JP2007185697A - 金属管の加工方法及び加工装置 - Google Patents

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正昭 水村
Yukihisa Kuriyama
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Abstract

【課題】回転引き曲げ加工とハイドロフォーム加工の両方が必要となるような金属管部品のうち,曲げ部と曲げ部の間に膨出部が存在するような形状を加工する場合,従来は曲げ部でハイドロフォームの軸押し効果が妨げられるため加工不可能であったが,当該加工を可能にした加工方法及び加工装置を提供する。
【解決手段】第1工程で,分割した金型に金属管を挿入して型締めした後,前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負荷するハイドロフォーム加工をし,第2工程で,当該金属管を回転引き曲げ工法で曲げることを特徴とする加工方法及び当該加工方法を実現するための回転引き曲げ装置。
【選択図】図8

Description

本発明は,自動車用の排気系部品,サスペンション系部品,ボディ系部品等の製造に用いられるもので,金属管を曲げ加工及びハイドロフォーム加工する方法,並びに当該加工をするための加工装置に関する。
近年,自動車分野では,軽量化の手段の一つとして金属管の適用が増加している。なぜなら,中実材と比べて中空の金属管材は同一の剛性でも断面積を減らすことができるからである。また,ハット型の二枚のプレスした金属板を溶接で結合する構造に対して,金属管で一体型にした構造では,溶接フランジ部が不要なため軽量化が可能になる。
しかし,自動車用部品は車内の狭い空間内に配置する必要があるため,金属管は直管のまま使われることが少なく,ほとんど二次加工が施された後に自動車に取付けられる。二次加工としては曲げ加工が最も多いが,近年の自動車部品形状の複雑化に伴い,ハイドロフォーム加工(金属管を金型内に装着した状態で内圧と軸方向圧縮を用いて金型形状に仕上げる加工)も増加しており,さらにそれらを重畳した加工も増えている。例えば,図1(非特許文献1)のようにエンジンクレードルやサブフレームでは,直管のままではハイドロフォーム用の金型に装着できないため,予め曲げ加工を施してからハイドロフォーム金型に装着してハイドロフォーム加工を行う方法が開示されている。
また,特許文献1には,直管状の素管の内径より大きな球状の浮動プラグを,素管の内径より小さい丸棒状の心金の先端に一定範囲内で移動可能に取り付け,前記心金を素管に挿入した状態で,浮動プラグと素管とを相対移動させて素管を拡管しつつ曲げ加工を行い,次いで金型に入れ,ハイドロフォーム加工を行う方法が開示されている。
上述のように,曲げ加工とハイドロフォーム加工が両方とも必要となる部品を加工する場合,従来は,曲げ加工を行った後でハイドロフォーム加工していた。ハイドロフォーム加工の目的の一つには,内圧によって金型形状に部品を仕上げるという意味もあるため,その場合は必然的に最終工程となる。しかし,複雑な部品形状の場合,1回のハイドロフォーム加工だけでなく複数回のハイドロフォーム加工することもあるが,その場合でも,曲げ加工が一番初めの工程となることがほとんどであった。
ハイドロフォーム加工された後に曲げ加工される例としては,特許文献1や特許文献2に記載されているような方法がある。それぞれの例を図2,図3に示すが,いずれも曲げ外側に当たる部分を膨らませた後にプレス工法で曲げる方法である。しかし,本方法では,曲げ部から離れた直管部を膨らませるような形状には対応できないし,工業的に最もよく使用される回転引き曲げ工法にも適用できない。
なお,回転引き曲げ工法の概略を図4(非特許文献2)に示す。本工法では,金属管の一部を締め付けダイで固定し,当該締め付けダイと共に回転曲げ型(ロール)を回転させることで金属管を曲げる工法である。その際,金属管内部にはマンドレルを挿入しておき金属管の扁平を防止し,曲げ内側にはワイパーダイを固定して曲げ内側のしわを防止し,さらに曲げ外側に配置したプレッシャーダイを曲げ加工と同時に前進させることで曲げ外側の割れや減肉を抑制する。このように,回転引き曲げ工法では多くの金型に拘束されながら曲げ加工するため,割れやしわ等の加工不良が少なく良好な形状に曲げ加工できる工法であるが,逆に,拘束する金型が多いため,一様な断面形状を有する金属管しか曲げることができなかった。以上のような理由により,ハイドロフォーム加工後のハイドロフォーム加工品を回転引き曲げで曲げることは,これまでできなかった。
