そのためにMgの添加量を多くし過ぎると結晶性が悪化して正孔の移動度が低下してしまい、抵抗が十分に低下しない。従って、Mgの添加量は、正孔濃度が十分に高くなり、かつ結晶性が著しく低下しない濃度とすることが好ましい。
発光素子の動作電圧を低くするには、p型層とp側電極との間の接触抵抗を低くすることも重要である。
この接触抵抗を低下させるために、p側電極が形成される層であるp型コンタクト層の正孔濃度を高くするという考え方が公知である。高キャリア濃度のGaNをp型コンタクト層に用いると、p側電極とのオーミック性が良くなり、LEDの順方向電圧(所定の順方向電流を流すのに必要な印加電圧)が低下するといわれている(参照文献2;特開平7−15041号公報)。
あるいは、p型コンタクト層のMg濃度を高くすることは、キャリア濃度の増加を通してではなく、そのこと自体が接触抵抗の低下に有効であるともいわれており、p型コンタクト層の表層側のMg濃度を高くすることで発光素子の動作電圧や順方向電圧を低下させる方法が公知である(参照文献1、参照文献3;特開平8−97471号公報)。参照文献3によれば、Mg濃度を5×1019/cm程度よりも高くすると、Mg濃度の増加に対するキャリア濃度の増加率が小さくなり、ついにはMg濃度とキャリア濃度が逆比例するようになるが、p型コンタクト層のMg濃度をこのような高濃度領域に設定すると、p側電極とのオーミック性が良好となり、動作電圧が低下する。
p型不純物としてMgを用いると、該Mgによる光吸収のために発光効率が低下するという問題が提起されている(例えば、参照文献4;特開平10−125956号公報)。Mgによる光吸収は、MgがGaN系結晶中において深い準位のアクセプタレベルを形成し、その深い準位と伝導帯とのバンドギャップにより430nm以下の波長の光が吸収される現象であると説明されている。
参照文献4に記載された発明では、この問題に対し、p型クラッド層をAl比率が8%以上のAlGaNとすることによって上記バンドギャップを拡大し、吸収される光の波長を430nmよりも短くするとともに、p型クラッド層やp型コンタクト層の厚さを薄くすることによって、前記光吸収の問題を軽減している。
上記のように、Mgによる光吸収の問題を軽減するために、p型層(p型クラッド層、p型コンタクト層を含む、発光層より上に形成されるp型伝導層全体)を薄くするという手法が知られている。
そこで、本発明者等は、p型コンタクト層の厚さを薄くすることが最も重要と考え、Mgを高濃度にドープしたp型コンタクト層を10nm以下に薄く形成し、その直下のp型層のMg濃度を急激に低下させたGaN系LEDを作製し、その評価を試みた。
しかしながら、そのようなGaN系LEDでは、動作電圧が上昇してしまうことがわかった。その理由は、濃度勾配による拡散によってp型コンタクト層の表層のMg濃度が低下し、p側電極との接触抵抗が増加するからであると考えられる。逆にいえば、p型コンタクト層の表層のMg濃度を十分に高くしてp側電極との接触抵抗を低くするには、該p型コンタクト層をある程度以上厚くしなければならず、それによって光吸収を伴なうことが必至となっていた。
即ち、従来技術では、Mg濃度の高いp型コンタクト層を設けて発光素子の動作電圧を低下させることと、p型層での光吸収を十分に抑制することとは、両立できてはいなかった。
本発明の目的は、p型層の上記問題点を解消し、p型コンタクト層の表層のMg濃度を高濃度に維持しつつ、p型層に添加するMgの総量を低減することで、動作電圧の上昇を抑えながらも、Mgに起因する光吸収をより少なくすることが可能なp型層構造をGaN系発光素子に付与することである。
本発明者等は、p型層におけるp型コンタクト層から発光層に最も近い層までの、GaN系材料の組成の変化、積層方向のMg濃度の変化、各層厚について、本発明独自の限定を加えることによって、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、次の特徴を有するものである。
(1)窒化物半導体結晶層からなる積層体を有し、該積層体には下層側から順にn型層、発光層、p型層が含まれ、p型層にはp型不純物としてMgがドープされている窒化物半導体発光素子であって、
p型層の最下部にはAlGa1−xN(0≦x≦1)からなるp型クラッド層が設けられ、該p型クラッド層の上方には1以上のヘテロ界面を介してAlGa1−yN(0≦y≦1)からなるMg高濃度層が設けられ、該Mg高濃度層の直上にはp型層の最上部としてAlGa1−zN(y<z≦1)からなるp型コンタクト層が設けられ、
p型コンタクト層は、層厚が10nm以下、Mg濃度aが5×1019cm−3≦aであり、
Mg高濃度層は、層厚が5nm〜20nm、Mg濃度bが2×1019cm−3<bであり、
p型層のうち、Mg高濃度層と発光層との間の層は、Mg濃度cが1×1019cm−3≦c<bであり、
p型コンタクト層を除くp型層のMg濃度の平均値が5×1019cm−3未満であることを特徴とする、窒化物半導体発光素子。
(2)Mg高濃度層が、少なくともp型コンタクト層に接する側に、Mg濃度が5×1019cm−3以上の部分を含む、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。
(3)Mg高濃度層が、p型コンタクト層に接する側のみに、Mg濃度が5×1019cm−3以上の部分を含む、上記(2)記載の窒化物半導体発光素子。
(4)Mg濃度cがc<5×1019cm−3である、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。
(5)b<aである、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。
(6)p型層のうち、Mg高濃度層と発光層との間の層が、Mg濃度が2×1019cm−3未満の部分を含む、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。
(7)上記Mg高濃度層と発光層との間の層におけるMg濃度の平均値が2×1019cm−3未満である、上記(6)記載の窒化物半導体発光素子。
