JP2006142365A - ロール鍛造装置およびロール鍛造方法 - Google Patents

ロール鍛造装置およびロール鍛造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、素材から設定された通りの形状に容易に且つ確実に成形することができるロール鍛造装置およびロール鍛造方法を提供する。
【解決手段】 ロール鍛造装置は、間に素材Wを通過させることにより所定形状に成形する一対の鍛造ロール型1、1と、素材Wの送り方向の延びを制御する延び制御手段2、3の少なくとも一方と、を備えている。延び制御手段2と3の少なくとも一方が、素材Wに送り方向の延びによる力f1、f2に応じた力F1,F2を反対方向に加えるクッション機構を備えている。素材Wに送り方向の延びによる力f1、f2に応じた力F1,F2を反対方向に加えて拘束してその延びを抑制することにより、型彫り1aに素材Wの材料を充満させるため、設定された通りの形状に成形される。
【選択図】 図2

Description

本発明はロール鍛造装置およびロール鍛造方法に関し、さらに詳しくは、一対の鍛造ロール型の間に素材を通過させることにより所定形状に成形するロール鍛造装置およびロール鍛造方法に関するものである。
例えば自動車部品のステアリングナックルやコネクティングロッドなどのように、軸方向に比較的大きな径差を有する製品を型打ち鍛造により製造する場合には、一般に、かかる型打ち鍛造に先立ってロール鍛造により素材をその製品の形状に近い異形形状に断面減少させてなる粗形材に予備成形している。このようなロール鍛造成形の従来の技術としては特許文献1が知られている。
特許文献1は、ロボットの手首に固定されるフォージングロール用ロボットハンドに関するもので、金属素材を保持するロボットハンドにロール鍛造成形時の衝撃が伝達されることを回避することを目的としている。かかる目的のために、特許文献1では、ロボットの手首に固定される固定部と;該固定部に保持され、シリンダ室をもつシリンダと、該シリンダ室内で前進及び後退可能に設けられ該シリンダ室を第1室と第2室とに仕切るピストンとをもつシリンダ装置と;該ピストンの前進後退に伴い該ピストンと同じ方向に移動するとともに、金属素材を掴む掴み部をもつ素材保持部と;該シリンダ室に流体圧を供給して該ピストンを前進後退させる作動モードと該シリンダ室を非加圧状態とし該ピストンをフリー状態とする開放モードとに切替え可能な弁装置と;を具備することを特徴とするフォージングロール用ロボットハンド治具が開示されている。
すなわち、特許文献1は、フォージングロールの回転によって金属素材がロール鍛造成形される際に衝撃的に後退するのを、ロボットの手首に固定されたシリンダ装置によって吸収できるように構成したものである。
ところで、ロール鍛造においては、素材をロール間で1パスによって最終的に所望する形状に成形できるのは一般に稀であり、図5に示すように、素材W1を1パス成形し、その後、素材W1の姿勢を軸周りに90度回転させて2パス成形を行って素材W2の形状に成形するなど、複数回のパス成形を行うことにより素材を所定の形状に断面減少させるように成形している。また、型打ち鍛造に先立ってロール鍛造により予備成形する場合には、材料の歩留りを向上させてコスト低減を図るなどのために、素材をその製品の形状により近い形状に成形する必要がある。例えば、図6の(c)に示すように、大径部Gと小径部Hとテーパ部Jを有する段付き形状に成形する場合には、図6の(a)に示すように1パス目で小径部Hとなる部分hを比較的薄く、大径部Gとなる部分gを比較的厚くした素材W1を成形し、図6の(b)に示すように素材W1を軸周りに90度回転させて、2パス目を行って段付き形状の素材W2を成形する。なお、ここでいう薄い・厚いとは、一対の鍛造ロール型1、1の間の方向、すなわち断面図で示した図5における上下(垂直)方向の長さをいうこととする。図5の左方に示したように、1パス目で、小径部Hとなる部分hが比較的薄く成形されることにより、一対の鍛造ロール型1、1の各回転中心軸方向と平行な方向、すなわち平面図で示した図6の(a)における左右方向の幅Rhが比較的大きく、大径部Gとなる部分gは、比較的厚く成形されることにより、平面図で示した図6の(a)における左右方向の幅Rgが比較的小さく成形される。したがって、1パス目でこのように成形された素材W1をその軸周りに90度回転させた状態では、小径部Hとなる部分hの高さ(幅Rh)が断面図における上下方向に比較的高く、大径部Gとなる部分gの高さ(幅Rg)が断面図における上下方向に比較的に低くなることとなる。そして、この状態の素材W1に2パス目を行うときには、比較的高くなった小径部Hとなる部分hを比較的薄く、比較的低い大径部Gとなる部分gを比較的厚く成形することとなる。このように、小径部Hとなる部分hは、断面減少率が大きく形状変化も大きく、また、大径Hとなる部分hは、断面減少率が小さく形状変化も小さい。