上記のように,回転引き曲げ加工とハイドロフォーム加工の両方が必要な部品では,従来は必ず回転引き曲げ加工を行った後にハイドロフォーム加工されていた。しかし,例えば,図5に示すようにエンジンクレードルのようなコの字型に曲げられた形状の内,二つの曲げに挟まれた箇所(図5中の8)を膨出するような部品形状の場合,回転引き曲げ後にハイドロフォーム加工しようとすると,曲げ部があるために材料流入が妨げられ,膨出したい箇所に材料を流し込むことができない。そのため従来は,このような膨出箇所は別部品を溶接して取付けていた。
また,通常のハイドロフォーム加工では図6(a)のように管端を押込んで材料流入させるが,同図(b)(非特許文献3)のように金型で押込む方法(以後,このような金型を可動金型と称す)もある。この方法を用いると,材料流入が促進されるが,曲げが含まれるような部品形状で可動金型を使用しようとすると金型構造が複雑で大規模になるため,実現するのは困難である。
塑性と加工,Vol.45,No.524(2004),715頁 「チューブフォーミング」36頁〜64頁(1992年10月30日コロナ社発行) 塑性と加工,Vol.23,No.255(1982),303頁 特開平10-175026号公報 特開昭64-53719号公報 特開昭56-62616号公報
上述のように,回転引き曲げ加工とハイドロフォーム加工の両方が必要となるような部品を加工する場合,従来は,回転引き曲げ加工後にハイドロフォーム加工しようとしていたため,曲げ部があるが故に材料が流入されず,加工が不可能であった。
そこで,本発明は,上記のような部品形状を加工可能にするような加工方法及び当該加工を実現するための加工装置を提供することを目的とする。
係る課題を解決するため,本発明の要旨とするところは下記の通りである。
(1)第1工程で,分割した金型に金属管を挿入して型締めした後,前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負荷するハイドロフォーム加工をし,第2工程で,当該金属管を回転引き曲げ工法で曲げることを特徴とする金属管の加工方法。
(2)ハイドロフォーム加工において,可動金型を用いて管軸方向に押込み力を付与することを特徴とする前記(1)記載の金属管の加工方法。
(3)第3工程として,第2工程の後の前記金属管を,第1工程の金型とは異なる形状の金型に挿入し,型締めした後で,内圧と管軸方向押し込み力を負荷するハイドロフォーム加工を行うことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の金属管の加工方法。
(4)前記(1),(2)又は(3)記載の金属管の加工方法に用いる回転引き曲げ加工装置であって,回転引き曲げ工法で曲げ外側に配置され,曲げ加工とともに前進するプレッシャーダイの形状が,前記第1工程におけるハイドロフォーム加工後の金属管の形状と合うことを特徴とする回転引き曲げ加工装置。
(5)前記(1),(2)又は(3)記載の金属管の加工用いる回転引き曲げ加工装置であって,回転曲げ型の形状が,前記第1工程におけるハイドロフォーム加工後の金属管の形状と合うことを特徴とする回転引き曲げ加工装置。
(6)前記(1),(2)又は(3)記載の金属管の加工方法に用いる回転引き曲げ加工装置であって,締付けダイの形状が,前記第1工程におけるハイドロフォーム加工後の金属管の形状と合うことを特徴とする回転引き曲げ加工装置。
本発明により,従来は曲げ形状があるが故にハイドロフォーム加工時に材料流入が妨げられて加工できなかった形状の部品の加工が可能になる。これにより,従来は複数部品となっていた箇所を一体加工することが可能になり,コスト削減に貢献できる。また溶接部が削減できるため,軽量化にも貢献できる。
図5で説明したようなコの字型に曲げられている形状の内,二つの曲げに挟まれた箇所を膨出するような部品形状の場合で本発明の詳細を説明する。