(8)p型層の層厚が100nm〜300nmである、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。
(9)p型コンタクト層は、層厚が0.5〜10nm、Mg濃度aが5×1019cm−3≦a≦1×1021cm−3であり、
Mg高濃度層は、層厚が5〜20nm、Mg濃度bが2×1019cm−3<(0.5×a)≦b≦1×1021cm−3であり、
p型層のうち、Mg高濃度層と発光層との間の層は、Mg濃度cが(0.2×b)≦c<bである、上記(1)記載の窒化物半導体発光素子。
図1は、本発明によるGaN系発光素子の素子構造を示した模式図である。ハッチングは、領域を区別する目的で施している。
図2は、Mg高濃度層の厚さと、Vf、発光出力との関係を示すグラフである。
図3は、従来のGaN系発光素子の素子構造を示した模式図である。
図1における各符号は、それぞれに、次のものを示している。1;アンドープ層、2;n型層、3;発光層、4;p型層、41;p型クラッド層、42;Mg低濃度層、43;Mg高濃度層、44;p型コンタクト層
本明細書では、当該発光素子の積層構造中の各層の位置を説明するために、「下層側」、「最下部」、「直上」など、上下関係を示す語句を用いている。これは、積層構造の形成プロセスにおいて、結晶基板を下側として、その上に先に形成されたn型層の上に発光層、p型層を形成していくといった積層順に基づいた便宜上の表現であって、素子の絶対的な上下方向や、素子の実装方向(実装時の姿勢)を限定するものではない。「直上」とは直接隣接した上側、「直下」とは直接隣接した下側である。
以下、GaN系発光素子の1つであるGaN系LEDを例として用い、本発明を説明する。半導体レーザの態様については必要に応じて言及する。
本発明によるGaN系LEDの素子構造は、図1に一例を示すように、結晶基板B1上に、GaN系結晶層を順次成長させ積層体Sとした素子構造を有する。該積層体Sには、下層側から順にアンドープ層1、n型層2、発光層3、p型層4が含まれている。上記(1)記載のとおり、本発明では、p型層にドープされるp型不純物は、Mgである。
n型層2には、n型コンタクト層と、n型クラッド層とが独立して含まれる場合があるが、同図の例では1層だけで両層を兼用している。
発光層3は、キャリアの再結合による発光を生ぜしめるための層であって、後述のとおり単一層の態様だけではなく、積層構造であってもよい。
p型層4には、少なくとも最下部にp型クラッド層41、それよりも上方にMg高濃度層43、さらに該層43の直上にp型コンタクト層44が含まれている。これらp型クラッド層41、Mg高濃度層43、p型コンタクト層44からなるp型層の特徴は、上記(1)に記載したとおりである。
図1の例では、p型クラッド層41とMg高濃度層43との間に、Mg低濃度層42が存在するが、これについては後述する。
結晶基板の上面は、図3の例のようにフラットであってもよいが、図1の素子構造例では、結晶基板B1上面に凹凸(後述)が加工され、該凹凸上にGaN系材料からなるバッファ層B2が形成され、凹凸を覆って、アンドープGaN層1、n型GaNクラッド層(n型コンタクト層を兼ねている)2が成長している。積層体Sは、n型GaNクラッド層2が部分的に露出するようp型層側からエッチングされ、該露出部分にAl(アルミニウム)からなるn側電極P1が設けられている。また、p型コンタクト層44上面には、該上面と接する側から順に、Ni(ニッケル)とAu(金)とを積層してなる、p側電極P2が設けられている。
発光層3から発せられた光を上方から(p側電極側から)取り出すか、結晶基板を通して下側(基板裏面側)から取り出すかは任意であって、それぞれに応じてp側電極の態様や、通常姿勢の実装やフリップチップ実装が可能な構造を採用すればよい。
上記のように、本発明では、p型層内の積層構造として、先ず、下層側から順に、p型クラッド層、(p型)Mg高濃度層、p型コンタクト層を少なくとも含む構造としている。Mg高濃度層とp型クラッド層との間には、他の層が存在してもよい(後述)。次に、これらの層の材料組成、Mg添加濃度、層厚等を、上記(1)のとおりに規定し(好ましい態様としては、上記(2)〜(7)のとおりに規定し)、これによって次の3つの効果を発生させることにより、上記目的を達成している。
(i)結晶性の向上
p型クラッド層を2元または3元結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)、Mg高濃度層を2元または3元結晶のAlGa1−yN(0≦y≦1)、p型コンタクト層を3元結晶のAlGa1−zN(y<z≦1)とするのは、転位密度の低い、高品質の結晶を得ることが容易であるためである。
転位密度を低減することで正孔の移動度が向上するため、p型層の抵抗が低下し、発光素子の動作電圧を低下させることができる。また、転位欠陥領域に沿って生じるMgの拡散が抑制される。
(ii)接触抵抗の低下
p型コンタクト層をAlGa1−zN(y<z≦1)とし、そのAl比率zをMg高濃度層のAl比率yより高くするのは、Gaよりも窒素との結合力の強いAlの比率を増やすことによって、p型層の最上部に形成されるp型コンタクト層が、結晶成長時、結晶成長後の冷却時、p型化アニーリング処理時、電極アニーリング処理時等に、高温雰囲気に曝されたときの窒素抜けを抑制するためである。
GaN系結晶層に窒素抜けが生じた場合、その後に残った窒素空孔は、n型伝導性を与えるため、p型伝導性の発現を阻害し、電極との接触抵抗や、層内の直列抵抗を上昇させる要因となる。
本願発明では、p型コンタクト層のAl比率を直下の層よりも高くすることで窒素抜けの抑制を図り、電極との接触抵抗や層内の直列抵抗の上昇を抑えている。
p型コンタクト層のMg濃度aを、5×1019cm−3≦aとするのは、この濃度の範囲であれば、p側電極との好ましいオーミックコンタクトが達成でき、該電極との接触抵抗を十分に低くし得るからである。
(iii)p型層のMg量の低減とp型コンタクト層からのMg拡散抑制
