JP5080229B2 - 鋼管の曲げ加工装置及びそれを用いての鋼管の曲げ加工方法 - Google Patents

鋼管の曲げ加工装置及びそれを用いての鋼管の曲げ加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば輸送機器や建築物等に使用される鋼管の曲げ加工装置及びそれを用いての鋼管の曲げ加工方法に関するものである。
一般的に鋼管の曲げ加工を行う方法として、鋼管内に芯金を設置した状態で曲げ型とクランプとで鋼管を挟持した後に、曲げ型の周方向に沿ってクランプを移動させつつ曲げ型を回転させることで鋼管の曲げ加工を行う回転引き曲げ加工方法が挙げられる。そして、この曲げ加工を行う場合、加工部の内側にしわが生じる問題や、鋼管が偏平してしまう(楕円状に変形してしまう)問題がある。具体的には、曲げ半径Rと外径Dとの比(R/D)が2以下であるような比較的小さな曲げ半径で薄肉鋼管を加工する場合に曲げ内側にしわを生じやすくなる。これは、鋼管の薄肉化により材料供給がしにくくなる点と、曲げ半径が小さくなることで曲げ内側の圧縮応力が大きくなる点から、曲げ変形が不連続になりやすくしわが発生しやすくなるためである。また、薄肉の鋼管の場合、剛性が厚肉鋼管よりも低いため偏平しやすくなる。
これらの問題を解決するために、下記の特許文献1では、図8に示すような曲げ加工治具を用いている。図8は、従来の曲げ加工治具を示す構成図である。図において、曲げ加工が行われる鋼管1内には、一端21aが閉塞され他端21bが開放されている袋状の弾性チューブ21が挿入されている。この弾性チューブ21の壁内には鋼線21cが埋め込まれており、軸方向21Aに沿って弾性チューブ21が伸縮することをこの鋼線21cによって防いでいる。開放されている前記他端21bには金属製の継手21dが取り付けられており、この継手21dには、水や油等の非圧縮性流体を導入するための導入管(図示せず)が接続される。すなわち、弾性チューブ21に非圧縮性流体を圧入し、内側から鋼管1に圧力を加えることで、前述の問題の解決を図っている。
また、下記の特許文献2,3では、図9に示す曲げ加工治具により、前述の問題の解決を図っている。すなわち、曲げ加工を行う鋼管1の両端に水圧調整弁90とエアー抜き91の機能を持ち合わせた封止栓92を取り付け、鋼管1内に非圧縮性流体を直接圧入して、3本ロールにより曲げ加工をおこなうことで、前述の問題の解決を図っている。
特開昭63−235026号公報 特開平9−38726号公報 特開2002−254112号公報
上記のような特許文献1に記載された治具を用いての曲げ加工方法では、袋状の弾性チューブ21を用いているため、非圧縮性流体を圧入した際に前記一端21aに鋼線21cが食い込んでしまい、一端21aが破裂するおそれがある。また、弾性チューブ21の壁面に鋼線21cを埋め込む作業が困難であり、鋼線21cによって弾性チューブ21を傷つけてしまうと、その傷から破裂するおそれがある。
また、上記のような特許文献2,3に記載された曲げ加工方法では、曲げ加工を行う度に、それぞれの鋼管1に非圧縮性流体を圧入する必要がある。このため、曲げ加工に要する時間が長くなり、生産効率が悪くなる。また、加工中に鋼管1に割れが生じた場合に、流体が吹き出して、曲げ加工装置に流体が掛かってしまうおそれがある。さらに、ボルト等を利用して鋼管に封止栓を固定しているので、封止栓の取り付け及び取り外しに時間を要し、生産性が悪くなっている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、鋼管内に圧入した非圧縮性流体が吹き出すことを防止でき、生産効率を向上できる鋼管の曲げ加工装置及びそれを用いての鋼管の曲げ加工方法を提供することである。