また、素材Wは、鍛造ロール型1、1間を通過して所定形状に圧延成形されるときには、図8に示すように、鍛造ロール型1に対する送り方向(軸方向)前方および後方に延びが生じる。そして、素材Wの体積は一定であることから、断面減少率が大きい部分では素材Wの鍛造ロール型1、1に対する送り方向(軸方向)の延びも大きくなり、断面減少率が小さい部分では素材Wの鍛造ロール型1、1に対する送り方向(軸方向)の延びも小さくなる。鍛造ロール型1、1の型彫りは、素材の断面減少率に応じて上記水平方向の幅(図5のR)および軸方向の延びを予測して設計される。
特開平5‐169176号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、素材をその軸方向に拘束していない状態でロール鍛造を行っていたために、ロール間で成形するときに断面減少成形されることにより素材の肉が軸方向に逃げ、図7に示すように、鍛造ロール型1、1の型彫り1aに素材Wが充満されず接触しない欠肉Kが生じて所定の断面積に成形することができないという問題があった。そして、素材Wの軸方向の延びが、図9に示すように、予測(鎖線で示した)からズレが生じる場合(予測以上または予測以下である場合)には、断面積も予測からズレが生じることとなって鍛造ロール型1、1の型彫り1aと対応せず、欠肉となる部分Kが生じたり(軸方向の延びが予測以上の場合)、型彫り1aから素材Wの肉がはみ出ることによってバリが生じる(軸方向の延びが予測以下の場合)などの問題があった。また、これら設計と異なる形状に成形されることによる問題は、次の工程(パス)でさらに設計と異なる形状に成形される原因となっていた。さらに、素材の変形抵抗の変化の原因となる温度や、鍛造ロール型と素材との間の摩擦係数など、成形条件を一定に制御することは困難であった。そのため、設定された形状に成形することは従来の技術では困難であった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、素材から設定された通りの形状に容易に且つ確実に成形することができるロール鍛造装置およびロール鍛造方法を提供することを目的とする。
請求項1のロール鍛造装置に係る発明は、上記目的を達成するため、一対の鍛造ロール型の間に素材を通過させることにより所定形状に成形するロール鍛造装置であって、素材の送り方向の延びを制御する延び制御手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項2のロール鍛造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、一対の鍛造ロール型の間に素材を通過させることにより所定形状に成形するロール鍛造方法であって、成形時に素材の送り方向の延びを制御することを特徴とするものである。
請求項3のロール鍛造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項2の発明において、素材に送り方向の延びによる力に応じた力を反対方向に加えることによって、成形時に素材の送り方向の延びを制御することを特徴とするものである。
請求項4のロール鍛造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項2の発明において、鍛造ロール型を通過させるときの素材の長さを測定して、該長さに基づいて素材の送り方向の延びを制御することを特徴とするものである。
請求項1の発明では、一対の回転する鍛造ロール型の間に素材を通過させる。素材は、回転する鍛造ロール型の間に送られて通過するときに所定の厚さに圧延されて、鍛造ロール型の回転軸と平行な方向と、素材の送り方向(素材の軸方向)とに延びることとなる。このとき、延び制御手段が素材の軸方向への所定の力を加えることによって、送り方向の延びを制御する。そのため、素材は、送り方向の延びが拘束されて、鍛造ロール型の回転軸と平行な方向に所定量延びて、鍛造ロール型の型彫りに充満されるよう変形し、設定された通り所定形状に容易に且つ確実に成形される。なお、ここでいう素材の送り方向(素材の軸方向)への延びとは、素材の両端部に向かう方向、すなわち送り方向前方と送り方向後方とが含まれる。