p型コンタクト層の層厚を10nm以下と極めて薄く限定するのは、この層にはp側電極とのオーミック性を得るためにMgが高濃度に添加されるので、Mgに起因する光吸収を抑制するうえで、この層の厚さを薄くすることが最も効果的であるからである。それは、Mgを添加したp型層が吸収する光の波長は、Mg濃度が高くなる程、Mgが深い準位を形成するために長波長化するからであり、吸収波長が長波長化する程、発光層で発生される光が吸収され易くなるからである。
しかし、単にMgが高濃度に添加されたp型コンタクト層を薄くすると、接触抵抗の上昇という問題が生じる。
これに対して、本発明ではp型層全体の構成に工夫を行うことで、p型コンタクト層の接触抵抗の上昇を防ぎつつ、p型層に含まれるMg量を低減している。
まず、p型クラッド層とp型コンタクト層との間に、組成の異なる結晶の接合界面であるヘテロ界面を、少なくとも2つ設ける。即ち、p型クラッド層とMg高濃度層との間に少なくともひとつ設けられるヘテロ界面、および、AlGa1−yN(0≦y≦1)からなるMg高濃度層と、AlGa1−zN(y<z≦1)からなるp型コンタクト層との間に少なくともひとつ形成されるヘテロ界面である。
ヘテロ界面には結晶の分極による電界が存在するため、イオン化された不純物が捕獲され易く、Mgの拡散を抑制する効果がある。
次に、Mg高濃度層のMg濃度bを、2×1019cm−3<b、層厚を5nm〜20nmとするとともに、Mg高濃度層よりも下のp型伝導層(p型クラッド層を含む)、即ち、Mg高濃度層と発光層との間のp型伝導層のMg濃度cを、1×1019cm−3≦c<bとする。このc<bという不等式は、Mg高濃度層のMg濃度bが、Mg高濃度層と発光層との間のp型伝導層中の、いかかる部分のMg濃度よりも高いことを意味している。従って、Mg高濃度層の層厚を20nm以下とし、かつc<bとするという限定は、p型コンタクト層より下側では、p型コンタクト層の下面からの距離が20nm以内の領域でMg濃度が最も高くなるように、p型層のMg濃度を設定することを意味する。
更に、p型コンタクト層を除くp型層のMg濃度の平均値、即ち、Mg高濃度層からp型クラッド層までを合わせたp型伝導層におけるMg濃度の平均値が、5×1019cm−3未満となるようにする。
p型コンタクト層と発光層との間のp型伝導層のMg濃度をこのように設定することで、p型コンタクト層の接触抵抗の上昇を防ぎつつ、p型層に添加するMgの総量を低く抑えることが可能となる。
結晶基板は、GaN系結晶が成長可能なものであればよい。好ましい結晶基板としては、例えば、サファイア(C面、A面、R面)、SiC(6H、4H、3C)、GaN、AlN、Si、スピネル、ZnO、GaAs、NGOなどが挙げられる。また、これらの結晶を表層として有する基材であってもよい。なお、基板の面方位は特に限定されなく、更にジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
結晶基板とGaN系結晶層との間には、バッファ層を介在させることが好ましい。上方に形成するp型層の転位密度が低減され、結晶性が向上するためである。p型層の転位密度が低減されると、電気抵抗の低下や、Mg拡散の抑制といった好ましい効果が生じることは、前述の通りである。
好ましいバッファ層としては、GaN系バッファ層が挙げられる。バッファ層の材料、形成方法、形成条件は、公知技術を参照すればよいが、GaN系バッファ層材料としては、GaN、AlGaN、AlN、InNなどが例示され、成長温度としては、その上に成長するGaN系結晶層の成長温度よりも低温であればよく、300℃〜700℃が挙げられる。
バッファ層の厚さは10nm〜50nm、特に20nm〜40nmが好ましい。バッファ層の材料をGaNとすると、上方に成長する結晶層の転位密度が最も低くなり、またバッファ層の最適厚さ範囲が広くなるので好ましい。
なお、結晶基板としてGaNや、AlN結晶などからなる基板を用いる場合には、バッファ層は必須では無い。
GaN系結晶層は、平坦な結晶基板上に成長させてもよいが、結晶中の転位密度を低減させるための構造を結晶基板面に適宜導入してよい。これに伴い、SiOなどの異種材料からなる部分がGaN系結晶層からなる積層体中に含まれる場合もある。
転位密度低減のための構造としては、(い)従来公知の選択成長法(ELO法)を実施し得るように、結晶基板の上面にマスク層(SiOなどが用いられる)をストライプパターンなどとして形成した構造、(ろ)GaN系結晶がラテラル成長やファセット成長をし得るように、結晶基板の上面に、ドット状、ストライプ状等の凹凸加工を施した構造などが挙げられる。
これらの構造とバッファ層とは、適宜組合せてよい。
転位密度低減のための構造のなかでも、上記(ろ)の凹凸加工を基板の上面に施した構造は、マスク層を用いないために、マスク層材料の拡散によるGaN系結晶の汚染等が防止されるので好ましい。また、凹凸を埋め込むようにGaN系結晶を成長すると、サファイア基板等、GaN系材料とは異なる材料からなる結晶基板を用いた場合には、屈折率の異なる結晶基板とGaN系結晶との界面が光散乱性となるので、LEDの光取出効率が向上するという好ましい効果(転位密度低減とは独立した効果である。)が生じる。
凹凸を埋め込んで成長させるGaN系結晶を、GaN、特にアンドープGaNとすると、成長面の平坦性が良好で、かつ転位密度の低い高品質な結晶が得やすいため、上方に成長するp型層の品質を向上させるうえで好ましい。
結晶基板上面への凹凸加工の方法、凹凸の配置パターン、凹凸の断面形状、凹凸上でのGaN系結晶の成長プロセスなどは、特開2000−331947号公報、特開2002−164296号公報などを参照すればよい。また、凹凸として、凹溝をストライプ状に形成する場合の凹溝の長手方向、凹溝の幅、凸状稜の幅、凹凸の振幅(凹溝の深さ)などもこれらの文献や公知技術を参照してよい。
GaN系結晶層の成長方法としては、HVPE法、MOVPE法、MBE法などが挙げられる。高品質の結晶薄膜を実用的な成長速度で形成できる点で、MOVPE法が特に好ましい。
発光層は、単一組成の結晶層からなる構造であっても、バンドギャップの異なる複数の層からなる単一量子井戸(SQW)構造、多重量子井戸(MQW)構造等の多層膜構造であってもよい。量子井戸構造では、厳密には、発光現象が生じる層は井戸層であるが、本発明では、障壁層/井戸層の積層構造全体を1つのユニットとして、発光層と呼ぶ。
