JP2008006448A - 異形管の曲げ加工方法および加工された自動車用部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管の曲げ加工方法であって、当該異形管の加工端およびその対極の送り端からなる両端を保持し、前記異形管をその曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスに嵌合させつつ、前記異形管の加工端を移動させ、当該異形管の断面積に応じて付与される引張応力を制御すること、前記異形管の曲げ加工の内周側の一部または全部に尖り部を形成させつつ曲げ加工を行うこと、または、これらを組み合わせて曲げ加工を行うことを特徴とする異形管の曲げ加工方法である。さらにこれらの加工法によって得られる自動車用部品である。
【選択図】図3
Description
(1)軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管の引張曲げ加工方法であって、当該異形管の加工端およびその対極の送り端からなる両端を保持し、前記異形管をその曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスに嵌合させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させるとともに、前記異形管の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させ、または移動させることなく保持することによって前記異形管に引張り応力を付与した状態とし、かつ、当該異形管の座屈を防止するように前記引張応力を制御することを特徴とする異形管の曲げ加工方法である。
(2)軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管の引張曲げ加工方法であって、当該異形管の加工端およびその対極の送り端からなる両端を保持し、前記異形管をその曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスに嵌合させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させるとともに、前記異形管の送り端を加工端の移動速度と略同じ速度で移動させ、前記回転曲げダイスに嵌合させる際に、前記異形管の曲げ加工の内周側の一部または全部に尖り部を形成させることを特徴とする異形管の曲げ加工方法である。
(3)軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管の引張曲げ加工方法であって、当該異形管の加工端およびその対極の送り端からなる両端を保持し、前記異形管をその曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスに嵌合させ、前記異形管の曲げ加工の内周側の一部または全部に尖り部を形成させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させるとともに、前記異形管の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させ、または移動させることなく保持することによって前記異形管に引張り応力を付与した状態で曲げ加工を行うことを特徴とする異形管の曲げ加工方法である。
(4)上記(1)〜(3)の異形管の曲げ加工方法では、前記回転曲げダイスと、異形管の形状と略同一の孔型を有する孔型ガイドとで前記異形管を挟持して曲げ加工を行うのが望ましい。
(5)上記(1)〜(4)の異形管の曲げ加工方法では、前記異形管の両端のうち、小周長側端部の内面に保持工具を装着して曲げ加工を行うこと、または前記異形管の加工端に平行部を設け、この平行部に中子を装着して当該平行部をクランプすることにより、加工端の移動時、または送り端の移動時のすべりを防止することができる。さらに、前記異形管の内面に芯金を装着して内面を拘束しつつ、曲げ加工を行うのが望ましい。
(6)上記(1)〜(5)の異形管の曲げ加工方法によって加工され、ブレーキペダルおよびシートフレームなどの車体基材、またはリインフォースなどの車体骨格部材に用いられることを特徴とする自動車用部品である。
(曲げ加工の装置構成)
図3は、本発明の曲げ加工方法を実施するための装置構成を示す図であり、(a)は曲げ加工前に異形管をセットした状態を示し、(b)は曲げ加工が進行している状態を示している。図3(a)に示すように、異形管1の先端側にセットされる加工端は、小周長側端部からなり、回転曲げダイス3に設けられた金型クランプ4と締め付けダイ5とでクランプされる。
(引張応力の制御)
本発明の曲げ加工方法は、異形管の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させ、または移動させることなく保持することによって前記異形管に引張り応力を付与した状態とし、かつ、当該異形管の座屈を防止するように前記引張応力を制御することを特徴としている。
(尖り部の形成)
本発明の曲げ加工方法は、異形管の送り端を加工端の移動速度と同じ速度で移動させ、前記回転曲げダイスに嵌合させる際に、前記異形管の曲げ加工の内周側の一部または全部に尖り部を形成させることを特徴としている。このとき、曲げ加工は引張応力を付加しない状態、または圧縮応力を付加しない状態といえる。
(端部保持、クランプ方法)
異形管の引張曲げ加工の際し、その両端をクランプするのにともない小周長側端部ですべりが発生し、曲げ加工部に充分な引張応力を付与することができない事態が発生する。これに対し、本発明の曲げ加工方法では、引張応力を付与するに際し、実操業を想定した場合により実現可能な対策として、小周長側端部に塑性変形を与えることよって管端部で発生するすべりを防止する手段の他に、小周長側端部の内面に保持工具を装着することよって管端部で発生するすべりを防止する手段を採用できる。