請求項2の発明では、一対の回転する鍛造ロール型の間に素材を送って通過させ、素材を所定の厚さに圧延して、所定形状に成形する。素材は、鍛造ロール型の回転軸と平行な方向と、素材の送り方向(素材の軸方向)とに延びることとなる。このとき、素材に軸方向への所定の力を加えることによって、送り方向の延びを制御する。これにより、素材は、送り方向の延びが拘束されるため、鍛造ロール型の回転軸と平行な方向に所定量延びて、鍛造ロール型の型彫りに充満されるよう変形し、設定された通り所定形状に容易に且つ確実に成形される。なお、ここでいう素材の送り方向(素材の軸方向)への延びとは、素材の両端部に向かう方向、すなわち送り方向前方と送り方向後方とが含まれる。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、素材の送り方向の延びによる力に応じてこれと対抗する力を反対方向に加える場合には、素材の送り方向の延びが容易に制御され、したがって、素材が鍛造ロール型の型彫りに充満されるよう変形して、設定された通りの所定形状に容易に成形される。
請求項4の発明では、請求項2の発明において、ロール型を通過させて成形するときの素材の長さを測定して、該長さに基づいて素材の送り方向の延びを制御する場合には、素材の長さを測定することにより素材の軸方向の実際の延びを検知して、素材の送り方向の延びが正確に制御され、したがって、素材が鍛造ロール型の型彫りに充満されるよう変形して、設定された通りの所定形状により正確に成形される。
請求項1の発明によれば、素材の送り方向の延びを制御する延び制御手段を備えたことにより、簡単な構成で、素材から設定された通りの形状に容易に且つ確実に成形することが可能なロール鍛造装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、成形時に素材の送り方向の延びを制御するとにより、簡単な構成で、素材から設定された通りの形状に容易に且つ確実に成形することが可能なロール鍛造方法を提供することができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明において、素材に送り方向の延びによる力に応じた力を反対方向に加えることによって成形時に素材の送り方向の延びを制御する場合には、設定された通りの所定形状に容易に成形することができる。
請求項4の発明によれば、請求項2の発明において、ロール型を通過させるときの素材の長さを測定して、該長さに基づいて素材の送り方向の延びを制御する場合には、設定された通りの所定形状により正確に成形することができる。
最初に、本発明のロール鍛造装置の実施の一形態を、図1および図2に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、図6の(c)などに示したように、素材Wとして断面円形状の棒材から、軸方向中央と後端とに大径部Gを形成し、軸方向前端と中央との間、および中央と後端との間に小径部Hを形成し、大径部Gと小径部Hの間にテーパ部Jを形成した、段付き形状に成形する場合により説明する。図において、同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとする。
本発明のロール鍛造装置は、概略、間に素材Wを通過させることにより所定形状に成形する一対の鍛造ロール型1、1と、素材Wの送り方向の延びを制御する延び制御手段2、3の少なくとも一方と、を備えている。そして、この実施の形態においては、延び制御手段2と3の少なくとも一方が、素材Wに送り方向の延びによる力f1、f2に応じた力F1,F2を反対方向に加えるクッション機構(後述する)を備えている。
鍛造ロール型1は、各工程(パス)で成形する素材Wの形状に応じて、大径部Gを成形する部分1Gと、小径部Hを成形する部分1Hと、テーパ部Jを成形する部分1Jとが形成された型彫り1aがその外周面に施されている。両鍛造ロール型1は、互いに平行に配置されて近接・遠退可能に設けられた回転軸10にそれぞれ支持され、回転軸10に接続された駆動手段によって同期して所定の角度まで回転駆動されて、素材Wを送ると共に所定の形状に成形する。図1および図2に示した実施の形態では、素材Wは図の右方から左方へ、その軸方向に送られる。すなわち、素材Wの送り方向と軸方向とは一致している。素材Wは、鍛造ロール型1、1によって成形されると、圧延されて塑性変形するのに伴って送り方向前方および後方と、鍛造ロール型1、1の回転軸と平行な方向とに延びることとなる。