発光層に用いるGaN系結晶の組成は、発生させるべき光の波長に応じたバンドギャップを有する組成を適宜選択してよいが、p型クラッド層およびn型クラッド層よりもバンドギャップの小さい組成とすると、ダブルヘテロ構造となるので特に好ましい。発光層を量子井戸構造とする場合には、井戸層のバンドギャップがp型クラッド層およびn型クラッド層のバンドギャップより小さくなるようにしてもよい。
発光層をInGaNで構成する場合には、結晶のIn比率を調整することによって発光波長を約360nm(In比率がゼロ)から赤外波長域まで広範囲にわたって制御することができる。発光波長は、発光層にn型不純物および/またはp型不純物を添加することによっても制御することができる。
発光層をInGaNで構成すると、Inが局所的に高濃度に分布した領域が形成され、該領域が発光再結合中心として働くために、発光層が比較的高い転位密度を有する場合であっても、高い発光効率が得られる。
しかし、発光波長を420nm未満の紫〜紫外領域とするためにIn比率を小さくすると、このような効果が生じ難くなるために、発光層中の転位密度が発光効率に大きく影響するようになる。従って、発光波長をこのような短波長領域とする場合には、前述の転位密度の低減に有効な構造を、発光層の下方の構造に採用することが好ましい。
n型クラッド層の材料として、発光層の材料に対してバンドギャップが大きいものを用いることで、キャリアを発光層に効果的に閉じ込めることができる。LEDの場合には、使用時の電流密度が比較的小さいために、発光層とのバンドギャップ差をあまり大きくする必要はなく、特に発光層が量子井戸構造の場合には、その障壁層に対してバンドギャップ差がないもの(同じ組成のもの)や、バンドギャップがより小さいものを用いてもよい。
その理由は、p型クラッド層から発光層に注入されn型クラッド層に向かって拡散する正孔は、反対方向に拡散する電子と比較して移動度が小さいために、n型クラッド層に到達する前に高い確率で電子と再結合するからである。
従って、LEDの発光層にInGaNを用いる場合のn型クラッド層の材料には、転位密度の低い結晶が得やすい2元結晶のGaNや3元結晶のAlGaN、InGaNを用いることが好ましく、特にGaNを用いることが好ましい。AlGaNの場合は、Al比率を大きくすると結晶性が低下する傾向があるため、Al比率を0.2以下とすることが好ましく、0.1以下とすることがより好ましい。
本発明では、p型クラッド層の材料としてAlGa1−xN(0≦x≦1)を用いている。即ち、p型クラッド層は、2元結晶のGaNまたは3元結晶のAlGaNで構成する。p型クラッド層の組成は、発光層よりもバンドギャップが大きくなるように選択することが望ましい。具体的には、発光層中をp型クラッド層の方向に拡散する電子を発光層に効果的に閉じ込めるために、発光層(発光層が量子井戸構造の場合には井戸層)とのバンドギャップ差が0.3eV以上となる組成とすることが好ましい。
発光波長λ(nm)と発光層(発光層が量子井戸構造の場合には井戸層)のバンドギャップEg(eV)との関係は次式で表される。
λ×Eg=1240 (式1)
一方、AlGa1−xN(0≦x≦1)のバンドギャップEgAlGaNは、次式で表される。
EgAlGaN=6.16x+3.4(1−x)−x(1−x) (式2)
従って、これらの関係式を用いて好ましいAlGa1−xNのAl比率の最小値を求めることができる。
例えば、発光波長を400nmとする場合、(式1)より発光層のバンドギャップは3.1eVであるから、好ましいp型クラッド層のバンドギャップは3.4eV以上となり、(式2)を用いると、このときの好ましいp型クラッドのAl比率xは0.06以上となる。なお、Al比率xを大きくするとAlGa1− Nの結晶性が低下する傾向があるため、xは0.2以下とすることが好ましく、0.1以下とすることがより好ましい。前記のように、結晶性が低下すると、転位欠陥に沿ってMgの拡散が生じ易くなる。
p型クラッド層の層厚に特に限定はなく、公知技術を適宜参照して決定してよいが、好ましくは10nm〜100nmであり、より好ましくは20nm〜70nmである。
Mg高濃度層は、薄いp型コンタクト層の直下に位置する第2コンタクト層であると言うこともできる。
Mg高濃度層の材料組成は、AlGa1−yN(0≦y≦1)であり、y=0(即ち、GaN)でもよい。
本発明は、p型クラッド層とMg高濃度層との間に少なくともひとつのヘテロ界面を設けることを特徴とする。
従って、p型クラッド層の直上にMg高濃度層を配置する場合には、p型クラッド層のAl比率xとMg高濃度層のAl比率yとが異なる値となるようにする。その場合、xとyとの差が大きい程、Mgの拡散抑制効果が大きくなると考えられるため、xとyの差は好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、更に好ましくは0.05以上である。
xとyの差が大き過ぎると、格子不整合により転位密度が増加する傾向があるため、xとyの差は好ましくは0.2以下であり、より好ましくは0.15以下であり、更に好ましくは0.1以下である。
Mg高濃度層のAl比率yが大きくなると結晶性が低下する傾向があるため、yは0.2以下とすることが好ましい。また、Mg高濃度層のAl比率yをp型クラッド層のAl比率xより小さくしてもよい。yが小さい程、Mg高濃度層のバンドギャップが小さくなるため、Mgがp型不純物として活性化し易くなり、キャリア濃度の増加による直列抵抗の低下が期待できる。従って、より好ましいyの範囲は0≦y≦0.05であり、Mg高濃度層をGaNで形成すると更に好ましい。
p型コンタクト層の材料組成は、AlGa1−zN(y<z≦1)であり、そのAl比率zは、Mg高濃度層のAl比率yよりも大きければ、上記発明の効果で述べたとおり、高温雰囲気における表面の窒素抜けを抑制する効果と、ヘテロ界面によるMgの拡散抑制効果が生じる。高温雰囲気における窒素抜けを抑制する点からは、0.01≦zとすることが好ましく、特に0.03≦zとすると好ましい。
一方、zが大きいと結晶性が低下する傾向がある他、Mgのp型不純物としての活性化が起こり難くなるため、この観点からは、zは好ましくは0.2以下であり、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