表1に示す薄鋼板Aを用いて、UO成形ののちレーザ溶接を行い、小周長側端部がφ26mm、大周長側端部がφ48mmで、管長さが420mmのテーパ管を作製した。これらのテーパ管を高さ25mmの矩形断面(コーナR約6mm)を有する角管のテーパ管に成形し曲げの素材(以下、「テーパ管A」という)とした。 得られたテーパ管Aを用いて、表2に示す各条件で前記図2に示す車体骨格部材のリインフォースの曲げ加工を実施し、曲げ加工後の表面状況を目視観察した。リインフォースの内周側に尖り部を形成する場合にはその尖り量δは3mmとした。目視観察の結果を表3に示す。
(実施例2)
表1に示す薄鋼板Bを用いて、UO成形ののちレーザ溶接を行い、小周長側端部がφ22mm、大周長側端部がφ51mmで、管長さが440mmのテーパ管を作製した。これらのテーパ管を高さ20mmの矩形断面(コーナR約5mm)を有する角管のテーパ管に成形し曲げの素材(以下、「テーパ管B」という)とした。テーパ管Bはテーラード鋼板を用い、前記図5(c)に示すように、先端(細径部)板厚t0を0.8mm、後端(大径部)板厚t1を1.4mmとしている。
3:ダイス、回転曲げダイス、 4:金型クランプ
5、締め付けダイ、 6:保持装置
7:ロッド、 8:後端クランプダイ
9:孔型ガイド、 10:ロッド
11:保持工具、 12:ストッパー
13:応力制御装置、 14:油圧シリンダー
15:中子、 16:芯金
1a:尖り部、 1b:平行部
Claims (9)
- 軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管の引張曲げ加工方法であって、
当該異形管の加工端およびその対極の送り端からなる両端を保持し、
前記異形管をその曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスに嵌合させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させるとともに、
前記異形管の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させ、または移動させることなく保持することによって前記異形管に引張り応力を付与した状態とし、
かつ、当該異形管の座屈を防止するように前記引張応力を制御することを特徴とする異形管の曲げ加工方法。 - 軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管の引張曲げ加工方法であって、
当該異形管の加工端およびその対極の送り端からなる両端を保持し、
前記異形管をその曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスに嵌合させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させるとともに、
前記異形管の送り端を加工端の移動速度と略同じ速度で移動させ、
前記回転曲げダイスに嵌合させる際に、前記異形管の曲げ加工の内周側の一部または全部に尖り部を形成させることを特徴とする異形管の曲げ加工方法。 - 軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管の引張曲げ加工方法であって、
当該異形管の加工端およびその対極の送り端からなる両端を保持し、
前記異形管をその曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスに嵌合させ、前記異形管の曲げ加工の内周側の一部または全部に尖り部を形成させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させるとともに、
前記異形管の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させ、または移動させることなく保持することによって前記異形管に引張り応力を付与した状態で曲げ加工を行うことを特徴とする異形管の曲げ加工方法。 - 軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管の引張曲げ加工方法であって、
当該異形管の加工端およびその対極の送り端からなる両端を保持し、
前記異形管をその曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスに嵌合させ、前記異形管の曲げ加工の内周側の一部または全部に尖り部を形成させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させるとともに、
前記異形管の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させ、または移動させることなく保持することによって前記異形管に引張り応力を付与した状態とし、
かつ、当該異形管の座屈を防止するように前記引張応力を制御することを特徴とする異形管の曲げ加工方法。 - 前記回転曲げダイスと、異形管の形状と略同一の孔型を有する孔型ガイドとで前記異形管を挟持して曲げ加工を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の異形管の曲げ加工方法。
- 前記異形管の両端のうち、小周長側端部の内面に保持工具を装着して曲げ加工を行い、加工端の移動時、または送り端の移動時のすべりを防止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の異形管の曲げ加工方法。
- 前記異形管の加工端に平行部を設け、この平行部に中子を装着して当該平行部をクランプし、加工端の移動時、または送り端の移動時のすべりを防止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の異形管の曲げ加工方法。
- 前記異形管の内面に芯金を装着して内面を拘束しつつ、曲げ加工を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の異形管の曲げ加工方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の曲げ加工方法によって加工され、ブレーキペダルおよびシートフレームなどの車体基材、またはリインフォースなどの車体骨格部材に用いられることを特徴とする自動車用部品。
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