この実施の形態における延び制御手段2は、素材Wの送り方向後方端面に当接される押さえパンチ20と、この押さえパンチ20を素材Wの送り方向に移動可能に支持するアクチュエータ21と、を備えている。押さえパンチ20は、素材Wの送り方向前方端面に当接し得る大きさを有しており、送り方向後端部がアクチュエータ21に接続されている。アクチュエータ21は、素材Wの送り速度と、鍛造ロール型1、1間で成形されることによる送り方向(軸方向)への素材Wの延びとに応じて押さえパンチ20を素材Wの送り方向に沿って移動させることができるよう、押さえパンチ20を所定の方向(素材の送り方向前方と後方が含まれる)に所定の速度で所定量駆動する。
一方、延び制御手段3のアクチュエータは、延び制御手段2のアクチュエータと同様に構成することもできるが、素材Wの送り方向前方端への移動に伴ってチャックが従動移動されるよう、マニプレータにより構成することもできる。
ここで、押さえパンチ20の移動方向と速度について説明する。上述したように、鍛造ロール型1、1を互いに反対方向に回転駆動して素材Wをその軸方向に送ることによって、素材Wは、その軸方向と、鍛造ロール型1、1の回転軸方向と平行な方向と、に延びることとなる。図2に示すように、鍛造ロール型1、1の回転中心P,Pを結ぶ延長線から素材Wの送り方向後端の長さL2は、素材Wの送りと後端側への延びとの量が等しい場合には、ロール鍛造開始から終了までほぼ変動することはなく、素材Wの送りよりも後端側への延びの量が大きい場合には送り方向後方へ素材Wの送り方向後端の位置が後退するよう次第に延長し、素材Wの送りの方が後端側への延びの量よりも大きい場合には素材Wの送り方向後端の位置が送り方向に前進するよう次第に短縮することとなる。そこで、素材Wの送り方向後端までの長さL2がほぼ変動しない場合には、例えばアクチュエータ21として基端部が素材Wの長さに応じて位置調整可能に固定された油圧シリンダを採用し、この油圧シリンダ21のピストンロッドの先端に押さえパンチ20を接続して、素材Wの材料が欠肉を生じることなく鍛造ロール型1の型彫り1aに適当に充満させるように、素材Wの軸方向後方に延びようとする力f2と対抗して、所定の力で押さえパンチ20を介して素材Wの送り方向後端面を押圧すべく、油圧シリンダ21のシリンダ室内に作動油を所定の圧力で封入する。これにより、油圧シリンダ21は、素材Wの断面減少率に応じて発生する送り方向後方への延びによる力f2に応じた反発力F2を反対方向に加える延び制御手段2のクッション機構を構成する。すなわち、素材Wの断面減少率が低ければ、素材Wの軸方向の延びが少なく、したがって、かかる延びにより押さえパンチ20を介して油圧シリンダ21を押圧する力f2は小さいために、シリンダ室の圧力上昇が小さく、素材Wを軸方向に押圧する反発力F2も小さい。一方、素材Wの断面減少率が高ければ、素材Wの軸方向の延びが高く、したがって、かかる延びにより押さえパンチ20を介して油圧シリンダ21を押圧する力が大きくなることから、シリンダ室の圧力が大きく上昇して素材Wを軸方向に押圧する反発力F2が大きくなる。このように、シリンダ室内に作動油が所定の圧力で封入された油圧シリンダ21は、素材Wの軸方向の延びが小さければ小さい力F2で、軸方向の延びが大きければ大きい力F2で、延びようとする力に応じた力でその延びる方向とは反対方向に素材Wを押圧して拘束しその延びを抑制するクッション機構を構成しているのである。
また、素材Wの送りよりも延びの量が大きく素材Wの送り方向後端の位置が送り方向とは逆に次第に後退する場合には、素材Wを押圧して拘束しその延びを適当に抑制すべく、延びの量に応じてその延びる方向とは反対側に押さえパンチ20を後退移動させるようにアクチュエータ21を駆動する。
さらに、素材Wの送りの方が延びの量よりも大きく素材Wの送り方向後端の位置が送り方向に次第に前進する場合には、素材Wを押圧して拘束しその延びを適当に抑制すべく、素材Wの送り方向後端を適当な力で押圧するようにアクチュエータ21の駆動により押さえパンチ20を移動させる。
なお、本発明の制御手段2は、上述した実施の形態に限定されることなく、素材Wの送り方向の延びに応じて素材Wの送り方向前方または後方に適当な力F1,F2で押圧して拘束し、その延びを適当に抑制することにより、欠肉Kを発生させないように型彫り1aに素材Wの材料を充満させることができればよく、上述したクッション機構として、シリンダ室内に作動油が所定の圧力で封入された油圧シリンダ21以外の構成とすることもでき、また、クッション機構を設けることなくアクチュエータ21の駆動によって素材Wが軸方向に延びようとする力f2に応じた力F2でその延びる方向とは反対方向に素材Wを押圧して拘束しその延びを抑制するよう構成することもできる。さらに、素材Wの送り方向に対する制御は、送り方向後方から押圧するものだけでなく、素材Wの送り方向前方端を保持するチャック30を、上述した押さえパンチ20に接続された制御手段2のアクチュエータと同様に構成されたアクチュエータに接続して、素材Wの送り方向前方への延びようとする力f1に対して力F1を加えて抑制するよう構成することもできる。