p型コンタクト層のMg濃度aは、電極と良好なオーミック接触が形成される程度に高い濃度とすればよく、公知技術を参照することもできる。具体的には、5×1019cm−3≦a、特に1×1020cm−3≦aとすれば、p型のオーミック電極として知られている種々の電極との間で、良好なオーミック接触が形成される。
一方、Mgに起因する光吸収の抑制効果をより高めるためには、Mg濃度aは、5×1019cm−3〜1×1021cm−3が好ましい範囲であり、より好ましくは5×1019cm−3〜5×1020cm−3、特に好ましくは5×1019cm−3〜1×1020cm−3である。
p型コンタクト層の層厚は0.5nm以上あれば、恐らくは接触抵抗の低下により、Mg高濃度層に直接p側電極を形成する場合よりも、発光素子の動作電圧が低下する。
一方で、p型コンタクト層はMgが高い濃度で添加されるので、Mgに起因する光吸収は層厚を薄くする程抑制される。
従って、p型コンタクト層の層厚は、好ましくは0.5nm〜10nmであり、より好ましくは0.5nm〜5nmである。
p型層をMOVPE法により形成する場合、Mgのp型不純物としての活性化を阻害する水素が結晶成長時にp型層中に多量に入ると、p型層の直列抵抗の上昇や、p型コンタクト層とp側電極との接触抵抗の増加によると推定される素子の動作電圧の上昇が生じる。あるいは、Mgを活性化させるためのアニーリング等の処理を、より厳しい条件で行うことが必要となり、該処理に起因する素子の劣化が生じる可能性がある。
そこで、p型層の成長時に反応容器中に供給するガスのうち、有機金属化合物原料のキャリアガス以外は窒素等の不活性ガスとすることが好ましいが、このような成長時ガス条件を用いると結晶の成長速度が著しく低下する。
従って、p型層の層厚が厚いと成長に要する時間が長くなり、その結果、結晶層が高温に曝される時間が長くなるため、添加したMgの拡散や、耐熱性の低いInGaN層の劣化が促進され、素子特性が低下する傾向が生じる。Mg高濃度層やp型コンタクト層の厚さを薄くすることは、このような素子特性の低下を抑制するうえでも好ましい。
Mg高濃度層のMg濃度bは、2×1019cm−3<bであればよく、特に、p型コンタクト層と接する部分は、Mg濃度が5×1019cm−3以上とすることが好ましい。
p型コンタクト層のMg濃度aに対して、(0.5×a)≦b≦1×1021cm−3とすることは、本発明の目的を達成するための好ましい態様の1つである。
Mgに起因する光吸収を抑制するという点からは、Mg高濃度層のMg濃度bを、p型コンタクト層よりも低濃度とすることが好ましい。Mg高濃度層は、p型コンタクト層よりもAl比率の小さなGaN系結晶、すなわち、バンドギャップのより小さなGaN系結晶で形成されることから、Mg高濃度層とp型コンタクト層に同濃度のMgをドープした場合、Mg高濃度層における光吸収は、p型コンタクト層におけるそれよりも大きくなるからである。
Mg濃度bが1×1021cm−3より高くなると、Mg高濃度層の結晶性が低下する傾向がある。
Mg高濃度層の層厚は、5nm〜20nmとする。Mg高濃度層が、5×1019cm−3以上の濃度でMgを含有する部分を含む場合には、Mgによる光吸収を抑制するという点から、Mg高濃度層の、p型コンタクト層と接する側のみを、Mg濃度5×1019cm−3以上とすることが好ましい。このようにしたとき、p型コンタクト層よりも下側のp型層において、Mg濃度が5×1019cm−3以上である部分の厚さが、20nm以下となる。この厚さのより好ましい範囲は5nm〜15nmであり、更に好ましい範囲は5nm〜10nmである。
Mg濃度および層厚を上記のように特定したMg高濃度層を設けたうえで、p型層中においてMg高濃度層と発光層との間にあるp型伝導層(例えば、図1の例ではp型クラッド層31、Mg低濃度層32など)のMg濃度cを、1×1019cm−3≦cとすることにより、10nm以下の厚さに形成したp型コンタクト層の表層からのMgの拡散が抑制され、素子の動作電圧の上昇が抑制される。
また、(0.2×b)≦cとすることは、本発明の目的を達成するための好ましい態様の1つである。
また、c<bとするとともに、p型コンタクト層を除くp型層のMg濃度の平均値を5×1019cm−3未満に設定とすることで、素子の動作電圧の上昇を抑制しながら、p型層全体としての、Mgに起因する光吸収を抑制することができる。
Mg高濃度層と、その直下のp型伝導層との間では、Mg濃度を段階的に変化させることが好ましい。その場合、両層の境界部分を挟んで、1×1019cm−3以上、更には、3×1019cm−3以上のMg濃度差を設けることができる。なお、c<bという条件により、このようなMg濃度の段差の形成が必須となるものではなく、例えば、p型クラッド層からMg高濃度層にかけて、Mg濃度が直線的に上昇する態様なども許容される。
また、Mg濃度cには、5×1019cm−3という上限値を設けることが、より好ましく、その理由は、Mgを添加したp型伝導層では、Mg濃度を5×1019cm−3より高濃度(p型コンタクト層にとって好ましいMg濃度である。)とすると、Mgに起因する光吸収が特に問題となってくるからである。
また、p型層に含まれるMgの総量をより少なくするために、Mg高濃度層と発光層との間のp型層には、Mg濃度が2×1019cm−3未満の部分が含まれるようにすることが好ましく、更に、当該p型層におけるMg濃度の平均値が2×1019cm−3未満となるようにすることがより好ましい。
p型コンタクト層、Mg高濃度層、p型クラッド層は、連続した3層であってもよいが、Mg高濃度層とp型クラッド層との間に、別の層として、Mg高濃度層よりも低いMg濃度を有するMg低濃度層をさらに設けてもよい。
Mg低濃度層は、p型層全体の層厚が100nm以上、好ましくは100nm〜300nm、より好ましくは100nm〜200nmとなるように設けることが好ましい。p型層全体の層厚を100nmよりも大きくすることが好ましいのは、n型層とのバランスが良くなるためと、結晶成長後の冷却時、p型化アニーリング処理時、電極アニーリング処理時等における発光層の劣化が抑制されるためである。p型層全体の層厚が300nmより大きくなると、これらの効果が飽和し、層厚をそれ以上大きくすると、Mgによる光吸収の問題が大きくなる他、成長時間が長くなることによる製造効率の低下や材料の浪費の問題が生じる。また、p型層の成長時間が余りに長くなると、成長時の高温による素子の劣化の問題も生じる。