本発明に係る鋼管の曲げ加工装置は、曲げ加工が行われる鋼管内に挿入され両端が開口している弾性チューブと、前記弾性チューブの一端に挿入された第1突部、前記第1突部の外周に設けられた第1シール部材、及び前記第1突部と一体に設けられた第1フランジ部から構成されたフランジ型封止栓と、前記弾性チューブの他端に挿入された栓本体、及び前記栓本体の外周に設けられた第2シール部材から構成された封止栓と、前記フランジ型封止栓に設けられ、前記弾性チューブ内に非圧縮性流体を圧入するための流体供給口と、前記フランジ型封止栓に前記流体供給口とは独立して設けられ、前記弾性チューブ内に前記非圧縮性流体を圧入する際に前記弾性チューブ内から空気を抜く為のエアー排出口と、前記鋼管内に挿入される第2突部、及び前記第2突部と一体に設けられた第2フランジ部から構成されたフランジ型金具と、前記鋼管を挟持するとともに前記鋼管の曲げ加工を行う曲げ型及びクランプと、前記曲げ型及び前記クランプに設けられ前記フランジ型封止栓の前記第1フランジ部が嵌合される溝と、前記フランジ型金具の前記第2フランジ部を前記鋼管の軸方向に押圧する軸押体とを備える。
また、本発明に掛かる鋼管の曲げ加工方法は、曲げ加工が行われる鋼管内に挿入され両端が開口している弾性チューブと、前記弾性チューブの一端に挿入された第1突部、前記第1突部の外周に設けられた第1シール部材、及び前記第1突部と一体に設けられた第1フランジ部から構成されたフランジ型封止栓と、前記弾性チューブの他端に挿入された栓本体、及び前記栓本体の外周に設けられた第2シール部材から構成された封止栓と、前記フランジ型封止栓に設けられ、前記弾性チューブ内に非圧縮性流体を圧入するための流体供給口と、前記フランジ型封止栓に前記流体供給口とは独立して設けられ、前記弾性チューブ内に前記非圧縮性流体を圧入する際に前記弾性チューブ内から空気を抜く為のエアー排出口と、前記鋼管内に挿入される第2突部、及び前記第2突部と一体に設けられた第2フランジ部から構成されたフランジ型金具と、前記鋼管を挟持するとともに前記鋼管の曲げ加工を行う曲げ型及びクランプと、前記曲げ型及び前記クランプに設けられ前記フランジ型封止栓の前記第1フランジ部が嵌合される溝と、前記フランジ型金具の前記第2フランジ部を前記鋼管の軸方向に押圧する軸押体とを備える鋼管の曲げ加工装置を用いての鋼管の曲げ加工方法であって、前記鋼管内に前記フランジ型封止栓及び前記封止栓を端部に取り付けた前記弾性チューブを挿入する工程と、前記鋼管内に前記フランジ型金具を挿入し、前記溝に前記第1フランジ部を嵌合しつつ前記曲げ型及び前記クランプで前記鋼管を挟持するとともに、前記軸押体にて前記第2フランジ部を押圧する工程と、前記溝に前記第1フランジ部を嵌合するとともに前記軸押体にて前記第2フランジ部を押圧している状態で、前記エアー排出口から前記弾性チューブ内の空気を抜きつつ前記流体供給口から前記弾性チューブ内に前記非圧縮性流体を圧入する工程と、前記非圧縮性流体を圧入した後に、前記軸押体にて前記第2フランジ部を押圧しつつ、前記曲げ型及び前記クランプにて前記鋼管の曲げ加工を行う工程とを含む。
また、1つの鋼管の曲げ加工が終わった後に、前記弾性チューブと前記鋼管との間にクリアランスができるように前記弾性チューブ内の前記非圧縮性流体を前記エアー排出口から排出する工程と、前記クリアランスを設けた後に、前記鋼管から前記弾性チューブを抜き取る工程と、前記鋼管から前記弾性チューブを抜き取った後に、次に曲げ加工を行う鋼管内に前記弾性チューブを挿入するとともに、前記クリアランスを設けた分だけ前記弾性チューブ内に前記非圧縮性流体を圧入する工程とをさらに含む。
本発明の鋼管の曲げ加工装置及びそれを用いての鋼管の曲げ加工方法によれば、弾性チューブの開口している両端に封止栓をそれぞれ取り付け、前記溝に前記フランジ型封止栓の第1フランジ部を嵌合するとともに前記軸押体にて前記フランジ金具の第2フランジ部を押圧している状態で、前記エアー排出口から前記弾性チューブ内の空気を抜きつつ前記流体供給口から前記弾性チューブ内に前記非圧縮性流体を圧入するので、弾性チューブが軸方向に伸びることを防ぎつつ、弾性チューブに無理な負荷が掛かることを防ぐことができ、鋼管内に圧入した非圧縮性流体が吹き出すことを防止できる。
また、1つの鋼管の曲げ加工が終わった後に、前記弾性チューブと前記鋼管との間にクリアランスができるように前記弾性チューブ内の前記非圧縮性流体を前記エアー排出口から排出し、前記鋼管から前記弾性チューブを抜き取った後に、次に曲げ加工を行う鋼管に前記弾性チューブを挿入するとともに、前記クリアランスを設けた分だけ前記弾性チューブ内に前記非圧縮性流体を圧入するので、曲げ加工を行う鋼管が変わっても非圧縮性流体の圧入に要する時間を短くでき、生産効率を向上できる。