まず,第1工程として,図7に示すように,金属管1をハイドロフォーム金型4の空洞部に装着する。当該ハイドロフォーム金型4の空洞部には,膨出部を加工するための空洞部5を設けておく。本例では,最終的にコの字型(図5参照)の二つの曲げ部6に挟まれた位置に膨出部を配置したいため,概略管軸方向の中央近傍に当該膨出部のための空洞部5を配置する。また,上記膨出部5以外の空洞部に関しては,断面形状が一様で概略直線状の形状とし,金属管1を曲げ加工しなくても,そのまま装着できるような形状にする。なお,断面形状は素管と同一寸法,同一形状であることが望ましいが,ある程度の断面拡管や扁平等がされる場合もある。
金属管1がハイドロフォーム金型4に装着された後は,金属管1内部に液体を注入して内圧を負荷する。同時に軸押しパンチ9で両管端から押し込み,金型の膨出部5に金属管1の材料を流入させ,膨出部10を含むハイドロフォーム加工品3(第1工程におけるハイドロフォーム加工後の金属管)が完成される。当該加工品3の形状は概略直線状の形状であるため管端からの軸押しの効果がスムーズに働いて金型膨出部5へ流入しやすいが,膨出形状や全体長さ,断面形状によっては,金型との摩擦力のために材料流入が抑制される場合もある。その場合は潤滑剤を塗布する等の工夫を施す必要がある。
次に,第2工程として,上記で得られたハイドロフォーム加工品3を回転引き曲げ装置に装着する。回転引き曲げ装置の構成を図8(a)に示すが,基本的には通常と同じであり,回転曲げ型(ロール)11,締付けダイ12,プレッシャーダイ13,ワイパーダイ14,マンドレル(砲弾)15,マンドレル(玉)16,マンドレルロッド17,ブースターダイ(押し金またはチャック)18で構成されている。ただし,プレッシャーダイ13には,ハイドロフォーム加工品3の膨出部10が入るように,膨出部10の形状と合う空洞部19が設けてあり,ハイドロフォーム加工品3を装着した際に膨出部10を潰さない様にしている。なお,プレッシャーダイ13の空洞部19は,前述のハイドロフォーム金型の空洞部5と同一形状に設計すれば良いが,若干大きい分には問題ない。
装着されたハイドロフォーム加工品3を回転引き曲げ工法で曲げるが,その要領は通常の場合と同じである。すなわち,締付けダイ12でハイドロフォーム加工品3の一部を掴み,ロール11とともに回転させてハイドロフォーム加工品3を曲げる。その際,内部にマンドレル15,16を挿入しておくと曲げ時の扁平が抑制され,曲げ内側にワイパーダイ14を固定しておくと曲げ時のしわが抑制される。また,プレッシャーダイ13はロール11の回転と共に前進させる。その際の速度は,ハイドロフォーム加工品3の中心軸におけるロール回転速度と同一にしておく必要がある。通常の回転引き曲げでは,プレッシャーダイの速度を故意に遅くしたり速くしたりする場合もあるが,本発明の方法ではプレッシャーダイ13の空洞部19にハイドロフォーム加工品の膨出部10が嵌り込んでいるため,基本的には上述のようにロール回転速度に追従させる。ただし,後方からブースターダイ18で押し力を負荷する場合には,その分材料の前進速度も速まることもあるので,その場合は若干プレッシャーダイ13の速度を速める必要がある。以上の要領で,1回目の曲げ加工が完成する。
次に,同図(b)に示すように,同一の回転引き曲げ装置を用いて2回目の曲げを行う。すなわち,1回目の曲げ加工が完了した後,一旦,締付けダイ12やプレッシャーダイ13の掴みを外し,それぞれのダイ及びロール11を初期位置にまで戻す。その後,2回目の曲げ位置までハイドロフォーム加工品3を前進させた後,再度その位置で,締付けダイ12やプレッシャーダイ13でハイドロフォーム加工品3を掴む。それ以降は,通常の回転引き曲げ工法の要領で2回目の曲げ加工を実施する。なお,2回目の曲げでは,プレッシャーダイ13はハイドロフォーム加工品の膨出部10と干渉しないため,空洞部がないプレッシャーダイに切り替えても良い(回転引き曲げ装置によっては複数個のプレッシャーダイを保有して切り替えが可能な物もある)。しかし,同図の例に示すように,特に切り替えなくて1回目と同一のプレッシャーダイ13を使用しても特に問題なく曲げられる。
以上の一連の加工方法によって,図5のようなコの字型で,かつ,二つの曲げに挟まれた箇所が膨出するような加工品20の加工が可能になる。
また,部品形状が複雑で上記の曲げ加工完了時に最終形状となっていない場合は,更に最後に第3工程として,ハイドロフォーム加工を行えば良い。すなわち,曲げ加工後の加工品20を図9に示すような最終ハイドロフォーム金型21に装着し,ハイドロフォーム加工すると,最終ハイドロフォーム加工品22が得られる。