本発明のロール鍛造装置では、素材Wの送り方向の延びようとする力f1、f2に応じて素材Wの送り方向前方または後方に適当な力F1,F2で押圧して拘束することにより、その延びを適当に抑制することができ、したがって、型彫り1aに素材Wの材料を適切に充満させることができることから、欠肉Kを発生させることなく、素材Wを設定された通りの形状に容易に且つ確実に成形することができる。
次に、本発明のロール鍛造方法の実施の一形態を、上述したように構成されたロール鍛造装置を使用して、断面円形状の棒材である素材Wから、大径部Gと小径部Hとテーパ部Jとを有する段付き形状に成形する場合によって詳細に説明する。
本発明のロール鍛造方法は、概略、一対の鍛造ロール型1、1の間に素材Wを通過させて所定形状に成形するときに、素材Wの送り方向の延びを制御するものである。
そして、成形時の素材Wの送り方向の延びの制御は、素材Wの送り方向の延びによる力f1、f2の少なくとも一方に応じてこれと対抗する力F1,F2の少なくとも一方を反対方向に加えることによる。
素材を成形するに際しては、鍛造ロール型1、1を互いに離間させ、所定の位置にチャック30を位置決めして素材Wを鍛造ロール型1、1間に挿入し、素材Wの送り方向前方端をチャック30に保持し、かかる前方端が両鍛造ロール型1、1の回転中心P,Pを結ぶ延長線から所定の位置に配置された状態で、鍛造ロール型1、1を互いに近接させる(図1の(a))。そして、図1の(b)に示すように、鍛造ロール型1、1を同期させて回転駆動し素材Wを送ると共に、所定の圧力の作動油が封入された油圧シリンダなどのアクチュエータ21により、押さえパンチ20を介して素材Wの送り方向後端を所定の力F2で押圧する。素材Wは、鍛造ロール型1、1間を通過して所定の形状に塑性変形されて圧延成形されるときに、鍛造ロール型1、1の回転軸10、10と平行な方向に延びようとすると共に、その軸方向にも所定の力f1、f2で延びようとする。しかしながら、この実施の形態では、押さえパンチ20を介してアクチュエータ21によって素材Wの軸方向前後端を拘束して所定の力F1,F2で押圧することによって軸方向の延びを制御するため、素材Wの材料が鍛造ロール型1、1の回転軸10、10と平行な方向に適切に延びて、鍛造ロール型1、1の型彫り1aに適当に充満されることとなり、したがって、欠肉Kが生じることがなく、素材Wを設定された通りの形状に容易に且つ確実に成形することができる。
次に、本発明のロール鍛造方法の別の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同様の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
この実施の形態におけるロール鍛造方法は、素材Wの軸方向に延びようとする力f1、f2の少なくとも一方に応じた力F1,F2を、クッション機構によって、その延びる方向とは反対方向に素材Wをその軸方向に押圧して拘束しその延びを抑制するものである。
この実施の形態では、素材Wの送りと延びとの量が等しく、鍛造ロール型1、1の回転中心P,Pを結ぶ延長線から素材Wの送り方向後端の長さL2は、ロール鍛造開始から終了まで大きく変動することはない。そして、この実施の形態で用いられるロール鍛造装置は、上述した油圧シリンダ21などによって構成されるクッション機構を含んでいる。そのため、図3に示すように、素材Wの軸方向の延びようとする力f2が小さければ小さい力F2で、素材Wの軸方向の延びようとする力f2が大きければ大きい力F2で、というように素材Wの軸方向の延びようとする力f1、f2と比例して、その力f1、f2とは反対方向に作用する力F1,F2で素材Wを軸方向に押圧して拘束し、その延びを抑制する。したがって、延び制御手段2、3のアクチュエータ21の制御が容易であることから、素材Wの送り方向の延びを容易に制御することができる。
次に、本発明のロール鍛造方法の別の実施の形態を、主に図4に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同様の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