さらに、曲げ型及び前記クランプで前記鋼管を挟持する際に溝に第1フランジ部を嵌合させることでフランジ型封止栓を固定するとともに、軸押体にて第2フランジ部を押圧することで封止栓を固定するので、ボルト等を利用して固定する場合に比べて封止栓の脱着を簡単にできる。また、曲げ加工の準備工程を行うことで各封止栓を固定でき、各封止栓を固定するためだけの工程を省略できる。すなわち、各封止栓の取り扱いを簡単にでき、生産効率をさらに向上できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の鋼管の曲げ加工装置を示す構成図であり、図2は図1の曲げ加工治具20を示す構成図であり、図3は図2の第1シール部材22bを拡大して示す断面図である。なお、従来構造と同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。図において、曲げ加工装置は、鋼管1に装着された曲げ加工治具20、曲げ型30、クランプ40、軸押体50、サイドブースタ60、及びワイパ70から構成されている。
図2に示すように、曲げ加工治具20は、弾性チューブ21、フランジ型封止栓22、封止栓23、流体供給口24、エアー排出口25、及びフランジ型金具26から構成されている。弾性チューブ21は、両端が開口する円筒状に形成され、その両端21a,21bにフランジ型封止栓22と封止栓23とが取り付けられており、鋼管1の軸方向1Aに沿って直線状に鋼管1内に挿入されている。この弾性チューブ21の材質としては径方向21Bに伸縮可能なゴムが使用されており、弾性チューブ21の外径は鋼管1の内径よりも小さくされている。
前記フランジ型封止栓22及び前記封止栓23は、前記弾性チューブ21の両端21a,21bに取り付けられており、前記弾性チューブ21の両端21a,21bを封止する。具体的には、前記フランジ型封止栓22は、前記弾性チューブ21の一端21aに挿入される円柱状の第1突部22a、前記第1突部22aの外周に設けられた第1シール部材22b、及び前記第1突部22aと一体に設けられた第1フランジ部22cから構成されている。第1突部22a及び第1フランジ部22cは、例えばステンレス鋼等の高水圧に耐えられる金属が断面略T字状に形成されたものである。前記封止栓23は、前記弾性チューブ21の他端21bに挿入される円柱状の栓本体23a、及び前記栓本体23aの外周に設けられた第2シール部材23bから構成されている。この栓本体23aの材料も、第1突部22a及び第1フランジ部22cと同様に、ステンレス鋼等の高水圧に耐えられる金属が用いられている。
図3に示すように、第1シール部材22bは、Oリング27と一対のバックアップリング28とによって構成されている。この実施の形態では、前記第1突部22aが前記弾性チューブ21の一端21aに挿入された際のつぶし率が30%となるOリング27が採用されている。なお、図に示す2/3Hは、つぶし率が30%であることを示しており、つぶれた後のOリング27の高さが、つぶれる前の高さの2/3であることを示している。前記バックアップリング28は、前記弾性チューブ21内が高圧になったとしても、前記Oリング27が隙間4に入らないようにするためのものであり、前記一端21aの封止をより確実にする為のものである。前記第2シール部材23bも、この第1シール部材22bと同様に構成されている。
図2に戻り、前記流体供給口24は、前記フランジ型封止栓22に設けられており、各封止栓22,23が前記弾性チューブ21に取り付けられた後に、水や油等の非圧縮性流体3を前記弾性チューブ21内に圧入する為のものである。また、前記エアー排出口25は、前記流体供給口24とは独立して前記フランジ型封止栓22に設けられており、前記流体供給口24から前記弾性チューブ21内に前記非圧縮性流体3が圧入された際に前記弾性チューブ21内から空気を抜く為のものである。