また上記の加工例では,最初の(第1工程の)ハイドロフォーム工程が,管端から材料を押込む通常のハイドロフォーム加工であったが,図10に示すような可動金型23を使用して,管軸方向に押込み力を付与する方法もある。本例は,金属管1の内部に内圧を負荷した状態で,管端と可動金型23を同時に軸押しパンチ24で押込み,その結果,金属管1の中央を膨出させた例である。この方法を使うと,膨出部が管端から遠い場合には非常に有利である。本発明の方法では,直管の状態でハイドロフォームするため,ここで挙げたような可動金型が使いやすいという点も利点の一つと言える。
次に,上記以外の加工品形状の例を述べる。まず,最初の(第1工程の)ハイドロフォーム工程で加工された箇所と回転引き曲げで用いられる金型との位置関係に注目する。
図11は,ハイドロフォーム加工品3(第1工程におけるハイドロフォーム加工後の金属管)の膨出部10がプレッシャーダイ13と干渉しない例である。この場合は,特に特殊なプレッシャーダイ(先に図8で示した如き,空洞部19を有するプレッシャーダイ13)は使用せずに通常のプレッシャーダイ13で回転引き曲げ加工すればよい。
図12は曲げの内側に,ハイドロフォーム加工品3の膨出部10が存在する例である。この場合は,ワイパーダイとの干渉が問題になる。もちろん図11の例のように膨出部10の位置がワイパーダイ14と干渉しなければ,通常通りの回転引き曲げ加工を行えばよいが,干渉する場合は,図12のようにワイパーダイを取り外す必要がある。ワイパーダイの役割は,しわ防止のため,しわが発生しやすい加工(例えば,薄肉管や高強度管の曲げ,または小曲げ半径の曲げ)の場合は,図12のようなワイパーダイなしの曲げ加工は難しい。しかし,しわが発生しにくい加工(例えば,厚肉管や低強度管の曲げ,または大曲げ半径の曲げ)ではワイパーダイが不要のため,図12のような加工も可能となる。
上記と同様に,ハイドロフォーム加工品3の膨出部10が曲げ内側にある場合で,膨出部10が曲げ加工部に更に近い図13のような例では,膨出部10がロール11と干渉する可能性がある。この場合は,ロール11に空洞部25を設け,曲げ加工の進行とともに,膨出部10がロール空洞部25に入り込むように,ロール(回転曲げ型)11の形状が膨出部10の形状と合うように設定しておけばよい。
図14に,2回目の曲げ加工で,ハイドロフォーム加工品3の膨出部10が締付けダイ12と干渉する例を示す。この場合は,締付けダイ12に膨出部10の形状と合うように空洞部26を設け,その位置で膨出部10を掴んで曲げ加工すればよい。同じく,ロール11の掴み部と干渉する図15の例の場合では,掴み部に膨出部10の形状と合うように空洞部27を設けて,その位置で膨出部10を掴んで曲げればよい。なお,上記のように,締付けダイやロールの掴み部の形状を変えることは,2ヶ所以上曲げる場合で,前の曲げ加工部が干渉する場合にはよく用いられる方法である。
次に,最終ハイドロフォーム加工品形状として,上記に説明したU字型以外の例を図16に示す。
同図(a)は,U字型と同じく曲げ箇所は2ヶ所であるが,1回目の曲げの後,加工品を180°回転させて2回目の曲げを行った例である。また,当然180°でなく他の角度でも可能である。
同図(b)は,曲げ箇所が1ヶ所の例である。本例のように,1ヶ所の曲げでも,直管側の長さが長く,反対側からの方が材料を流入させやすいような場合は,曲げ加工前にハイドロフォーム加工した方が大きく張り出すことができるため,本発明による方法が有効である。
同図(c)は曲げ箇所が4ヶ所存在する例であり,このように3ヶ所以上の曲げでも本発明は適用可能である。
同図(d)は,ハイドロフォームによる膨出部が一方のみでなく,両側に膨出した例である。このように,両側に膨出しても,あるいは3ヶ所以上の方向に膨出していても構わない。ただし,それぞれの膨出部が干渉する回転引き曲げの金型(プレッシャーダイ,回転曲げ型(ロール),締付けダイ)は,空洞部を設ける等の対策が必要である(詳細は前述のとおり)。
同図(e)は,複数箇所にハイドロフォームの膨出部が存在する例である。(d)の例のように,膨出部が円周方向に複数箇所あっても構わないし,本例のように管軸方向に複数箇所あっても,本発明は同様に適用できる。