本発明のロール鍛造方法は、概略、鍛造ロール型1、1間を通過させるときの素材Wの長さL1,L2の少なくと一方を測定して、その長さL1,L2に基づいて素材Wの送り方向の延びを制御するものである。
ここで、成形の途中においては、図2に示したように、素材の前方端(図2にAで示した区間)はチャック30に保持されて鍛造ロール型1、1の彫り型1aによる成形を受けず、また、これに連続するテーパ部Jも鍛造ロール型1による成形の初期のため、設定された形状に成形され、したがって、これらの箇所(図2にBで示した区間)の軸方向長さおよび断面積も狙い通りになる。一方、小径部Hは、単に鍛造ロール型1、1間で圧延成形しようとすると、鍛造ロール型1の回転軸10と平行な方向への素材Wの延びを予測することが困難であり、一般に断面積が狙いよりも少なくなって欠肉Kが生じることが多く(図7)、断面積が不足した分だけその材料が軸方向に流動することから、軸方向に設定された長さよりも長くなる傾向にある。すると、従来の技術でも説明したように、その小径部Hから送り方向後方のテーパ部Jや大径部Gに欠肉Kが生じることとなる(図9)。そこで、この実施の形態では、鍛造ロール型1、1の回転中心P,Pを結ぶ延長線から素材Wの送り方向前端までの長さL1と後端までの長さL2をセンサなどによって感知して、各部G,H,Jが予め設定された断面積となるような長さL1,L2の少なくとも一方と、これに対応する実際に測定された長さとを比較して、両者の間にズレがある場合にはズレを補正するようにチャック30と押さえパンチ20との少なくとも一方を移動させて素材Wの軸方向の延びを制御する。
より具体的には、図4に示すように、素材Wの軸方向先端から鍛造ロール型1、1の回転中心P,Pを結ぶ延長線までの長さL1を測定した場合、設定された形状に素材Wを成形する場合の長さL1が設定された狙いL1’(鎖線)に対して実際に測定された長さL1(実線)にズレmが生じているとすると、このズレmを補正するように、チャック30を支持しているアクチュエータを駆動して素材Wの軸方向前方への延びを制御する。素材Wは、軸方向前方への延びを制御されることにより、鍛造ロール型1の回転軸10と平行な方向に延びて、欠肉Kが生じることなく、型彫り1aに適切に充満されて所定形状に素材Wが確実に成形されることとなる。
本発明のロール鍛造装置の実施の一形態を示す概念図である。 図1の(b)の拡大図である。 本発明のロール鍛造方法の実施の一形態を説明するためのもので、素材の断面減少率と素材の軸方向の延びようとする力との関係と、この力と比例して加えられる反発力の関係とを示したグラフである。 本発明のロール鍛造方法の別の実施の形態を説明するためのもので、素材の軸方向先端から鍛造ロール型の回転中心を結ぶ延長線までの長さの設定値と測定値にズレが生じている状態を示すグラフである。 一般的な鍛造ロール型により成形される素材の断面の形状変化を説明するために示した図である。 図5に示した素材の各工程における平面図である。 素材に欠肉が生じた状態を説明するために示した断面図である。 素材が鍛造ロール型によって成形されて軸方向に延びる状態を説明するための概念図である。 素材が軸方向に自由に延びて断面積が設定された通りにならずズレが生じた状態を説明するためのグラフである。
符号の説明
1:鍛造ロール型、 2:延び制御手段、 3:延び制御手段、 f1:素材が軸方向前方に延びようとする力、 f2:素材が軸方向後方に延びようとする力、 F1:f1に対抗して加えられる力、 F2:f2に対抗して加えられる力

Claims (4)

  1. 一対の鍛造ロール型の間に素材を通過させることにより所定形状に成形するロール鍛造装置であって、
    素材の送り方向の延びを制御する延び制御手段を備えたことを特徴とするロール鍛造装置。
  2. 一対の鍛造ロール型の間に素材を通過させることにより所定形状に成形するロール鍛造方法であって、
    成形時に素材の送り方向の延びを制御することを特徴とするロール鍛造方法。
  3. 素材に軸方向の延びに応じた力をその軸方向に加えることによって、成形時に素材の送り方向の延びを制御することを特徴とする請求項2に記載のロール鍛造方法。
  4. ロール型を通過させるときの素材の長さを測定して、該長さに基づいて素材の送り方向の延びを制御することを特徴とする請求項2に記載のロール鍛造方法。
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