前記フランジ型金具26は、前記鋼管1内に挿入される第2突部26a、及び前記第2突部26aと一体に設けられた第2フランジ部26bから構成されており、ステンレス鋼等の高水圧に耐えられる金属が断面略T字状に形成されたものである。
図1に戻り、曲げ型30及びクランプ40は、鋼管1を挟持するものであり、鋼管1の曲げ加工を行うものである。具体的には、曲げ型30及びクランプ40によって鋼管1が挟持された後に、クランプ40が曲げ型30の周方向30Aに移動しつつ、曲げ型30が回転することで、鋼管1の曲げ加工が行われる。
この曲げ型30及びクランプ40には、前記第1フランジ部22cを嵌合するための溝30a,40aが設けられている。軸押体50は、前記第2フランジ部26bを鋼管1の軸方向1Aに押圧するものである。これら溝30a,40aと軸押体50とは、曲げ加工治具20の両端の位置を固定し、非圧縮性流体3が圧入される際の前記弾性チューブ21の軸方向21Aの伸びを防ぐためのものである。また、軸押体50は、第2フランジ部26bを押圧することで鋼管1に軸方向1Aの荷重を加え、曲げ加工の際の曲げ外側の板厚減少を抑制する。サイドブースタ60は軸押体50と同様に曲げ外側の板厚減少を抑制し、ワイパ70は曲げ内側のしわを抑制する。
次に、図1の鋼管の曲げ加工装置を用いての鋼管の曲げ加工方法について説明する。まず、曲げ加工が行われる鋼管1内に前記フランジ型封止栓22及び前記封止栓23を端部に取り付けた前記弾性チューブ21を挿入するとともに、前記鋼管1内に前記フランジ型金具26を挿入し、前記溝30a,40aに前記第1フランジ部22cを嵌合しつつ前記曲げ型30及び前記クランプ40で前記鋼管1を挟持するとともに、前記軸押体50にて前記第2フランジ部26bを押圧する。これによって、曲げ加工治具20の両端位置を固定することができ、弾性チューブ21に無理な負荷を掛けることなく弾性チューブ21の軸方向21Aの伸びを防ぐことができるとともに、弾性チューブ21の破裂による非圧縮性流体3の吹き出しを防ぐことができる。また、ボルト等を利用して固定する場合に比べて封止栓の脱着を簡単にできる。さらに、曲げ加工の準備工程を行うことで各封止栓を固定でき、各封止栓を固定するためだけの工程を省略できる。
その次に、曲げ加工治具20の両端位置が固定された状態で、前記エアー排出口25から前記弾性チューブ21内の空気を抜きつつ前記流体供給口24から前記弾性チューブ21内に前記非圧縮性流体3を供給し、前記空気が無くなったら前記エアー排出口25を締めて、所定圧力となるまで非圧縮性流体3を圧入する。これによって、内側から鋼管1に圧力を加える。その次に、前記軸押体50にて前記第2フランジ部26bを前記鋼管1の軸方向1Aに押圧することで鋼管1に軸方向1Aの荷重を加えつつ、前記曲げ型30及び前記クランプ40にて前記鋼管1の曲げ加工を行う。これによって、曲げ内側のしわ及曲げ加工部の偏平を防ぐ。
次に、図4は図1の鋼管1の曲げ加工が行われた後に弾性チューブ21と鋼管1との間にクリアランス29が設けられた状態を示す説明図であり、図5は図4の曲げ加工治具20が鋼管1から取り外される状態を示す説明図である。1つの鋼管1の曲げ加工が終わった後に、前記弾性チューブ21と前記鋼管1との間にクリアランス29ができる程度に前記弾性チューブ21内の前記非圧縮性流体3を前記エアー排出口25から排出する。その次に、前記鋼管1から前記弾性チューブ21を抜き取る。この後に、次に曲げ加工を行う鋼管1に前記弾性チューブ21を挿入するとともに、前記クリアランス29を設けた分だけ前記弾性チューブ21内に前記非圧縮性流体3を圧入する。これによって、次の加工時に非圧縮性流体3を圧入する時間を短縮でき、生産効率を向上できる。
次に、具体的な実験例を示す。まず鋼管1として、下記の表1に示す寸法及び機械的性質のフェライト系SUS鋼管を用いた。また、弾性チューブ21としては、下記の表2に示すものを用いた。この例では、表1,2に示すように、鋼管1と弾性チューブ21との間のクリアランスが1.4mmとなるように、鋼管1と弾性チューブ21とを選定した。これは、実際の弾性チューブ21の断面が少し楕円形であるため、例えば前記クリアランスを0.5mm程度と小さくした場合には弾性チューブ21の挿入が難しくなるためである。