下記に本発明の実施例を示す。なお,実施例の説明を補足するため,実施の形態(図7〜図16)で説明した構成要素については,図17,18,20,22中に同一の符号を付した。
金属管には外径50.8mm,肉厚2.0mm,全長1100mmの鋼管を用い,鋼種は機械構造用炭素鋼鋼管のSTKM11Aを採用した。当該鋼管で図17〜19に示すような加工を行った。まず第1工程として,ハイドロフォーム加工で中央部を膨出加工する(図17)。その際には通常のハイドロフォーム金型4を用いて加工を行い,膨出部10の高さを45mmとした。ハイドロフォーム時の内圧は32MPa,軸押し量は両端からそれぞれ55mmとした。また膨出部10への材料流入を促すために,高潤滑性の油を塗布してから加工した。
次に,第2工程として,当該ハイドロフォーム加工品3を回転引き曲げ加工で2回曲げを行い,全体をU字型に加工した。2回曲げの内,1回目の曲げを図18に,2回目の曲げを図19に示す。また,前述のハイドロフォーム加工による膨出部10はU字の外側に位置し,各曲げ加工における曲げ半径は150mm,曲げ角度は90°とした。なお,1回目の曲げ加工時には膨出部10がプレッシャーダイ13と干渉するため,干渉する箇所のプレッシャーダイ13に,膨出部10の形状と合うように空洞部19を設けた。空洞部19の形状は前述のハイドロフォーム加工で使用した金型4の空洞部5と同一形状とした。一方,2回目の曲げ加工では膨出部10とプレッシャーダイ13は干渉しないが,1回目と同一のプレッシャーダイ13を用いて加工した。
上記のような本発明による方法で加工すると,良好な加工品形状が得られた。なお,本加工品の最も減肉する箇所は,膨出部頂点であり,本例では1.55mmとなっていた。比較のため,同一形状を従来法で加工することを試みた。すなわち,まず曲げ加工を行った後に膨出部を加工するハイドロフォーム加工を行った。その結果,ハイドロフォーム工程で膨出部頂点の減肉が顕著になり,当該箇所で割れてしまい加工できなかった。その時のハイドロフォーム軸押し量は55mmと設定したが,実際には30mmを超えた頃から管端部での座屈が始まり,それ以上は膨出部に材料が流入しなかった。
図20は,最初のハイドロフォーム加工に可動金型23を使用した例である。可動金型23を使用した他は実施例1と同様の条件で試験を行った。可動金型23を使用すると,膨出部10頂点の減肉が抑制されるため,肉厚は1.8mmであった。また軸押し量(可動金型23による前進量)も少なくても済み,この場合は左右から30mmで加工が可能であった。
図21は,図19での加工の後で,第3工程としてハイドロフォーム加工を行った例である。図19の加工品の円形断面となっている箇所の一部をハイドロフォーム加工の型締め時に若干扁平させて,更に内圧を負荷して60mm×32mm(コーナーR=6mm)の長方形断面に加工した例である。このように,本発明による方法を用いると,複雑な形状の加工も可能になる。
一方,図22,23は,実施例1と逆に,U字の内側に膨出部10が存在する例である。その他の条件は実施例1と同様である。この場合は,1回目の曲げ加工時に膨出部10がワイパーダイだけでなくロール11とも干渉するため,ワイパーダイを取外し,膨出部10の形状と合うようにロール11の干渉箇所に空洞部25を設けている(図22)。本例の鋼管サイズは,外径50.8mm,肉厚2.0mmであり,肉厚−外径比が3.9%と比較的厚肉である。またSTKM11Aは加工性が良い材料で,曲げ半径も150mmと大きいため,ワイパーダイがなくても曲げ内側にしわや座屈は発生しなかった。また,本例では2回目の曲げ加工でも同一の空洞部付きロールを用いているが(図23),特に問題なく加工できている。
本発明は,例えば金属管の加工に利用できる。