Mg低濃度層は、Mg高濃度層およびp型クラッド層の両方またはいずれかとの界面がヘテロ界面となるように、その組成を決定すればよい。
Mg低濃度層には、結晶性の点からは、2元結晶のGaN、または3元結晶のAlGaNを用いることが好ましい。AlGaNを用いる場合には、Al比率が高いと結晶性が低下する傾向があることから、Al比率を0.2以下、特に0.1以下とすることが好ましい。
Mg低濃度層は、直上のMg高濃度層と同じ結晶組成の材料AlGa1−yN(0≦y≦1)を用いてもよい。Mg低濃度層を、直上のMg高濃度層と同じ結晶組成としたり、または、超格子構造とすると、直上のMg高濃度層や、ひいてはその更に上のp型コンタクト層の結晶性を向上させる効果が期待できるために、Mg高濃度層やp型コンタクト層の抵抗を低下させたり、転位欠陥に沿って起こるMgの拡散を抑制するうえで好ましい。
Mg高濃度層とp型クラッド層との間には、素子構造上、必要に応じてさらなる層が挿入されてもよい。例えば、面発光レーザ(発振方向・出射方向と積層方向とが一致するレーザ)を構成する場合の、共振器のうちの一方の反射層としてのブラッグ反射層、端面発光レーザ(発振方向・出射方向と積層方向とが直交するレーザ)を構成する場合の光閉じ込め層などが挙げられる。
上記ブラッグ反射層や光閉じ込め層は、独立した層であってもよいが、Mg高濃度層やMg低濃度層などと一部または全部を兼用した層であってもよい。
これらの層の材料についても、結晶性の点からは、2元結晶のGaN、あるいは3元結晶のAlGaNを用いることが好ましく、AlGaNを用いる場合のAlGaN結晶のAl比率は0.2以下、特に0.1以下とすることが好ましい。
また、p型コンタクト層、Mg高濃度層、Mg低濃度層、p型クラッド層などの層のそれぞれは、結晶組成およびMg濃度が本発明の規定する所定範囲内に入る限りで、多層膜構造(超格子構造を含む)としてもよい。
以下に、p型コンタクト層の好ましい厚さ、Mg高濃度層のMg濃度を特定するための実験を含めて、本発明のGaN系発光素子の実例としてのGaN系LEDの具体的な構成を示す。
以下の各実験に示すMgドープ層のMg濃度や膜厚は、いずれも設計値であって、実際に得られた結果物の測定値には、これに製造誤差などが加わる場合がある。
各実験における特定のMg濃度(設計値)を有するMgドープ層の成長は、次の手順にて行った。
(イ)成長しようとする組成のGaN系結晶層をMOVPE法により成長する際の、Mg原料(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)の供給量と3族原料(トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム)の供給量との比率〔Mg/3族比〕と、実際に得られる結晶中のMg濃度との関係を、予め調べておく。そのために成長させる結晶層の膜厚は約300nmとし、Mg濃度はSIMS(二次イオン質量分析:Secondary Ion Mass Spectroscopy)により測定する。
(ロ)上記関係から、Mg濃度が所定の設計値となる〔Mg/3族比〕を求め、その〔Mg/3族比〕にてMg原料と3族原料とを供給しながら、MOVPE法によりGaN系結晶層を成長する。
各層の膜厚は、当該組成の膜を単独成長したときの成長速度から、所定の厚みに成長するのに必要な成長時間を求め、当該成長時間だけ成長することにより、制御した。
各実験で作製したAlGaN層やGaN層の膜厚は、SIMSによりGaやAlの深さ方向分布を測定することにより、概ね設計値通りとなっていることを確認した。特に、膜厚が小さい場合には、厚さ方向の分解能がより高い分析方法である、XPS(光電子分光分析:X−ray Photoelectron Spectroscopy)も併用して確認した。
また、各層のMg濃度も、概ね設計値通りとなっていることが、SIMSにより確認できた。特に、結晶層の表面付近のSIMS測定を行う際には、エッチングレートを低くすることにより、深さ方向の分解能を高くした。
なお、p型コンタクト層やMg高濃度層の膜厚が小さいときには、隣接する層へのMgの拡散流出、あるいは、隣接する層からのMgの拡散流入の影響が大きくなり、例えば、Mg濃度に傾斜が生じることがあった。また、Mg高濃度層の膜厚が、隣接するMg低濃度層へのMgの流出により、設計値よりも小さくなる場合があった。
実験1
本実験では、図1に示す構造のGaN系LEDを製作した。GaN系結晶層の成長にはMOVPE法を用いた。
p型コンタクト層(AlGaN)44の好ましい厚さを特定するために、該コンタクト層の層厚をAとし、その直下のp型GaN層(Mg低濃度層42と、Mg高濃度層43とを1層としたもの)の層厚をBとし、両層厚A、Bを変化させて、発光特性を評価した。
本実験で製作したGaN系LEDの各層の構成を、上層側から下層側へ順に示す。
〔p型コンタクト層〕
材料;Al0.03Ga0.97N、Mg濃度;1×1020(cm−3)、層厚;A(nm)。
〔p型GaN層〕
p型GaN層は、Mg高濃度層、Mg低濃度層とに分かれるべき層であるが、ここでは、実験のため、Mg濃度を層全体にわたって5×1019(cm−3)とした。層厚はB(nm)である。
〔p型クラッド層〕
材料;Al0.08Ga0.92N、Mg濃度;2×1019(cm−3)、層厚;50(nm)。
〔発光層〕
GaN障壁層とInGaN井戸層(発光波長405nm)を6周期積層したMQW構造とした。最上層はGaN障壁層とした。層厚は100(nm)である。
〔n型クラッド層〕
材料;GaN、n型コンタクト層と兼用、層厚は4(μm)である。
〔アンドープGaN層〕
材料;GaN。層厚は、基板凹凸の凸部の上面より上の部分の厚さとして、2(μm)である。
〔結晶基板、バッファ層〕