Figure 0005080229
Figure 0005080229
これら表1,2に示す鋼管1と弾性チューブ21とを用いて、弾性チューブ21内の圧力の条件を変えつつ鋼管1の扁平率及びしわの有無を調べた。その結果を下記の表3に示す。なお、曲げ型の曲げ半径:80mm(R(曲げ半径)/D(外径)=2.1)、曲げ角度:90°とした。また、偏平率δは、図6に示すように、長径をDmax、短径をDmin、素管外径をDとして下記の式(1)で求めた。さらに、比較例として、一般的な曲げ加工装置に使用されている芯金80を用いた場合(図7参照)の扁平率も表3に示している。
扁平率δ(%)={(Dmax−Dmin)/D}×100 (1)
Figure 0005080229
一般的な芯金80を使用しての加工(比較例)では偏平率が3.5%であるのに対して、弾性チューブ21内の圧力を5MPaとした場合(実験例1)では扁平率が18%となり、しわも発生した。この結果からt/Dが小さい薄肉鋼管においては、実験例1の圧力では不十分であることが分かる。なお、薄肉の鋼管とは、肉厚t対外径Dの比(t×D)×100が3%以下のものとする。その次に、圧力を10MPaとした場合(実験例2)では、扁平率が9%となり実験例1よりも改善されたが、やはり芯金80を使用した場合よりも偏平してしまった。このため、圧力を増やし15MPaとした場合(実験例3)、扁平率が1.2%となり芯金80を使用した場合よりも偏平を抑えることができた。また、芯金80を使用した場合には、曲げ内側にしわ模様ができていたが、この実験例3の条件ではしわ模様の発生も解消できた。
本発明の鋼管の曲げ加工装置を示す構成図である。 図1の曲げ加工治具を示す構成図である。 図2の第1シール部材を拡大して示す断面図である。 図1の鋼管の曲げ加工が行われた後に弾性チューブと鋼管との間にクリアランスが設けられた状態を示す説明図である。 図4の曲げ加工治具が鋼管から取り外される状態を示す説明図である。 図1の鋼管の偏平状態を示す説明図である。 比較対象となる一般的な鋼管の曲げ加工装置を示す構成図である。 従来の曲げ加工治具を示す構成図である。 別の従来の曲げ加工治具を示す構成図である。
符号の説明
1 鋼管、2 弾性チューブ、3 非圧縮性流体、21 弾性チューブ、22 フランジ型封止栓、22a 第1突部、22b 第1シール部材、22c 第1フランジ部、23 封止栓、23a 栓本体、23b 第2シール部材、24 流体供給口、25 エアー排出口、26 フランジ型金具、26a 第2突部、26b 第2フランジ部、29 クリアランス、30 曲げ型、40 クランプ、30a,40a 溝、50 軸押体。

Claims (3)

  1. 曲げ加工が行われる鋼管(1)内に挿入され両端(21a,21b)が開口している弾性チューブ(21)と、
    前記弾性チューブ(21)の一端(21a)に挿入された第1突部(22a)、前記第1突部(22a)の外周に設けられた第1シール部材(22b)、及び前記第1突部(22a)と一体に設けられた第1フランジ部(22c)から構成されたフランジ型封止栓(22)と、
    前記弾性チューブ(21)の他端(21b)に挿入された栓本体(23a)、及び前記栓本体(23a)の外周に設けられた第2シール部材(23b)から構成された封止栓(23)と、
    前記フランジ型封止栓(22)に設けられ、前記弾性チューブ(21)内に非圧縮性流体(3)を圧入するための流体供給口(24)と、
    前記フランジ型封止栓(22)に前記流体供給口(24)とは独立して設けられ、前記弾性チューブ(21)内に前記非圧縮性流体(3)を圧入する際に前記弾性チューブ(21)内から空気を抜く為のエアー排出口(25)と、
    前記鋼管(1)内に挿入される第2突部(26a)、及び前記第2突部(26a)と一体に設けられた第2フランジ部(26b)から構成されたフランジ型金具(26)と、
    前記鋼管(1)を挟持するとともに前記鋼管(1)の曲げ加工を行う曲げ型(30)及びクランプ(40)と、