ハイドロフォーム技術分野の進展の説明図を示す。 従来のハイドロフォーム後にプレス工法で曲げる方法の説明図を示す。 従来のハイドロフォーム後にプレス工法で曲げる方法の説明図を示す。 回転引き曲げ工法の説明図を示す。 従来の曲げ加工後にハイドロフォーム加工する方法の説明図を示す。 ハイドロフォーム加工における各種の軸押し方法の説明図を示す。 本発明の加工方法における最初のハイドロフォーム工程の説明図を示す。 本発明の加工方法における曲げ加工工程の説明図を示す。 本発明の加工方法における最終のハイドロフォーム工程の説明図を示す。 本発明の加工方法における最初のハイドロフォーム工程で,可動金型を用いた場合の説明図を示す。 本発明の加工方法における曲げ加工工程で,加工品の膨出部とプレッシャーダイが干渉しない場合の説明図を示す。 本発明の加工方法における曲げ加工工程で,加工品の膨出部が曲げ内側にあるためワイパーダイを省略した場合の説明図を示す。 本発明の加工方法における曲げ加工工程で,加工品の膨出部が曲げ内側にあるためロールと干渉する場合の説明図を示す。 本発明の加工方法における曲げ加工工程で,加工品の膨出部が締付けダイと干渉する場合の説明図を示す。 本発明の加工方法における曲げ加工工程で,加工品の膨出部がロールの掴み部と干渉する場合の説明図を示す。 本発明の加工方法を用いて加工可能な加工品形状の例を示す。 本発明の加工方法の実施例における最初のハイドロフォーム工程の説明図を示す。 本発明の加工方法の実施例における曲げ加工工程の第一曲げの説明図を示す。 本発明の加工方法の実施例における曲げ加工工程の第二曲げの説明図を示す。 本発明の加工方法の実施例における最初のハイドロフォーム工程で,可動金型を用いた場合の説明図を示す。 本発明の加工方法の実施例における最終のハイドロフォーム工程の説明図を示す。 本発明の加工方法の実施例における曲げ加工工程の第一曲げで,加工品の膨出部が曲げ内側にあるためロールと干渉する場合の説明図を示す。 本発明の加工方法の実施例における曲げ加工工程の第一曲げで,加工品の膨出部が曲げ内側にあるためロールと干渉する場合の第二曲げの説明図を示す。
符号の説明
1………金属管
2………曲げ加工品
3………ハイドロフォーム加工品
4………ハイドロフォーム金型
5………膨出部を加工するためのハイドロフォーム金型の空洞部
6………曲げ部
7………管端部
8………バースト部
9………軸押しパンチ
10……ハイドロフォーム加工品の膨出部
11……回転曲げ型(ロール)
12……締付けダイ
13……プレッシャーダイ
14……ワイパーダイ
15……マンドレル(砲弾)
16……マンドレル(玉)
17……マンドレルロッド
18……ブースターダイ(押し金またはチャック)
19……ハイドロフォーム加工品の膨出部が入るためのプレッシャーダイの空洞部
20……ハイドロフォーム後の曲げ加工品
21……最終ハイドロフォーム金型
22……最終ハイドロフォーム加工品
23……可動金型
24……管端と可動金型を同時に押込む軸押しパンチ
25……ハイドロフォーム加工品の膨出部が入るためのロールの空洞部
26……ハイドロフォーム加工品の膨出部が入るための締付けダイの空洞部
27……ハイドロフォーム加工品の膨出部が入るためのロール締付け部の空洞部

Claims (6)

  1. 第1工程で,分割した金型に金属管を挿入して型締めした後,前記金属管に内圧と管軸方向押し込み力を負荷するハイドロフォーム加工をし,第2工程で,当該金属管を回転引き曲げ工法で曲げることを特徴とする金属管の加工方法。
  2. ハイドロフォーム加工において,可動金型を用いて管軸方向に押込み力を付与することを特徴とする請求項1記載の金属管の加工方法。
  3. 第3工程として,第2工程の後の前記金属管を,第1工程の金型とは異なる形状の金型に挿入し,型締めした後で,内圧と管軸方向押し込み力を負荷するハイドロフォーム加工を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の金属管の加工方法。
  4. 請求項1,2又は3記載の金属管の加工方法に用いる回転引き曲げ加工装置であって,回転引き曲げ工法で曲げ外側に配置され,曲げ加工とともに前進するプレッシャーダイの形状が,前記第1工程におけるハイドロフォーム加工後の金属管の形状と合うことを特徴とする回転引き曲げ加工装置。
  5. 請求項1,2又は3記載の金属管の加工方法に用いる回転引き曲げ加工装置であって,回転曲げ型の形状が,前記第1工程におけるハイドロフォーム加工後の金属管の形状と合うことを特徴とする回転引き曲げ加工装置。
  6. 請求項1,2又は3記載の金属管の加工方法に用いる回転引き曲げ加工装置であって,締付けダイの形状が,前記第1工程におけるハイドロフォーム加工後の金属管の形状と合うことを特徴とする回転引き曲げ加工装置。
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