C面サファイア基板の表面に、ストライプ状パターンにあて、断面矩形波状の凹凸加工を施した。該凹凸の、凸部上面、凹部底面に、GaNバッファ層を成長させた。
上記構成のGaN系LEDに関して、p型コンタクト層の層厚Aと、p型GaN層の層厚Bとを、常にA+B=100nmとなるように種々に変化させた素子サンプルを製作し、通電電流20(mA)にてそれぞれに発光出力を測定したところ、p型コンタクト層の層厚Aが10nmを越えると出力低下が顕著になることがわかった。これは、Mgが高濃度(p型クラッド層の5倍、p型GaN層の2倍)で添加されたp型コンタクト層による光吸収の影響が大きくなるためであると考えられた。
このことから、p型コンタクト層の層厚の上限は10nmとすべきであることがわかった。
p型コンタクト層の層厚を10nmとしたときのVf(順方向電流20mAを流すのに必要な順方向電圧)は、3.5Vであった。
実験2
上記実験1の結果から、p型コンタクト層の厚さを10nmに固定した。
直下のp型GaN層については、層厚を90nmとし、Mgによる光吸収を更に抑えるためにMg濃度を1×1019(cm−3)とした。
これらの変更以外は実験1と同様の仕様にて、GaN系LEDを製作し、発光出力を測定したところ、実験1の結果と比べて、発光出力は40%程度向上したが、Vfが約0.3V上昇した。
本発明者等の検討によれば、この原因は、p型コンタクト層から直下のp型GaN層へとMgが拡散流出し、これによってp型コンタクト層の表層のMg濃度が低下したことで、p側電極との接触抵抗が増加したからであると推定される。p型コンタクト層は、10nmと薄いために、この層に保持されるMgの総量は少なく、Mgの流出の影響が顕著に現われたと考えられる。
実験3
上記実験2の結果を改善し、発光出力を高く保ったまま、Vfを上昇させないことを目的として、p型GaN層へのMgの添加の態様を変化させた。具体的には、p型GaN層の最下部(p型クラッド層と接する領域)のMg濃度を1×1019cm−3とし、最上部(p型コンタクト層と接する領域)のMg濃度を5×1019cm−3とし、Mg濃度が層下部から層上部に向かって略連続的に上昇するように変化させた(傾斜ドープ)。
この変更以外は実験1と同様の仕様にて、GaN系LEDを製作し、発光出力を測定した結果、Vfと発光出力は、ともに実験1と同レベルであった。
本発明者等の検討によれば、Vfが実験1と同レベルに下がったことから、p型コンタクト層からのMg拡散流出の抑制は達成されたと考えられる。一方、発光出力が実験1と同レベルに下がったことから、本実験3のMg傾斜ドープでは、Mgに起因する光吸収の抑制が十分に起こらない可能性が示唆された。
実験4
上記実験2の結果を改善し、Vfを低く保ったまま、発光出力を上昇させることを目的として、p型GaN層(層厚90nm)のうち、p型コンタクト層との界面から厚さX(nm)までの部分をMg高濃度層(Mg濃度5×1019cm−3)とし、残る厚さY(nm)(Y=90−X)の部分をMg低濃度層(Mg濃度1×1019cm−3)として、XとYを種々に変化させた。
この変更以外は実験2と同様の仕様にて、GaN系LEDを製作し、Vf、発光出力を測定した。
測定の結果を図2のグラフに示す。同図のグラフは、横軸をMg高濃度層の層厚Xとして、X=0、5、10、20、90(nm)のときのVfの値を黒丸でプロットし、発光出力の値を白四角でプロットしたものである。
同図のグラフから明らかなとおり、Vfについては、5≦X≦90(nm)の範囲で、上記実験1と同様3.5Vであり、好ましい値であった。このことから、Mg高濃度膚の層厚を5nm確保したとき、Vfの値を低く保ち得ることがわかった。なお、本実験4におけるX=0(nm)の場合は、上記実験2に相当する。
また、発光出力については、X≦20nmとしたとき、顕著な向上が観察された。
本実験4から、Vfを低く保ち、かつ、発光出力を更に向上させる点から、Mg高濃度層の層厚として、5〜20nmが好ましいことがわかる。
実験4において、Mg低濃度層の層厚Yを0nm〜85nmという広い範囲で変化させてもVfの変化が見られなかったことは、〔p型コンタクト層の直下に、Mg濃度が5×1019cm−3であるMg高濃度層を設け、その下方のp型層は、Mg濃度を少なくとも1×1019cm−3とする〕という構成によって、p型コンタクト層表面からのMgの拡散流出をVfに影響しないレベルに抑え得ることを示している。
また、p型コンタクト層のMg濃度の設計値をより高濃度とした場合には、Mg濃度不足の問題は生じないので、同様に低いVfが得られる。また、この設計値をより低濃度とした場合には、p型コンタクト層とp型高濃度層との濃度差が小さくなり、p型コンタクト層からのMgの拡散流出がより効果的に抑制されるために、やはり同様に低いVfが得られる。
実験5
上記実験4の結果に加えて、Vfをさらに低下させることを目的として、p型コンタクト層の厚さをより薄くする実験を行った。
上記実験4の結果に従って、p型GaN層(層厚90nm)のうち、上側をMg高濃度層(層厚5nm、Mg濃度5×1019cm−3)とし、下側の残部をMg低濃度層(層厚85nm、Mg濃度1×1019cm−3)に固定して、p型コンタクト層の厚さT(nm)を10nmよりも薄い範囲で種々に変化させた。
本実験5では、p型コンタクト層の形成にあたり、有機金属化合物原料であるトリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、ビスシクロペンタジエニルマグネシウムの反応容器への供給に用いるキャリアガスに水素ガスと窒素ガスとの混合ガスを用いる以外、反応容器に供給するガスは3族原料であるアンモニアと、窒素ガスのみとした。
反応容器に供給する水素ガス、アンモニア、窒素ガスに占める水素ガスの流量比率は30%以下であった。p型コンタクト層の成長速度は、この水素ガスの流量比率を約60%とした実験1〜4の場合と比較して、約5分の1であった。
この変更以外は実験4と同様の仕様にて、GaN系LEDを製作し、Vf、発光出力を測定した。
測定の結果、T=10から1までは、出力は同レベルのまま、Vfが低下する傾向が観察された。T=0.5では、Vfが若干上昇したが、それでもなお、T=0(p型コンタクト層無し)と比較すると、約0.1eV低い値であった。