    前記曲げ型(30)及び前記クランプ(40)に設けられ前記フランジ型封止栓(22)の前記第1フランジ部(22c)が嵌合される溝(30a,40a)と、
    前記フランジ型金具(26)の前記第2フランジ部(26b)を前記鋼管(1)の軸方向(1A)に押圧する軸押体(50)と
    を備えていることを特徴とする鋼管の曲げ加工装置。
  2. 曲げ加工が行われる鋼管(1)内に挿入され両端(21a,21b)が開口している弾性チューブ(21)と、
    前記弾性チューブ(21)の一端(21a)に挿入された第1突部(22a)、前記第1突部(22a)の外周に設けられた第1シール部材(22b)、及び前記第1突部(22a)と一体に設けられた第1フランジ部(22c)から構成されたフランジ型封止栓(22)と、
    前記弾性チューブ(21)の他端(21b)に挿入された栓本体(23a)、及び前記栓本体(23a)の外周に設けられた第2シール部材(23b)から構成された封止栓(23)と、
    前記フランジ型封止栓(22)に設けられ、前記弾性チューブ(21)内に非圧縮性流体(3)を圧入するための流体供給口(24)と、
    前記フランジ型封止栓(22)に前記流体供給口(24)とは独立して設けられ、前記弾性チューブ(21)内に前記非圧縮性流体(3)を圧入する際に前記弾性チューブ(21)内から空気を抜く為のエアー排出口(25)と、
    前記鋼管(1)内に挿入される第2突部(26a)、及び前記第2突部(26a)と一体に設けられた第2フランジ部(26b)から構成されたフランジ型金具(26)と、
    前記鋼管(1)を挟持するとともに前記鋼管(1)の曲げ加工を行う曲げ型(30)及びクランプ(40)と、
    前記曲げ型(30)及び前記クランプ(40)に設けられ前記フランジ型封止栓(22)の前記第1フランジ部(22c)が嵌合される溝(30a,40a)と、
    前記フランジ型金具(26)の前記第2フランジ部(26b)を前記鋼管(1)の軸方向(1A)に押圧する軸押体(50)とを備える鋼管の曲げ加工装置を用いての鋼管の曲げ加工方法であって、
    前記フランジ型封止栓(22)及び前記封止栓(23)を端部(21a,21b)に取り付けた前記弾性チューブ(21)を前記鋼管(1)内に挿入する工程と、
    前記鋼管(1)内に前記フランジ型金具(26)を挿入し、前記溝(30a,40a)に前記第1フランジ部(22c)を嵌合しつつ前記曲げ型(30)及び前記クランプ(40)で前記鋼管(1)を挟持するとともに、前記軸押体(50)にて前記第2フランジ部(26b)を押圧する工程と、
    前記溝(30a,40a)に前記第1フランジ部(22c)を嵌合するとともに前記軸押体(50)にて前記第2フランジ部(26b)を押圧している状態で、前記エアー排出口(25)から前記弾性チューブ(21)内の空気を抜きつつ前記流体供給口(24)から前記弾性チューブ(21)内に前記非圧縮性流体(3)を圧入する工程と、
    前記非圧縮性流体(3)を圧入した後に、前記軸押体(50)にて前記第2フランジ部(26b)を押圧しつつ、前記曲げ型(30)及び前記クランプ(40)にて前記鋼管(1)の曲げ加工を行う工程と
    を含むことを特徴とする鋼管の曲げ加工方法。
  3. 1つの鋼管(1)の曲げ加工が終わった後に、前記弾性チューブ(21)と前記鋼管(1)との間にクリアランス(29)ができるように前記弾性チューブ(21)内の前記非圧縮性流体(3)を前記エアー排出口(25)から排出する工程と、
    前記クリアランス(29)を設けた後に、前記鋼管(1)から前記弾性チューブ(21)を抜き取る工程と、
    前記鋼管(1)から前記弾性チューブ(21)を抜き取った後に、次に曲げ加工を行う鋼管(1)内に前記弾性チューブ(21)を挿入するとともに、前記クリアランス(29)を設けた分だけ前記弾性チューブ(21)内に前記非圧縮性流体(3)を圧入する工程と
    をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の鋼管の曲げ加工方法。
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