この結果から、p型コンタクト層は下層よりもAl比率を高くすることが好ましく、その層厚は、0.5〜10nmが好ましい範囲であることがわかった。
T=10から1まで、Vfが低下傾向を示した原因は、p型コンタクト層の成長時間が短くなり、結晶が高温に曝される時間が短くなったことで、熱による劣化の影響が小さくなったためと推定される。
実験6
上記実験4の結果に加えて、Vfの上昇を抑えるのに必要なMg高濃度層のMg濃度の下限を調べるための実験を行った。
上記実験4において、Mg高濃度層の層厚Xを5nm、Mg低濃度層の層厚Yを85nmに固定し、Mg高濃度層のMg濃度を5×1019cm−3と1×1019cm−3の間で変化させた。この変更以外は実験4と同様の仕様にて、GaN系LEDを製作し、Vfを測定した。
その結果、Vfは、Mg高濃度層のMg濃度が1×1019cm−3(上記実験2に相当)と2×1019cm−3の間では実験2と同レベルとなったが、Mg濃度が2×1019cm−3を超えると低下し始め、5×1019cm−3のときの値である3.5Vに近づいた。
本実験6から、p型コンタクト層の直下に設けるMg高濃度層の厚さを5nm以上、Mg濃度を2×1019cm−3以上とすれば、p型コンタクト層の厚さを薄くしたときの動作電圧の上昇を抑える効果があることが分かった。
発光素子は、実用上の点からは、単に出力が高ければ良いというものではなく、素子が組み込まれる装置・機器の側からの低消費電力化に対する要求がある。
また、発光素子の動作電圧は、該素子の発熱量に直接関係するため、素子の寿命に大きく影響する。また、発熱が大きい程、放熱を優先する実装構造が必要となることから、設計上の様々な制約が発生してくるという問題もある。特に、GaN系半導体発光素子では、短波長光が発生するために、原理的に動作電圧が高くならざるを得ないことに加え、結晶成長用基板として現在のところ最適とされるサファイアの熱伝導性が極めて低いという問題もある。
これらの事情から、GaN系半導体発光素子の動作電圧、例えば、LEDにおける順方向電圧(Vf)や、レーザダイオードにおける発振のしきい値電圧の低減に関しては、極めて強い要求があり、たとえ0.1Vでも低減することが望ましいとされている。
本発明によって、GaN系半導体発光素子の動作電圧の上昇を抑えながら、p型層のMgの総量を効果的に低減させて、光吸収の問題を改善することができるようになった。
本出願は、日本で出願された特願2004−134704を基礎としておりそれらの内容は本明細書に全て包含される。

Claims (10)

  1. 窒化物半導体結晶層からなる積層体を有し、該積層体には下層側から順にn型層、発光層、p型層が含まれ、p型層にはp型不純物としてMgがドープされている窒化物半導体発光素子であって、
    p型層の最下部にはAlGa1−xN(0≦x≦0.2)からなるp型クラッド層が設けられ、該p型クラッド層の上方には1以上のヘテロ界面を介してAlGa1−yN(0≦y≦0.2)からなるMg高濃度層が設けられ、該Mg高濃度層の直上にはp型層の最上部としてAlGa1−zN(y<z、かつ、0.01≦z0.2)からなるp型コンタクト層が設けられ、
    p型コンタクト層は、層厚が10nm以下、Mg濃度aが5×1019cm−3≦aであり、
    Mg高濃度層は、層厚が5nm〜20nm、Mg濃度bが2×1019cm−3<bであり、
    p型層のうち、Mg高濃度層と発光層との間の層は、Mg濃度cが1×1019cm−3≦c<bであり、
    p型コンタクト層を除くp型層のMg濃度の平均値が5×1019cm−3未満であり、
    Mg高濃度層はp型クラッド層の上に直接、または、Al Ga 1−t N(0≦t≦0.2)からなりMg高濃度層よりも低いMg濃度を有するMg低濃度層を介して設けられており、上記ヘテロ界面をなす2つの層のAl比率の差は0.01以上0.2以下であることを特徴とする、窒化物半導体発光素子。
  2. Mg高濃度層は、少なくともp型コンタクト層に接する側に、Mg濃度が5×1019cm−3以上の部分を含む、請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  3. Mg高濃度層が、p型コンタクト層に接する側のみに、Mg濃度が5×1019cm−3以上の部分を含む、請求項2記載の窒化物半導体発光素子。
  4. Mg濃度cがc<5×1019cm−3である、請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  5. b<aである、請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  6. p型層のうち、Mg高濃度層と発光層との間の層が、Mg濃度が2×1019cm−3未満の部分を含む、請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 上記Mg高濃度層と発光層との間の層におけるMg濃度の平均値が2×1019cm−3未満である、請求項6記載の窒化物半導体発光素子。
  8. p型層の層厚が100nm〜300nmである、請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  9. p型コンタクト層は、層厚が0.5〜10nm、Mg濃度aが5×1019cm−3≦a≦1×1021cm−3であり、
    Mg高濃度層は、層厚が5〜20nm、Mg濃度bが2×1019cm−3<(0.5×a)≦b≦1×1021cm−3であり、
    p型層のうち、Mg高濃度層と発光層との間の層は、Mg濃度cが(0.2×b)≦c<bである、請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  10. p型クラッド層とp型コンタクト層との間では、Mg濃度がp型クラッド層側からp型コンタクト層側に向かって連続的に上昇している、請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
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